説明

検知装置、及び、検知方法

【課題】装置において車載の撮像部の搭載位置のズレ検知を誤って行わないようにする技術を提供する。
【解決手段】検知装置は、撮像部が取得する車両周辺の路面を含む車外画像に映る車両側の路面の像に基づいて、路面にある区画線のサイズを導出し、導出した該区画線のサイズと、予め記憶手段に記憶されていた路面にある区画線の基準サイズとを比較して、撮像部の搭載位置のズレを検知した場合にユーザへその旨を報知する。このため、撮像部の搭載位置のズレを誤ることなく精度良く検知することができ、その旨をユーザへ知らせることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、装置において、車載の撮像部が取得する車外画像に基づいて、車両が路面の走行レーンを区画する区画線を逸脱するか否かの判定を行い、その逸脱を判定した場合にユーザへその旨を報知する技術が開発されている。この技術によれば、車両を運転するユーザは、自車両と区画線の向こう側を走行する車両との衝突を回避させることができ、事故を未然に防止することができる。
【0003】
この技術は、前提として、撮像部が車両の適切な位置に搭載されていなければその効果を奏しない。つまり、車両に搭載される撮像部の搭載位置が不適切である場合は、車両が区画線を逸脱していないにもかかわらず、車両が区画線を逸脱したと判定し、ユーザへ誤った報知を行ってしまう虞がある。
【0004】
この問題を解決するために、装置において、車載の撮像部が取得した車外画像に映る物体に基づいて、撮像部の搭載位置のズレを検知(以降、この検知を「ズレ検知」という)する技術を採用することが考えられる。
【0005】
このような技術として、例えば、特許文献1に、装置が、車外画像に映る路面に示された標識に基づいてズレ検知を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平08−285534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、車両が特定の走行路を走行した場合は、車載の撮像部が取得した車外画像に映る物体、即ち、車外画像に映る特定の走行路面に示される標識に基づいてズレ検知を行うため、誤ったズレ検知を行ってしまう虞がある。
【0008】
つまり、車両が、特定の走行路、例えば、急カーブ、傾斜角が厳しい登坂路若しくは降坂路などを走行する場合は、車載の撮像部が取得する車外画像に映る路面の形状はそれぞれ直線的な形状ではないうえに、この路面に応じて路面に示される標識もそれぞれ変形してしまい、装置において、変形した標識に基づいてズレ検知を行うと、撮像部が適切な位置に搭載されていたとしても誤ってズレ検知を行ってしまうという問題が発生する。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、装置において誤ってズレ検知を行わないようにする技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知する検知装置であって、路面にある区画線の基準サイズを記憶する記憶手段と、前記撮像部が取得する前記車両の周辺の路面を含む車外画像を入力する入力手段と、前記車外画像に映る車両側の前記路面の像に基づいて、該路面にある前記区画線のサイズを導出する導出手段と、前記導出手段に導出されたサイズと、前記記憶手段に記憶された前記基準サイズとを比較する比較手段と、前記比較手段の比較結果に基づいて前記ズレを検知する検知手段と、前記ズレが検知された場合に、ユーザへその旨を報知する報知手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の検知装置において、入力された前記車外画像の左右中央と、前記車外画像に映る前記車両の左右中央とが一致しない場合に、前記比較結果を無効とする第1無効手段を更に備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2の何れかに記載の検知装置において、 前記検知手段は、前記車両が走行中において前記ズレの検知を行うことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載の検知装置において、前記区画線は破線であって、前記基準サイズは当該破線における線の長さ、間隔の長さ、及び、線と間隔とを併せた長さの何れかを含むことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項3の何れかに記載の検知装置において、前記区画線は実線であって、前記基準サイズは当該実線の幅であることを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5の何れかに記載の検知装置において、前記車両の水平方向に対する角度を検出する検知手段と、前記角度に基づいて前記車両の走行路が勾配であるか否かの勾配判定をする勾配判定手段とを更に備え、前記勾配判定により勾配が判定された場合は、前記比較手段を無効化する第2無効手段を更に備えることを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6の何れかに記載の検知装置において、前記区画線を前記車両が逸脱するか否かの車両逸脱を判定する逸脱判定手段を更に備え、前記報知手段は、前記車両逸脱を判定する場合にユーザへその旨を報知することを特徴とする。
【0017】
また、請求項8の発明は、車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知する検知方法であって、(a)前記撮像部が取得する前記車両の周辺の路面を含む車外画像を入力する工程と、(b)前記車外画像に映る車両側の前記路面の像に基づいて、該路面にある前記区画線のサイズを導出する工程と、(c)前記(b)工程で導出されたサイズと、予め記憶手段に記憶された路面にある区画線の基準サイズとを比較する工程と、(d)前記(c)工程の比較結果に基づいて前記ズレを検知する工程と、(e)前記ズレが検知された場合に、ユーザへその旨を報知する工程と、を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1ないし8の発明によれば、検知装置は、撮像部が取得する車両周辺の路面を含む車外画像に映る車両側の路面の像に基づいて、該路面にある区画線のサイズを導出し、導出した該区画線のサイズと、予め記憶手段に記憶されていた路面にある区画線の基準サイズとを比較して、撮像部の搭載位置のズレを検知し、ズレを検知した場合にユーザへその旨を報知する。このため、撮像部の搭載位置のズレを誤ることなく検知することができ、その旨をユーザへ知らせることができる。
【0019】
また、請求項2の発明によれば、検知装置は、車外画像の左右中央と車外画像に映る車両の左右中央とが一致した場合に、車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知をするため、撮像部の横方向及び縦方向におけるその搭載位置のズレを誤ることなく検知することができる。
【0020】
また、請求項3の発明によれば、検知装置は、車両が走行中に車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知をするため、その検知のための設定や環境を整備する必要性がなく、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0021】
また、請求項4の発明によれば、検知装置は、比較する基準サイズを、区画線である破線における線の長さ、間隔の長さ、及び、線と間隔とを併せた長さの何れかにして、車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知するため、ズレ検知を誤ることなく行うことができる。
【0022】
また、請求項5の発明によれば、検知装置は、比較する基準サイズを、区画線である実線の幅にして車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知するため、ズレ検知を誤ることなく行うことができる。
【0023】
また、請求項6の発明によれば、検知装置は、車両が勾配のある走行路を走行する場合は、そのズレ検知を無効にするため、撮像部が適切な位置に設置されていた場合のズレを検知してしまう虞を回避して、ズレ検知精度を低下させいないようにできる。
【0024】
また、請求項7の発明によれば、検知装置は、ズレ検知機能を備えるため、撮像部から入力した車外画像に基づいて車両逸脱を判定する機能を適切に機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】図1は、車両を示す図である。
【図2】図2は、車載装置を示す図である。
【図3】図3は、車載装置システムのシステムブロック図である。
【図4】図4は、撮像部の車両への搭載方法を示す図である。
【図5】図5は、車両の走行状態を示す図である。
【図6】図6は、車載装置の制御フローを示す図である。
【図7】図7は、車載装置の制御フローを示す図である。
【図8】図8は、車外画像を示す図である。
【図9】図9は、車外画像に映る路面に示す標識を認識する方法を示す図である。
【図10】図10は、車両逸脱判定をするためのマップを示す図である。
【図11】図11は、車載装置の制御フローを示す図である。
【図12】図12は、車載装置の制御フローを示す図である。
【図13】図13は、区画線のサイズを示す図である。
【図14】図14は、区画線のサイズを示す図である。
【図15】図15は、区画線のサイズを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
<代表の実施の形態>
本代表の実施の形態は、車載の撮像部が取得した車外画像に映る路面の区画線に基づいて、走行中の車両が路面の区画線を逸脱したか否かを判定する「車両逸脱判定機能」、及び、車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレ検知を行う「ズレ検知機能」を備えた検知装置、即ち、車載装置を例にして説明する。
【0027】
この車載装置について、以下、添付図面を参照しながら、「車載装置システムの構成」、「車両逸脱判定制御」、及び、「ズレ検知制御」の順に説明を行う。
【0028】
<車載装置システムの構成>
車載装置システムの構成を図1、図2、及び、図3に基づいて説明する。車載装置システムは、図1、及び、図3に示すように、車両1に搭載された車載装置2、撮像部6、加速度センサー7、操作部8、車速センサー9、ナビゲーション装置10、及び、ジャイロセンサー11などが信号線を介して電気的に接続されて備える。
【0029】
車載装置2は、車両1の助手席前のダッシュボード内に搭載される。
【0030】
撮像部6は、図2に示すように、レンズ13と撮像素子とを備えており、電子的に画像データを取得することが可能である。また、撮像部6は、撮像部本体14と搭載器具16とを備える。搭載器具16は、撮像部6を車両1のフロントガラス17へ接着して搭載されるための接着面12を形成する。搭載方法は、両面を接着剤により塗布された接着シートの片面を、搭載器具16の接着面12へ貼り付けるとともにもう片面を車両1のフロントガラス17へ貼り付けることにより行われる。
【0031】
更に、搭載器具16は、撮像部本体14を上下方向に調整可能にしつつ、搭載器具16と撮像部本体14とを組み合わせる支軸15を形成する。調整方法は、支軸15の調整ネジを締めて撮像部本体14を所望する角度において固定することにより行われる。
【0032】
撮像部6の搭載位置の詳細を図4に基づいて説明する。図4は、図1に示す車両1の領域Wを拡大した図である。撮像部6の車両1における搭載位置は、図4に示すように、車両1のフロントガラス17の内側で、フロントガラス17に搭載されるバックミラー18近傍において、その撮像方向が車外へ向くように搭載される。具体的には、車両1のフロントガラス17左右中央、かつ、フロントガラス17上端から所定距離(例えば、10cm)下方に搭載され、撮像部6の撮像方向が所定角度(例えば、15度)で搭載される。
【0033】
これにより撮像部6は、車両1の前方側の様子を示す車外画像を取得する。撮像部6が備えるレンズ13の搭載角度は、撮像部6が撮像した車外画像において、車両1が、図5に示すように、通常の走行を行った場合に、車両1のボンネットの端部が映るように設定され、かつ、車両1の進行方向における路面の走行レーンを区画する区画線が所定の領域に映るように設定される。
【0034】
なお、撮像部6の車両1への搭載は、車両1の製造工場、又は、車両販売会社などにおいて、上述したような搭載方法、及び、調整方法によって搭載されるためその搭載位置は適切に行われる。しかしながら、時間の経過による接着シートの接着力の低下、支軸15におけるネジの固定力の低下、または、車両1の事故などによる衝突などによって、その搭載位置が不適切になる虞がある。
【0035】
加速度センサー7は、車両1に加わる衝撃の大きさを示す加速度を加速度信号として車載装置2へ出力する。加速度センサー7は、車両1のエンジンルーム内に設置される。
【0036】
操作部8は、ユーザ操作を受け付けて、その操作内容を示す操作信号を出力する。操作部8は、車両1の助手席前のダッシュボード内に搭載される。
【0037】
車速センサー9は、車両1が移動した際に車輪が回転する速度を車速信号として車載装置2へ出力する。車速センサー9は、車両1のエンジンルーム内に設置される。
【0038】
ナビゲーション装置10は、GPS信号受信アンテナ、地図データ、及び、液晶ディスプレイなどを備える。ナビゲーション装置10は、車両1の運転席と助手席との間のセンターコンソール上部に、ナビゲーション装置10が備える表示画面を表出させて備わる。
【0039】
ジャイロセンサー11は、車両1に加わる水平方向に対する角度を示す信号を車載装置2へ出力する。ジャイロセンサー11は、車両1のエンジンルーム内に設置される。
【0040】
車載装置2と撮像部6とは、図2に示すように、通信ケーブルにより電気的に接続されている。車載装置2において、撮像部6が撮像した車両1の進行方向における車外画像を通信ケーブルを介して、車載装置2において入力可能にしている。
【0041】
車載装置2と加速度センサー7とは、通信ケーブルにより電気的に接続されている。車載装置2において、加速度センサー7が出力した加速度信号を通信ケーブルを介して、入力可能にしている。
【0042】
車載装置2と操作部8とは、通信ケーブルにより電気的に接続されている。車載装置2において、車載装置2が備える機能を開始及び終了させる操作を受け付ける操作部8から、その開始及び終了を示す信号を通信ケーブルを介して、入力可能にしている。
【0043】
車載装置2と車速センサー9とは、通信ケーブルにより電気的に接続されている。車載装置2において、車速センサー9が出力した車速信号を通信ケーブルを介して、入力可能にしている。
【0044】
車載装置2とナビゲーション装置10とは、通信ケーブルにより電気的に接続されている。車載装置2において、ナビゲーション装置10が有するナビゲーション情報を通信ケーブルを介して、入力可能にしている。
【0045】
車載装置2とジャイロセンサー11とは、通信ケーブルにより電気的に接続されている。車載装置2において、ジャイロセンサー11が出力した角速度信号を通信ケーブルを介して、入力可能にしている。
【0046】
車載装置2は、揮発性記憶部3、制御部4、及び、音出力部5を、バスなどの信号線により接続して備える。また、車載装置2は、通信ケーブルを介して撮像部6から受信される車外画像を、信号線を介して制御部4へ入力させる。更に、車載装置2は、通信ケーブルを介して、加速度センサー7から受信する加速度信号、操作部8から受信する操作信号、車速センサー9から受信する車速信号、ナビゲーション装置10から受信するナビゲーション情報、及び、ジャイロセンサー11から受信する角速度信号を信号線を介して制御部4へ入力させる。
【0047】
制御部4は、演算部4a(例えば、CPU)や、不揮発性記憶部4b(例えば、ROM)などを備えるマイコンである。制御部4は、不揮発性記憶部4bに記憶された制御プログラムを演算部4aが実行することにより、車両逸脱判定機能、及び、ズレ検知機能などを発揮させる。なお、車両逸脱判定機能、及び、ズレ検知機能の詳細については後述する。
【0048】
揮発性記憶部3は、例えばRAMなどの揮発性メモリであり、制御部4が制御プログラムを実行するなどの際に、パラメータなどを一時的に記憶するワーキングエリアとして機能する。
【0049】
音出力部5は、例えば、ブザーであり、第1記憶部が車両逸脱判定をした際に送信した信号を受信して音を出力させる機能を発揮する。
【0050】
次に、制御部4により実現される車両逸脱判定機能、及び、ズレ検知機能を説明する。
【0051】
まず、制御部4における車両逸脱判定機能を図6、及び、図7に示す制御フローに基づいて説明する。
【0052】
なお、以降の制御に示す各フラグは、制御におけるイニシャル処理及び終了処理においてオフにされるとともに、車載装置2のリセット処理においてオフにされる。
【0053】
<車両逸脱判定制御>
制御部4が実行する車両逸脱判定制御を図6の制御フローに基づいて説明する。
【0054】
制御部4は、ユーザ操作により操作部8からその機能を開始する旨の信号を受け付けた場合に、図6に示す制御フローを所定の周期で実行する。従って、制御部4は、所定の周期ごとに図6に示す制御フローのステップS1へ移行する。
【0055】
ステップS1において、制御部4は、逸脱判定機能を発揮する。制御部4が実行する車両逸脱判定処理の詳細を図7に示す制御フローに基づいて詳細に説明する。次に、制御部4は、図7に示す制御フローにおけるステップS4へ移行する。
【0056】
ステップS4において、制御部4は、図8に示すような、撮像部6が取得する路面を含む車外画像を入力し、入力した車外画像に含まれる路面に示される走行レーンを区画する区画線、即ち、右側区画線RL、及び、左側区画線LLを認識したか否かを判定する。区画線を認識したと判定する場合は、ステップS5へ移行する(ステップS4においてYES)。区画線を認識したと判定しない場合は、リターンへ移行する(ステップS4においてNO)。即ち、図6に示す制御フローにおけるステップS2へ移行する。
【0057】
制御部4による区画線の認識方法について詳細に説明する。制御部4は、カラー画像である車外画像をモノクロの車外画像に変換した場合に、車外画像を構成する複数の画素それぞれが示す明るさの差を検知して、車外画像においての区画線を認識する。つまり、制御部4は、複数画素それぞれが示す明るさの差が高い場合にエッジを検知する。そして、図9に示すように、互いに近傍にあるエッジH1とエッジH2との幅Lが、不揮発性記憶部4bに予め設定された路面の区画線を特定する幅と一致した場合に区画線を認識したと判定する。
【0058】
ステップS5において、制御部4は、車両1の進行方向における路面の走行レーンを区画する区画線は、図8に示すように、撮像部6が取得する車外画像において示される車両の外部の所定の領域に含まれる。
【0059】
その車外画像において示される所定の領域とは、図8に示すような、車両1のボンネットBにおける前端部の左右中央の点Cから左右方向に少なくとも2m離間した位置までを含む領域である。これにより、図8に示すように、車外画像において、車両1が走行する路面の走行レーンと、隣接する走行レーンとの境界を示す左側区画線LL及び右側区画線RLが、ボンネットBの両外側に示されることになる。
【0060】
制御部4は、図8に示すような、車外画像を利用して、車外画像に含まれる、車両1のボンネットBにおける端部の中央点Cと、車外画像に含まれる路面の走行レーンを区画する左側区画線LL及び右側区画線RLのうち車両寄りの右側区画線RLであって、車両1の右側前輪まで仮想的に延長させた場合の区画線RLのポイントPとの相対距離Dを算出する。次に、ステップS6へ移行する。
【0061】
ステップS6において、制御部4は、今回算出したその相対距離Dと、過去に算出したその相対距離Dに基づいて、車両1が横方向へ移動する際の加速度Gを算出する。次に、ステップS7へ移行する。
【0062】
ステップS7において、制御部4は、車両逸脱判定機能により、車両1が進行方向における路面の走行レーンを区画する区画線を逸脱するか否かの判定、即ち、逸脱判定を行う。制御部4が、逸脱判定を行う場合は、ステップS8へ移行する(ステップS7においてYES)。逸脱判定を行わない場合は、リターンへ移行する(ステップS7においてNO)。即ち、図6に示す制御フローにおけるステップS2へ移行する。
【0063】
制御部4が、実行する車両逸脱判定機能の詳細を説明する。制御部4は、算出した相対距離Dと横方向への移動速度である横移動速度Gとに基づいて、車両1がその区画線を逸脱するか否かを判定する。
【0064】
制御部4は、備える不揮発性記憶部4bに予め記憶されている図10に示すようなマップを参照して、相対距離Dと横方向への移動速度である横移動速度Gとが交差する位置を求める。そして、制御部4は、当該位置が、図中に示す車両逸脱警戒領域Wに含まれるか否かに基づいて車両逸脱判定を行う。
【0065】
ここで、図10に示すマップについて説明する。車両1と右側区画線RLとの相対距離D、及び、横移動速度Gが、マップにおける車両逸脱警戒領域Wに位置する場合は、車両1が右側区画線RLを逸脱する可能性が高い場合、又は、車両1が右側区画線RLを逸脱している場合である。つまり、この車両の逸脱は、車両1がその区画線を逸脱する可能性が高い場合と、車両1がその区画線を実際に逸脱した場合との両方を含む概念である。
【0066】
車両1が右側区画線RLを逸脱する可能性が高い場合とは、横移動速度Gが比較的小さくて相対距離Dが比較的小さい場合や、横移動速度Gが比較的大きくて相対距離Dが比較的大きい場合などであり、そのような場合を車両逸脱警戒領域Wに設定している。
【0067】
一方、相対距離Dが比較的大きくて、横移動速度Gが比較的小さい場合や、相対距離Dが比較的小さくて、横移動速度Gが比較的大きい場合などは、区画線を不意に超える虞はないため、マップにおけるそのような領域は車両逸脱警戒領域Wには設定されていない。
【0068】
つまり、このような逸脱警戒領域Wの設定は、車両1がその区画線を不意に超えそうだ、若しくは、超えたと感じる人間の感覚に基づいて設定されている。次に、ステップS8へ移行する。
【0069】
ステップS8において、制御部4は、警告フラグを揮発性記憶部3においてオンに設定する。次に、リターンへ移行する。即ち、図6に示す制御フローにおけるステップS2へ移行する。
【0070】
ステップS2において、制御部4は、揮発性記憶部3において警報フラグがオンにされているか否かを判定する。警報フラグがオンにされていると判定する場合は、ステップS3へ移行する(ステップS2においてYES)。警報フラグがオンにされていると判定しない場合は、リターンへ移行する(ステップS2においてNO)。
【0071】
ステップS3において、制御部4は、音出力部5を制御して音を出力する。これにより、制御部4は、車両1がその区画線を逸脱する可能性があること、又は、区画線を逸脱したことをドライバなどへ知らせることができる。
【0072】
次に、車載装置2におけるズレ検知機能を図11、及び、図12の制御フローに基づいて説明する。
【0073】
<ズレ検知制御>
制御部4が実行するズレ検知制御を図11の制御フローに基づいて説明する。
【0074】
制御部4は、ユーザ操作により操作部8からその機能を開始する旨の信号を受け付けた場合に、特に走行中において、図11に示す制御フローを所定の周期で実行する。従って、制御部4は、所定の周期ごとに図11に示す制御フローのステップS9へ移行する。
【0075】
なお、制御部4は、図11に示す制御と図6に示す制御とをマルチタスク制御によって並列に処理する。
【0076】
ステップS9において、制御部4は、ズレ検知機能を発揮する。制御部4が実行するズレ検知処理の詳細を図12に示す制御フローに基づいて詳細に説明する。次に、制御部4は、図12に示す制御フローにおけるステップS13へ移行する。
【0077】
ステップS13において、制御部4は、ナビゲーション装置10から受信するナビゲーション情報、又は、ジャイロセンサー11から受信する角度信号に基づいて、車両1が走行する走行路が勾配であるか否かを判定する。即ち、車両1が走行する走行路が坂路であるか否かを判定する。走行路が、坂路であると判定する場合は、そのままリターンへ移行する(ステップS13においてYES)。これにより以降の処理が回避され、区画線のサイズの比較処理が無効化される。そして、図11に示す制御フローにおけるステップS10へ移行する。勾配であると判定しない場合は、ステップS14へ移行する(ステップS13においてNO)。
【0078】
制御部4が、車両1が走行する走行路が坂路であるか否かを判定する場合とは、ナビゲーション装置10から、走行路が坂路であることを示すナビゲーション情報を受信した場合である。若しくは、ジャイロセンサー11から受信する角度信号に基づいて、車両1が水平方向に対して、所定角度(例えば、5度)以上を判定した場合である。
【0079】
ステップS14において、制御部4は、前述したように、図8に示すような、撮像部6が取得する路面を含む車外画像を入力し、入力した車外画像の所定の領域Xに含まれる路面の像に基づいて区画線のサイズを認識したか否かを判定する。区画線を認識したと判定する場合は、ステップS15へ移行する(ステップS14においてYES)。区画線を認識したと判定しない場合は、リターンへ移行する(ステップS14においてNO)。即ち、図11に示す制御フローにおけるステップS10へ移行する。
【0080】
車外画像の所定の領域Xとは、図8に示すように、車外画像の下を車両側とし車外画像の上を非車両側とした場合に、車外画像の車両側において一定の範囲に設定された領域をいう。また、所定の領域Xの横幅は、車外画像の横幅と略一致し、所定の領域Xの縦幅は、車外画像の縦幅の1/5から1/3以内の幅である。
【0081】
即ち、所定の領域Xは、車外画像に映る車両1のボンネット近傍に車外画像の横幅と略同一で車外画像の縦幅を1/3以上縮小させた領域である。
【0082】
ステップS15において、制御部4は、車外画像における所定の領域Xに含まれる区画線のサイズを導出する。次に、ステップS16へ移行する。
【0083】
ステップS16において、制御部4は、導出した区画線のサイズが、制御部4が備える不揮発性記憶部4bに予め記憶されている区画線の基準のサイズと比較する。次に、ステップS17へ移行する。
【0084】
ステップS17において、制御部4は、所定の領域Xに含まれる区画線のサイズと区画線の基準のサイズとが一致するか否か、又は、所定の領域Xに含まれる区画線のサイズと区画線の基準のサイズとが略一致するか否かを判定する。一致したと判定しない場合、及び、略一致したと判定しない場合は、ステップS18へ移行する(ステップS17においてNO)。一致したと判定する場合、又は、略一致したと判定する場合は、リターンへ移行する(ステップS17においてYES)。即ち、図11に示す制御フローにおけるステップS10へ移行する。
【0085】
なお、上述したように、制御部4が、所定の領域Xに含まれる区画線のサイズと区画線の基準のサイズとが略一致すると判定する場合とは、それらを比較した際の差分が所定範囲内(例えば、3cm以内)に収まった場合をいう。
【0086】
ここで、制御部4が、比較対象とする車外画像における所定の領域Xに含まれる区画線のサイズとは、所定の領域Xに含まれる区画線のサイズと、撮像部6が車両1に適切に搭載された際の車両1のフロントガラス17における搭載位置、及び、搭載角度などとに基づいて導き出した実際の区画線のサイズ(例えば、実際の区画線の長さなど)をいう。
【0087】
また、不揮発性記憶部4bに予め記憶されている区画線の基準のサイズとは、例えば、図13に示すような、走行路における路面に示される走行レーンを区画する区画線のうち、破線における線の長さ(一般道の場合は5m)、間隔の長さ(一般道の場合は5m)、又は、線と間隔とを併せた長さ(一般道の場合は10m)などである。
【0088】
他にも、不揮発性記憶部4bに予め記憶されている区画線の基準のサイズとは、例えば、図14に示すような、走行路における路面に示される走行レーンを区画する区画線のうち、破線における線の長さ(高速道の場合は8m)、間隔の長さ(高速道の場合は12m)、又は、線と間隔とを併せた長さ(高速道の場合は20m)などである。
【0089】
他にも、不揮発性記憶部4bに予め記憶されている区画線の基準のサイズとは、例えば、図15に示すような、走行路における路面に示される走行レーンを区画する区画線のうち、実線における幅(30cm)などである。
【0090】
他にも、不揮発性記憶部4bに予め記憶されている区画線の基準のサイズには、図示しない、法律により規定された走行レーンを区画する種々の区画線のサイズが考えられる。
【0091】
また、車載装置2は、カーナビゲーション装置10から受信したナビゲーション情報に基づいて判定した走行路に応じた区画線の基準のサイズを不揮発性記憶部4bから抽出する。若しくは、車載装置2は、車外画像に含まれる交通規制標識などの認識結果に応じた区画線の基準のサイズを不揮発性記憶部4bから抽出する。
【0092】
ステップS18において、制御部4は、車外画像に映る車両のボンネットBにおける前端部の左右中央の点Cと、車外画像の左右中央とが一致するか否かを判定する。左右中央の点Cと、車外画像の左右中央とが一致すると判定しない場合は、ステップS19へ移行する(ステップS18においてNO)。左右中央の点Cと、車外画像の左右中央とが一致すると判定する場合は、そのままリターンへ移行する(ステップS18においてYES)。即ち、図11に示す制御フローにおけるステップS10へ移行する。これにより、ステップS19の処理が回避されて、比較結果は無効化される。
【0093】
ステップS19において、制御部4は、揮発性記憶部3に設定されたカウンタを1つカウントする。このカウンタは、区画線のサイズの比較結果が不一致となった回数を計数するために利用される。なお、このカウンタは、制御部4が実行する制御におけるイニシャル処理及び終了処理においてリセットされるとともに、車載装置2のリセット処理においてリセットされる。次に、リターンへ移行する。即ち、図11に示す制御フローにおけるステップS10へ移行する。
【0094】
ステップS10において、制御部4は、揮発性記憶部3に設定されているカウンタが所定値(例えば、5)以上か否かを判定する。カウンタが所定値以上であると判定する場合は、撮像部6の車両における搭載位置にズレが生じていると判断して、ステップS11へ移行する。カウンタが所定値以上であると判定しない場合は、リターンへ移行する。
【0095】
ステップS11において、制御部4は、音出力部5を制御して、ユーザへその旨を報知する。即ち、車両に搭載される撮像部6の搭載位置がズレていることをユーザへ知らせる。
【0096】
つまり、車載装置2は、撮像部6が取得する車両周辺の路面を含む車外画像に映る車両側の路面の像に基づいて、該路面にある区画線のサイズを導出し、導出した該区画線のサイズと、予め不揮発性記憶部4bに記憶していた路面にある区画線の基準サイズとを比較して、車両へ搭載される撮像部6の搭載位置のズレを検知し、ズレを検知した場合にユーザへその旨を報知する。
【0097】
このため、ユーザは撮像部6の搭載位置がズレていることを知ることができ、車両1や車載装置システムを購入した販売会社などで、撮像部6の搭載位置を適切にしてもらうことができる。つまり、ユーザは、車載装置2において、撮像部6の不適切な搭載位置によって、誤った車両逸脱判定がされないようにすることができる。
【0098】
また、車載装置2は、カウンタを用いて比較結果が不一致となるのを計数し、不一致を所定値以上計数した場合に、ズレ検知を行う。そして、ユーザへその旨報知するため、誤ったズレ検知をユーザへ知らせることなく、精度の高いズレ検知をユーザへ知らせることができる。
【0099】
また、車載装置2は、車両1が走行する走行路が勾配の場合には、ズレ検知がされないよう区画線のサイズを比較する機能を無効にする。このため、誤ったズレ検知をユーザへ知らせることなく、精度の高いズレ検知をユーザへ知らせることができる。
【0100】
また、車載装置2は、左右中央点Cと車外画像の左右中央点とが不一致の場合に、比較結果を無効にするため誤った比較結果に基づいてズレ検知をすることを防ぐことができる。
【0101】
また、車載装置2は、車外画像の所定の領域Xに映る区画線に基づいてズレ検知を行うため、車外画像における車両1よりも遠い位置の区画線に基づいた誤ったズレ検知を防ぐことができる。
【0102】
ここで、誤ったズレ検知をするのは次のような理由に基づく。車外画像において車両1よりも遠い位置に、特定の走行路、例えば、急カーブ、傾斜角が厳しい登坂路若しくは降坂路などが映ると、車外画像に映る路面の形状はそれぞれ直線的な形状ではないうえに、その路面に示される区画線の映り方も路面に応じて変形してしまう。
【0103】
もし、車載装置2が、車外画像に映る路面に応じて変形して映る区画線に基づいてズレ検知を行ったとしたら、撮像部6が適切な位置に搭載されていたとしても、変形していない区画線の基準サイズに基づいてズレ検知を行うため、誤ったズレ検知を行ってしまう虞がある。
【0104】
<変形例>
以上、本発明の代表の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記代表の実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では他の実施形態である変形例について説明する。もちろん、以下で説明する形態を適宜組み合わせても良い。
【0105】
<変形例1>
上記代表の実施の形態における、撮像部6の搭載方法を、「撮像部6の車両1への搭載は、車両1のフロントガラス内側であって、フロントガラスにおけるバックミラー近傍において、その撮像方向が車外へ向くよう搭載される」と説明したが、車両1のリアガラス内側の上端における左右中央に搭載されても良い。
【0106】
この場合、撮像部6の撮像方向が車外へ向くように搭載され、撮像部6が備えるレンズの搭載角度は、撮像部6が撮像した車外画像において、車両1が通常の走行を行った場合に、車両1のトランクの端部が映るように設定され、かつ、車両1の進行方向の逆方向における路面の走行レーンを区画する区画線が所定の領域に映るように設定される。
【0107】
その車外画像において示される所定の領域とは、車両1のトランクにおける前端部の左右中央の点から左右方向に少なくとも2m離間した位置までを含む領域である。これにより、車両1が走行する路面の走行レーンと、隣接する走行レーンとの境界を示す左側区画線LL及び右側区画線RLが、車外画像において示されることになる。
【0108】
このように撮像部6を搭載するため、制御部4は、車外画像に含まれる、車両1のトランクにおける端部の中央点と、車外画像に含まれる路面の走行レーンを区画する左側区画線LL及び右側区画線RLのうち、右側区画線RLであって、車両1の右側後輪まで仮想的に延長させた場合の右側区画線RLのポイントとの相対距離Dを算出することができる。
【0109】
<変形例2>
上記代表の実施の形態において、「制御部4は、音出力部5を制御して音を出力する。これにより、制御部4は、車両1がその区画線を逸脱する可能性があること、又は、区画線を逸脱したことをドライバなどへ知らせる」すると説明したが、車載装置2の制御部4が通信ケーブルを介してナビゲーション装置10へ車両逸脱判断による警報を示す信号を送信し、その信号を受信した車載装置2が警報を示す音や映像を出力するものであっても良い。
【0110】
<変形例3>
上記代表の実施の形態において、「加速度センサー7は、車両1のエンジンルーム内に設置される」と説明したが、加速度センサー7は車載装置2が備えても良い。
【0111】
<変形例4>
上記代表の実施の形態における図12に示す制御フローにおいて、「ステップS13において走行路が坂路であると判定した場合には、以降の撮像部6の搭載位置のズレ検知処理を実行しない」と説明したが、車載装置2が備える制御部4が、ナビゲーション装置10から受信するナビゲーション情報、又は、ジャイロセンサー11から受信する角度信号に基づいて、車両1が走行する走行路が坂路であると判定(この判定を第1判定という)し、第1判定から所定時間経過後に、車両1が走行する走行路が坂路であると判定(この判定を第2判定という)した場合に、第1判定をした際の傾斜角と、第2判定をした際の傾斜角が同じ場合には、以降の撮像部6の搭載位置のズレ検知処理を実行し、第1判定をした際の傾斜角と、第2判定をした際の傾斜角が同じでない場合には、以降の撮像部6の搭載位置のズレ検知処理を実行しないようにしても良い。
【0112】
つまり、車載装置2は、車両1が傾斜角が同じ坂路を走行し続けている場合には、ズレ検知を実行し、車両1が傾斜角が所定時間において変化する坂路を走行している場合にはズレ検知を実行しない。
【0113】
これにより、車両1が傾斜角が所定時間において変化する坂路を走行している場合に、即ち、車両1が備える撮像部6が取得する車外画像に映る路面に含まれる区画線が、様々な形状に変化する場合に、撮像部6が適切な位置に搭載されていたとしても、変形していない区画線の基準サイズに基づいてズレ検知を行うため、誤ったズレ検知を行ってしまうのを防ぐことができる。
【0114】
<変形例5>
上記代表の実施の形態において、「ステップS16において、制御部4は、導出した区画線のサイズが、制御部4が備える不揮発性記憶部4bに予め記憶されている区画線の基準のサイズと比較する」と説明したが、制御部4が備える不揮発性記憶部4b、例えば、フラッシュメモリへ、車両1が様々な走行路を走行した際に区画線の基準のサイズを学習して記憶させるようにしても良い。
【0115】
制御部4が、区画線の基準サイズを学習する場合は、撮像部6が適切な位置に搭載されていることを条件とするため、学習の所定時間前にズレ検知をしていないことを確定した後に実行する。
【0116】
また、制御部4は、ナビゲーション装置10から受信するGPS信号とともに学習した基準サイズをフラッシュメモリへ記憶する。そして、制御部4は、ズレ検知を行う際に、フラッシュメモリから、受信したGPS信号に対応するGPS信号に関連した学習基準サイズを読み出し、読み出した学習基準サイズに基づいて前述したズレ検知を行うようにしても良い。
【0117】
これにより、車載装置2は、多種の区画線の基準サイズをフラッシュメモリに記憶することができるとともに、多種の区画線に対応できる柔軟なズレ検知を行うことができる。
【0118】
<変形例6>
各実施例の制御を説明する制御フローにおける各処理は、便宜上、一の系列で示しているが、細分化されたそれぞれの処理を制御部4がマルチタスク制御機能により並列に処理するものであっても良い。
【符号の説明】
【0119】
2 車載装置
4 制御部
5 音出力部
6 撮像部
7 加速度センサー
9 車速センサー
11 ジャイロセンサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知する検知装置であって、
路面にある区画線の基準サイズを記憶する記憶手段と、
前記撮像部が取得する前記車両の周辺の路面を含む車外画像を入力する入力手段と、
前記車外画像に映る車両側の前記路面の像に基づいて、該路面にある前記区画線のサイズを導出する導出手段と、
前記導出手段に導出されたサイズと、前記記憶手段に記憶された前記基準サイズとを比較する比較手段と、
前記比較手段の比較結果に基づいて前記ズレを検知する検知手段と、
前記ズレが検知された場合に、ユーザへその旨を報知する報知手段と、
を備えたことを特徴とする検知装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検知装置において、
入力された前記車外画像の左右中央と、前記車外画像に映る前記車両の左右中央とが一致しない場合に、前記比較結果を無効とする第1無効手段を更に備えることを特徴とする検知装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2の何れかに記載の検知装置において、
前記検知手段は、前記車両が走行中において前記ズレの検知を行うことを特徴とする検知装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れかに記載の検知装置において、
前記区画線は破線であって、前記基準サイズは当該破線における線の長さ、間隔の長さ、及び、線と間隔とを併せた長さの何れかを含むことを特徴とする検知装置。
【請求項5】
請求項1から請求項3の何れかに記載の検知装置において、
前記区画線は実線であって、前記基準サイズは当該実線の幅であることを特徴とする検知装置。
【請求項6】
請求項1から請求項5の何れかに記載の検知装置において、
前記車両の水平方向に対する角度を検出する検知手段と、
前記角度に基づいて前記車両の走行路が勾配であるか否かの勾配判定をする勾配判定手段とを更に備え、
前記勾配判定により勾配が判定された場合は、前記比較手段を無効化する第2無効手段を更に備えることを特徴とする検知装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6の何れかに記載の検知装置において、
前記区画線を前記車両が逸脱するか否かの車両逸脱を判定する逸脱判定手段を更に備え、
前記報知手段は、前記車両逸脱を判定する場合にユーザへその旨を報知することを特徴とする検知装置。
【請求項8】
車両に搭載される撮像部の搭載位置のズレを検知する検知方法であって、
(a)前記撮像部が取得する前記車両の周辺の路面を含む車外画像を入力する工程と、
(b)前記車外画像に映る車両側の前記路面の像に基づいて、該路面にある前記区画線のサイズを導出する工程と、
(c)前記(b)工程で導出されたサイズと、予め記憶手段に記憶された路面にある区画線の基準サイズとを比較する工程と、
(d)前記(c)工程の比較結果に基づいて前記ズレを検知する工程と、
(e)前記ズレが検知された場合に、ユーザへその旨を報知する工程と、
を備えたことを特徴とする検知方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2012−30687(P2012−30687A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171535(P2010−171535)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】