説明

検索装置、及び検索用プログラム

【課題】より広汎な文字列に対しても入力操作の支援を行う。
【解決手段】目的地データには、目的地として設定される施設等の名称、座標情報等の施設情報と、当該施設等を検索するための検索キーが格納される。検索キーとしては、全施設に対して名称の読みが設定され、該当する場合には更に、愛称や通称、旧名称の読み等が設定される。そして目的地が選択されると、その目的地の全検索用キーを学習データとして記憶する。これにより、以前検索した施設を検索する場合に、以前の検索で入力した文字列以外の検索キーに対応する入力文字に対しても入力文字候補が表示されるため、ユーザは入力文字候補を選択することで少ない回数の入力操作で所望施設を検索することが可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索装置、及び検索用プログラムに関し、例えば、ユーザが設定した検索語を学習するものに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ナビゲーション装置によって車両を誘導することが盛んに行われている。
ナビゲーション装置は、出発地から目的地までの経路を探索する機能、GPS(Global Positioning System)衛星やジャイロなどのセンサを用いて自車両の位置を検出する機能、及び目的地までの経路と自車両の現在位置を地図上に表示する機能などを備えている。
【0003】
ナビゲーション装置には、例えば、特許文献1の「車両用ナビゲーション装置及び記憶媒体」のように、ユーザから検索語の入力を受け付け、当該検索語に該当する地点名称(施設名称)などを検索することにより目的地を設定させるものがある。
【特許文献1】特開平11−271084号公報
【0004】
ところで、本願の出願人は、未公開の技術として、ユーザの検索語の入力を支援するため、検索により選択された目的地名称の読みを学習しておき、学習済みの目的地名称の一部が入力された時点で入力文字の候補を表示する技術を開発している。
例えば、検索語「みえら」の入力に基づいて候補として提示された「三重ラスカル」「三重ランド」…から「三重ランド」が目的地と選択された場合に、その読み「みえらんど」を学習(記憶)しておく。
そして、次に検索文字「み」が入力された場合に、学習した「みえらんど」を入力文字の候補として表示することにより、ユーザによる入力操作(入力文字数)を減らすことができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、検索対象となる目的地は、その名称の読みだけでなく、例えば、愛称や、旧名称から検索可能なように目的地データが構成されている場合がある。
例えば、目的地「三重ランド」の検索キーとして、名称の読み「みえらんど」以外に、愛称「みらん」や、新たな名称「ランドパーク三重」の読み「らんどぱーくみえ」などでも検索できるようになっている場合がある。
このような場合に、学習した目的地「三重ランド」を検索する場合に、その読み「みえらんど」以外の文字列からも検索可能である場合、例えば、愛称の読み「えらん」からも検索可能な場合がある。
このため、前回は旧名称「三重ランド」で検索したが、その三重ランドに行った際に新しい名称「ランドパーク三重」や、愛称「エラン」を知ったとしても、前回検索した「みえらんど」しか学習(記憶)していないため、「ら」や「え」を入力したとしても「らんどぱーくみえ」や「えらん」が入力文字候補として表示されず、入力操作を十分に支援することはできなかった。
【0006】
そこで本発明は、より広汎な文字列に対しても入力操作の支援を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、入力された文字列に対応する対象の候補を提示し、選択された対象に関する情報を出力する検索装置であって、対象に関する情報と、当該対象を検索するための検索用キーが設定された記憶手段と、前記選択された対象に対して設定されている検索用キーを学習キーとして記憶する学習キー記憶手段と、検索語としての文字列を入力する入力手段と、前記入力された文字列と前方一致する学習キーを入力文字候補として、選択可能に提示する入力文字候補提示手段と、前記入力された文字列、又は選択された入力文字候補を検索用キーとして、前記記憶手段から対象の候補を検索結果として提示する検索手段と、前記提示した対象の候補から選択された対象に関する情報を出力する出力手段と、を備え、前記学習キー記憶手段は、前記設定されている検索用キーが複数存在する場合に複数の検索用キーを学習キーとして記憶する、ことを特徴とする検索装置を提供する。
(2)請求項2記載の発明では、前記記憶手段は、検索用キーとして当該対象の名称の読みと、該当する場合には、当該対象の略称、愛称、旧名称、将来名称の内の少なくとも1つが設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の検索装置を提供する。
(3)請求項3記載の発明では、前記入力文字候補提示手段は、前方一致する学習キーが存在しない場合、又は提示可能数未満である場合には、前記入力された文字列と前方一致する検索用キーを提示する、ことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の検索装置を提供する。
(4)請求項4記載の発明では、前記記憶手段に記憶される対象は、ナビゲーション装置における目的地であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の検索装置を提供する。
(5)請求項5記載の発明では、対象に関する情報と、当該対象を検索するための検索用キーが設定された記憶手段を備え、入力された文字列に対応する対象の候補を提示し、選択された対象に関する情報を出力するコンピュータに、前記選択された対象に対して設定されている検索用キーを学習キーとして記憶する学習キー記憶機能と、検索語としての文字列を入力する入力機能と、前記入力された文字列と前方一致する学習キーを入力文字候補として、選択可能に提示する入力文字候補提示機能と、前記入力された文字列、又は選択された入力文字候補を検索用キーとして、前記記憶手段から対象の候補を検索結果として提示する検索機能と、前記提示した対象の候補から選択された対象に関する情報を出力する出力機能と、を実現させる検索用プログラムであって、前記学習キー記憶機能は、前記設定されている検索用キーが複数存在する場合に複数の検索用キーを学習キーとして記憶する、ことを特徴とする検索用プログラムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、対象に関する情報と、当該対象を検索するための検索用キーが設定され、選択された対象に対して設定されている検索用キーが複数存在する場合に複数の検索用キーを学習キーとして記憶し、入力された文字列と前方一致する学習キーを入力文字候補として、選択可能に提示するので、前回検索し選択した対象について、前回とは異なる検索用キーによる検索、及び入力支援が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の検索装置及び検索用プログラムにおける好適な実施の形態について、検索装置をナビゲーション装置に適用した場合を例に、図1から図6を参照して詳細に説明する。
(1)実施の形態の概要
ナビゲーション装置1は、ユーザが検索のための文字列を入力すると、当該文字列に対応する目的地データを検索し、目的地候補をユーザに提示する。ユーザは、提示された目的地候補を参照して所望の目的地を選択、及び設定を行う。
目的地データには、目的地として設定される施設等の名称(表記情報)、座標情報(緯度、経度)、住所、電話番号等からなる施設情報と、当該施設等を検索するための検索用キーが格納される。検索用キーとしては、全ての施設に対して名称の読み(検索キー)が設定され、該当する施設に対しては更に、施設の愛称や通称の読み、旧名称の読み等が設定されている。
そして、目的地に選択された施設等を検索可能な全ての検索用キー(検索キー、別名、関連情報等)を学習データとして記憶する。
これにより、以前検索した施設を検索する場合に、以前の検索で入力した文字列以外の検索キーに対応する入力文字に対しても入力文字候補が表示されるため、ユーザは入力文字候補を選択することで少ない回数の入力操作で所望施設を検索することが可能になる。
【0010】
(2)実施の形態の詳細
図1は、本実施形態が適用されるナビゲーション装置1のシステム構成図である。
このナビゲーション装置1は、車両に搭載され、この図1に示すように、現在位置検出装置10、情報処理制御装置20、入出力装置40及び情報記憶装置50とを備えている。
まず、現在位置検出装置10は、以下のような構成を有している。絶対方位センサ11は、例えば、磁石に基づいてN方向の検出から、車両が何れの方向に位置するかを検出する地磁気センサであり、絶対方位を検出する手段であればよい。
【0011】
相対方位センサ12は、例えば交差点を曲がったか否かを検出するものであり、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム或いは車輪部に取り付ける角度センサでもよい。
また、角速度を利用して角度の変化を検出するジャイロセンサを用いてもよい。つまり、基準角度(絶対方位)に対して、相対的に変化した角度を検出することができる手段であればよい。
距離センサ13は、例えば、車輪の回転を検出して計数するものや、加速度を検出して2回積分するものでもよい。つまり、車両の移動距離を計測できる手段であればよい。
【0012】
GPS(グローバル・ポジショニング・システム)受信装置14は、人工衛星からの信号を受信する装置であり、信号の発信時刻、受信装置の位置情報、受信装置の移動速度、受信装置の進行方向など様々な情報を得ることができる。
ビーコン受信装置15は、特定の地点に設置された送信装置より発信された信号を受信する装置である。特に、VICS情報を入手することができ、渋滞情報、現在位置情報、駐車場情報等車両の走行に関する情報を入手することができる。
【0013】
データ送受信装置16は、電話回線や電波を利用して車両外部と通信をし、情報の交換を行うための装置である。
例えば、自動車電話、ATIS、VICS、GPS補正、車両間通信など様々な利用方法があり、走行に関する情報を入出力することが可能である。
【0014】
また、図示しないが、車両は、車速を計測する車速センサ、加速度を計測する加速度センサ、アクセルの踏み量を計測するアクセルセンサ、ブレーキの踏量を計測するブレーキセンサなどを備えている。
【0015】
次に、情報処理制御装置20は、現在位置検出装置10、入出力装置40から入力される情報及び情報記憶装置50に格納された情報に基づいて演算及び制御を行うとともに、演算結果をディスプレイ42、プリンタ43又はスピーカ44等の出力手段に出力するように制御する手段である。
【0016】
この情報処理制御装置20は、以下のような構成を有している。
中央処理装置(CPU)21は、ナビゲーション装置1全体の総括的な演算及び制御を行う。
本実施形態においてCPU21は、目的地に選択された施設等を検索可能な全ての検索キーを学習データとして記憶すると共に、学習データに基づいて入力操作回数を減らすための入力支援処理を行う。
【0017】
第1ROM22はナビゲーションに関するプログラム、特に、現在位置の検出、経路の探索、表示案内などに関するナビゲーションプログラムを格納している。
CPU21は、ナビゲーションに関するプログラムに従って動作することにより、走行経路の案内処理や、走行経路の検索処理、目的地の設定処理、入力支援処理などの各種処理を行うことができる。
【0018】
入力インターフェイス23は、現在位置検出装置10からの情報を受け取る手段である。
RAM24は、CPU21が情報処理を行うためのワーキングメモリを提供し、例えば、CPU21が各種画面を表示するためのデータや各種センサの出力値やユーザが入力した情報などを記憶する。
より詳細には、後述する入力装置41により入力された、目的地検索用の入力文字列や、目的地の情報、通過地点の情報等の利用者が入力した情報を記憶すると共に、利用者の入力情報に基づいてCPU21により演算された結果や、経路探索された結果、又は情報記憶装置50から読み込まれた地図情報を格納するための記憶手段である。
通信インターフェイス25は、現在位置検出装置10からの情報、特に外部から得られる情報を入出力するための手段である。
【0019】
第2ROM26は、ナビゲーションに関するプログラム、特に、音声案内に関するナビゲーションプログラムを格納している。なお、第1ROM22と第2ROM26を共通する1のROMで構成するようにしてもよい。
画像プロセッサ27は、CPU21で処理されたベクトル情報を画像情報に処理するための処理手段である。
【0020】
時計28は、時刻を刻む。
画像メモリ29は、画像プロセッサ27により処理された画像情報を格納する手段である。
音声プロセッサ30は、情報記憶装置50から読み込まれた音声情報を処理し、スピーカ44に出力する。
【0021】
入出力装置40は、利用者により目的地、通過地点、探索条件等のデータを入力する入力装置41、画像を表示するディスプレイ42、情報を印刷するプリンタ43、音声を出力するスピーカ44より構成される。入力装置41は、例えば、タッチパネル、タッチスイッチ、ジョイスティック、キースイッチ等で構成される。
ディスプレイ42には、現在地周辺の地図や、目的地までの走行経路が表示される。
【0022】
情報記憶装置50は、伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
情報記憶装置50は、地図データファイル51、交差点データファイル52、ノードデータファイル53、道路データファイル54、写真データファイル55、目的地データファイル56、案内地点データファイル57、学習データファイル60、及びその他のデータファイル61を格納している。
【0023】
この情報記憶装置50は、一般的には、光学的記憶媒体であるDVD−ROM、CD−ROMや磁気的記憶媒体であるハードディスクなどで構成されるが、光磁気ディスク、各種半導体メモリなどの各種情報記憶媒体で構成してもよい。
なお、書き換えが必要な情報については、書き換え可能なハードディスク、フラッシュメモリなどで構成し、その他の固定的な情報についてはCD−ROM、DVD−ROMなどのROMを使用するようにしてもよい。
【0024】
地図データファイル51には、全国道路地図、各地域の道路地図又は住宅地図等の地図データが記憶されている。道路地図は、主要幹線道路、高速道路、細街路等の各道路と地上目標物(施設等)から構成される。住宅地図は、地上建造物等の外形を表す図形及び、道路名称等が表示される市街図である。細街路とは、例えば、国道、県道以下の道幅が所定値以下の比較的狭い道路である。
【0025】
交差点データファイル52には交差点の地理的位置座標や名称等の交差点に関するデータが、ノードデータファイル53には地図上において経路探索に利用される各ノードの地理座標データ等が、道路データファイル54には道路の位置と種類及び車線数及び各道路間の接続関係等の道路に関するデータが、写真データファイル55には各種施設や観光地、又は主要な交差点等の視覚的表示が要求される場所を写した写真の画像データが、それぞれ記憶されている。
案内地点データファイル57には、道路に設置されている案内表示板の内容や分岐点の案内等、案内が必要とされる地点の案内データが記憶されている。
【0026】
目的地データファイル56には、主要観光地や建物、電話帳に記載されている企業・事業所等の目的地として設定可能な場所や施設等に関するデータが格納されている。
図2は目的地データファイル56に格納されている目的地データの内容を概念的に表したものである。
目的地データファイル56には、ID、検索キー、地点名称、別名、関連情報、座標、電話番号、その他のデータが各目的地毎に格納されている。
【0027】
IDは、各目的地を一意に識別するための識別番号である。
検索キーは、入力された文字列と比較して目的地を検索するためのキーで、地点名称の読み(仮名表記)が該当する。
地点名称は、目的地の名称の表記である。
【0028】
別名は、目的地に対する、旧名称や、将来変更される名称(将来名称)等の現在の名称と異なる名称の読み(仮名表記)である。
関連情報は、目的地を表す略称や愛称等の読み(仮名表記)である。
なお、別名、関連情報はまとめて保存するようにしてもよい。
【0029】
座標、TEL、その他のデータは、目的地の詳細を示す地点情報である。
座標は目的地が所在する地点の緯度と経度である。なお、地点を特定できる情報であれば、緯度経度以外の情報を用いてもよい。
TELは目的地施設の電話番号である。
その他のデータには、目的地の住所や、店舗等である場合にはその営業時間や駐車場の有無、「関東地方」といったエリア情報、「レストラン」といったジャンル情報などがある。
【0030】
目的地を検索するためのキーとしては、検索キーだけでなく、別名や関連情報に格納されている読みも対象となっている。
そして、検索キーは全ての目的地に対して設定され、別名や関連情報については該当する目的地に対して設定されている。
そして、検索により目的地として選択されると、その目的地に設定されている全ての検索のためのキー、すなわち、検索キー、別名、関連情報(以下これらを総称して検索用キーという)が学習キーとして記憶される。
【0031】
図3は、学習データファイルの60に格納されるデータの内容を概念的に表したものである。
学習データファイル60には、選択された目的地に対する検索用キー(検索キー、別名、関連情報)が、学習キーとして当該目的地のIDと共に保存される。
検索処理において、検索用の文字列が入力されると、学習データファイル60が参照され、入力済みの文字列と前方一致する学習キー(読み)が検索され、入力文字候補として選択可能に画面表示されることで、入力支援が行われる。
【0032】
なお、学習データファイル60の目的地IDについては、必ずしも保存しなくてもよい。この場合、表示した入力文字候補が選択されると、選択された入力文字候補を入力文字列として、目的地データファイル56を検索する。
【0033】
このように構成されたナビゲーション装置1では、次のようにして経路案内が行われる。
ナビゲーション装置1は、現在位置検出装置10で現在位置を検出し、情報記憶装置50の地図データファイル51から現在位置周辺の地図情報を読み込みディスプレイ42に表示する。
そして、ナビゲーション装置1は、ディスプレイ42に検索語入力画面100や検索結果画面200などを表示し、入力装置41から目的地の入力を受け付ける。
入力装置41は、ディスプレイ42上に配置されたタッチパネルを備えており、ユーザがディスプレイ42に表示された操作ボタンをタッチすると、当該操作ボタンの選択を検出し、ユーザから目的地の設定を受け付けるようになっている。
【0034】
そして、入力装置41から目的地が入力されると、情報処理制御装置20は、現在位置から目的地に至る走行経路の候補を複数探索(演算)し、ディスプレイ42に表示した地図上に表示し、運転者が何れかの走行経路を選択すると、選択した走行経路をRAM24に格納することで、走行経路を取得する(走行経路取得手段)。
【0035】
なお、情報処理制御装置20は、情報処理センタに車両現在位置(又は入力された出発地)と目的地を送信し、情報処理センタで探索された目的地までの走行経路を受信することにより走行経路を取得するようにしてもよい。この場合、目的地や走行経路の通信は通信インターフェイス25を介して、無線通信により行う。
また、自宅等のパーソナルコンピュータ等の情報処理装置を使用して、出発地から目的地までの走行経路を探索し、USBメモリ等の記憶媒体に格納し、該記憶媒体読取り装置を介して取得するようにしてもよい。この場合の記憶媒体読み取り装置は伝送路45を介して情報処理制御装置20に接続される。
【0036】
車両が走行すると、現在位置検出装置10によって検出された現在位置を追跡することにより、経路案内を行う。
経路案内は、探索した走行経路に対応する道路データと現在位置検出装置10で検出される現在位置とのマップマッチングにより、地図上の車両位置を特定し、車両現在位置周辺の地図をディスプレイ42に表示すると共に、探索した走行経路と現在位置とを地図上に表示する。
また、探索した走行経路と現在位置との関係から、案内の必要性、即ち直進が所定距離以上続く場合、所定の進路変更地点等の走行経路の案内、及び方面案内が必要か否か等について判断し、必要である場合にはディスプレイ42の表示及び音声による案内を実行する。
【0037】
次に、本実施形態による検索処理、及びこの検索処理における入力支援処理について説明する。
図4(a)は、ディスプレイ42に表示された検索語入力画面100の態様の一例を示した図である。
ディスプレイ42の表面には、入力装置41(図1)を構成するタッチパネルが形成されており、ユーザがディスプレイ42に表示されたボタンなどをタッチして選択すると、当該ボタンに対応する情報をナビゲーション装置1に入力することができるようになっている。
【0038】
検索語入力画面100は、検索語設定欄101、修正ボタン102、戻るボタン103、文字ボタン108、入力文字候補ボタン104〜106、及び完了ボタン107などから構成されている。
検索語設定欄101は、ユーザが入力した検索語を表示する欄であり、入力済みの文字(仮名)の後に入力を催促するアンダースコアが表示される。
【0039】
修正ボタン102は、検索語設定欄101の入力を修正するボタンであり、例えば、検索語設定欄101が選択されると、ナビゲーション装置1は、検索語設定欄101に表示されている検索語を消去する。
戻るボタン103は、検索語入力画面100に遷移する前の画面に戻るボタンである。
文字ボタン108は、50音文字や記号、濁音文字を入力するためのボタンであり、ナビゲーション装置1は、ユーザが選択した文字を検索語設定欄101に表示する。
【0040】
完了ボタン107は、検索語設定欄101に入力した検索語を確定するためのボタンである。
なお、目的地データファイル56の検索は、完了ボタン107が選択される前であっても、検索語設定欄101で検索語の文字が入力されるたびに、これと並行して目的地データファイル56の地点情報を絞り込むように構成してもよい。
【0041】
入力文字候補ボタン104〜106は、検索語設定欄101に表示された入力文字列に前方一致する、入力文字候補が表示される。
入力文字候補としては、入力文字列に前方一致する学習キーが優先的に表示され、学習キーが存在しない場合、又は学習キーがボタン数(本実施形態では3つ)未満しか存在しない場合には、目的地データファイルから入力文字列に前方一致する検索用キーが表示される。
ナビゲーション装置1は、検索語設定欄101に文字が入力されると、これに対応する入力文字候補を入力文字候補ボタン104〜106に表示する。
【0042】
例えば、図4(a)に例示するように、ユーザが検索語設定欄101に「ま」と入力すると、ナビゲーション装置1は、先頭の文字が「ま」である学習キーを検索する。
この場合、学習データファイル60が、図3(a)に示す状態であるとすると、入力文字「ま」と前方一致する学習データ「まいらいふ」1件が検索されて、入力文字候補ボタン104に表示される。
また、入力文字「ま」と前方一致する学習データがボタン数未満なので、残りを目的地データファイル56から検索して「まーぶるらんど」と「まえじまこーひー」が入力文字候補ボタン105、106に表示される。
【0043】
ユーザは、入力文字候補ボタン104〜106に、所望の文字列が存在する場合には該当するボタンを選択することで、選択した入力文字候補に表示されている文字列が検索語設定欄101に表示される。
これにより、ユーザは文字入力操作数を低減させることができる。例えば、入力文字候補ボタン104の「まいらいふ」選択した場合、文字ボタン108「ま」の入力操作と、入力文字候補ボタン104の選択操作の2回の操作で完了する。これに対して、全ての文字を文字ボタン108から入力したとすると5文字分5回の操作が必要となるのに対して、3回分の操作を低減することで、ユーザに対する入力支援となる。
【0044】
入力文字候補ボタン104〜106に所望の文字列が存在しない場合、ユーザは、文字ボタン108から次の文字を入力することになる。
図4(b)に示すように、例えば、「ま」に引き続いて「く」が入力されると、検索語設定欄101には入力文字列「まく」が表示される。この場合、学習データファイルには「まく」に前方一致する学習キーが存在しないため、「まくいあん」「まくおごるふ」「まくおずし」が目的地データファイル56から検索されて、入力文字候補ボタン104〜106に表示される。
【0045】
検索語入力画面100で、ユーザが完了キー107を押すと、検索語設定欄101に表示されている文字列を検索用キーとして確定させ、確定した検索用キーに対応する目的地を目的地データファイル56から検索し、目的地候補を検索結果画面リスト表示する。
なお、入力文字候補ボタン104〜106を選択した後に、完了キー107が選択された場合には、選択された候補ボタン104〜106に対応する入力文字候補が検索後設定欄101に表示され、その入力文字候補に対応する目的地が検索され、検索結果画面にリスト表示される。
【0046】
図5は、検索結果画面200の一例を示した図であり、検索語入力画面100で入力された「まくいあん」を検索した結果を示している。
検索結果表示欄201は、検索された地点名称を地点名称ボタンで一覧表示するための欄である。
図の例では、一度に5件まで表示することができ、「幕井庵」「幕尾ゴルフ」「巻男寿司」「マクトナルヒコ」「マクトパーク」の検索上位5件の地点名称ボタンが検索順位順に表示される。
【0047】
この検索結果画面200において、ユーザが所望の目的地として、例えば「マクトナルヒコ」を選択すると、ナビゲーション装置1は、「マクトナルヒコ」に関する座標値などの情報を目的地データファイル56から読み出し、目的地として確定させる。
確定させた目的地に対しては、その情報(開店時間や特売情報等)を画面表示したり、目的地の位置を地図上に表示したり、目的地として設定て目的地までの走行経路を探索したり経路案内をしたりする。
【0048】
この検索結果画面200にリスト表示した目的地候補の内のいずれかが選択されると、ナビゲーション装置1は、選択された目的地に対する検索用キー(検索キー、別名、関連情報)の全てを学習キーとして学習データファイル60に保存する。
例えば、ユーザが目的地「マクトナルヒコ」を選択したとする。すると、ナビゲーション装置1では、目的地データファイル50から、目的地「マクトナルヒコ」に対応する全ての検索用キー、すなわち、検索キー「まくとなるひこ」だけでなく、別名「なるひー」、関連情報「えむえっち」を学習用データとして記憶する。
以上により、図3(a)の状態であった学習データは、図3(b)に示すように、新たに選択した目的地「マクトナルヒコ」に対する検索用キーが追加、更新される。
【0049】
図6は、選択した目的地に対する学習データが更新された後の、検索処理及び入力支援処理による検索語入力画面を表したものである。
なお、学習データファイル60は、前回の検索処理において目的地「マクトナルヒコ」が選択されたことにより、図3(a)の学習状態から、図3(b)の状態に更新されているものとする。
そして、前回目的地「マクトナルヒコ」を検索したユーザが、愛称としての「ナルヒー」を覚えたものとする。
【0050】
そして、図6に示す用に、今回新たな検索処理において、検索語入力画面100から「な」を入力すると、ナビゲーション装置1では、入力文字「な」と前方一致する「なるひー」を学習キー60から読み出して、入力文字候補ボタン104に表示する。また、「な」と前方一致する「ないとらんど」「なえばすきー」を目的地データファイル56から読み出して入力文字候補ボタン105、106に表示する。
【0051】
このようにユーザは、前回検索したマクトナルヒコの読み(検索キー)だけでなく、その愛称や旧名称等の全ての検索用キーを学習キーとして学習データファイルに記憶しておくので、前回検索した読み「まくとなるひこ」に対する入力支援だけでなく、他の検索用キー(別名、関連情報)の入力に対する入力支援「なるひー」(「ま…」が入力された場合)や、「えむえっち」(「え…」が入力された場合)を受けることができる。
また、ユーザは、目的地の地点名称だけでなく、別名や関連情報からも所望の目的地を選択することができるようになる。
【0052】
以上説明した実施形態では、日本国内で使用されることを想定したナビゲーション装置(検索装置)について説明した。すなわち、文字を入力する入力装置41を日本語の入力単位である50音キーで構成し、目的地データファイル56、案内地点データファイル57、詳細目的地データファイル58、学習データファイル60等に、日本国内の目的地検索に関するデータを記憶した日本仕様のナビゲーション装置について説明した。
しかしながら、ナビゲーション装置が用いられる環境は、日本国内に限定されるものではない。入力装置41や各データの仕様を地域に対応させることにより、上述した検索処理及び入力支援処理を諸外国仕様のナビゲーション装置において使用することができる。
【0053】
例えば、日本国外向けのナビゲーション装置(検索装置)の一例として、英語(英字)入力に対応したアルファベットキーを備えた装置としても良い。
更に、ドイツ語、スペイン語、フランス語、アラビア語、中国語、韓国語、ロシア語など任意の言語入力に対応した装置とするようにしてもよい。例えば、中国語入力に対応したナビゲーション装置の場合、入力装置41は、中国語のピンイン入力に対応した入力キーボード422を備える。
【0054】
入力対象となる言語は、必ずしもナビゲーション装置の使用対象となる国(地域)に対応させる必要はない。例えば、ドイツ語入力対応のナビゲーション装置をフランス国内で使用できるようにしてもよい。この場合、目的地データファイル56や継続関係データファイル59などにおける、目的地検索を行う際に検索対象となるデータ、即ち、入力文字と比較されるデータ(例えば、目的地の名称、学習ワード、住所など)には、入力言語に対応したデータを記憶する。
なお、検索対象となるデータには、入力言語の他に、使用対象となる国(地域)の言語に対応したデータを記憶するようにしてもよい。
また、目的地検索を行う際に検索対象とならないデータ、例えば、付加情報のデータは、入力言語に対応したデータを記憶する必要はない。検索対象とならないデータには、例えば、入力言語に対応したデータを記憶しても、使用対象となる国(地域)の言語に対応したデータを記憶しても、また、入力言語と使用対象となる国(地域)の言語の両方の言語に対応したデータを記憶してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】ナビゲーション装置のシステム構成図である。
【図2】目的地データファイルに格納されている目的地データの内容を概念的に表した説明図である。
【図3】学習データファイルの内容を概念的に表した説明図である。
【図4】検索処理における検索語入力画面の態様の一例を示した図である。
【図5】検索結果画面を説明するための図である。
【図6】学習データが更新された後の、検索処理及び入力支援処理による検索語入力画面を表した説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 ナビゲーション装置
10 現在位置検出装置
20 情報処理制御装置
40 入出力装置
41 入力装置
42 ディスプレイ
50 情報記憶装置
56 目的地データファイル
60 学習ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された文字列に対応する対象の候補を提示し、選択された対象に関する情報を出力する検索装置であって、
対象に関する情報と、当該対象を検索するための検索用キーが設定された記憶手段と、
前記選択された対象に対して設定されている検索用キーを学習キーとして記憶する学習キー記憶手段と、
検索語としての文字列を入力する入力手段と、
前記入力された文字列と前方一致する学習キーを入力文字候補として、選択可能に提示する入力文字候補提示手段と、
前記入力された文字列、又は選択された入力文字候補を検索用キーとして、前記記憶手段から対象の候補を検索結果として提示する検索手段と、
前記提示した対象の候補から選択された対象に関する情報を出力する出力手段と、を備え、
前記学習キー記憶手段は、前記設定されている検索用キーが複数存在する場合に複数の検索用キーを学習キーとして記憶する、
ことを特徴とする検索装置。
【請求項2】
前記記憶手段は、検索用キーとして当該対象の名称の読みと、該当する場合には、当該対象の略称、愛称、旧名称、将来名称の内の少なくとも1つが設定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
前記入力文字候補提示手段は、前方一致する学習キーが存在しない場合、又は提示可能数未満である場合には、前記入力された文字列と前方一致する検索用キーを提示する、ことを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の検索装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶される対象は、ナビゲーション装置における目的地であることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の検索装置。
【請求項5】
対象に関する情報と、当該対象を検索するための検索用キーが設定された記憶手段を備え、入力された文字列に対応する対象の候補を提示し、選択された対象に関する情報を出力するコンピュータに、
前記選択された対象に対して設定されている検索用キーを学習キーとして記憶する学習キー記憶機能と、
検索語としての文字列を入力する入力機能と、
前記入力された文字列と前方一致する学習キーを入力文字候補として、選択可能に提示する入力文字候補提示機能と、
前記入力された文字列、又は選択された入力文字候補を検索用キーとして、前記記憶手段から対象の候補を検索結果として提示する検索機能と、
前記提示した対象の候補から選択された対象に関する情報を出力する出力機能と、を実現させる検索用プログラムであって、
前記学習キー記憶機能は、前記設定されている検索用キーが複数存在する場合に複数の検索用キーを学習キーとして記憶する、
ことを特徴とする検索用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−108143(P2010−108143A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−278016(P2008−278016)
【出願日】平成20年10月29日(2008.10.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】