説明

検索装置、情報提供依頼システム及び情報提供依頼方法

【課題】発生した事象に関して有用な情報が実際に記憶されている可能性が高い装置を検索することができる検索装置、このような検索装置を利用した情報提供依頼システム及び情報提供依頼方法を提供する。
【解決手段】事象が発生して提供依頼者からの情報提供依頼を受けた場合、複数の携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの内から、実際に事象に関するデータが記録されている可能性が高い携帯型端末装置2eを抽出し、有用な情報を記憶している可能性が高い携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索する。なお、事象が発生した場所(エリアA3)の位置情報、事象が発生した時点の時刻情報に基づき、事象が発生した時刻にエリアA3に存在した携帯型端末装置2e,2fを予め抽出してから検索することにより、有用な情報を記憶している可能性が高い携帯型端末装置2eに絞ることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火災、事件、事故等の事象が発生した場合、発生した事象の位置情報及び時刻情報に基づいて、事象が発生した時刻に現場に存在した携帯型端末装置を検索し、情報提供依頼メールを送信する情報提供依頼システムに関する。特に、発生した事象に関して有用な情報が実際に記憶されている可能性がより高い装置を検索することができる検索装置、該検索装置を利用した情報提供依頼システム及び情報提供依頼方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の通信機能を有する携帯型端末装置が多数普及している。更に記憶装置の小型化、軽量化により、携帯型端末装置にはカメラ、マイクロフォン(マイク)等の装置が備えられ、カメラで撮像した静止画像、動画像等の画像データ及びマイクで集音された音声データを記憶することが可能である。
【0003】
このように携帯型端末装置に、カメラ、マイクにより撮像、集音されたデータを記憶することができることから、予測不可能な事象を捉えたデータ、又は他人にとっては有用となるデータの提供を携帯型端末装置を所持するユーザに依頼する情報提供依頼サービスが実現されている。情報提供依頼に応じた一般ユーザが携帯電話機のカメラで撮像した画像が、新聞、出版物に掲載される場合、及びテレビ放映がされる場合がある。
【0004】
従来の情報提供依頼サービスでは、火災、地震等の災害、交通事故等の事件、珍しい動物の発見等の事象が発生した場合に、不特定多数のユーザ、又は事前に情報提供が可能であることが登録されたユーザが所持する携帯型端末装置へ情報提供依頼メールが送信される。これにより、その事象に関するデータが必要とされていることをユーザが認識し、そのようなデータを所有しているユーザから有用な情報が提供される可能性がある。
【0005】
しかしながら、この場合、多数のユーザに情報提供依頼メールが送信されるので、通信量が多くコストが無視できない。また、情報提供依頼メールを受信するユーザにとっても、事象が自身に関係ない場合には、情報提供依頼メールの受信は煩わしいと感じられる可能性もある。
【0006】
したがって、情報提供依頼メールの送信先の携帯型通信装置は、ある程度絞り込まれることが望ましい。そこで、事象が発生した時刻に、事象が発生した場所に存在した履歴を有する携帯型端末装置に絞り込むことによって、より有用な情報を有している可能性の高いユーザのみに情報提供依頼メールを送信することが可能である。
【0007】
場所及び時刻による絞りこみは、携帯型端末装置に対応する位置情報を取得することによって実現することが可能である。
【0008】
特許文献1には、携帯型端末装置が近距離無線通信を行なうことにより、周辺に存在する固定型及び移動型の通信機器の情報を収集し、緊急通先への発呼が実行されたときに、収集した周辺の通信機器の情報を共に送信する技術が開示されている。これにより、事象が発生した場合に通報元の携帯型端末装置の周辺に存在した固定型の通信機器の位置情報から、事象の位置情報を的確に判断することができると共に、事象が発生した時刻に事象が発生した場所周辺に存在した移動型の通信機器の所有者情報から、周辺に居た可能性の高い目撃者等を特定することが可能である。
【0009】
また、特許文献2には、事前にユーザに希望の地域範囲を登録させておき、事象が発生した場合に、発生した場所と事前に登録されてある地域範囲との距離を計算して、距離が条件を満たすユーザを抽出し、抽出されたユーザへその事象についてのメールを送信する技術が開示されている。これにより、事象が発生した場合に当該事象についての地域密着型の情報を希望するユーザのみに情報をメールにて送信することが可能である。
【特許文献1】特開2003−289400号公報
【特許文献2】特開2006−59051号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献1及び2に記載されている技術を利用することにより、事象が発生した時刻及び事象が発生した場所との対応から、事象が発生した時刻に、事象が発生した場所の周辺に存在した携帯型端末装置を絞り込むことができ、有用な情報を有している可能性の高いユーザに情報提供依頼メールを送信することが可能である。
【0011】
しかしながら、事象が発生した時刻及び現場に存在した携帯型端末装置を所持しているユーザが、実際に有用な情報を有しているか否かは不明である。有用な情報を有している可能性がより高いユーザに絞って情報提供依頼を通知することが望ましい。また、事象が発生した時刻及び現場に存在したという記録がない場合であっても、有用な情報を記憶している可能性も有る。
【0012】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、事象が発生した時刻及び場所を示す情報に基づいて実際に事象に関する情報を記録している外部装置(携帯型端末装置)を検索する構成とすることにより、有用な情報を記憶している可能性が高い外部装置を検索することができる検索装置、該検索装置を利用した情報提供依頼システム及び情報提供依頼方法を提供することを目的とする。
【0013】
本発明の他の目的は、発生した時刻の近傍及び事象が発生した場所の周辺に存在した外部装置のみを検索する構成とすることにより、有用な情報を記憶している可能性が高い外部装置を検索することができる検索装置を提供することにある。
【0014】
本発明の他の目的は、有用な情報を記憶している外部装置を検索するに際し、実際に記憶されている情報自体を取得することなしに、外部装置自身で検索させる構成とすることにより、検索処理の負荷を軽減させて実際に有用な情報を記憶している外部装置を検索することができる検索装置及び該検索装置を利用した情報提供依頼システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
第1発明に係る検索装置は、複数の外部装置とデータ通信を行なう通信手段と、
事象が発生したことを受け付ける事象取得手段と、該事象取得手段にて事象の発生を受け付けた際に、前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を記憶している外部装置を検索する検索手段とを備えることを特徴とする。
【0016】
第2発明に係る検索装置は、前記検索手段は更に、事象が発生した時刻に事象が発生した場所に存在した外部装置のみを検索する機能を備えることを特徴とする。
【0017】
第3発明に係る情報提供依頼システムは、データ通信可能に接続された携帯型端末装置と検索装置とを備えた情報提供依頼システムにおいて、前記携帯型端末装置は、事象に関する情報を記憶する記憶媒体を備え、前記検索装置は、前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を取得する手段と、前記事象情報に基づき、前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索する検索手段と、該検索手段が検索した携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する通知手段とを備えていることを特徴とする。
【0018】
第4発明に係る情報提供依頼システムは、前記検索装置は、前記複数の携帯型端末装置へ前記事象情報と共に検索要求を送信する手段を備え、前記携帯型端末装置は、前記検索装置から検索要求を受信することにより前記事象情報を取得する手段と、取得した事象情報に対応する情報を自身の記憶媒体から検索する手段と、検索結果を送信する手段とを備え、前記検索装置は更に、前記携帯型端末装置から検索結果を受け付ける手段を備え、前記検索手段は、受け付けた検索結果に基づいて前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索するようにしてあることを特徴とする。
【0019】
第5発明に係る情報提供依頼方法は、検索装置により検索された携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する情報提供依頼方法において、前記検索装置は、前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を取得し、前記事象情報に基づき、前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索し、前記検索装置が検索した携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知することを特徴とする。
【0020】
本発明にあっては、事象が発生した場合、前記事象に関する情報を記憶している外部装置(携帯型端末装置)が検索される。発生した事象に関する情報についての情報提供依頼が通知される場合には、情報を記憶している携帯型端末装置へ通知される。
【0021】
本発明にあっては、事象が発生した時刻の近傍及び事象が発生した場所の周辺に存在した外部装置のみが抽出され、抽出された外部装置について前記事象に関する情報を記憶しているか否かの判断がされることにより、外部装置が検索される。
【0022】
本発明にあっては、事象が発生し、前記事象に関する情報を記憶している外部装置が検索されるに際し、外部装置へ検索要求が送信されて外部装置自身で検索が行なわれ、検索結果に基づいて外部装置が抽出される。
【発明の効果】
【0023】
本発明による場合、事象が発生した場合に、実際に事象に関する情報を記憶している外部装置(携帯型端末装置)を検索するので、有用な情報を記憶している可能性がより高い外部装置を検索することができる。
【0024】
したがって本発明による場合、有用な情報を記憶している可能性がより高い携帯型端末装置のみに情報提供依頼を通知することができる。これにより、情報提供依頼を通知する先が絞り込まれ、情報提供依頼を通知する際の通信量も少なく済む。また、ユーザも有用な情報を提供できる可能性が低い事象についての情報提供依頼の通知を受けずに済む。
【0025】
本発明による場合、事象が発生した時刻の近傍及び事象が発生した場所の周辺に存在したとして抽出された外部装置が夫々、実際に関連する情報を記憶しているか否かの条件に基づいて外部装置が検索される。事象が発生した時刻の近傍、及び事象が発生した場所の周辺に存在したか否かの情報が存在しない場合でも、実際に情報が記憶されている外部装置は存在するが、有用な情報を記憶している可能性が高い外部装置に絞って検索することが可能である。
【0026】
本発明による場合、検索装置は実際に記憶されている情報自体を取得することなしに、情報の検索処理は外部装置自身で行なうので、検索処理の負荷を軽減させることができる。また、外部装置は大部分が個人が所有するものであり、記憶されているデータは個人的なデータであることから不要に検索装置でデータを収集せずに検索処理を実行することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づき具体的に説明する。なお、以下に示す実施の形態では、本発明に係る検索装置を利用し、有用な情報を有している可能性の高いユーザに絞って情報提供依頼を行なうことを実現する情報提供依頼システムを例に挙げて説明する。
【0028】
<1.システム概要>
図1は、本実施の形態における情報提供依頼システムの概要を示す模式図である。情報提供依頼システムは、サービスセンタ1と、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fと、情報提供依頼装置3とを含んで構成される。サービスセンタ1は、情報提供依頼サービスを含む各種通信事業サービスを実現するための各種サーバ群によって構成されており、通信事業者によって管理される。携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fは携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等の通信機能を有する端末装置であり、各エリアにおけるアクセスポイントAP1,AP2,AP3との間で通信することにより、サービスセンタ1とネットワークN1を介して通信することが可能である。また、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fは情報提供者となるユーザによって携帯される。情報提供依頼装置3は、PC(Personal Computer)で構成され、サービスセンタ1とインターネット等であるネットワークN2を介して接続されている。情報提供依頼装置3は、ユーザからの情報提供を必要とする新聞社、出版社等の情報提供依頼者によって管理される。
【0029】
情報提供依頼サービスは、事前にサービスに参加することが登録されたユーザ各人が個人的に収集した災害、事件、事故等の事象を静止画像、動画像、音声、文書等のデータに捉えた場合に、それを必要とする提供依頼者へ提供することを支援するサービスである。
【0030】
例えば、図1の模式図に示すようにエリアA3で火災が発生した場合、新聞社、出版社でその火災現場での写真を利用するため、携帯型端末装置2eのカメラ機能で当該火災現場の静止画像又は動画像を撮像したユーザからの情報提供が必要であるときがある。この際、事前に情報提供依頼サービスに参加することが登録されたユーザ全員の携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fへ情報提供依頼メールを送信するよりも、実際に携帯型端末装置2eで写真を撮像したユーザのみに情報提供依頼メールを送信することにより、情報提供依頼者及びユーザにとって効率的であるのみならず通信量も少なく済み、不特定多数のユーザから不要な情報が提供される可能性も低くなる。
【0031】
そこで、事象が発生し、情報提供依頼者から提供依頼装置3を介してサービスセンタ1で情報提供の依頼を受け付けられた場合、サービスセンタ1において、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの内から、実際に事象に関する画像、音声、文書等のデータが記録されている携帯型端末装置2eが抽出される。なお、本実施の形態では、事象が発生した場所の位置情報、事象が発生した時点の時刻情報に基づき、事象が発生した時刻に現場周辺に存在した可能性が高い携帯型端末装置2e,2fを予め抽出しておき、抽出された携帯型端末装置2e,2fの内から、実際にデータが記憶されている携帯型端末装置2eが抽出される。そして、実際に有用な情報が記録されている可能性が高い携帯型端末装置2eのみに情報提供依頼メールが送信される。これにより、情報提供依頼サービスに参加しているユーザ、及び事象に関する情報の提供を必要とする情報提供依頼者双方にとって効率的で利便性の高いシステムを実現することが可能である。
【0032】
<2.システム内部構成>
以下に、このような情報提供依頼システムを実現するための各構成について詳細を説明する。図2は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成するサービスセンタ1の構成を示すブロック図である。
【0033】
<2−1.サービスセンタ>
サービスセンタ1は、情報提供依頼サービスを含む各種サービスを実現するためのサーバ装置群によって構成されている。各種サーバ装置群は、情報の提供が依頼されている事象についての内容、情報提供の有無等を含む事象情報を管理し、更に情報提供依頼に対応するユーザの携帯端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索する機能を有する事象情報管理装置11を含んで構成されている。各種サーバ装置群は更に、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの在圏情報を管理する在圏情報管理装置12を含む。また、ユーザが携帯する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fにおけるメールの送受信を実現するメールサーバ装置13と、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2f及び情報提供依頼装置3へのWebサービスを実現するWebサーバ装置14とを含む。
【0034】
事象情報管理装置11及び在圏情報管理装置12は、サービスバス15により接続されている。事象情報管理装置11及び在圏情報管理装置12は、サービスバス15を介してファイアーウォール(F/W:Fire Wall)装置16に接続されており、ファイアーウォール装置16はメールサーバ装置13及びWebサーバ装置14にも接続されている。
【0035】
サービスセンタ1を構成する各装置は、各機能毎に応じて処理を行ない、情報提供依頼サービスシステムを構成するだけでなく夫々、他に料金管理システム、位置情報提供システム等の各種システムを構成するサーバ装置としても動作するように汎用的に設計されており、SOA(Service Oriented Architecture:サービス志向アーキテクチャ)と呼ばれる構成によって実現されている。このような構成とすることにより、例えばサービスの規模を拡大する必要がある場合、又は、新しいサービスを実現する場合であっても、サービスセンタ1全体を構築し直すことなしに、例えば増強すべき機能を実現する装置、新しいサービスを実現する装置を増設し、既存の装置が処理するデータを共有して対応することができる等の利点を有する。
【0036】
事象情報管理装置11は、各構成部を制御するCPU(Central Processing Unit)を利用した制御部110と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、SRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性メモリを利用した一時記憶領域111と、ハードディスク(HD:Hard Disk)を利用した各種情報が記憶される記憶部112と、サービスセンタ1を構成する他の装置との通信を実現する通信部113とを備える。
【0037】
事象情報管理装置11の制御部110は、記憶部112に記憶されている制御プログラム11Pを一時記憶領域111に読み出して実行することにより、サーバコンピュータ装置を事象情報管理装置11として動作させる。一時記憶領域111には、上述のように制御プログラム11Pが読み出されると共に、事象情報管理装置11の制御部110の処理によって発生する各種情報が一時的に記憶される。
【0038】
記憶部112には、情報提供依頼が受け付けられた場合の事象の内容、提供を希望する情報の内容を含む事象情報のテーブル、並びに、情報提供依頼サービスに参加が登録されたユーザのユーザID、情報提供可能な事象の種類及びレベルを対応付けてあるユーザ情報のテーブルを含む事象情報DB114が記憶されている。更に事象情報DB114には、情報提供の有無、支払われた対価の額が含まれる実績情報のテーブルが含まれる。
【0039】
通信部113は、サービスセンタ1を構成する各装置間を接続するサービスバス15内における通信を実現する。制御部110は、通信部113によりメールサーバ装置13、Webサーバ装置14で受け付けられたユーザ情報を取得することが可能である。また、制御部110は通信部113により、在圏情報管理装置12から在圏情報を取得することが可能である。
【0040】
制御部110は、記憶部112の事象情報DB114に記憶される事象情報、ユーザ情報及び実績情報の読み出し、書き込みを行なう。更に制御部110は、記憶部112の事象情報DB114及び在圏情報管理装置12から取得可能な在圏情報に基づいて、情報提供依頼に対応する情報を記憶している携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索する。
【0041】
在圏情報管理装置12には、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fが存在するエリアA1,A2,A3、及び過去に存在したエリアA1,A2,A3を示す在圏情報をデータベース化した在圏情報DB121が記憶されている。在圏情報には、一定時間毎に取得される携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの位置をGPS(Global Positioning System)機能により測定した位置情報が含まれてもよい。在圏情報管理装置12は、サービスバス15に接続されており、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2f、アクセスポイントAP1,AP2,AP3から送信される夫々の位置情報、在圏情報を取得することが可能である。
【0042】
メールサーバ装置13は、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2f間のメールの送受信を実現するメールサーバ機能を有している。また、メールサーバ装置13は、サービスセンタ1を構成する他の装置から自動的に送信されたメールを宛先の携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fのいずれかへ送信する。さらに、メールサーバ装置13は、情報提供依頼サービスへの参加を登録するためのユーザ情報を含むユーザ情報登録メールを受信し、事象情報管理装置11へ送信する。
【0043】
Webサーバ装置14は、サービスセンタ1のインタフェースとしてWebサービスを実現するWebサーバ機能を有している。Webサーバ装置14は、情報提供依頼サービスへ参加するためのユーザ情報の登録を受け付けるWebページ、及び、情報提供依頼者による情報提供依頼内容の登録を受け付けるWebページを作成して携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2f又は情報提供依頼装置3からの情報の入力を可能とする。また、Webサーバ装置14は、サービスセンタ1を構成する他の装置における処理結果、例えば有用な情報を記憶している可能性の高い携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの検索結果を、情報提供依頼装置3から情報提供依頼者が閲覧することを可能とする。
【0044】
本実施の形態では、ユーザは夫々携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを利用してユーザ情報登録メールを送信するか、又は携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを利用してWebサーバ装置14で作成されるWebページに各種情報を入力することにより、情報提供依頼サービスへのユーザ情報の登録を行なうことが可能である構成とする。
【0045】
同様に、情報提供依頼者は、情報提供依頼装置3を利用して依頼内容登録メールを送信するか、又は情報提供依頼装置3を利用してWebサーバ装置14で作成されるWebページに事象の内容、事象の種別を含む事象情報を入力することにより、情報提供依頼サービスに、情報提供を必要とする事象についての内容の登録を行なうことが可能である構成とする。
【0046】
<2−2.携帯型端末装置>
図3は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する携帯型端末装置2aの内部構成を示すブロック図である。携帯型端末装置2b,2c,2d,2e,2fの内部構成は、携帯型端末装置2aの内部構成と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0047】
携帯型端末装置2aは、以下に示す各構成部を制御するCPUを利用した制御部20と、DRAM、SRAM等の揮発性メモリを利用した一時記憶領域21と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の不揮発性メモリを利用した記憶部22と、数字キー、カーソルボタン等を含む操作部23と、液晶パネルを利用した表示部24と、レンズ群及び撮像素子を含む撮像部25と、マイクロフォン(マイク)を含む集音部26と、無線通信を実現するアンテナ部27と、GPS衛星からの信号を受信するGPS受信部28とを備える。
【0048】
携帯型端末装置2aの制御部20は、記憶部22に記憶されている制御プログラム2Pを一時記憶領域21に読み出して実行することにより、以下に説明する各機能を実現する。
【0049】
一時記憶領域21には、上述のように制御プログラム2Pが読み出されると共に、制御部20の処理によって発生する各種情報が一時的に記憶される。
【0050】
記憶部22には、上述の制御プログラム2Pが記憶されている。また、記憶部22には後述の撮像部25、集音部26により取得された静止画像、動画像、音声のデータが記憶される。
【0051】
操作部23は、ユーザの操作を受け付けるインタフェースであり、数字キー、カーソルボタン、決定ボタン、アプリケーションプログラムの起動ボタンを含む。制御部20は、操作部23に含まれる数字キー、カーソルボタン、決定ボタンの押下を検知し、入力された文字列、選択された各種項目を認識することが可能である。ユーザは、操作部23により後述の撮像部25におけるカメラ撮影、集音部における音声の入力を行なうことが可能である。
【0052】
また、表示部24には各種アプリケーションプログラムに対応するGUIが制御部20の処理により表示される。
【0053】
撮像部25は、レンズ群を通して撮像素子に入射された光を画像データに変換する。撮像部25は、操作部23におけるユーザの操作に基づいて制御部20から送信される撮影指示を示す制御信号に応じて撮像処理を行ない、画像データに変換した後これを一時記憶領域21へ出力する。制御部20は、撮像部25により撮像されて一時記憶領域21へ出力された静止画像データ、動画像データを記憶部22に記憶する。
【0054】
集音部26は、制御部20からの指示を示す制御信号に応じて集音処理を行ない、音声データに変換した後これを一時記憶領域21へ出力する。制御部20は、集音部26により集音されて一時記憶領域21に出力された音声データを記憶部22に記憶する。
【0055】
アンテナ部27は携帯型端末装置2aが通信に用いる所定周波数の電波を送受信する。制御部20は、アンテナ部27によりメールの送受信、及び例えばWebサーバ装置14へのアクセスが可能である。
【0056】
GPS受信部28は、図示しないGPS衛星から夫々送信される電波から時刻情報を受信する。GPS受信部28は、一定時間が経過する都度、受信した時刻情報から携帯型端末装置2aの位置情報として経緯度を計算し、制御部20へ出力する機能を有している。制御部20はGPS受信部28から出力される信号により、携帯型端末装置2aの位置情報(経緯度)を取得することが可能である。
【0057】
制御部20は、撮像部25により撮像された静止画像データ、動画像データを記憶部22に記憶するに際し、撮像された日付、時刻、及びGPS受信部28により計算された経緯度を対応付けて記憶する。具体的には、静止画像データ、動画像データのファイル名を日付、時刻及び経緯度に基づく名前とする。例えば、2007年9月11日15時30分43秒に、経度139度44分40.502秒、緯度35度39分17.515秒の地点で撮影されたJPEG(Joint Photographic Experts Group)形式の静止画像のファイル名は、20070911153043_1394440502_353917515.jpgとする。同様に制御部20は、集音部26により取得した音声データを記憶部22に記憶するに際し、集音された日付、時刻及び経緯度を対応付けて記憶する。さらに、制御部20は、生成された文書データを記憶部22に記憶するに際し、生成された日付、時刻及び経緯度を対応付けて記憶してもよい。
【0058】
なお、ファイル名を日付、時刻及び経緯度に基づく名前とするのみならず、記憶する静止画像データ、動画像データ、音声データ等のデータに、日付、時刻及び経緯度を含む各種情報を付加情報として付加して記憶する構成としてもよい。例えば、Exif(登録商標)規格に準じて付加情報をデータに付加する構成としてもよい。
【0059】
対応付けられる付加情報として他には、撮像された又は集音された場所が屋内であるのか、屋外であるのか、又は地下であるのかについての情報が更に対応付けられて記憶される構成としてもよい。この場合、屋内であるのか、屋外であるのか又は地下であるのかの判別は、GPS受信部28により高さを計算することにより行なう。他には撮像部25により撮像された静止画像が接写撮影(macro photography)により撮像されたのか否か等の撮影条件を示す情報が制御部20により対応付けられてもよい。また、携帯型端末装置2aに電子コンパスを備える構成とすることにより、撮影方向又は集音方向の方角の情報が制御部20により対応付けられてもよい。
【0060】
<2−3.情報提供依頼装置>
図4は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する情報提供依頼装置3の内部構成を示すブロック図である。情報提供依頼装置3は、各構成部を制御するCPUを利用した制御部30と、DRAM、SRAM等の揮発性メモリを利用した一時記憶領域31と、ハードディスクを利用した記憶部32と、マウス、キーボード等を含む操作部33と、液晶パネルを利用した表示部34と、ネットワークカードを利用した通信部35とを備える。情報提供依頼装置はPCのみならず、携帯型端末装置で構成されていてもよい。
【0061】
制御部30は、記憶部32に記憶されている図示しないOS(Operating System)、各種アプリケーションプログラムを含む制御プログラムを一時記憶領域31に読み出して実行することにより、パーソナルコンピュータ装置を情報提供依頼装置3として動作させる。例えば、制御部30は、制御プログラムを読み出して実行することにより、メール機能及びWebページのブラウザ機能を実現する。
【0062】
一時記憶領域31には、上述のように制御プログラムが読み出されると共に、制御部30の処理によって発生する各種情報が一時的に記憶される。
【0063】
操作部33は、操作部33が含むマウス、キーボードにより入力される情報を検知し、制御部30へ通知する。制御部30は、ユーザがマウス、キーボード等により、表示部34で表示される操作画面、Webブラウザ画面等上で情報提供を必要とする事象の名前、種別、対価の条件等の情報を入力した場合、操作部33によりこれを検知することが可能である。
【0064】
表示部34は、制御部30からの制御信号を受け付け、制御部30が制御プログラムを読み出して実行することにより出力される操作画面、Webブラウザ画面等を表示する。
【0065】
通信部35は、ネットワークN2を介した通信を実現する。制御部30は、通信部35によりメールの送受信及びサービスセンタ1におけるWebサーバ装置14へのアクセスが可能である。
【0066】
<3.処理>
このように構成される情報提供依頼システムにおいて、情報提供依頼サービスを実現するための各装置における処理について以下のように段階を分けて説明する。
【0067】
1.ユーザ情報の登録
2.事象情報の登録
3.検索処理
4.情報提供
【0068】
<3−1.ユーザ情報の登録>
本実施の形態では、ユーザは上述のように、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを利用してユーザ情報登録メールを送信するか、又はWebサーバ装置14を介して情報を入力することにより情報提供依頼サービスへの参加を登録することが可能である。メールサーバ装置13は、サービスセンタ1宛てにユーザ情報登録メールを受信した場合、受信したユーザ情報登録メールを事象情報管理装置11へ送信する。また、Webサーバ装置14は、ユーザ情報登録用のWebページを介してユーザ情報の登録を受け付けた場合、入力されたユーザ情報を事象情報管理装置11へ送信する。
【0069】
図5は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110がユーザ情報を受け付ける処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0070】
制御部110は、ユーザ情報登録メールを受信してメールからユーザ情報を読み出すか、Webサーバ装置14から送信されるユーザ情報を受け付けることによりユーザ情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS11)。制御部110は、ユーザ情報を受け付けていないと判断した場合(S11:NO)、処理をステップS11へ戻してユーザ情報を受け付けたと判断するまで待機する。
【0071】
制御部110は、ユーザ情報を受け付けたと判断した場合(S11:YES)、ユーザ情報のテーブルを作成して事象情報DB114に記憶し(ステップS12)、ユーザ情報を受け付ける処理を終了する。
【0072】
図6は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110により記憶されるユーザ情報の内容例を示す説明図である。図6の説明図に示すように、ユーザ情報は、ユーザを識別するためのユーザID(Identification Data)と、ユーザの携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fにおけるメールアドレスと、情報を提供してもよい事象の種別と、事象のレベルとを含む。ユーザIDは、メールアドレスで代替されてもよい。なお、事象の種別として、事件のみについて情報提供が可能であるのか、災害のみについて情報提供が可能であるのか、又は両方について情報提供が可能であるのかが記憶される。また、情報提供が可能な事象のレベルとして、軽微な事象について情報提供が可能であるのか、中程度の事象について情報提供が可能であるのか、重要な事象について情報提供が可能であるのか、又は全てのレベルの事象について情報提供が可能であるのかが記憶される。
【0073】
図6の説明図に示す内容例では、ユーザID「00012345」のユーザについては、軽微なレベルの事件のみについて情報提供が可能でり、ユーザID「02345678」のユーザについては、全てのレベルの事件、災害についての情報提供が可能であるとユーザ情報DB114に記憶されていることが示されている。
【0074】
このように、ユーザ情報が登録された場合のみ、そのユーザが所有する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fへ情報提供依頼メールが送信される。つまり、自身が情報提供依頼サービスに参加していると自覚しているユーザの携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fのみで、後述のデータの検索が行なわれる。情報提供する意思を有していないユーザが所有する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fでは、後述の記憶部21に記憶されているデータの検索は行なわれない。このように、事前にユーザ情報の登録を受け付けることによって各ユーザの意思が尊重される。
【0075】
<3−2.事象情報の登録>
情報提供依頼者は、上述のように情報提供依頼装置3を利用して依頼内容登録メールを送信するか、又はWebサーバ装置14を介して情報を入力することによって情報提供依頼内容、即ち事象情報の登録を行なうことが可能である。メールサーバ装置13は、サービスセンタ1宛てに依頼内容登録メールを受信した場合、受信した依頼内容登録メールを事象情報管理装置1へ送信する。また、Webサーバ装置14は、依頼内容登録用のWebページを介して事象情報の登録を受け付けた場合、入力された事象情報を事象情報管理装置11へ送信する。
【0076】
図7は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110が事象情報を受け付ける処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0077】
制御部110は、依頼内容登録メールを受信してメールから事象情報を読み出すか、Webサーバ装置14から送信される事象情報を受け付けることにより事象情報を受け付けたか否かを判断する(ステップS21)。制御部110は、事象情報を受け付けていないと判断した場合(S21:NO)、処理をステップS21へ戻して事象情報を受け付けたと判断するまで待機する。
【0078】
制御部110は、事象情報を受け付けたと判断した場合(S21:YES)、事象情報のテーブルを作成して事象情報DB114に記憶し(ステップS22)、事象情報を受け付ける処理を終了する。
【0079】
図8は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110により記憶される事象情報の内容例を示す説明図である。図8の説明図に示すように事象情報には、事象毎に割り振られる事象IDと、事象が発生した発生場所と、事象が発生した発生日時と、事象の内容を示すタイトルと、事象の種別と、事象のレベルと、事象についての情報提供の期限と、事象についての情報提供がされた場合の対価の参考額とが含まれている。事象IDは、事象情報管理装置11の制御部110が、事象情報を取得した場合に割り振る識別情報である。
【0080】
なお、図8の説明図に示される内容例のように、事象情報には詳細内容が更に含まれていてもよい。詳細内容はURL(Uniform Resource Locator)によって示されており、例えばユーザが当該URLを取得した場合、URLに基づいて事象の詳細内容が記載されたWebページを閲覧することが可能である。
【0081】
図8の説明図における内容例では、A県B市Cで、2007年9月1日15時30分に発生した事件についての情報提供の依頼が情報提供依頼者によって登録されていることが示されている。なお、この事件には事象IDとして「10001」が割り振られており、情報提供の期限は30日と設定されている。
【0082】
<3−3.検索処理>
事象情報管理装置11の制御部110は、記憶部112の事象情報DB114に含まれる事象情報の情報依頼に応じて、情報提供が必要とされる事象についての情報を記憶している携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fのいずれかを検索する。なお、実際に事象についての情報を記憶しているか否かの判断は、事象情報管理装置11から検索要求を受け付けた携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fにおける検索結果に基づいて判断する。
【0083】
本実施の形態ではまず、事象情報管理装置11は、事象が発生した時刻に、事象が発生した場所に存在した携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを抽出する。携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fがいつ、いずれのエリアに存在したかは、在圏情報管理装置12の在圏情報DB121でデータベース化されている。
【0084】
図9は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成するサービスセンタ1で記憶される在圏情報の内容例を示す説明図である。携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの在圏情報は、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fがエリアA1,A2,A3を跨いだ場合、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの電源がオンとなった場合、所定時間が経過した場合等のタイミングで携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fがいずれのエリアに存在するかがアクセスポイントから送信される。そして、図9の説明図に示すように、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fがいずれのエリアに存在したかが、時刻情報と共に履歴として在圏情報DB121に記憶される。
【0085】
事象情報管理装置11の制御部110は、図9の説明図に示した在圏情報DB121の内容の読み出しを在圏情報管理装置12へ依頼することにより、事象が発生した時刻及びその場所に基づいてその場所に存在した履歴を有している携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを抽出することが可能である。
【0086】
図10は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110が、事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0087】
なお、事象情報管理装置11の制御部110は、図7のフローチャートに示した事象情報の受け付け処理の終了後、長い時間を置くことなしに続けて以下に示す処理を行なうことが望ましい。また、事象情報管理装置11の制御部110は、図7のフローチャートに示した処理によって事象情報を事象情報DB114に記憶した後、事象情報に含まれる期限が過ぎるまでの期間、例えば1日に1回の頻度で以下に示す処理を行なう構成としてもよい。
【0088】
制御部110は、受け付けた事象情報に含まれる発生場所及び発生日時を読み出す(ステップS301)。制御部110は、読み出した発生場所及び発生日時に対応するエリア及び日時の履歴を有する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fのユーザIDを在圏情報管理装置12を介して在圏情報DB121から読み出す(ステップS302)。なおこのとき、事象の発生場所及び発生日時に対応するエリア及び日時の履歴を有する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fのユーザIDが抽出されるに際しては、発生場所及び発生日時いずれに対しても所定の許容範囲内のエリア及び日時が対応すると判断される。また、制御部110が、発生場所をアクセスポイントAP1,AP2,AP3のいずれかに予め対応させておくことが望ましい。
【0089】
制御部110は、事象情報DB114に含まれるユーザ情報のテーブルを読み出す(ステップS303)。制御部110は、ステップS302で在圏情報DB121から読み出したユーザIDと、ステップS303で読み出したユーザ情報に含まれるユーザIDとで一致するユーザIDを抽出する(ステップS304)。ステップS304で抽出されるユーザIDに対応する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fが、事象が発生した時刻近傍に、事象が発生した場所周辺に存在していた携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fである。
【0090】
制御部110は、ステップS304で抽出されたユーザIDの内、受け付けた事象情報に含まれる事象のレベルが情報提供が可能な事象のレベルであるユーザIDを抽出する(ステップS305)。制御部110は、ステップS305で抽出されたユーザIDに対応する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fへ検索要求を送信する(ステップS306)。
【0091】
なお、ステップS306で制御部110により送信される検索要求には、事象情報に含まれる発生場所及び発生日時が含まれている。発生場所は経緯度に変換されていることが望ましい。また、検索要求には、静止画像、画像、音声が撮像された又は集音された場所が屋内であるのか、屋外であるのか、又は地下であるのかについての情報が含まれていてもよい。他に、撮影条件を示す情報が含まれていてもよい。
【0092】
制御部110は、送信した検索要求に対する検索結果を受信したか否かを判断する(ステップS307)。制御部110は、検索結果を受信していないと判断した場合(S307:NO)、処理をステップS307へ戻して検索結果を受信したと判断するまで待機する。制御部110は、検索結果を受信したと判断した場合(S307:YES)、検索結果に示される、一致するデータの有無に基づき、検索結果の送信元の携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fが事象に関するデータを記憶しているか否かを判断する(ステップS308)。制御部110は、事象に関するデータを記憶していると判断した場合(S308:YES)、送信元の携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fに対応するユーザIDを事象IDと対応付けて記憶し(ステップS309)、後述のステップS310へ処理を進める。
【0093】
制御部110は、ステップS308において事象に関するデータを記憶していないと判断した場合(S308:NO)、そのまま次のステップS310へ処理を進める。
【0094】
制御部110は、全検索結果を受信したか否かを判断し(ステップS310)、全検索結果を受信していないと判断した場合(S310:NO)、処理をステップS307へ戻す。制御部110は、全検索結果を受信したと判断した場合(S310:YES)、事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索する処理を終了する。
【0095】
次に、事象情報管理装置11が行なう図10のフローチャートに示した処理に対し、各携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fで行なわれる処理について説明する。図11は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する携帯型端末装置2aの制御部20が、検索要求に応じて事象に関するデータを検索する処理手順の一例を示すフローチャートである。他の携帯型端末装置2b,2c,2d,2e,2fの制御部20夫々の処理手順は、携帯型端末装置2aの制御部20による処理手順と同様であるので詳細な説明を省略する。
【0096】
制御部20は、アンテナ部27により検索要求を受信し(ステップS41)、記憶部21に記憶されている静止画像、動画像、音声、文書等のデータに付加されている付加情報を読み出す(ステップS42)。
【0097】
制御部20は、読み出した付加情報に基づいて、検索要求に含まれる発生日時と所定の許容範囲で一致する日時が付加されているデータが有るか否かを判断する(ステップS43)。制御部20は、検索要求に含まれる発生日時と一致する日時が付加されているデータが有ると判断した場合(S43:YES)、検索要求に含まれる発生場所と所定の許容範囲で一致する位置情報が付加されているデータが有るか否かを判断する(ステップS44)。制御部20は、検索要求に含まれる発生場所と一致する位置情報が付加されているデータが有ると判断した場合(S44:YES)、検索要求に他に検索条件が含まれているときには、その他の検索条件に一致するデータが有るか否かを判断する(ステップS45)。なお、その他の検索条件が検索要求に含まれていない場合は、ステップS45の処理は省略される。
【0098】
制御部20は、その他の検索条件に一致するデータが有ると判断した場合(S45:YES)、一致するデータが有ることを示す検索結果を事象情報管理装置11へアンテナ部27により送信し(ステップS46)、検索処理を終了する。
【0099】
制御部20は、検索要求に含まれる発生日時と一致する日時が付加されているデータが無いと判断した場合(S43:NO)、発生場所と一致する位置情報が付加されているデータが無いと判断した場合(S44:NO)、及びその他の検索条件に一致するデータが無いと判断した場合(S45:NO)、一致するデータが無いことを示す検索結果を事象情報管理装置11へアンテナ部27により送信し(S47)、検索処理を終了する。
【0100】
なお、ステップS44で発生場所と所定の許容範囲で一致する位置情報が付加されているデータがあるか否かを判断する際に、データに方角の情報が対応付けられている場合には、これに基づいてGPS受信部28により取得された経緯度及び方角の情報に基づいて、発生場所の方向を向いて撮影された又は集音された静止画像データ、動画像データ、音声データがあるか否かを判断するようにしてもよい。
【0101】
このように、図10のフローチャートに示した処理が行なわれた結果、事象IDに対応付けて記憶されているユーザIDに対応する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fが、事象に関するデータを記憶している可能性の高い携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fとして検索される。
【0102】
なお、事象情報管理装置11の制御部110は、検索要求を送信することによって、各携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fに検索処理を実行させ、検索結果を受信して事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、事象情報管理装置11の制御部110が、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの記憶部21に記憶されている静止画像データ、動画像データ、音声データ、文書データ等のデータに付加されている付加情報を読み出し、発生日時及び発生場所その他の検索条件に合致するデータの有無を判断することによって検索処理を行なう構成としてもよい。ただし、各携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fで検索処理を実行させる構成とすることにより、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fが多数であっても事象情報管理装置11の制御部110の処理の負荷が低減される。
【0103】
図12は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110が、検索された携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fへ情報提供依頼を通知する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0104】
制御部110は、事象IDに対応付けて記憶されているユーザIDを読み出し(ステップS51)、読み出したユーザIDに対応するメールアドレスを宛て先として、ユーザIDに対応する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fへ情報提供依頼メールを送信し(ステップS52)、処理を終了する。
【0105】
なお、制御部110は情報提供依頼メールを送信するに際し、事象情報DB114の事象情報のテーブルに含まれる事象ID、発生場所、発生日時、事象のタイトル、事象の詳細内容、期限、参考となる対価の額(図8参照)を読み出して情報提供依頼メールの内容とする。
【0106】
なお、各携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fは、事象情報管理装置11から送信される検索要求をきっかけとするのみならず、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fがニュース配信サービスと連動して、ニュースを受信した場合に当該ニュースについての位置情報等を取得して検索を行なう構成としてもよい。この場合、ニュース配信サービスで配信されるニュースには、事象ID、事象の発生場所及び発生時刻が付加されているとしてもよいし、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2f自身で事象ID、発生場所及び発生日時についての問い合わせ処理を行なう構成でもよい。そしてこの場合、事象情報管理装置11は、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fで検索されたデータを受信し、受信したデータに対応する事象と、情報提供依頼者から情報提供が必要とされている事象とを事象IDによって対応付ける。これにより、事象情報管理装置11は、情報提供を必要としている事象について情報を記憶している携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを抽出することが可能である。
【0107】
<3−4.情報提供>
情報提供依頼サービスに参加を登録しているユーザは、情報提供依頼メールを受信した場合、自身が本当に情報を有しており情報提供に同意するときには、サービスセンタ1へ情報提供メールを送信するか、又はWebサーバ装置14へアクセスするかの方法によって実際に情報を提供する。このとき、ユーザは、事象IDと共に実際に自身が所有する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fに記憶されている静止画像データ、動画像データ、音声データ等のデータを携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを利用して送信する。ユーザは、目撃情報を文書にした文書データを共に送信してもよい。
【0108】
情報提供依頼メールに応じて提供される情報は、メールサーバ装置13又はWebサーバ装置14を介して事象情報管理装置11へ送信される。事象情報管理装置11は、提供された情報を実績として記憶し、情報提供依頼者へ依頼に応じた情報提示を行なう。
【0109】
図13は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110が携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fから情報提供を受けた場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0110】
制御部110は、情報提供メールをメールサーバ装置13を介して受信したか、又はWebサーバ装置14を介して入力された情報を受信したかにより、ユーザからの情報提供があったか否かを判断する(ステップS61)。制御部110は、ユーザからの情報提供がないと判断した場合(S61:NO)、処理をステップS61へ戻す。
【0111】
制御部110は、ユーザからの情報提供があったと判断した場合(S61:YES)、ユーザの携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fから送信された事象IDに対応付けて、共に送信された提供されたデータを実績として記憶する(ステップS62)。このとき制御部110は、提供されたデータを識別するために提供情報IDを割り振って記憶する。また、制御部110は、提供元のユーザのユーザIDを参照してメールアドレスを読み出して対応付け、更に情報が提供された時刻を対応付けて記憶する。
【0112】
制御部110は、提供されたデータ及び目撃情報の概要を内容とし、提供された情報を識別するための提供情報IDを含むメールを事象IDに対応する情報提供依頼者の情報提供依頼装置3へ送信し(ステップS63)、情報提供があった場合の処理を終了する。
【0113】
ステップS63で送信されるメールは、Webページへのリンクを含んでいるのみの構成でもよい。事象情報管理装置11の制御部110は、提供情報IDと、提供されたデータ、例えば静止画像データの解像度を落としたサムネイルとを含むWebページを生成してWebサーバ装置14へ送信してもよい。この場合、情報提供依頼者は、情報提供依頼装置3のWebブラウザ機能により、事象IDで対応付けられたWebページを閲覧し、提供された情報の内容を静止画像のサムネイルの一覧により確認して有効な情報であるか否かを精査して対価を支払うか否かを判断することができる。
【0114】
制御部110は、図13のフローチャートに示す処理を、事象毎に設定されている期限が経過するまで繰り返し実行する。
【0115】
図14は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110によって記憶される実績情報の内容例を示す説明図である。
【0116】
図14の説明図に示すように、情報提供があった場合には、事象情報管理装置11の制御部110によって実績情報には提供情報IDが割り振られ、いずれの事象についての情報提供であるかを示すために事象IDが対応付けられている。なお、事象IDは、携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを利用して送信される情報提供メール、又はWebサーバ装置14を介して入力される情報に含まれている。また、実績情報は、いずれのユーザから提供されたかを示すための送信元の携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fに対応するユーザIDと、実際に提供された情報として動画像データ、静止画像データ、音声データ、文書データ等のデータのファイル名と、提供された日時を示す提供日時とを含んでいる。実際に提供されたデータ及び提供日時を記憶しておくことにより、事後的に情報提供依頼者が使用したデータとの比較が可能であり、ユーザからの情報提供に対する対価の支払いが保証される。
【0117】
図14の説明図に示される内容例では、ユーザID「01000001」のユーザから、2007年9月11日8時30分に、事象ID「20012」の火災について動画像が提供されたことが示されており、提供情報IDとして「0001」が割り振られていることが示されている。
【0118】
次に、情報提供依頼者は、メールを受信するか又はWebページを閲覧することによって提供されたデータの概要を精査する。情報提供依頼者は、提供された複数のデータの内に有効な情報があると判断した場合、そのデータに対応する提供情報IDと共に、そのデータが有効であり、採用するので対価を支払うことを示す有効通知を情報提供依頼装置3を利用して送信する。このとき、有効通知の送信は、ユーザが操作部33を介して有効と判断した提供情報IDを示すメールを送信するか、又は、表示部34で表示されるWebページに選択を受け付けるインタフェースを有する構成とし、ユーザが操作部33により選択することによってなされる。以下に、情報提供依頼者によって情報提供依頼装置3から有効通知が送信された場合の事象情報管理装置11における処理について説明する。
【0119】
図15は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110が、有効通知を受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0120】
制御部110は、情報提供依頼装置3から有効通知を受信したか否かを判断する(ステップS71)。制御部110は、有効通知を受信していないと判断した場合(S71:NO)、処理をステップS71へ戻す。
【0121】
制御部110は、有効通知を受信したと判断した場合(S71:YES)、有効通知に含まれている提供情報IDに対応付けて対価を記憶し(ステップS72)、処理を終了する。
【0122】
ステップS72において記憶される対価は、事象情報のテーブルに含まれる参考額及び期限と、実際に提供された日時との関係から制御部110により自動的に算出される構成としてもよい。また、有効通知に実際に支払われる対価が含まれている構成としてもよい。
【0123】
図16は、本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11の制御部110によって対価が記憶される実績情報の内容例を示す説明図である。
【0124】
図16の説明図に示すように、有効通知を受信した場合には制御部110により、提供情報IDと、事象IDと、ユーザIDと、提供日時とを含む実績情報に対価が追加される。図16の説明図に示す内容例に含まれる対価は、図14の説明図に示された内容例に示される実績情報のテーブルに追加されるとしてもよい。提供情報IDに更に、事象ID及び提供日時をも対応付けておくことにより、対価がいずれのデータに対して支払われたか否かをユーザへ明示することが可能になる。
【0125】
このように、提供された情報に対して支払われる対価についても管理することができ、情報提供依頼メールを送信する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索するのみならず、提供された実績、対価が支払われた実績を含めてサービスセンタ1で総合的に管理することができる。
【0126】
その後、実際に情報提供依頼者が事象に関するデータを入手するには、対価が支払われた後にサービスセンタ1からデータが情報提供依頼者へメールが送信されるか、又はWebぺージを介してデータがダウンロード可能になるか等の方法によって自動的に送信される構成としてもよい。また、事象情報管理装置11の制御部110が、有効通知を受信した場合、有効通知に含まれる提供情報IDに対応するユーザIDを特定し、ユーザIDで識別されるユーザの携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fへ再度メールを送信するなどの方法によって、以後は情報提供依頼者と直接交渉するように知らせる構成としてもよい。
【0127】
なお、上述の実施の形態に示したようにサービスセンタ1を構成する事象情報管理装置11、在圏情報管理装置12、メールサーバ装置13及びWebサーバ装置14は、各機能に応じて夫々一のサーバコンピュータ装置によって構成されるとした。しかしながら、本発明はこれに限らず、各装置の機能を全て実現する一台のサーバコンピュータ装置によって構成されるとしてもよい。また、ユーザ情報管理装置11、在圏情報管理装置12、及び検索装置13は夫々、自身の機能に関連の高い事象情報DB114、在圏情報DB121を夫々記憶部に記憶する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限らず、事象情報DB114、在圏情報DB121を夫々記憶しておき、各データベースの読み書きを行なうDBサーバ装置を含んで構成してもよい。本実施の形態に示したシステム構成は例示であり、情報提供依頼サービスの各機能の主体を各装置に限定するものではない。
【0128】
なお、本実施の形態に示した情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置11は、在圏情報DB121に基づき、事象が発生した時刻及び近傍に、事象が発生した場所及びその周辺に存在した携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを抽出した上で、抽出された携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの内から実際にデータを記憶している携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索する構成とした。しかしながら、本発明はこれにかぎらず、在圏情報DB121に基づいて抽出する処理を行なわずに、ユーザ情報が登録されている携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fへ検索要求を送信する構成としてもよい。
【0129】
さらに、サービスセンタ1、又は情報提供依頼装置3のいずれかがない構成でも情報提供依頼システムを実現することができる。各ユーザが例えば情報依頼提供者に対する情報提供が可能である場合に、情報提供依頼装置3がメールを受信するか、又はWebサービスを介して、直接的に情報提供依頼装置3でユーザ情報の登録を行ない、情報提供依頼装置3が事象情報管理装置11と同様の処理を実行することにより、登録されたユーザの携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2f夫々について事象情報に対応するデータが記憶されているかを検索させる検索要求を送信してもよい。また、情報提供依頼装置3がない構成の場合には、情報提供依頼者から事象情報の提供依頼を受け付けることなく、サービスセンタ1で事象情報を例えばニュースから取得し、自動的に事象情報に対応する携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを抽出して情報提供依頼メールを送信する処理を行なうとしてもよい。
【0130】
また、個人情報の問題がない場合は、情報提供依頼者が直接事象情報管理装置11を利用して携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを検索することが可能な構成としてもよい。また、情報提供依頼装置3が各携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの在圏情報を取得することが可能である場合、情報提供依頼装置3で予め事象が発生した時刻にその現場周辺に存在した携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fを抽出して検索を行なわせる構成としてもよい。
【0131】
また、事象情報管理装置11の制御部110は、図12のフローチャートに示した処理によってサービスセンタ1から自動的に情報提供依頼メールが送信される前に、情報提供依頼者に対応する処理として以下に示すように検索結果を提示する処理を行なう構成としてもよい。
【0132】
図10のフローチャートに示した事象情報管理装置11の制御部110の処理により、情報提供依頼があった事象についての静止画像、動画像、音声等のデータを記憶している可能性の高い携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fが抽出される。そして、抽出された携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fに対応するユーザIDが、事象IDに対応付けられて記憶されている。
【0133】
事象情報管理装置11の制御部110は、検索結果をメールにて情報提供依頼装置3へ送信するか、又はWebページによって情報提供依頼装置3を介して検索結果の閲覧が可能なようにする。検索結果には、事象ID毎に情報提供の可能性の高い携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fの数が示されている。情報提供依頼者は例えば、情報提供依頼装置3を利用して情報提供依頼サービスにログインし、事象IDについての情報を閲覧し、有力な情報を記憶している可能性が高い携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fが検索されたか否かをチェックすることが可能である。この時点で、情報提供依頼者が直接、可能性が高い携帯型端末装置2a,2b,2c,2d,2e,2fへメールを送信することができる構成としてもよい。
【0134】
以上の実施の形態に関し更に、以下の付記を開示する。
【0135】
(付記1)
複数の外部装置とデータ通信を行なう通信手段と、
事象が発生したことを受け付ける事象取得手段と、
該事象取得手段にて事象の発生を受け付けた際に、前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を記憶している外部装置を検索する検索手段と
を備えることを特徴とする検索装置。
【0136】
(付記2)
前記検索手段は更に、事象が発生した時刻に事象が発生した場所に存在した外部装置のみを検索する機能を備えること
を特徴とする付記1に記載の検索装置。
【0137】
(付記3)
外部装置へ前記事象情報と共に検索要求を送信する手段と、
前記検索要求に対する検索結果を受け付ける手段と
を備え、
前記検索手段は、前記検索結果に基づいて前記事象に関する情報を記憶している外部装置を検索するようにしてあること
を特徴とする付記1又は2に記載の検索装置。
【0138】
(付記4)
前記検索要求は、前記事象情報に含まれる位置情報に示される場所で、前記事象情報に含まれる時刻情報に示される時刻に生成された情報を検索させる検索要求であること
を特徴とする付記3に記載の検索装置。
【0139】
(付記5)
データ通信可能に接続された携帯型端末装置と検索装置とを備えた情報提供依頼システムにおいて、
前記携帯型端末装置は、事象に関する情報を記憶する記憶媒体を備え、
前記検索装置は、
前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を取得する手段と、
前記事象情報に基づき、前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索する検索手段と、
該検索手段が検索した携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する通知手段と
を備えていること
を特徴とする情報提供依頼システム。
【0140】
(付記6)
前記検索装置は、前記複数の携帯型端末装置へ前記事象情報と共に検索要求を送信する手段を備え、
前記携帯型端末装置は、
前記検索装置から検索要求を受信することにより前記事象情報を取得する手段と、
取得した事象情報に対応する情報を自身の記憶媒体から検索する手段と、
検索結果を送信する手段と
を備え、
前記検索装置は更に、
前記携帯型端末装置から検索結果を受け付ける手段を備え、
前記検索手段は、受け付けた検索結果に基づいて前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索するようにしてあること
を特徴とする付記5に記載の情報提供依頼システム。
【0141】
(付記7)
検索装置により検索された携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する情報提供依頼方法において、
前記検索装置は、
前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を取得し、
前記事象情報に基づき、前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索し、
前記検索装置が検索した携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する
ことを特徴とする情報提供依頼方法。
【0142】
(付記8)
複数の外部装置とデータ通信が可能なコンピュータを、
事象が発生したことを受け付ける事象取得手段、
該事象取得手段にて事象の発生を受け付けた際に、前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を取得する手段、及び、
前記事象情報に基づき、前記事象に関する情報を記憶している外部装置を検索する検索手段
として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本実施の形態における情報提供依頼システムの概要を示す模式図である。
【図2】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成するサービスセンタの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する携帯型端末装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する情報提供依頼装置の内部構成を示すブロック図である。
【図5】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部がユーザ情報を受け付ける処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図6】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部により記憶されるユーザ情報の内容例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部が事象情報を受け付ける処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部により記憶される事象情報の内容例を示す説明図である。
【図9】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成するサービスセンタで記憶される在圏情報の内容例を示す説明図である。
【図10】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部が、事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】本実施の形態における情報提供依頼システム構成する携帯型端末装置の制御部が、検索要求に応じて事象に関するデータを検索する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部が、検索された携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部が携帯型端末装置から情報提供を受けた場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部によって記憶される実績情報の内容例を示す説明図である。
【図15】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部が、有効通知を受信した場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図16】本実施の形態における情報提供依頼システムを構成する事象情報管理装置の制御部によって対価が記憶される実績情報の内容例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0144】
1 サービスセンタ
11 事象情報管理装置(検索装置)
110 制御部
114 事象情報DB
11P 制御プログラム
121 在圏情報DB
2a,2b,2c,2d,2e,2f 携帯型端末装置
20 制御部
25 撮像部
26 集音部
28 GPS受信部
3 情報提供依頼装置
30 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の外部装置とデータ通信を行なう通信手段と、
事象が発生したことを受け付ける事象取得手段と、
該事象取得手段にて事象の発生を受け付けた際に、前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を記憶している外部装置を検索する検索手段と
を備えることを特徴とする検索装置。
【請求項2】
前記検索手段は更に、事象が発生した時刻に事象が発生した場所に存在した外部装置のみを検索する機能を備えること
を特徴とする請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
データ通信可能に接続された携帯型端末装置と検索装置とを備えた情報提供依頼システムにおいて、
前記携帯型端末装置は、事象に関する情報を記憶する記憶媒体を備え、
前記検索装置は、
前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を取得する手段と、
前記事象情報に基づき、前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索する検索手段と、
該検索手段が検索した携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する通知手段と
を備えていること
を特徴とする情報提供依頼システム。
【請求項4】
前記検索装置は、前記複数の携帯型端末装置へ前記事象情報と共に検索要求を送信する手段を備え、
前記携帯型端末装置は、
前記検索装置から検索要求を受信することにより前記事象情報を取得する手段と、
取得した事象情報に対応する情報を自身の記憶媒体から検索する手段と、
検索結果を送信する手段と
を備え、
前記検索装置は更に、
前記携帯型端末装置から検索結果を受け付ける手段を備え、
前記検索手段は、受け付けた検索結果に基づいて前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索するようにしてあること
を特徴とする請求項3に記載の情報提供依頼システム。
【請求項5】
検索装置により検索された携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する情報提供依頼方法において、
前記検索装置は、
前記事象が発生した場所の位置情報及び事象が発生した時刻の時刻情報を含む事象情報を取得し、
前記事象情報に基づき、前記事象に関する情報を記憶している携帯型端末装置を検索し、
前記検索装置が検索した携帯型端末装置へ情報提供依頼を通知する
ことを特徴とする情報提供依頼方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2009−99055(P2009−99055A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−271682(P2007−271682)
【出願日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】