説明

検索装置、検索方法および検索プログラム

【課題】効率的な検索を行う技術の提供。
【解決手段】複数の登録名称のそれぞれに各登録名称を示すハングル文字を字母に分解した順列である蓄積順列が対応付けられて記録媒体に記録され、かつ、前記蓄積順列の一部を構成する部分順列が共通である前記蓄積順列の中から前記部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列を特定するための順列特定情報が記録媒体に記録される。そして、前記ハングル文字単位で前記検索対象が指定された後に前記字母単位で前記検索対象が指定された場合、前記順列特定情報を参照し、前記ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列を前記部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列を特定し、特定された前記蓄積順列に基づいて検索を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索装置、検索方法および検索プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、記録媒体に蓄積されたハングル文字からなる登録名称を検索する際の検索対象の指定方法として、主に、2種類の指定方法が知られていた。すなわち、ハングル文字は、ハングル文字の構成単位である字母(jamo)を複数個組み合わせることによって完成するため、ハングル文字単位で検索対象を指定する方法と字母単位で検索対象を指定する方法との2種類の方法が開発されていた。具体的には、複数個の字母を入力して検索対象のハングル文字を指定する作業を繰り返すことによって検索対象のハングル文字列を指定する構成と、字母を一つずつ入力して検索対象のハングル文字列を構成する字母の順列を指定する字母単位の検索とが知られていた。例えば、特許文献1には、簡単な操作によって字母単位の検索を実行可能にするため、字母の入力順序と確定文字列とを対応付けて予測データとし、次回以降の字母の入力過程において当該予測データを参照して当該字母に対応した確定文字列を候補とする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−082940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ハングル文字単位で検索対象を指定する従来の技術は、登録名称をハングル文字の順列によって示す情報を記録媒体に記録しておき、ハングル文字が指定される度に検索結果とすべき登録名称の候補を絞り込む技術である。一方、字母単位で検索対象を指定する従来の技術は、登録名称を示すハングル文字列を字母に分解した場合の順列を当該登録名称に対応付けておき、字母が指定される度に検索結果とすべき登録名称の候補を絞り込む技術である。このように、ハングル文字単位で検索対象を指定する従来の技術と、字母単位で検索対象を指定する従来の技術とでは、異なる情報に基づいて検索対象を検索する。
【0005】
また、ハングル文字列を字母に分解した場合の順列を比較すると、異なるハングル文字列同士であっても字母の順列の一部が一致する場合がある。従って、ハングル文字単位での検索対象の指定を行った後に字母単位での検索対象の指定を行う場合に、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した順列に字母単位で指定された字母を加えた順列で登録名称の候補を絞り込もうとしても、字母単位での検索対象の指定を行うことに伴って候補の数が増大することがあり、効率的に検索を行うことができなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、ハングル文字単位での検索対象の指定を行った後に字母単位での検索対象の指定を行う場合に効率的な検索を行うことが可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するため、本発明においては、記録媒体に蓄積された地図情報にハングル文字からなる複数の登録名称が含まれる構成において、複数の登録名称のそれぞれに各登録名称を示すハングル文字を字母に分解した順列である蓄積順列を対応付けて記録媒体に記録される。さらに、当該蓄積順列の一部を構成する部分順列が共通である蓄積順列の中から部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定するための順列特定情報が記録される。そして、ハングル文字単位で検索対象が指定された後に字母単位で検索対象が指定された場合に、順列特定情報を参照し、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した順列を部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定する。さらに、特定された蓄積順列から、ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列に字母単位で指定された字母が続く順列を含む蓄積順列を検索し、検索された蓄積順列が対応付けられた登録名称を検索結果とする。
【0007】
すなわち、本発明においては、ハングル文字単位で検索対象が指定された後に字母単位で検索対象が指定された場合、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解すると分解された順列の最後の字母は、必ず、当該字母でハングル文字が完成する字母になる。そこで、部分順列が共通である蓄積順列の中から部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定することができるように順列特定情報を定義する構成とした。この構成により、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した場合の順列を部分順列とみなして順列特定情報を参照すれば、蓄積順列の中で部分順列が一致するものの中から、部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定することができ、検索対象と比較すべき蓄積順列を絞り込むことが可能になる。従って、ハングル文字単位での検索対象の指定を行った後に字母単位での検索対象の指定を行う場合に、効率的な検索を行うことが可能になる。
【0008】
ここで、検索装置は、検索対象の指定をハングル文字単位または字母単位で受け付けて、指定された検索対象を含む登録名称を検索することができればよく、本発明においては、ハングル文字単位での検索対象の指定を行った後に字母単位での検索対象の指定を行うことが可能に構成される。むろん、字母単位での検索対象の指定を行った後にハングル文字単位での検索対象の指定を行うことが可能に構成されてもよい。また、検索対象の指定を受け付ける構成は、各種のユーザインタフェースによって実現可能であり、字母やハングル文字の選択肢を表示して当該選択肢の選択を受け付ける構成であっても良いし、矩形等の入力エリアに接触した状態で行われた指の動作から字母やハングル文字の形状の指定を受け付ける構成であっても良く、種々の構成を採用可能である。
【0009】
記録媒体には、ハングル文字からなる複数の登録名称が含まれる地図情報が記録されている。さらに、登録名称には蓄積順列が対応付けられるとともに、記録媒体には順列特定情報が記録される。地図情報は、道路と道路上あるいは道路周辺の施設とを示す情報であり、当該施設に対しては施設の属性や住所、施設名称等を示す文字情報が対応付けられており、ここでは当該文字情報を登録名称と定義している。そして、当該登録名称は少なくともハングル文字によって表現され、当該登録名称が検索対象と比較されることによって検索が行われる。すなわち、指定された検索対象によって登録名称を絞り込むことによって最終的に検索結果が特定されるように構成されている。
【0010】
蓄積順列は、登録名称を示すハングル文字列を字母に分解した順列である。すなわち、ハングル文字は複数の字母によって構成されるが、任意のハングル文字を字母に分解する場合に所定の規則で順序立てて分解することとする。そして、地図情報に含まれる登録名称のそれぞれを当該所定の規則で字母に分解して各登録名称に対応付けて蓄積順列とすれば、字母の順列として指定された検索対象と蓄積順列とを比較し、検索対象を含む蓄積順列を特定することによって当該蓄積順列に対応付けられた登録名称を検索することが可能になる。なお、ハングル文字列を字母に分解する場合の所定の規則は予め決められていれば良く、例えば、字母によってハングル文字を構成する場合の順序の逆に分解するなどの規則を採用可能である。
【0011】
順列特定情報は、蓄積順列の一部を構成する部分順列が共通である蓄積順列の中から部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定するための情報であればよい。すなわち、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した場合の順列を部分順列とした場合、当該部分順列が共通であってもハングル文字列が異なり得る。しかし、ハングル文字単位で指定された検索対象を分解して順列を生成した場合、順列の最後の字母でハングル文字が完成するはずである。そこで、順列特定情報は、蓄積順列の中から、部分順列が一致し、かつ、部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列と完成しない蓄積順列とを区別できるように構成されていればよい。
【0012】
検索手段は、指定された検索対象に基づいて登録名称を検索する構成において、順列特定情報を参照し、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した順列を部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定し、特定された蓄積順列から、ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列に字母単位で指定された字母が続く順列を含む蓄積順列を検索し、検索された蓄積順列が対応付けられた登録名称を検索結果とすることができればよい。すなわち、ハングル文字単位で検索対象が指定された後に字母単位で検索対象が指定された場合には、効率的な検索ができるように検索対象と比較すべき蓄積順列を絞り込むことができればよい。
【0013】
具体的には、字母単位での検索対象の指定の前にハングル文字単位で検索対象が指定されていた場合、検索対象と比較すべき蓄積順列は、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した場合に最後の字母でハングル文字が完成するような順列を含んでいるはずである。そこで、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した順列を部分順列とみなした場合に、部分順列が一致し、かつ、部分順列の最後の字母でハングル文字が完成するような蓄積順列を順列特定情報によって特定できれば、検索対象と比較すべき蓄積順列を容易に絞り込むことができ、効率的に検索を行うことができる。
【0014】
さらに、順列特定情報は蓄積順列を絞り込むことができるように定義されていれば良く、その具体的な手法としては各種の手法を採用可能である。例えば、順列特定情報によって、部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列の、記録媒体上での記録位置を示すように構成してもよい。この構成においては、順列特定情報が示す記録位置に記録された蓄積順列が、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した順列を部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列であるとみなすことができ、部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を容易に特定することができる。
【0015】
なお、記録位置は、当該記録位置に基づいて記録媒体を参照することによって部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を探し当てることができるように設定された情報であれば良く、例えば、記録媒体のアドレスを特定するための情報等を採用可能である。記録媒体の記録位置はアドレス値自体で指定されても良いし、基準のアドレスからの相対値で指定されても良い。後者としては、蓄積順列を示す情報を所定のデータ長で、かつ、順序を対応付けて記録媒体に記述することとし、先頭の蓄積順列からN個(Nは自然数)目の蓄積順列であることや、N個目の蓄積順列からM個目(MはN+1以上の自然数)までの蓄積順列であることを順列特定情報によって示すような構成等を採用可能である。むろん、データ長の記述順序は仮想的に設定された順序であってよく、記録媒体における実際の記録位置が順序通りである場合の他、あるデータを記録する際に当該データの次のデータが記録されているアドレスを示す情報を記録することにより、実際の記録位置が順序通りでなくてもデータの順序を辿ることができるように構成されている場合も含む。
【0016】
本発明のように、部分順列が共通である蓄積順列の中から、部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定することによって効率的に検索を行う手法は、この処理を行う方法やプログラムとしても適用可能である。また、以上のような検索装置、方法、プログラムは、単独の装置として実現される場合もあれば、複数の装置として実現される場合もある。また、車両に備えられる各部と共有の部品を利用して実現される場合もあれば、車両に搭載されない各部と連携して実現される場合もあり、各種の態様を含むものである。また、一部がソフトウェアであり一部がハードウェアであったりするなど、適宜、変更可能である。さらに、検索装置を制御するプログラムの記録媒体としても発明は成立する。むろん、そのソフトウェアの記録媒体は、磁気記録媒体であってもよいし光磁気記録媒体であってもよいし、今後開発されるいかなる記録媒体においても全く同様に考えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】検索装置を含むナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図2】登録名称を検索するための情報を示す図である。
【図3】ユーザインタフェースの例を示す図である。
【図4】字母検索処理を示すフローチャートである。
【図5】ハングル検索処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施の形態について説明する。
(1)ナビゲーション装置の構成:
(1−1)施設情報の構成:
(1−2)検索プログラムの構成:
(2)検索処理:
(2−1)字母検索処理:
(2−2)ハングル検索処理:
(3)他の実施形態:
【0019】
(1)ナビゲーション装置の構成:
図1は、本発明の一実施形態にかかる検索装置として機能するナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。本実施形態において検索装置は、ナビゲーション装置10によって実現される。ナビゲーション装置10は、CPU、RAM、ROM等を備える制御部20と記録媒体30とを備えており、制御部20は、記録媒体30やROMに記憶されたプログラムを実行することができる。本実施形態においては、このプログラムの一つとして複数のプログラムモジュールからなるナビゲーションプログラムを実行可能であり、当該ナビゲーションプログラムを構成する一つのプログラムモジュールとして検索プログラム21を備えている。ナビゲーションプログラムは、車両の現在位置から目的地までの走行経路を探索し、当該走行経路に従って車両を走行させるための支援を行う機能を制御部20に実現させるプログラムである。
【0020】
本実施形態においては、ナビゲーションプログラムによる機能を実現するため、車両にGPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42とユーザI/F部43とが備えられている。GPS受信部40は、GPS衛星からの電波を受信し、図示しないインタフェースを介して車両の現在位置を算出するための信号を出力する。車速センサ41は、車両が備える車輪の回転速度に対応した信号を出力する。ジャイロセンサ42は、車両の旋回についての角加速度を検出し、車両の向きに対応した信号を出力する。制御部20は、GPS受信部40,車速センサ41,ジャイロセンサ42等の出力信号および後述する地図情報30aに基づいて車両の現在位置を特定する。
【0021】
ユーザI/F部43は、ユーザに各種の情報を提供し、またはユーザの指示を入力するためのインタフェース部であり、図示しないタッチパネルディスプレイやスピーカーなどを備えている。制御部20は、当該ユーザI/F部43に対して制御信号を出力して任意の画像をタッチパネルディスプレイに表示させ、任意の音声をスピーカーから出力させる。また、制御部20は、ユーザI/F部43の出力信号に基づいて利用者の指示内容を特定する。
【0022】
記録媒体30には予め地図情報30aが記憶されている。地図情報30aは、車両が走行する道路上に設定されたノードを示すノードデータ、ノード間の道路の形状を特定するための形状補間点データ、ノード同士の連結を示すリンクデータ、道路あるいは道路の周辺に存在する複数の施設を示す施設情報30b等を含んでいる。施設情報30bは、複数の施設のそれぞれに対して施設の属性や位置(座標および住所)、施設名称等の情報が対応づけられることによって定義される。
【0023】
(1−1)施設情報の構成:
本実施形態において、施設情報30bに対応付けられた施設の属性や住所、施設名称はハングル文字によって表現されており、ここでは、これらの属性や住所、施設名称を登録名称と呼び、当該登録名称を示す情報を図1において登録名称情報30b1として示している。また、図2においては、登録名称情報30b1の具体例を示している。同図2に示すように登録名称情報30b1は、各登録名称をハングル文字の順列であるハングル文字列で示す情報である。
【0024】
本実施形態においては、検索対象を含む登録名称を検索することによって、利用者所望の施設を特定し、目的地に設定することが可能である。本実施形態においては、効率的な検索を行うため、地図情報30aの施設情報30bに蓄積順列情報30b2と順列特定情報30b3とが含まれている。蓄積順列情報30b2は、登録名称情報30b1が示す各登録名称を示すハングル文字を字母に分解した蓄積順列を示す情報であり、各登録名称に対応づけられて定義されている。
【0025】
例えば、図2に示す登録名称情報30b1に対して、図2に示すように各登録名称が字母に分解された蓄積順列情報30b2が対応付けられる。従って、字母の順列を含む蓄積順列を特定すれば、当該字母の順列に分解された元の登録名称を検索結果として特定することができる。ここでは、理解の容易のために蓄積順列情報30b2が構成する字母の順列を左から順に並べるとともにハングル文字の区切りにアットマークを配置して示している。なお、ハングル文字を字母に分解する場合の所定の規則は予め決められていれば良く、例えば、字母によってハングル文字を構成する場合の順序の逆に分解するなどの規則を採用可能である。
【0026】
なお、本実施形態において、蓄積順列情報30b2と登録名称情報30b1とは固定長のデータ構造であり、記録媒体30内での最初の登録名称情報30b1および最初の蓄積順列情報30b2が記録されるアドレスは予め特定されているとともに、固定長の一つのデータを記録したら次の固定長のデータを一つ記録する作業を繰り返すことにより、所定の記録順序で記録媒体30に記録される。従って、記録された順序によって、記録媒体30に記録された蓄積順列情報30b2と登録名称情報30b1とを特定することができる。
【0027】
なお、本実施形態において、所定の記録順序は、蓄積順列を構成する字母が一致する度合いが高いほど近い順序になるとともに、同じ順列の字母が最後の字母となってハングル文字が完成するような蓄積順列が続けて記録媒体30に記録されるように設定される。例えば、図2においては、記録媒体30にて記録される順に登録名称情報30b1に対してL1〜L10の符号を付し、記録媒体30にて記録される順に蓄積順列情報30b2に対してP1〜P10の符号を付して示している。そして、図2においては、2番目までの字母が共通する蓄積順列が蓄積順列P1〜P7となって連続して記録媒体30に記録される。さらに、蓄積順列P1〜P4は2番目の字母でハングル文字が完成するような蓄積順列であり、蓄積順列P5〜P7は3番目の字母でハングル文字が完成するような蓄積順列であるため、両者は分けて記録媒体30に記録される。すなわち、蓄積順列P1〜P4は連続して記録媒体30に記録されるが、例えば、蓄積順列P5が蓄積順列P4よりも先に記録媒体30に記録されることはない。
【0028】
本実施形態において、順列特定情報30b3は、蓄積順列を2種類の蓄積順列に区別するための情報である。すなわち、順列特定情報30b3は、蓄積順列の一部を構成する部分順列が共通である蓄積順列の中から、部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列と、当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成しない蓄積順列とのいずれであるのかを特定するための情報である。ハングル文字列においては、ハングル文字列を字母に分解した場合の順列が共通であっても元のハングル文字列は異なり得るという特性がある。例えば、図2示す登録名称情報30b1の登録名称L3および登録名称L5に着目すると、これらの登録名称を字母に分解した場合の順列は蓄積順列P3および蓄積順列P5であり、蓄積順列において1番目の字母から3番目の字母まで共通である。
【0029】
従って、1番目の字母から3番目の字母までが蓄積順列P3および蓄積順列P5のような順列である字母の順列を検索対象として蓄積順列情報30b2を検索しても、蓄積順列P3と蓄積順列P5とを区別することはできない。このため、単に順列のみに基づいて検索を行う構成では、蓄積順列P3および蓄積順列P5の双方を検索結果の候補とせざるを得ない。しかし、共通の順列であっても、順列内の字母でハングル文字が完成するか否かに着目すれば、蓄積順列を区別し得る。例えば、図2に示す蓄積順列P3および蓄積順列P5を比較すると、蓄積順列P3の3番目の字母でハングル文字は完成しないが、蓄積順列P5の3番目の字母でハングル文字は完成する。
【0030】
そこで、順列特定情報30b3は、蓄積順列の中から、部分順列が一致し、かつ、部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列と完成しない蓄積順列とを区別できるように構成されている。本実施形態においては、順列内のX番目(Xは0以上の整数)の字母においてハングル文字が完成する蓄積順列を示す蓄積順列情報30b2の記録位置と、X番目の字母においてハングル文字が完成しない蓄積順列を示す蓄積順列情報30b2の記録位置と、蓄積順列を構成するためにX番目の字母の次のX+1番目で選択し得る字母と、を示す情報が順列特定情報30b3として定義されている。
【0031】
本実施形態において、蓄積順列情報30b2の記録位置は、記録媒体30内で最初に現れる蓄積順列の記録順序と該当する蓄積順列の個数によって特定される。すなわち、蓄積順列情報30b2は、固定長のデータによって管理されるとともに、所定の記録順序で記録媒体30に記録されるため、固定長のデータを1個の蓄積順列と数えれば、最初に現れる蓄積順列の記録順序と該当する蓄積順列の個数によって、順列内の字母でハングル文字が完成するか否かを区別しながら蓄積順列を指定することができる。例えば、図2に示す例において、「オフセット」は最初に現れる蓄積順列の記録順序を意味し、「個数」は該当する蓄積順列の個数を意味している。
【0032】
従って、図2において「完成時オフセット」は、X番目の字母においてハングル文字が完成する蓄積順列が最初に現れる蓄積順列の記録順序を意味し、「非完成時オフセット」は、X番目の字母においてハングル文字が完成しない蓄積順列が最初に現れる蓄積順列の記録順序を意味している。「個数」は「完成時オフセット」、「非完成時オフセット」のそれぞれに対応付けられており、図2に示す例においては、「完成時オフセット」、「非完成時オフセット」の右側に示す「個数」が「完成時オフセット」、「非完成時オフセット」のそれぞれに対応する。
【0033】
また、0番目においては順列内の字母が一つも特定されていないため、0番目の字母においてハングル文字が完成しない蓄積順列は存在しない。一方、0番目の字母においてハングル文字が完成する蓄積順列は、蓄積順列情報30b2が示す全ての蓄積順列である。従って、図2に示す順列特定情報30b3において、「完成時オフセット」は1、個数は10となっており、記録順序が1番目の蓄積順列P1から計10個の蓄積順列である蓄積順列P1〜P10が0番目の字母においてハングル文字が完成する蓄積順列として示されていることになる。
【0034】
さらに、蓄積順列を構成するためにX+1番目で選択し得る字母を示す情報は、蓄積順列情報30b2に基づいて予め特定される。例えば、図2に示す例において、蓄積順列の0番目、すなわち、順列内の字母が一つも特定されていない場合において、蓄積順列を構成するために選択可能な選択肢は、蓄積順列情報30b2の全てから1番目の字母を抽出することによって特定される。図2に示す例において、蓄積順列情報30b2の1番目の字母は、蓄積順列P1〜蓄積順列P8において同一であり、蓄積順列P9と蓄積順列P10とで異なるため、1番目の字母はこれらの3種類の字母のいずれかである。従って、図2に示す順列特定情報30b3において、0番目での次の字母の選択肢は当該3種類の字母J1〜J3となっている。
【0035】
さらに、図2においては、1番目の字母が字母J1である場合の順列特定情報30b3の例を示している。1番目の字母J1でハングル文字が完成する蓄積順列は蓄積順列情報30b2に登録されていないため、順列特定情報30b3において、「完成時オフセット」は定義されず、「非完成時オフセット」のみが定義される。また、1番目の字母J1でハングル文字が完成しない蓄積順列は蓄積順列P1〜P8であるため、「非完成時オフセット」が1、個数が8と定義されている。図2においては、以下、2番目の字母が字母J4、3番目の字母が字母J7である場合の例を示している。
【0036】
(1−2)検索プログラムの構成:
ナビゲーションプログラム10は、GPS受信部40と車速センサ41とジャイロセンサ42の出力信号に基づいて車両の現在位置を特定し、地図情報30aを参照して予め設定された目的地までの経路を車両が走行するように案内する機能を制御部20に実現させる。利用者は、地図情報30aに含まれる施設情報30bから登録名称を検索し、検索された登録名称が対応付けられた施設を目的地とすることが可能である。本実施形態において、制御部20は検索部21aを備えた検索プログラム21を実行して施設を検索する。
【0037】
検索プログラム21は、ユーザI/F部43の出力信号に基づいて検索対象を受け付け、検索対象を含む登録名称を検索する機能を制御部20に実現させる。本実施形態においては、検索対象の指定をハングル文字単位または字母単位で受け付けることが可能である。すなわち、検索プログラム21は、ユーザI/F部43に対して制御信号を出力し、ユーザI/F部43の表示部にハングル文字単位または字母単位での入力を実行可能なインタフェースを表示させる。利用者が当該インタフェースによってハングル文字あるいは字母の入力を行うと、ユーザI/F部43は、当該インタフェースによる入力内容を示す信号を出力し、制御部20は、当該信号に基づいて入力内容を受け付ける。
【0038】
図3は、表示部に表示されるインタフェースの一例を示す図である。同図3に示す例においては、ハングル文字単位または字母単位での入力を受け付ける入力部Iが画面左側に表示され、入力されたハングル文字を表示する文字表示部Dが画面右側上部に表示されている。さらに、本例においては、入力済の検索対象で検索を実行させるための指示を行うリストボタンBが画面右側下部に表示されている。ユーザI/F部43は、入力部I内で指が接触された位置を検出可能であり、指の動作に応じた接触位置の変化を示す信号を出力する。そして、制御部20は、当該接触位置の変化が示す指の動作に基づいて利用者が指示した字母を特定する。また、利用者が字母を特定する作業を連続的に行って、ハングル文字を完成させた場合には、そのハングル文字を特定する。すなわち、制御部20は、各字母が入力された後、一定期間以上他の字母が入力されない場合、字母単位での指定を受け付け、一定期間内に他の字母が入力された場合は複数の字母を組み合わせたハングル文字単位で指定を受け付ける。そして、制御部20は、受け付けた内容を検索対象とする。
【0039】
以上の構成において、利用者がハングル文字単位のみで検索対象を指定した場合、制御部20は、検索プログラム21の処理により、登録名称情報30b1を参照し、指定された検索対象を含む登録名称を検索する。また、制御部20は、ユーザI/F部43に対して制御信号を出力し、検索された登録名称を表示部に表示させる。利用者は、表示された登録名称を視認し、さらに、登録名称が示す施設を目的地にするための作業を行うことができる。また、利用者が字母単位のみで検索対象を指定した場合、制御部20は、検索プログラム21の処理により、蓄積順列情報30b2を参照し、指定された検索対象を含む蓄積順列を検索する。1個以上の蓄積順列が検索された場合、制御部20は、検索された蓄積順列に対応する登録名称情報30b1を特定し、ユーザI/F部43に対して制御信号を出力して当該登録名称情報30b1が示す登録名称を表示部に表示させる。利用者は、表示された登録名称を視認し、さらに、登録名称が示す施設を目的地にするための作業を行うことができる。
【0040】
一方、利用者が、ハングル文字単位での検索対象の指定を行った後、字母単位での検索対象の指定を行った場合、本実施形態において制御部20は、検索部21aの処理により、順列特定情報30b3を利用した効率的な検索を実行する。すなわち、検索部21aは、ハングル文字単位で検索対象が指定された後に字母単位で検索対象が指定された場合、順列特定情報を参照し、検索対象と比較するまでもなく検索結果とすべきでない蓄積順列を除外し、残りの蓄積順列と検索対象とを比較する機能を制御部20に実現させるモジュールである。
【0041】
具体的には、ハングル文字単位で検索対象が指定された後に字母単位で検索対象が指定された場合、制御部20は、検索部21aの処理により、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した順列を部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定する。さらに、制御部20は、検索部21aの処理により、特定された蓄積順列から、ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列に字母単位で指定された字母が続く順列を含む蓄積順列を検索し、検索された蓄積順列が対応付けられた登録名称を検索結果とする。
【0042】
すなわち、ハングル文字単位で検索対象が指定された後に字母単位で検索対象が指定された場合、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解すると分解された順列の最後の字母は、必ず、当該字母でハングル文字が完成する字母になる。また、順列特定情報30b3は、部分順列が共通である蓄積順列の中から部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定することができるように定義されている。そこで、制御部20は、順列特定情報を参照してハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した場合の順列を部分順列とみなし、蓄積順列の中で部分順列が一致するものの中から、部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定することで、検索対象と比較すべき蓄積順列を絞り込む構成を採用している。
【0043】
例えば、図2に示す例において、利用者が字母J1および字母J4からなるハングル文字(例えば、登録名称L1の1文字目など)をハングル文字単位で指定した後に、字母J7を字母単位で指定した場合、制御部20は、検索部21aの処理により、ハングル文字単位で指定された検索対象を字母の順列に分解する。すなわち、登録名称L1の1文字目などのハングル文字を分解し、字母J1,字母J4という順列を生成する。次に、制御部20は、順列特定情報30b3を参照し、字母J1,字母J4という順列を部分順列とした場合に、当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定する。図2に示す例において、字母J1,字母J4という順列を含む蓄積順列は蓄積順列P1〜P8の計8個であるが、順列特定情報30b3には「完成時オフセット」が1であり、「個数」が4と定義されているため、当該順列を部分順列とした場合に、部分順列の最後の字母J4でハングル文字が完成する蓄積対象は蓄積順列P1〜P4の計4個であることが判明する。
【0044】
そこで、制御部20は、蓄積順列P1〜P4から、字母J1,字母J4という順列に字母単位で指定された字母J7を加えた順列である字母J1,字母J4,字母J7を含む蓄積順列を検索して検索結果とする。従って、図2に示す例においては、蓄積順列P1〜P4から検索された蓄積順列P4が検索結果となる。以上の構成によれば、字母J1,字母J4,字母J7を含む蓄積順列を検索する際に、字母J1,字母J4,字母J7という順列の検索対象と比較されるべき蓄積順列の個数が8個ではなく4個となる。従って、ハングル文字単位での検索対象の指定を行った後に字母単位での検索対象の指定を行う場合に、検索対象と比較すべき蓄積順列を絞り込むことができ、効率的な検索を行うことが可能になる。
【0045】
(2)検索処理:
次に、本実施形態にかかる検索処理を詳細に説明する。図4は、字母単位で指定された検索対象の検索を行う字母検索処理、図5は、ハングル文字単位で指定された検索対象の検索を行うハングル検索処理である。後述するように、入力単位に応じて字母検索処理の過程でハングル検索処理が実行され、また、ハングル検索処理の過程で字母検索が実行されることもあり得るが、本実施形態において制御部20は、まず図4に示す字母検索処理を実行する。なお、本実施形態においては、図4および図5に示す処理の過程で利用者に検索対象を指定させ、新たな検索対象が指定された場合には既存の検索対象に新たな検索対象を追加することによって検索対象となる字母あるいはハングル文字の数を増加させて検索結果を絞り込む処理が行われる。
【0046】
(2−1)字母検索処理:
図4に示す字母検索処理の実行が開始されると、制御部20は、検索部21aの処理により、リストボタンが押されたか否かを判定する(ステップS100)。例えば、図3に示すユーザインタフェースにおいて、「list」と表示されたリストボタンBに利用者が触れるとユーザI/F部43が当該リストボタンBに対する接触を示す信号を出力する。制御部20は、当該ユーザI/F部43からの出力信号に基づいて、リストボタンBが押されたと判定する。
【0047】
ステップS100にてリストボタンが押されたと判定された場合、制御部20は、検索対象を含む登録名称を検索する(ステップS145)。本実施形態においては、図4に示す字母検索処理が最初に実行された場合と、後述する図5の処理過程で字母単位の入力が行われることで図4に示す字母検索処理が実行された場合に当該ステップS100が実行される。前者の場合、検索対象が未入力であるため、ステップS145において制御部20は、蓄積順列情報30b2が示す全ての蓄積順列を検索結果とする。
【0048】
後者の場合、後述する図5の処理過程で指定されたハングル文字列と当該ハングル文字列に続く字母とが検索対象となる。この場合、制御部20は、当該ハングル文字列を字母の順列に分解した場合の順列を部分順列として特定する。そして、制御部20は、順列特定情報30b3を参照し、当該部分順列が一致するとともに部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列から、検索対象の順列(ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した順列に字母単位で指定された字母が続く順列)を含む蓄積順列を検索する。
【0049】
例えば、図5の処理過程で字母J1,字母J4からなるハングル文字が検索対象として指定され、その後に字母J7が検索対象として指定された場合、図5の処理過程で指定されたハングル文字列を字母に分解した場合の順列は字母J1,字母J4という順列であり、部分順列は字母J1,字母J4という順列になる。また、検索対象となる順列は字母J1,字母J4,字母J7という順列になる。そこで、制御部20は、順列特定情報30b3を参照し、当該部分順列(字母J1,字母J4)が一致するとともに字母J4でハングル文字が完成する蓄積順列を特定する。図2においては、1番目の字母が字母J1、2番目の字母が字母J4、3番目の字母が字母J7である場合の順列特定情報30b3を示しているため、制御部20は、当該図2に示す2番目の順列に関する順列特定情報30b3を参照し、字母J4でハングル文字が完成する蓄積順列の「完成時オフセット」が1、「個数」が4であると特定する。
【0050】
この結果、字母J4でハングル文字が完成する蓄積順列が、蓄積順列P1〜P4であることが特定される。そこで、制御部20は、蓄積順列P1〜P4の中から、検索対象となる順列である字母J1,字母J4,字母J7という順列を含む蓄積順列P4を特定し、検索結果とする。従って、部分順列が一致する全ての蓄積順列である蓄積順列P1〜P8を参照することなく、より限定された蓄積順列P1〜P4の中から、検索対象となる順列を含む蓄積順列を検索すれば良く、効率的に検索を行うことが可能になる。このような効率性の向上効果は、一般的な地図情報30aに含まれる施設情報30bのように、極めて多数の登録名称が含まれる情報に基づく検索において特に顕著に現れる。
【0051】
検索結果を取得すると、制御部20は、検索結果を表示するとともに目的地とするための選択を受け付ける(ステップS150)。すなわち、制御部20は、検索結果として得られた蓄積順列に対応する登録名称を特定し、ユーザI/F部43に対して制御信号を出力して当該登録名称を表示する。さらに、制御部20は、ユーザI/F部43の出力信号に基づいて、表示された登録名称の選択を受け付ける。
【0052】
一方、ステップS100にて、リストボタンが押されたと判定されない場合、制御部20は、検索対象の最後の字母の次に選択可能な字母およびハングル文字を特定する(ステップS105)。当該処理において、制御部20は、まず検索対象の字母の順列を特定する。すなわち、検索対象が字母単位のみによって指定された場合、制御部20は、字母が指定された順序通りの順列を検索対象の字母の順列とする。また、検索対象にハングル文字単位で指定された文字が含まれる場合、制御部20は、当該文字を字母に分解した順列に対して字母単位で指定された字母が指定された順に加えられた順列を生成し、検索対象の字母の順列とする。さらに、検索対象が未入力の場合、制御部20は、検索対象の最後の字母は任意の字母であるとみなす。
【0053】
そして、制御部20は、検索対象の字母の順列に従って順列特定情報30b3を参照し、検索対象の字母の順列の最後の字母に関する順列特定情報30b3に対応付けられた「次の字母の選択肢」によって検索対象の最後の字母の次に選択可能な字母を特定する。例えば、図2においては、1番目の字母が字母J1、2番目の字母が字母J4である場合の順列特定情報30b3を示しているため、検索対象の字母の順列が字母J1,字母J4である場合、制御部20は、当該図2に示す2番目の順列に関する順列特定情報30b3を参照し、「次の字母の選択肢」が字母J6〜J8であると特定し、字母J6〜J8を検索対象の最後の字母の次に選択可能な字母であるとする。
【0054】
また、図4に示す字母検索処理において、後述するステップS135が実行されると、その後にはハングル文字単位での入力を行うことが可能になる。そこで、ステップS105においては、検索対象の最後の字母の次に選択可能なハングル文字も特定する構成になっている。具体的には、制御部20は、検索対象の字母の順列の最後の字母に関する順列特定情報30b3に対応付けられた「完成時オフセット」および「個数」によって、検索対象の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定し,当該蓄積順列において、検索対象の字母の順列の次に位置するハングル文字を特定する。図2において、検索対象の字母の順列が字母J1,字母J4である場合、制御部20は、当該図2に示す2番目の順列に関する順列特定情報30b3を参照し、「完成時オフセット」が1、「個数」が4で示される蓄積順列P1〜P4および対応する登録名称L1〜L4を参照し、字母J1,字母J4の次に位置するハングル文字を特定する。図2に示す例においては、登録名称L1,L2の2文字目と登録名称L3の2文字目と登録名称L4の2文字目とが検索対象の最後の字母の次に選択可能なハングル文字として特定される。
【0055】
次に、制御部20は、入力部Iに対する利用者の入力を受け付ける(ステップS110)。ここで、制御部20は、ユーザI/F部43の出力信号が示す利用者の入力内容が、ステップS105にて特定された「次に選択可能な字母」と一致する場合、あるいはステップS105にて特定された「次に選択可能なハングル文字」と一致する場合にのみ利用者の入力を受け付ける。
【0056】
次に、制御部20は、ステップS110において受け付けた入力の入力単位が字母単位、ハングル文字単位のいずれであったのかを判定する(ステップS115)。すなわち、制御部20は、ステップS110にて受け付けた入力が字母の場合は字母単位、ハングル文字の場合はハングル文字単位で指定が行われたとみなす。ステップS115にて、入力単位がハングル文字であったと判定された場合、入力されたハングル文字を既存の検索対象に加えて新たな検索対象に設定し、図5に示すハングル検索の実行を開始する。
【0057】
一方、ステップS115にて、入力単位が字母であったと判定された場合、制御部20は、ステップS110にて入力された字母でハングル文字が完成するか否かを判定する(ステップS120)。すなわち、制御部20は、順列特定情報30b3を参照し、ステップS110にて入力された字母が検索対象の字母の順列の最後である場合に当該最後の字母でハングル文字が完成するか否かを判定する。例えば、検索対象の字母の順列が字母J1,字母J4である段階でステップS110にてさらに字母J7が入力された場合、検索対象の字母の順列の最後は字母J7である。そこで、制御部20は、図2に示す順列特定情報30b3の3番目の順列に関する「完成時オフセット」の「個数」を特定する。そして、当該「個数」が0ではない場合に、ステップS110にて入力された字母でハングル文字が完成すると判定する。
【0058】
ステップS120にて、入力された字母でハングル文字が完成すると判定されない場合、制御部20は、リストボタンをトーンダウンさせ(ステップS125)、ステップS105以降の処理を繰り返す。すなわち、制御部20は、リストボタンによる検索実行指示が受け付けられない状態とし、また、ステップS110にて入力された字母を検索対象に加えて新たな検索対象に設定した後、さらなる字母の入力を受け付ける処理を行う。
【0059】
一方、ステップS120にて、入力された字母でハングル文字が完成すると判定された場合、制御部20は、リストボタンをトーンアップさせる(ステップS130)。すなわち、制御部20は、リストボタンによる検索実行指示を実行可能な状態とする。次に制御部20は、ハングル文字を入力可能に設定する(ステップS135)。すなわち、制御部20は、当該ステップS135以降において、入力部Iに対する入力内容として字母のみならずハングル文字も受け付ける状態となる。
【0060】
次に、制御部20は、リストボタンが押されたか否かを判定し(ステップS140)、リストボタンが押されたと判定されない場合にはステップS105以降の処理を繰り返す。すなわち、ステップS110にて入力された字母を検索対象に加えて新たな検索対象に設定した後、さらなる字母の入力を受け付ける処理を行う。
【0061】
一方、ステップS140において、リストボタンが押されたと判定された場合、制御部20は、ステップS145,S150を実行する。ステップS110〜S140を経てステップS145が実行される場合、検索対象が未入力ということはない。そこで、制御部20は、検索対象に、ハングル文字単位で指定されたハングル文字が含まれる場合、制御部20は、当該ハングル文字列を字母の順列に分解した場合の順列を部分順列として特定する。そして、制御部20は、順列特定情報30b3を参照し、当該部分順列が一致するとともに部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列から、検索対象となる順列(ハングル文字単位で指定された検索対象を字母に分解した順列に字母単位で指定された字母が続く順列)を含む蓄積順列を検索する。一方、検索対象に、ハングル文字単位で指定されたハングル文字が含まれず、字母のみによって当該検索対象が構成される場合、制御部20は、蓄積順列情報30b2を参照して当該検索対象の順列を含む蓄積順列を検索する。ステップS150は、上述の処理と同様である。
【0062】
(2−2)ハングル検索処理:
次に、ステップS115にて、入力単位がハングル文字であったと判定された場合に実行される図5のハングル検索処理を説明する。ハングル検索処理において、制御部20は、検索対象のハングル文字列の次に選択可能なハングル文字を特定する(ステップS200)。このため、制御部20は、まず検索対象を指定した際の入力単位に基づいて検索対象のハングル文字列を特定する。すなわち、全ての検索対象がハングル文字単位で指定されている場合、制御部20は、ハングル文字が指定された順序に従って形成される文字列を検索対象のハングル文字列とする。一方、検索対象を指定する際に字母単位での指定も行われていた場合、検索対象はハングル文字と字母とによって構成される。この場合、制御部20は、字母によって構成される部分をハングル文字に変換する。ここでは、所定の規則で字母によって構成される部分をハングル文字に変換することができればよく、例えば、できるだけ少数の字母でハングル文字を構成するような規則や、できるだけ多数の字母でハングル文字を構成するような規則や、連続する字母によって字母を余らせることなくハングル文字を構成するような規則等を採用可能である。そして、制御部20は、変換されたハングル文字とハングル文字単位で指定されたハングル文字とを組み合わせて検索対象のハングル文字列とする。
【0063】
以上のようにして検索対象のハングル文字列を構成すると、制御部20は、登録名称情報30b1を参照し、検索対象のハングル文字列を含む登録名称を検索する。そして、検索された登録名称のそれぞれにおいて、検索対象のハングル文字列の次に位置するハングル文字を特定する。例えば、図2に示す例において、ハングル文字単位で字母J1,字母J4からなるハングル文字が指定された場合、制御部20は、登録名称情報30b1に基づいて、登録名称L1,L2の2文字目と登録名称L3の2文字目と登録名称L4の2文字目とを検索対象の最後の字母の次に選択可能なハングル文字として特定する。
【0064】
また、図5に示すハングル索処理において、後述するステップS210では、字母単位での入力も受け付ける構成となっている。そこで、ステップS200においては、検索対象のハングル文字列の次に選択可能な字母も特定する構成になっている。このために、制御部20は、登録名称情報30b1に基づいて特定された検索対象のハングル文字列の次に位置するハングル文字を分解し、その先頭の字母を検索対象のハングル文字列の次に選択可能な字母として特定する。例えば、図2に示す登録名称L1,L2の2文字目と登録名称L3の2文字目と登録名称L4の2文字目とが検索対象のハングル文字列の次に位置するハングル文字である場合、字母J1を検索対象の最後の字母の次に選択可能なハングル文字として特定する。
【0065】
次に、制御部20は、リストボタンが押されたか否かを判定する(ステップS205)。ステップS205にて、リストボタンが押されたと判定されない場合、制御部20は、入力部Iに対する利用者の入力を受け付け(ステップS210)、入力単位が字母単位、ハングル文字単位のいずれであったのかを判定する(ステップS215)。すなわち、制御部20は、ユーザI/F部43の出力信号が示す利用者の入力内容が、あるいはステップS200にて特定された「次に選択可能なハングル文字」と一致する場合、ステップS200にて特定された「次に選択可能な字母」と一致する場合にのみ利用者の入力を受け付ける。また、制御部20は、ステップS210にて受け付けた入力がハングル文字の場合はハングル文字単位、字母の場合は字母単位で指定が行われたとみなす。
【0066】
ステップS215にて、入力単位がハングル文字であったと判定された場合、入力されたハングル文字を既存の検索対象に加えて新たな検索対象に設定し、ステップS200以降の処理を繰り返す。ステップS215にて、入力単位が字母であったと判定された場合、入力された字母を既存の検索対象に加えて新たな検索対象に設定し、図4に示す字母検索処理を開始する。
【0067】
一方、ステップS205にて、リストボタンが押されたと判定された場合、制御部20は、検索対象のハングル文字列を含む登録名称を検索する(ステップS220)。すなわち、制御部20は、登録名称情報30b1を参照し、検索対象のハングル文字列を含む登録名称を検索結果として取得する。検索結果を取得すると、制御部20は、検索結果をユーザI/F部43の表示部に表示するとともに、ユーザI/F部43を介して目的地とするための選択を受け付ける(ステップS225)。
【0068】
(3)他の実施形態:
以上の実施形態は、本発明を実施するための一例であり、部分順列が共通である蓄積順列の中から、部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を特定することによって効率的に検索を行う限りにおいて他にも種々の実施形態を採用可能である。例えば、検索対象の指定を受け付ける構成は、表示部に指を接触させた状態での指の動作に限定されず、各種のユーザインタフェースによって実現可能である。例えば、字母やハングル文字の選択肢を表示して当該選択肢の選択を受け付ける構成であっても良い。
【0069】
さらに、順列特定情報によって、蓄積順列の記録媒体上での記録位置を示すための構成は種々の構成を採用可能である。すなわち、記録位置は、当該記録位置に基づいて記録媒体を参照することによって部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する蓄積順列を探し当てることができるように設定された情報であれば良い。従って、記録媒体の記録位置はアドレス値自体で指定されても良い。さらに、上述の実施形態においては、「オフセット」によって先頭の蓄積順列からN個(Nは自然数)目の蓄積順列であることを示し、「個数」でN個目の蓄積順列からM個目(MはN+1以上の自然数)までの蓄積順列が対象となることを示していたが、この構成に限らず、データ長の記述順序は仮想的に設定された順序であってよい。従って、記録媒体における実際の記録位置が順序通りである場合の他、あるデータを記録する際に当該データの次のデータが記録されているアドレスを示す情報を記録することにより、実際の記録位置が順序通りでなくてもデータの順序を辿ることができるように構成されている場合も含む。
【符号の説明】
【0070】
10…ナビゲーションプログラム、20…制御部、21…検索プログラム、21a…検索部、30…記録媒体、30a…地図情報、30b…施設情報、30b1…登録名称情報、30b2…蓄積順列情報、30b3…順列特定情報、40…GPS受信部、41…車速センサ、42…ジャイロセンサ、43…ユーザI/F部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検索対象の指定をハングル文字単位または字母単位で受け付けて、記録媒体に蓄積された地図情報に含まれるハングル文字からなる複数の登録名称から、指定された検索対象を含む登録名称を検索する検索手段を備える検索装置であって、
前記記録媒体には、
前記複数の登録名称のそれぞれに各登録名称を示すハングル文字を字母に分解した順列である蓄積順列が対応付けられて記録され、かつ、
前記蓄積順列の一部を構成する部分順列が共通である前記蓄積順列の中から前記部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列を特定するための順列特定情報が記録されており、
前記検索手段は、前記ハングル文字単位で前記検索対象が指定された後に前記字母単位で前記検索対象が指定された場合、前記順列特定情報を参照し、前記ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列を前記部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列を特定し、特定された前記蓄積順列から前記ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列に前記字母単位で指定された字母が続く順列を含む前記蓄積順列を検索し、検索された前記蓄積順列が対応付けられた登録名称を検索結果とする、
検索装置。
【請求項2】
前記順列特定情報は、前記部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列の前記記録媒体上での記録位置を示し、
前記検索手段は、前記順列特定情報が示す前記記録位置に記録された前記蓄積順列が、前記ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列を前記部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列であるとみなす、
請求項1に記載の検索装置。
【請求項3】
検索対象の指定をハングル文字単位または字母単位で受け付けて、記録媒体に蓄積された地図情報に含まれるハングル文字からなる複数の登録名称から、指定された検索対象を含む登録名称を検索する検索工程を含む検索方法であって、
前記記録媒体には、
前記複数の登録名称のそれぞれに各登録名称を示すハングル文字を字母に分解した順列である蓄積順列が対応付けられて記録され、かつ、
前記蓄積順列の一部を構成する部分順列が共通である前記蓄積順列の中から前記部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列を特定するための順列特定情報が記録されており、
前記検索工程は、前記ハングル文字単位で前記検索対象が指定された後に前記字母単位で前記検索対象が指定された場合、前記順列特定情報を参照し、前記ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列を前記部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列を特定し、特定された前記蓄積順列から前記ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列に前記字母単位で指定された字母が続く順列を含む前記蓄積順列を検索し、検索された前記蓄積順列が対応付けられた登録名称を検索結果とする、
を含む検索方法。
【請求項4】
検索対象の指定をハングル文字単位または字母単位で受け付けて、記録媒体に蓄積された地図情報に含まれるハングル文字からなる複数の登録名称から、指定された検索対象を含む登録名称を検索する検索機能をコンピュータに実現させる検索プログラムであって、
前記記録媒体には、
前記複数の登録名称のそれぞれに各登録名称を示すハングル文字を字母に分解した順列である蓄積順列が対応付けられて記録され、かつ、
前記蓄積順列の一部を構成する部分順列が共通である前記蓄積順列の中から前記部分順列に従って字母を組み合わせた場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列を特定するための順列特定情報が記録されており、
前記検索機能は、前記ハングル文字単位で前記検索対象が指定された後に前記字母単位で前記検索対象が指定された場合、前記順列特定情報を参照し、前記ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列を前記部分順列とした場合に当該部分順列の最後の字母でハングル文字が完成する前記蓄積順列を特定し、特定された前記蓄積順列から前記ハングル文字単位で指定された前記検索対象を字母に分解した順列に前記字母単位で指定された字母が続く順列を含む前記蓄積順列を検索し、検索された前記蓄積順列が対応付けられた登録名称を検索結果とする機能をコンピュータに実現させる、
検索プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−133734(P2012−133734A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287541(P2010−287541)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】