説明

検証作業支援電子成果簿

【課題】公共事業に基づく損失補償に関する各種補償額算定書が綴じ込まれた紙成果簿の、検証作業を支援するための紙成果簿と電子成果簿とを提供することを課題とする。
【解決手段】 公共事業に基づく損失補償に関する各種補償額算定書等が綴じ込まれた、そのトップページから最後のページまで順次通し番号が付された紙成果簿(甲)に対応する電子成果簿であって、コンピュータシステムに備わるモニターの画面上に、前記紙成果簿(甲)内の所定の数字(A)の根拠数字(B)が表示されている当該紙成果簿(甲)内のページ番号(C)が表示されている吹き出し欄等を設けた前記数字(A)に対応する数字(D)の画面情報を呼び出して、当該数字(D)にカーソルを移動すれば、前記吹き出し欄が前記モニターの画面上に表示されるものであって、これらの手段や機能を実行させるためのコンピューター読み取り可能なプログラムからなる電子成果簿。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
公共事業の起業者の、その公共事業に必要な土地や建物等の取得又は使用に伴う損失の補償に関する、前記起業者の建物補償や工作物補償等の調査発注業務に基づく、受注業者の作成・納品に係る各種補償額算定書や数量計算書等が綴じ込まれた前記紙の成果簿(甲)(以下紙成果簿という)に関する。詳しくは、前記納品後の前記起業者側の前記紙成果簿(甲)の検証作業に関する。
なお、前記紙成果簿(甲)は、補償コンサルタント業界では、通常は成果品と呼ばれているものであるが、本発明とはほとんど関係のない例えば、受注業務に関する業務日報とか業務計画書等も同じく成果品と呼ばれており、紛らわしさを避ける意味で、紙成果簿という名称を使用した。
【背景技術】
【0002】
従来、公共事業の起業者の発注に係る建物補償や工作物補償等の調査業務に基づく、受注業者が作成し納品した前記建物補償や工作物補償に関する各種補償額算定書や数量計算書等が綴じ込まれた紙成果簿が存在する。そして、その納品後に、起業者側において、前記紙成果簿の検証作業を行うのが通常である。
その納品に係る紙成果簿は、各公共事業者の準拠する、共通仕様書・特記仕様書・算定要領・損失補償算定標準書・関係法令・発注者側の特段の指示・発注者と受注者側の協議等の前提条件に沿って作成されていることが建前となっている。
また、その紙成果簿内に閉じ込められた各書面は相互に関連しており、例えば、補償金額の合計金額を記載した書面(いわば結論)、その金額の根拠となる数字を表した書面等がとじ込まれており、その成果簿内に結論とその根拠を表す書面や資料等がとじ込まれていることが建前となっている。
そして、前記検証作業の内容は、納品された紙成果簿が、はたして、前記建前に沿って作成されているのか、数字の間違いはないか、数字の整合性は取れているか等、紙成果簿に誤りがあるか無いかを確認・訂正等する作業を意味する。
具体的な検証作業の一例。例えば、紙成果簿内にはある権利者(被補償者)の建物・工作物・立竹木等の補償金額の総括表(合計金額)、各種補償額算定書、数量計算書、調査図面等が綴じ込まれている。例えば、総括表に工作物の補償金額が100万円と記載されていた場合に、その100万円の金額の根拠を工作物算定書や数量計算書や調査図面や見積書等を閲覧して検証していく。
そして、それら紙成果簿内の各ページの綴じ込み順序は通常相互に関連付けられた所定の階層構造(ツリー構造)を有する。通常、総括表・建物・工作物・立木の各種補償金額算定書・数量計算書、調査図面等の順で綴じられている。例えば、工作物の補償金額算定書は、補償金額計算書(集計表)、その補償金額計算書の金額の根拠となる数量計算書、あるいはその金額の代価表、その数量の根拠となる調査図面等が順次綴じられている。また、必ずしもこの順序で綴じられているとは限らない。登記事項証明書・住民票・見積書や建設物価等の雑誌の写し・その他関係資料等がランダムに挿入され綴じられていることもめずらしくない。さらに言えば、公共事業の計画変更や権利者の増改築等による算定書の追加・変更・経過年数による単価変更資料等で紙の成果簿が複雑に綴じ込まれていることもめずらしくない。
それら紙成果簿内の各書面を繰り返しめくりながら、時に作成業者に問い合わせの連絡等して、前記工作物の補償金100万円の根拠確認作業を進めてゆくのである。
そして、その検証作業は以下のような問題点がある。そのため、現在、大変な労力と時間と費用を費やして検証作業が行われているのが現状である。
【0003】
検証作業の問題点
1、紙成果簿は、通常一冊の成果簿のなかに、一人の権利者(被補償者)に対して、その権利者の建物・工作物・立竹木・動産等の各種補償金額算定書が綴じられており、大変分厚いものになりがちである。例えば、A4サイズの用紙で数百ページに及ぶものも少なくない。あるいは、紙成果簿が一人の権利者(被補償者)に対して、2冊・3冊あるいはそれ以上に及ぶものも少なくない。そのような紙成果簿の中から所定の数字1つ1つの根拠を探し出していくには、大変な時間を要する。なお、所定の数字の意味は検証作業に関連する数字という意味である。1、通常一人の人間が限られた時間の中で検証作業を行っているので、その検証作業人の能力、紙成果簿のボリューム、算定方法の難易度、複雑さ等によって、その検証作業の精度が左右されてしまう。1、年々算定方法も細かくなって来ており、且つ。法律・前記算定要領等の改正等もあり、検証作業の確認事項が複雑になりかつ増えてきている。1、紙成果簿の中には、土地・建物の重要事項証明書・関係人の住民票・評価証明書等の書類が綴じられていることもあり、紙成果簿のどの場所にどのような項目の算定書が綴じられているのかが、非常に探しずらいものになっている。1、事業計画変更・増改築等の事情変更で紙成果簿の各種算定書等の綴じ込み順序が複雑あるいはバラバラになりあるいは追加され、検証作業に支障をきたすケースもめずらしくない。1、さらに現在、移転工法別の各種補償額算定書の作成による移転工法別算定書面の増加により綴じ込み箇所の複雑化・検証作業時間の増加もあります。1,紙成果簿内の数字や文言等で根拠が発見できずに、受注業者に問い合わせの連絡をしたり、受注業者が呼び出されて根拠の説明をしなければならないケースも出てくる。このため、受注業者は半日1日あるいはそれ以上をかけて根拠説明に時間を取られたり、発注業者の事務所に出向いて根拠説明をしなければならないこともめずらしくない。1、これら問題点等があるため、現在前記起業者側の事務所によっては、職員だけではその検証作業が間に合わずに、検証作業のための業務発注する等大変な予算を費やして検証作業を行っているのが現状である等の、大変な時間的なロス・経済的ロスが生じている。
【0004】
これらの検証作業の問題点は、ほんの一部の事例であり、紙成果簿内の各書面内の根拠数字や文言が見つからずに検証作業に支障をきたす事例は多々あるし、その経済的損失、時間的ロス、検証作業のミス、検証作業に当たる人間の能力の差による検証精度の不統一等、問題点は多大である。
なお、紙成果簿の最初のページから最後のページまで通し番号が付された形で納品された紙成果簿は現在まで存在しないと思われます。私は、起業者側における検証作業を10年以上やっており、紙成果簿の検証件数も多数にのぼっておりますが紙成果簿にとじ込まれた書面の最初のページから最後のページまで通し番号が付された紙成果簿は見たことがありません。なおさら、その紙成果簿内の各書面に通し番号を付しそのページ番号を電子成果簿に表示して紙成果簿の検証作業を進めていく技術は従来ありません。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記問題に鑑み、本発明は、前記紙成果簿の前記起業者側の検証作業をその能力にかかわらず、容易に効率的に行うことを支援するための電子成果簿を提供することを目的とする。
【課題を解決する為の手段】
【0006】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、公共事業に必要な土地や建物等の取得又は使用に伴う損失の補償に関する、建物や工作物等の各種補償額算定書や数量計算書等が綴じ込まれた、そのトップページから最後のページまで順次通し番号が付された紙の成果簿(甲)に対応する電子成果簿であって、前記紙の成果簿(甲)と対応する各種補償額算定書や数量計算書等の画面情報から構成され、コンピュータシステムに備わるモニターの画面上に、前記紙の成果簿(甲)内に綴じ込まれた各種補償額算定書や数量計算書等に記載されている所定の数字(A)の根拠数字(B)が記載されている当該紙の成果簿(甲)内のページのページ番号(C)が表示されている吹き出し欄あるいはコメント記入欄を設けた前記所定の数字(A)に対応する数字(D)が表示されている画面情報を呼び出して、当該数字(D)上にカーソルを移動すれば、前記吹き出し欄あるいはコメント挿入欄が前記モニターの画面上に表示されるものであって、これらの手段や機能を実行させるためのコンピューター読み取り可能なプログラムからなる電子成果簿である。
【0007】
請求項2に記載した本発明は、公共事業の起業者の、当該公共事業に必要な土地や建物等の取得又は使用に伴う損失の補償に関する、前記起業者の建物補償や工作物補償等の調査発注業務に基づく、受注業者の作成及び納品になる、各種補償額算定書や数量計算書等が綴じ込まれた、そのトップページから最後のページまで順次通し番号が付された紙の成果簿(甲)に対応する電子成果簿であって、前記紙の成果簿(甲)と対応する各種補償額算定書や数量計算書等の画面情報から構成され、コンピュータシステムに備わるモニターの画面上に、前記紙の成果簿(甲)内に綴じ込まれ各種補償額算定書や数量計算書等に記載されている所定の数字(A)の根拠数字(B)が記載されている当該紙の成果簿(甲)内のページのページ番号(C)を表示した吹き出し欄あるいはコメント挿入欄を設けた前記所定の数字(A)に対応する数字(D)が表示されている画面情報を呼び出して、当該数字(D)上にカーソルを移動すれば、前記吹き出し欄あるいはコメント挿入欄が前記モニターの画面上に表示されるものであって、これらの手段や機能を実行させるためのコンピューター読み取り可能なプログラムからなる電子成果簿である。
【0008】
ここで、所定の数字(A)の説明をする。紙成果簿内の各ページには多数の数字が表示されており、それら全ての数字が検証作業の対象になるものではない。ここでいう所定の数字とは、検証作業に関係のある数字という意味である。
【0009】
また、請求項3に記載した発明は、前記紙の成果簿(甲)とその紙の成果簿の前記起業者側の検証者と前記コンピュータシステムとの構成において、当該検証者が前記紙の成果簿(甲)に記載されている前記所定の数字(A)の根拠を検証する際に、前記コンピュータシステムを用いて、前記モニターの画面上に前記数字(D)を呼び出してきて、その数字(D)上にカーソルを移動して、その数字(D)に設けられた吹き出し欄あるいはコメント挿入欄内に表示された前記根拠数字(B)が表示されている前記紙の成果簿(甲)内のページ番号(C)を閲覧することが出来るようになることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子成果簿である。
【0010】
さらに、請求項4に記載の発明は、前記吹き出し欄内あるいはコメント挿入欄内に表示されている前記ページ番号(C)が、前記数字(A)の関連情報であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のコンピューター読み取り可能なプログラムからなる電子成果簿である。
【0011】
さらにまた、請求項5に記載の発明は、前記数字(A)及び/又は数字(B)及び/又は数字(D)が文言であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電子成果簿の構成となっている。
【0012】
またさらに、請求項6に記載の本発明は、請求項1乃至請求項5の何れかに記載されたプログラムを記録する記録媒体からなる電子成果簿である。すなわち、上記プログラムを記録する記録媒体、例えば、フロッピーディスク(商標登録)、CD−ROM、ミニディスク等をパーソナルコンピュータに装着し実行することによって、本発明の検証作業を進めることが出来るようになるものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の電子成果簿によれば、前記紙の成果簿(甲)と前記起業者側の検証者と前記コンピュータシステムとの構成において、前記起業者側の検証者が、前記紙の成果簿(甲)内の所定の数字(A)の根拠を検証する際に、前記モニターの画面上に前記数字(D)が表示されている画面情報を呼び出してきて、その数字(D)上にカーソルを移動して、その数字(D)に設けられた吹き出し欄あるいはコメント挿入欄内に表示された所定の数字(A)の根拠である前記数字(B)が表示されている前記紙の成果簿(甲)内のページ番号(C)を閲覧・確認することが出来るようになり。その閲覧・確認に基づいて、迷わずに紙の成果簿(甲)内の該当ページをめくり出すことが出来て、そのページに表示されている数字(B)を確認して、数字(A)の根拠を確認することができるようになる。
このため、従来の検証作業に比して、検証者の知識や能力に左右されずに容易に短時間で根拠数字や数字の整合性を確認できて検証作業を進めることができるようになり、検証作業時間の短縮、経済的ロスの縮小、専門知識に乏しい新人等の検証者でも容易に根拠数字等の検証作業が出来るようになる。あるいは、前記数字(B)が表示された書面がそもそも紙成果簿(甲)内に綴じられていない等の紙の成果簿(甲)自体のページ欠落や綴じ込みミスの欠陥等も容易に発見できるようになる。あるいは、前記起業者の事務の効率化・予算の縮減にもつながる。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、前記紙の成果簿(甲)とその成果簿(甲)の前記起業者側の検証者と前記電子成果簿(甲)と前記コンピュータンステムとの構成において、当該検証者が前記紙の成果簿(甲)に記載されている前記所定の数字(A)の根拠を検証する際に、前記コンピュータシステムを用いて、前記電子成果簿をパーソナルコンピュータに装着し実行することによって前記モニターの画面上に前記数字(D)の画面情報を呼び出してきて、その数字(D)上にカーソルを移動して、その数字(D)に設けられた吹き出し欄あるいはコメント挿入欄内に表示された前記根拠数字(B)が表示されている前記紙の成果簿(甲)内のページ番号(C)を閲覧・確認することが出来るようになり、その確認に基づいて容易に迷い無く紙の成果簿の根拠数字(B)が表示されているページをめくりだして、根拠数字(B)を確認して、数字(A)の検証作業を進めることができるようになることが可能になることを最大の特徴とする。
以下本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明していく。
なお、各図面上に表示されている数字は、本発明説明の為の、最小かつ説明用の数字を記入表示したものである。
【0015】
本発明は、紙成果簿(甲)の前記起業者側の検証者Xが前記電子成果簿(甲)とコンピュータシステム1を利用して、紙成果簿(甲)の検証作業を進めていくものである。前記コンピュータシステム1はモニター2などの出力手段とキーボードなどの入力手段を備えるとともに、CPU及びメモリーなどを有する本体にOSなどのプログラムを組み込んだ装置とコンピュータプログラムから成るコンピュータシステム1である。
【0016】
図1は検証作業開始の典型的な一例を示している。前記検証者Xが、紙の成果簿(甲)のページを開いて、そこに記載されている所定の数字(A)3を見ている場面である。
前記検証者Xは、初めに紙成果簿(甲)を開き、そのページに記載された所定の数字(A)3の根拠数字(B)4を同じ紙成果簿(甲)内から探すことから始まる。その根拠数字(B)4の記載されている書面がどこにとじ込まれているかを探し出すために、本発明の電子成果簿を利用する。
なお、紙の成果簿(甲)には、そのトップページから最後のページまで順次ページ番号乙が付されている。
【0017】
図2は、前記電子成果簿を実行して、検証作業を行っている場面を示す。場面1は、検証者Xが前記コンピュータシステム1を用いて、前記電子成果簿をパーソナルコンピュータに装着し実行して、紙の成果簿(甲)の所定の数字(A)3の根拠数字(B)4が表示されている紙成果簿(甲)のページ番号(C)5が吹き出し欄あるいはコメント挿入欄7内に表示された前記数字(A)3に対応する数字(D)6が表示されている画面情報8をモニター2の画面上に呼び出してきて、カーソルを数字(D)6上に移動させて、その表示された吹き出し欄7内に表示されている、ページ番号を閲覧・確認している状態を示すものである。画面情報8に内に表示されている3は、前記図面1で、前記検証者Xが開いた紙成果簿(甲)のページ番号乙に対応する、所定の数字(A)3が記載されている紙成果簿(甲)内のページの画面情報である。また、吹き出し欄7内に表示されているページ番号9は、根拠数字(B)4が記載されている紙成果簿(甲)内のページ番号を表示している。
その閲覧に基づいて、場面2は、そのページ番号の閲覧・確認に基づいて紙成果簿(甲)内の該当ページ(9ページ目)乙をめくり出し、根拠数字(B)4を確認している状態を示している。この場合に該当ページの書面が欠落している等の紙成果簿の欠陥も容易に発見できる。
このような検証作業を繰り返していけば、誰でも容易に、紙成果簿(甲)の検証作業を効率的に進めていくことができるようになる。
【0018】
別事例の説明、図3には、紙成果簿甲の3ページ目が表示されており、所有者特 一郎の補償金額総括表が表示されている。ページ番号乙が付されている。
検証者Xがそこに記載された建物移転料150円(所定の数字A)3の根拠数字(B)4が記載されているページ番号を閲覧・確認する場合の、前記モニター2内の画面表示を、図4で説明する。
【0019】
図4には、検証者Xが図3の紙成果簿(甲)の3ページ目に対応する画面情報をモニター2に呼び出してきて、そして、数字(D)6上にカーソルを移動させて、吹き出し欄7を表示させた状態が表示されている。その吹き出し欄7内には紙成果簿(甲)のページ番号(C)5が表示されている。検索者Xは容易にその150円(所定の数字A)の紙成果簿内の根拠数字(B)4が記載されているページが10ページ目であるということを閲覧・確認することができる。ここで、検証者Xが紙成果簿(甲)の3ページ目記載の建物移転料の150円(所定の数字A)3の根拠を検証したい場合には、迷わずにその数字(D)6の吹き出し欄7に表示された紙成果簿(甲)のページ番号10ページ目を、紙成果簿(甲)内からめくり出す。
【0020】
図5には、図面4に表示されたページ番号(C)(P10)の紙成果簿(甲)の該当ページである10ページ(P10)目が表示されている。検証者Xはそのページに表示された150円(根拠数字B)4を確認することができる。図3の建物移転料150と整合性がとれていることを検証できた。
【0021】
検索者Xがさらに、図5に表示したその紙成果簿(甲)のページ10に記載された150円の根拠を確認したい場合には、前記した一連の作業を繰り返せば良い。
このように、紙成果簿内(甲)の各ページは相互に関連しており、順次所定の数字(A)の根拠を確認して検証作業を進めていく。
図6は、図5に表示したその紙成果簿(甲)ページ10に対応する前記画面情報であり、数字(D)上にカーソルを移動して、吹き出し欄7を表示した場面が表示されている。
所定の数字(A)の根拠数字(B)が記載されているページがP20が吹き出し欄7内に表示されている。
【0022】
図7は、図面6に表示されたページ番号(C)P20の紙成果簿(甲)の該当ページである20ページ(P20)目が表示されている
なお、図7のP20の合計金額を反映した数字が、図5の書面内に金額に反映されており、その金額が図3の書面の補償金額総括表の建物移転料の金額に反映されている。
以上、これら一連の作業を繰り返しおこなって行くことで、検証作業を容易に進めて行くことができるようになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】 検証者Xが検証作業開始する場合の一例。
【図2】 電子成果簿を利用しての、検証作業の各場面の流れを示している。
【図3】 紙成果簿(甲)に綴じられている、補償金額総括表のページ表示。
【図4】 図3の紙成果簿(甲)の補償金額総括表のページの画面情報を示す。
【図5】 紙成果簿(甲)の該当ページの表示である。
【図6】 画面情報
【図7】 紙成果簿(甲)の該当ページの表示である。
【符号の説明】
1 コンピュータシステム
2 モニター
3 所定の数字(A)
4 根拠数字(B)
5 紙成果簿のページ番号(C)
6 所定の数字(A)に対応する画面情報内に表示されている数字(D)
7 吹き出し欄あるいはコメント挿入欄
8 画面情報(紙成果簿甲の各ページに対応する画面情報)
X 起業者側の検証者
甲 紙成果簿
乙 紙成果簿(甲)に付されてるページ番号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公共事業に必要な土地や建物等の取得又は使用に伴う損失の補償に関する、建物や工作物等の各種補償額算定書や数量計算書等が綴じ込まれた、そのトップページから最後のページまで順次通し番号が付された紙の成果簿(甲)に対応する電子成果簿であって、前記紙の成果簿(甲)と対応する各種補償額算定書や数量計算書等の画面情報から構成され、コンピュータシステムに備わるモニターの画面上に、前記紙の成果簿(甲)内に綴じ込まれた各種補償額算定書や数量計算書等に記載されている所定の数字(A)の根拠数字(B)が記載されている当該紙の成果簿(甲)内のページのページ番号(C)が表示されている吹き出し欄あるいはコメント挿入欄を設けた前記所定の数字(A)に対応する数字(D)が表示されている画面情報を呼び出して、当該数字(D)上にカーソルを移動すれば、前記吹き出し欄あるいはコメント挿入欄が前記モニターの画面上に表示されるものであって、これらの手段や機能を実行させるためのコンピューター読み取り可能なプログラムからなる電子成果簿。
【請求項2】
公共事業の起業者の、当該公共事業に必要な土地や建物等の取得又は使用に伴う損失の補償に関する、前記起業者の建物補償や工作物補償等の調査発注業務に基づく、受注業者の作成及び納品になる、各種補償額算定書や数量計算書等が綴じ込まれた、そのトップページから最後のページまで順次通し番号が付された紙の成果簿(甲)に対応する電子成果簿であって、前記紙の成果簿(甲)と対応する各種補償額算定書や数量計算書等の画面情報から構成され、コンピュータシステムに備わるモニターの画面上に、前記紙の成果簿(甲)内に綴じ込まれ各種補償額算定書や数量計算書等に記載されている所定の数字(A)の根拠数字(B)が記載されている当該紙の成果簿(甲)内のページのページ番号(C)を表示した吹き出し欄あるいはコメント挿入欄を設けた前記所定の数字(A)に対応する数字(D)が表示されている画面情報を呼び出して、当該数字(D)上にカーソルを移動すれば、前記吹き出し欄あるいはコメント挿入欄が前記モニターの画面上に表示されるものであって、これらの手段や機能を実行させるためのコンピューター読み取り可能なプログラムからなる電子成果簿。
【請求項3】
前記紙の成果簿(甲)とその紙の成果簿の前記起業者側の検証者と前記電子成果簿と前記コンピュータシステムとの構成において、当該検証者が前記紙の成果簿(甲)に記載されている前記所定の数字(A)の根拠を検証する際に、前記コンピュータシステムを用いて、パーソナルコンピュータを立ち上げ、前記電子成果簿を装着・実行して、前記モニターの画面上に前記数字(D)が表示されている画面情報を呼び出してきて、その数字(D)上にカーソルを移動して、その数字(D)に設けられた吹き出し欄あるいはコメント挿入欄内に表示された前記根拠数字(B)が記載されている前記紙の成果簿(甲)内のページ番号(C)を閲覧することが出来るようになることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電子成果簿。
【請求項4】
前記吹き出し欄内あるいはコメント挿入欄内に表示されている前記ページ番号(C)が、前記所定の数字(A)の関連情報であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載のコンピューター読み取り可能なプログラムからなる電子成果簿。
【請求項5】
前記所定の数字(A)及び/又は数字(B)及び/又は数字(D)が文言であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電子成果簿
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載されたプログラムを記録する記録媒体からなる電子成果簿。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−258164(P2011−258164A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−145587(P2010−145587)
【出願日】平成22年6月9日(2010.6.9)
【出願人】(501256764)