説明

検証装置、検証方法

【課題】検証に必要な情報を簡単かつ正確に入力できる検証装置、検証方法を提供する。
【解決手段】媒体上を読み取るスキャナ部70と、スキャナ部70による読み取り結果から検証に関する検証情報を取得して登録する登録部と、検証対象である媒体上をスキャナ部70を制御して読みとり、検証対象である媒体上の表示を検証する検証部とを備え、検証部が行うスキャナ部70の制御と検証対象である媒体上の表示の検証との少なくとも一方は、登録部に登録された検証情報に基づいて行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に印刷されたバーコードや文字等を読み取り検証する検証装置、検証方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からプリンタを用いてバーコード等をラベルに印刷し、印刷されたバーコードを、プリンタに内蔵されたスキャナにより読み取り、正常に印刷されたかどうか検証する検証装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−212373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の検証装置は、プリンタに内蔵された形態であり、プリンタ本体とバーコード検証装置の一部として用いるスキャナとが一体として備えられており、筐体の大型化が避けられなかった。また、検証装置は、一体に設けられたプリンタにより印刷された印刷媒体の検証専用のものとなってしまい、汎用性に乏しく、高価なものとなってしまう。そのため、プリンタと検証装置とが別体となっている汎用性の高いものが所望されている。
【0005】
検証装置をプリンタとは別体として構成する場合には、印刷データをそのまま検証用のデータとして用いることができない。したがって、検証装置では、印刷媒体のどの位置に検証すべきバーコード等の検証すべき印刷表示がなされているかを把握できず、印刷媒体の全面を読み取る必要があり、読み取りに長い時間がかかってしまう場合があった。
【0006】
また、印刷媒体上のどのような位置に検証すべき印刷表示がなされているかを示す位置情報を、検証装置に対して入力するためには、印刷媒体を実際に手作業で測定し、その測定値をパーソナルコンピュータを介したり、検証装置を直接操作したりして、入力する必要があった。
【0007】
さらにまた、検証すべきバーコードの内容や、検証すべき印刷された文字の内容を示す内容情報を入力するためには、例えば、予めパーソナルコンピュータにより検証すべき内容を入力して、検証装置にメモリカードや通信により伝える方法が考えられる。
【0008】
しかし、上述した位置情報や内容情報を上述したような方法で入力することは、作業が繁雑である上、測定誤差や入力ミス等が生じるおそれもあった。
【0009】
本発明の課題は、検証に必要な情報を簡単かつ正確に入力できる検証装置、検証方法、を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
請求項1の発明は、媒体(501)上を読み取る読み取り部(70)と、前記読み取り部による読み取り結果から検証に関する検証情報を取得して登録する登録部(102)と、検証対象である媒体(500,501)上を前記読み取り部を制御して読みとり、前記検証対象である媒体上の表示を検証する検証部(101)と、を備え、前記検証部が行う前記読み取り部の制御と前記検証対象である媒体上の表示の検証との少なくとも一方は、前記登録部に登録された前記検証情報に基づいて行われる検証装置(1)である。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の検証装置において、前記登録部(102)は、検証対象とする表示の前記媒体(501)上における位置に関する情報である位置情報を取得して前記検証情報として登録し、前記検証部(101)は、前記登録部が登録した前記位置情報に基づいて、検証対象である媒体(500,501)上を読み取る位置の制御を前記読み取り部に対して行うこと、を特徴とする検証装置(1)である。
【0012】
請求項3の発明は、請求項1に記載の検証装置において、前記登録部(102)は、検証対象とする表示の内容に関する情報である内容情報を取得して前記検証情報として登録し、前記検証部(101)は、前記登録部が登録した前記内容情報に基づいて、前記検証対象である媒体(500,501)上の表示の内容を検証すること、を特徴とする検証装置(1)である。
【0013】
請求項4の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の検証装置において、前記登録部(102)は、複数の検証情報を登録可能であり、前記検証部(101)は、前記登録部が登録した複数の検証情報の中から選択された1又は複数の検証情報に基づいて、前記読み取り部(70)の制御と前記検証対象である媒体(500,501)上の表示の検証との少なくとも一方を行うこと、を特徴とする検証装置である。
【0014】
請求項5の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の検証装置において、検証対象である媒体(500,501)が挿入される挿入部(4a)と、前記挿入部から挿入された前記媒体を搬送する搬送部(10,20,30)と、をさらに備え、外部の印刷装置により印刷された媒体を前記挿入部から挿入可能であり、単体で検証を行えること、を特徴とする検証装置(1)である。
【0015】
請求項6の発明は、媒体(501)上を読み取り、前記読み取りの結果から検証に関する検証情報を取得して登録し、検証対象である媒体(500,501)上を読み取り部(70)を制御して読みとり、前記検証対象である媒体上の表示を検証する検証方法であって、前記読み取りの制御と前記検証対象である媒体上の表示の検証との少なくとも一方は、登録された前記検証情報に基づいて行われる検証方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、検証に必要な情報を簡単かつ正確に入力できるという効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明による検証装置1の第1実施形態を側面からみた透視図である。
【図2】検証装置1内の各部の関係を示すブロック図である。
【図3】検証装置1を示す斜視図である。
【図4】検証装置1により検証を行うラベル連続体500の一例を示す図である。
【図5】ラベル連続体500を構成するラベル501の1枚を拡大した図である。
【図6】自動学習動作及び検証動作を行う場合の検証装置1の動作を示すフローチャートである。
【図7】表示操作部90を示す図である。
【図8】第2実施形態において、自動学習動作及び検証動作を行う場合の検証装置1の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
【0019】
(第1実施形態)
図1は、本発明による検証装置1の第1実施形態を側面からみた透視図である。
図2は、検証装置1内の各部の関係を示すブロック図である。
図3は、検証装置1を示す斜視図である。
なお、図1及び図2を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張して示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料、動作等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
【0020】
本実施形態の検証装置1は、下側本体2と、上側本体3と、挿入ガイド4とを備えている。
下側本体2は、検証装置1の略下半分を占める部分である。
上側本体3は、下側本体2の上方に設けられ、検証装置1の略半分を占める部分である。上側本体3は、下側本体2に対して、不図示の蝶番部を支点として回転移動して、印刷媒体の搬送路を露出させることができる。また、上側本体3は、外装部材300を表面に有している。
挿入ガイド4は、印刷媒体を挿入部4aから検証装置1に挿入するときの案内をする部分であり、下側本体2から図1中の右側へ突出して設けられている。
本実施形態の検証装置1は、市販されている汎用品のラベルプリンタ等(不図示)の直近に配置、又は接続して用いることを想定している。そして、検証装置1は、汎用品のラベルプリンタ等から連続的に排出される印刷済みのラベル連続体等の印刷媒体を、挿入ガイド4を用いて挿入部4aから挿入し、印刷されているバーコード等の各種情報を単体で検証可能である。
【0021】
検証装置1は、挿入センサ5と、上流側搬送部10と、中間搬送部20と、下流側搬送部30と、上流側移動検出部40と、下流側移動検出部50と、媒体位置検出部60と、スキャナ部70と、マーキング部80と、表示操作部90と、制御部100と、エンコーダEnと、モータMとを備えている。
【0022】
挿入センサ5は、挿入部4aの搬送方向下流側の直近に設けられ、印刷媒体の先端を検出し、検出信号は、用紙検出制御回路204を介して制御部100に伝達する。
【0023】
上流側搬送部10と、中間搬送部20と、下流側搬送部30とは、いずれも、挿入部4aから挿入された印刷媒体を搬送する搬送部を構成する機構であり、対向するローラを有している。上流側搬送部10と、中間搬送部20と、下流側搬送部30とは、不図示のベルト及びプーリ等によりモータMと接続されている。
モータMは、上流側搬送部10と、中間搬送部20と、下流側搬送部30との駆動力を発生する駆動源であり、駆動制御回路206を介して制御部100により駆動を制御される。
【0024】
上流側移動検出部40及び下流側移動検出部50は、搬送部(10,20,30)により搬送される印刷媒体の移動を検出する移動検出部である。上流側移動検出部40及び下流側移動検出部50は、不図示のベルト及びプーリ等によりエンコーダEnと接続されている。
エンコーダEnは、上流側移動検出部40及び下流側移動検出部50が検出した印刷媒体の移動を移動量に変換可能な形態で出力するロータリエンコーダである。エンコーダEnは、エンコーダ制御回路207を介して検出信号を制御部100へ送る。
【0025】
媒体位置検出部60は、印刷媒体の位置を検出する。本実施形態の媒体位置検出部60は、反射型光センサと、透過型光センサとを備えている。
反射型光センサは、印刷媒体の少なくとも一面に所定間隔で印刷された位置検出マーク(アイマーク)を検出することによって、基準位置を検出する。
透過型光センサは、印刷媒体が台紙と、台紙上に仮着されたラベルとにより構成されている場合に、台紙上にラベルが仮着されている位置と台紙にラベルが仮着されていない位置との光の透過率の差によって基準位置を検出する。
媒体位置検出部60は、反射型光センサ又は透過型光センサにより検出した検出信号を、ピッチ検出制御回路205を介して制御部100へ送る。
なお、媒体位置検出部60は、位置検出マークの有無によって、反射型光センサ又は透過型光センサのいずれか一方を用いて印刷媒体の位置検出を行う。
【0026】
スキャナ部70は、搬送された印刷媒体に印刷された情報を読み取る読み取り部である。スキャナ部70が読み取った情報は、スキャン制御回路202を介して制御部100へ送られる。具体的には、スキャナ部70は、不図示の照明部とセンサとを有し、照明部により照明された印刷媒体をセンサにより読み取り、印刷媒体上の情報を像の形態で取得する。そして、スキャナ部70は、この取得した像を制御部100へ送る。また、スキャナ部70から送られたイメージデータは、イメージRAM203上に一時的に記憶され、制御部100により利用される。
【0027】
マーキング部80は、マーキング制御回路208を介した制御部100からの指示に応じて、印刷媒体にマーキングを行う。具体的には、マーキング部80は、制御部100がスキャナ部70から得た情報に基づいて、印刷媒体上の印刷結果が所定の条件を満たさない不良品であると判断したときに、印刷媒体上に、例えば、「NG」と押印を行う。なお、マーキング部80としては、ハンコを用いずに、レーザやインクジェット等を用いてマーキングを行ってもよいし、印刷媒体の一部を切り欠いたり孔を開けたりしてマーキングを行ってもよい。
【0028】
表示操作部90は、検証装置1に関する各種操作を受け付ける操作部91と、各種情報の表示を行う表示部92とを有している。表示操作部90は、インタフェース(IF)201を介して制御部100により制御される。
【0029】
制御部100は、検証装置1の動作を統括して制御を行う制御回路であり、CPU103と、ROM104と、RAM105とにより構成されている。
また、制御部100には、検証部101と、登録部102と、インタフェース(IF)201と、スキャン制御回路202と、イメージRAM203と、用紙検出制御回路204と、ピッチ検出制御回路205と、駆動制御回路206と、エンコーダ制御回路207と、マーキング制御回路208とが設けられている。ここでは、検証部101と、登録部102と、インタフェース(IF)201と、スキャン制御回路202と、イメージRAM203と、用紙検出制御回路204と、ピッチ検出制御回路205と、駆動制御回路206と、エンコーダ制御回路207と、マーキング制御回路208とは、上述のCPU103と、ROM104と、RAM105とは独立した構成として説明を行う。しかし、例えば、検証部101と、登録部102との機能は、上述のCPU103と、ROM104と、RAM105等を利用して動作する検証装置1のコンピュータプログラムの一部の機能として実現してもよい。
【0030】
検証部101は、スキャナ部70から転送され、画像データとして取得した印刷媒体上の情報を検証する。検証部101は、後述の登録部102に登録された検証情報に基づき、印刷媒体上の情報が、正しく印刷媒体上に印刷されているか否かを検証する。なお、検証する内容としては、印刷されるべき内容、印刷のかすれや欠け、汚れ、その他、適宜選択可能である。
【0031】
登録部102は、検証に関する各種情報である検証情報の記憶を行う。検証情報としては、位置情報と内容情報とが用いられる。
位置情報は、検証対象とするバーコードや文字等の印刷された表示の、印刷媒体上における位置に関する情報である。検証部101は、この位置情報に基づいて印刷媒体のスキャンを行うことにより、不要な部分のスキャンを省略する等して、検証動作の高速化を図ることが可能となる。
【0032】
内容情報は、検証対象とする表示の内容に関する情報である。例えば、検証対象がバーコードである場合には、内容情報は、バーコードが示すべき数値がいくつであるのかという情報である。また、例えば、検証対象が印刷された文字である場合には、内容情報は、どのような文字が表示されているべきであるかという情報である。
【0033】
本実施形態の検証装置1では、検証情報を検証装置1に入力する手法として、以下の3つの手法を利用可能である。
検証情報の入力方法の1つ目は、検証装置1の表示操作部90を直接操作して、入力を行う方法である。
検証情報の入力方法の2つ目は、検証装置1とは独立した外部の装置、例えば、不図示のパーソナルコンピュータを利用して、位置情報や内容情報を含む検証情報を外部で作成し、その検証情報を、検証装置1に入力する方法である。本実施形態では、外部で作成された検証情報は、メモリカード400に記憶され、このメモリカード400を、外装部材300に設けられたカード挿入口305から挿入することにより、検証装置1に対して入力することが可能である(図3参照)。なお、外部で作成された検証情報は、外部から通信を介して入力されるようにしてもよい。
【0034】
検証情報の入力方法の3つ目は、自動学習により入力する方法である。以下、この自動学習について、具体例を挙げて説明する。
図4は、検証装置1により検証を行うラベル連続体500の一例を示す図である。
図5は、ラベル連続体500を構成するラベル501の1枚を拡大した図である。
検証装置1により検証する検証対象の印刷媒体の一例として、ここでは、図4及び図5に示したラベル501が帯状に連続しているラベル連続体500を例に挙げる。
【0035】
ラベル501の表面に印刷された表示内容は、領域Aから領域Eの5つの領域に分けることができる。
領域Aは、CODE39で示された一次元バーコードが印刷された領域である。
領域Bは、JANコードで示された一次元バーコードが印刷された領域である。
領域Cは、QRコード(登録商標)で示された二次元コードが印刷された領域である。
領域Dは、文字が表示された領域である。
領域Eは、シリアルナンバーが表示された領域である。
【0036】
本実施形態では、ラベル501の上記領域Aから領域Eまでのうち、コードが印刷された領域A,領域B,領域Cの3領域の検証を行う。したがって、領域Dと領域Eについては、スキャナ部70による読み込みを必要としない。そこで、本実施形態では、検証情報として、領域A,領域B,領域Cの3領域のラベル501上における位置に関する位置情報を利用して、不要な領域Dと領域Eとを読み込まないようにして、検証動作の高速化を図っている。このためには、位置情報を検証装置1に入力する必要がある。
【0037】
次に、自動学習を利用した検証動作について説明する。
図6は、自動学習動作及び検証動作を行う場合の検証装置1の動作を示すフローチャートである。
検証装置1の電源を入れると、ステップ(以下、S)10を実行する。
S10では、検証装置1は、通常モードで起動し、検証待ちの状態となる。ここで、通常モードとは、印刷媒体の検証を行う動作モードである。
この状態で、自動学習モードに移行するために、利用者は、以下に示す操作を行う。
【0038】
図7は、表示操作部90を示す図である。
操作部91には、スタートボタン93と、ポーズボタン94と、矢印上ボタン95と、矢印下ボタン96と、セレクトボタン97と、読み取り中LED98と、エラーLED99とが設けられている。
S10の通常モードにおける検証待ちの状態において、矢印上ボタン95を長く押す(例えば、1秒以上押す)と、図7(a)に示すように、「位置情報読み込み?」という表示と、「ハイ」という表示とが表示部92に表示される。この状態で、矢印上ボタン95又は矢印下ボタン96を押すと、「ハイ」と「イイエ」とが切り替わる。表示部92に「ハイ」と表示されている状態で、セレクトボタン97を押下すると、S20に進む。また、表示部92に「イイエ」と表示されている状態で、セレクトボタン97を押下すると、S10の通常モードにおける検証待ちの状態に復帰する。
【0039】
S20では、検証装置1は、上述したS10における表示部92に「ハイ」と表示されている状態でのセレクトボタン97の押下によって、自動学習モードに移行する。そして、学習対象のラベル挿入待ち状態となる。この状態では、図7(b)に示すように、表示部92に「ラベルを通してください」と表示を行う。
【0040】
S30で、利用者がラベル501を1枚だけ挿入部4aに挿入すると、登録部102は、ラベル501のスキャンを行う。ここで、利用者は、正しく印刷されたラベル501、すなわち、利用者が意図した通りに印刷されているラベル501を検証装置1に挿入することを要する。ここで挿入したラベル501が、正しく印刷されていることを前提として、検証情報の登録を行うからである。
登録部102は、ラベル501をスキャンして、領域Aのバーコードを自動認識し、搬送距離等からバーコードの位置情報(xy座標情報)を取得する。図5に示した例では、図5中のラベル501の左上角部分を原点として左方にxプラス座標、下方にyプラス座標としている。この場合、検証装置1は、領域Aを現す座標として、(xA1,yA1)と(xA2,yA2)との2点の座標を取得する。この2点により矩形に囲まれる領域により、領域Aの範囲が特定される。
【0041】
なお、上述したバーコードの位置座標は、若干の余裕をもった座標となるように設定されている。すなわち、ラベル501をスキャンして得られたバーコードの位置座標にピッタリと合う座標とせずに、それよりも、例えば上下左右各方向に1mmずつ広い領域を特定するような座標値とする。
【0042】
S40では、S30の領域Aの場合と同様にして、登録部102は、領域Bのバーコードの位置情報を取得する。図5に示した例では、(xB1,yB1)と(xB2,yB2)との2点の座標を取得する。
【0043】
S50では、S30の領域Aの場合と同様にして、登録部102は、領域Cのバーコードの位置情報を取得する。図5に示した例では、(xC1,yC1)と(xC2,yC2)との2点の座標を取得する。
【0044】
S60では、登録部102は、取得した全て(図5の例では、3つ)のバーコードの位置情報を、1つの検証情報にまとめて、検証装置1のフラッシュメモリ等(登録部102)に記憶する。このS60を終了すると、自動学習モードが終了し、通常モードへと移行する。
【0045】
S70では、検証装置1は、通常モードで起動し、検証待ちの状態に戻る。この状態で、利用者が、ラベル連続体500を検証装置1に挿入すると、検証動作を開始する。
【0046】
S80では、上述した自動学習モードによって登録された検証情報に基づいて、検証処理を実施する。具体的には、検証部101は、自動学習モードにより登録された検証情報に含まれる領域Aから領域Cまでの位置情報(座標情報)を利用して、領域Dと領域Eとについては、スキャンを行わずに高速搬送を行うようにスキャナ部70を制御する。そして、領域Aと領域Bと領域Cのみをスキャンするようにスキャナ部70を制御して、これらの領域に印刷されている各バーコードが正しく印刷されているか否かの検証を行う。
【0047】
以上説明したように、第1実施形態によれば、登録部102は、位置情報を検証情報として登録する。そして、検証部101は、登録部102が登録した位置情報に基づいて、検証対象である印刷媒体上を読み取る位置の制御をスキャナ部70に対して行う。よって、正しく印刷されているラベル501を検証装置1に挿入するという簡単な作業だけで、入力ミス等をすることなく正確に、位置情報の登録を自動学習により行える。また、登録された位置情報を利用して検証動作を行うので、印刷媒体の高速搬送を行うことができ、より高速な検証動作を行うことができ、印刷速度の高いプリンタにも対応可能となり、装置の汎用性を高めることができる。
【0048】
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態において、自動学習動作及び検証動作を行う場合の検証装置1の動作を示すフローチャートである。
第2実施形態の検証装置1は、第1実施形態において位置情報を自動学習により検証情報として登録して利用したのに加えて、内容情報も自動学習により検証情報として登録して利用可能とする形態である。第2実施形態の検証装置1は、図8中のS21、及び、S22からS24までの動作を追加した他は、第1実施形態の検証装置1と同様の動作を行う。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
【0049】
S10では、基本的には、第1実施形態と同様な動作を行う。ただし、第1実施形態におけるS10の通常モードにおける検証待ちの状態において、矢印上ボタン95を長く押す(例えば、1秒以上押す)と、図7(a)に示すように、「位置情報読み込み?」という表示と、「ハイ」という表示とが表示部92に表示していた部分については、異なる表示を行う。具体的には、第1実施形態における「位置情報読み込み?」という表示に代わり、「検証情報読み込み?」という表示を行う。
S20では、検証装置1は、第1実施形態と同様な動作を行う。
S20においてラベルを挿入した後、S21では、「バーコード?文字?」及び「バーコード」と表示部92に表示される。この状態で、矢印上ボタン95又は矢印下ボタン96を押すと、「バーコード」と「文字」とが切り替わる。表示部92に「バーコード」と表示されている状態で、セレクトボタン97を押下すると、S30に進む。また、表示部92に「文字」と表示されている状態で、セレクトボタン97を押下すると、S22へ進む。
【0050】
S22では、検証装置1は、ラベル501をスキャンして、文字の領域Dを認識して、OCR(Optical Character Recognition:光学文字認識)技術により表示されている文字を認識し、文字情報を内容情報として取得する。この例では、「MODEL SATO PRINTER」という文字を取得する。
【0051】
S23では、検証装置1は、領域Dと同様に、文字の領域Eを認識して、OCR技術により表示されている文字を認識し、文字情報を内容情報として取得する。この例では、「S/No. 96000001」という文字を取得する。なお、文字として、このような数値を認識した場合には、番号が順次変化する場合が想定される。よって、例えば、文字中に数値を認識したときには、数字が記載されていればよいのか、特定の数値に限るのか、連番であるのか等を検証装置1が利用者に問い合わせ、それに対する回答(入力操作)内容に応じて、内容情報を作成するようにしてもよい。
【0052】
S24では、取得した全ての文字情報(内容情報)を1つの検証情報にまとめて、検証装置1のフラッシュメモリ等に記憶する。このS24を終了すると、自動学習モードが終了し、通常モードへと移行する。
S30からS70までは、検証装置1は、第1実施形態と同様な動作を行う。
【0053】
S80では、上述した自動学習モードによって登録された検証情報に基づいて、検証処理を実施する。すなわち、検証情報として、位置情報が自動学習により登録されている場合には、検証部101は、第1実施形態と同様に、位置情報に基づいてスキャン動作を制御する。一方、検証情報として、内容情報が自動学習により登録されている場合には、領域D及び領域Eについてスキャンした結果について、内容情報と照合して、正しい文字が表示されているか否かの検証を行う。
【0054】
以上説明したように、第2実施形態によれば、登録部102は、検証対象とする表示の内容に関する情報である内容情報を取得して検証情報として登録し、検証部101は、登録部102が登録した内容情報に基づいて、検証対象である印刷媒体上の表示の内容を検証する。よって、正しく印刷されているラベル501を検証装置1に挿入するという簡単な作業だけで、入力ミス等をすることなく正確に、検証すべき内容を含む内容情報の登録を自動学習により行える。
【0055】
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
第1実施形態において、位置情報を利用する例を説明し、第2実施形態において、内容情報を利用する例を説明した。これに限らず、例えば、位置情報と内容情報の両方を検証情報に含み、これらの双方を利用して検証を行うようにしてもよい。
【0056】
各実施形態において、検証情報は、直前に登録したものを検証動作で自動的に利用する例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、複数の検証情報を登録して、検証動作に利用する検証情報を1つ、又は、複数選択して利用するようにしてもよい。
【0057】
なお、第1実施形態と第2実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
【符号の説明】
【0058】
1 検証装置
4 挿入ガイド
4a 挿入部
10 上流側搬送部
20 中間搬送部
30 下流側搬送部
70 スキャナ部
90 表示操作部
91 操作部
92 表示部
93 スタートボタン
94 ポーズボタン
95 矢印上ボタン
96 矢印下ボタン
97 セレクトボタン
98 中LED
99 エラーLED
100 制御部
101 検証部
102 登録部
103 CPU
104 ROM
105 RAM
500 ラベル連続体
501 ラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体上を読み取る読み取り部と、
前記読み取り部による読み取り結果から検証に関する検証情報を取得して登録する登録部と、
検証対象である媒体上を前記読み取り部を制御して読みとり、前記検証対象である媒体上の表示を検証する検証部と、
を備え、
前記検証部が行う前記読み取り部の制御と前記検証対象である媒体上の表示の検証との少なくとも一方は、前記登録部に登録された前記検証情報に基づいて行われる検証装置。
【請求項2】
請求項1に記載の検証装置において、
前記登録部は、検証対象とする表示の前記媒体上における位置に関する情報である位置情報を取得して前記検証情報として登録し、
前記検証部は、前記登録部が登録した前記位置情報に基づいて、検証対象である媒体上を読み取る位置の制御を前記読み取り部に対して行うこと、
を特徴とする検証装置。
【請求項3】
請求項1に記載の検証装置において、
前記登録部は、検証対象とする表示の内容に関する情報である内容情報を取得して前記検証情報として登録し、
前記検証部は、前記登録部が登録した前記内容情報に基づいて、前記検証対象である媒体上の表示の内容を検証すること、
を特徴とする検証装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の検証装置において、
前記登録部は、複数の検証情報を登録可能であり、
前記検証部は、前記登録部が登録した複数の検証情報の中から選択された1又は複数の検証情報に基づいて、前記読み取り部の制御と前記検証対象である媒体上の表示の検証との少なくとも一方を行うこと、
を特徴とする検証装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の検証装置において、
検証対象である媒体が挿入される挿入部と、
前記挿入部から挿入された前記媒体を搬送する搬送部と、
をさらに備え、
外部の印刷装置により印刷された媒体を前記挿入部から挿入可能であり、単体で検証を行えること、
を特徴とする検証装置。
【請求項6】
媒体上を読み取り、
前記読み取りの結果から検証に関する検証情報を取得して登録し、
検証対象である媒体上を読み取り部を制御して読みとり、前記検証対象である媒体上の表示を検証する検証方法であって、
前記読み取りの制御と前記検証対象である媒体上の表示の検証との少なくとも一方は、登録された前記検証情報に基づいて行われる検証方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−64011(P2012−64011A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208150(P2010−208150)
【出願日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)