説明

検証装置

【課題】バーコード等の印刷情報を読み取って検証を行う検証装置において、スキャナーにゴミが付着していることが検証動作の妨げとなる場合に警告を行うことにより、印刷情報の読取時間や用紙の無駄を防止すると共に、作業効率を高める。
【解決手段】この検証装置は、用紙を第1の方向に搬送する搬送部と、第1の方向と略直交する第2の方向に読取対象をスキャンすることにより、保護ガラスを介して読取対象の画像を光学的に読み取る読取部と、指定されたスキャン範囲において保護ガラスにゴミが付着しているか否かを判定し、スキャン範囲内にゴミが付着している場合には、ゴミ付着の警告を行うように表示部又は警告音発生部を制御し、スキャン範囲内にゴミが付着していない場合には、印刷情報の画像を指定されたスキャン範囲において読み取るように読取部を制御することにより印刷情報の検証を行う制御部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷媒体に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラベルやタグにバーコードや文字等の印刷情報を印刷するプリンターにおいては、印刷媒体(以下においては、「用紙」ともいう)として、例えば、長尺帯状の台紙(セパレーター)上に所定長さのラベルが所定間隔で仮着されているラベル連続体や、タグ製造用の帯状のシートが用いられる。また、用紙に印刷情報が正確に印刷されたか否かを検証するために、用紙に印刷された印刷情報をスキャナーを用いて読み取って印刷情報の検証を行う検証装置が用いられている。さらに、そのような検証装置を備えたプリンターも知られている。
【0003】
従来の検証装置において、用紙に印刷された印刷情報を読み取る際に、スキャナーにゴミが付着していると、読取エラーが発生して、印刷情報を読み取ることができない旨を表示部に表示する等のエラー警告が行われていた。しかしながら、印刷情報を読み取った後にエラー警告を行うのでは、印刷情報の読取時間が無駄になってしまう。また、読取エラーの原因は不明なので、プリンターによる印刷が不良であると判断されて用紙が廃棄されてしまうという問題もある。
【0004】
関連する技術として、特許文献1には、原稿を搬送する搬送手段と、搬送手段により搬送中の原稿の画像をコンタクトガラスを介して読み取る画像読取手段と、画像読取手段に対向する位置に配置されたプラテンローラーと、画像読取手段の読取位置に原稿が存在しない状態で、画像読取手段によって読み取られた画像データに基づいて、コンタクトガラスに付着したゴミの有無を判定する判定手段とを有する画像読取装置が開示されている。
【0005】
特許文献1の画像読取装置は、原稿を搬送せずに、読取センサーで1ライン分の画像を読み取るか、又は、原稿の搬送中に、読取位置に原稿が存在しないときに1ライン分の画像データを読み取る。この画像データに基づいて、ゴミ検知部によりゴミの有無が検知される。ゴミありと検知された場合には、プラテンローラーを回転駆動して異なる回転角度で停止させ、再度ゴミの検知を行うことで、検知されたゴミが、コンタクトガラスに付着したゴミであるか、又は、プラテンローラーに付着したゴミであるかが判定される。コンタクトガラスが汚れていると判定された場合には、ユーザーにコンタクトガラスの清掃を促すべく、外部制御装置にエラーが発生した旨の通知や画像読取装置の表示部にエラー表示を行うことができる。
【0006】
しかしながら、バーコード等の検証装置においては、用紙やバーコード等の幅が狭い場合に、スキャナーがスキャン可能な全範囲の画像をバーコード等の検証において用いるとは限らない。そのような場合にも、バーコード等の読取範囲以外の範囲においてゴミが検知されてエラー警告が行われると、オペレーターは無駄な清掃を行うことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−194737号公報(請求項1、段落0023−0024)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、印刷媒体に印刷されたバーコードや文字等の印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検証装置において、スキャナーにゴミが付着していることが検証動作の妨げとなる場合に警告を行うことにより、印刷情報の検証における信頼性を向上させ、印刷情報の読取時間や印刷媒体の無駄を防止すると共に、オペレーターの作業効率を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る検証装置は、印刷媒体に印刷された印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検証装置であって、印刷情報が印刷された印刷媒体を第1の方向に搬送する搬送部と、第1の方向と略直交する第2の方向に読取対象をスキャンすることにより、保護ガラスを介して読取対象の画像を光学的に読み取って出力信号を生成する読取部と、保護ガラスを介して画像を読み取るように読取部を制御することにより、読取部の出力信号に基づいて、内部設定情報に従って指定されたスキャン範囲において保護ガラスにゴミが付着しているか否かを判定し、スキャン範囲内にゴミが付着していると判定した場合には、ゴミ付着の警告を行うように表示部又は警告音発生部を制御し、スキャン範囲内にゴミが付着していないと判定した場合には、搬送部によって搬送される印刷媒体に印刷された印刷情報の画像を指定されたスキャン範囲において読み取るように読取部を制御することにより、読取部の出力信号に基づいて印刷情報の検証を行う制御部とを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の1つの観点によれば、保護ガラスにゴミが付着している場合であっても、内部設定情報に従って指定されたスキャン範囲内にゴミが付着しているか否かを判定するので、スキャナーにゴミが付着していることが検証動作の妨げとなる場合に警告を行うことにより、印刷情報の検証における信頼性を向上させ、印刷情報の読取時間や用紙の無駄を防止すると共に、オペレーターの作業効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る検証装置を用いた印刷/検証システムを示す概略図である。
【図2】連続して発行された一連のラベルの検証例を示す図である。
【図3】図1に示す検証装置の詳細な内部構造を示す側面断面図である。
【図4】図3に示す検証装置におけるスキャナー部の構成例を示す側面断面図である。
【図5】図3に示す検証装置における制御部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。
【図6A】幅が狭い用紙にバーコードを印刷するためにサーマルヘッドの端部を用いる場合を示す図である。
【図6B】幅が狭い用紙にバーコードを印刷するためにサーマルヘッドの中央部を用いる場合を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る検証装置の動作例を示すフローチャートである。
【図8A】保護ガラスにゴミが付着した状態でスキャナー部がバーコードを読み取る状況を示す図である。
【図8B】保護ガラスにゴミが付着した状態でスキャナー部がバーコードを読み取る状況を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る検証装置を用いた印刷/検証システムを示す概略図である。この印刷/検証システムは、プリンター10と、検証装置20とによって構成される。プリンター10は、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の用紙に、バーコードや文字等の印刷情報を印刷する。検証装置20は、用紙に印刷された印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う。なお、プリンター10又は検証装置20を、ホストとなるパーソナルコンピューター30に接続することも可能である。
【0013】
図1に示すように、検証装置20がプリンター10に一体化されていない場合には、その設置場所は自由である。また、複数種類のプリンター10が用いられる場合においても、それらのプリンター10によって印刷媒体に印刷された印刷情報を、1台の検証装置20を用いて検証することが可能である。あるいは、検証装置20をプリンター10と一体的に構成しても良い。
【0014】
以下においては、台紙に仮着されたラベルを用紙1として用い、ラベルにバーコードを印刷する場合を例として説明する。プリンター10において、用紙1が、ロール状に巻回されたロール紙として、プリンター10の筐体に設けられた用紙供給軸11に回転可能に支持されている。用紙供給軸11から引き出された用紙1は、プラテンローラー12とサーマルヘッド13との間に供給され、プラテンローラー12の回転によって搬送される。
【0015】
ラベルとしては、例えば、ある温度領域に達すると特定の色(黒や赤等)を発色するサーマル紙が用いられる。印刷データに基づく電気信号をサーマルヘッド13に供給することにより、サーマルヘッド13の発熱体が発熱して、ラベルにバーコードが印刷される。印刷が行われた用紙1は、プリンター10の筐体に形成された用紙排出口から外部に排出される。プリンター10から排出される用紙1は、検証装置20に直接挿入されても良いし、一旦切断されてから検証装置20に挿入されても良い。
【0016】
検証装置20は、複数の搬送ローラーを備えた上流側搬送部21、中間搬送部22、及び、下流側搬送部23を含む搬送部と、搬送部によって搬送される用紙1に印刷されたバーコードを光学的に読み取って出力信号を生成するスキャナー部24と、検証エラーが発生したラベルに押印を行うマーキング部25と、検証装置20の各部の動作を制御する制御部26とを含んでいる。
【0017】
図2は、連続して発行された一連のラベルの検証例を示す図である。用紙1は、台紙2に8枚のラベル3を剥離可能に仮着して構成されている。搬送部は、用紙1を第1の方向(X軸方向)に搬送する。スキャナー部24は、第1の方向と略直交する第2の方向(Y軸方向)に読取対象をスキャンすることにより、保護ガラスを介して、8枚のラベル3にそれぞれ印刷された8個のバーコード4の画像を順次読み取って出力信号を生成する。それらのバーコード4には、バーコード番号No.1〜8が付されているものとする。
【0018】
図1に示す制御部26は、スキャナー部24の出力信号に基づいて、読み取られたバーコードの画像を表す画像データを生成すると共に、その画像データに基づいて、読み取られたバーコードの内容(数字や文字)を表す読取データを生成し、その読取データを、本来印刷すべきバーコードの内容を表す参照データと比較することにより、ラベル3に印刷されたバーコード4の検証を行う。
【0019】
検証エラーが発生した場合(スキャナー部24がバーコードを読み取ることができなかった場合、又は、検証結果がNGであった場合)には、制御部26が、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに押印を行うようにマーキング部25を制御する。これにより、マーキング部25が、検証エラーが発生したバーコード(バーコード番号No.2)が印刷されているラベルに、「不可」のスタンプ5を押印する。
【0020】
ここで、ラベル3に印刷されたバーコードを読み取る際に、スキャナー部24の保護ガラスにゴミが付着していると、読取エラーが発生してエラー警告が行われる。しかしながら、バーコードを読み取った後にエラー警告を行うのでは、バーコードの読取時間が無駄になってしまう。また、読取エラーの原因は不明なので、プリンターによる印刷が不良であると判断されてラベルが廃棄されてしまうという問題もある。
【0021】
そこで、本実施形態においては、図1に示す制御部26が、検証装置に電源が投入された際に、保護ガラスを介して画像を読み取るようにスキャナー部24を制御することにより、スキャナー部24の出力信号に基づいて、内部設定情報(検証対象情報や検証装置の動作設定内容等)に従って指定されたスキャン範囲において保護ガラスにゴミが付着しているか否かを判定するようにしている。
【0022】
それに加えて、又は、それに替えて、制御部26は、1つのバーコードが読み取られた後で次のバーコードが読み取られる前に、保護ガラスを介して画像を読み取るようにスキャナー部24を制御することにより、次のバーコードについて内部設定情報に従って指定されたスキャン範囲において保護ガラスにゴミが付着しているか否かを判定するようにしても良い。
【0023】
制御部26は、スキャン範囲内にゴミが付着していると判定した場合には、ゴミ付着の警告を行うように表示部又は警告音発生部を制御し、スキャン範囲内にゴミが付着していないと判定した場合には、搬送部によって搬送されるラベル3に印刷されたバーコード4の画像を指定されたスキャン範囲において読み取るようにスキャナー部24を制御することにより、スキャナー部24の出力信号に基づいてバーコード4の検証を行う。
【0024】
図3は、図1に示す検証装置の詳細な内部構造を示す側面断面図である。検証装置20は、先に説明した上流側搬送部21〜制御部26に加えて、警告音発生部27と、挿入部40と、下側搬送ガイド板51と、上側搬送ガイド板52と、挿入センサー53と、上流側移動検出部54と、下流側移動検出部55と、ラベル位置検出部56と、モーター57と、エンコーダー58と、ベルト59と、表示部73と、操作部74とを含んでいる。ここで、挿入部40、上流側搬送部21〜下流側搬送部23、及び、下側搬送ガイド板51〜ベルト59は、用紙を搬送する搬送部を構成している。
【0025】
挿入部40は、挿入ガイド41と、挿入センサー42と、モーター43と、ベルト44及び46と、回転ローラー45と、搬送ローラー47及び49と、搬送ベルト48と、ガイドローラー50とを含んでいる。挿入ガイド41は、図1に示すプリンター10によって印刷された用紙が検証装置20内に挿入される際に用紙を案内する部分であり、用紙の幅方向の位置を規制するために、用紙の幅方向に移動可能な用紙ガイド部41aを含んでいる。
【0026】
挿入センサー42は、挿入ガイド41の先端部近傍に設けられ、挿入される用紙を検出して、検出信号を制御部26に出力する。挿入部40に用紙が挿入されると、制御部26は、モーター43を制御して回転軸43aを回転させる。回転軸43aの回転は、ベルト44を介して回転ローラー45に伝えられ、さらに、ベルト46を介して搬送ローラー47に伝えられる。これにより、搬送ローラー47及び49を連結している搬送ベルト48が送られるので、挿入部40に挿入された用紙が、搬送ベルト48とガイドローラー50との間に挟まれて搬送される。
【0027】
挿入部40によって搬送される用紙は、下側搬送ガイド板51と上側搬送ガイド板52との間に挿入される。挿入センサー53は、挿入部40の搬送方向下流側における直近に設けられ、搬送される用紙を検出して、検出信号を制御部26に出力する。制御部26は、挿入センサー53から検出信号を受信すると、用紙を搬送するように、上流側搬送部21〜下流側搬送部23を駆動するモーター57を制御する。
【0028】
下側搬送ガイド板51には、複数の搬送用開口と、複数の検出用開口とが形成されている。上流側搬送部21の複数の搬送ローラー21a、中間搬送部22の複数の搬送ローラー22a、及び、下流側搬送部23の複数の搬送ローラー23aは、複数の搬送用開口を通して下側搬送ガイド板51の上方に突出している。また、上流側移動検出部54の複数の検出ローラー54a、及び、下流側移動検出部55の複数の検出ローラー55aは、複数の検出用開口を通して下側搬送ガイド板51の上方に突出している。
【0029】
上側搬送ガイド板52にも、複数の搬送用開口と、複数の検出用開口とが形成されている。上流側搬送部21の複数の搬送ローラー21b、中間搬送部22の複数の搬送ローラー22b、及び、下流側搬送部23の複数の搬送ローラー23bは、複数の搬送用開口を通して上側搬送ガイド板52の下方に突出している。また、上流側移動検出部54の複数の検出ローラー54b、及び、下流側移動検出部55の複数の検出ローラー55bは、複数の検出用開口を通して上側搬送ガイド板52の下方に突出している。
【0030】
搬送ローラー21aと搬送ローラー21bとは、互いに対向して接触するように配置されている。同様に、搬送ローラー22aと搬送ローラー22bとは、互いに対向して接触するように配置されており、搬送ローラー23aと搬送ローラー23bとは、互いに対向して接触するように配置されている。
【0031】
搬送ローラー21a〜23aは、図示しないベルト、トルクリミッター、及び、アイドルギアを介して、モーター57によって駆動される。これらの構成要素も、搬送部を構成している。トルクリミッターは、図1に示すプリンター10から排出される用紙が検証装置20に直接挿入される場合に、検証装置20における用紙の搬送速度をプリンター10からの用紙の排出速度に合わせるために、用紙にかかる張力を制限するものである。
【0032】
挿入部40から挿入された用紙を搬送する際には、まず、上流側搬送部21において、搬送ローラー21aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー21bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー21aが回転することにより、用紙を下流方向(図3における左方向)に搬送する。
【0033】
中間搬送部22は、上流側搬送部21よりも搬送方向下流側であって、且つ、用紙に印刷された印刷情報をスキャナー部24が読み取る位置(図3における矢印Aの位置)の搬送方向下流側における近傍に設けられている。中間搬送部22において、搬送ローラー22aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー22bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー22aが回転することにより、用紙を下流方向に搬送する。中間搬送部22をこのような位置に設けることによって、矢印Aの位置における用紙の平面性を高めて、スキャナー部24による印刷情報の読み取りを精度良く行うことができる。
【0034】
下流側搬送部23は、中間搬送部22よりも搬送方向下流側であって、且つ、マーキング部25よりも搬送方向下流側に設けられている。下流側搬送部23において、搬送ローラー23aが図中下方から用紙に接触すると共に、搬送ローラー23bが図中上方から用紙に接触し、モーター57の駆動力を受けて搬送ローラー23aが回転することにより、用紙を下流方向に搬送する。下流側搬送部23をこのような位置に設けることによって、マーキング位置における用紙の平面性を高めて、マーキングを良好に行うことができる。
【0035】
上流側移動検出部54は、上流側搬送部21の搬送方向下流側における直近に配置されており、検出ローラー54a及び54bと、プーリー54cとを含んでいる。下流側移動検出部55は、中間搬送部22の搬送方向下流側における直近に配置されており、検出ローラー55a及び55bと、プーリー55cとを含んでいる。また、エンコーダー58は、プーリー58cを含んでいる。
【0036】
上流側移動検出部54において、検出ローラー54aが図中下方から用紙に接触すると共に、検出ローラー54bが図中上方から用紙に接触することにより、用紙が搬送されると検出ローラー54a及び54bが回転する。同様に、下流側移動検出部55において、検出ローラー55aが図中下方から用紙に接触すると共に、検出ローラー55bが図中上方から用紙に接触することにより、用紙が搬送されると検出ローラー55a及び55bが回転する。
【0037】
プーリー54c、55c、及び、58cには、ベルト59が掛けられている。従って、プーリー54c及び55cの内のすくなくとも一方が回転すると、その回転がプーリー58cに伝播する。エンコーダー58は、ロータリーエンコーダーであり、プーリー58cの回転に基づいて検出信号を制御部26に出力する。
【0038】
ラベル位置検出部56は、好ましくは、反射型光センサーと透過型光センサーとの両方を含んでいる。反射型光センサーは、用紙の少なくとも一方の面においてラベルの位置に対応して印刷された位置検出マーク(アイマーク)を検出して、検出信号を制御部26に出力する。また、透過型光センサーは、用紙上においてラベルが存在する領域とラベルが存在しない領域との光透過率の差を検出して、検出信号を制御部26に出力する。
【0039】
反射型光センサーを用いる場合には、下側センサー56a又は上側センサー56bが反射型光センサーによって構成される。一方、透過型光センサーを用いる場合には、下側センサー56aが、透過型光センサーの発光部又は受光部によって構成され、上側センサー56bが、透過型光センサーの受光部又は発光部によって構成される。
【0040】
スキャナー部24は、搬送される用紙をスキャンすることにより、用紙に印刷されたバーコードを光学的に読み取って出力信号を生成する読取部である。例えば、スキャナー部24は、照明部と光センサー部とを有しており、照明部によって照明された用紙に印刷されているバーコードを光センサー部が読み取って出力信号を生成する。光センサー部としては、1次元又は2次元CCD(電荷結合素子)イメージセンサー等の撮像素子を用いることができる。スキャナー部24によって生成される出力信号は、制御部26に出力される。
【0041】
マーキング部25は、制御部26の制御の下で、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに押印を行う押印部である。スキャナー部24がバーコードを読み取ることができなかったり、スキャナー部24が読み取ったバーコードの内容が本来印刷すべきバーコードの内容と異なっていたりする場合には、そのバーコードが印刷されているラベルに、「不可」又は「NG」等の押印を行う。なお、マーキング部25は、レーザーやインクジェットを用いてマーキングを行っても良いし、用紙の一部を切り欠いたり孔を開けたりしてマーキングを行っても良い。
【0042】
さらに、スキャナー部24のスキャン範囲内にゴミが付着していると判定された場合や、検証エラーが発生した場合や、操作エラーが生じた場合には、制御部26が、警告音発生部27に警告音(メッセージやブザー音)を発生させるようにしても良い。
【0043】
スキャナー部24の保護ガラスに付着しているゴミを検出するためには、下側搬送ガイド板51の上面を光反射率の高いステンレス等で構成しておき、下側搬送ガイド板51上に用紙が挿入されていない状態で保護ガラスを介して画像を読み取り、読み取られた画像において輝度が所定の値よりも低い領域(画素)が存在する場合に、その領域にゴミが付着していると判定しても良い。ゴミが付着している領域は影となるので、他の領域よりも輝度が低下するからである。しかしながら、下側搬送ガイド板51にゴミが付着している場合には、そのゴミと保護ガラスに付着しているゴミとを区別できないおそれがある。また、下側搬送ガイド板51上に用紙が挿入されている状態では、印刷内容とゴミの形状との区別が付かず、ゴミの検出が困難になる場合がある。そこで、次のような構成を用いても良い。
【0044】
図4は、図3に示す検証装置におけるスキャナー部の構成例を示す側面断面図である。スキャナー部24は、下側搬送ガイド板51から所定の距離だけ離れた位置に配置されている。スキャナー部24の筐体81の下側には開口が形成されており、開口には保護ガラス82が取り付けられている。
【0045】
筐体81の内部には、光を照射する照明部83と、光を検出する光センサー部87と、照明部83から照射されて保護ガラス82の位置(又はゴミの位置)において反射された第1の光と、照明部83から照射されて下側搬送ガイド板51の位置(又は用紙1の位置)において反射された第2の光とを、光センサー部87の検出面に集光する光学系とが設けられている。例えば、照明部82は、LED(発光ダイオード)等の光源を含んでおり、光センサー部87は、1次元CCDイメージセンサーを含んでいる。
【0046】
一例として図4に示すように、光学系は、折り返しミラー84及び85と、レンズ86とを含んでいる。折り返しミラー(高反射ミラー)84は、照明部82から照射されて保護ガラス82の位置において反射された第1の光をレンズ86に向けて反射する。折り返しミラー(ハーフミラー)85は、照明部82から照射されて下側搬送ガイド板51の位置において反射された第2の光をレンズ86に向けて反射すると共に、折り返しミラー84によって反射された光を透過する。
【0047】
レンズ86は、例えば、シリンドリカルレンズによって構成され、折り返しミラー84及び85によってそれぞれ反射された第1及び第2の光を、光センサー部87の検出面に集光する。なお、折り返しミラー84及び85を凹面ミラーとして、折り返しミラー84及び85がレンズ86の機能を兼ねるようにしても良い。
【0048】
ここで、用紙1の位置において反射された光がレンズ86に入射するまでの光路長は距離D1aと距離D1bとの和であり、この場合に、用紙1の位置から放射された光が光センサー部87の検出面において焦点を結ぶように、レンズ86の焦点距離及び光センサー部87の位置が決められている。一方、保護ガラス82の位置において反射された光がレンズ86に入射するまでの光路長は距離D2aと距離D2bとの和であり、(D1a+D1b)≠(D2a+D2b)としておけば、保護ガラス82の位置から放射された光が光センサー部87の検出面において焦点を結ばないので、保護ガラス82に付着したゴミの像がぼけることになる。さらに好ましくは、距離(D2a+D2b)が、距離(D1a+D1b)に対して、約10%〜約30%の誤差を有するようにする。
【0049】
光センサー部87は、下側搬送ガイド板51の像(又は用紙1の像)と保護ガラス82に付着したゴミの像との両方を読み取ることになるが、ゴミの像はぼけているので、図3に示す制御部26は、コントラストがぼやけている像があれば、それをゴミの像と判断する。なお、コントラストとは、一般的には、ある注目物体とそれ以外の背景とが区別できるような視覚的な特徴の差のことをいう。コントラストがぼやけているか否かの判定においては、例えば、隣接する画素間における輝度の差分ΔBが、B1<ΔB<B2(B1、B2は定数)を満たす場合に、コントラストがぼやけていると判定する。
【0050】
以上においては、2つの折り返しミラー84及び85を用いる例について説明したが、アクチュエーター88を設けることにより、1つの折り返しミラー(高反射ミラー)を2つの位置の間で移動させるようにしても良い。その場合には、図3に示す制御部26が、保護ガラス82にゴミが付着しているか否かを検出するために、折り返しミラーが第1の位置(折り返しミラー84の位置)に配置されるようにアクチュエーター88を制御し、用紙1に印刷されたバーコードを読み取るために、折り返しミラーが第2の位置(折り返しミラー85の位置)に配置されるようにアクチュエーター88を制御する。
【0051】
図5は、図3に示す検証装置における制御部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。図5に示すように、制御部26は、CPU(central processing unit:中央演算装置)60と、ROM(read only memory)61と、フラッシュRAM(random access memory)62と、用紙検出制御回路63と、ピッチ検出制御回路64と、駆動制御回路65と、エンコーダー制御回路66と、インターフェース(IF)67と、設定部68と、スキャン制御回路69と、検証部70と、マーキング制御回路71と、音声回路72とを含んでいる。これらは、バスラインを介して相互に接続されている。
【0052】
ROM61には、CPU60に各種の処理を行わせるためのソフトウェア(制御プログラム)が格納されている。CPU60は、ROM61に格納されている制御プログラムに従って、用紙検出制御回路63〜音声回路72を制御する。また、格納部であるフラッシュRAM62には、本来印刷すべき印刷情報の内容を表す参照データが格納されている。
【0053】
参照データは、メモリーカード、USBメモリー、フレキシブルディスク、MO、MT、CD−R/W、DVD−R/W、又は、DVD−RAM等の持ち運び可能な外部記憶媒体を用いることにより、予めフラッシュRAM62に格納される。あるいは、参照データは、パーソナルコンピューター30からインターフェース67を介してフラッシュRAM62に格納されても良い。
【0054】
用紙検出制御回路63は、用紙が挿入部40に挿入されたか否かを検出するように挿入センサー42を制御すると共に、用紙が検証装置本体内に挿入されたか否かを検出するように挿入センサー53を制御する。また、ピッチ検出制御回路64は、ラベル位置検出部56から出力される検出信号に基づいて、台紙に仮着されたラベルの位置(用紙の長手方向における位置)を求め、ラベル位置検出部56がラベルを検出してから次のラベルを検出するまでの距離をラベルのピッチとして求める。
【0055】
駆動制御回路65は、用紙が挿入部40に挿入された際に、用紙を搬送するようにモーター43を制御すると共に、用紙が検証装置本体内に挿入された際に、用紙を搬送するようにモーター57を制御する。エンコーダー制御回路66は、エンコーダー58から出力される検出信号に基づいて、用紙の移動量又は搬送速度を求める。エンコーダー制御回路66によって求められた用紙の移動量又は搬送速度は、駆動制御回路65によるモーター43及び57の制御にフィードバックされるようにしても良い。
【0056】
CPU60は、インターフェース67を介して表示部73及び操作部74に接続されている。表示部73は、例えば、CPU60から供給される信号に基づいて操作メッセージ等を表示する液晶パネルと、バーコードを読取中であることを表示する発光ダイオードと、スキャナー部24のスキャン範囲内にゴミが付着していることを表示する発光ダイオードと、検証エラーが発生したことを表示する発光ダイオードとを含んでいる。操作部74は、例えば、検証装置20を操作するために用いられるスタートキー等の操作キーと、内部設定情報を設定するために用いられる内部設定情報設定キーとを含んでいる。
【0057】
設定部68は、操作部74又はパーソナルコンピューター30を用いて設定された内部設定情報をフラッシュRAM62に格納する。また、設定部68は、フラッシュRAM62から内部設定情報を読み出す。CPU60は、その内部設定情報に従って、検証装置20の各部を制御する。
【0058】
あるいは、検証装置20が、実際に幾つかのバーコードを読み込んで、その結果に基づいて内部設定情報を設定するようにしても良い。例えば、スキャン範囲設定モードにおいて、スキャン制御回路69が、搬送部によって搬送される用紙に印刷されたバーコードを最大のスキャン範囲において読み取るようにスキャナー部24を制御する。CPU60は、スキャナー部24の出力信号に基づいて、用紙に印刷されたバーコードに対応するスキャン範囲を検出し、検出されたスキャン範囲を内部設定情報としてフラッシュRAM62に格納する。
【0059】
検証モードにおいて、スキャン制御回路69は、用紙が搬送される際に、バーコードの読取動作を行うようにスキャナー部24を制御する。特に、スキャン制御回路69は、CPU60によって指定された読取範囲においてバーコードの読取動作を行うように、スキャナー部24を制御する。これにより、バーコードの検証動作を効率的に行うことができる。
【0060】
検証部70は、スキャナー部24の出力信号に基づいて、読み取られたバーコードの画像を表す画像データを生成し、その画像データに基づいて、読み取られたバーコードの内容(数字や文字)を表す読取データを生成する。その際に、検証部70は、スキャナー部24がバーコードを読み取ることができたか否かを判定する。さらに、検証部70は、生成された読取データを、フラッシュRAM62に格納されている本来印刷すべきバーコードの内容を表す参照データと比較することにより、ラベルに印刷されたバーコードの検証を行う。
【0061】
マーキング制御回路71は、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに押印を行うようにマーキング部25を制御する。これにより、マーキング部25は、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに、「不可」又は「NG」等の押印を行う。音声回路72は、スキャナー部24のスキャン範囲内にゴミが付着していると判定された場合や、検証エラーが発生した場合や、操作エラーが生じた場合に、警告音発生部27に警告音を発生させる。
【0062】
図1に示す印刷/検証システムにおいて、用いられる用紙(ラベル及び台紙)の幅は様々であり、図6Aに示すように、幅が狭い用紙にバーコードを印刷するためにプリンター10のサーマルヘッド13の端部を用いる場合には、光センサー部87のスキャン範囲として、CPU60が、内部設定情報に従って、端部寄りのスキャン範囲SR1を指定しても良い。一方、図6Bに示すように、幅が狭い用紙にバーコードを印刷するためにプリンター10のサーマルヘッド13の中央部を用いる場合には、光センサー部87のスキャン範囲として、CPU60が、内部設定情報に従って、中央部寄りのスキャン範囲SR2を指定しても良い。
【0063】
検証装置20の内部設定情報は、用紙のサイズに関する情報と、用紙の位置に関する情報と、用紙における印刷情報の読取位置に関する情報との内の少なくとも1つを含んでいる。あるいは、用紙の位置に関する情報又は印刷情報の読取位置に関する情報が、用紙の位置又は印刷情報の読取位置を数値で表している場合には、CPU60は、その数値に従って読取範囲を指定しても良い。
【0064】
次に、本発明の一実施形態に係る検証装置の動作例について、図3〜図8Bを参照しながら説明する。図7は、本発明の一実施形態に係る検証装置の動作例を示すフローチャートである。
【0065】
まず、オペレーターが、検証装置20の電源スイッチを操作することにより、検証装置20を電源オンの状態にする。ステップS1において、CPU60が、各部の初期化を行った後に、用紙1が挿入される前に、最大スキャン範囲において保護ガラス82を介して画像を読み取るようにスキャナー部24を制御する。スキャナー部24は、保護ガラス82を介して下側搬送ガイド板51をスキャンすることにより、保護ガラス82を介して画像を読み取って出力信号を生成する。
【0066】
ステップS2において、CPU60は、スキャナー部24の出力信号に基づいて、スキャナー部24によって読み取られた画像から、コントラストに関する情報(例えば、隣接する画素間における輝度の差分)を抽出する。ステップS3において、CPU60は、抽出されたコントラストに関する情報に基づいて、保護ガラス82にゴミが付着しているか否かを判定する。保護ガラス82にゴミが付着していると判定された場合には、処理がステップS4に移行し、保護ガラス82にゴミが付着していないと判定された場合には、処理がステップS9に移行する。
【0067】
ステップS4において、CPU60は、スキャナー部24によって読み取られた画像から、最大スキャン範囲におけるゴミの位置(ゴミパターン)を抽出し、フラッシュRAM62に格納する。ステップS5において、CPU60は、内部設定情報(検証対象情報や検証装置の動作設定内容等)をフラッシュRAM62から読み出し、内部設定情報に従ってスキャン範囲を指定する。
【0068】
ステップS6において、CPU60は、指定されたスキャン範囲を抽出されたゴミパターンと比較する。ステップS7において、CPU60は、スキャン範囲内にゴミが存在するか否かを判定する。スキャン範囲内にゴミが存在すると判定された場合には、処理がステップS8に移行して、CPU60が、スキャナー部24の保護ガラス82にゴミが付着していることをオペレーターに警告するために、ゴミ付着の表示を行うように表示部73を制御し、又は、ゴミ付着の警告音を発生するように警告音発生部27を制御する。一方、スキャン範囲内にゴミが存在しないと判定された場合には、処理がステップS9に移行する。
【0069】
ステップS9において、CPU60が、「ラベルを通してください」というメッセージを表示部73に表示すると、オペレーターが、用紙(ラベルが仮着された台紙)を検証装置20に挿入し、スタートキーを押下する。これにより、CPU60が、検証装置20の検証動作を開始させる。
【0070】
まず、用紙検出制御回路63が、挿入センサー42から出力される検出信号に基づいて、用紙が挿入部40に挿入されたか否かを判定する。用紙が挿入部40に挿入されると、駆動制御回路65が、搬送ベルト48によって用紙を搬送するようにモーター43を駆動する。さらに、用紙検出制御回路63は、挿入センサー53から出力される検出信号に基づいて、用紙が検証装置本体内に挿入されたか否かを判定する。用紙が検証装置本体内に挿入されると、駆動制御回路65は、上流側搬送部21〜下流側搬送部23によって用紙を搬送するようにモーター57を駆動する。
【0071】
CPU60は、ピッチ検出制御回路64によって求められたラベルの位置及びピッチと、エンコーダー制御回路66によって求められた用紙の移動量又は搬送速度と、設定部68によって読み出された内部設定情報とに基づいて、バーコードの読取動作を行う読取範囲を指定する。これに従って、スキャン制御回路69が、スキャナー部24に、指定された読取範囲においてラベルをスキャンさせることにより、スキャナー部24がバーコードを読み取る。
【0072】
検証部70は、スキャナー部24の出力信号に基づいて、読み取られたバーコードの画像を表す画像データを生成し、さらに、その画像データに基づいて、読み取られたバーコードの内容(数字や文字)を表す読取データを生成する。その際に、検証部70は、スキャナー部24がバーコードを読み取ることができたか否かを判定する。
【0073】
スキャナー部24がバーコードを読み取ることができた場合には、検証部70は、生成された読取データを、本来印刷すべきバーコードの内容を表す参照データと比較することにより、ラベルに印刷されたバーコードの検証を行う。さらに、検証部70は、検証が行われたバーコードに関する検証データを、フラッシュRAM62に格納されている検証ファイルに保存する。検証データは、例えば、バーコード番号、検証結果(OK又はNG)、バーコードの内容(数字や文字)、及び、バーコードの画像のグレードを含んでいる。バーコードの画像のグレードとは、例えば、バーコードの画像の明瞭度を5段階で評価したものである。
【0074】
マーキング制御回路71は、マーキング部25を制御することにより、検証エラーが発生したバーコードが印刷されているラベルに、「不可」又は「NG」等の押印を行う。CPU60は、ラベル位置検出部56から出力される検出信号に基づいて、次に検証の対象とすべきラベルが存在するか否かを判定する。次に検証の対象とすべきラベルが存在する場合には、上記の検証動作が繰り返される。一方、台紙に仮着された一連のラベルに印刷されたバーコードの検証が終了して、次に検証の対象とすべきラベルが存在しない場合には、用紙を排出して処理が終了する。
【0075】
図8A及び図8Bは、保護ガラスにゴミが付着した状態でスキャナー部がバーコードを読み取る状況を示す図である。CPU60は、ピッチ検出制御回路64によって求められたラベルの位置及びピッチと、エンコーダー制御回路66によって求められた用紙の移動量又は搬送速度と、設定部68によって読み出された内部設定情報とに基づいて、用紙の長手方向(X軸方向)における読取範囲を指定する。また、CPU60は、設定部68によって読み出された内部設定情報に従って、用紙の幅方向(Y軸方向)における読取範囲(スキャン範囲)を指定する。図8A及び図8Bには、バーコード91〜94について、それぞれの読取範囲が示されている。読取範囲は、例えば、バーコードが印刷されている領域を各方向に約5mm超えるように設定される。
【0076】
図8A及び図8Bに示すように、スキャナー部の保護ガラス82の異なる位置にゴミが付着している。図8Aに示す状況においては、バーコード91〜94について指定されているスキャン範囲が、Y軸方向におけるゴミの存在範囲と重複しない。この場合には、ゴミの存在に拘わらず、バーコード91〜94の読み取りが行われる。一方、図8Bに示す状況においては、バーコード91及び92について指定されているスキャン範囲が、Y軸方向におけるゴミの存在範囲と重複している。この場合には、ゴミ付着の警告が行われる。このように、内部設定情報に従って指定されたスキャン範囲に応じてゴミ付着の警告が行われるので、オペレーターは無駄な清掃を行わなくても良くなる。
【符号の説明】
【0077】
1…用紙、
2…台紙、
3…ラベル、
4…バーコード、
5…スタンプ、
10…プリンター、
11…用紙供給軸、
12…プラテンローラー、
13…サーマルヘッド、
20…検証装置、
21…上流側搬送部、
22…中間搬送部、
23…下流側搬送部、
24…スキャナー部、
25…マーキング部、
26…制御部、
27…警告音発生部、
42…挿入センサー、
53…挿入センサー、
56…ラベル位置検出部、
60…CPU、
61…ROM、
62…フラッシュRAM、
63…用紙検出制御回路、
64…ピッチ検出制御回路、
65…駆動制御回路、
66…エンコーダー制御回路、
67…インターフェース、
68…設定部、
69…スキャン制御回路、
70…検証部、
71…マーキング制御回路、
72…音声回路、
73…表示部、
74…操作部、
81…筐体、
82…照明部、
82…保護ガラス、
83…照明部、
84、85…折り返しミラー、
86…レンズ、
87…光センサー部、
88…アクチュエーター、
91〜94…バーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷媒体に印刷された印刷情報を読み取って印刷情報の検証を行う検証装置であって、
印刷情報が印刷された印刷媒体を第1の方向に搬送する搬送部と、
前記第1の方向と略直交する第2の方向に読取対象をスキャンすることにより、保護ガラスを介して前記読取対象の画像を光学的に読み取って出力信号を生成する読取部と、
前記保護ガラスを介して画像を読み取るように前記読取部を制御することにより、前記読取部の出力信号に基づいて、内部設定情報に従って指定されたスキャン範囲において前記保護ガラスにゴミが付着しているか否かを判定し、スキャン範囲内にゴミが付着していると判定した場合には、ゴミ付着の警告を行うように表示部又は警告音発生部を制御し、スキャン範囲内にゴミが付着していないと判定した場合には、前記搬送部によって搬送される印刷媒体に印刷された印刷情報の画像を指定されたスキャン範囲において読み取るように前記読取部を制御することにより、前記読取部の出力信号に基づいて印刷情報の検証を行う制御部と、
を具備する検証装置。
【請求項2】
前記読取部が、
光を照射する照明部と、
光を検出する光センサー部と、
前記照明部から照射されて前記保護ガラスの位置において反射された第1の光と、前記照明部から照射されて印刷媒体の下側搬送ガイド板の位置において反射された第2の光とを、前記光センサー部の検出面に集光する光学系と、
を含む、請求項1記載の検証装置。
【請求項3】
前記制御部が、前記検証装置に電源が投入された際に、及び/又は、1つの印刷情報が読み取られた後で次の印刷情報が読み取られる前に、前記保護ガラスを介して画像を読み取るように前記読取部を制御することにより、内部設定情報に従って指定されたスキャン範囲において前記保護ガラスにゴミが付着しているか否かを判定する、請求項1又は2記載の検証装置。
【請求項4】
前記制御部が、スキャン範囲設定モードにおいて、前記搬送部によって搬送される印刷媒体に印刷された印刷情報を最大のスキャン範囲において読み取るように前記読取部を制御することにより、前記読取部の出力信号に基づいて、該印刷媒体に印刷された印刷情報に対応するスキャン範囲を設定し、設定されたスキャン範囲を内部設定情報として格納部に格納する、請求項1〜3のいずれか1項記載の検証装置。
【請求項5】
内部設定情報を設定するために用いられる操作部をさらに具備し、
前記制御部が、印刷媒体のサイズに関する情報と、印刷媒体の位置に関する情報と、印刷媒体における印刷情報の読取位置に関する情報との内の少なくとも1つを含む内部設定情報に従って前記読取部のスキャン範囲を指定する、請求項1〜3のいずれか1項記載の検証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【公開番号】特開2012−175444(P2012−175444A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−36063(P2011−36063)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】