説明

検証/認証符号化方法および装置

【課題】作品の許可されない使用の監視と″高速検査″の実行を費用効果的に行う。
【解決手段】方法は、ビデオを表現し、各々が値を有する複数の標本を備える入力ビデオデータを供給するステップと、前記ビデオデータ内でステガノグラフィ式に符号化されて、符号化されたビデオデータを生じる複数の記号補助データを供給するステップと、前記ビデオデータの一部の、余分なデータを隠す能力に関する第1データを受けるステップと、前記複数の記号補助データ及び第1データの関数であり、前記複数のビデオデータ標本の各々に対応する要素を含む中間データ(信号)を生成するステップと、前記入力ビデオデータの或るバージョンにおける標本の値を対応する前記中間データ(信号)の要素に従って変化させることによって、前記ビデオデータを前記補助データでステガノグラフィ式に符号化し、それによって符号化ビデオデータを生じさせるステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、頑丈な認証コードを電子、光および物理媒体に埋め込むことに関係し、その後
、前記媒体の歪みまたは改ざんが起こった後でも、認証目的のこのようなコードの認識す
ることを目的とする。
【0002】
本発明を、電子画像、シリアルデータ信号(例えば、オーディオおよびビデオ)、感光
乳剤フィルムおよび紙幣の検証/認証符号化を含むがこれらに限定されないいくつかの典
型的な用途の参照とともに説明する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景および要約
″私は、コピーの主人になることによって私の仕事を禁止または変更するいかなる印刷
業者または出版業者の支配力を決して受けない″ トマス・ペイン,正義の人,1792
年 ″印刷業者は、彼の出版を許可されたコピーを越えようとはしない″ ミルトン,アエ
ロパゲティカ(Aeropagetica),1644年
大昔から、所有権のある資料の許可されない使用および露骨な著作権侵害が、収入の喪失
、混乱および芸術的堕落の原因となってきた。
【0004】
これらの歴史的な問題は、ディジタル技術の登場によって増加してきている。
これと共に、許可されない方法において作品をコピーし、これらを再配布する技術は、洗
練と、より重要に偏在との新たな高みに到達している。疑わしいコピーとオリジナルとを
比較する客観的な手段が無いので、所有者および考えられる訴訟手続きは、前記疑わしい
コピーが盗まれたか、許可されない方法において使用されたか否かの主観的判断になって
しまう。さらに、作品の元の購入者に対する経路を追跡する簡単な手段が存在せず、考え
られる最初に発生した作品の″漏れ″の場所の追跡に役に立つものが存在しない。
【0005】
商業作品を保護する種々の方法が試みられてきた。1つは、信号を配布前に符号化方法
によってスクランブルし、使用する前に逆スクランブルすることである。しかしながらこ
の技術は、オリジナル信号と後に逆スクランブルされた信号とが、これらが横取りされた
り記録されたりしないように、閉じられ制御されたネットワークに残っていないことを必
要とする。さらにこの装置は、数ドルの追加の費用さえも市場において大きな反応が引き
起こされ、信号を知覚するために結局は逆スクランブルしなければならず、したがって容
易に記録することができる、オーディオおよびビジュアル作品を多量に取り引きする広範
囲な領域においてわずかにしか使用されない。
【0006】
他の技術の組は、元のオーディオまたはビデオ信号を変調し、電子的な手段によって知
覚することがてきるサブリミナル検証信号を含ませることによるものである。このような
システムの例は、米国特許明細書第4972471号および欧州特許出願公開明細書第4
41702号と、早稲田大学理工学部の研究論文集,No.52 45〜60ページ(1988
)のKomatsu他による、″テレマチックス中に潜伏している画像を使用する認証システム
(Authentication System Using Concealed Image in Telematics)″(Komatsuは、この
技術に″ディジタル透かし模様″という言葉を使用している)とにおいて見られる。これ
らの方法に対する基本的な紹介は、1993年11月のByte Magazineの309ページの
記事″ディジタル署名″において見られる。これらの技術は、ソース作品内の適切に規定
されたパターンおよび配列による決定論的信号が検証情報を伝送するという、共通の特徴
を有する。特定の用途に関して、これは欠点ではない。しかし一般的に、これは、(a)
ソース作品の全体を使用しない、(b)決定論的パターンは自称著作権侵害者によって発
見および除去される可能性が高い、(c)信号は一般的に′ホログラフィックではない、
すなわち検証は、全体の所定の一部のみで行うことが困難であるといった種々の理由から
、検証情報を埋め込む非能率的な形態である。(′ホログラフィック′を、ここでは、検
証情報が符号化信号じゅうに全体的に分配され、符号化信号の断片の調査からでも完全に
識別できるという特性を示すために使用した。この形式の符号化を、ここでは″分配″と
呼ぶ。)
引用した参考文献に共通して、ある文書においては、″...情報をある別の目立たな
い情報中に隠す古い技術″として記述されている、ステガノグラフィ(steganography)
を行ういくつかのプログラムの記述がある。これらのプログラムよって、コンピュータユ
ーザは、かれらのメッセージを、ディジタル画像ファイルおよびディジタルオーディオフ
ァイル内にさまざまに隠す。所定のオーディオデータストリームまたはラスタ化画像の最
下位ビット(信号データ標本の最小桁ビット)をトグル化することによって行う。これら
のプログラムのあるものは、メッセージを最下位ビットに直接埋め込むが、他のものは、
始めにメッセージを″前埋め込み″またはスクランブルし、次に暗号化データを最下位ビ
ットに埋め込む。
【0007】
これらのプログラムの我々が現在理解していることは、これらが一般に、所定のメッセ
ージをそっくりそのまま正確に伝送するために、ディジタルデータのエラーの無い伝送を
あてにしていることである。代表的に、メッセージは、1回のみ送信され、すなわち繰り
返されない。これらのプログラムは、最下位ビットを完全に″接収″し、実際のデータが
消去され、それによってメッセージが配置されるようにも思われる。これは、このような
コードを、所定の画像またはオーディオファイル中のすべてのデータ値の最下位ビットを
単に取り除くことによって容易に消去することができることを意味する。これらのおよび
他の理由は、我々の発明とステガノグラフィの確立された技術との類似点は、情報をデー
タファイル中に最小量の知覚可能性によって配置することだけであることを示唆している
。埋め込みの特性と埋め込まれた情報の使用とは、これらと異なる。
【0008】
他の引用した参考文献は、Melenに対する米国特許明細書5325167号である。所
定の文書を認証するサービスにおいて、文書の高解像度走査は、下にある紙それ自体のよ
うな文書媒体、またはトナーのような後に用いられた材料に対して、明白に指紋の一種で
あるパターンおよび″微細な組織構造″を表す。さらにMelenは、この指紋の走査および
記憶を後に、目的の文書を走査し、オリジナル文書と比較することによって認証に使用で
きることを教えている。出願人は、1994年2月8日のウォールストリートジャーナル
のB1ページにおいて報告されているクレジットカード磁気ストライプの極めて高い精度
の記録において用いられている同様のアイデアを知っており、このアイデアにおいては、
極めて微細な磁束をあるカードからつぎのカードに固有に向かわせ、これによってクレジ
ットカードの認証を、これらの磁束を予め記録することによって、後に同じであると言わ
れているクレジットカードの記録と比較することによって達成する。
【0009】
上述した技術の双方は、指紋分析の成熟した科学が基礎を置く同じ検証原理、すなわち
ある局所的な物理特性の固有のものに基づいていると思われる。これらの方法は、疑わし
いものと予め記録したマスタとの″類似″または″相互関係″の1つの判断および/また
は測定を当てにしている。指紋分析がこれを高い技術にしたとしても、これらの方法は、
標本の準備の犯罪に対して無防備であり、Melenkの特許の″抽出″および″スキャナ明細
書″は、類似性の判定の結果が片寄る傾向が不可避であり、一致または不一致の信頼性を
説明するさらに秘密の″鑑定証明書″を必要とする。本発明の目的は、この鑑定証明書へ
の信頼性を回避し、簡単な俗名″コイン投げ″における一致、すなわち、正確なコイン投
げを16回連続してコールすることができるオッズは何かということに信頼性を置く。指
紋、文書、または他のものの断片を鑑定する試みは、この判定の信頼性の問題を悪化させ
、本発明の目的は、直観的な″コイン投げ″信頼性を可能な最も小さい断片に客観的に用
いることである。各々すべての文書またはクレジットカード磁気ストライプに関する固有
の指紋を記憶することと、後のクロスチェックに容易に利用できるこれらの指紋を有する
ことも、完全に経済的引受けであることを示すべきである。本発明の目的は、ノイズコー
ドの″再使用″と、記憶装置の必要条件を軽減するサービスにおける″雪状画像″とを考
慮することである。
【0010】
Shiang他に対する米国特許明細書第4921278号は、署名または写真に、訓練され
ていない眼はノイズと呼ぶであろうが、実際にはモアレパターンと呼ばれるものを拡散さ
せる空間暗号化技術の一種を教えている。本発明のShiangのシステムに対する類似点は、
情報を搬送しないノイズ状信号の使用と、クレジットカードおよび他の検証カードにおけ
るこの原理の使用とであると思われる。
【0011】
他の引用した特許は、信号または媒体の検証および/または認証のための他の技術に関
係する。Hyattに対する米国特許明細書第4944036号は、″署名″という言葉を、
物理構造を基礎とする固有特性を搬送する信号に等しく用いることができる点以外は本発
明には適用できないと思われる。
【0012】
検証/認証の分野における上述した種々の仕事および他の種々の仕事にもかかわらず、
オリジナル信号のコピーとオリジナルとの明確な検証を行う確実で能率的な方法が、依然
として必要とされている。望ましくは、この方法は、検証を行うだけでなく、販売時点を
より正確にするために、ソースバージョン情報を伝達できるようにすべきである。この方
法は、画面上のロゴの配置のような、販売している作品の本質的な品質を妥協すべきでは
ない。この方法は、多数のコピーを行った後でも、および/または信号の圧縮および伸長
を行った後でも検証を行えるように堅固にすべきである。この検証方法は、高い消去不可
能性または″解読不可能性″を持つべきである。この方法は、オーディオ信号の10秒の
″リフ″またはオリジナル信号の″切り取られ、張り付けられた″小区分のような、オリ
ジナル信号の部分的な断片においても作用できるようにすべきである。
【0013】
このような方法の存在は、(a)作品の許可されない使用の監視と″高速検査″の実行
とを費用効果的に行うことができ、(b)この方法が使用されいることとその公表され
ている結果とが既知である場合、許可されない使用に対する抑止力となることができ、(
c)指紋検証と同様に、訴訟において、指紋におけるより可能的に確実に、一致の明白な
証拠を提供することができ、著作権侵害者において困難な結果となるであろう。
【発明の概要】
【0014】
本発明の好適実施例にしたがって、上述した目的および追加の目的を、微細な検証情報
をソース信号全体に埋め込むことによって達成する。好適実施例において、この埋め込み
を、ソース信号を僅かなノイズ信号によって符号化された形式に変調することによって達
成する。さらに特に、バイナリ検証コードのビット一度に1つ参照し、ソース信号のノイ
ズ信号による変調を制御する。
【0015】
埋め込みコード信号を有するコピー(″埋め込まれた″コピー)は、販売される作品と
なり、オリジナルは、安全な場所に保管される。新たなコピーは、最も精密な精査の下で
なければオリジナルとほとんど一致し、したがって、商業的価値は妥協されない。新たな
コピーが販売され配布された後、多数のコピーによって可能的に歪められても、本明細書
は、どのような明細書もオリジナルに対して明確に鑑定する方法を詳述する。
【0016】
他の利点の中で、好適実施例の検証信号の使用は、′オリジナル作品のどこか′を単に
示すのに対して、大域的(ホログラフィック)であり、擬似自然ノイズ源が検証信号エネ
ルギを最大にする。これは、検証符号化を、像の切断および切り取りのような実世界の数
千の堕落したプロセスおよび作品の変形に直面して、より堅固にする。
【0017】
本発明の上述した特徴および利点と追加の特徴および利点とは、添付した図の参照とと
もに進める以下の詳細な記述から容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、2つの軸において分離された1次元ディジタル信号の簡単かつ古典的な線図である。
【図2】図2は、″微細の″認証信号を他の信号上に埋め込む処理の、ステップの詳細な記述による全体的な概観である。
【図3】図3は、オリジナルの疑わしいコピーをどのように検証するかについての漸次の説明である。
【図4】図4は、本発明の他の実施例による検証情報によってフィルムを前露光する装置の線図である。
【図5】図5は、本発明の″ブラックボックス″実施例の図表である。
【図6】図6は、図5の実施例のブロック図である。
【図7】図7は、異なったコードワードを有するが同じノイズデータを有する入力データの連続する組を符号化するのに適合した図6の実施例の変形例を示す。
【図8】図8は、特有のコード番号を有するビデオテープ製造の各々のフレームを符号化するのに適合した図6の実施例の変形例を示す。
【図9A】図9Aは、本発明のある実施例において使用することができる製造標準ノイズ秒の表示である。
【図9B】図9Bは、本発明のある実施例において使用することができる製造標準ノイズ秒の表示である。
【図9C】図9Cは、本発明のある実施例において使用することができる製造標準ノイズ秒の表示である。
【図10】図10は、標準ノイズコードの検出において使用される集積回路を示す。
【図11】図11は、図10の実施例において使用することができる標準ノイズコードを検出する処理の流れを示す。
【図12】図12は、本発明の他の実施例による複数の検出器を使用する実施例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
説明的な実施例の以下の論考において、言葉″信号″および″画像″を、1、2および2を越える偶数の次元のディジタル信号に言及するのに交換可能に使用する。例を、1次元オーディオ形式ディジタル信号と2次元画像形式ディジタル信号との間で前後に慣例的に切り換える。
【0020】
本発明の説明的な実施例の詳細を十分に説明するために、最初にディジタル信号の基本
的な性質を説明することが必要である。図1は、1次元ディジタル信号の古典的な表現を示す。x軸は、ディジタルの配列″標本″のインデックス番号を規定し、y軸は、ディジタル標本の″2進深度″として規定される有限数のレベルのみにおける存在に抑制されている標本における信号の瞬間的な値である。図1に示す例は、標本値の16の許可された状態を与える4乗または″4ビット″に対して2の値を有する。
【0021】
音波のようなオーディオ情報に関して、ディジタル化処理は、連続した現象を時間領域
および信号レベル領域の双方において離散的に取り扱うと、一般的に認識されている。そ
のようなものとして、ディジタル化の処理それ自身が、基本的なエラー原因をもたらし、
いずれかの領域における離散的な処理期間より小さい細部を記録することができない。産
業界はこれを、時間領域において″エイリアシング″と呼び、信号レベル領域において″
量子化ノイズ″と呼ぶ。このように、ディジタル信号の基本エラーフロアが、常に存在す
る。実効的意味において測定された純粋な量子化ノイズは、12の平方根を1越えた値か
、0.29DN程度の値を有することが理論的に既知であり、ここでDNは、′ディジタ
ル数′または信号レベルの最も細かい単位増分を表す。例えば、完全な12ビットディジ
タイザは、〜0.29DNの固有実効ノイズフロアを伴う、4096の許可されたDNを
有する。
【0022】
すべての既知の物理測定処理は、連続信号のディジタル形式への変換に追加のノイズを
加える。代表的に量子化ノイズは、後に言及するように、直角位相(二乗平均の平方根)
において、測定処理の″アナログノイズ″に加わる。
【0023】
ほとんどすべての商業的および技術的処理によるデシベルスケールの使用は、所定の記
録媒体における信号およびノイズの測定として使用される。″信号−ノイズ比″という表
現は、一般に、本明細書におけるように使用される。例として、本明細書は、信号ノイズ
比を、信号パワーおよびノイズパワーの項として言及し、したがって20dBは、信号振
幅における10倍の増加を表す。
【0024】
要約において、本発明の現在の好適な実施例は、全体の信号に、純粋なノイズの形状を
有する非常に小さい振幅の符号化信号の付加によってNビット値を埋め込んだ。通常Nを
、少なくとも8とし、Nビット値の復旧および復号化における最終的な信号−ノイズの考
慮によって、より高い限度にする。実際的な問題として、Nを、所望の固有の異なった″
署名″の数のような、用途の特定の理由に基づいて選択する。説明するために、N=12
8とすると、固有のディジタル署名の数は、10^^38(2^^128)以上になる。
この数は、十分な統計的な確実性をもって作品を検証することと、情報の正確な販売およ
び配布を示すことの双方に対して十分な値以上であると思われる。
この追加の信号の振幅またはパワーは、この方法論を使用する各々すべての用途の、審美
的なおよび情報の考慮によって決定する。例えば、非職業的なビデオは、平均的な人間の
眼に目立つことなしに、より高い埋め込み信号レベルを有することができるが、高精度オ
ーディオは、″ヒス″における不快な増加を人間の耳が知覚しないように比較的小さい信
号レベルのみを採用することができる。これらの供述は、一般的なものであり、各々の用
途は、埋め込み信号の信号レベルの選択において、それ自身の基準の組を有する。埋め込
み信号のより高いレベルは、より悪質なコピーを検証することができる。他方では、埋め
込み信号のより高いレベルは、より不快な知覚されるノイズが、もしかすると配布される
作品の価値に影響を及ぼすかもしれない。
【0025】
本発明の原理を用いることができる異なった用途の範囲を説明するために、本明細書は
、2つの異なったシステムを詳述する。第1のもの(よりよい名前が無いために、″バッ
チ符号化″システムと呼ぶ)は、存在するデータ信号に検証符号化を用いる。第2のもの
(よりよい名前が無いために、″リアルタイム符号化″と呼ぶ)は、発生された信号に検
証符号化を用いる。これらの当業者は、本発明の原理を、特に記述したこれらに加えて、
多くの他の状況に用いることができることを認識するであろう。
【0026】
これらの2つのシステムの論考を、どちらの順番で読むこともできる。何人かの読み手
は、後者が前者より直観的であることに気づき、他の者にとっては、その反対が真実であ
ろう。
【0027】
バッチ符号化
実施例の第1の組の以下の論考は、関連する用語を規定する段落によって最も良く始めら
れる。
【0028】
オリジナル信号を、オリジナルディジタル信号か、非ディジタル信号の高品質にディジ
タル化されたコピーに適用する。
【0029】
Nビット検証ワードを、8から128までのNレンジを代表的に有し、開示された変換
処理を経て最終的にオリジナル信号において配置される検証コードである、固有検証2進
値に適用する。示された実施例において、各々のNビット検証ワードは、値′0101′
の配列から始まり、疑わしい信号(後述する定義を参照)における信号−ノイズ比の最適
化を決定するのに使用される。
【0030】
Nビット検証ワードのm番目のビット値を、Nビットワードの左から右に読んだときの
m番目の位置に値に対応するゼロまたは1のいずれかとする。例えば、N=8検証ワード
01110100の第1(m=1)ビット値は、値′0′であり、この検証ワードの第2
ビット値は、′1′である、等。
【0031】
m番目の独立埋め込みコード信号を、オリジナル信号に正確に等しい次元および量(例
えば、双方が512かける512ディジタル画像)を有し、(示した実施例においては)
ディジタル値の独立した擬似ランダムな配列である信号に適用する。″擬似″は、純粋な
ランダム状態を哲学的に決定する困難に敬意を払い、″ランダム″信号を発生する種々の
許容しうる方法が存在することを示す。いかなる所定のオリジナル信号にも、関係する正
確にN個の独立した埋め込みコード信号が存在する。
【0032】
許容しうる知覚されるノイズレベルを、どの位の″余分なノイズ″、すなわち次に記述
する複合埋め込みコード信号の振幅を、オリジナル信号に追加し、販売または別な方法の
配布に対して許容しうる信号を依然として有していられるかの用途固有の決定に適用する
。本明細書は、許容しうる代表的な値としてノイズにおける1dBの増加を使用するが、
これは、全く任意である。
【0033】
複合埋め込みコード信号は、オリジナル信号と正確に等しい次元および量(例えば、双
方が512かける512ディジタル画像)を有し、Nの独立埋め込みコード信号の追加で
固有の減衰を含む信号に適用する。独立埋め込みコードを、任意のスケールにおいて発生
するが、複合信号の振幅は、前もってセットされた許容しうる知覚られるノイズレベルを
越えてはならず、したがってNの追加独立コード信号の″減衰″を必要とする。
【0034】
配布可能信号を、オリジナル信号に複合埋め込みコード信号を加えたものから成る、オ
リジナル信号とほぼ同様のコピーに適用する。これは、外部の社会に配布され、オリジナ
ル信号より僅かに高いが許容しうる″ノイズ特性″を有する信号である。
【0035】
疑わしい信号を、オリジナルおよび配布された信号の全体的な外観を有し、そのオリジ
ナルに検証が一致する可能性を疑われている信号に適用する。疑わしい信号がNビット検
証ワードに一致する場合、解析すれば分かる。
【0036】
この第1実施例の詳細な方法論は、Nビットワードをmビット値の各々にこれらの対応
する結果として複合信号中に蓄積される独立埋め込みコード信号を乗算することによって
オリジナル信号に埋め込むことから始まり、完全に合計された複合信号を次に許容しうる
知覚されるノイズ振幅に減衰させ、結果として得られるオリジナル信号に加えられた複合
信号が配布可能信号になる。
【0037】
次にオリジナル信号とNビット検証ワードとすべてのNの独立埋め込みコード信号とを
、安全な場所に格納する。次に疑わしい信号を見つける。この信号は、多数のコピー、圧
縮および伸長、異なった間隔のディジタル信号への再標本化、ディジタルからアナログへ
そこから戻ってディジタル媒体への変換、またはこれらの項目のなんらかの組み合わせを
受けたかもしれない。この信号が、依然としてオリジナルと同様に見える場合、すなわち
その本質的な性質が、これらの変換およびノイズの付加のすべてによってまったく破壊さ
れない場合、埋め込み信号のノイズ特性に対する信号に応じて、検証処理を、統計上の確
実さのある目的の程度に機能させるべきである。疑わしい信号の改ざんの程度と、オリジ
ナルの許容しうる知覚されるノイズレベルとを、検証の要求される信頼性レベルの2つの
キーパラメータとする。
【0038】
疑わしい信号における検証処理を、疑わしい信号をディジタルフォーマットおよびオリ
ジナル信号の範囲に再標本化および整列することによって始める。したがって画像が2の
因子によって減少している場合、同じ因子によってディジタル的に増大させる必要がある
。さらに、音楽の一部が″削除″されているが依然としてオリジナルと同じ標本化率を有
する場合、オリジナルのこの削除部分を記録する必要があり、これを代表的に、2つの信
号の局所ディジタル相関(通常のディジタル操作)を行い、これの見つけた遅延値を使用
して、オリジナルの部分に対する切断部分を記録することによって行う。
【0039】
疑わしい信号をオリジナルに対して標本化間隔を一致させ記録すると、疑わしい信号の
信号レベルを実効的意味においてオリジナルの信号レベルに一致させるべきである。これ
を、オフセット、2つの信号間のエラーの二乗平均の最小値を前記増幅及びガンマのパラ
メータの関数として使用することによって最適化されている前記3つのパラメータを探索
することによって行うことができる。この点において規格化され記録された、または便利
のために単に規格化された疑わしい信号を呼び出すことができる。
【0040】
このとき新たに適合された対は、規格化された疑わしい信号から減算されたオリジナル
信号を有し、差信号を提供する。次に差信号を、N個の独立埋め込みコード信号と記録さ
れたピーク相関値の各々と相互に関係させる。第1の4ビットコード(′0101′)を
、0値および1値の平均値と、ノイズ値がより上質の信号を望むなら2つの信号の更なる
整合との双方におけるキャリブレータとして使用する(すなわち、0101の最適な分離
は、2つの信号の最適な整合を示し、Nビット検証信号の蓋然的な存在が存在することも
示す)。
【0041】
結果として得られるピーク相関値は、0101キャリブレーション配列によって見つけ
られた0および1の平均値に近接することにより0および1に変換することができる浮動
小数点数のノイズの組を形成する。疑わしい信号が本当にオリジナルから得られたもので
ある場合、上述した処理から結果として得られる検証数は、オリジナルのNビット検証ワ
ードと一致し、″ビットエラー″統計が予測されたものか既知でないものかを示す。信号
−ノイズの考慮は、検証処理においてあの種類の″ビットエラー″が存在する場合、検証
のX%の確率の状態を導くことを決定し、ここでXは、99.9%であることが望まれる
。疑わしい信号が本当にオリジナルのコピーではない場合、0および1の本質的にランダ
ムの配列が発生し、結果として生じる値の分離の明らかな不足が発生する。すなわち、結
果として得られる値をヒストグラムにプロットすると、Nビット検証信号の存在は強い2
レベル特性を示すが、コードの非存在または異なったオリジナルの異なったコードの存在
は、ランダムな正規分布状の形式を示す。このヒストグラムの分離は、検証に対して十分
であるが、正確なバイナリ配列を客観的に再生できる場合、検証のより強い証拠となる。
【0042】
特別な例
カクテルパーティにおける二人の国家首席の高価な絵を手に入れ、この絵が市場において
ある妥当な報酬を得るに値するのが確実であるとする。我々は、この絵を売ることを望み
、許可されないまたは支払われない方法で使用されないことを保証する。このことと以下
のステップとを、図2において要約する。
【0043】
この絵を、陽画のカラープリントに変換すると仮定する。我々は始めにこれを、代表的
な光度測定スペクトル応答曲線を有する通常の高品質白黒スキャナによって、ディジタル
化された形式に走査する(カラー画像の3原色の各々において走査することによって、ノ
イズ比に対してより良い最終的な信号を得ることができるが、このニュアンスは、基本的
な処理を記述することに対しては重要ではない)。
【0044】
ここで、走査された画像は、12ビットグレイ値または4096の許可されたレベルに
よって規定される精度のグレイスケールを有する4000×4000画素のモノクローム
ディジタル画像になると仮定しよう。我々は、これを、これが前記定義における″オリジ
ナル信号″と同一であることを表す″オリジナルディジタル画像″と呼ぶ。
【0045】
走査処理の間、我々は、ディジタル値′30′に対応する絶対的な黒を任意に設定する
。我々は、オリジナルディジタル画像において存在する基本2ディジタル数実効ノイズに
加えて、所定の画素の輝度値の平方根の理論上のノイズ(産業界において″ショットノイ
ズ″として知られている)が存在することを見積もる。式において、我々は、
〈RMS Noisen,m〉=sqrt(4+(Vn,m−30)) (1)
を有する。ここで、nおよびmは、画像の行および列において0から3999まで変動す
る簡単な表示値である。Sqrtは、平方根である。Vは、オリジナルディジタル画像に
おける所定の表示画素のDNである。RMSnoiseの周囲の〈〉括弧は、これが期待
される平均値であることを単に意味し、ここで各々すべての画素が、ランダムエラーを個
別に有することは明らかである。したがって、ディジタル数または″輝度値″として12
00を有する画素値に対して、我々は、その期待される実効ノイズ値がsqrt(120
4)=34.70であることが分かり、この値は、1200の平方根である34.64に
まったく近い。
【0046】
我々はさらに、画素の固有の輝度値の平方根が、正確に眼が最小の不快なノイズとして
知覚する値ではないことを理解しており、したがって我々は、式、
〈RMS Addable Noisen,m〉=X*sqrt(4+(Vn,m−30)^Y) (2)
を提案する。ここで、XおよびYを、我々が調節する経験的なパラメータとして加えてお
り、″addable″ノイズは、上述した定義による我々の許容しうる知覚されるノイ
ズレベルに属するものである。我々はここで、我々が選択することができるXおよびYの
正確な値はどの位なのかを実験しようと思うが、我々は、我々が処理の次のステップを実
行するのと同時に行う。
【0047】
我々の処理の次のステップは、我々のNビット検証ワードのNを選択することである。
我々は、65536の可能な値を有する16ビット主検証値が、画像が我々のものである
ことを検証するのに十分に大きく、我々が、我々が追跡を望む画像の128のコピーのみ
を直接販売すると決定し、7ビットに、最初の7ビットの奇数/偶数の加算(すなわち、
最初の7ビットにおけるビットのエラー照合)用の第8ビットを加える。ここで必要な全
体のビットは、0101キャリブレーション配列用4ビットと、主検証用16ビットと、
バージョン用8ビットとであり、我々はここで、最初の28ビットにおける他のエラー照
合値として他の4ビットを投入し、Nとして32ビットを与える。最後の4ビットは、そ
の4ビットを選択するために、多くの業界標準エラー照合方法の1つを使用することがで
きる。
【0048】
我々はここで、16ビット主検証数をランダムに決定し、例として、11010001
10011110を得る。すなわち、販売されたオリジナルの我々の第1のバージョン
は、バージョン識別子としてすべて0を有し、エラー照合ビットは一致しなくなる。我々
はここで、我々がオリジナルディジタル画像に埋め込む我々の固有32ビット検証ワード
を有する。
【0049】
これを行うために、我々は、我々の32ビット検証ワードの各々のビットに対して、3
2の独立したランダムの4000×4000の符号化画像を発生する。
これらのランダム画像を発生する方法を示す。これらを発生する極めて多くの方法が存在
する。明らかに最も簡単な方法は、オリジナル写真における走査に使用される同じスキャ
ナにおいて、入力としてこの時だけ黒い画像を置き、次にこれを32回走査することによ
ってゲインを上昇させることである。この技術の欠点は、大容量のメモリが必要なことと
、″固定パターン″ノイズが、各々の独立″ノイズ画像″の一部となることだけである。
しかし、固定パターンノイズを、通常の″ダークフレーム″減算技術によって除去するこ
とができる。我々は、通常ゲイン設定において2DN実効ノイズを見つけるよりもむしろ
、絶対黒平均値をディジタル数′100′において設定すると仮定し、ここで我々は、各
々すべての画素の平均値について10DNの実効ノイズを見つける。
【0050】
我々は次に、中間空間周波数バンドパスフィルタ(空間相乗)を、各々すべての独立ラ
ンダム画像に用い、これらから極めて高い空間周波数と極めて低い空間周波数とを本質的
に除去する。我々は、幾何学的な歪みや、スキャナにおける汚れや、整合誤りのような簡
単な現実世界のエラー源の大部分は、より低い周波数において現れ、我々は、これらの形
式の改ざんを回避するために、より高い空間周波数における我々の検証信号に集中したい
ため、極めて低い周波数を除去する。同様に我々は、所定の画像の多数の世代のコピーや
圧縮−伸長変換は、より高い周波数をどんな方法でも破壊する傾向があり、これらの周波
数が最も減衰する傾向がある場合、これらの周波数中に多すぎる検証情報が位置する点が
存在しないようにするために、より高い周波数を除去する。したがって、我々の新たな抽
出された独立ノイズ画像は、中央空間周波数によって支配される。実際的な特徴において
、我々は我々のスキャナにおいて12ビット値を使用し、我々はDC値を効果的に除去し
、我々の新たな実効ノイズは10ディジタル数より僅かに少ないことから、これを、結果
として得られるランダム画像として−32から0を通って31まで変動する6ビット値に
圧縮することが有効である。
【0051】
次に我々は、対応する32ビット独立検証ワードのビット値において1を有するランダ
ム画像のすべてを互いに加算し、16ビット署名整数画像における結果を蓄積する。これ
は、複合埋め込み信号の非減衰および非比例バージョンである。
【0052】
次に我々は、式2のXおよびYパラメータを変化させることによって、複合埋め込み信
号をオリジナルディジタル画像に加えることによって視覚的に実験する。式において、我
々は、以下の式においてXの最大化と適切なYを見つけることとを繰り返し、
Vdist;n,m=Vorig;n,m+Vcomp;n,m*X*sqrt(4+Vorig;n,m^Y) (3)
ここで、distを候補配布可能画像に適用し、すなわち我々は、我々に許容しうる画像
を与えるXおよびYを見つけることを視覚的に繰り返し、orgをオリジナル画像の画素
値に適用し、compを複合画像の画素値に適用する。nおよびmは、画像の行および列
を依然として示し、この操作を4000×4000画素の全てにおいて行うことを示す。
符号Vは、所定の画素および所定の画像のDNである。
【0053】
ここで任意の仮定として、我々は、我々の視覚的実験が、オリジナル画像を候補配布可
能画像と比較した場合、X=0.025およびY=0.6の値が許容しうる値であること
を発見したと仮定する。すなわち、″追加ノイズ″を有する配布可能画像は、美的センス
においてオリジナルに許容しうるほど近い。我々の独立ランダム画像が10DN程度のラ
ンダム実効ノイズ値を有し、16程度のこれらの画像を互いに加算することが複合ノイズ
を40DN程度に増加させることから、0.025のX増加値が、追加の実効ノイズを1
DN程度またはオリジナルにおける我々の固有ノイズの振幅の半分に戻すことに注意され
たい。これは大雑把に言って、暗い画素値のノイズにおける1dBであり、0.6のY値
によって変化したより明るい画素においてより高い値に対応するものである。
【0054】
このようにこれらのXおよびYの2つの値によって、我々はここで、我々のオリジナル
の配布可能コピーの第1バージョンを構成する。他のバージョンは、単に新たな複合信号
を形成し、必要だと考えるならXを僅かに変更する。我々はここで、オリジナルディジタ
ル画像を、各々のバージョン用32ビット検証ワードと、32の独立ランダム4ビット画
像と共に固定し、我々のオリジナルの疑わしい著作権侵害の我々の最初のケースを待つ。
記憶方法、これは、オリジナル画像用に14メガバイト程度、ランダム検証埋め込み画像
用に32×0.5バイト×16000000=〜256メガバイト程度である。これは、
1つの高価な画像に関して完全に許容しうる。多少の記憶装置の節約は、簡単な無損失圧
縮によって得ることができる。
【0055】
我々の画像の疑わしい著作権侵害の発見
我々は、我々の画像を販売し、数カ月後、見た ところは我々の画像から切り取られ剽窃
され、他の様式化された背景場面に置かれたものを見つける。この新たな″疑わしい″画
像は、所定の雑誌出版の100000コピーにおいて印刷されているとする。我々はここ
で、我々のオリジナル画像の一部が許可されない方法で実際に使用されているかどうかを
決定しようとする。図3は、詳細を要約する。
【0056】
第1のステップは、前記雑誌の発行物を入手し、前記画像をその上に有するページを切
り取り、この時、慎重に、しかし慎重に成り過ぎずに、普通の鋏を使用して背景画像から
2つの図を切り取ることである。もし可能なら、我々は、2つの図を別々に切り取るより
も、1つの接続された部分のみを切り取る。我々は、これを黒い背景上に張り付け、この
ことは、視覚的検査を行うのを簡単にする。
【0057】
我々はここで、我々の安全が保証された場所からオリジナルディジタル画像を32ビッ
ト検証ワードおよび32の独立埋め込み画像と共に得る。我々は、オリジナルディジタル
画像を、標準画像操作ソフトウエアを使用する我々のコンピュータスクリーン上に配置し
、我々は、疑わしい画像の我々のマスクされた領域と同じ境界線に沿っておおまかに切断
し、同時に同じ様にこの画像をおおまかにマスクする。′おおまか′という言葉を、正確
な切断が必要でないことから使用し、これは単に検証統計が合理的に終了されるのを助け
る。
【0058】
次に我々は、マスクされた疑わしい画像を再スケーリングし、我々のマスクされたオリ
ジナルディジタル画像の寸法に大まかに適合させる、すなわち我々は、疑わしい画像を拡
大または縮小し、それをオリジナル画像の上に大まかに重ね合わせる。我々がこの大まか
な整合を行った後、我々は次に、これらの2つの画像を、自動化されたスケーリングおよ
び整合プログラムに投入する。このプログラムは、x位置、y位置および空間スケールの
3つのパラメータを捜索し、2つの画像間の二乗平均されたエラーが、なんらかの所定の
スケール変数とxおよびyオフセットとで与えられるという形態の利点を有する。これは
、全く標準的な画像処理方法論である。代表的に、これを、大体において滑らかな補完技
術を使用して行い、サブ画素精度に行う。探索方法を、多くのものの1つとすることがで
き、シンプレックス方法を代表的な1つとする。
【0059】
最適なスケーリングをし、x−y位置変数を見つけたら、次に、前記2つの画像の黒レ
ベルと輝度ゲインとガンマとの最適化における他の探索を行う。再び使用すべき利点の形
態は、二乗平均エラーであり、再びシンプレックスまたは他の探索方法論を、これら3つ
の変数の最適化に使用することができる。これらの3つの変数を最適化した後、我々は、
これらの修正を疑わしい画像に用い、それを、オリジナルディジタル画像およびそのマス
クの画素間隔およびマスキングとに正確に整合させる。我々はここで、これを基準マスク
と呼ぶことができる。
【0060】
次のステップは、新たに規格化された疑わしい画像から基準マスク領域内のみオリジナ
ルディジタル画像を減算することである。この新たな画像を、差画像と呼ぶ。
【0061】
次に、32の独立ランダム埋め込み画像すべてに渡って、マスクされた差画像とマスク
された独立埋め込み画像との間の局所相関を行う。′局所′を、上述した探索手順中、発
見された2つの画像の名目上の整合点間のオフセットの+/−1画素のオフセット領域に
よって相関させるのを開始することのみが必要であるという概念に適用する。相関のピー
クを、0,0オフセットの名目上の整合点に極めて近くすべきであり、我々は、3×3相
関値を互いに加算し、我々の32ビット検証ワードの32の独立ビットの各々に対する1
つの総括的な相関値を与えることができる。
【0062】
すべての32ビット位置とこれらの対応するランダム画像のすべてにこれを行った後、
我々は、32値の準浮動小数点配列を有する。最初の4値は、0101の我々のキャリブ
レーション信号を表す。我々はここで、第1および第3浮動少数点値の平均を取り、この
浮動小数点値を′0′と呼び、第2および第4値の平均を取り、この浮動少数点値を′1
′と呼ぶ。我々は次に、残りのすべての28ビット値に進み、単にこれらがより近い平均
値に基づいて′0′または′1′のいずれかを割り当てる。簡単に言うと、疑わしい画像
が実際に我々のオリジナルのコピーの場合、埋め込み32ビット結果コードは、我々の記
録のそれと一致すべきであり、それがコピーでない場合、我々は全体的なランダム状態を
得るべきである。3)コピーであるが検証番号と一致しない第3の可能性と、4)コピー
ではないが適合する第4の可能性があり得る、3)の場合において、処理の信号ノイズ比
が重圧を受ける、すなわち疑わしい画像′が正確にオリジナルの極めて粗末なコピーであ
る場合にあり得、4)の場合において、我々が32ビット検証番号を使用していることか
ら基本的に40億に1つの可能性がある。我々が4)を本当に心配する場合、我々は、同
じ雑誌の異なった刊行物においてこれらのテストを行う第2の独立した試験場を単に有す
ることができる。最後に、これらの値が何を与えるのかを考慮したエラーチェックビット
の照合は、処理全体において最終的な出来るかぎり過剰な検査である。ノイズ対する信号
が問題に成りうる状況において、これらのエラーチェックビットを、多すぎる害なしに除
去することができる。
【0063】
利益
第1の実施例の完全な説明を、詳細な例によって記述した今、処理ステップとこれらの利
点との理論的解釈を指摘することが適切である。
【0064】
前述の処理の最終的な利益は、検証番号を得ることが、差画像を準備する手段および方
法と完全に独立していることである。すなわち、切断、整合、スケーリング、等のような
差画像の準備の方法は、検証番号が存在しない場合、検証番号を発見するオッズが増加せ
ず、真の検証番号が存在する場合、検証処理の信号−ノイズ比のみが役に立つ。検証用画
像を準備する方法は、互いに異なっているかもしれず、一致を形成する多数の独立した方
法論の可能性を提供する。
【0065】
オリジナル信号または画像の部分集合において一致を得る能力は、今日の情報に富んだ
世界におけるキーポイントである。画像および音声部分の双方の切断および張り付けは、
より一般的になり、このような実施例をオリジナル作品が不正に使用されている場合、コ
ピーを検出するのに使用させる。最後に、信号ノイズ比の一致は、コピー作品それ自身が
ノイズまたは顕著な歪みのいずれかによって顕著に変化している場合のみ困難となり、こ
れらの双方がコピーの商業的価値に影響し、その結果、このシステムを妨げようとするこ
とは、商業的価値における費用の莫大な減少においてのみ行うことができる。
【0066】
本発明の初期の概念は、1つのみの″スノー状″画像またはランダム信号をオリジナル
画像に付加する場合、すなわちN=1の場合であった。この信号を″複合化″することは
、この信号の存在または不在における判断を行う(一般的に統計的な)アルゴリズムを使
用する、その後の数学的解析を含む。このアプローチを上述した実施例として放棄した理
由は、前記信号の存在または不在の検出の確実性において固有の灰色領域が存在すること
である。″0″から″1″の間で選択する方法を規定する簡単な予め規定されたアルゴリ
ズムと組み合わされた多数のビット段階すなわちN>1への前方への変化によって、本発
明は、専門的な統計的解析から、コイン投げのようなランダム2値事象を推定する分野に
、確実な問題を変化させた。これは、裁判所および市場の双方における本発明の直観的な
許容に関係する有力な特徴として見られる。この全体の問題に対する発明者の考えを要約
する類似は、次のようなものである。1つの検証番号の捜索は、コイン投げを1回のみコ
ールし、このコールを行うことを秘密の専門家に期待することに等しいが、本発明の上述
したN>1の実施例は、コイン投げをN回連続して正確にコールする明白に直観的な原理
に期待する。この状況は、非常に苛立たせるものであり、すなわち、画像および音声部分
がより小さい範囲を得た場合、1つの信号の存在の″改ざん″の問題である。
【0067】
N>1の場合がN=1の実施例よりも好適な実施例である他の理由は、N=1の場合に
おいて、疑わしい画像を準備し操作する方法が、正の検証を行う可能性を得ることである
。したがって、専門家が検証の決定を行う方法は、この決定の必須の部分となる。この決
定を行う多数の数学的および統計的アプローチの存在は、いくつかのテストが正の決定を
行い、一方他のテストが負の決定を行うという可能性を残し、種々の検証アプローチの相
対的な利点についての他の秘密の議論をもたらす。本発明のN>1の好適実施例は、既知
の個人コード信号を不正に使用する前処理以外は信号の前処理なしで″コイン投げをN回
連続してコールする″可能性を増加することができる方法を提供することによって、この
他の灰色領域を回避する。
【0068】
本システムの最も完全な説明は、業界標準および多数の独立したグループが、埋め込み
検証番号の適用およびその解読における彼ら自身の手段または″企業内ブランドを設定す
るようになる場合、見えてくるだろう。多数の独立したグループ検証は、本方法の最終的
な目的をさらに強化し、これによって業界標準としての魅力が増強される。
【0069】
複合埋め込みコード信号の生成における真の極性の使用
上述した論考は、その目的を実行するためにバイナリ技術の0および1の形式論を使用し
た。特に、Nビット検証ワードの0および1は、これらの対応する独立埋め込みコード信
号に直接乗算され、複合埋め込みコード信号を形成する(ステップ8、図2)。このアプ
ローチは、その概念の簡単さを確かに有するが、埋め込みコードの記憶と共に埋め込みコ
ード信号の0による乗算は、一種の非能率さを含む。
【0070】
Nビット検証ワードの0および1の性質の形式論を保持するが、これらの対応する埋め
込みコード信号を減算させるワードの0を有することが好適である。したがって、図2の
ステップ8において、Nビット検証ワードにおいて′1′に対応する独立埋め込みコード
信号を′加算′するだけよりも、Nビット検証ワードにおいて′0′に対応する独立埋め
込みコード信号の′減算′も行う。
【0071】
一見して、これは、最終的な複合信号により明白なノイズを付加しているように見える
。しかし、0から1へのエネルギ幅分離は増加し、したがって図2のステップ10におい
て使用される′ゲイン′を、相対して低くすることができる。
【0072】
我々は、この改良を、真の極性の使用と呼ぶことができる。この改良の主な利点を、′
情報の効率′として大きく要約することができる。
【0073】
独立埋め込みコード信号の′知覚の直交性′
上述した論考は、一般にランダムノイズ状信号を独立埋め込みコード信号として使用する
ことを考察した。これは、発生する信号の恐らく最も簡単な形式である。しかしながら、
独立埋め込み信号の組に用いることができる情報最適化の形式が存在し、本出願人は′知
覚の直交性′という題目の下に記述する。この用語は、この直交性が、検証情報の信号エ
ネルギを最大化すると同時に、ある知覚しうるしきい値より下に保持すべきであるという
現在の追加の要求による、ベクトルの直交性の数学的な概念に大まかに基づいている。他
の方法において、埋め込みコード信号は、必然的に現実にランダムであることを必要とし
ない。
【0074】
感光乳剤ベースの写真の領域における第1実施例の使用および改良
上述した論考は、写真作品に適用できる技術を概説した。以下の節は、この領域の詳細を
さらに説明し、これら自身を広範囲な用途に適合させるいくらかの改良を開示する。
【0075】
論考すべき第1の領域は、ネガフィルム、プリント紙、トランスペアレンシ等のような
慣例的な写真作品上に通し番号を前記入または前露光することを含む。一般に、これは、
先験的に固有な通し番号(および含有的に所有権およびトラッキング情報)を写真作品中
に埋め込む方法である。通し番号それ自体は、余白に追いやられるか、プリントされた写
真の背景上にスタンプされるのに対比して、通常の露光された画像の恒久的な部分であり
、コピーと別の位置と別の方法とを必要とする。ここで呼ぶ′通し番号′は、一般にNビ
ット検証ワードと同義語であり、ここでのみ我々は、より一般的な業界用語を使用してい
る。
【0076】
図2のステップ11において、本開示は、″オリジナル〔画像〕″をコード画像ととも
に記憶することを命じる。次に図3のステップ9において、疑わしい画像からオリジナル
画像を減算し、これによって、可能な検証コードにノイズおよび改ざんが蓄積されたもの
のすべてを加えたものか残るように命令する。したがって、以前の開示は、複合埋め込み
信号なしにオリジナルが存在するという暗黙の仮定をおこなった。
【0077】
ここで、プリント紙および他のコピー製品を販売する場合において、これは依然として
この場合、すなわち″オリジナル″が埋め込みコード無しに実際に存在し、第1実施例の
基本的な方法論を用いることができる。オリジナルフィルムは、′非符号化オリジナル′
として完全に良好に役立つ。
【0078】
しかしながら、前露光されたフィルムを使用する場合において、複合埋め込み信号がオ
リジナルフィルム上に予め存在し、したがって予め埋め込まれた信号と分離し、″オリジ
ナル″は、決して存在しない。しかしながら、この後者の場合は、上記で説明した原理を
どのように最適に使用するかにおいての観察とともに、ビットをより厳密に調査する(前
者の場合は前記で概説した方法に固執する)。
【0079】
予め番号付けられたネガフィルム、すなわち、各々すべてのフレームに極めて微かな固
有複合埋め込み信号を前露光されたネガフィルムの場合の変更の最も明白な点は、以前示
した図3のステップ9において現れる。他の相違が確かに存在するが、信号をフィルム上
にどの様に何時埋め込むか、コード番号および通し番号をどの様に記憶するか、等のよう
な現実に主として論理的なものである。明らかに、フィルムの前露光は、フィルムの生成
および包装の一般的な大量生産工程に大きな変化をもたらす。
【0080】
図4は、フィルムを前露光する1つの可能性のあるこれ以後の機構の図式的な略図であ
る。′これ以後′を、すべての共通製造工程をすでに行った後に処理を行うことに適用す
る。結局、経済的規模が、この前露光工程をフィルム製造の連鎖中に直接に配置すること
を要求する。図4に示すものは、フィルム書き込みシステムとして既知である。コンピュ
ータ106は、図2のステップ8において生成される複合信号をその蛍光スクリーン上に
表示する。次にフィルムの所定のフレームを、この蛍光スクリーンの像を映すことによっ
て露光し、このときの露光レベルを一般的に極めて微かに、すなわち一般的にごく僅かに
する。明らかに、市場が、これをどの位僅かにすべきかの市場自身の要求、すなわち弁護
士が見積もる、加えられた″性質″のレベルを設定するであろう。フィルムの各々のフレ
ームを、逐次的に露光し、一般にCRT102において表示される複合画像を各々すべて
のフレーム毎に変化させ、これによってフィルムの各々のフレームに異なった通し番号を
与える。変換レンズ104は、フィルムフレームの焦点変化面とCRT表面とを強調する

【0081】
前露光ネガフィルムの場合における前述の実施例の原理の適用に戻ると、図3のステッ
プ9において、″オリジナル″をその埋め込みコードとともに減算すると、コードがオリ
ジナルの整数部分であることから、明らかにコードも同様に″消去″する。運良く、救済
策が存在し、検証を依然として行うことができる。しかしながら、この実施例を改良する
技術者は、前露光ネガの場合における検証処理の信号ノイズ比を、非符号化オリジナルが
存在する場合の信号ノイズ比に近づけることを要求される。
【0082】
この問題の簡単な定義は、この点における順番である。疑わしい写真(信号)
を仮定した場合、コードがどこかに存在する場合、埋め込み検証コードを見つける。この
問題は、上述したようなノイズおよび改ざんの状況内だけでなく、ここでは取り込まれた
画像とコードとの間の結合の状況内でも、疑わしい写真内の各々すべての独立埋め込みコ
ード信号の振幅の発見の1つに減少する。′結合′を、ここでは取り込まれた画像が相関
に″ランダムにバイアスする″という概念に適用する。
【0083】
このように、信号結合のこの追加の項目を心に止めておくと、検証処理は、各々すべて
の独立埋め込みコードの信号振幅を見積もる(図3のステップ12では相関結果を得るの
に対して)。我々の検証コードが疑わしい写真中に存在する場合、発見される振幅は、′
1′を割り当てられている正振幅と′0′を割り当てられている負振幅を有する両振幅に
分割されている。我々の固有検証コードは、それ自身を明らかにする。他方で、このよう
な検証コードが存在しない場合、または何か他のコードである場合、振幅のランダムガウ
ス状分布は、値のランダムな寄せ集めによって見つかる。
【0084】
独立埋め込みコードの振幅をどの様に発見するかについてのいくつかの更なる詳細を与
えることが残っている。再び、運良く、この厳密な問題は、他の技術上の用途において処
理されている。さらに、この問題と少しの食料とを数学者と統計学者とで混み合っている
部屋に投げ込めば、ある適当な期間の後、半ダースの最適化された方法論が必ず出で来る
であろう。それは、ある程度きれいに定義された問題である。
【0085】
ある特別な例としての解決法は、天文学上の撮像の分野から生じる。ここで、成熟した
先行技術は、″熱ノイズフレーム″を物体の所定のCCD画像から減算する。しかしなが
らしばしば、熱フレームの減算においてどの位のスケーリング係数を使用するのかは明確
に既知ではなく、正確なスケーリング係数の探索が行われる。これは、明確に本実施例の
このステップの仕事である。
【0086】
一般的な習慣は、単に一般的な探索アルゴリズムをスケーリング係数において行い、ス
ケーリング係数を選択し、新たな画像を、
新たな画像=獲得された画像−スケーリング係数×熱画像 (4)
によって形成する。
【0087】
新たな画像に高速フーリエ変換ルーチンを用い、最終的に、新たな画像の積分高周波内
容を最小化するスケール係数を見つける。この個々の量の最小化による一般的な形式の探
索操作は、非常に一般的である。したがって発見されたスケール係数は、探索された″振
幅″である。考察されているがまだ実現されていない改良は、獲得された画像のより高い
導関数と埋め込みコードとの結合を、見積もり、計算されたスケール係数から除去するこ
とである。すなわち、上述した結合による特定のバイアス効果が存在し、最終的には理論
上および経験的な実験の双方によって明らかにされ除去されるべきである。
【0088】
信号または画像の変化の検出における使用および改良
全体として信号または画像を検証することの基本的な必要性から離れて、信号または画像
に対して起こりうる変化を検出する多少偏在する必要性も存在する。以下の節は、前記実
施例を、特定の変更および改良によって、この領域における有力な道具としてどのように
使用することができるかを記述する。
【0089】
最初に要約するために、我々は、前記で概説した基本的な方法を使用して正に検証され
た所定の信号または画像を有すると仮定する。すなわち、我々は、そのNビット検証ワー
ドと、その独立埋め込みコード信号と、その複合埋め込みコードとを知っている。次に我
々は、我々の所定の信号または画像内の複合コードの振幅の空間マップを全く簡単に形成
することができる。さらに我々は、規格化マップ、すなわちある大域的平均値の周囲を変
化するマップを与えるために、この振幅マップを既知の複合コードの空間振幅によって分
割することができる。このマップの簡単な調査によって、我々は、明白に変化して、規格
化振幅の値が代表的なノイズおよび改ざん(エラー)に単に基づくしきい値のある統計上
の組より低下するどの様な領域も、視覚的に検出することができる。
【0090】
振幅マップの形成の実施の詳細は、種々の選択を有する。1つは、上述した信号振幅の
決定に使用したのと同じ手順を行うことであり、ここでは我々は、我々が調査している領
域付近に中心が位置する正規重み関数を信号/画像のすべての所定の領域に乗算する。
【0091】
万能コード対カスタムコード
本明細書は、ここまでは、各々すべてのソース信号が独立埋め込みコード信号
の自分自身の組をどのように有するのかを概説した。これは、オリジナルに加えて相当な
量の追加のコード情報の記憶を必要とし、多くの用途には、より経済的な形式が適切であ
ろう。
【0092】
あるこのような節約のためのアプローチは、一組のソース作品に共通の独立埋め込みコ
ード信号の所定の組を有することである。例えば、我々の1000枚の画像がすべて、独
立埋め込みコード信号の同じ基本的な組を利用することができる。このときこれらのコー
ドに必要とされる記憶は、ソース作品に必要とされる記憶全体のほんの一部となる。
【0093】
さらに、いくつかの用途は、独立埋め込みコード信号の万能組、すなわち配布された作
品のすべての場合に同一のままであるコードを利用することができる。
この形式に必要なものは、Nビット検証ワードそれ自身を隠そうとし、このワードを読み
取ることができる統一された装置を有するシステムによって分かるであろう。これを、読
み取り位置の点において判断する/しないシステムにおいて使用することができる。この
設定をする潜在的な欠点は、万能コードは、より追跡または盗難されやすく、したがって
これらは、前記で開示した設備の装置および方法論より安全ではない。恐らくこれは、′
高い安全性′と′気密の安全性′との間の差であり、潜在的な用途の大部分にとってはあ
まり重要でない区別である。
大域埋め込みコードを付けることができる紙、文書、プラスチック加工身分証明カード、
および他の材料への印刷における使用
用語′信号′を、ディジタルデータ情報、オーディオ信号、画像、等を指示するためにし
ばしば狭義において使用する。′信号′のより広義の解釈と、より一般的に意図されたも
のとは、どの様な材料のどの様な形式の変化も含む。したがって、一般的な紙の断片のマ
イクロトポロギーは、信号(例えばx−y座標の関数としての高さ)となる。プラスチッ
クの平坦な断片の屈折特性は、(空間の関数としての)信号となる。要点は、写真感光乳
剤、オーディオ信号、およびディジタル化情報は、本発明の原理を使用することができる
信号の唯一の形式ではないということである。
【0094】
適切な場合として、ブライユ点字印刷機械に大変よく似た機械を、前記で概説した固有
の′ノイズ状′検証を付けるように設計することができる。これらの検証を、ブライユ点
字の形成において加えられるよりはるかに小さい圧力によって、そのパターンが書類の普
通の使用者によって認められないような位置に加えることができる。しかし、本明細書の
ステップを続け、微細な検証の機構によってこれらを用いることによって、固有検証コー
ドを、日常の便箋としての目的を意図したものや、重要な文書、法的な提出物、または他
の保証された作品である、どのような紙面にも配置することができる。
【0095】
このような実施例における検証作品の読み取りは、一般的に、文書を光学的に種々の角
度において単に読み取ることによって行われる。これは、紙面のマイクロトポロギーを推
論するために安価な方法となる。確かに紙のトポロギを読み取る他の形式も可能である。
【0096】
例えば運転免許書である身分証明カードのようなプラスチックに封入された作品の場合
において、同様のブライユ点字印刷機械に類似した機械を、固有検証コードを付けるのに
利用することができる。感光材料の薄い層をプラスチックの内側に埋め込み、′感光′さ
せることもできる。
【0097】
′ノイズ状′信号によって変調させることができる材料が存在するところならどこでも
、この材料は、固有検証コードおよび本発明の原理を利用するための適切なキャリヤとな
ることは明らかである。経済的に検証情報を付加し、信号レベルを各々すべての用途がそ
れ自身に対して規定する許容しうるしきい値より下に保持する問題が残りの全てである。
【0098】
付録Aの説明
付録Aは、8ビット白黒画像システムのための前述の実施例の実現および証明のソースコ
ードを含む。
【0099】
リアルタイムエンコーダ
実施例の第1の組は、画像または信号の符号化を行う標準的なマイクロプロセッサまたは
コンピュータを最も一般に使用し、代表的なフォンノイマン型プロセッサより速くするこ
とができるカスタム符号化装置を使用することができる。このようなシステムを、すべて
の様式のシリアルデータストリームに使用することができる。
【0100】
音楽およびビデオテープ記録を、シリアルデータストリーム、しばしば著作権侵害を受
けるデータストリームの例とする。許可された記録を検証データによって符号化し、著作
権侵害された盗品をこれらが形成されたものからオリジナルを探索できるようにしたなら
ば、実施の試みの助けとなるであろう。
【0101】
著作権侵害は、本発明を必要とすることの1つにすぎない。他の事は、認証である。し
ばしば、データの所定の組が(しばしばその発生から数年後)実際に何を意図しているの
かを確認することが重要になる。
【0102】
これらおよび他の必要性を説明するために、図5のシステム200を使用することがで
きる。システム200を、検証符号化ブラックボックス202として考えることができる
。システム200は、(後に″マスタ″または″非符号化″信号と呼ばれる)入力信号お
よびコードワードを受け、検証符号化出力信号を(一般にリアルタイムで)発生する。(
通常、本システムは、後の復号化に使用するキーデータを提供する。)
″ブラックボックス″202の中身は、種々の形態をとることができる。典型的なブラ
ックボックスシステムを図6に示し、これは、参照表204と、ディジタルノイズ源20
6と、第1および第2スケーラ208および210と、加算器/減算器212と、メモリ
214と、レジスタ216とを含む。
【0103】
(図示した実施例においては、1000000標本毎秒のレートにおいて供給される8
−20ビットデータ信号であるが、他の実施例においては、適切なA/DおよびD/Aコ
ンバータが設けられている場合、アナログ信号とすることができる)入力信号を、入力端
子218から参照表204のアドレス入力端子220に供給する。各々の入力標本(すな
わち、参照表アドレス)に対して、参照表は、対応する8ビットディジタル出力ワードを
供給する。この出力ワードを、第1スケーラ208の第1入力端子に供給されるスケーリ
ング係数として使用する。
【0104】
第1スケーラ208は、第2入力端子を有し、この入力端子にノイズ源206から8ビ
ットディジタルノイズ信号を供給する。(図示した実施例において、ノイズ源206は、
アナログノイズ源222およびアナログ−ディジタルコンバータ224を具えるが、再び
、他の手段を使用することができる。)図示した実施例におけるノイズ源は、50から1
00のディジタル数(例えば、−75から+75)の半値全幅(FWHM)を有する、ゼ
ロ平均出力値を有する。
【0105】
第1スケーラ208は、その入力端子における2つの8ビットワード(スケール係数お
よびノイズ)を乗算し、システム入力信号の各々の標本に対して、1つの16ビット出力
ワードを発生する。ノイズ信号がゼロ平均値を有することから、第1スケーラの出力信号
も同様にゼロ平均値を有する。
【0106】
第1スケーラ208の出力信号を、第2スケーラ210の入力端子に供給する。第2ス
ケーラは、大域的スケーリング機能を行い、最終的に入力データ信号中に埋め込まれる検
証信号の絶対量を確立する。前記スケーリング係数を、スケール制御装置226(簡単な
加減抵抗器から、グラフィカルユーザインタフェースにおいて図式的に実現された制御ま
で、多くの形態をとることができる)によって設定し、別個の用途の要求にしたがって変
更すべきこの係数を可能にする。第2スケーラ210は、その出力ライン228にスケー
ルノイズ信号を発生する。
このスケールノイズ信号の各々の標本を、メモリ214に順次記憶する。
【0107】
(図示した実施例において、第1スケーラ208からの出力信号は、−1500と+1
500(10進数)との間で変化しうるが、第2スケーラ210からの出力信号は、小さ
い1つの数字である(−2と+2との間のような)。)
レジスタ216は、多ビット検証コードワードを記憶する。図示した実施例において、
このコードワードは、8ビットから成るが、より大きいコードワード(数100ビットに
及ぶ)が一般的に使用される。これらのビットを一度に1つ参照し、入力信号のスケール
ノイズ信号による変調の程度を制御する。
【0108】
特に、ポインタ230を、レジスタ216におけるコードワードのビット位置を通じて
順次に循環させ、″0″または″1″の制御ビットを加算器/減算器212の制御入力端
子232に供給する。ある入力信号標本に関して、制御ビットが″1″の場合、ライン2
32におけるスケールノイズ信号標本を入力信号標本に加算する。制御ビットが″0″の
場合、スケールノイズ信号標本を入力信号標本から減算する。加算器/減算器212から
の出力端子は、ブラックボックスの出力信号を発生する。
【0109】
コードワードのビットに従ったスケールノイズ信号の加算または減算は、一般にごく僅
かな入力信号の変調に影響する。しかしながら、メモリ214の内容の認識によって、ユ
ーザは、符号化を後に復号化し、オリジナル符号化処理において使用されるコード番号を
決定することができる。(実際に、メモリ214の使用は、以下に説明するように任意で
ある。)
符号化信号を、印刷された画像に変換された形式、磁気媒体(フロッピー(登録商標)ディスク、アナログまたはDATテープ、等)に記憶された形式、CD−ROM、等々を含むよく知られた方法において配布することができることが認識されるだろう。
【0110】
復号化
種々の技術を、疑わしい信号が符号化されているままで検証コードを決定するのに使用す
ることができる。2つを以下で論考する。第1のものは、多くの用途にとって後者よりも
好適ではないが、ここで論考することによって、読み手は、本発明を理解するより完全な
状況を得るであろう。
【0111】
さらに特に、第1の復号化方法は、差方法であり、オリジナル信号の対応する標本を疑
わしい信号から減算し、差標本を得ることによるものであり、次に決定論的に符号化され
た証印(すなわち、記憶されたノイズデータ)に対して調査する。したがってこのアプロ
ーチを、″標本に基づく決定論的″復号化技術と呼ぶことができる。
【0112】
第2の復号化技術は、オリジナル信号を使用しない。個々の標本を調査して、予め決め
られたノイズ特性を探すこともしない。むしろ、疑わしい信号の統計値(またはこれらの
一部)を、全体として考え、分析して、信号全体に充満する検証信号の存在を識別する。
充満に対する言及は、検証コード全体を、疑わしい信号の小さい部分から識別することが
できることを意味する。したがってこの後者のアプローチを、″ホログラフィック統計的
″復号化技術と呼ぶことができる。
【0113】
これらの方法の双方は、疑わしい信号をオリジナルに整合させることによって開始する
。これは、スケーリング(例えば、振幅、継続時間、色バランス、等における)と、オリ
ジナルの標本化レートを復旧するための標本化(または再標本化)とを必要とする。上述
した実施例におけるように、この整合機能に関係する操作を行うことができる種々の良く
理解された技術が存在する。
【0114】
言及したように、第1の復号化アプローチは、オリジナル信号を整合された疑わしい信
号から減算し、差信号を残すことによって生じる。次に連続する差信号
標本の極性を、対応する記憶されたノイズ標本信号の極性と比較し、検証コードを決定す
ることができる。すなわち、第1差信号標本の極性が第1ノイズ信号標本の極性と一致し
た場合、検出コードの第1ビットを″1″とする。(このような場合、9番目、17番目
、25番目、等の標本の極性も、すべて正とすべきである。)第1差信号標本の極性が、
対応するノイズ信号標本の極性と反対である場合、検証コードの第1ビットを″0″とす
る。
【0115】
差信号の8つの連続する標本について前述の分析を行うことによって、オリジナルコー
ドワードを具えるビットの配列を決定することができる。好適実施例におけるように、符
号化中、ポインタ230が、コードワードを通じて一度に1ビット進み、第1ビットによ
って開始する場合、差信号の最初の8つの標本を分析し、8ビットコードワードの値を唯
一決定することができる。
【0116】
ノイズの無い世界(ここで言っているノイズは、検証符号化に作用するノイズと無関係
である)において、前述の分析は、常に正確な検証コードをもたらす。しかし、ノイズの
無い世界においてのみ適合した処理は、実際は利用が制限される。
【0117】
(さらに、ノイズの無い状況における信号の正確な検証を、種々の他のより簡単な方法
、例えば、チェックサム、すなわち、疑わしい信号およびオリジナル信号間の統計的不可
能性一致、等によって処理することができる。)
復号化においてノイズが引き起こす異常を、信号の大きな部分を分析することによって
、ある程度まで、処理することができるが、このような異常は、処理の信頼性において実
際的な上限を依然として設定する。さらに、直面しなければならない悪人は、常にランダ
ムノイズより優しくない。むしろ、人間によって引き起こされる形式の改ざん、歪み、不
正な操作、等が、益々選択される。これらのような場合において、検証の信頼性の所望の
程度は、他のアプローチによってのみ達成される。
【0118】
現在好適なアプローチ(″ホログラフィック、統計的″復号化技術)は、疑わしい信号
を特定のノイズデータ(代表的に、メモリ214に記憶されたデータ)と再結合し、結果
として得られる信号のエントロピを分析することに頼っている。
″エントロピ″を、その最も厳密な数学的定義において理解する必要はなく、単に、ラン
ダム性(ノイズ、平坦性、雪状性、等)を記述する最も簡潔な言葉とする。
【0119】
大部分のシリアルデータ信号は、ランダムではない。すなわちある標本は、通常、隣接
する標本と、ある程度相関する。対照的に、代表的にノイズは、ランダムである。ランダ
ム信号(例えば、ノイズ)を、非ランダム信号に加算した場合(またはこれから減算した
場合)、結果として得られる信号のエントロピは、一般的に増加する。すなわち、結果と
して得られる信号は、元の信号よりもランダムな偏差を有する。これは、現在の符号化処
理によって発生された符号化出力信号の場合であり、元の非符号化信号より大きいエント
ロピを有する。
【0120】
対照的に、ランダム信号の非ランダム信号への加算(またはこれからの減算)
が、エントロピを減少させる場合、なんからの例外が発生する。好適な復号化処理を使用
し、埋め込み検証コードを検出することが、この例外である。
【0121】
このエントロピに基づく復号化方法を十分に理解するために、8番目毎に同様の処理で
あるオリジナル復号化処理の特徴を強調することが第1の助けとなる。
【0122】
前記で論考した符号化処理において、ポインタ230は、コードワードを通じて、入力
信号の各々の連続する標本毎に1ビット増分する。コードワードが8ビット長の場合、ポ
インタは、コードワード中の同じビット位置に8番目の標本毎に戻ってくる。このビット
が″1″ならば、入力信号にノイズを加算し、このビットが″0″ならば、入力信号から
ノイズを減算する。したがってポインタ230の周期的な進行によって、符号化信号の8
番目毎の標本は、特徴を共有し、ポインタ230によってアドレスされているコードワー
ドのビットが″1″か″0″に応じて、これらをすべて、対応するノイズデータによって
増加するか(反対でもよい)、これらをすべて減少する。
【0123】
この特徴を利用するために、エントロピに基づく復号化処理は、疑わしい信号の8ビッ
ト毎に、同様の方法で処理する。特に、疑わしい信号の1番目、9番目、17番目、25
番目、等の標本に、メモリ214に記憶された対応するスケールのノイズ信号(すなわち
、各々、1番目、9番目、17番目、25番目、等のメモリ位置に記憶されたノイズ信号
)を加算することによって、処理は開始する。次に、結果として得られる信号(すなわち
、8番目の標本毎に変更された疑わしい信号)のエントロピを計算する。
【0124】
(信号のエントロピまたはランダム性の計算法は、当業者には良く知られている。一般
的に受け入れられているものは、各々の標本点において信号の導関数を取り、これらの値
を二乗し、信号全体に渡って合計することである。)
次に、上記のステップを繰り返し、この時、記憶されたノイズ値を、疑わしい信号の1
番目、9番目、17番目、25番目、等の標本から減算する。
【0125】
これらの2つの操作の一方は、符号化処理を取消し、結果として得られる信号のエント
ロピを減少させ、他方は、それを悪化させる。メモリ214中のノイズデータの疑わしい
信号への加算が、そのエントロピを減少させる場合、このデータは、以前オリジナル信号
から減算されたに違いない。これは、ポインタ230が、これらの標本が符号化された時
、″0″ビットを指していたことを示す。(加算器/減算器212の制御入力端子におけ
る″0″は、スケールノイズの入力信号からの減算を生じる。)
反対に、ノイズデータの疑わしい信号の8番目毎の標本からの減算が、そのエントロピ
を減少させる場合、符号化処理は、以前このノイズを加算したに違いない。これは、ポイ
ンタ230が、標本1、9、17、25、等が符号化された時、″1″を指していたこと
を示す。エントロピの減少が、記憶されたノイズデータの疑わしい信号への/からの(a
)加算または(b)減算のいずれかによるものかに注目することによって、コードワード
の第1ビットが、(a)″0″または(b)″1″であるかを決定することができる。
【0126】
上記の操作を、疑わしい信号の第2標本(すなわち、2、10)18、26...)に
始まる一定の間隔をおいた標本のグループに対して行う。結果として得られる信号のエン
トロピは、コードワードの第2ビットが、″0″または″1″のいずれであるかを示す。
疑わしい信号の続く6個のグループに対して同様に、コードワードの8ビットすべてを識
別するまで繰り返す。
【0127】
上述したアプローチが、個々の標本の値を変更する改ざん機構に変動されないことは、
理解されるであろう。すなわち、代わりに、このアプローチは、信号のエントロピを、結
果における高い程度の信頼性を生じるものと見なす。さらに、信号のわずかな抜粋をこの
方法によって分析し、オリジナル著作物の細部の著作権侵害も検出することができる。し
たがって結果として、疑わしい信号の自然および人的の改ざんの双方に直面して、統計的
に健全である。
【0128】
さらに、このリアルタイムの実施例におけるNビットコードワードの使用が、バッチ符
号化システムに関連して、上述したのと類似の利益をもたらすことが理解されるだろう。
(実際は、本実施例を、バッチ符号化システムにおいて、N個の差ノイズ信号を使用する
ものとして概念化することができる。第1ノイズ信号を、入力信号と同じ広がりを有し、
標本間に0を有する1番目、9番目、17番目、25番目、等の標本(N=8として)に
おけるスケールノイズ信号を具える信号とする。第2ノイズ信号を、標本間に0を有する
2番目、10番目、18番目、26番目、等の標本におけるスケールノイズ信号を具える
同様の信号とする。その他同様。これらの信号をすべて混合し、複合ノイズ信号を発生す
る。)このようなシステムにおいて固有の重要な利点の1つは、一致が真に一致である統
計的な信頼性(検証コードの各々の連続するビットとともに倍になる信頼性)の程度が高
いことである。このシステムは、疑わしい信号の1つの決定論的な埋め込みコード信号に
対する主観的な評価に頼らない。
【0129】
説明的な変形例
上述した説明から、示したシステムに対して、基本的な原理を変更することなく、多くの
変更を行えることが認識されるだろう。これらの変形例のいくつかを、以下に記述する。
【0130】
上述した復号化処理は、どちらの操作がエントロピを減少させるのかを見つけるために
、記憶されたノイズデータの疑わしい信号への/からの加算および減算の双方を試す。他
の実施例において、これらの操作の一方のみを行う必要がある。例えば、ある一方の復号
化処理において、疑わしい信号の8番目毎の標本に対応する記憶されたノイズデータを、
前記標本に加算のみ行う。結果として得られる信号がそのために増加した場合、コードワ
ードの対応するビットは、″1″である(すなわち、このノイズは、以前、復号化処理中
に加算されており、再び加算されたために、信号のランダム性のみが増加した)。結果と
して得られる信号がそのために減少した場合、コードワードの対応するビットは、″0″
である。
記憶されたノイズ信号を減算するエントロピの他の試験は、必要ない。
【0131】
検証処理(符号化および復号化)の統計的信頼性を、大域的スケーリングファクタの適
切な選択によって、どのような信頼性しきい値(例えば、99.9%、99.99%、9
9.999%、等)も実質的に越えるように設計することができる。なんらかの所定の用
途(大部分の用途においては必要ない)における特別の信頼性を、復号化処理を再検査す
ることによって達成することができる。
【0132】
復号化処理を再検査する一つの方法は、識別されたコードワードのビットに従って疑わ
しい信号から記憶されたノイズデータを除去し、″復旧″信号を発生する(例えば、コー
ドワードの第1ビットが″1″であることが分かった場合、メモリ214の第1、第9、
第17、等の位置に記憶されたノイズ標本を、疑わしい信号の対応する標本から減算する
)ことである。記憶されたノイズ信号のエントロピを測定し、他の測定における基線とし
て使用する。次に、この処理を繰り返し、この時、変更されたコードワードに従って、記
憶されたノイズデータを疑わしい信号から除去する。変更されたコードワードは、結合さ
れた(例えば、第1)1ビットを除いて、識別されたコードワードと同一である。結果と
して得られる信号のエントロピを測定し、前記基線と比較する。識別されたコードワード
におけるビットのトグリングが増加されたエントロピを生じる場合、識別されたコードワ
ードのそのビットの精度は、確実になる。トグルされた確認されたコードワードの異なっ
たビット毎に、コードワードのすべてのビットが検査されるまで、この処理を繰り返す。
各々の変更の結果として、基線値に比べてエントロピが増加する。
【0133】
メモリ214に記憶されたデータは、種々の二者択一を受ける。上述した論考において
、メモリ214は、スケールノイズデータを含む。他の実施例において、非スケールノイ
ズデータを、代わりに記憶することができる。
【0134】
さらに他の実施例において、入力信号それ自身の少なくとも一部を、メモリ214に記
憶することが望ましいかもしれない。例えば、このメモリは、8つの署名ビットをノイズ
標本に割り当て、16ビットを18または20ビットオーディオ信号標本の最上位ビット
の記憶に割り当てることができる。これは、いくつかの利益を有する。1つは、″疑わし
い″信号の整合が簡単になることである。他の利益は、既に符号化された入力信号を符号
化する場合、メモリ214内のデータを、どちらの符号化処理が最初に行われたかを識別
するのに使用することができることである。すなわち、メモリ214内の入力信号データ
から(不十分にもかかわらず)、一般に、2つのコードワードのどちらが符号化されてい
るかを決定することができる。
【0135】
メモリ214のさらに他の二者択一は、全体を省略できることである。
これを達成できる方法の1つは、符号化処理において、既知の鍵番号によって種を蒔かれ
るアルゴリズム式ノイズ源のような決定論的ノイズ源を使用することである。同じ鍵番号
によって種を蒔かれる同じ決定論的ノイズ源を、復号化処理において使用することができ
る。このような装置において、メモリ214に通常記憶される大きなデータセットの代わ
りに、後に復号化において使用するために鍵番号のみを記憶する必要がある。
【0136】
代わりに、符号化中加算されたノイズ信号がゼロ平均値を有しておらず、コードワード
長さNがデコーダにとって既知である場合、万能復号化処理を行うことができる。この処
理は、上述した手順と同様のエントロピ試験を使用するが、可能なコードワードを循環し
、試験されているコードワードのビットにしたがって、エントロピの減少が認められるま
で、疑わしい信号のN番目の標本毎に小さいダミーノイズ値(例えば、予測される平均ノ
イズ値より小さい)を加算/減算する。しかしながら、このようなアプローチは、他の実
施例より低い安全性しか示さない(例えば、野蛮な力によるクラッキングを受けやすい)
ため、大部分の用途に対しては好適ではない。
【0137】
多くの用途を、異なったコードワードを使用し、各々が同じノイズデータを使用する、
入力信号のいくつかの異なるように符号化された変形を発生する図7に示した実施例によ
って取り扱うことができる。さらに特に、図7の実施例240は、ノイズ源206からの
ノイズを、第1コードワードによる入力信号の識別符号化中に記憶するノイズストア24
2を含む。(図7のノイズ源を、図の便宜上、リアルタイムエンコーダ202の外側に示
す。)その後、入力信号の追加の検証符号化版を、前記ストアから記憶されたノイズデー
タを読み取り、N番目のコードワードを通じて交互に結合し、この信号を符号化すること
によって発生することができる。(2値逐次コードワードを図7に示すが、他の実施例に
おいてコードワードの任意の配列を使用することができる。)このような装置によって、
比例したサイズのロングタームノイズメモリを必要とすることなく、多くの数の、異なっ
て符号化された信号を発生することができる。代わりに、一定量のノイズデータを記憶し
、オリジナルを1回または1000回符号化する。
【0138】
(もし望むなら、いくつかの、異なって符号化された出力信号を、順次ではなく同時に
発生することができる。あるこのような実施は、各々が同じ入力信号および同じスケール
ノイズ信号によって駆動されるが、異なったコードワードによって駆動される複数の加算
器/減算器を含む。この時各々は、異なって符号化された出力信号を発生する。)
同じオリジナルの多くの異なった符号化版を有する用途において、コードワードのすべ
てのビットを常に識別する必要はないことが認識されるだろう。例えば時々、用途は、疑
わしい信号が属するコードのグループのみの検証を必要としてもよい。(例えば、コード
ワードの高次のビットは、同じソース作品のいくつかの異なった符号化版が発生された構
造を示す低次のビットは、特定のコピーを示す。疑わしい信号が関係している構造を検証
するために、構造を高次のビットのみによって検証することができることから、低次のビ
ットを調査する必要はない。)検証必要条件を、疑わしい信号におけるコードワードビッ
トの部分集合を識別することによって満たすことができるならば、復号化処理を短縮する
ことができる。
【0139】
いくつかの用途を、あるときには異なったコードワードとともに、何回か積分作業中に
、符号化処理を再開始することによって最適に取り扱うことができる。
例として、ビデオテープ作品(例えば、テレビジョン番組)を考える。ビデオテープ作品
の各々のフレームを、固有コード番号とともに検証符号化することができ、図8に示した
のと同様の装置248によってリアルタイムで処理することができる。垂直帰線をシンク
検出器250によって検出する度に、ノイズ源206をリセットし(例えば、丁度発生さ
れた配列を繰り返す)、検証コードを次の値に増加刷る。それによってビデオテープの各
々のフレームは、固有に検証符号化される。代表的に、符号化信号を、長期間記憶するた
めにビデオテープに記憶する(レーザディスクを含む他の記憶媒体も使用することができ
る)。
【0140】
符号化装置に戻ると、示した実施例における参照表204は、入力データ信号
の大振幅の標本は、小振幅入力標本ができるよりも高いレベルの符号化検証符号
化を取り扱うことができるという事実を利用する。したがって例えば、0、1または2の
10進数値を有する入力データ標本を、1(またはゼロ)のスケール係数に対応させるこ
とができるが、200を越える値を有する入力データ標本を、15のスケール係数に対応
させることができる。一般的に言って、スケール係数および入力標本値は、平方根関係に
よって対応する。すなわち、標本化入力信号
の値における4つ折の増加は、これらに関係するスケール係数の値における2つ折の増加
にほぼ対応する。
【0141】
(ゼロのスケーリング係数に対する挿話的参照として、例えば、ソース信号が時間的ま
たは空間的に情報内容が無い場合に言及する。画像において、例えば、いくつかの隣接し
た0の標本値によって特徴付けられる領域を、フレームの真黒領域に対応させることがで
きる。ゼロのスケーリング値を、著作権侵害される画像データが実際的にないことから、
ここに充てることができ。)
符号化処理を続けると、当業者は、示した実施例における″レールエラー″に対するポ
テンシャルを認識するであろう。例えば、入力信号が8ビット標本から成り、これらの標
本が0から255(10進数)の範囲全体に及んでいる場合、入力信号への/からのスケ
ールノイズの加算/減算は、8ビットによっては表すことができない出力信号(例えば、
−2または257)を発生するかもしれない。この状況を修正する多くの良く理解されて
いる技術が存在し、これらのあるものは順行的であり、これらのあるものは反動的である
。(これらの既知の技術は共通して、入力信号が0−4または251−255の範囲に標
本を持たないようにし、それによってノイズ信号による変調を安全に行うか、他にレール
エラーを発生する入力信号標本を検出し、適合するように変更する装置を含むかである。

示した実施例は、コードワードを逐次に、一度に1ビットずつ進むことを記述するが、
コードワードのビットをこの目的のために順次ではなく使用できることが理解できるであ
ろう。実際に、コードワードのビットを、なんらかの予め決められたアルゴリズムに従っ
て選択することができる。
【0142】
入力信号の瞬間の値に基づくノイズ信号の動的なスケーリングは、多くの実施例におい
て省略することができる最適化である。すなわち、参照表204および第1スケーラ20
8を完全に省略し、ディジタルノイズ源206からの信号を、加算器/減算器212に直
接(または第2大域的スケーラ210を通して)供給することができる。
【0143】
さらに、ゼロ平均ノイズ源の使用が示した実施例を簡単にすることが認識されるであろ
うが、本発明には必要ではない。他の平均値を有するノイズ信号を、容易に使用すること
ができ、(もし必要なら)D.C.補正を、本システム以外で行うことができる。
【0144】
ノイズ源206の使用も任意である。種々の他の信号源を、用途に応じて、制限(例え
ば、符号化検証信号が知覚できるようになるしきい値)に応じて使用することができる。
多くの場合において、埋め込み検証信号のレベルは、検証信号
がランダムな状況を有する必要がない、すなわちその性質にもかかわらず知覚できないほ
ど十分に低い。しかしながら、埋め込み検証信号の知覚できないことのレベルに対して、
最も大きな検証コード信号S/N比(この場合において、多少不適切な言葉)を提供する
ため、擬似ランダム源206が通常望ましい。
【0145】
検証符号化を、信号を(すなわち、米国著作権法の言葉において″実際の形式において
一定の″)データとしての記憶された形式に減少した後で行う必要はないことが認識され
るであろう。例えば、その演奏がしばしば不正に録音される人気音楽家の場合を考える。
コンサートホールのスピーカを駆動する前にオーディオを検証符号化することによって、
コンサートの認可されない録音を、個々の場所および時間まで追跡することができる。さ
らに、911非常呼び出しのような生のオーディオ源を、これらの後の認証を容易にする
ために、録音前に符号化することができる。
【0146】
ブラックボックス実施例を独立型ユニットとして記述したが、多くの道具/器具中に構
成要素として統合できることが認識されるであろう。その1つは、検証コードを走査した
出力データ中に埋め込むことができるスキャナである。(これらのコードを、単にこのデ
ータが個々のスキャナによって発生されたことを記念するために取り扱うことができる)
。他のものは、Adobe社、Macromedia社、Corel社、および同様の会
社によって提供されている一般向けの描画/グラフィックス/アニメーション/ペイント
プログラムのような創造的なソフトウエアにおけるものである。
【0147】
最後に、リアルタイムエンコーダ202を個々のハードウエアの実装の参照とともに説
明したが、種々の他の実装を代わりに使用できることが認識されるであろう。いくつかは
、他のハードウエア形態を利用する。他のものは、説明した機能ブロックのいくつかまた
はすべてに対してソフトウエアルーチンを使用する。(これらのソフトウエアルーチンを
、80x86PC互換コンピュータ、RISCベースのワークステーション、等のような
多くの異なった一般的な目的のプログラム可能コンピュータにおいて実行することができ
る。
【0148】
ノイズ、擬似ノイズ、および最適化ノイズの形式
これまで、本明細書は、画像または信号全体に渡って情報の1ビットを搬送するのに適切
な搬送波信号の種類の多くの例の幾つかとして、ガウスノイズ、″ホワイトノイズ″、お
よひ用途器具から直接発生されたノイズを仮定した。ある目標を達成するために、ノイズ
の″設計″特性において、さらに順向的にすることが可能である。ガウスまたは器具ノイ
ズを使用する″設計″は、″絶対的″安全性のためにいくらか向けられている。本明細書
のこの節では、検証情報の究極的な搬送波と考えることができるノイズ信号の設計のため
の、他の考察を調べる。
【0149】
いくつかの用途に関して、搬送波信号(例えば、第1実施例におけるN番目の埋め込み
コード信号、第2実施例におけるスケールノイズデータ)を、検証信号
にこの信号の知覚可能性に関してより絶対的な信号強度を与えるために設計することが有
利であるかもしれない。ある例は、以下のようなものである。真のガウスノイズは、値′
0′が最も頻繁に生じ、次に1および−1が各々等しい確率だが′0′よりは低い確率で
生じ、次に2および−2、等々である。明らかに、値0は、本発明において使用されるよ
うな情報を搬送しない。したがって、ある簡単な調節または設計は、埋め込みコード信号
の発生においてゼロが発生するときはいつも、新たな処理が引き継ぎ、値を″ランダムに
″1または−1のいずれかに変換する。このような処理のヒストグラムは、0の値が空で
あり、1および−1の値が通常の0の値のヒストグラム値の半分だけ増加していることを
除けば、ガウス/ポアソン型分布として現れる。
【0150】
この場合において、検証信号エネルギは、通常、信号のすべての部分において現れる。
交換のいくつかは、″決定論的成分″がノイズ信号の発生の一部であるコードの安全性の
(大抵、無視できる)低下が存在することを含む。これを完全に無視できる理由は、我々
が、1または−1をランダムに選択するコイン投げ形式の状況を依然として準備している
からである。他の交換は、設計されたノイズのこの形式が、知覚可能性の高いしきい値を
有し、データストリームまたは画像の最下位ビットが題材の商業上価値に関してすでに無
視できる、すなわち、最下位ビットが信号(またはすべての信号標本)から取り除かれた
場合、誰もその差を識別できず、題材の価値が損害を受けない用途にのみ使用することが
できることである。上述した例におけるこのゼロ値の制限は、当業者の誰もが実現できる
ような信号搬送波のノイズ特性を″最適化″する多くの方法の1つである。我々は、これ
を、自然ノイズを予め決められた方法においてすべての意図および目的に対してノイズと
して読み取られる信号に変換することができるという意味で″擬似ノイズ″とも呼ぶ。暗
号化方法およびアルゴリズムが、完全にランダムとして知覚される信号を、容易に、そし
てしばしば定義によって生成することもできる。したがって、″ノイズ″という言葉は、
観察者または聴取者によって主観的に定義されるものと、数学的に定義されるものとの間
で、異なった意味を有する。後者の違いは、数学的ノイズが、異なった安全性の性質を有
し、追跡することができる簡単さか、このノイズの存在を″自動的に認識″することがで
きる簡単さかを有する。
【0151】
″万能″埋め込みコード
本明細書の大部分は、絶対的安全性のために、検証信号の情報のビットを搬送するノイズ
様埋め込みコードを、各々すべての埋め込み信号に対して固有のものにすべきであるか、
わずかに制限を少なくして、埋め込みコード信号を、例えばフィルムの1000個の断片
の1組に対して同じ埋め込みコードを使用するように控えめに発生すべきであることを教
えている。いずれにせよ、我々が″万能″埋め込みコード信号と呼ぶことができるものを
使用することによって、この技術に関して新たな用途を大きく開発することができる他の
アプローチが存在する。これらを使用することの経済性は、これらの万能コードの実際の
低い信頼性(例えば、これらは、時間に頼った暗号復号化方法によって分析可能であり、
したがって、可能的に妨げられるまたは置き換えられる)が、意図された使用を規定した
場合の経済的利益と比較して経済的に無視できるようなものである。著作権侵害および非
合法な使用は、単に、予測しうる″費用″および未徴収の収入源となり、すなわち全体の
経済的分析における簡単なラインアイテムとなる。これの良い類似は、ケーブル産業とビ
デオ信号の波長を変えることとにおけるものである。一般に法律を甘受する市民である狡
猾な技術的に熟練した個人が、全ての有料チャンネルをただにするためのケーブル接続ボ
ックスにおいて、梯子をのぼり、数本のワイアをはじくことができることを誰もが知って
いると思われる。ケーブル産業は、これを知っており、それを停止し、捕らえられたこれ
らを起訴する有効な方法を選択するが、この習慣に発する″失われた収入″は、いまだ普
及しており、しかしシステム全体をスクランブルことによって得られる利益の割合として
は、ほとんど無視できる。全体としてのスクランブル化システムは、″完全な安全性″の
欠落にも係わらず、経済的に成功している。
【0152】
同様なことが、この技術の用途に対して真実であり、ある程度の安全性を低下する価格
に対して、大きな経済的機会をそれ自身に与える。この節は、最初に、万能コードによっ
て何がもたらされるかを記述し、次に、これらのコードを用いることができるいくつかの
興味深い使用に移る。
【0153】
万能埋め込みコードを一般に、正確なコードの知識を配布することができるという概念
に適用する。埋め込みコードを、(本明細書の他の部分において言及したように)訴訟が
なされるまで決して接触されない秘密の金庫中に置かずに、代わりにその場で分析を行う
ことができる種々の場所に配布する。一般にこの配布は、安全性が制御された状況に依然
として置かれており、ステップは、コードの認識が知ることを必要とするこれらに対して
制限されることを意味する。著作権を有する作品を自動的に検出しようとする方法は、コ
ードを知ることを必要とする″何か″の人間でない例である。
【0154】
万能コードの概念を実施する多くの方法が存在し、これらの各々が、何らかの所定の用
途に関しては利点を有する。この技術を教える目的のために、我々は、これらのアプロー
チを3つのカテゴリー、すなわち、ライブラリを基礎とする万能コードと、決定論的公式
を基礎とする万能コードと、予め規定された業界標準パターンを基礎とする万能コードと
に分類する。おおざっぱなやり方は、第1のものは、後者の2つより安全性が高いが、後
者の2つは、第1のものよりもより経済的に実現できるとする。
【0155】
万能コード:1)万能コードのライブラリ
万能コードのライブラリの使用は、個々の埋め込みコード信号の制限された組のみが発生
し、どのような所定の符号化材料もこの制限された″万能コード″の部分集合を使用する
ことを除いて、本発明の技術を使用することを単に意味する。一例は、以下のものが適切
である。写真印画紙製造業者は、固有検証コードとともに販売したい8×10インチの印
画紙のすべてを前露光することを望むことができる。彼らは、検証コード認識ソフトウエ
アを、彼らの大口顧客、サービス部、在庫代理店、および個々の写真家に販売し、その結
果、すべてのこれらの人々が、かれらの題材が正確にマークされていることを照合できる
だけでなく、彼らがまさに得ようとしている第三者の題材がこの技術によって著作権を取
得しているとして確認された場合、決定することができるようにすることも望む。この後
者の情報は、多くの他の利益のなかで、著作権所有者を確認し、訴訟を無効にするのを助
ける。この計画を″経済的に″行うために、各々すべての印画紙に固有検証埋め込みコー
ドを発生することは、情報とは独立に数テラバイトを発生し、これらのバイトを記憶する
必要があり、これらのバイトに認識ソフトウエアがアクセスする必要がある。代わりに、
彼らは、50個の独立″万能″埋め込みコード信号のみの組から得た16ビット検証コー
ドを彼らの印画紙に埋め込むことを決める。これをどのように行うかについての詳細は、
次の節におけるものであるが、かれらの認識ソフトウエアが、代表的に8×10の印画紙
上に広げられた50×16の個々の埋め込みコードに対して(ディジタル圧縮を考慮して
)1メガバイトから10メガバイトの情報である、彼らのコードのライブラリにおける埋
め込みコードの制限された組を含むことのみを必要とすることが、ここでの要点である。
16の代わりに50を選ぶ理由は、安全性がわずかに増すためであり、すべての写真に対
して同じ16個の埋め込みコードにした場合、シリアル番号容量が2の16乗に制限され
るだけでなく、より少ない洗練された著作権侵害者が、これらのコードを解読し、ソフト
ウエアツールを使用してこれらを除去することができる。
【0156】
この計画を実施するための多くの異なった方法が存在し、以下は好適な方法の1つであ
る。企業経営の知識によって、埋め込みコード信号のための1インチ当たり300画素の
規準は、多くの用途に関して十分な解像度であると定義される。これは、復号埋め込みコ
ード画像が、8×10のシート上に極めて低いレベルにおいて露光すべき3000×24
00画素を含むことを意味する。これは、7200000画素を与える。図5および6の
ブラックボックス手段において記述したような我々の交互配列符号化システムを使用すれ
ば、各々の独立埋め込みコード信号は、16分の7200000すなわち450k程度の
真の情報を搬送する画素、すなわち所定のラスタライン上のすべての16番目の画素のみ
を含む。これらの値は、代表的に2から−2の範囲のディジタル数であり、符号3ビット
数によって十分に記述される。このとき埋め込みコードの未加工の情報内容は、450k
の3/8番目のバイト倍すなわち170キロバイト程度である。ディジタル圧縮によって
、これをさらに減少することができる。これらの決定のすべては、近い将来になんらかの
所定の用途によって規定される、本技術分野において既知の、標準工学最適化原理に属す
る。したがって、我々は、これらの50個の独立埋め込みコードが数メガバイトに達する
ことが分かる。これは、認識ソフトウエア内の万能コードの″ライブラリ″として配布す
るのに全く適度なレベルである。進歩した標準暗号化装置を、自称著作権侵害者が単に万
能埋め込みコードをリバースエンジニアするために認識ソフトウエアを購入したことに1
つが関係する場合、これらのコードの正確な特徴を隠すために使用することができる。認
識ソフトウエアは、本明細書において教えた認識技術を用いる前に、コードを簡単に復号
化することができる。
【0157】
認識ソフトウエアそれ自体は、種々の特徴を確かに有するが、行う中心的な仕事は、所
定の画像中にある万能著作権コードが存在する場合、これを決定することである。鍵とな
る問題は、もしあるとすれば、合計50個の万能コードのうちどの16個が含まれている
かということと、16個が見つかった場合、これらのビット値は何かということとである
。これらの問題の回答の決定における鍵変数は、整合と、回転と、拡大(スケール)と、
範囲とである。助けとなるヒントが何もない大部分の一般的な場合において、すべての変
数を、すべての相互結合に渡って独立して変化させるべきであり、50個の万能コードの
各々を、エントロピの減少が発生するかどうかを見つけるために、加算および減算によっ
て検査すべきである。厳密に言えば、これは莫大な仕事であるが、疑わしいコピーと比較
するオリジナル画像を有するような、または8×10の印画紙に比例する画像のオリエン
テーションおよび範囲を知ることのような、この仕事をはるかに簡単にする多くの有用な
ヒントが見つかり、簡単な整合技術によって、ある許容しうる程度に対する変数のすべて
を決定することができる。このとき、エントロピにおけるなんらかの減少を見つけるため
に、50個の万能コードを通して繰り返すことが単に必要である。1つを行った場合、他
の15個も行うべきである。50個の万能コードの所定の順序を、IDコードワードの最
上位ビットから最下位ビットまでの順序に変換する設定をするために、プロトコルが必要
である。したがって、我々が、万能コード番号″4″の存在を発見し、そのビット値が″
0″であることを発見し、万能コード″1″から″3″が明確に存在しないことを発見し
た場合、我々のNビットIDコード数の最上位ビットは″0″である。同様に、我々が、
次の存在する最も低い万能コードが番号″7″であることを見つけ、それが″1″である
ことが分かった場合、我々の次の最上位ビットは″1″である。適切に行うと、このシス
テムは、印画紙在庫シリアル番号を、ある登録または印画紙自体の製造業者に登録してい
る限り、著作権所有者まで明確に追跡することができる。すなわち、我々は、万能埋め込
みコード4、7、11、12、15、19、21、26、27、28、34、35、37
、38、40、および48を使用し、埋め込みコード01100101 0111010
0を有する印画紙が、カナダ在住の未知の野性動物写真家兼、氷河映画撮影技師であるL
eonardde Boticelliの所有物であるという登録を調べる。彼が無税で
登録した彼のフィルムおよび印画紙の在庫を、彼がこの在庫を購入したとき、馬鹿げた簡
単なプロセスを行う″郵便の必要がない″製造会社が親切にも準備した封筒に入れる、数
秒の仕事のため、我々はこれを知っている。Leonardに著作権使用料を支払う必要
がある誰かは、それが現れることをチェックし、確実に登録は、著作権使用料の支払いプ
ロセスをそのサービスの一部として自動化する。
【0158】
ある終点は、真に洗練された著作権侵害者と、違法の目的を持った他の者とが、種々の
暗号化方法を実際に使用してこれらの万能コードを解読することができ、これらを販売し
、コードを除去または歪ませるのを助けることができるソフトウエアおよびハードウエア
ツールを制作することである。しかしながら我々は、これらの方法を、本明細書の一部と
して教えない。とにかく、これは、万能コードの容易さとこれらが開く用途に支払う必要
がある値段の1つである。
【0159】
万能コード:2)決定論的公式を基礎とする万能コード
万能コードのライブラリは、万能コードを付けられている信号および画像の存在および身
元を開く鍵としての数メガバイトの独立した一般的にランダムのデータを記憶および変換
することを必要とする。代わりに、種々の決定論的公式を、ランダムデータ/画像フレー
ムの発生に使用し、これらによって、これらのコードのすべてをメモリ内に記憶すること
と、″50個″の万能コードの各々に質問することとを回避することができる。決定論的
公式は、所定の信号または画像中に存在することが一度知られているIDコードを決定す
る処理を高速化するのを助けることもできる。他方では、決定論的公式を、あまり洗練さ
れていない著作権侵害者によって追跡することができる。一度追跡されると、これらを、
インターネット上で100個のニュースグループに掲示するように、より簡単に伝達する
ことができる。これらは、追跡および公表をかまわない多くの用途には適切であり、独立
万能埋め込みコードを発生する決定論的公式を、単にチケットとすることができる。
【0160】
万能コード:3)″簡単な″万能コード
この分類は、はじめの2つを結合したものの一部であり、この技術の原理の真に大きな規
模の実施に最大限向けたものである。この種類を使用する用途は、信頼できる安全性が、
低費用で大きな規模の実施と、これが可能にする莫大な経済的利益とほどは重要ではない
形式のものである。一例としての用途は、検証認識ユニットを適度に値付けされた(テレ
ビジョンのような)家庭用オーディオおよびビデオ装置中に直接配置する。このような認
識ユニットは、代表的に、オーディオおよび/またはビデオを監視してこれらの著作権検
証コードを探し、そこから、記録可能性が与えられているか否か、または中央オーディオ
/ビデオサービス提供者に伝送されるとともに毎月の送り状に配置される番組特定課金メ
ータの増加のような判断に基づく簡単な決定を行う。さらに、バーおよび他の公共の場所
における″ブラックボックス″が、著作権を持った題材を監視し(マイクロフォンによっ
て聞き)、ASCAP、BMI、等によって使用される詳細な報告書を生成することがで
きる。
【0161】
簡単な万能コードの中心となる原理は、いくつかの基本的な業界標準の″ノイズ状″で
継ぎ目のない繰り返しのパターンを、信号、画像、および画像列中に挿入し、安価な認識
ユニットが、A)著作権″フラグ″の存在を決定するか、B)Aに追加して、より複雑な
決定構成および動作を容易にすることができるようにすることである。
【0162】
本発明のこの実施例を実現するために、独立埋め込みノイズ信号を発生する基本的な原
理を、安価な認識信号処理ユニットに適応させると同時に、有効なランダム性およびホロ
グラフィックの浸透の性質を維持するために、簡単にする必要がある。これらの簡単なコ
ードの大規模産業への採用によって、コード自体は公有情報と隣接し(ケーブルスクラン
ブリングボックスがほとんど事実上の公有であるように)、ブラックマーケット対策を開
発するために確定された著作権侵害者に対してドアを開いたままであるが、この状況は、
ケーブルビデオのスクランブル化や、このような違法活動の客観的経済的分析とまったく
類似している。
【0163】
順向の著作権検出のこの一般的な領域における本出願人に既知のある先行技術は、オー
ディオ業界における多くの会社によって採用されたシリアルコピー管理システムである。
本出願人の知っている限り、このシステムは、オーディオデータストリームの一部ではな
いが、それにもかかわらずオーディオストリームに挿入され、関連するオーディオデータ
を複製すべきか否かを示すことができる、非オーディオ″フラグ″信号を使用する。この
システムが有する1つの問題は、この追加の″フラグ″信号をサポートすることができる
媒体および装置が制限されることである。他の欠陥は、フラグシステムが、より複雑な決
定を行うのに使用できる身元情報を搬送しないことである。さらに他の困難は、アナログ
信号の高品質なオーディオ標本化が、あるディジタルマスタの完全なディジタルコピーを
任意に近く行えるようになる恐れがあり、この可能性を禁じる対策は、無いように思われ
る。
【0164】
本発明の原理を、オーディオ用途、ビデオ、および上述した他のすべての用途における
、これらのおよび他の問題を影響を与えることができる。簡単な万能コードの用途の一例
は、以下のようなものである。ある1つの業界標準″1.000000秒のノイズ″は、
なんらかの所定のオーディオ信号の著作権符号の存在または不在を示す最も基本的なもの
として規定される。図9は、業界標準ノイズ秒が時間領域400および周波数領域402
の双方においてどのように見えるかの一例である。定義によって、連続関数であり、標本
化レートおよびビット量子化の何らかの組み合わせに適合する。規格化された振幅を有し
、どのようなディジタル信号振幅にも任意に尺度合わせすることができる。この信号の信
号レベルおよび最初のM番目の導関数は、2つの境界404において連続であり(図9C
)、その結果、繰り返す場合、信号における″不連続″は(波形として)目に見えない、
または、ハイエンドオーディオシステムによって演奏される場合、聞き取れない。1秒の
選択は、この例において任意であり、この間隔の正確な長さを、可聴性、擬似ホワイトノ
イズ状態、継ぎ目のない繰り返し可能性、認識処理の容易さ、および著作権を付ける決定
を行えることによる速度のような理由から得る。この繰り返しノイズ信号の信号または画
像への(再び、人間の知覚力以下のレベルにおける)挿入は、著作権題材の存在を示す。
これは、本質的に1ビット検証コードであり、他の検証情報の埋め込みを、この節におい
て後に論考する。この検証技術の使用を、ここで論考した低価格家庭向け器具を遙に越え
て拡張することができ、スタジオにこの技術を使用することができ、監視局を設定し、実
際に数100チャネルの情報を同時に監視し、マークされた信号ストリームを探索し、さ
らに、課金ネットワークおよび印税追跡システムに適合する関連する身元コードを探索す
ることができる。この基本的な標準化ノイズ署名を、継ぎ目無く何度も繰り返し、基本著
作権検証をマークすべきオーディオ信号に加える。″簡単″という言葉の理由の一部は、
以下のように理解される。明らかに著作権侵害者は、この業界標準信号について知るであ
ろうが、削除または改ざんのようなこの知識から得られる彼らの違法な使用は、大規模な
市場に対する全体的な技術の経済的な価値に比較して、経済的に非常に小さいものとなる
。大部分のハイエンドオーディオに関して、この信号を、フルスケールから80から10
0dB低下またはさらに小さいものとし、各々の状況を、たとえ推薦されるものが確実に
存在しても、それら自身のレベルに選択することができる。信号の振幅を、ノイズ署名が
用いられているオーディオ信号レベルに従って変調することができる。すなわちこの振幅
を、ドラムビートの場合、意味のある程度、しかし聞き取れるまたは不快になるほど劇的
ではない程度に増加することができる。これらの程度は、記述すべき認識回路網を単に助
ける。
【0165】
このノイズ信号の存在の低価格な機器による認識を、種々の方法において行うことがで
きる。あるものは、オーディオ信号出力の測定の簡単な原理に対する基本的な変形に基づ
いている。ソフトウエア認識プログラムを書くことができ、さらに洗練された数学的検出
アルゴリズムを、より高い信頼性のある検証の検出を行うために用いることもできる。こ
のような実施例において、著作権ノイズ署名の検出は、オーディオ信号の時間平均された
出力レベルと、ノイズ署名を減算した同じオーディオ信号の時間平均された出力レベルと
の比較を含む。ノイズ信号を減算されたオーディオ信号が、変更されていないオーディオ
信号より低い出力レベルを有する場合、著作権署名が存在し、同じ意味で、ある状態フラ
グを設定する必要がある。この比較の実行において含まれる主な工学的に微妙なものは、
オーディオの録音再生速度が不一致(例えば、ある機器は、正確に1秒間隔に関して0.
5%″遅い″かもしれない)である処理と、何らかの所定のオーディオ中の一秒のノイズ
署名の未知の位相の処理(基本的に、この″位相″は、0から1秒位までかもしれない)
とを含む。上述した2つほど中心的なものではないがそれにもかかわらず説明すべき他の
微妙なものは、認識回路が、オーディオ信号に元に埋め込まれたノイズ署名より大きい振
幅のノイズ署名を減算すべきではないことである。幸運にも、これを、単に小さい振幅の
ノイズ信号のみを減算することによって実行することができ、出力レベルが低下した場合
、これは、出力レベルにおける″谷に向かっている″しるしとなる。さらに他の関連する
微妙なものは、出力レベルの変化が、全体の出力レベルに対して極めて小さく、計算を一
般に適切なビット精度によって、例えば、時間平均された出力レベルにおいて16−20
ビットオーディオにおいて、32ビット値演算および集積によって行う必要があることで
ある。
【0166】
明らかに、低価格用途用のこの出力レベル比較処理回路を設計し組み立てることは、技
術的最適化の仕事である。ある交換は、より低い価格と複雑さのために回路網に形成する
ことができる″近道″に関する検証の実行における精度である。この認識回路網の機器内
の配置の好適実施例は、その仕事用に注文生産した1つのプログラム可能集積回路による
ものである。図10は、あるこのような集積回路506を示す。ここで、オーディオ信号
が、ディジタル信号として、またはIC500内でディジタル化すべきアナログ信号とし
て500中に入り、出力信号は、著作権ノイズ署名が見つかった場合にあるレベルに設定
され、見つからなかった場合に他のレベルに設定されるフラグ502である。標準化ノイ
ズ署名波形を、IC506内の読み出し専用メモリ504に記憶することも示す。オーデ
ィオ信号のIC506への適用と、有効なフラグ502の出力との間には、認識を行える
前に、オーディオのある有限の位置を監視する必要があるため、僅かな時間遅延が存在す
る。この場合において、著作権ノイズ署名の存在または不在の正確な決定を行うために十
分な時間を有する場合、ICが外界に知らせる″フラグ有効″出力信号が必要になるかも
しれない。
【0167】
図10のIC506の基本的な機能を実行するのに用いられる特定の設計および設計の
哲学の広い範囲の変形例が存在する。オーディオ技術者およびディジタル信号処理技術者
は、いくつかの基本的に異なった設計を生成することができる。あるこのような設計を図
11において、それ自体は、後に論考するような他の技術的最適化に属する処理599に
よって示す。図11は、アナログ信号処理ネットワーク、ディジタル信号処理ネットワー
ク、またはソフトウエアプログラムのプログラミングステップのいずれかのフローチャー
トを示す。我々は、ある経路に沿った入力信号600を、時間平均パワーメータ602に
供給し、結果として得られるパワー出力それ自体を、信号Psigとして扱うことに気づく
。右上に対して、我々は、604で通常速度の125%において読み取られ、したがって
そのピッチが変化し、606で″ピッチ変化ノイズ信号″を示す、標準ノイズ署名504
を見つける。次に、ステップ608において入力信号からこのピッチ変化ノイズ信号を減
算し、この新たな信号を、602において示したのと同じ形式のここでは610で示す時
間平均パワーメータに供給する。この操作の出力信号も、ここでは610でPs-pcnと示
す時間基準信号である。次にステップ612でパワー信号610からパワー信号602を
減算し、パワー差信号Pout613を生じる。万能標準ノイズ署名が、入力オーディオ信
号600において実際に存在する場合、ケース2、618、が発生し、4秒間程度のビー
ト信号が、出力信号613において現れ、図12、622のようなステップによってこの
ビート信号を検出しなければならない。ケース1、614は、周期的なビートが見られな
い一様なノイズ信号である。ステップ604における125%を、ここでは任意に選択し
ており、技術的な理由が最適値を決定し、異なったビート信号周波数618を導く。この
例における4秒の待機は、事実上一定期間であるが、特に少なくとも2つまたは3つのビ
ートを検出したい場合、図12は、図11の基本設計を、隣から0.05秒遅延されたオ
ーディオの部分において各々一斉に動作する20個の並列回路によって1/20秒程度遅
延された入力信号の種々の遅延されたバージョンにどのように繰り返し作用させるかの概
要である。この方法において、ビート信号が、1/5秒程度毎に見られ、ビート検出回路
の列を下る進行波のように見える。この進行ビート波の存在または不在は、検出フラグ5
02をトリガする。同時に、例えば、少なくとも2秒のオーディオが、フラグ有効信号5
08を設定する前に聞こえることを保証するオーディオ信号モニタが存在する。
【0168】
オーディオの例を記述してきたが、ある繰り返し万能ノイズ信号または画像の同様の形
式の定義を、多くの他の信号、画像、写真、およびすでに論考した物理的媒体に用いるこ
とができることは、当業者には明白であろう。
【0169】
上述したケースは、情報の1ビット面のみを取り扱った。すなわち、ノイズ署名信号を
、存在するか(1)、しないか(0)とした。多くの用途に関して、さらに複雑な判定か
、または課金明細書におけるログ情報等に使用することができるシリアル番号情報をさら
に検出することが好ましい。上述したのと同様の原理を用いるが、ここでは、図9に示す
ようなN個の独立ノイズ署名が、1つのこのような署名の代わりに存在する。代表的に、
あるこのような署名は、これによって著作権マーキングが単に存在することを検出するマ
スタとし、これは一般に他のものより大きいパワーを有し、次に他のより小さいパワーの
″検証″ノイズ署名をオーディオに埋め込む。認証回路は、一度主要なノイズ署名の存在
を見つけると、他のN個のノイズ署名に進み、上述したものと同様のステップを用いる。
ビート信号が検出される場合、これは1のビット値を示し、ビート信号が検出されない場
合、これは0のビット値を示す。代表的にNを32とし、232個の検証コードを、本発明
を使用する何らかの所定の産業に対して利用できるようにすることができる。
【0170】
検証コードの長さが1である場合のこの技術の使用
本発明の原理を、1つの検証信号−−もし望むなら指紋−−の存在または不在のみを使用
し、ある信号または画像が著作権を与えられていることの信頼性を与える場合において、
明らかに適用することができる。業界標準ノイズ署名の上述した例は、ある適切な場合で
ある。我々は、もはやコイン投げとの類似性の追加の信頼性を持たず、我々は、もはや追
跡コード容量または基本シリアル番号容量を持たないが、多くの用途は、これらの属性を
必要としないであろうし、1つの指紋による追加の簡単さは、なんらかの事象におけるこ
れらの他の属性を補って余りある。
【0171】
″壁紙″との類似性
″ホログラフィック″という言葉を、本明細書において、どのように検証コード番号を大
部分完全な形態において符号化信号または画像全体に分布させるかを記述するのに使用し
てきた。これを、信号または画像の何らかの所定の断片は、完全な固有検証コード番号を
含むという概念にも適用する。ホログラフィの物理的な実施の場合、この特性を失い始め
る前に、断片をどの位小さくできるかにおいて制限があり、ここでホログラフィック媒体
の分解能制限は、ホログラフ自体に関する主要な要素である。図5の符号化装置を使用し
、ゼロがランダムに1または−1に変化する上述した我々の″設計されたノイズ″をさら
に使用する非改ざん配布信号の場合において、必要な断片の程度は、信号または画像ラス
タラインにおいて単にN個の連続的な標本であり、ここでNを、予め規定した我々の検証
コード番号の長さであるとする。これは、情報の量であり、すなわち、ノイズおよび改ざ
んが作用する実際的な状況は、一般にこの簡単な数Nより1、2、または以上大きい桁の
標本を必要とする。当業者は、これによって検証を行うことができる最も小さい断片の寸
法における正確な統計の明確な定義に含まれる多くの変形が存在することを認識するであ
ろう。
【0172】
教授の目的のために、本出願人は、固有検証コード番号を、画像(または信号)を横切
って″壁紙貼りした″というアナロジも使用する。すなわち、画像全体に何度も繰り返す
。IDコード番号のこの繰り返しを、図5のエンコーダの使用におけるように定期的にす
ることができ、またはそれ自身ランダムにすることができ、図6のIDコード216のビ
ットは、通常の繰り返し方法において停止せず、各々の標本においてランダムに選択され
、このランダムな選択は、出力信号228の値とともに記憶される。とにかく、IDコー
ドの情報キャリヤ、独立埋め込みコード信号は、画像または信号を横切って変化する。し
たがって、壁紙との類似性を要約すると、IDコード自体を何度も繰り返すが、各々の繰
り返しがつけるパターンは、一般に追跡できない鍵に従って、ランダムに変化する。
【0173】
損失データ圧縮
上述したように、好適実施例の検証符号化は、損失データ圧縮およびその後の伸長とに耐
えうる。このような圧縮は、特にディジタル化された娯楽番組(映画、等)のような状況
における使用が益々増えると思われる。
【0174】
本発明の好適実施例によって符号化されたデータは、出願人に既知のすべての形式の損
失圧縮に耐えうるが、商業的に最も重要だと思われるものは、CCITTG3、CCIT
T G4、JPEG、MPEGおよびJBIG圧縮/伸長標準である。CCITT標準は
、黒および白の文書の圧縮(例えば、ファクシミリおよび文書記憶)において広く使用さ
れている。JPEGは、静止画に最も広く使用されている。MPEGは、動画に最も広く
使用されている。JBIGは、黒および白の像への使用に関して、CCITT標準の有望
な後継者である。これらのような技術は、損失データ圧縮の分野において良く知られてお
り、良い概略を、Pennebaker et al,JPEG,Still Image Data Compression Standard,V
an Nostrand Reinhold,N.Y.,1993において見ることができる。
【0175】
ステガノグラフィおよび、より複雑なメッセージまたは情報の伝送におけるこの技術の
使用
本明細書は、信号全体に1つの検証コードの壁紙貼りと前記において呼んだものに集中す
る。これは、多くの用途に関して所望の特徴であると思われる。しかしながら、メッセー
ジを通過させる、または適切な検証情報の極めて長い列を信号または画像中に埋め込むこ
とが望ましい他の用途が存在する。多くのこれらの考えられる用途の1つは、所定の信号
または画像がいくつかの異なったグループによって操作されることを意図され、画像の特
定の領域が、各々のグループの適切な操作情報の検証および挿入に確保されている場合で
ある。
【0176】
これらの場合において、図6におけるコードワード216を、ある予め決められた方法
において、信号または情報位置の関数として実際に変化させることができる。例えば、画
像において、コードをディジタル画像の各々すべてのラスタラインに関して変更すること
ができる。16ビットコードワードを216とすることができるが、各々の走査ラインは
新たなコードワードを有し、したがって480の走査ライン画像は980バイト(480
×2バイト)メッセージを通過させることができる。メッセージの受信者は、メモリ21
4に記憶されたノイズ信号にアクセスするか、使用されている符号化方法のノイズコード
の万能コード構造を知る必要がある。本出願人の知る限り、これは、ステガノグラフィの
成熟した領域の新規のアプローチである。
【0177】
万能コードの前述の3つの用途のすべてにおいて、万能コードに加えて、短い(ひょっ
とすると8または16ビット)秘密コードを追加することがしばしば望まれる。これは、
洗練された著作権侵害者による万能コードの削除の可能性に対する他の僅かな量の安全性
をユーザにもたらす。
【0178】
結論
本発明の原理を用いることができる多くの数の異なった実施例を考慮して、詳細な実施例
は、単に説明的なものであり、本発明の範囲を限定するものとして選択されるものではな
いことを認識されたい。むしろ、私は、私の発明として、以下の請求の範囲およびこれら
の同等物の範囲と精神内とすることができる全てのこのような実施例を請求する。
【プログラムリスト】
【0179】
















【符号の説明】
【0180】
100…フィルム、102…CRT、104…変換レンズ、106…コンピュータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数バージョンの印刷物の為の分配情報を追跡させる方法において、前記印刷物の各バージョンは、同一の人が知覚できる視覚情報を備え、人的検査に対して同一に見え、前記視覚情報は、値の異なる複数の絵要素を備える、前記方法であって、
複数の異なるNビット認証コードを供給するステップであって、第1の認証コードは、前記印刷物の第1のバージョンに関連付けられた分配情報にインデックスを付け、第2の認証コードは、前記印刷物の第2のバージョンに関連付けられた分配情報にインデックスを付ける、前記ステップと、
前記第1の認証コードを第1の印刷物に微細に埋め込み、第2の印刷物に前記第2の認証コードを微細に埋め込むステップと、
前記第1の印刷物と前記第2の印刷物をユーザコミュニティに分配させるステップと、
を備え、
前記埋め込むステップは、前記絵要素の値に依存するアルゴリズムを使用し、前記埋め込まれた認証コードを前記視覚情報内で知覚できないようにし、
前記アルゴリズムは、前記視覚情報の第1の部分と第2の部分の前記絵要素の値にしたがって、前記第1の部分を第1の量に変え、前記第2の部分を、前記第1の量より大きい第2の量に変え、
前記埋め込むステップは、
前記絵要素の値の各々に依存するスケーリング係数とノイズ信号とを供給し、前記スケーリング係数とノイズ信号とを乗算することにより、スケールノイズ信号を発生するステップと、
前記絵要素の値の各々を、前記スケールノイズ信号と、前記第1の認証コードまたは前記第2の認証コードのいずれかとに従って加減処理するステップと
をさらに含み、
前記埋め込まれた認証コードは、前記対象物の為の分配情報を決定する為に前記印刷物の一つから復号化が可能である、前記方法。
【請求項2】
前記第1の認証コードを埋め込むステップは、
埋め込み信号を生成する工程であって、前記埋め込み信号は、前記第1の認証コードに依存し、更に、前記絵要素の前記値に依存する、前記工程と、
前記視覚情報に前記埋め込み信号を組み合わせる工程と、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の認証コードを埋め込むステップは、
前記視覚情報を表すデジタルデータに前記第1の認証コードを埋め込む工程と、
前記印刷物を作成するため、被印刷物上に前記視覚情報を印刷する工程と、
を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記印刷物は、紙の被印刷物に印刷されるアートワークを備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1の認証コードは、前記第1の印刷物を横切り繰り返して符号化され、前記第1の認証コードが、前記第1の印刷物の異なる断片的な部分から復旧可能である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
物理的対象物の複数バージョンの為の分配情報を追跡する方法において、前記物理的対象物の各バージョンは、人的検査には同一に見える、前記方法であって、
複数の異なる認証コードを供給するステップであって、第1の認証コードは、前記物理的対象物の第1のバージョンに関連付けられた分配情報にインデックスを付け、前記第2の認証コードは、前記物理的対象物の第2のバージョンに関連付けられた分配情報にインデックスを付ける、前記ステップと、
前記第1の認証コードから第1のノイズ状信号を生成し、前記第2の認証コードから第2のノイズ状信号を生成するステップと、
前記第1のノイズ状信号に応じて前記第1の物理的対象物の表面のマイクロトポロギーを変えるステップと、
前記第2のノイズ状信号に応じて前記第2の物理的対象物の表面のマイクロトポロギーを変えるステップと、
前記第1の物理的対象物と前記第2の物理的対象物をユーザコミュニティに分配させるステップと、
を備え、
前記第1のノイズ状信号を生成し、前記第2のノイズ状信号を生成するステップは、
前記物理的対象物の前記第1のバージョンまたは前記第2のバージョンに依存するスケーリング係数とノイズ信号とを供給し、前記スケーリング係数とノイズ信号とを乗算することにより、スケールノイズ信号を発生するステップと、
前記絵要素の値の各々を、前記スケールノイズ信号と、前記第1の認証コードまたは前記第2の認証コードのいずれかとに従って加減処理するステップと
をさらに含み、
前記埋め込まれた認証コードは、その対象物の為の分配情報を決定する為に、前記物理的対象物の一つから復号化が可能である、前記方法。
【請求項7】
前記第1のバージョンの前記物理対象物と前記第2のバージョンの前記物理的対象物は、第1紙面と第2紙面を備える、請求項6に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−38795(P2013−38795A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−196225(P2012−196225)
【出願日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【分割の表示】特願2007−25998(P2007−25998)の分割
【原出願日】平成6年11月16日(1994.11.16)
【出願人】(310021973)ディジマーク コーポレイション (13)
【Fターム(参考)】