説明

椿油分散溶液及びその製造方法

【課題】椿油のナノ粒子を水中に有効に分散した椿油分散溶液及びその製造方法を提供する。
【解決手段】水を主成分とし、1.0重量%以下の椿油を含有し、その椿油は径が1000nm未満で水に分散したナノ粒子である椿油分散溶液及びその製造方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椿油分を水中に分散した状態で含有する分散溶液に関する。
【背景技術】
【0002】
椿油は、椿科植物の種子である椿種子から搾油されて製造され、古来より食用、薬用、化粧品、及び工業用などに広く応用されている。椿油はオレイン酸を多く含むため酸化されにくく固まりにくい。そのため人体に摂取、服用及び塗布しやすく、経時によって質の変化が少ないので、保存等を経た劣化で人体に悪影響を及ぼすことがなく、工業用に塗布する前や塗布した後に性質が変化しにくいという利点がある。
【0003】
一方で、エマルションが、異なる性質を持つ水と油分を混合する場合に利用されている。エマルションは、油分などの疎水性の分散質を、水や各種の水溶液の分散媒に対して分散している。特に、分散質の径が1000nm未満のナノサイズの粒子の分散溶液は、分散質を分散媒に対して界面活性剤を介さずに分散することができ、分散質がより大きい径である場合に比べて化学的活性の高さなどの異なる特性を示すため注目されている。
【0004】
特許文献1には、有用物質を含有する気体ナノバブルについて開示されている。この有用物質含有ナノバブル発生方法および有用物質含有ナノバブル発生装置が記載され、有用物質としては水、油、懸濁水、化粧水及び液剤等が記載されている。しかし、各有用物質のみをナノサイズにした粒子については開示されていない。有用物質として椿油は開示されていない。含有する有用物質ごとに適した含有量や気体ナノバブルの径についても開示されていない。
【0005】
特許文献2には、ナノサイズの油滴が水に分散した液体の製造方法及び製造装置が開示されている。この液体には水中油滴(O/W型)エマルションの形態を含む安定的なナノサイズの粒子を導入した燃料が含まれる。しかし、この油滴を椿油とした場合の椿油のエマルションについては開示されておらず、この椿油をナノサイズの粒子として水中に有効に分散することができる条件については開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−296095号公報
【特許文献2】国際公開第2008/072619号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明者は、上述の椿油の有用性を鑑み、椿油を水に含有させることで応用範囲を広範とすることができると予測した。そして、椿油を水中に分散させる方法として、ナノサイズの粒子として水分に含有させることに注目した。
【0008】
そこで本発明者は、特許文献1の有用物質含有ナノバブル発生方法及びその発生装置を用いて、椿油を含有するナノサイズの粒子を水中に分散させることを検討した。しかし、この場合、椿油を含有する気体ナノバブルを水中に分散させることになり、水中での気体ナノバブルは椿油の性質に影響を受けることが考えられる。椿油の含有量が気体ナノバブルの容積に比して大きい場合や、水や椿油に添加物が存在すると、その性質が気体のナノバブルに影響を及ぼす可能性がある。その結果、気体ナノバブルの安定性が損なわれて、水中に均一に又は長時間維持されず、椿油と水が分離する可能性がある。その結果、気体ナノバブルを安定に存在させるために、気体ナノバブルの含有割合や径に対して椿油の含有量を最適に調整する必要があると予想された。さらに、椿油の含有量をその最適の範囲以外に調整することができないので、利用範囲が限られることが予測された。
【0009】
特許文献2には、油分を水中に分散する方法について記載されているが、椿油を油分とする場合の条件については何等開示されていない。特許文献2には油分としてガソリン、軽油及び重油が挙げられている。軽油及び重油は、椿油と比較して比重が異なり、特に椿油よりも粘度が低いという性質の違いがある。椿油はナノ粒子の形成、維持及び水中への分散においてこれらの軽油及び重油とは異なる挙動を示すことが予測される。そのため、椿油のナノサイズの粒子の形成と水中への分散に、軽油及び重油の分散のための含有量や径などの条件をそのまま適用することは困難であることが予測された。エマルションを製造する際は、分散する媒体や分散側の性質によって、最適な条件、分散媒の径、すなわち混合割合や製造方法は大きく異なる。これらの混合割合や製造方法が不適切である場合、エマルションを構成できない、分散媒のナノ粒子としての特性が発揮できない、分散を長時間維持できないといった問題が生じ、分散質を分散媒に有効に分散することができない。
【0010】
本発明者は、これらの技術に鑑みて、椿油について、ナノ粒子として水中に有効に分散でき、かつナノ粒子の安定性を保つことができる条件について鋭意研究を重ねていった。その結果、一定の椿油の含有量及び径において長期間安定して維持できる条件を見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
本発明の目的は、椿油のナノ粒子を水中に有効に分散した椿油分散溶液及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の椿油分散溶液は、水を主成分とし、1.0重量%以下の椿油を含有し、この椿油は径が1000nm未満の椿油ナノ粒子で水に分散している。
【0013】
椿油分散溶液は、1.0重量%以下の椿油が1000nm未満のナノ粒子として分散している。椿油ナノ粒子は、径が小さく、疎水性により水に反発して粒子の形を保とうとするためナノ粒子として安定して存在できることに加えて、水中での含有量が1.0重量%以下であることで凝集しにくい。これらの作用により、椿油ナノ粒子は界面活性剤等を要さずに水中に分散し長時間その状態を保つ。この椿油ナノ粒子を含有することにより、椿油分散溶液は油脂系成分として酸化しにくく固まりにくい椿油を含んだ水溶液となる。椿油分散溶液は、油脂系成分のみからなる椿油よりも粘度が低く水性の性質を持つ。そのため、油脂系成分である椿油ナノ粒子中に脂溶性の成分、及び水中に水溶性の成分をそれぞれ混合することができ、これらの成分による様々な性質を付与することができる椿油分散溶液となる。
【0014】
椿油を0.05重量%以上0.6重量%以下含有することも好ましい。0.05重量%以上のある程度の量の椿油が含有されることで、油系の成分として脂溶性の添加物を添加できるといった利点が得られる。0.6重量%以下の椿油を含有することで、椿油ナノ粒子の分散密度が低く、凝集を起こしづらいため、特に安定して長時間維持される。
【0015】
椿油ナノ粒子の径が40nm以上200nm以下であることも好ましい。椿油ナノ粒子の径が小さく、椿油ナノ粒子が水との反発を生じ、水に対して安定して分散することで、椿油ナノ粒子が長時間維持される。
【0016】
椿油分散溶液を飲料、食品、飲料用添加物又は食品用添加物に用いることも好ましい。酸化しにくく固まりにくい椿油を含有するという利点を得つつ、水溶液であるため摂取しやすく他の飲食品に添加しやすい椿油分散溶液となる。
【0017】
椿油分散溶液を毛髪化粧料、化粧オイル、化粧水、美容液、乳液、クレンジングオイル、ハンドクリーム、入浴剤、マッサージクリーム又は保湿用化粧料のいずれかに用いることも好ましい。椿油を含有する利点を得つつ塗布及び外用等がしやすく、水系及び油脂系の他の化粧料等に添加しやすい椿油分散溶液となる。
【0018】
椿油分散溶液の製造方法は、水に対して椿油を1.0重量%以下となるよう混合し水と椿油の混合溶液とする混合工程と、混合溶液中の椿油をせん断して径が1000nm未満の椿油ナノ粒子として水に略均一に分散させる分散工程を含む。
【0019】
椿油ナノ粒子を水溶液に1.0重量%以下となるよう分散することで、椿油ナノ粒子がナノサイズを保って水中に分散を維持する。このため椿油ナノ粒子が均一に分散した状態が安定して保たれた椿油分散溶液を得ることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の椿油分散溶液は、1.0重量%以下の椿油が1000nm未満のナノ粒子として分散している。椿油ナノ粒子は、径が小さく、疎水性により水に反発して粒子の形を保とうとするためナノ粒子として安定して存在できることに加えて、水中での含有量が1.0重量%以下であることで凝集しにくい。これらの作用により、椿油ナノ粒子は界面活性剤等を要さずに水中に分散し長時間その状態を保つ。この椿油ナノ粒子を含有することにより、椿油分散溶液は油脂系成分として酸化しにくく固まりにくい椿油を含んだ水溶液となる。椿油分散溶液は、油脂系成分のみからなる椿油よりも粘度が低く水性の性質を持つ。そのため、油脂系成分である椿油ナノ粒子中に脂溶性の成分、及び水中に水溶性の成分をそれぞれ混合することができ、これらの成分による様々な性質を付与することができる椿油分散溶液となる。
【0021】
本発明の椿油分散溶液の製造方法は、椿油ナノ粒子を水溶液に1.0重量%以下となるよう分散することで、椿油ナノ粒子がナノサイズを保って水中に分散を維持する。このため椿油ナノ粒子が均一に分散した状態が安定して保たれた椿油分散溶液を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
まず、本発明の一実施形態を例に挙げて説明する。本実施形態の椿油分散溶液は、水を主成分とし、1.0重量%以下の椿油を含有し、椿油は径が1000nm未満の椿油ナノ粒子で、水に分散している。ここでナノ粒子とは、径・大きさが1000nm(1μm)未満の気体又は液体の粒子を指す。椿油ナノ粒子とは椿油を含有、好ましくは主成分とするナノ粒子である。
【0023】
本実施形態の椿油分散溶液の主成分である水は、最終的な純度は問わず、イオンの少ない純水、精製しない水道水又は添加物を加えた水等を適宜使用できる。後述するミネラル、香り成分、各種の栄養成分などを含んだものであってもよい。本実施形態では、水道水を使用している。
【0024】
椿油は、椿科植物の種子を搾油して得られるものであり、椿科植物としては従来椿油の原料となる品種、またその他のツバキ科の植物の種子も利用できる。このツバキ科植物の例としては、ヤブツバキ、サザンカ、チャノキ又は油茶などがある。本実施形態ではヤブツバキをそのまま使用している。搾油は、ツバキ科植物の種子をローラ、プレス等で粗砕、加圧し、油分の椿油を得る方法を用いることができる。椿油は、後述する各種の添加物を含んだものであってもよい。
【0025】
本実施形態の椿油分散溶液は、1.0重量%以下の椿油を含有する水溶液である。1.0重量%を上回ると、水中に椿油ナノ粒子が好適に形成されない、分散されない、椿油ナノ粒子が凝集するといった問題が生ずる。椿油ナノ粒子の凝集は、水中での椿油ナノ粒子の分散密度が大きすぎると二次凝集を起こすことで、椿油ナノ粒子が大きなサイズの粒子となりナノ粒子の性質を失い、さらに凝集して椿油の層となり、椿油と水との成分が分離する。
【0026】
椿油の含有量は、0.05重量%以上、0.6重量%以下であることが望ましい。0.05重量%を下回ると、後述する製造時に椿油の粒子が確実にせん断されない場合があるため、椿油ナノ粒子の分散が不十分となることがある。椿油の含有量を0.6重量%以下とすることで、ナノ粒子が少なくとも60時間以上は安定して水中に分散する。一方で椿油の含有量が0.6重量%を上回ると、分散の直後は椿油ナノ粒子として分散しているが、60時間が経過すると椿油と水が分離することを本発明者は見出している。
【0027】
椿油の含有量は、0.1重量%以上、0.2重量%以下であることがさらに望ましい。本発明者は経験的に、椿油の含有量が0.1重量%以上、0.2重量%以下であると分散から30〜90日を経過しても椿油ナノ粒子が水中に分散した状態を保つことを見出している。これは、この椿油分散溶液には、充分にせん断された揃った径の椿油ナノ粒子が分散しているため、及び椿油ナノ粒子の分散密度が低くなって互いに衝突する可能性が一定より低いので、椿油ナノ粒子の二次凝集による椿油と水分の分離が実質的にほとんど起こらなくなるためと思われる。
【0028】
椿油ナノ粒子は、分散質として分散媒である水の中に略均一に分散し、エマルションを形成している。椿油ナノ粒子は油分であるため疎水性によって水中では周囲の水分子との間に反発が生じ、さらにその反発の力に比して質量が小さいのでナノ粒子の形状と大きさが維持され、その結果水中に略均一に分散する。
【0029】
さらに、椿油ナノ粒子は径が10〜500nmであることが望ましい。10nm未満のナノ粒子は製造に手間とコストを要し実施に適さない。500nm以上のナノ粒子は、二次凝集によって1000nm以上の粒子となる等によって椿油ナノ粒子の性質を喪失する可能性が大きい。さらに、径が40〜200nmの粒子であることが特に望ましい。この径の粒子は、二次凝集が起こりにくく、解離分離を起こさないので、少なくとも60時間以上安定して存在できる。さらに、後述するせん断による製造方法によって手間とコストを要さず製造することができる。
【0030】
椿油分散溶液は、この椿油ナノ粒子のエマルションを含有し、用途に応じて各種の添加剤も含有する水溶液としたものである。椿油分散溶液は、水に対して水溶性の添加成分を添加することができ、椿油に対して疎水性の添加成分を添加することができるので、いずれの添加成分も容易に添加することができる。水への添加物としては水溶性の栄養成分、一例としてはミネラル成分などを選択でき、例えば白金ナノコロイドを含有する水(プラチナウォーター)を水に用いることもできる。椿油への添加物としては目的に応じて、油溶性の成分、例えば各種の栄養成分や、ビタミンEやアスタキサンチン等の抗酸化剤を添加してもよい。また、椿油の絞り粕から亜臨界水によって抽出したサポニン等の化合物を添加してもよい。この場合、椿からの生成物を有効に利用及び再利用することができる。
【0031】
椿油分散溶液は、各種の飲料、食品又は飲料用若しくは食品用添加剤に用いてもよい。椿油分散溶液は従来の脂溶性のほか水溶性の添加物も添加することができ、また油系及び水系のいずれの飲料や食品に添加物として添加することができる。例えば、椿油分散溶液を、他の果汁や甘味料を添加して椿油を含有する飲料又は食品とすることができる。また、椿油分散溶液は水溶性及び疎水性の飲料や食品に混合する飲食品用添加剤とすることもできる。
【0032】
椿油分散溶液は、各種の化粧料等に用いてもよい。椿油分散溶液は従来の脂溶性のほか水溶性の添加物も添加することができ、また油系及び水系のいずれの化粧料等に添加物として添加することができる。例えば、椿油分散溶液に各種の成分を添加して毛髪化粧料、化粧オイル、化粧水、美容液、乳液、クレンジングオイル、ハンドクリーム、入浴剤、マッサージクリーム又は保湿用化粧料等とすることができ、又はこれらに対して椿油分散溶液を添加して用いることができる。
【0033】
次に、本発明の椿油分散溶液の製造方法について説明する。まず、水に対して椿油を添加し、水と椿油の混合溶液とする混合工程を行う。この時点の水は純水でもよく、他の成分がすでに添加された水溶液でもよい。具体的には、水に対して0.1〜1.0重量%の椿油を混合する。
【0034】
この混合溶液に対してせん断の操作を加えることで、椿油を水中でせん断し1000nm未満の椿油ナノ粒子として、水中に均一に分散した状態とする分散工程を行う。具体的には、このせん断の操作は、混合溶液をインペラ構造のポンプで高速旋回させることによって行う。ポンプのインペラ構造によって、その構造の表面にはキャビテーションの作用が生じ、この作用及び高速旋回の遠心力によって、水中の椿油がナノ粒子となりつつ、水と相互に混合される。その結果、水中に40〜200nmの椿油ナノ粒子が生じる。なお、この時点で、椿油ナノ粒子は水に略均一に分散している。
【0035】
必要に応じてこの椿油ナノ粒子に水を加えて最終的な椿油ナノ粒子の含有量の調整を行ってもよい。その後、各種の用途に応じて他の添加剤を添加し、それらの操作を経て椿油分散溶液とする。
【0036】
本発明の他の変更態様として、上述の椿油ナノ粒子の生成に先立って、椿油を径が100μm未満の椿油のマイクロ粒子とする前処理のマイクロ化工程を行ってもよい。マイクロ粒子とは、径が1mm(1000μm)未満の粒子であり、ここでは望ましくは100μm未満、特に望ましくは1〜12μmの粒子である。マイクロ粒子を製造するには、機械的な力を加えて破砕、せん断する手段や、超音波などで破砕する手段など既知のものを適宜使用できる。特に回転する刃などで破砕を行うエマルジョナイザーが容易かつ低コスト、短時間でマイクロ粒子を生成できる。その後、マイクロ粒子を含有する水を上述したインペラ構造のポンプで高速旋回させる。前処理のマイクロ化工程を行うことで、椿油ナノ粒子の生成の際にマイクロ粒子をせん断するので椿油ナノ粒子の径が揃い、さらに均一に分散した椿油分散溶液が得られる。
【実施例】
【0037】
以下、実施例により更に具体的に本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[試験例]
[椿油分散溶液の製造試験]
【0038】
ヤブツバキより採取した椿種をスクリュープレスによって圧搾して搾油し、椿油を得た。この椿油と水とを表1に示す0.05〜2.0重量%の各割合で混合したものを、インペラ構造のポンプで1MPa、3500rpmで高速旋回させ、ポンプによるキャビテーションを起こし微細化した。この操作により、径が40〜200nmの椿油ナノ粒子を含有し、水に対して0.05〜2.0重量%の椿油ナノ粒子が分散した椿油分散溶液を得た。
【0039】
これらの椿油分散溶液を分散の操作後の経過時間ごとに観察し、水分と油脂成分の分離状態を調べた。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
特に、0.1〜0.2重量%のものは、分散後の経過時間が100日になっても油脂分と水分の分離が起こらず分散した状態を保っていた。0.6重量%以下では、製造後60時間を経ても椿油が水中に略均一に分散した状態を保っていた。1.0重量%以上では分散後1時間以上が経つと若干目視できる濁りが生じ一部椿油の分離が起こったが、分散後短時間では充分に分散されていた。この結果から、椿油分散溶液の椿油ナノ粒子の含有量が1.0重量%までは水中に分散することが示された。
【0042】
以上述べた実施形態及び実施例は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明は椿油を有効に利用でき、椿油絞り粕から抽出した化合物を添加するなど再利用にも用いることができるので、椿油の生産、利用及び生産における生成物の再利用の分野の他に食用、医薬などの分野に幅広く役立ち、生活や産業に広く貢献できるものである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を主成分とし、1.0重量%以下の椿油を含有し、前記椿油は径が1000nm未満の椿油ナノ粒子で前記水に分散していることを特徴とする椿油分散溶液。
【請求項2】
前記椿油を0.05重量%以上0.6重量%以下含有することを特徴とする請求項1に記載の椿油分散溶液。
【請求項3】
前記椿油ナノ粒子は径が40nm以上200nm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の椿油分散溶液。
【請求項4】
飲料、食品、飲料用添加物又は食品用添加物に用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の椿油分散溶液。
【請求項5】
毛髪化粧料、化粧オイル、化粧水、美容液、乳液、クレンジングオイル、ハンドクリーム、入浴剤、マッサージクリーム又は保湿用化粧料のいずれかに用いることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の椿油分散溶液。
【請求項6】
水に対して椿油を1.0重量%以下となるよう混合し水と椿油の混合溶液とする混合工程と、混合溶液中の椿油をせん断して径が1000nm未満の椿油ナノ粒子として水に略均一に分散させる分散工程を含むことを特徴とする椿油分散溶液の製造方法。


【公開番号】特開2012−244915(P2012−244915A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−117357(P2011−117357)
【出願日】平成23年5月25日(2011.5.25)
【出願人】(300046810)株式会社椿 (8)
【出願人】(501195670)株式会社事業創造研究所 (12)
【Fターム(参考)】