説明

楕円形ベースセグメントを有する対称鋸歯状エッジ導光フィルム

【課題】少なくとも1つの点光源を有するバックライトユニットのための平面導光フィルムを提供する。
【解決手段】導光フィルムは、点光源からの光を受け取るための光入力面、光入力面から受け取った光を方向変換するための光方向変換面、および少なくとも光方向変換面からの方向変換された光を出力するための光出力面を含む。光入力面は複合レンズ構造をさらに含み、複合レンズ構造は第1の接触角A1を有する円形先端セグメント16a、並びに第2の接触角を有する第1のおよび第2の楕円形ベースセグメント16b,16cを有し、第2の接触角は第1の接触角A42よりも大きく、第2の接触角A52は互いに等しい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光ダイオード(LED)バックライトユニットの導光フィルムに関し、より具体的には、導光フィルムを透過されうる光の入射角を大きくするために、導光フィルムの入射面に複数の湾曲した溝を有するLEDバックライトユニットの導光フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
典型的には、携帯型およびノートブック装置のための液晶ディスプレイ(LCD)は、一般的に、少なくとも1つの側面発光ダイオード(LED)をバックライトユニットの光源として使用する。このような側面LEDは、一般的には、図1に示されるようなバックライトユニットに対して提供される。
【0003】
図1を参照すると、バックライトユニット10は基体12上に配置された平面導光フィルム20と、導光フィルム20の側面における配列で配置された複数の側面LED30(図1においては、側面LEDは1つだけ示されている)とを含む。LED30から導光フィルム20に入る光Lは、導光フィルム20の底に位置する微小反射パターン22および反射シート(示されていない)によって上方に反射され、そして導光フィルム20から出て、導光フィルム20上方のLCDパネル40へのバックライトを提供する。このようなバックライトユニット20は、光がLED30から導光フィルム20上に入射する場合に、図2に示されるような問題に悩まされている。
【0004】
図2に示されるように、各LED30から放射された光Lは、光Lが導光フィルム20に入る場合にスネルの法則に従った媒質間での屈折率差のせいであらかじめ決定されている角度θで導光フィルム20に向けて屈折させられる。言い換えると、光LがLED30からα1の光線角度で放射されるとしても、それはα1より小さいα2の入射角で導光フィルム20に入射する。図3においては、光Lのこのような入射プロファイルが示される。よって、それぞれのLED30から導光フィルム20に入る光Lの光線が一緒にされる一緒になった領域の長さ(l)を増大させるという問題が存在する。さらに、導光フィルム20の入射面上の長さ(l)に対応する領域には「ホットスポット」と称される明るいスポットHと、暗いスポットDとが交互に形成される。それぞれの明るいスポットHはLED30に対面する位置に形成され、そして暗いスポットDのそれぞれは明るいスポットHの間に形成される。
【0005】
交互に形成される明るいスポットおよび暗いスポットは導光フィルムには望ましくないので、それらは最小限にされるべきであり、かつ長さ(l)はできるだけ短くされるべきである。この目的のために、導光フィルムに入る光の角度、すなわち光の入射角を大きくすることが必要である。
【0006】
この目的のために、図4に示される導光フィルムの入力面上に突出を形成することが示唆されている。具体的には、複数の微小プリズム形状構造24または円弧形状(arc−shaped)構造(示されていない)が、導光フィルム20Aの光入力面上に形成され、そして光Lが、光源の焦点Fから放射された光の配向角α1に実質的に等しい入射角α3で導光フィルムに入る。よって、光源の焦点Fから放射された光線の配向角α1が同じである場合には、図2および3の場合よりも広い入射角α3で光Lが導光フィルムに入る。しかし、この解決策では、図4に示されるような隣り合ったプリズムまたは円弧形状構造物の壁によって光線が屈折させられる二次光コリメーション(secondary light collimation)が存在する。隣り合ったプリズム構造の壁からの二次光コリメーションは光線を軸上に戻るように曲げ、図4に示されるような光源からの光のより少ない拡散を提供する。よって、入力面上の連続プリズムまたは円弧形状構造は光拡散能力を制限してきた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
よって、バックライトシステムの効率を犠牲にすることなく、より均一な表面照明の導光フィルムを提供する改良された入力エッジ設計が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、少なくとも1つの点光源を有するバックライトユニットのための平面導光フィルムであって、前記導光フィルムが、前記点光源からの光を受け取るための光入力面;前記光入力面から受け取った光を方向変換するための光方向変換(light redirecting)面;少なくとも前記光方向変換面からの方向変換された光を出力するための光出力面を含み、前記光入力面は複合レンズ構造をさらに含み、前記複合レンズ構造は第1の接触角を有する円形先端セグメント、並びに第2の接触角を有する第1のおよび第2の楕円形ベースセグメントを有し、前記第2の接触角は前記第1の接触角よりも大きく、前記第2の接触角は互いに等しく;
前記円形先端セグメントは下記式:
【数1】

を満たし、並びに
前記楕円形ベースセグメントは下記式:
【数2】

を満たす、平面導光フィルムを提供する。
【0009】
さらに、本発明は、少なくとも1つの点光源を有するバックライトユニットのための平面導光フィルムであって、前記導光フィルムが、前記点光源からの光を受け取るための光入力面;前記光入力面から受け取った光を方向変換するための光方向変換面;少なくとも前記光方向変換面からの方向変換された光を出力するための光出力面を含み、前記光入力面は複合レンズ構造をさらに含み、前記複合レンズ構造はその間にギャップを有し、前記レンズ構造は第1の接触角を有する円形先端セグメント、並びに第2の接触角を有する第1のおよび第2の楕円形ベースセグメントを有し、前記第2の接触角は前記第1の接触角よりも大きく、前記第2の接触角は互いに等しく;
前記円形先端セグメントは下記式:
【数3】

を満たし、並びに
前記楕円形ベースセグメントは下記式:
【数4】

を満たす、平面導光フィルムをさらに提供する。
【0010】
さらに、本発明は、少なくとも1つの点光源を有するバックライトユニットのための平面導光フィルムであって、前記導光フィルムが、前記点光源からの光を受け取るための光入力面;前記光入力面から受け取った光を方向変換するための光方向変換面;少なくとも前記光方向変換面からの方向変換された光を出力するための光出力面を含み、前記光入力面は鋸歯状レンズ構造をさらに含み、前記鋸歯状レンズ構造は前記点光源が前記光入力面に入射する場所のみで提供され、前記レンズ構造は第1の接触角を有する円形先端セグメント、並びに第2の接触角を有する第1のおよび第2の楕円形ベースセグメントを有し、前記第2の接触角は前記第1の接触角よりも大きく、前記第2の接触角は互いに等しく;
前記円形先端セグメントは下記式:
【数5】

を満たし、並びに
前記楕円形ベースセグメントは下記式:
【数6】

を満たす、平面導光フィルムを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は従来のバックライトモジュールを説明する概略図である。
【図2】図2は従来の導光板の明/暗バンドの分布を説明する概略図を示す。
【図3】図3は従来の光拡散構造の一実施形態を説明する概略図を示す。
【図4】図4は従来の光拡散構造の別の実施形態を説明する概略図を示す。
【図5】図5aおよび5bは、本発明の実施形態に従った導光フィルムを説明する概略図を示す。
【図6a】図6a〜6cは、本発明の実施形態に従った複合レンズフィーチャの様々なセグメントを説明する概略図を示す。
【図6b】図6a〜6cは、本発明の実施形態に従った複合レンズフィーチャの様々なセグメントを説明する概略図を示す。
【図6c】図6a〜6cは、本発明の実施形態に従った複合レンズフィーチャの様々なセグメントを説明する概略図を示す。
【図7a】図7aおよび7bは、互いに隣り合うフィーチャ間にギャップを有する複合レンズフィーチャの光拡散能力を説明する概略図を示す。
【図7b】図7aおよび7bは、互いに隣り合うフィーチャ間にギャップを有する複合レンズフィーチャの光拡散能力を説明する概略図を示す。
【図8】図8は本発明の別の実施形態を示す。
【図9a】図9aおよび9bは、円形または円弧形状の入力フィーチャについての光入力面からの様々の距離での輝度強度を示す。
【図9b】図9aおよび9bは、円形または円弧形状の入力フィーチャについての光入力面からの様々な距離での輝度強度を示す。
【図10a】図10aおよび10bは、台形フィーチャまたは傾斜した側面を有するフィーチャについての、光入力面からの様々な距離での輝度強度を示す。
【図10b】図10aおよび10bは、台形フィーチャまたは傾斜した側面を有するフィーチャについての、光入力面からの様々な距離での輝度強度を示す。
【図11a】図11aおよび11bは、本発明のある実施形態に従った光入力面からの様々な距離での輝度強度を示す。
【図11b】図11aおよび11bは、本発明のある実施形態に従った光入力面からの様々な距離での輝度強度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に従った導光フィルムは光出力面、光方向変換面、並びにこの光出力面と光方向変換面とを繋ぐ少なくとも1つの光入力面を含む。光入力面は複合レンズアレイからなる複数の凹状フィーチャを含む。光出力面に対して垂直な平坦面であるギャップによって、それぞれの複合レンズは隔てられている。複合レンズおよびギャップは光入力面に沿って配置されており、かつ出力面から光方向変換面に向かって伸びている。複合レンズのそれぞれは、第1の接触角を有する円形先端セグメントを含む先端部分と、第2の接触角を有する2つの傾斜した楕円形ベースセグメントを含むベース部分とからなる対称な断面を有し、この第2の接触角は第1の接触角よりも大きく、かつこの2つの傾斜した楕円形ベースセグメントのそれぞれについての接触角は等しい。
【0013】
上記実施形態に従って、複合レンズの幾何学的形状は比較的大きな光偏向距離を可能にし;すなわち、複合レンズ構造がより良好な光拡散能力を有する。よって、点光源とディスプレイのアクティブエリアとの間の距離が短くされることができ、そして輝度均一性を依然として許容可能にしつつ、点光源間の暗いスポットが最小限にされうる。円形先端セグメントは離散した光源、典型的には、発光ダイオード(LED)の前の光を均一に分布させる。2つの傾斜した楕円形ベースセグメントはLED間の光を均一に分布させる。円形先端セグメントと傾斜した楕円形ベースセグメントとの滑らかな湾曲は、光出力が均一であるように光空間分布の均一性を最大化する。さらに、入射光の伝播経路においてより大きな程度の偏向が達成されことができ、それにより光拡散効果を増大させるように、それぞれの2つの隣り合う複合レンズ構造はその間にギャップまたは平らな部分を有することも必要である。
【0014】
図5aおよび5bを参照すると、本発明の一実施形態に従った導光フィルムが示され、そこでは、少なくとも1つの点光源(例えば、図5aに示されるLED14)から光を受け取りそして導くために平面導光フィルム12が使用される。LED14の隣の導光フィルム12の側面は光入力面12aを形成する。光入力面12aと角をつくっている導光フィルム12の上面は発光面12bを形成し、発光面12bの反対側の底面は光反射面12cを形成する。光反射面12cは複数の光反射構造を含んでなる。LED14から放射された光は光入力面12aを介して導光フィルム12に入り、そして導光フィルム12内部を伝播する。次いで、それは光反射面12cによって発光面12bに向けて導かれ、そして最終的に発光面12bを通って導光フィルム12を出る。
【0015】
さらに、複数の凹状複合レンズ構造16は、光入力面12aのエッジで鋸歯状にされ、その長手方向が互いに平行であり、かつそれぞれの隣り合う複合レンズ構造16間のギャップ(G)を有する。ここで、図6a、6bおよび6cを参照すると、LED14に対面している複合レンズ構造16の光入力面12aは、円形先端セグメント16a、並びに2つの傾斜した楕円形ベースセグメント16bおよび16cをそれぞれ有する。凹状複合レンズ構造16の円形先端セグメント16aは光入力面12aから最も遠いセグメントである。本発明の好ましい実施形態のための複合レンズフィーチャは、光入力面上に凹方向で配置されるが、この複合レンズは光入力面上に凸方向であっても良い。
【0016】
長さTは楕円形ベースセグメント16bおよび16cの頂部での接線の延長と、円形先端セグメント16aの接線(ここで、この円形先端セグメント16aの接線は光入力面12aに対して平行である)との交点間の距離である。長さTは、円形先端セグメント16aが2つの楕円形ベースセグメント16bおよび16cと交差する場所を採用した円形先端セグメント16aの全幅である。TはTに平行であることに留意されたい。接触角Aは円形先端セグメント16aの接触角である。接触角Aは好ましくは0.1度より大きくかつ85度以下である。ここで、図6bを参照すると、ギャップGは互いに隣り合う複合レンズ間の距離である。好ましくは、ギャップGはピッチPの0.9倍以下である。線状複合レンズアレイ16のピッチPは、光入力エッジに沿って、ギャップG距離および複合レンズの全幅Bを含む距離である。好ましくは、ピッチPは5マイクロメートル以上でかつ1ミリメートル(mm)以下である。フィーチャの全高Hは光入力エッジから円形先端セグメント16aの接線までで測定される。複合レンズの全高Hは3マイクロメートル以上でかつ1ミリメートル以下である。光入力面12aは10ナノメートル〜2マイクロメートルの表面仕上げを有するであろう。凹状複合レンズ構造16の表面仕上げはフィーチャ間のギャップG部分と同じであって良く、または異なっていてよい。
【0017】
有利なことに、円形先端セグメント16aのXY断面の形状は下記式(1):
【数7】

を満たし、この場合円形先端セグメント16aは第1の半径rを有する。第1の半径rは、距離Tの半分を接触角Aの半分のタンジェントで割った商として定義される。値aは全高H引く円形先端セグメント16aの半径rとして定義される。値xは光入力面の方向での値であって、好ましくは−r×sin(A)≦x≦r×sin(A)の範囲内に設定される。値yは光伝播方向での値である。
【0018】
ここで、図6cを参照すると、複合レンズ構造は2つの傾斜した楕円形セグメント、すなわち、第1の楕円形ベースセグメント16bおよび第2の楕円形ベースセグメント16cも含む。それぞれの楕円形ベースセグメントは2つの接触角、頂部接触角および底部接触角を含む。第1の楕円形ベースセグメント16bは頂部接触角A41および底部接触角A42を有する。第2の楕円形ベースセグメント16cは頂部接触角A51および底部接触角A52を有する。頂部接触角A41は円形先端セグメント16aと第1の楕円形ベースセグメント16bとが交差する点での第1の楕円形ベースセグメント16bに対する接線によって作られる。底部接触角A42は第1の楕円形ベースセグメント16bが光入力面12aに交差する点での第1の楕円形ベースセグメント16bに対する接線によって作られる。第1の楕円形ベースセグメント16bの頂部接触角A41と第2の楕円形ベースセグメント16cの頂部接触角A51とは同じである。第1の楕円形ベースセグメント16bの底部接触角A42と第2の楕円形ベースセグメント16cの底部接触角A52とは同じである。2つの楕円形ベースセグメント16bおよび16cのそれぞれについての接触角は、円形先端セグメント16aの接触角Aよりも大きい。
【0019】
有利なことに、図6cに示されるような楕円形ベースセグメント16bおよび16cのXY断面の形状は、それぞれ、下記式(2および3):
【数8】

を満たす。
ここで、
【数9】

【数10】

【数11】

【数12】

【数13】

【数14】

【数15】

【数16】

【数17】

【数18】

である。
【0020】
よって、第1の楕円形ベースセグメント16bは頂部接触角A41および底部接触角A42を有し、かつ第2の楕円形ベースセグメント16cは頂部接触角A51および底部接触角A52を有する。図6aおよび6c、並びに式2を参照すると、第1の楕円形ベースセグメント16bの高さHは、(複合レンズフィーチャ16の全高H)−{(円形先端セグメント16aの半径r)×[1−(円形先端セグメント16aの接触角Aのコサイン)]}である。複合レンズフィーチャ16の全幅Bは(複合レンズアレイのピッチP)−(ギャップG距離)に等しい。好ましくは、ギャップGは0より大きくかつピッチPの0.9倍以下である。ピッチPは、好ましくは、5マイクロメートル以上かつ1ミリメートル以下である。第2の楕円形ベースセグメント16cの高さは第1の楕円形ベースセグメント16bの高さHに等しい。
【0021】
パラメータaは、{(第1の楕円形ベースセグメント16bの高さHの二乗)×[(第1の楕円形ベースセグメント16bの頂部の接触角A41のタンジェントの二乗)+1]×[(楕円形ベースセグメント16bの底部での接触角A42のタンジェントの二乗)+1]×{[2×(接触角A41のタンジェントの二乗)×(接触角A42のタンジェントの二乗)]+(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェントの二乗)+[2×(接触角A41のタンジェント)×(接触角A42のタンジェント)]×{[(接触角A41のタンジェントの二乗)×(接触角A42のタンジェントの二乗)+(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェントの二乗)+1]の1/2乗}}÷{[(接触角A41のタンジェントの二乗)−(接触角A42のタンジェントの二乗)]の二乗}の1/2乗}×(1/2)×{[(円形先端セグメント16aの全幅T)−(複合レンズフィーチャ16の全幅B)]×{[(接触角A41のタンジェントの二乗)×(接触角A42のタンジェントの二乗)+(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェントの二乗)+1]の1/2乗}−(接触角A41のタンジェント)×(接触角A42のタンジェント)+1}を、{(第1の楕円形ベースセグメント16bの高さH)×[(接触角A41のタンジェント)+(接触角A42のタンジェント)]}で割った商に等しい。
【0022】
パラメータbは、{(第1の楕円形ベースセグメント16bの高さHの二乗)×[(第1の楕円形ベースセグメント16bの頂部の接触角A41のタンジェントの二乗)+1]×[(楕円形ベースセグメント16bの底部での接触角A42のタンジェントの二乗)+1]×{[2×(接触角A41のタンジェントの二乗)×(接触角A42のタンジェントの二乗)]+(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェントの二乗)+[2×(接触角A41のタンジェント)×(接触角A42のタンジェント)]×{[(接触角A41のタンジェントの二乗)×(接触角A42のタンジェントの二乗)+(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェントの二乗)+1]の1/2乗}}を、{[(接触角A41のタンジェントの二乗)−(接触角A42のタンジェントの二乗)]の二乗}で割った商の1/2乗に等しい。
【0023】
パラメータcは、{(円形先端セグメント16aの全幅T)×(1/2)×(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェント)×(複合レンズフィーチャ16の全幅B)×(1/2)×(接触角A41のタンジェントの二乗)+(1/2)×[(円形先端セグメント16aの全幅T)−(複合レンズフィーチャ16の全幅B)]}÷[(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェント)×(接触角A41のタンジェント)]+{(接触角A42のタンジェント)×[(接触角A41のタンジェントの二乗)+1]×(1/2)×[(円形先端セグメント16aの全幅T)−(複合レンズフィーチャ16の全幅B)]±{(接触角A41のタンジェント)×(1/2)×[(円形先端セグメント16aの全幅T)−(複合レンズフィーチャ16の全幅B)]×{[(接触角A41のタンジェントの二乗)×(接触角A42のタンジェントの二乗)+(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェントの二乗)+1]の1/2乗}}}÷{(接触角A41のタンジェント)×[(接触角A41のタンジェントの二乗)−(接触角A42のタンジェントの二乗)]}に等しい。
【0024】
パラメータdは、{(接触角A41のタンジェントの二乗)+1−[(接触角A41のタンジェントの二乗)×[(接触角A41のタンジェントの二乗)+1]]}±{(接触角A41のタンジェント)×(接触角A42のタンジェント)×{[(接触角A41のタンジェントの二乗)×(接触角A42のタンジェントの二乗)+(接触角A41のタンジェントの二乗)+(接触角A42のタンジェントの二乗)+1]の二乗}}を、[(接触角A41のタンジェントの二乗)−(接触角A42のタンジェントの二乗)]で割って得られた商に第1の楕円形ベースセグメント16bの高さHを掛けたものに等しい。
【0025】
図6aおよび6c、並びに式3を参照すると、第2の楕円形ベースセグメント16cの高さHは、第1の楕円形ベースセグメント16bの高さに等しい。複合レンズフィーチャ16の全幅Bは(複合レンズアレイのピッチP)−(ギャップG距離)に等しい。好ましくは、ギャップGは0より大きくかつピッチPの0.9倍以下である。
【0026】
パラメータaは、{(第2の楕円形ベースセグメント16cの高さHの二乗)×[(第2の楕円形ベースセグメント16cの頂部の接触角A51のタンジェントの二乗)+1]×[(第2の楕円形ベースセグメント16cの底部での接触角A52のタンジェントの二乗)+1]×{[2×(接触角A51のタンジェントの二乗)×(接触角A52のタンジェントの二乗)]+(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェントの二乗)+[2×(接触角A51のタンジェント)×(接触角A52のタンジェント)]×{[(接触角A51のタンジェントの二乗)×(接触角A52のタンジェントの二乗)+(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェントの二乗)+1]の1/2乗}}÷{[(接触角A51のタンジェントの二乗)−(接触角A52のタンジェントの二乗)]の二乗}の1/2乗}×(1/2)×{[(円形先端セグメント16aの全幅T)−(複合レンズフィーチャ16の全幅B)]×{[(接触角A51のタンジェントの二乗)×(接触角A52のタンジェントの二乗)+(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェントの二乗)+1]の1/2乗}−(接触角A51のタンジェント)×(接触角A52のタンジェント)+1}を、{(第2の楕円形ベースセグメント16cの高さH)×[(接触角A51のタンジェント)+(接触角A52のタンジェント)]}で割った商に等しい。
【0027】
パラメータbは、{(第2の楕円形ベースセグメント16cの高さHの二乗)×[(第2の楕円形ベースセグメント16cの頂部の接触角A51のタンジェントの二乗)+1]×[(楕円形ベースセグメント16cの底部での接触角A52のタンジェントの二乗)+1]×{[2×(接触角A51のタンジェントの二乗)×(接触角A52のタンジェントの二乗)]+(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェントの二乗)+[2×(接触角A51のタンジェント)×(接触角A52のタンジェント)]×{[(接触角A51のタンジェントの二乗)×(接触角A52のタンジェントの二乗)+(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェントの二乗)+1]の1/2乗}}を、{[(接触角A51のタンジェントの二乗)−(接触角A52のタンジェントの二乗)]の二乗}で割った商の1/2乗に等しい。
【0028】
パラメータcは、{(円形先端セグメント16aの全幅T)×(1/2)×(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェント)×(複合レンズフィーチャ16の全幅B)×(1/2)×(接触角A51のタンジェントの二乗)+(1/2)×[(円形先端セグメント16aの全幅T)−(複合レンズフィーチャ16の全幅B)]}÷[(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェント)×(接触角A51のタンジェント)]+{(接触角A52のタンジェント)×[(接触角A51のタンジェントの二乗)+1]×(1/2)×[(円形先端セグメント16aの全幅T)−(複合レンズフィーチャ16の全幅B)]±{(接触角A51のタンジェント)×(1/2)×[(円形先端セグメント16aの全幅T)−(複合レンズフィーチャ16の全幅B)]×{[(接触角A51のタンジェントの二乗)×(接触角A52のタンジェントの二乗)+(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェントの二乗)+1]の1/2乗}}}÷{(接触角A51のタンジェント)×[(接触角A51のタンジェントの二乗)−(接触角A52のタンジェントの二乗)]}に等しい。
【0029】
パラメータdは、{(接触角A51のタンジェントの二乗)+1−[(接触角A51のタンジェントの二乗)×[(接触角A51のタンジェントの二乗)+1]]}±{(接触角A51のタンジェント)×(接触角A52のタンジェント)×{[(接触角A51のタンジェントの二乗)×(接触角A52のタンジェントの二乗)+(接触角A51のタンジェントの二乗)+(接触角A52のタンジェントの二乗)+1]の二乗}}を、[(接触角A51のタンジェントの二乗)−(接触角A52のタンジェントの二乗)]で割って得られた商に第2の楕円形ベースセグメント16cの高さHを掛けたものに等しい。
【0030】
座標xは入力エッジの方向の値、またはより具体的には複合レンズフィーチャ16の全幅の方向の値であり、および好ましくは、第1の楕円形ベースセグメント16bについては−B/2≦x≦−T/2の範囲内に設定され、および第2の楕円形ベースセグメント16cについてはT/2≦x≦B/2の範囲内に設定される。座標yおよびyは光伝播方向の値である。
【0031】
複合レンズフィーチャについての接触角は、A41=A51、A42=A52およびA≦A42、A41であると説明されうる。好ましくは、A≦A42、A41≦85度である。
【0032】
図7aは、隣り合う複合レンズ間のギャップGが存在しないように連続する様式で、個々の複合レンズフィーチャが光入力面12a上に配置される場合に光線に対して何が起こるかを説明する、本発明のシングル複合レンズフィーチャ16のアレイについてのレイトレーシングである。図7bは同様のレイトレーシングであるが、この場合には個々の複合レンズフィーチャは隣り合うフィーチャ間でギャップGによって隔てられている。ギャップGは好ましくは、0.9P以下であり、ここでPは(図6bにおいて示されるように)入力面12a上の複合レンズフィーチャのピッチである。図7aにおいては、複合レンズフィーチャが入力面に沿って互いに隣り合う場合に、光線のいくつかは、それが隣のフィーチャの側面に到達する際に光線が屈折させられるような二次光コリメーションを受けるであろう。この二次光コリメーションは複合レンズフィーチャ16の拡散能力を損ねる。図7bにおいては、複合レンズフィーチャはギャップGによって隔てられる。このギャップは光線が拡散様式で持続するのを可能にし、よって光が導光フィルムを伝播する角度を広くすることを可能にする。フィーチャ間のギャップが複合レンズフィーチャ設計中に組み込まれる場合には、最小限の二次光コリメーションが存在する。このようにして、より広い角度の光は導光フィルムの入力面に沿ったホットスポットを緩和するのを助ける。
【0033】
ここで、図8を参照すると、図8における導光フィルム12は、入力面12a全体に沿って配置されていない複合レンズフィーチャ16を示す。その代わりに、複合レンズフィーチャ16は、LED14光が入射する領域において、光入力面12aに沿って配置される。光入力面上のパターン形成されていない領域は、この領域において最小限の光線しか有さないので、このシステムの輝度均一性は最小限の影響しか受けない。
【実施例】
【0034】
図9aは、円弧形状または円形構造36を有する導光フィルム30の光入力面32の一部分を示す。図9bのグラフは、光入力面32から3.5mm、4.5mmおよび5.5mmの距離での導光フィルム30の光強度を示す。図9bは、光入力面からの距離が大きくなるにつれて、局在化した光強度は減少するが、5.5mmで幾分かの明白なホットスポットが依然として存在することを示す。この円弧形状または円形構造解決策は、ホットスポットについて幾分かの改良を提供するが、入射角を幅広にするよりもLEDに沿って光をコリメートするのにより効果的である。このことは、図9bのグラフにおいて明白である。図9bにおいては、LEDは垂直破線のそれぞれの位置に配置されており、そして光の分布は導光フィルムに向かって5.5mmの場所で依然として安定していない。図9bのグラフから、この円弧形状または円形解決策は不充分な拡散能力しか有していないことが明らかである。
【0035】
図10aは平坦な傾斜した側面46を有する複合レンズ構造を有する導光フィルム40の光入力面42の一部分を示す。この結果は台形形状の光入力構造に当てはまるであろう。図10bにおけるグラフは、光入力面42から3.5mm、4.5mmおよび5.5mmの距離での導光フィルム40の光強度を示す。図10bは、LEDのすぐ前の領域において、局在化した光強度は実際に反転し、結果としてLEDのすぐ前に暗スポットを生じさせることを示す。LEDのすぐ前の全体的な光強度の損失は、直線的な傾斜した壁は、光について先端を通すよりも容易に側面を通して拡散させるという事実のせいである。入力面42からのよりが遠くなるとしても、導光フィルムを横切る光強度プロファイルの形状は有意に変化しないことにも留意されたい。
【0036】
図11aは、本発明の複合レンズフィーチャ56を有する導光フィルム50の光入力面52の一部分を示す。この複合レンズフィーチャは円形先端セグメントおよび2つの傾斜した楕円形ベースセグメントを利用する。この2つの傾斜した楕円形ベースセグメントのそれぞれについての頂部および底部接触角は等しい。この2つの傾斜した楕円形ベースセグメントのそれぞれについての頂部および底部接触角は、円形先端セグメントの接触角よりも大きい。円形先端セグメントはLEDのすぐ前の領域において、光を均一に分布させる。この2つの傾斜した楕円形ベースセグメントはLED間で光を均一に分布させる。円形先端セグメントおよび2つの傾斜した楕円形ベースセグメントの滑らかな湾曲は光空間分布の均一性を最大にし、その結果出力光は均一である。図11bのグラフは、本発明の複合レンズ56は、入力面52から3.5mm、4.5mmおよび5.5mmの距離での導光フィルムにわたって均一な光出力を生じさせることを示す。
【0037】
よって、対称な光方向変換フィーチャを用いて改良された導光フィルムが提供され、光入力効率を犠牲にすることなく、光出力均一性を向上させる。すなわち、複合レンズ構造16を有する向上した導光フィルム12は、光取り出し面および光反射面(上面および底面)に対して平行な面において増大した光拡散を提供し、離散した光源間でのより大きな光再分布(鋸歯状でない入力エッジの限界角(critical angle)の外側に光を向かわせること)を可能にし、その結果光出力均一性が向上される。さらに、光取りだし面および光反射面(上面および底面)に対して垂直な面における光分布が最小限にされ、その結果、入力された移動する光について全内部反射の条件が最小限にされる。
【符号の説明】
【0038】
10 バックライトユニット
12 平面導光フィルム
16 複合レンズ構造
16a 円形先端セグメント
16b、16c 楕円形ベースセグメント
21a 光入力面
12b 発光面
12c 光反射面
14 LED
21 基体
20、20A 導光フィルム
22 微小反射パターン
24 微小プリズム形状構造物
30 側面LED
30、40、50 導光フィルム
32、42、52 光入力面
36 円弧形状または円形構造
46 平坦な傾斜した側面
40 LCDパネル
56 複合レンズ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの点光源を有するバックライトユニットのための平面導光フィルムであって、
前記導光フィルムが、前記点光源からの光を受け取るための光入力面;前記光入力面から受け取った光を方向変換するための光方向変換面;少なくとも前記光方向変換面からの方向変換された光を出力するための光出力面を含み、
前記光入力面は複合レンズ構造をさらに含み、前記複合レンズ構造は第1の接触角を有する円形先端セグメント、並びに第2の接触角を有する第1のおよび第2の楕円形ベースセグメントを有し、前記第2の接触角は前記第1の接触角よりも大きく、前記第2の接触角は互いに等しく;
前記円形先端セグメントは下記式:
【数1】

を満たし、並びに
前記楕円形ベースセグメントは下記式:
【数2】

を満たす、
平面導光フィルム。
【請求項2】
前記複合レンズ構造が、5マイクロメートル以上かつ1ミリメートル以下のピッチPを有する、請求項1に記載の平面導光フィルム。
【請求項3】
前記複合レンズ構造が、ピッチPの0.9倍以下のギャップGを有する、請求項2に記載の平面導光フィルム。
【請求項4】
前記複合レンズ構造が、3マイクロメートルより大きくかつ1ミリメートル以下の全高Hを有する、請求項1に記載の平面導光フィルム。
【請求項5】
前記複合レンズ構造の前記円形先端セグメントが0.1度より大きくかつ85度以下の接触角Aを有する、請求項1に記載の平面導光フィルム。
【請求項6】
前記複合レンズ構造がさらに接触角A21、A31、A22およびA32を含み、A21=A31、A22=A32およびA<A22である、請求項5に記載の平面導光フィルム。
【請求項7】
少なくとも1つの点光源を有するバックライトユニットのための平面導光フィルムであって、
前記導光フィルムが、前記点光源からの光を受け取るための光入力面;前記光入力面から受け取った光を方向変換するための光方向変換面;少なくとも前記光方向変換面からの方向変換された光を出力するための光出力面を含み、
前記光入力面は複合レンズ構造をさらに含み、前記複合レンズ構造はその間にギャップを有し、前記レンズ構造は第1の接触角を有する円形先端セグメント、並びに第2の接触角を有する第1のおよび第2の楕円形ベースセグメントを有し、前記第2の接触角は前記第1の接触角よりも大きく、前記第2の接触角は互いに等しく;
前記円形先端セグメントは下記式:
【数3】

を満たし、並びに
前記楕円形ベースセグメントは下記式:
【数4】

を満たす、
平面導光フィルム。
【請求項8】
前記複合レンズ構造の前記円形先端セグメントが0.1度より大きくかつ85度以下の接触角Aを有する、請求項7に記載の平面導光フィルム。
【請求項9】
前記複合レンズ構造がさらに接触角A21、A31、A22およびA32を含み、A21=A31、A22=A32およびA<A22である、請求項8に記載の平面導光フィルム。
【請求項10】
少なくとも1つの点光源を有するバックライトユニットのための平面導光フィルムであって、
前記導光フィルムが、前記点光源からの光を受け取るための光入力面;前記光入力面から受け取った光を方向変換するための光方向変換面;少なくとも前記光方向変換面からの方向変換された光を出力するための光出力面を含み、
前記光入力面は鋸歯状レンズ構造をさらに含み、前記鋸歯状レンズ構造は前記点光源が前記光入力面に入射する場所のみで提供され、前記レンズ構造は第1の接触角を有する円形先端セグメント、並びに第2の接触角を有する第1のおよび第2の楕円形ベースセグメントを有し、前記第2の接触角は前記第1の接触角よりも大きく、前記第2の接触角は互いに等しく;
前記円形先端セグメントは下記式:
【数5】

を満たし、並びに
前記楕円形ベースセグメントは下記式:
【数6】

を満たす、
平面導光フィルム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6a】
image rotate

【図6b】
image rotate

【図6c】
image rotate

【図7a】
image rotate

【図7b】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9a】
image rotate

【図9b】
image rotate

【図10a】
image rotate

【図10b】
image rotate

【図11a】
image rotate

【図11b】
image rotate


【公開番号】特開2013−16485(P2013−16485A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−147060(P2012−147060)
【出願日】平成24年6月29日(2012.6.29)
【出願人】(508330870)エスケーシー・ハース・ディスプレイ・フィルムズ・カンパニー,リミテッド (31)
【Fターム(参考)】