説明

業務プロセスシステム及び業務プロセス方法、並びに情報処理装置

業務プロセスシステムにおいては、オープンなネットワーク層に接続された発注元が所持する端末であり、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装されたクライアント端末50,50,50,50から送信されたデータを、オープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注拠点の内部のLAN層とも隔離されたセグメントである受注拠点のDMZ層に接続されて当該クライアント端末50,50,50,50とピアツーピア接続したコレクタノード60を介して、受注拠点の受注データベース70に記録する。これにより、業務プロセスシステムにおいては、ピアツーピアテクノロジーを用いて、不特定多数の企業との取引をサーバレスで安価且つ高いセキュリティ性のもとに実現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステム及び業務プロセス方法、並びにこれら業務プロセスシステム及び業務プロセスに適用される情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばパーソナルコンピュータ等の情報処理装置や、インターネット等をはじめとするこれら情報処理装置を接続する各種ネットワーク技術が著しく普及しており、今や企業におけるビジネス活動にも、これらの技術は不可欠なものとなっている。実際、例えば商材やサービスの受発注に関するデータをはじめとする各種業務データの授受をともなう企業活動を効率的に行うために、ネットワークを介して構築されたシステムを導入している企業が多い。
【0003】
このような各種業務データの授受をともなう企業活動を支援するために企業に導入されるシステムにおいては、例えばファイル共有やデータベースといったように、あるリソースを多数のユーザが共有する必要があるが、ネットワーク規模の増大化にともなう管理面での便宜等の観点から、従来からいわゆるクライアント/サーバシステムが採用されている。
【0004】
クライアント/サーバシステムは、図16に示すように、クライアント(C)と称されるコンピュータが、ネットワークを介して接続された処理の中核を実現するサーバ(S)と称されるコンピュータに対して各種サービスを依頼するシステムである。このクライアント/サーバシステムにおいては、ネットワークで共有・交換する全ての情報がサーバ(S)に集約され、各クライアント(C)は、このサーバ(C)から全ての情報を提供してもらうことになる。また、クライアント/サーバシステムにおいては、情報の蓄積や情報を検索するインデックス(ディレクトリ)も、サーバ(S)が所定のアプリケーションを実行することによって管理されることになる。
【0005】
このようなクライアント/サーバシステムによる接続形態としては、図17(A)に示すように、専用回線やダイヤルアップ等の手段を介してクライアント端末CがサーバSに対してログインすることによってアクセスするいわゆるRAS(Remote Access Service)接続がある。
【0006】
また、クライアント/サーバシステムにおいては、図17(B)に示すように、いわゆるVPN(Virtual Private Network)を用いることにより、インターネット等のオープンな環境下であっても実現することができる。すなわち、この種のクライアント/サーバシステムにおいては、クライアント端末Cと外部のオープンなネットワークNTとの間にVPN機能を備えたファイヤーウォールFWを設置するとともに、サーバSとネットワークNTとの間にもVPN機能を備えたファイヤーウォールFWを設置することにより、オープンなネットワークNTを経由するにもかかわらず、拠点間を恰も専用回線のように相互に接続し、セキュリティ性を保持することができる。
【0007】
さらに、クライアント/サーバシステムとしては、図17(C)に示すように、一般的なウェブ経由のものも挙げられる。すなわち、この種のクライアント/サーバシステムにおいては、クライアント端末Cと外部のオープンなネットワークNTとの間にファイヤーウォールFWを設置するとともに、サーバSとネットワークNTとの間にもファイヤーウォールFWを設置する。このとき、この種のクライアント/サーバシステムにおいては、クライアント端末CにおけるウェブブラウザとサーバSとの間で安全な通信を行うために、いわゆるSSL(Secure Sockets Layer)を用い、所定の認証局の署名が付加された証明書を用いたサーバSの認証と通信内容の暗号化とを行うことになる。
【0008】
各種業務データの授受をともなう企業活動を支援するために企業に導入されるシステムとしては、このようなクライアント/サーバシステムが採用されており、図17(A)乃至図17(C)に示す各種接続形態を用いて各企業間が相互に接続され、各種業務データの授受が行われている。
【0009】
ところで、上述したクライアント/サーバシステムにおいては、図17(A)に示したクローズされたネットワークを介した接続形態の場合には、個々の企業毎に専用回線を設置する必要があり、通信コストが増大するという問題があった。
【0010】
これに対して、クライアント/サーバシステムにおいては、図17(B)に示したように、インターネット等のオープンな環境下であっても実現することができ、通信コストの低減を図ることもできる。しかしながら、この種のクライアント/サーバシステムにおいては、VPNアプリケーションを導入する必要があるとともに、ファイヤーウォールを通過するためのポートを確保する必要があり、さらには、クライアント端末とサーバとを接続する内部のプロトコルがオープンではないことから、不特定のユーザが導入するには障害が大きかいという問題があった。
【0011】
また、クライアント/サーバシステムにおいては、図17(C)に示したウェブを介した接続形態の場合には、クライアント端末の表示画面に表示すべき個々の画面がサーバからダウンロードされることから、レスポンスが悪いという問題があった。また、この種のクライアント/サーバシステムにおいては、クライアント端末が常時サーバに対して接続している必要があることから、通信途中で接続が切断されてしまった場合には、クライアント端末によるデータの入力から再度やり直す必要があった。
【0012】
さらに、クライアント/サーバシステムにおいては、サーバが全ての情報を管理する必要があることから、接続形態の異同にかかわらず、そのコストが高く、メインテナンス作業も極めて煩雑な作業を要するという問題もあった。
【0013】
以上の観点から、専用回線やインターネット等の仕組みを用いたクライアント/サーバシステムは、特定の企業間の取引や、企業と一般顧客との間の取引に限定されたものであった。換言すれば、クライアント/サーバシステムにおいては、不特定多数の企業との取引を日常的な業務スピードに耐え得るシステムを安価に構築することは不可能であった。
【0014】
そこで、近年では、コンピュータの処理能力にともない、クライアント/サーバシステムにおいては遊休資産となりつつあるクライアント端末を有効に利用し、負荷の分散及びサーバレスの同時実現によるコスト削減と、オープンなネットワークによる通信コストの削減とを図ることができるネットワーク形態であるいわゆるピアツーピアシステムが注目を浴びつつある。
【0015】
このピアツーピアシステムは、図18(A)に示すように、ネットワークを介して接続されたコンピュータ(C)同士が直接情報の授受を行うシステムである。このピアツーピアシステムにおいては、情報を蓄積するサーバやインデックスを集中的に管理する中央のディレクトリが存在せず、各コンピュータ(C)が所定のアプリケーションを実行することにより、各コンピュータのリソースや、いわゆるファイル交換サービス等の各種サービスを共有することができる。
【0016】
また、ピアツーピアシステムの他の形態として、図18(B)に示すように、サーバ(S)を併設し、中央のディレクトリの仲介に依存するハイブリッド型も知られている。このハイブリッド型のピアツーピアシステムにおいては、ネットワークに参加するクライアント(C)が、中央のサーバ(S)に自己のリソースのインデックスを登録する。そして、このピアツーピアシステムにおいては、そのサーバ(S)によって提供されるディレクトリサービスを利用して、他のクライアント(C)のリソースを探索する。すなわち、このピアツーピアシステムは、ファイル等の情報自体は各クライアント(C)のローカルに蓄積されたままであるが、この情報の存在が他のクライアント(C)に対してインデックス情報として公開されることにより、ローカルへのアクセスが許容されるものである。
【0017】
このようなピアツーピアシステムは、アプリケーションが各クライアント端末によって実行されることから、上述したコスト削減のみならず、画面のレスポンスも良好で常時接続する必要もない、という利点を有するものである。
【0018】
なお、このようなピアツーピアシステムを用いたシステムとしては、例えば特開2003−87267号公報や特開2002−135457号公報に記載されたものがある。
【0019】
しかしながら、各企業が既に導入しているシステムは、各企業によってネットワークへの接続形態が異なるとともに、使用しているデータ形式も異なることが通常である。したがって、各種業務データの授受をともなう企業活動を支援するために企業に導入されるシステとしては、ピアツーピアシステムを採用することは不可能といわれている。
【0020】
また、オープンなネットワークを用いてクライアント端末をベースとしたピアツーピアシステムは、ネットワークが遮断される可能性や、個々のコンピュータが不安定となる状況が発生する可能性がある。したがって、ピアツーピアシステムは、日常的に大量のデータの授受があり、特に金銭関係の取引が発生するような企業間業務には対応することができなかった。
【0021】
さらに、企業間での取引に関する業務データの授受を考えた場合には、相手企業に既存システムが構築されている場合が多い。このような場合、相手企業のシステムからデータを転送される仕組みを構築するには、当該相手企業に依存されることになる。したがって、たとえ広範な企業間取引を目標としたピアツーピアシステムを構築できたとしても、結果的に、既存システムの存在が障壁となり、有効に運用されない事態も想定される。
【発明の開示】
【0022】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、ピアツーピアテクノロジーをB2B(Business to Business)のシステムに導入し、従来では実現不可能であった不特定多数の企業との取引をサーバレスで安価且つ高いセキュリティ性のもとに実現することができる業務プロセスシステム及び業務プロセス方法、並びに情報処理装置を提供することを目的とする。
【0023】
上述した目的を達成する本発明にかかる業務プロセスシステムは、不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムであって、オープンなネットワーク層に接続された発注元が所持する端末であり、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装されたクライアント端末と、上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注拠点の内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続され、上記クライアント端末が上記アプリケーションを実行することによって当該クライアント端末とピアツーピア接続し、当該クライアント端末から送信されてきたデータを一時的に保持した後、適切な宛先に転送するコレクタノードと、上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ上記中間ネットワーク層とも隔離されたセグメントである上記内部のネットワーク層に接続されるとともに、上記アプリケーションが実装され、上記コレクタノードから転送されてきたデータを記録する受注データベースとを備えることを特徴としている。
【0024】
このような本発明にかかる業務プロセスシステムは、オープンなネットワーク層に接続されたクライアント端末から送信されたデータを、オープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注拠点の内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続されて当該クライアント端末とピアツーピア接続したコレクタノードを介して、受注拠点の受注データベースに記録する。
【0025】
したがって、本発明にかかる業務プロセスシステムは、クライアント端末がアプリケーションを実行するため、受注データベースの負荷が削減されパフォーマンスを大幅に向上させることが可能となり、コレクタノードを介すことによって受注データベースに直接アクセスされることが回避されるため、セキュリティ性も大幅に向上させることができる。また、この本発明にかかる業務プロセスシステムは、中間ネットワーク層にあるコレクタノードによってクライアント端末からのデータを一時的に保持し、その後、受注データベースへと転送することから、仮に通信途中でクライアント端末との接続セッションが切断されてしまった場合であっても、クライアント端末によるデータの入力を再度やり直す必要がなくなり、確実な通信を実現することができる。
【0026】
ここで、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現する上記アプリケーションは、データの登録及びデータの表示機能を提供する画面機能と、上記画面機能を実行して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを受け取り、当該データを所定のフォーマットに変換するトランスレート機能と、接続先のノードとの間でデータを授受するデータキャリア機能と、上記データキャリア機能を実行して受信したデータを受け取り、当該データをデータベースにおける所定の場所へ取り込むとともに、データベースに記録されているデータを抽出するデータベース管理機能とを備えるものとして構成される。
【0027】
そして、このようなアプリケーションが実装された上記クライアント端末は、上記トランスレート機能を実行し、上記画面機能を実行して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを受け取り、当該データを上記受注データベースに取り込める形式とすべく所定のフォーマットに変換し、上記データキャリア機能を実行して上記コレクタノードを介して上記受注データベースまでの接続セッションを確立し、上記トランスレート機能によって変換されたデータを送信する。
【0028】
一方、このようなアプリケーションが実装された上記受注データベースは、上記データキャリア機能を実行して上記コレクタノードを介して上記クライアント端末までの接続セッションを確立し、上記クライアント端末から送信されてきたデータを受信し、上記データベース管理機能を実行して上記データキャリア機能を実行して受信したデータを受け取り、当該データをデータベースにおける所定の場所へ取り込むとともに、データベースに記録されているデータを抽出する。
【0029】
このように、本発明にかかる業務プロセスシステムは、発注元の企業に既存システムが構築されている場合であっても、この既存システムと共存することができ、ピアツーピアテクノロジーを用いて、従来では実現不可能であった不特定多数の企業との取引をサーバレスで安価且つ高いセキュリティ性のもとに実現することができる。
【0030】
また、本発明にかかる業務プロセスシステムは、上記オープンなネットワーク層、上記中間ネットワーク層、及び上記内部のネットワーク層とファイヤーウォールを介して接続された受注拠点の社内ネットワークに接続されるとともに、上記アプリケーションが実装された受注拠点端末を備え、上記受注拠点端末は、少なくとも受発注に応じて上記コレクタノードを介して受け取った受発注データを画面上に表示して受発注状態の管理を行う。
【0031】
これにより、本発明にかかる業務プロセスシステムは、受注拠点側で少なくとも受発注状態を管理することができ、これに応じたその他の業務プロセスを円滑に行うことが可能となる。
【0032】
なお、上記オープンなネットワーク層としては、WAN層を適用し、上記中間ネットワーク層としては、DMZ層を適用し、上記内部のネットワーク層としては、LAN層を適用することができる。
【0033】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる業務プロセス方法は、不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセス方法であって、オープンなネットワーク層に接続された発注元が所持する端末であり、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装されたクライアント端末は、画面を介して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを、受注拠点の受注データベースに取り込める形式とすべく所定のフォーマットに変換し、上記受注データベースまでの接続セッションを確立して変換されたデータを送信し、上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注拠点の内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続され、上記クライアント端末が上記アプリケーションを実行することによって当該クライアント端末とピアツーピア接続したコレクタノードは、当該クライアント端末から送信されてきたデータを一時的に保持した後、適切な宛先に転送し、上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ上記中間ネットワーク層とも隔離されたセグメントである上記内部のネットワーク層に接続されるとともに、上記アプリケーションが実装された上記受注データベースは、上記コレクタノードから転送されてきたデータを記録することを特徴としている。
【0034】
このような本発明にかかる業務プロセス方法は、オープンなネットワーク層に接続されたクライアント端末がアプリケーションを実行するため、受注データベースの負荷が削減されパフォーマンスを大幅に向上させることが可能となり、コレクタノードを介すことによって受注データベースに直接アクセスされることが回避されるため、セキュリティ性も大幅に向上させることが可能となる。また、この本発明にかかる業務プロセス方法は、中間ネットワーク層にあるコレクタノードによってクライアント端末からのデータを一時的に保持し、その後、受注データベースへと転送することから、仮に通信途中でクライアント端末との接続セッションが切断されてしまった場合であっても、クライアント端末によるデータの入力を再度やり直す必要がなくなり、確実な通信を実現することが可能となる。
【0035】
さらに、上述した目的を達成する本発明にかかる情報処理装置は、不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムに備えられ、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装されたオープンなネットワーク層に接続された発注元が所持する情報処理装置であって、上記アプリケーションの機能であり、データの登録及びデータの表示機能を提供する画面機能を実行する画面手段と、上記アプリケーションの機能であり、上記画面機能を実行して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを受け取り、当該データを所定のフォーマットに変換するトランスレート機能を実行するトランスレート手段と、上記アプリケーションの機能であり、接続先のノードとの間でデータを授受するデータキャリア機能を実行するデータキャリア手段とを備え、上記トランスレート手段は、上記トランスレート機能を実行し、上記画面機能を実行して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを、受注拠点の受注データベースに取り込める形式とすべく所定のフォーマットに変換し、上記データキャリア手段は、上記データキャリア機能を実行し、上記受注データベースまでの接続セッションを確立して変換されたデータを送信することを特徴としている。
【0036】
このような本発明にかかる情報処理装置は、アプリケーションを実行するため、受注データベースの負荷が削減されパフォーマンスを大幅に向上させることが可能となるとともに、発注元の企業に既存システムが構築されている場合であっても、この既存システムと共存することができ、ピアツーピアテクノロジーを用いて、従来では実現不可能であった不特定多数の企業との取引をサーバレスで安価且つ高いセキュリティ性のもとに実現することができる。
【0037】
さらにまた、上述した目的を達成する本発明にかかる情報処理装置は、不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムに備えられる情報処理装置であって、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装された発注元が所持するクライアント端末が接続されたオープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注拠点の内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続されており、上記クライアント端末が上記アプリケーションを実行することによって当該クライアント端末とピアツーピア接続し、当該クライアント端末から送信されてきたデータを一時的に保持した後、上記内部のネットワーク層に接続された受注拠点の適切な受注データベースに転送することを特徴としている。
【0038】
このような本発明にかかる情報処理装置は、アプリケーションを実行するクライアント端末から送信されてきたデータを一時的に保持した後、受注データベースへと転送することから、受注データベースの負荷を削減してパフォーマンスを大幅に向上させることができ、受注データベースに直接アクセスされることを回避するため、セキュリティ性も大幅に向上させることができる。また、この本発明にかかる情報処理装置は、仮に通信途中でクライアント端末との接続セッションが切断されてしまった場合であっても、クライアント端末によるデータの入力を再度やり直す必要がなくなり、確実な通信を実現することが可能となる。
【0039】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる情報処理装置は、不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムに備えられ、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装された発注元が所持するクライアント端末が接続されたオープンなネットワーク層とは隔離された受注拠点の内部のネットワーク層に接続され、受注拠点の受注データベースとしての役割を果たす上記アプリケーションが実装された情報処理装置であって、上記アプリケーションの機能であり、接続先のノードとの間でデータを授受するデータキャリア機能を実行するデータキャリア手段と、上記アプリケーションの機能であり、上記データキャリア機能を実行して受信したデータを受け取り、当該データをデータベースにおける所定の場所へ取り込むとともに、データベースに記録されているデータを抽出するデータベース管理機能とを備え、上記データキャリア手段は、上記データキャリア機能を実行し、上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ上記内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続されたコレクタノードを介して上記クライアント端末までの接続セッションを確立し、上記クライアント端末によって取り込み可能な所定のフォーマットに変換されて当該クライアント端末から送信されてきたデータを受信し、上記データベース管理手段は、上記データベース管理機能を実行し、上記データキャリア機能を実行して受信したデータを受け取り、当該データをデータベースにおける所定の場所へ取り込むとともに、データベースに記録されているデータを抽出することを特徴としている。
【0040】
このような本発明にかかる情報処理装置は、オープンなネットワーク層に接続されたクライアント端末がアプリケーションを実行するため、自己の負荷が削減されパフォーマンスが大幅に向上するとともに、コレクタノードから転送されてきたデータを記録することから、クライアント端末から直接アクセスされることが回避されるため、セキュリティ性も大幅に向上させることが可能となる。また、この本発明にかかる情報処理装置は、中間ネットワーク層にあるコレクタノードによってクライアント端末からのデータが一時的に保持されることから、仮に通信途中でクライアント端末との接続セッションが切断されてしまった場合であっても、クライアント端末によるデータの入力を再度やり直す必要がなくなり、確実な通信を実現することが可能となる。
【0041】
以上のような本発明においては、ピアツーピアテクノロジーを用いて、サーバレスで安価且つ高いセキュリティ性のもとに、従来では実現不可能であった不特定多数の企業との取引を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の実施の形態として示す業務プロセスシステムに適用するピアツーピアネットワークアーキテクチャの概念について説明する図である。
【図2】図1に示すアーキテクチャにおいてリソースの検索及び発見を行う様子を説明する図である。
【図3】図1に示すアーキテクチャにおいてアクセスセッションとしてネットワークの形態に応じて用意されている第1の接続形態について説明する図である。
【図4】図1に示すアーキテクチャにおいてアクセスセッションとしてネットワークの形態に応じて用意されている第2の接続形態について説明する図である。
【図5】図1に示すアーキテクチャにおいてアクセスセッションとしてネットワークの形態に応じて用意されている第3の接続形態について説明する図である。
【図6】本発明の実施の形態として示す業務プロセスシステムに適用されるビアツービアシステムによる接続形態について説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態として示す業務プロセスシステムにおいて実装されるアプリケーションの機能を説明する図である。
【図8】図7に示すアプリケーションを実装した2つのノード間のセッションを複数張ることによって構築される本発明の実施の形態として示す業務プロセスシステムの例を説明する図である。
【図9】ある企業と不特定多数の企業との間での取引をモデルとした本発明の実施の形態として示す具体的な業務プロセスシステムのネットワーク構造を説明する図である。
【図10】図9に示す業務プロセスシステムが適用可能な一連の製品プロダクトライフサイクルを説明する図である。
【図11】クライアント端末を所持する最終顧客が商材やサービスを発注して購買するための独自のシステムを備えている場合に、当該クライアント端末を介した発注を受け付けるまでのシーケンスを説明する図である。
【図12】クライアント端末を所持する最終顧客が商材やサービスを発注して購買するための独自のシステムを備えていない場合に、当該クライアント端末を介した発注を受け付けるまでのシーケンスを説明する図である。
【図13】本発明の実施の形態として示す業務プロセスシステムによる一連の業務イメージの例として、最終顧客がチャネルを介して発注を行い、受注拠点側で納期回答を行うまでの手続きについて説明する図であり、一連の手続きのうち、発注から受注までのプロセスについて説明する図である。
【図14】受注拠点端末の表示画面に表示される納期回答ダイアログの例を説明する図である。
【図15】本発明の実施の形態として示す業務プロセスシステムによる一連の業務イメージの例として、最終顧客がチャネルを介して発注を行い、受注拠点側で納期回答を行うまでの手続きについて説明する図であり、一連の手続きのうち、受注から納期回答までのプロセスについて説明する図である。
【図16】クライアント/サーバシステムの基本的な構成について説明する図である。
【図17(A)】クライアント/サーバシステムによる接続形態について説明する図であって、RAS接続を示す図である。
【図17(B)】クライアント/サーバシステムによる接続形態について説明する図であって、VPNを用いた接続を示す図である。
【図17(C)】クライアント/サーバシステムによる接続形態について説明する図であって、一般的なウェブ経由の接続を示す図である。
【図18(A)】ピアツーピアシステムの基本的な構成について説明する図であって、ピュア型のピアツーピアシステムの基本的な構成を示す図である。
【図18(B)】ピアツーピアシステムの基本的な構成について説明する図であって、ハイブリッド型のピアツーピアシステムの基本的な構成を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0044】
この実施の形態は、不特定多数の企業間をサーバレスのいわゆるピアツーピアネットワークによって接続し、例えば商材やサービスの受発注に関するデータをはじめとする各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムである。
【0045】
まず、業務プロセスシステムの全体的な構成の説明に先だって、当該業務プロセスシステムに適用するピアツーピアテクノロジーの概念について説明する。
【0046】
業務プロセスシステムに適用するピアツーピアネットワークアーキテクチャは、例えば図1に示すように、ノード、すなわち、コンピュータの集合体で定義される。このアーキテクチャにおいては、各ノード同士が複数のセッションを互いに張った状態でトポロジを形成する。なお、この常態的なセッションは、アプリケーションレベルの通信を継続的に維持させるTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)上の接続を意味するものである。そして、このアーキテクチャにおいては、各ノードが相互にこのような接続を行うことによって常態的なトポロジが形成され、プロトコルが流れる経路が形成される。このとき、このアーキテクチャにおいては、ネットワーク内の全てのノードが、全て互いに接続するのではなく、各ノードが近接するノードとのみ接続する。そして、このアーキテクチャにおいては、この接続セッション上をコマンド等のプロトコルが伝播することにより、各ノードが近接するノードを経由して未知のノードと関係を持つことが可能となる。
【0047】
また、いわゆるクライアント/サーバシステムにおいては、各クライアント端末は自己が接続するサーバを把握していることが前提であるが、ピアツーピアシステムにおいては、各ノードがネットワークへ参加するためには、自己が最初に接続するノードを把握することが重要となる。このアーキテクチャにおいては、各ノードがネットワークに参加しようとする際には、接続しようとするノードに関する所定の属性ファイルと接続ファイルとを取得する。このアーキテクチャにおいては、1つのノードへの接続が許可されると、接続セッション上をプロトコルが伝播する。各ノードは、この過程で他のノードの情報を取得し、新たな接続先候補とすることができる。ピアツーピアシステムにおいては、各ノードがネットワークに対する参加又は離脱を自在に行うことができるため、自己が直接接続しているノードもダイナミックに変化する。そのため、このアーキテクチャにおいては、各ノード同士の接続が最適となるように、各ノードが自律的に接続先を変更していく。
【0048】
このようなアーキテクチャにおいては、セットアップが完了すると、情報を共有するメンバが集合するルームと称される仮想空間に各メンバが参加することになる。このアーキテクチャにおいては、このルームへの参加によってネットワークに参加する実際のメンバとなる。このルームに参加する方法としては、他の仲間(ピア)から招待されるか、又は自己がルームを作成し、当該ルームに仲間を招待するかのいずれかの方法による。このルームは、その仮想空間で情報を共有することを相互に了承した仲間のみが参加するいわばVPN(Virtual Private Network)であり、当該ルームには、LAN(Local Area Network)やルータ等の物理的なネットワークの制限を超えて参加することが可能とされる。
【0049】
このようなアーキテクチャにおいては、接続が確立されると、リソースの検索及び発見を行うことが可能となる。
【0050】
リソースを探索しようとするノードは、接続セッションを張っている近接ノードに対して所定のコマンドを送信する。このコマンドは、当該コマンドの一意性を特定するコマンドIDと、リソースを特定するリソースIDとが記述されたものであり、当該コマンドの送信先のノードに対して「探索しようとするリソースを所持していたら知らせてください」といった旨の問い合わせコマンドとしての役割を有するものである。
【0051】
この問い合わせコマンドを受信したノードは、自己が所持しているリソースのインデックスを検索することによって対応するリソースを所持しているか否かを調べる。そして、問い合わせコマンドを受信したノードは、リソースを所持していなかった場合には、当該問い合わせコマンドを送信してきたノード以外の近接ノードに対して当該問い合わせコマンドを転送する。このアーキテクチャにおいては、例えば図2中実線矢印で示すように、ノードAが探索しようとするリソースが発見されるまで、当該ノードAから送信された問い合わせコマンドが、近接ノードからさらにその近接ノードへと転送されていく。
【0052】
一方、問い合わせコマンドを受信したノードは、リソースを所持していた場合には、所定の応答プロトコルを返信する。このアーキテクチャにおいては、例えば図2中破線矢印で示すように、ノードAが探索しようとするリソースがノードEにて発見された場合には、問い合わせコマンドが伝播してきた経路と逆向きに、すなわち、ノードD,C,Bの順序で当該応答プロトコルが転送される。
【0053】
ここで、リソースを所持するノードから返信された応答プロトコルは、当該ノードのアドレスと、リソースの状態を表すリソースIDと、リビジョン番号とが記述されたものである。したがって、このアーキテクチャにおいては、ノードAが応答プロトコルを受信することによってノードEが所持するリソースへのアクセス情報を取得すると、図2中一点鎖線矢印で示すように、当該ノードEに対してダイレクトにアクセスすることが可能となる。このように、このアーキテクチャにおいては、リソースへの実際のアクセスを接続セッションと独立したアクセスセッションを設けることにより、ネットワークの帯域逼迫を回避することが可能となる。
【0054】
なお、このアーキテクチャにおいては、このようなリソースの探索スピードを高速化するために、主に4つの仕組みを用意している。第1には、あるノードから転送されてきたコマンドを転送する場合には、上述したように、当該コマンドを送信してきたノードには転送しないことである。また、第2には、一度転送したコマンドは、他のノードから受信した場合であっても転送しないことである。さらに、第3には、コマンドにいわゆる有効期間(Time To Live;TTL)を設定することである。さらにまた、第4には、各ノードが、自己のリソースインデックス以外に、当該ノードが中継した他のノードのリソースの存在をキャッシュすることである。このアーキテクチャにおいては、このような仕組みを設けることにより、応答の迅速性とルーティングの効率化とを図ることができる。
【0055】
また、ピアツーピアシステムにおいては、一般に、通信ポートを制限するファイヤーウォールやプライベートIP(Internet Protocol)アドレスを利用するネットワークは障害となる。これは、ファイヤーウォールの外部からファイヤーウォールの内部のコンピュータにアクセスすることは基本的には不可能であることによるものである。
【0056】
そこで、このアーキテクチャにおいては、いわゆるNAT(Network Address Translation)やファイヤーウォール環境では接続セッションをNATサーバやファイヤーウォールの内側から外側に張ることにより、接続を実現している。そして、このアーキテクチャにおいては、アクセスセッションとして、ネットワークの形態に応じて複数の接続形態が用意されている。このアーキテクチャにおいては、これらネットワーク形態を自動的に認識し、最適なアクセス手段を実現している。
【0057】
まず、第1の接続形態としては、NATサーバのポート転送機能を利用したプライベートIPアドレスに対応したものがある。NATサーバには、通常、特定のポートに送られてきたデータを他のポートに転送する機能がある。そこで、このアーキテクチャにおいては、この機能を利用して、当該アーキテクチャ用のポートを転送する設定を事前に行う。これにより、NATサーバは、上述した応答プロトコルを返信する際に、プライベートIPアドレスとマスカレードノードとの両方のノード情報を返信するようになる。
【0058】
具体的には、このアーキテクチャにおいては、例えば図3に示すように、自ノードが探索したいリソースが、NATサーバNSの内部のプライベートネットワークに属するアクセス先ノードに所持されている場合には、図3中実線矢印で示すように、自ノードから中継ノード及びNATサーバNSを介して上述した問い合わせコマンドがアクセス先ノードまで転送される。これに応じて、このアーキテクチャにおいては、図3中破線矢印で示すように、アクセス先ノードからNATサーバNS及び中継ノードを介して応答プロトコルが自ノードまで転送される。このとき、NATサーバNSは、プライベートIPアドレスとともに、当該NATサーバNSに設定されたマスカレードノード情報を通知する。これにより、このアーキテクチャにおいては、プライベートIPアドレスのピアに対して外側からアクセスセッションが張れない場合であっても、図3中一点鎖線矢印で示すように、グローバルIPアドレスによるマスカレードノードへのアクセスに切り替えることができる。
【0059】
また、第2の接続形態としては、ファイヤーウォール内部のプライベートネットワークに属するアクセス先ノードにセッションを張ることができる場合のものがある。すなわち、このアーキテクチャにおいては、ファイヤーウォールの外側からファイヤーウォールの内側にあるノードにアクセスしたい状況下でアクセスセッションが開けない場合には、ファイヤーウォールの内側にいるノードの方からアクセスセッションを張ってもらうことができる。
【0060】
具体的には、このアーキテクチャにおいては、例えば図4に示すように、自ノードが探索したいリソースが、ファイヤーウォールFWの内部のプライベートネットワークに属するアクセス先ノードに所持されている場合には、図4中実線矢印で示すように、自ノードから中継ノード及びファイヤーウォールFWを介して問い合わせコマンドがアクセス先ノードまで転送される。これに応じて、このアーキテクチャにおいては、図4中破線矢印で示すように、アクセス先ノードからファイヤーウォールFW及び中継ノードを介して応答プロトコルが自ノードまで転送される。さらに、このアーキテクチャにおいては、図4中一点鎖線で示すように、応答プロトコルが伝播してきた経路と逆向きに、自ノードから中継ノード及びファイヤーウォールFWを介して所定のアクセス要求コマンドがアクセス先ノードまで転送される。そして、このアーキテクチャにおいては、図4中二点鎖線矢印で示すように、ファイヤーウォールFWの内側にあるアクセス先ノードが、アクセス要求コマンドに応じて、ファイヤーウォールFWの外側にある自ノードに対してアクセスセッションを張る。これにより、このアーキテクチャにおいては、このアクセスセッションを介して、自ノードからアクセス先ノードへのアクセスを実行することが可能となる。
【0061】
さらに、第3の接続形態としては、アクセス先ノードからも自ノードからもセッションを張ることができない場合のものがある。例えば、自ノード及びアクセス先ノードの両方が、それぞれ、別個のファイヤーウォールの内部にある場合等においては、どちらからもセッションを張ることができない。このような場合、このアーキテクチャにおいては、アクセス先ノードからも自ノードからもセッションを張ることができる環境にある第3のノードをゲートウェイノードとして設け、このゲートウェイを介した通信を行うことができる。
【0062】
具体的には、このアーキテクチャにおいては、例えば図5に示すように、ファイヤーウォールの内部のプライベートネットワークに属する自ノードが探索したいリソースが、別個のファイヤーウォールの内部のプライベートネットワークに属するアクセス先ノードに所持されている場合には、図5中実線矢印で示すように、自ノードから中継ノード及びファイヤーウォールを介して問い合わせコマンドがアクセス先ノードまで転送される。これに応じて、このアーキテクチャにおいては、図5中破線矢印で示すように、アクセス先ノードからファイヤーウォール及び中継ノードを介して応答プロトコルが自ノードまで転送される。また、このアーキテクチャにおいては、図5中二点鎖線で示すように、自ノードがゲートウェイノードGWとの間に空くセッションを張る。さらに、このアーキテクチャにおいては、図5中一点鎖線で示すように、応答プロトコルが伝播してきた経路と逆向きに、自ノードから中継ノード及びファイヤーウォールを介して、ゲートウェイノードGWのIPアドレス等の情報が記述された所定のゲートウェイ要求コマンドがアクセス先ノードまで転送される。これに応じて、このアーキテクチャにおいては、図5中二点鎖線矢印で示すように、ファイヤーウォールの内側にあるアクセス先ノードが、ゲートウェイ要求コマンドに応じて、ファイヤーウォールの外側にあるゲートウェイノードGWに対してアクセスセッションを張る。そして、このアーキテクチャにおいては、ゲートウェイノードGWが、自ノードからのセッションとアクセス先ノードからのセッションとを内部的に結合する。このように、このアーキテクチャにおいては、ゲートウェイノードGWがアクセスセッションを仲介することにより、自ノードからアクセス先ノードへのアクセスを実行することが可能となる。
【0063】
本発明の実施の形態として示す業務プロセスシステムは、このようなピアツーピアネットワークアーキテクチャを適用することによって実現される。以下では、この業務プロセスシステムについて説明するものとする。
【0064】
この業務プロセスシステムの概念は、上述したピアツーピアネットワークアーキテクチャを適用することにより、例えば図6に示すように、最終顧客やその代理店等の発注元が所持するコンピュータCと外部のオープンなネットワークNTとの間にファイヤーウォールFWを設置するとともに、受注拠点が所持する受注データベース等のコンピュータCとネットワークNTとの間にもファイヤーウォールFWを設置し、これらコンピュータC,Cの間で、所定の暗号化を施したいわゆるXML(eXtensible Markup Language)等の所定の言語で記述されたデータの授受を行うものである。このとき、この業務プロセスシステムにおいては、上述したピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが、各コンピュータC,Cに実装され、当該コンピュータC,CがCPU(Central Processing Unit)等によってアプリケーションを実行することにより、指定された場所へデータを送信することができ、各コンピュータC,Cがデータを管理することから、サーバを設ける必要がなく、画面を介した入力レスポンスが良好で、また、常時接続を行う必要がなくなる。
【0065】
具体的には、業務プロセスシステムにおいて実装されるアプリケーションは、図7に示すように、画面部11、トランスレータ12、データキャリア部13,21、及びデータベース管理部22の4つの機能に大別される。
【0066】
まず、クライアント端末10が実行する機能としては、画面部11と、トランスレータ12と、データキャリア部13とがある。
【0067】
画面部11は、クライアント端末10を所持する最終顧客や代理店等が商材やサービスを発注して購買するための独自のシステムを備えていない場合に実行されるものであり、所定の画面を介してデータの登録やデータの表示機能を提供するものである。すなわち、クライアント端末10を所持する最終顧客や代理店等は、独自のシステムを備えていない場合には、例えばファクシミリ等の紙媒体や、独自形式のデータファイルといったその他の媒体に記入した帳簿等に基づいて、商材やサービスの発注を行うのが通常である。そこで、業務プロセスシステムにおいては、この画面部11の機能を実行することにより、これら各種媒体に記入された情報を、所定の画面を介してデータとして入力したり、データを表示したりすることが可能となる。この画面部11を介して登録されたデータは、トランスレータ12に受け渡される。
【0068】
トランスレータ12は、画面部11を実行して登録されたデータを受け取り、受注拠点の受注データベースに取り込める形式に変換するものである。また、トランスレータ12は、クライアント端末10を所持する最終顧客や代理店等が商材やサービスを発注して購買するための独自のシステムを備えている場合には、例えば、いわゆるEDIFACT(Electronic Document Interchange For Administration, Commerce and Transportation)フォーマット、いわゆるCII(Center for the Information of Industry)等のいわゆるEIAJ(Electronic Industries Association of Japan)フォーマット、又はANSI(American National Standards Institute).x12フォーマット、その他顧客独自のフォーマットといったように、システムによって任意に作成された各種フォーマットのデータファイルを直接受け取り、受注拠点の受注データベースに取り込める形式に変換することもできる。このトランスレータ12によって変換された業務データは、クライアント端末10のローカルの所定のディレクトリに分類されて記録される。
【0069】
データキャリア部13は、発注予測であるいわゆるフォーキャストや発注データ等の各種業務データを、ファイヤーウォールを超えて、セキュリティ性を保持して且つ確実に授受するための基板機能である。データキャリア部13は、送信すべき業務データを、記録されている場所から取得すると、受注データベース20において記録すべき場所まで接続セッションを確立し、この業務データを送信する。
【0070】
一方、受注データベース20が実行する機能としては、データキャリア部21と、データベース管理部22とがある。
【0071】
データキャリア部21は、データキャリア部13と同様に、各種業務データを、ファイヤーウォールを超えて、セキュリティ性を保持して且つ確実に授受するための基板機能である。データキャリア部21は、クライアント端末10から送信されてきた業務データを受信する。このデータキャリア部21を介して受信したデータは、データベース管理部22に受け渡される。
【0072】
データベース管理部22は、データキャリア部21を介して受信した業務データを受け取り、この業務データをデータベースにおける所定の場所へ取り込んだり、データベースに記録されているデータを抽出したりする機能を有する。
【0073】
なお、これらの機能は、発注元や発注先(受注拠点)にかかわりなく全てのコンピュータにアプリケーションとして実装されるものであるが、図7においては、説明の便宜上、最終顧客やその代理店等の発注元が所持するコンピュータ等の情報処理装置からなるクライアント端末10によって実行される機能と、発注先が所持する受注データベース20によって実行される機能とに、論理的にわけて示している。すなわち、クライアント端末10は、データの受信側となる場合には、データキャリア部21及びデータベース管理部22の機能を実行することになり、また、受注データベース20は、データの送信側となる場合には、画面部11、トランスレータ12、データキャリア部13の機能を実行することになる。
【0074】
業務プロセスシステムは、このようなアプリケーションを実装した2つのノード間のセッションを複数張ることにより、例えば図8に示すように、受注データベース、マネージメント部署、営業部署、及びいわゆるEAI(Enterprise Application Integration)等のレガシーシステムを備える販社レガシーや商材等を生産する工場等からなる所定のイントラネット等のネットワークに接続された1つの企業における各部署と、インターネット等のオープンなネットワークに接続された最終顧客、代理店、及び外注先との間でピアツーピア接続を行うことが可能となり、また、各部署間でのピアツーピア接続や、最終顧客、代理店、及び外注先間でのピアツーピア接続を行うことも可能となる。
【0075】
さて、以下では、以上のような概念を適用し、ある企業と不特定多数の企業との間での取引をモデルとした具体的な業務プロセスシステムについて説明する。
【0076】
この業務プロセスシステムは、図9に示すように、最終顧客や代理店、さらには関連会社といった企業が所持するインターネット等のオープンなネットワークに接続された複数のクライアント端末50,50,50,50と、ファイヤーウォールFWを介して外部のオープンなネットワーク層とは隔離され且つ内部のLAN層とも隔離されたセグメントであるいわゆるDMZ(DeMilitarized Zone)層に接続されたコンピュータ等の情報処理装置からなるコレクタノード60及びマスタノード60と、ファイヤーウォールFWを介して外部のオープンなネットワーク層とは隔離され且つDMZ層とも隔離されたセグメントであるLANに接続されたコンピュータ等の情報処理装置からなる受注データベース70と、ファイヤーウォールFWを介して接続された所定の社内ネットワークに接続されたコンピュータ等の情報処理装置からなる受注拠点端末80と、同じく社内ネットワークに接続された海外子会社や海外販社等が所持する複数のクライアント端末90,90,90とを備える。
【0077】
これらの各ノードのうち、コレクタノード60、マスタノード60、受注データベース70、受注拠点端末80、及びクライアント端末90,90,90からなるシステムは、商材やサービスを受注して提供する受注拠点としての企業が保有するシステムであり、クライアント端末50,50,50,50は、それぞれ、この企業に対して商材やサービスの発注等を行う発注元としての複数の取引先企業が操作する端末である。
【0078】
クライアント端末50,50,50,50は、それぞれ、先に図7に示したクライアント端末10に相当するものであり、上述したピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションを実装したピアツーピアネットワークに参加するメンバである。クライアント端末50,50,50,50は、それぞれ、アプリケーションを実行することによって基本的には恰もスタンドアローンの端末として動作する。これらクライアント端末50,50,50,50を所持する企業は、それぞれ、インターネット等のオープンなネットワークを介して、商材やサービスを提供する企業との間で、これらクライアント端末50,50,50,50を用いた業務データの授受を行うことにより、取引を行う。
【0079】
コレクタノード60は、商材やサービスを受注して提供する受注拠点の企業が所持する上述したピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションを実装していないノードであり、マスタノード60とともに、クライアント端末50,50,50,50と受注データベース70とのピアツーピア接続を実現するネットワークにおけるバックグラウンドの環境として存在するものである。具体的には、このコレクタノード60は、ファイヤーウォールFWを介して外部のオープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注データベース70が接続される内部のLAN層とも隔離されたセグメントであるDMZ層に接続されており、クライアント端末50,50,50,50から見て公開ノードとされてもよく、公開ノードとは異なるコンピュータであってもよい。
【0080】
このコレクタノード60は、他のメンバが電源を切断していても情報を取得することができるように、常時起動しておくノードであり、各メンバから情報を自発的に収集する。具体的には、コレクタノード60は、クライアント端末50,50,50,50のそれぞれがアプリケーションを実行することによってファイヤーウォールFWを介して受注データベース70とピアツーピア接続した際に、当該クライアント端末50,50,50,50から送信されてきたデータを収集して一時的に保持する。また、コレクタノード60は、例えば新たな製品が開発され、この情報が受注データベース70に追加された場合等に各クライアント端末50,50,50,50に対してこの情報を送信するために、定期的にポーリングを行い、受注データベース70から読み出されたデータを収集して一時的に保持する。なお、コレクタノード60は、いわゆるHTTP(HyperText Transfer Protocol)ブリッジや先に図5に示したゲートウェイノードの機能を併有することもできる。
【0081】
マスタノード60は、商材やサービスを受注して提供する受注拠点の企業が所持する上述したピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションを実装するノードであり、コレクタノード60とともに、クライアント端末50,50,50,50と受注データベース70とのピアツーピア接続を実現するネットワークにおけるバックグラウンドの環境として存在するものである。具体的には、このマスタノード60は、コレクタノード60と同様に、DMZ層に接続されており、クライアント端末50,50,50,50から見て公開ノードとされてもよく、公開ノードとは異なるコンピュータであってもよい。
【0082】
このマスタノード60は、ルームに参加するメンバや権限等を、当該業務プロセスシステムを管理する管理者が制御できるように、管理機能を実装したノードである。具体的には、マスタノード60は、受注データベース70に対するアクセス認証を行い、コレクタノード60によって保持されているデータを適切な受注データベース70へと転送する。すなわち、マスタノード60は、ファイヤーウォールFWを介してアクセスしてきたクライアント端末が正当であるか否かを認証し、この認証結果に応じて、コレクタノード60によって保持されているデータを適切な受注データベース70へと転送する。また、マスタノードノード60は、クライアント端末50,50,50,50に対して送信すべく、受注データベース70から読み出されてコレクタノード60に保持されているデータを、ファイヤーウォールFWを介して適切なクライアント端末50,50,50,50へと転送する。
【0083】
なお、コレクタノード60とマスタノード60とを実現するアプリケーションは、物理的に別個のコンピュータに実装されている必要はなく、1つのコンピュータに実装することも可能である。換言すれば、業務プロセスシステムは、ピアツーピア接続を行うクライアント端末50,50,50,50と受注データベース70とによって構成されるネットワークに、データを保持したり、データを適切な宛先に送信したりする機能を有するアプリケーションを実装したノードがネットワーク環境(バックグラウンド)として存在するものであり、これらコレクタノード60及びマスタノード60は、ピアツーピアネットワークにおける中継ノードとは全く異なる概念として設けられるものである。
【0084】
受注データベース70は、商材やサービスを受注して提供する受注拠点の企業が所持する先に図7に示した受注データベース20に相当するものであり、上述したピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションを実装するものである。この受注データベース70は、ファイヤーウォールFWを介して外部のオープンなネットワーク層とは隔離され且つDMZ層とも隔離されたセグメントであるLANに接続されており、クライアント端末50,50,50,50が直接アクセスすることは不可能とされる。受注データベース70は、ファイヤーウォールFWを介してクライアント端末50,50,50,50から送信されてコレクタノード60に一時的に保持されているデータをマスタノード60から転送され、このデータを所定の場所に記録する。また、受注データベース70は、記録しているデータをクライアント端末50,50,50,50へと送信する際には、記録しているデータから送信すべき適切なデータを読み出し、コレクタノード60を介してマスタノード60に受け渡す。
【0085】
なお、受注データベース70は、全ての取引先に関するデータを記録することから、少なくとも、クライアント端末50,50,50,50を所持する顧客である取引先企業に関する情報を示す取引先テーブル、顧客が取り扱う商材やサービス等の製品に関する情報を示す顧客製品テーブル、発注先である自己が取り扱う商材やサービス等の製品に関する情報を示す製品テーブル、各製品の個別単価に関する情報を示す個別単価テーブル、受注した製品の単位に関する情報を示す単位テーブル、受発注に関して取り扱われる通貨に関する情報を示す通貨テーブル、製品の納入先に関する情報を示す納入先テーブル、通貨が異なる場合にそのレートに関する情報を示す変換レートテーブル、受注に関する明細に関する情報を示す受注明細テーブル、代金を分納する場合の明細に関する情報を示す分納明細テーブル、代金を分納する場合の納期回答に関する情報を示す分納回答テーブル、取引状況の統計等の分析に関する情報を示す分析テーブル、製品の用途に関する情報を示す用途テーブル、顧客が属する都市に関する情報を示す都市テーブル、顧客が属する地域に関する情報を示す地域テーブル、顧客がある企業グループに属している場合にその企業グループに関する情報を示す企業グループテーブル、及び分析を行うユーザに関する情報を示す分析用ユーザテーブル等を保持する必要がある。
【0086】
これに対して、クライアント端末50,50,50,50も、受注データベース70からのデータを記録する特に図示しないデータベースを保有するが、自己が該当する取引先に関するデータのみを記録すればよく、受注データベース70に保持される上述した各種テーブルのうち、少なくとも、取引先テーブル、顧客製品テーブル、製品テーブル、個別単価テーブル、受注明細テーブル、分納明細テーブル、及び分納回答テーブルを保持すればよい。
【0087】
受注拠点端末80は、商材やサービスを受注して提供する受注拠点の企業が所持するものであり、上述したピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションを実装するものである。この受注拠点端末80は、コレクタノード60、マスタノード60、及び受注データベース70から構成されるシステムとは独立したネットワークであって、オープンなネットワーク層、DMZ層、及びLAN層とファイヤーウォールFWを介して接続された社内ネットワークに接続されており、受発注をはじめとする各種業務を管理するために、コレクタノード60及びマスタノード60を介して受注データベース70にアクセスすることが可能な権限が与えられている。例えば、受注拠点端末80は、受発注に応じてコレクタノード60から受発注データを受け取って画面上に表示することにより、受発注状態の管理等を行う。
【0088】
クライアント端末90,90,90は、それぞれ、商材やサービスを受注して提供する受注拠点の企業が所持するものであり、上述したピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションを実装するものである。これらクライアント端末90,90,90は、それぞれ、受注拠点端末80と同様に、社内ネットワークに接続されており、受注データベース70にアクセスしてデータの授受を行うことが可能とされる。
【0089】
このような業務プロセスシステムは、クライアント端末50,50,50,50が接続されるインターネット等のWAN(Wide Area Network)層から、受注データベース70が接続されるLAN層に対して、ファイヤーウォールFWを介して直接アクセスするのではなく、コレクタノード60及びマスタノード60が接続される中間ネットワーク層としてのDMZ層を設け、これら3層に切り分けたシステムとして構築することにより、ピアツーピアテクノロジーをB2B(Business to Business)のシステムに導入することができ、特に、受注拠点の企業システムをDMZ層とLAN層とにわけることにより、受注データベース70の負荷を削減してパフォーマンスを大幅に向上させることが可能となり、受注データベース70に直接アクセスされることが回避されるため、セキュリティ性も大幅に向上させることができる。
【0090】
また、この業務プロセスシステムにおいては、DMZ層にあるコレクタノード60によってクライアント端末50,50,50,50からのデータを一時的に保持し、その後、受注データベース70へと転送することから、仮に通信途中でクライアント端末50,50,50,50との接続セッションが切断されてしまった場合であっても、クライアント端末50,50,50,50によるデータの入力を再度やり直す必要がなくなり、確実な通信を実現することができる。
【0091】
このような業務プロセスシステムは、例えば図10に示すように、一連の製品プロダクトライフサイクルにおいて顧客関係部署と自企業部署との間で行われる各種業務データの授受に適用することができる。特に、業務プロセスシステムは、顧客関係部署と自企業部署との間で、フォーキャストプロセス、受発注プロセス、納期・数量の回答やインボイス、B/Lの通知等の納品プロセス、不良発生の通知や検収等の納品後プロセス等からなる商材・サービスの量産フェーズに適用して好適である。
【0092】
一例として、最終顧客が所持するクライアント端末50を介した発注を受け付けるまでのシーケンスを表すと、図11に示すようになる。なお、ここでは、クライアント端末50を所持する最終顧客が商材やサービスを発注して購買するための独自のシステムを備えている場合について示す。
【0093】
まず、最終顧客は、同図に示すように、ステップS1において、独自のシステムを用いて任意のフォーマットで発注データを作成する。
【0094】
続いて、最終顧客は、ステップS2において、上述したアプリケーションが実装されたクライアント端末50のトランスレータ12の機能を用いて、発注データを受注データベース70に取り込める形式に変換した後、ステップS3において、データキャリア部13の機能を用いて、発注データをコレクタノード60に送信する。
【0095】
これに応じて、コレクタノード60及びマスタノード60は、発注データを受信すると、ステップS4において、この発注データを一時的に保持し、ステップS5において、当該発注データを宛先である受注データベース70に送信するとともに、受注拠点端末80にも送信する。受注拠点端末80は、ステップS6において、コレクタノード60からの発注データに基づいて、画面部11の機能を用いて発注状態を表示する。
【0096】
一方、受注データベース70は、コレクタノード60から送信されてきた発注データをデータキャリア部21の機能を用いて受信すると、ステップS7において、この発注データをデータベース管理部22の機能を用いて記録し、データベースの内容を更新する。そして、受注データベース70は、受注データをコレクタノード60に送信する。
【0097】
これに応じて、コレクタノード60及びマスタノード60は、受注データベース70からの受注データを受信すると、ステップS8において、この受注データを一時的に保持し、ステップS9において、当該受注データを宛先であるクライアント端末50に送信するとともに、受注拠点端末80にも送信する。
【0098】
そして、クライアント端末50は、ステップS10において、コレクタノード60からの受注データに基づいて、画面部11の機能を用いて受注状態を表示し、一連の処理を終了する。また、受注拠点端末80も、ステップS11において、コレクタノード60からの受注データに基づいて、画面部11の機能を用いて受注状態を表示し、一連の処理を終了する。
【0099】
業務プロセスシステムにおいては、独自のシステムを備えている最終顧客が所持するクライアント端末50と、コレクタノード60及びマスタノード60、受注データベース70、並びに受注拠点端末80との間で、このような業務データの授受を行うことにより、最終顧客からの発注を受け付けることができる。
【0100】
また、クライアント端末50を所持する最終顧客が商材やサービスを発注して購買するための独自のシステムを備えていない場合に、クライアント端末50を介した発注を受け付けるまでのシーケンスを表すと、図12に示すようになる。
【0101】
この場合、最終顧客は、同図に示すように、ステップS21において、上述したアプリケーションが実装されたクライアント端末50の画面部11の機能を用いて発注データを入力する。
【0102】
続いて、最終顧客は、ステップS22において、クライアント端末50のトランスレータ12の機能を用いて、発注データを受注データベース70に取り込める形式に変換した後、ステップS23において、データキャリア部13の機能を用いて、発注データをコレクタノード60に送信する。そして、クライアント端末50は、ステップS24において、送信した発注データに基づいて、画面部11の機能を用いて発注状態を表示する。
【0103】
一方、コレクタノード60及びマスタノード60は、発注データを受信すると、ステップS25において、この発注データを一時的に保持し、ステップS26において、当該発注データを宛先である受注データベース70に送信するとともに、受注拠点端末80にも送信する。受注拠点端末80は、ステップS27において、コレクタノード60からの発注データに基づいて、画面部11の機能を用いて発注状態を表示する。
【0104】
受注データベース70は、コレクタノード60から送信されてきた発注データをデータキャリア部21の機能を用いて受信すると、ステップS28において、この発注データをデータベース管理部22の機能を用いて記録し、データベースの内容を更新する。そして、受注データベース70は、受注データをコレクタノード60に送信する。
【0105】
これに応じて、コレクタノード60及びマスタノード60は、受注データベース70からの受注データを受信すると、ステップS29において、この受注データを一時的に保持し、ステップS30において、当該受注データを宛先であるクライアント端末50に送信するとともに、受注拠点端末80にも送信する。
【0106】
そして、クライアント端末50は、ステップS31において、コレクタノード60からの受注データに基づいて、画面部11の機能を用いて受注状態を表示し、一連の処理を終了する。また、受注拠点端末80も、ステップS32において、コレクタノード60からの受注データに基づいて、画面部11の機能を用いて受注状態を表示し、一連の処理を終了する。
【0107】
業務プロセスシステムにおいては、独自のシステムを備えていない最終顧客が所持するクライアント端末50と、コレクタノード60及びマスタノード60、受注データベース70、並びに受注拠点端末80との間で、このような業務データの授受を行うことにより、最終顧客からの発注を受け付けることができる。
【0108】
最後に、業務プロセスシステムによる一連の業務イメージをより明確化するために、最終顧客が代理店等のチャネルを介して発注を行い、受注拠点側で納期回答を行うまでの手続きについて説明する。
【0109】
まず、発注から受注までのプロセスについて、図13を用いて説明する。すなわち、同図においては、最終顧客からチャネルを介して受注拠点に対してデータが流れるプロセスを示している。
【0110】
最終顧客は、同図に示すように、ステップS51において、自己が備える独自のシステムやアプリケーションが実装されたクライアント端末を用いて、発注データを作成する。
【0111】
続いて、最終顧客は、ステップS52において、クライアント端末を用いて発注データを受注データベース70に取り込める形式に変換して出力する。
【0112】
そして、最終顧客は、ステップS53において、クライアント端末を用いて発注データを代理店等のチャネルが備えるシステムに送信する。これにより、発注データは、当該チャネルが備える受注データベースに取り込まれ、記録される。
【0113】
なお、最終顧客は、クライアント端末の画面部11の機能を用いて発注データを入力し、チャネルに渡すようにしてもよい。
【0114】
発注データを受け取ったチャネルは、ステップS54において、自己が所持するアプリケーションが実装されたクライアント端末を用いて、画面上で受注データを確認する。これは、先に図11中ステップS11又は図12中ステップS32にて受注拠点端末80が受注状態の確認を行う処理に対応するものである。
【0115】
続いて、チャネルは、ステップS55において、複数の顧客からの発注データをとりまとめ、自己が備える独自のシステムやクライアント端末を用いて、発注データを作成し、この発注データを受注データベース70に取り込める形式に変換して出力する。
【0116】
そして、チャネルは、ステップS56において、クライアント端末を用いて発注データを受注拠点が備えるシステムに送信する。これにより、発注データは、先に図9に示した受注データベース70に対応する当該受注拠点が備える受注データベースに取り込まれ、記録される。
【0117】
なお、チャネルも、最終顧客と同様に、クライアント端末の画面部11の機能を用いて発注データを入力し、受注拠点に渡すようにしてもよい。
【0118】
発注データを受け取った受注拠点は、ステップS57において、先に図9に示した受注拠点端末80に対応する自己が所持するアプリケーションが実装された受注拠点端末を用いて、画面上で受注データを確認する。これは、先に図11中ステップS11又は図12中ステップS32にて受注拠点端末80が受注状態の確認を行う処理に対応するものである。
【0119】
続いて、受注拠点は、ステップS58において、受注データに基づいて、在庫確認、生産進捗の確認、キャパシティの確認等を行い、工場等との生産部署と調整し、出荷可能日を決定する。
【0120】
そして、受注拠点は、ステップS59において、受注拠点端末の画面部11の機能を用いて決定した納期を入力する。具体的には、受注拠点端末の表示画面には、例えば図14に示すような納期回答ダイアログが表示される。受注拠点は、この納期回答ダイアログに必要事項を入力することになる。
【0121】
これまでが、発注から受注までのプロセスである。つぎに、受注から納期回答までのプロセスについて、図15を用いて説明する。すなわち、同図においては、受注拠点からチャネルを介して最終顧客に対してデータが流れ、さらに、最終顧客からチャネルを介して受注拠点に対してデータが流れるプロセスを示している。
【0122】
受注拠点は、同図に示すように、ステップS60において、受注拠点端末を用いて決定した納期を示す納期データをチャネルが備えるシステムに送信する。
【0123】
納期データを受け取ったチャネルは、ステップS61において、クライアント端末を用いて、画面上で納期データを確認することによって回答された納期日を確認し、顧客到着日を微調整する。
【0124】
そして、チャネルは、ステップS62において、クライアント端末を用いて調整された納期を示す納期データをチャネルが備えるシステムに送信する。
【0125】
納期データを受け取った最終顧客は、ステップS63において、クライアント端末を用いて、画面上で納期データを確認することによって回答された納期日を確認する。
【0126】
続いて、最終顧客は、ステップS64において、回答された納期を受け入れるか否かを判断し、納期日を承認した場合には、ステップS65において、クライアント端末を用いて納期日を承認した旨を示すステータスをチャネルが備えるシステムに送信する。
【0127】
このステータスを受け取ったチャネルは、ステップS66において、クライアント端末を用いてこのステータスを受注拠点が備えるシステムに送信する。
【0128】
そして、受注拠点は、ステップS67において、受注拠点端末を用いてこのステータスを受け取って画面上で確認し、一連のプロセスを終了する。
【0129】
このように、業務プロセスシステムにおいては、最終顧客、チャネル、及び受注拠点の間で、発注から納期回答までの手続きをシームレスに実現することができる。
【0130】
以上説明したように、本発明の実施の形態として示した業務プロセスシステムにおいては、オープンなネットワーク層に接続されたクライアント端末50,50,50,50から送信されたデータを、オープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注拠点の内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点のDMZ層に接続されて当該クライアント端末50,50,50,50とピアツーピア接続したコレクタノード60を介して、受注拠点の受注データベース70に記録する。
【0131】
このように、この業務プロセスシステムにおいては、クライアント端末50,50,50,50がアプリケーションを実行するため、受注データベース70の負荷が削減されパフォーマンスを大幅に向上させることが可能となり、コレクタノード60を介すことによって受注データベース70に直接アクセスされることが回避されるため、セキュリティ性も大幅に向上させることができる。また、この業務プロセスシステムにおいては、DMZ層にあるコレクタノード60によってクライアント端末50,50,50,50からのデータを一時的に保持し、その後、受注データベース70へと転送することから、仮に通信途中でクライアント端末50,50,50,50との接続セッションが切断されてしまった場合であっても、クライアント端末50,50,50,50によるデータの入力を再度やり直す必要がなくなり、確実な通信を実現することができる。
【0132】
また、この業務プロセスシステムにおいては、クライアント端末50,50,50,50が送信すべきデータを、受注データベース70に取り込める形式とすべく、当該クライアント端末50,50,50,50によって所定のフォーマットに変換した上で送信することから、発注元の企業に既存システムが構築されている場合であっても、この既存システムと共存することができる。
【0133】
このように、この業務プロセスシステムは、ピアツーピアテクノロジーを用いて、従来では実現不可能であった不特定多数の企業との取引をサーバレスで安価且つ高いセキュリティ性のもとに実現することができる。
【0134】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では、図9に示したネットワーク構造に各種ノードが接続されたシステムについて説明したが、本発明は、例えばDMZ層にウェブサーバを設けたり、LAN層に設計データベース等の複数のデータベースを設けたりするようにしてもよい。
【0135】
また、上述した実施の形態では、主に受発注に関する取引について説明したが、本発明は、先に図10に示した一連の製品プロダクトライフサイクルをはじめとするその他の業務にも適用することができるのは勿論である。
【0136】
このように、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムであって、
オープンなネットワーク層に接続された発注元が所持する端末であり、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装され、ピアツーピアネットワークに参加するメンバとしてのクライアント端末と、
上記オープンなネットワーク層とは隔離されたセグメントである受注拠点の内部のネットワーク層に接続されるとともに、上記アプリケーションが実装され、上記クライアント端末が上記アプリケーションを実行することによって当該クライアント端末とピアツーピア接続し、上記クライアント端末から送信されてきたデータを記録するとともに、記録しているデータから送信すべきデータを読み出す受注データベースと、
上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ上記内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続され、上記クライアント端末から送信されてきたデータ又は上記受注データベースから読み出されたデータを収集して一時的に保持するとともに、適切な宛先に転送するノードとを備えること
を特徴とする業務プロセスシステム。
【請求項2】
上記アプリケーションは、
データの登録及びデータの表示機能を提供する画面機能と、
上記画面機能を実行して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを受け取り、当該データを上記受注データベースに取り込める形式に変換するトランスレート機能と、
ファイヤーウォールを超えてセキュリティ性を保持して且つ確実にデータを授受するための基板機能であるデータキャリア機能と、
上記データキャリア機能を実行して受信したデータを受け取り、当該データをデータベースにおける所定の場所へ取り込むとともに、データベースに記録されているデータを抽出するデータベース管理機能とを備えること
を特徴とする請求項1記載の業務プロセスシステム。
【請求項3】
上記クライアント端末は、
上記トランスレート機能を実行し、上記画面機能を実行して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを受け取り、当該データを上記受注データベースに取り込める形式に変換し、
上記データキャリア機能を実行して上記ノードを介して上記受注データベースまでの接続セッションを確立し、上記トランスレート機能によって変換されたデータを送信すること
を特徴とする請求項2記載の業務プロセスシステム。
【請求項4】
上記受注データベースは、
上記データキャリア機能を実行して上記ノードを介して上記クライアント端末までの接続セッションを確立し、上記クライアント端末から送信されてきたデータを受信し、
上記データベース管理機能を実行して上記データキャリア機能を実行して受信したデータを受け取り、当該データをデータベースにおける所定の場所へ取り込むとともに、データベースに記録されているデータを抽出すること
を特徴とする請求項3記載の業務プロセスシステム。
【請求項5】
上記ノードは、
上記クライアント端末から送信されてきたデータ又は上記受注データベースから読み出されたデータを収集して一時的に保持する情報処理装置からなる収集ノードと、
上記受注データベースに対するアクセス認証を行い、上記収集ノードによって保持されているデータを適切な宛先に転送する情報処理装置からなるマスタノードとに大別されること
を特徴とする請求項1記載の業務プロセスシステム。
【請求項6】
上記オープンなネットワーク層、上記中間ネットワーク層、及び上記内部のネットワーク層とファイヤーウォールを介して接続された受注拠点の社内ネットワークに接続されるとともに、上記アプリケーションが実装された受注拠点端末を備え、
上記受注拠点端末は、少なくとも受発注に応じて上記ノードを介して受け取った受発注データを画面上に表示して受発注状態の管理を行うこと
を特徴とする請求項1記載の業務プロセスシステム。
【請求項7】
上記オープンなネットワーク層は、WAN層であり、
上記中間ネットワーク層は、DMZ層であり、
上記内部のネットワーク層は、LAN層であること
を特徴とする請求項1記載の業務プロセスシステム。
【請求項8】
不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセス方法であって、
オープンなネットワーク層に接続された発注元が所持する端末であり、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装されたピアツーピアネットワークに参加するメンバとしてのクライアント端末は、画面を介して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを、受注拠点の受注データベースに取り込める形式に変換し、上記受注データベースまでの接続セッションを確立して変換されたデータを送信し、
上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注拠点の内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続されたノードは、当該クライアント端末から送信されてきたデータ又は上記受注データベースから読み出されたデータを収集して一時的に保持した後、適切な宛先に転送し、
上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ上記中間ネットワーク層とも隔離されたセグメントである上記内部のネットワーク層に接続されるとともに、上記アプリケーションが実装された上記受注データベースは、上記クライアント端末が上記アプリケーションを実行することによって当該クライアント端末とピアツーピア接続し、上記クライアント端末から送信されて上記ノードから転送されてきたデータを記録するとともに、記録しているデータから送信すべきデータを読み出し、上記ノードに受け渡すこと
を特徴とする業務プロセス方法。
【請求項9】
不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムに備えられ、ピアツーピアネットワークに参加するメンバとして、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装されてオープンなネットワーク層に接続された情報処理装置であって、
上記アプリケーションの機能であり、データの登録及びデータの表示機能を提供する画面機能を実行する画面手段と、
上記アプリケーションの機能であり、上記画面機能を実行して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを受け取り、当該データを受注拠点の受注データベースに取り込める形式に変換するトランスレート機能を実行するトランスレート手段と、
上記アプリケーションの機能であり、ファイヤーウォールを超えてセキュリティ性を保持して且つ確実にデータを授受するための基板機能であるデータキャリア機能を実行するデータキャリア手段とを備え、
上記トランスレート手段は、上記トランスレート機能を実行し、上記画面機能を実行して登録されたデータ又は任意に作成されたデータを、受注拠点の受注データベースに取り込める形式に変換し、
上記データキャリア手段は、上記データキャリア機能を実行し、上記受注データベースまでの接続セッションを確立して変換されたデータを送信すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項10】
不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムに備えられる情報処理装置であって、
ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装されたピアツーピアネットワークに参加するメンバとしての発注元が所持するクライアント端末が接続されたオープンなネットワーク層とは隔離され且つ受注拠点の内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続されており、
上記クライアント端末が上記アプリケーションを実行することによって上記内部のネットワーク層に接続された受注拠点の受注データベースとピアツーピア接続した際に、上記クライアント端末から送信されてきたデータ又は上記内部のネットワーク層に接続された受注拠点の受注データベースから読み出されたデータを収集して一時的に保持するとともに、適切な宛先に転送すること
を特徴とする情報処理装置。
【請求項11】
不特定多数の企業間をネットワークによって接続し、各種業務データの授受を行う業務プロセスシステムに備えられ、ピアツーピアネットワークアーキテクチャを実現するアプリケーションが実装された発注元が所持するクライアント端末が接続されたオープンなネットワーク層とは隔離された受注拠点の内部のネットワーク層に接続され、受注拠点の受注データベースとしての役割を果たす上記アプリケーションが実装された情報処理装置であって、
上記アプリケーションの機能であり、ファイヤーウォールを超えてセキュリティ性を保持して且つ確実にデータを授受するための基板機能であるデータキャリア機能を実行するデータキャリア手段と、
上記アプリケーションの機能であり、上記データキャリア機能を実行して受信したデータを受け取り、当該データをデータベースにおける所定の場所へ取り込むとともに、データベースに記録されているデータを抽出するデータベース管理機能とを備え、
上記データキャリア手段は、上記データキャリア機能を実行し、上記オープンなネットワーク層とは隔離され且つ上記内部のネットワーク層とも隔離されたセグメントである受注拠点の中間ネットワーク層に接続されたノードを介して上記クライアント端末までの接続セッションを確立し、上記クライアント端末によって当該データベースに取り込み可能に変換されて当該クライアント端末から送信されてきたデータであって上記ノードによって一時的に保持されてから転送されてきたデータを受信し、
上記データベース管理手段は、上記データベース管理機能を実行し、上記データキャリア機能を実行して受信したデータを受け取り、当該データをデータベースにおける所定の場所へ取り込むとともに、データベースに記録されているデータを抽出すること
を特徴とする情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17(A)】
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【図17(B)】
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【図17(C)】
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【図18(A)】
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【図18(B)】
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【国際公開番号】WO2005/078593
【国際公開日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【発行日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517994(P2005−517994)
【国際出願番号】PCT/JP2005/002136
【国際出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(000108410)ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 (595)
【出願人】(502220160)アリエル・ネットワーク株式会社 (3)
【出願人】(504057702)アイ・ビー・エム ビジネス・コンサルティング・サービス株式会社 (1)
【Fターム(参考)】