説明

極低温でのビーム誘起堆積

【課題】 本発明の目的は、ビーム誘起堆積を用いて、極低温で基板上に材料を堆積するように改善した方法を供することである。
【解決手段】 ビーム誘起堆積を用いることによって、極低温にて基板上に材料を堆積する方法。前駆体気体が、前記基板の極低温よりも低い融点を有する化合物の群から選ばれる。好適には、前記前駆体気体は、所望の極低温にて0.5〜0.8の付着係数を有する化合物の群から選ばれる。この結果、前記前駆体気体は、前記所望の極低温にて、前記基板表面に吸着する前駆体分子と前記基板表面から脱離する前駆体気体分子との間で平衡に到達する。適切な前駆体気体は、アルカン、アルケン、又はアルキンを有して良い。-50℃〜-85℃の極低温では、ヘキサンが材料を堆積する前駆体気体として用いられて良い。-50℃〜-180℃の極低温では、プロパンが前駆体気体として用いられて良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子ビーム誘起堆積及びイオンビーム誘起堆積に関し、より詳細には、極低温でのビーム誘起堆積に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術において、電子ビーム誘起堆積(EBID)及びイオンビーム誘起堆積(IBID)によって基板上に材料を堆積させることは既知である。前記既知の方法によると、基板は、荷電粒子ビーム装置−典型的には電子ビーム(E-beam)システム又は集束イオンビーム(FIB)システムのいずれか−の排気可能な試料チャンバ内に設けられる。荷電粒子(又は他の)ビームが、通常は前駆体気体と呼ばれる堆積気体が存在する中で基板表面へ向けられる。前駆体気体の層は試料表面に吸着する。層の厚さは、基板表面上での気体分子の吸着と脱離のバランスによって支配される。前記バランスはたとえば、気体の分圧(どの程度の数の分子が1秒間に付着するのかを表す)及び付着係数(平均としてどのくらいの時間、分子は表面上に吸着するのかを表す)に依存する。その結果得られる層は典型的には、1未満〜数層の単原子層で構成される。
【0003】
荷電粒子ビームが前駆体気体の吸着層を有する基板に照射されるとき、前記基板から2次電子が放出される。これらの2次電子は、吸着した前駆体気体分子の分解を引き起こす。分解した前駆体材料の一部が基板表面上の堆積物構成する一方で、前記前駆体粒子の残りは、揮発性の副生成物を生成し、かつ当該装置の真空系によって排気される。
【0004】
ビーム誘起堆積は、基板の標的表面−たとえば半導体ウエハ又は磁気記憶媒体−に材料を堆積する様々な用途に用いられる。材料は様々な理由で堆積される。様々な理由とはたとえば、パターニングされた薄膜表面若しくは半導体の形状の評価及び解析のための保護コーティングを形成するため、又は小さな試料−たとえなTEM試料−をマニピュレータ若しくは試料ホルダに「結合(weld)」することである(以降で詳述する)。多くの気体、基板、及びビームの組み合わせの型は、様々な堆積法を実現するのに用いられて良い。堆積される特定の材料は通常、用途、下に存在する標的表面、及び、その材料と標的表面とがどのように反応するのかに依存する。同様に、様々なビームの型が、2次電子を発生させるのに用いられて良い。これらには、イオンビーム、電子ビーム、及びレーザービームが含まれる。
【0005】
既知のビーム誘起堆積法の欠点は、極低温(-50℃よりも低温で、より詳細には-130℃よりも低温)では十分に機能しないことである。多数の用途−生体材料のTEM用試料の調製を含む−は、試料を極低温にまで冷却することを要求する。たとえばTEM試料チャンバの低圧環境において生体試料の構造を保全するため、試料は通常、脱水を回避するように冷凍保存される。冷凍保存(vitrification)は、急速に冷凍することで、試料内部の水が、結晶化せずに、試料構造に(ほとんど)損傷を与えないアモルファス又はガラス状態となるような処理を含む。ガラス状の氷(vitreous ice)はまた形状を有しておらず、壊れやすい氷の結晶を形成しない。冷凍保存された試料が低温となることで、観察中でのビーム電子によって生じる損傷を減少させることで、良好な画質の像を得るために、より高いビーム電流で、より高強度又はより長時間での曝露が可能となる。生体試料をガラス状に維持するため、温度は-130℃(所謂冷凍保存温度)よりも低温に維持されなければならない。温度がこのレベルよりも高い温度にまで上昇する場合には、結晶はアモルファスの氷から結晶の氷へ変化することで、細胞(又は組織)内の生体情報が破壊される。
【0006】
極低温では、通常のEBID/IBID処理は機能しない。たとえばせいぜい2分子層の分子が基板表面に吸着する平衡に到達する代わりに、前駆体気体分子は、基板上で冷凍し、かつ前記基板上にとどまる(つまり付着係数が1となるか、又は滞在期間が∞となる)。この結果、気体分子からなる厚い凍結層が表面を覆うことで、荷電粒子ビームが、前駆体分子の分解を引き起こすことが困難となり、かつ堆積された材料の基板表面への結合が妨げられる。その結果、試料のマニピュレータ又はホルダへの取り付けに用いられるときには信頼性のある結合とはならない。さらに典型的な「揮発性の副生成物」もまた、これらの低温では表面上で凍結し、かつ結合の形成を妨害する恐れがある。また試料が以降の段階で、その試料の融点、昇華点、又は沸点よりも高温になるとき、突如として揮発性の副生成物が、意図した構造の損傷を引き起こす恐れがある。その結果、試料上の薄膜表面をパターニングすることは困難又は不可能となる。
【0007】
非特許文献1は、約100K(-173℃)の温度でEBIDを用いることによって、シリコン基板上に、シリコン、シリコン窒化物、シリコン酸化物、及びシリコン酸窒化物膜を堆積する方法について記載している。しかし非特許文献1の堆積方法は、空間的な成長及び材料組成にわたるより厳密な制御のため、電子によって生じる分解反応と、熱によって生じる分解反応を分離するのに用いられる。その結果、非特許文献1は、試料温度を調節することで所望の堆積を実現することについて記載している。このことは、生体材料のTEM用試料の調製にとっては実用的ではない。なぜなら試料は、生体試料の損傷を回避するように冷凍保存温度よりも低温に維持されなければならないからである。さらに非特許文献1に記載された方法は、シリコン上へのシリコン、シリコン窒化物、シリコン酸化物、及びシリコン酸窒化物膜の堆積に限定される。シリコン基板を用いることは、反応分子の吸収及び表面化学特性において重要な役割を果たしている。生体材料のTEM用試料の調製のためには、堆積法が、生体基板及び氷にも機能し、かつ炭素のような非シリコンベース材料を堆積することが可能であることが望ましい。最終的に非特許文献1に記載された方法は、空間制御と動力学的制御を維持するため、低エネルギー(〜200eV)の電子ビーム励起を用いて堆積を誘起することについて教示している。よって材料の堆積速度は、試料の結合又は厚い/大きな保護層の形成にとっても実用的ではない。
【0008】
従って、典型的なEBID/IBID処理が-50℃よりも高温−より具体的には-130℃よりも高温−で用いられるのと同じように、極低温で利用可能なように改善されたビーム誘起堆積法が必要である。極低温でのビーム誘起堆積に適した前駆体気体を選択するように改善された方法もさらに必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Bozso他、Mat. Res. Soc. Symp. Proc.、第158巻、pp.201-209、1990年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、ビーム誘起堆積を用いて、極低温で基板上に材料を堆積するように改善した方法を供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前駆体気体は、前記基板の極低温よりも低い融点を有する化合物の群から選ばれることが好ましい。適切な前駆体気体は、所望の極低温にて0〜1−より具体的には0.5〜0.8−の付着係数を有しなければならない。この結果、非常に少数の気体分子層が形成される前に、前記前駆体気体は、所望の極低温にて、前記基板表面上に吸着する前駆体分子と前記基板表面から脱離する前駆体分子との間での平衡に到達する。本発明の好適実施例によると、適切な前駆体気体は、アルカン、アルケン、若しくはアルキン、又はこれらの分岐誘導体を有して良い。
【0012】
前述の説明は、以降の本発明の詳細な説明をよりよく理解できることを目的として、本発明の特徴及び技術的利点をかなり広範に概説した。本発明の追加的特徴及び利点は以降で説明する。基本的な考え方及び開示された具体的実施例は、本発明と同一の目的を実行するために他の構造を修正又は設計するための基礎としてすぐに利用できることは、当業者には明らかである。またそのような均等物の構成、請求項で規定された本願発明の技術的思想及び技術的範囲から逸脱しないように、当業者によって実現される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】化合物中の炭素原子数に対するアルカンの融点を示すグラフである。
【図2】前駆体としてヘキサンを用いて-50℃での堆積を示す顕微鏡写真である。
【図3】前駆体としてヘキサンを用いて-65℃でのEBID堆積を示す顕微鏡写真である。
【図4】前駆体としてヘキサンを用いて-80℃でのEBID堆積を示す顕微鏡写真である。
【図5】前駆体としてヘキサンを用いて-85℃でのEBIDによって生成された2つのパッドからなる構造物を示す顕微鏡写真である。
【図6】本発明の好適実施例による、極低温にて材料層を堆積する方法を実行する工程を示すフローチャートである。
【図7】本発明の方法を実行するのに利用することが可能な典型的なデュアルビームSEM/FIBシステムの一実施例を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明及び本発明の利点をより完全に理解するため、図面と共に以降の発明の詳細な説明を参照する。
【0015】
図面は縮尺通りに描かれていない。図中、様々な図において図示された(ほぼ)同一の各部材は同様の参照番号によって表される。簡明を期すため、全ての図において全ての部材にラベルが付されているわけではない。
【0016】
既知のビーム誘起堆積法の欠点は、多数の用途−生体材料のTEM用試料の調製を含む−が試料を極低温−一般的には-50℃〜-130℃−にまで冷却することを必要としているにもかかわらず、そのような極低温で十分機能しないことである。極低温チャンバを有するビームシステムが当技術分野において既知である一方で、前駆体気体はTEM用試料チャンバで凍結しようとするため、試料チャンバを極低温に維持することは、システム内のEBID又はIBIDに問題を生じさせてしまう。-50℃よりも低温では、ビーム誘起堆積に適したほとんどの既知の前駆体気体は基板表面で凍結して、通常のEBID/IBID処理は機能しない。
【0017】
ビーム誘起堆積の通常動作温度では、ほとんどの既知前駆体気体は、0.5〜0.8の付着係数を有する。「付着係数」とは、同一期間中に、ある表面に衝突する分子の合計数に対する、前記表面に吸着すなわち「付着」する吸着分子(原子)数の比を表す。記号Scはこの係数を表すのに用いられることがある。付着係数の値は、1.00(全ての衝突原子が付着する)〜0.00(衝突原子が一つも付着しない)の値である。重要なこととして、付着係数は、温度の指数関数に反比例し、かつ結晶材料表面上の原子ステップ間の距離の平方根にも反比例する。
【0018】
よって温度が-50℃未満にまで冷却されるとき、ほとんどの既知の前駆体気体の付着係数は1.0に近づき、かつ1未満〜数分子層の気体分子が基板表面に吸着した所望の平衡を形成する代わりに、急速な成長速度で凍結膜が形成される結果、局所ビーム誘起堆積が不可能となる。
【0019】
本願発明者らは、極低温での堆積用の前駆体気体として有用にするため、基板表面に吸着する前駆体気体は、非常に少数の分子層が形成される前−好適には1未満〜2分子層が形成されるとき−に、所望の試料温度−たとえば-130℃以下−で(表面から脱離する気体と)平衡に到達しなければならないことを発見した。わずか数分子層が形成される場合、前駆体気体分子の膜は成長し続ける。好適には、極低温下での堆積に用いることのできる前駆体気体分子は、所望の試料温度で0よりも大きくて1よりも小さい付着係数を有する。より好適には、付着係数は0.5〜0.8である。
【0020】
本願発明者らはまた、化合物の融点が、所望の極低温での付着係数を良く予測するものとして使用できることも発見した。ただし両者の関係は必ずしも線形にならない。たとえば炭素ベースのアルカン、アルケン、及びアルキン(と加えてこれらの化合物の分岐誘導体)は、荷電粒子ビームに曝露されるときに炭素を堆積するのに用いることのできる複合分子である。炭素は、保護層の形成、又はプローブ若しくは試料ホルダへの試料の「結合」にとって特に有用である。短い第1級炭素鎖を有するアルカンは、典型的なビーム堆積前駆体気体よりも低い融点を有する。図1は、化合物中での炭素原子数に対するアルカンの融点を示すグラフである。図に示されているように、炭素原子数が増大することで、融点はほぼ直線的に増大する。以下の表は、化学式、融点、及び沸点によって様々なアルカンを示している。
【0021】
【表1】

ヘキサン(C6H14)はたとえば-95℃の融点を有する。本願発明者らは、-85℃周辺にまで下げられた極低温での炭素堆積用の標準前駆体気体として機能することを発見した。図2は、-50℃での前駆体気体としてヘキサンを用いた炭素の点状堆積物を図示している。上半分の左から順に、時間間隔が2、5、10、30、及び40秒での炭素堆積物を図示している。図2に図示されているように、前駆体気体の供給が一定である場合、試料表面上に堆積された材料は曝露時間に比例して成長する。下半分の左から順に、前駆体気体の供給を止めてから1分経過毎の堆積物を図示している。これは、前駆体気体が、表面から脱離して、バルブが閉じられた後に排気されていることを示している。
【0022】
図3及び図4はそれぞれ、-65℃及び-80℃での前駆体気体としてヘキサンを用いた炭素の点状堆積物を図示している。よって図3は、-65℃での前駆体気体としてヘキサンを用いた炭素の点状堆積物を図示している。上半分の左から順に、時間間隔が2、5、10、30、及び40秒での炭素堆積物を図示している。下半分の左から順に、前駆体気体の供給を止めてから1分経過毎の堆積物を図示している。図4では、参照番号40〜44は、-80℃で前駆体気体としてヘキサンを用いた、時間間隔が2、5、10、30、及び40秒での炭素の点状堆積物を図示している。参照番号45〜49はそれぞれ、バルブが閉じられ、かつチャンバが排気されてから1分経過毎の堆積物である。
【0023】
融点付近の温度での堆積用前駆体気体としてヘキサンを用いることについて予測される安定性は図5によって確認される。図5は、-85℃にてヘキサンを前駆体気体として用いるEBIDによって生成された線53によって接続する構造51と構造52を図示している。-95℃よりも低温では、ヘキサンは基板上で凍結して、これ以上炭素堆積用の前駆体気体として機能しない。
【0024】
図2-図4に図示されているように、時間間隔中に堆積された材料の量は、温度が低くなるにつれて多くなる。これは、温度が低下することで、表面上での前駆体気体分子の吸着と脱離との均衡が移動するからである。より多くの気体分子が表面に吸着して脱離する気体分子が少なくなる。その結果、より多くの気体分子が、ビームによる堆積可能な定常状態の均衡をとる。しかし一旦温度が下がりすぎると、均衡は失われる。よって気体分子は表面上で凍結した状態にされることで、凍結膜が成長する。
【0025】
本願発明者らはまた、他のアルカン−たとえばプロパン(C3H8)及びブタン(C4H10)−もまた極低温での炭素堆積用の前駆体気体として適していることを確認した。アルカン分子は、基板上に炭素を堆積するための電子又はイオンビームからのエネルギーによって分解可能な(CからHへの)結合を有する。アルカン鎖の鎖長に依存して、これは様々な温度で機能する。たとえばプロパンは、-140℃での炭素堆積用前駆体気体として用いられて良いが、ヘキサンは-140℃では表面上で凍結する。しかし上述したように、ヘキサンは-95℃で前駆体として機能する。
【0026】
より具体的には、ブタンを用いるとき、-130℃の基板温度ではEBIDを用いることによってパターニングされた堆積物を形成することが可能だが、-140℃の基板温度ではパターニングされた堆積物を形成することはもはや不可能で、ブタンの均一膜が基板上に形成されることを、本願発明者らは発見した。-150℃の基板温度では、プロパンを用いることによって、パターニングされた堆積物を形成することが可能である。ただしその堆積速度はかなり低い。このことは、特定の作業温度で正しい前駆体を選ぶことによって、又は、ある前駆体を選んだときに正しい作業温度を選ぶことによって、パターニングされた堆積物を極低温で作製することが可能である。
【0027】
長い炭素鎖又は他の官能基を有する同様の化合物は、極低温では適切な前駆体にはなりにくい。たとえば、デカン(C10H22)は、大きな分子であるので、室温付近の温度でしか堆積用前駆体として機能しない。-OH基又は-COOH基(カルボニル基)が化合物に加えられることで、基の長さ及び基の複雑さに依存して、融点及び沸点は非常に迅速に移動する。気体分子の吸着(付着係数)が気体化合物の融点に比例しているように見えるので、カルボニル(C=O)基及びヒドロキシル(OH)基を有する、わずかな数の炭素しか含有しない1つ以上の分子基しか、極低温での気体前駆体としての使用に適さない。融点に基づき、一部のアルケン−たとえばエチレン(C2H4)−及びアルキン−たとえばアセチレン(C2H2)−もまた、ハロアルカン−たとえばジフルオロメタン(CH2F2)−、フルオロカーボン−たとえばカーボンテトラフルオロライド(CF4)−、又はハロホルム−たとえばカーボントリフルオライド(CHF3)−として、極低温での気体前駆体の使用に適している。
【0028】
適切な範囲内に融点を有するが、極低温堆積用前駆体としての使用には適していない化合物が多数存在することに留意して欲しい。たとえばネオンやアルゴンのような希ガスのみならず、フッ素、塩素、酸素、及び窒素ガスも、非常に低い融点を有する。しかしこれらの気体は、分子ではなく孤立原子で構成されるので、基板上に堆積可能な不揮発性の物質に分解されない。
【0029】
図6は、本発明による好適実施例による極低温での材料層の堆積方法を実行する工程を示すフローチャートである。工程100では、試料は、適切な粒子ビームシステム内に搬入されて、所望の極低温にまで冷却される。当業者は、粒子ビームシステムと所望の温度が、堆積された材料の特定用途に依存することを理解している。たとえば冷凍保存された生体試料からTEM用試料を調製するため、試料温度は-130℃よりも低温に維持されなければならない。TEM用試料を調製する適切な粒子ビームシステムはたとえば、図7の説明の箇所で後述するようなデュアルビームSEM/FIBシステムであって良い。
【0030】
工程102では、適切な前駆体気体が、試料の温度に基づいて選ばれる。適切な気体は、試料の温度よりも低い融点を有する。たとえば試料の温度が-85℃である場合、-95℃の融点を有するヘキサンが、炭素を堆積するための前駆体気体として用いられて良い。試料の温度が-140℃である場合、-188℃の融点を有するプロパンが、炭素を堆積するための前駆体気体として用いられて良い。好適には前駆体気体の融点は、所望の試料温度よりも低い。より好適には、前駆体気体の融点は、所望の試料温度よりも少なくとも10℃低い。所与の前駆体気体は一般的に、所与の温度範囲にわたっての材料堆積に適している。ただし堆積速度は一般的に、温度がその材料の融点に近づくにつれて増大する。たとえばヘキサンが、約-50℃〜-85℃の温度範囲にわたって炭素を堆積する前駆体気体として使用可能な一方で、プロパンは、約-50℃〜-180℃の温度範囲にわたって使用可能である。
【0031】
前駆体気体の融点及び/又は凝固点は、沸点よりも大気圧の影響を受けにくいので、圧力は、様々な適切な前駆体気体の融点に影響を及ぼさない。試料は荷電粒子ビーム処理のため真空下にあるので、特定気体の「切り換え点」−つまり気体分子がこれ以上表面から脱離しない温度−は、材料の融点とは同一になり得ない。
【0032】
適切な前駆体気体はまた、粒子ビームの存在する中で分解して、堆積物(沈殿物)及び気体状副生成物を生成する分子を有する化合物であっても良い。好適には、副生成物はまた、試料温度よりも低い融点をも有する。よって副生成物は、真空系によって排気することが可能である。
【0033】
工程104において、一旦適切な前駆体気体が選ばれると、前駆体気体は、試料が堆積される試料表面に導かれる。好適には、前駆体気体は、mbar範囲の局所的気体圧力を生成する気体供給針すなわちキャピラリーを介して表面へ導かれる。一の好適実施例では、前駆体気体の存在しない真空圧力は約3×10-6mbarで、かつ、前駆体気体が存在する状態での真空チャンバ内の圧力は約5×10-5mbarにまで上昇する。
【0034】
続いて工程106では、粒子ビームが、堆積物が形成される表面を照射するのに用いられる。好適実施例では、相対的に高いエネルギー−たとえば1-30kV(より好適には2-8kVで最も好適には5kV)で100pA−の電子ビームが用いられて良い。工程108で述べるように、試料は、工程100〜106の間、所望の極低温に維持される。
【0035】
局所的な材料堆積の速度は変化して良いが、好適実施例では、1μm×1μmの面積にわたって約0.6nm/secであって良い。温度が低下し、かつ吸着/脱離の均衡が脱離から遠ざかるように移動すると、前駆体気体が表面上で凍結膜を形成し始める温度に近づくことで、堆積速度が急激に増大する。材料の堆積速度は、はるかに大きな面積にわたって、約0.6nm/secである所望の速度から約1μm/secに急激に変化することができる。その結果、速い堆積速度は、表面上で凍結気体が形成され始めるという危険に対抗するように均衡をとらなければならない。所与の試料の極低温では、材料堆積に適する様々な材料が存在しうる。たとえば試料温度が-50℃〜-85℃の範囲であるプロパンもヘキサンも使用されて良い。融点に最も近い材料は、より高速で材料を堆積すると考えられる。場合によっては、速い堆積速度が望ましいが、別な場合では、より遅い堆積速度だがより制御が容易な前駆体気体を用いることが好ましい。
【0036】
図7は、本発明による方法を実行するように備えられた典型的なデュアルビームSEM/FIBシステム210の一実施例を図示している。上述したように、本発明の実施例は、材料が基板の標的表面に堆積される広範な用途−冷凍保存された生体試料からのTEM試料の調製を含む−に用いられて良い。係る試料の調製及び分析は一般的には、ここで説明しているようなデュアルビーム電子ビーム/集束イオンビームシステム内で実行される。適切なデュアルビームシステムは、たとえばFEIカンパニーから市販されている。適切なハードウエアの例は以降で与えられるが、本発明は如何なる種類のハードウエア内での実装に限定されるものではない。
【0037】
デュアルビームシステム210は、垂直に設けられた電子ビーム鏡筒、及び、排気可能な試料チャンバ226上の垂線から約52°の角度をなして設けられた集束イオンビーム(FIB)鏡筒を有する。試料チャンバは、たとえばターボ分子ポンプ、又は他の排気手段によって排気されて良い。他の排気手段とはたとえば、油拡散ポンプ、イオンゲッターポンプ、スクロールポンプ等である。
【0038】
電子ビーム鏡筒241は、電子を発生させる電子源252及び精細に集束した電子ビーム243を形成する電子光学レンズ256と258を有する。電子ビーム243は、偏向コイル260によって、基板222の表面上に定められ、かつ基板222の表面を走査することができる。レンズ256と258及び偏向コイル260の動作は、電源及び制御ユニット245によって制御される。レンズ及び偏向ユニットは電場を利用して電子ビームを操作して良いこと、磁場が利用可能であること、又は電場と磁場を併用することが可能であることに留意して欲しい。
【0039】
電子ビーム243は、下部チャンバ226内に位置する可動X-Y-Zステージ225上に設けられた基板222上に集束されて良い。ステージ225は、試料を極低温に維持できるように冷却される。冷却は、ペルチェユニット、又は、たとえば冷却源−液化窒素のような極低温流体を含む容器−と接続した伝熱編線(thermal braid)によって実現されて良い。
【0040】
気体注入システム(GIS)246が真空チャンバに設けられている。GISは、前駆体材料を保持する容器(図示されていない)及び前駆体材料を基板表面へ導く針状体270を有する。GISはさらに、基板への前駆体材料の供給を制御する手段271を有する。この例では、制御手段は、調節可能バルブとして図示されている。しかし制御手段は、たとえば前駆体材料の制御された加熱を行うような形態をとっても良い。
【0041】
電子ビーム中の電子が基板222に衝突するとき、2次電子が放出される。これらの2次電子は、検出器240−たとえばEverhard-Thornley型検出器又は低エネルギー電子の検出が可能な半導体デバイス−によって検出される。検出器の信号は制御装置219へ供給される。制御装置219はまた、検出器信号、レンズ、電子源、GIS、ステージとポンプ、及び装置の他の部品をも制御する。モニタ244は、検出器219の信号を用いることによって基板の像を表示するのに用いられる。TEM用試料ホルダ224及びステージ225の付近に設けられたSTEM検出器262は、TEM用試料ホルダ上に設けられた試料を透過する電子を収集して良い。
【0042】
デュアルビームシステム210は、集束イオンビーム(FIB)システム211をも有する。FIBシステム211は、上部首部分212を有する排気されたチャンバを有する。上部首部分212内には、イオン源214と、引き出し電極及び静電光学系を含む集束鏡筒216が設けられている。集束鏡筒216の軸は、電子鏡筒の軸から52°傾いている。イオン鏡筒212は、イオン源214、引き出し電極215、集束素子217、偏向素子220、及び集束イオンビーム218を有する。イオンビーム218は、イオン源214から、鏡筒216を通り、222で概略的に表されている静電偏向手段の間を通って、基板222へ向かう。基板222は、下部チャンバ226内部の可動X-Y-Zステージ225上に設けられた半導体デバイスを含む。
【0043】
ステージ225はまた、1つ以上のTEM用試料ホルダ224をも支持して良い。それにより試料を、半導体デバイスから取り出し、かつTEM用試料ホルダへ移動させることが可能となる。ステージ225は、水平面(X軸及びY軸)及び垂直方向に移動可能であることが好ましい。ステージ225はまた、約60°傾斜することが可能で、かつZ軸の周りを回転することも可能である。一部の実施例では、独立したTEM用試料ステージ(図示されていない)が用いられて良い。そのようなTEM用試料ステージもまた、X軸、Y軸、及びZ軸において可動であることが好ましい。基板222をX-Y-Zステージ225へ挿入し、かつ内部気体供給容器が利用されるときには、その内部気体供給容器を供するためにドア261が開放される。ドアは、システムが真空状態にある場合に開けないようにインターロックされる。
【0044】
首部分212を排気するためにイオンポンプ268が用いられる。チャンバ226は、真空制御装置232の制御下で、ターボ分子ポンプ及び機械式排気システム230によって排気される。真空システムは、チャンバ226内部で、約3×10-6mbarの真空度を供する。適切な前駆体気体が試料表面に導入されるとき、チャンバ背圧は、典型的には約5×10-5mbarにまで上昇しうる。
【0045】
高電圧電源234が、イオンビーム集束鏡筒216内の適切な電極だけでなく液体金属イオン源214とも接続することで、約1keV〜60keVのイオンビーム218を生成し、かつそのイオンビーム218を試料へ導く。パターン生成装置238によって供される所定のパターンに従って動作する偏向制御装置及び増幅器236は、偏向板220と結合する。ここでイオンビーム218は、基板222の上側表面上の対応するパターンをなぞるように手動又は自動で制御されて良い。一部のシステムでは、当業者に周知なように、偏向板は最終レンズの前に設けられる。ブランキング制御装置(図示されていない)が、イオンビーム集束鏡筒216内のブランキング電極(図示されていない)へブランキング電圧を印加するとき、そのブランキング電極は、イオンビーム218を、基板222の代わりにブランキングアパーチャ(図示されていない)へ衝突させる。
【0046】
イオンミリング、増進エッチング、材料堆積による基板222の改質、又は基板222の可視化を目的として、液体金属イオン源214は典型的には、ガリウムの金属イオンビームを供する。液体金属イオン源214は典型的に、基板222で0.1μm未満の幅のビームを集束させることができる。
【0047】
マイクロマニピュレータ247−たとえばオムニプローブ(Omniprobe)社から市販されているAutoProbe(オートプローブ)である−真空チャンバ内部の対象物を厳密に動かすことができる。マイクロマニピュレータ247は、真空チャンバ内部に位置する部分249のX、Y、Z、及びθ制御を供するように、前記真空装置の外部に位置する精密電気モータ248を有して良い。マイクロマニピュレータ247は、小さな対象物を操作するため、様々なエンドエフェクタと適合して良い。本明細書で述べた実施例では、エンドエフェクタは細いプローブ250である。従来技術において知られているように、マイクロマニピュレータ(又はマイクロプローブ)は、分析のため、(典型的にはイオンビームによって基板から解放された)TEM用試料をTEM用試料ホルダに搬送するのに用いられて良い。
【0048】
システム制御装置219は、デュアルビームシステム210の様々な部材の動作を制御する。システム制御装置219によって、ユーザーは、従来のユーザーインターフェース(図示されていない)へのコマンドの入力による所望の手法で、イオンビーム218又は電子ビーム243で走査することができる。あるいはその代わりに、システム制御装置219は、プログラムの命令に従ってデュアルビームシステム210を制御しても良い。
【0049】
本発明の好適実施例によると、極低温で基板上へ材料を堆積する方法は、
− 前記基板の表面に向かって前駆体気体を導く工程、
− 前記前駆体気体が存在する中で前記基板表面に粒子ビームを照射する工程であって、前記前駆体気体は、前記粒子ビームと反応することで、前記基板表面上に材料を堆積させる、工程、
− 前記基板を-50℃よりも低温である所望の極低温にまで冷却する工程、
を有し、
前記前駆体気体は、前記所望の極低温よりも低い融点を有する化合物からなる群から選ばれることを特徴とする。
【0050】
本発明の好適実施例によると、前記前駆体気体は、前記所望の極低温に近いが該所望の極低温よりも低い融点を有する化合物からなる群から選ばれる。
【0051】
本発明の好適実施例によると、前記試料は冷凍保存された生体試料で、前記所望の極低温は130℃よりも低く、上述の工程に加えて、当該方法はさらに、
− イオンビームを用いて前記基板から試料を解放する工程、
− 前記試料と接触するようにマイクロプローブを動かす工程、
− 前記前駆体気体を前記試料へ向かうように導き、かつ前記前駆体気体が存在する中で前記試料に照射することで、前記試料と前記マイクロプローブとを結合させる工程、
− 前記の基板が結合したマイクロプローブを、前記基板から遠ざかるように持ち上げる工程、
− 前記試料が試料ホルダ上の所望の位置で接触するように前記マイクロプローブを動かす工程、
− 前記前駆体気体を前記試料へ向かうように導き、かつ前記前駆体気体が存在する中で前記試料に照射することで、前記試料と前記マイクロプローブとを付着させる工程、
− 前記マイクロプローブを前記試料から分離する工程、並びに、
− 前記工程が実行されている間、前記試料を-130℃に維持する工程、
を有して良い。
【符号の説明】
【0052】
40 堆積物
41 堆積物
42 堆積物
43 堆積物
44 堆積物
45 堆積物
46 堆積物
47 堆積物
48 堆積物
49 堆積物
100 工程
102 工程
104 工程
106 工程
108 工程
210 デュアルビームSEM/FIBシステム
211 集束イオンビーム(FIB)システム
212 上部首部分
214 イオン源
215 引き出し電極
216 集束鏡筒
217 集束素子
218 集束イオンビーム
219 システム制御装置
220 偏向素子
222 基板
224 TEM用試料ホルダ
225 X-Y-Zステージ
226 試料チャンバ
230 排気制御装置
232 真空制御装置
234 高電圧電源
236 偏向制御装置及び増幅器
238 パターン生成装置
240 検出器
241 電子ビーム鏡筒
243 電子ビーム
244 モニタ
245 走査型電子顕微鏡の電源及び制御装置
246 気体注入システム(GIS)
247 マイクロマニピュレータ
248 精密電気モータ
249 マイクロマニピュレータの真空チャンバ内部に位置する部分
250 細いプローブ
252 電子源
256 電子光学レンズ
258 電子光学レンズ
260 偏向コイル
261 ドア
262 STEM検出器
268 イオンポンプ
270 針状体
271 基板への前駆体材料の供給を制御する手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
極低温で基板上へ材料を堆積する方法であって、
当該方法は:
前記基板の表面に向かって前駆体気体を導く工程;
前記前駆体気体が存在する中で前記基板表面に粒子ビームを照射する工程であって、前記前駆体気体は、前記粒子ビームと反応することで、前記基板表面上に材料を堆積させる、工程;
前記基板を-50℃よりも低温である所望の極低温にまで冷却する工程;
を有し、
前記前駆体気体は、前記所望の極低温よりも低い融点を有する化合物からなる群から選ばれることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記前駆体気体が、前記所望の極低温に近いが前記所望の極低温よりも低い融点を有する化合物の群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記前駆体気体の融点は、前記所望の極低温よりも少なくとも10℃低い、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記前駆体気体が、前記粒子ビームが存在する中で分解して、堆積物及び気体状副生成物を生成する分子を有する化合物を有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記気体状副生成物が、前記試料の温度よりも低い融点を有する、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記前駆体気体が、前記所望の極低温で1.0未満の付着係数を有する化合物の群から選ばれる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記前駆体気体が、前記所望の極低温にて0.5以上で0.8以下の付着係数を有する化合物の群から選ばれる、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記前駆体気体は、前記所望の極低温にて、前記基板表面に吸着する前駆体分子と前記基板表面から脱離する前駆体気体分子との間で平衡に到達する化合物の群から選ばれる、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
気体分子のうちの1未満乃至2分子層が前記基板表面上に形成されるときに前記平衡が実現される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記前駆体気体がプロパンを有し、かつ
前記所望の極低温が-50℃から-130℃である、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記前駆体気体がヘキサンを有し、かつ
前記所望の極低温が-50℃から-85℃である、
請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記前駆体気体が、アルカン、アルケン、又はアルキンを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記前駆体気体が、エチレン又はアセチレンを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記前駆体気体が、ハロアルカン、フルオロカーボン、又はハロホルムを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記前駆体気体が、ジフルオロメタン、カーボンテトラフルオライド、又はカーボントリフルオロライドを有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記前駆体気体が存在する中で前記基板表面に粒子ビームを照射することで、前記粒子ビームが前記前駆体気体と反応することで、前記基板表面上に材料を堆積する工程が、前記前駆体気体が存在する中で前記基板表面に粒子ビームを照射することで、前記前駆体気体が前記粒子ビームと反応することで、前記試料の一部と他の表面とを結合する工程を有する、請求項1乃至15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
材料が、前記基板表面上のμm2当たり、少なくとも0.6nm/secの速度で前記基板表面に堆積される、請求項1乃至16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記の堆積された材料が炭素を有する、請求項1乃至17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記基板が生体試料又は氷を有する、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記粒子ビームが、少なくとも5keVのビームエネルギーを有する電子ビームを有する、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記試料は冷凍保存された生体試料で、前記所望の極低温は130℃よりも低い場合において、
イオンビームを用いて前記基板から試料を解放する工程、
前記試料と接触するようにマイクロプローブを動かす工程、
前記前駆体気体を前記試料へ向かうように導き、かつ前記前駆体気体が存在する中で前記試料に照射することで、前記試料と前記マイクロプローブとを結合させる工程、
前記の基板が結合したマイクロプローブを、前記基板から遠ざかるように持ち上げる工程、
前記試料が試料ホルダ上の所望の位置で接触するように前記マイクロプローブを動かす工程、
前記前駆体気体を前記試料へ向かうように導き、かつ前記前駆体気体が存在する中で前記試料に照射することで、前記試料と前記マイクロプローブとを結合させる工程、
前記マイクロプローブを前記試料から分離する工程、並びに、
前記工程が実行されている間、前記試料を-130℃に維持する工程、
を有する、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2012−12704(P2012−12704A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144501(P2011−144501)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(501233536)エフ イー アイ カンパニ (87)
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
【住所又は居所原語表記】7451 NW Evergreen Parkway, Hillsboro, OR 97124−5830 USA
【Fターム(参考)】