極低測定圧接触式測長装置
【課題】測定位置にかかわりなく一定圧の安定した微小接触圧を創成でき、それにより、傾斜部分でも誤差の少ない正確な精密測定を実現することができ、しかも構造が簡単で安価に実施できる極低測定圧接触式測長装置を提供する。
【解決手段】被測定物に測定端子を接触させて測長する形式の測定装置において、測定端子を並進させるための駆動シリンダを有し、かつ、前記駆動シリンダが、微小圧力創成用のために内部に吹き込まれる駆動用気体の一部を流出させる気体流出機構を備えている。
【解決手段】被測定物に測定端子を接触させて測長する形式の測定装置において、測定端子を並進させるための駆動シリンダを有し、かつ、前記駆動シリンダが、微小圧力創成用のために内部に吹き込まれる駆動用気体の一部を流出させる気体流出機構を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接触式測長装置とりわけ測定圧を極小にして測定を行える極低測定圧接触式測長装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学素子や工学部品で代表される精密部品の形状測定において、最も広く使用されているのは端子を接触させて計測する接触式測長器である。しかし、傾斜面の計測においては、測定圧が存在するため測定端子に曲がりや縮みが生じて測定誤差発生の原因となる。そのため、レンズなどの傾斜角の厳しい部分の測定においては、高精度の計測ができないのが欠点とされている。
【0003】
前記測定圧を小さくする方策として、従来、1)測定端子を取り付けたシャフトを傾斜させ、それによりシャフト自重の分力を測定圧として利用したもの、2)測定端子を取り付けたシャフトをばねで加圧するものがあったが、1)はシャフトの傾斜の程度により測定圧が変化するので、精度が低下したり、煩雑な調整が必要となるなどの問題があった。また、2)はバネの圧縮と共に測定圧が増加するため、誤差を増大する欠点があった。
これに代えて、後部に環状受圧部を有する段付きのシャフトを使用し、環状受圧部を気体圧で加圧するようにしたものがあるが、環状受圧部に供給する気体圧にポンプの脈動が重畳されるので、微小な一定圧力を得ることが困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、測定位置にかかわりなく一定圧の安定した微小接触圧を創成でき、それにより、傾斜部分でも誤差の少ない正確な精密測定を実現することができ、しかも構造が簡単で安価に実施できる極低測定圧接触式測長装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明は、気体圧の差圧によって微小圧力を発生させるようにしたものであり、すなわち、被測定物に測定端子を接触させて測長する形式の測定装置において、該装置が、測定端子を並進させるための駆動シリンダを有しかつ、前記駆動シリンダが、微小圧力創成用のために内部に吹き込まれる駆動用気体の一部を流出させる気体流出機構を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、測定端子を並進させるための駆動シリンダに対する加圧気体の一部を意図的に流出させて低圧化するので、測定端子を常に一定のかつ微細な圧力で被測定物に接触させることができる。このため、測定位置に関係なく常に一定圧で安定した微小測定圧が得られ、傾斜部分でも誤差の少ない精密測定を実現でき、また、非測定物が脆弱であっても精密な測長が可能となる。しかも、簡単な形状の部品の組立で足りるので、製造が簡便で安価となるとともに、破損する箇所が少なく、取扱いに便利で故障も少ない利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
好適には、前記微小圧力創成用の気体流出機構は、駆動シリンダの先端部に設けた孔、駆動シリンダ側部に設けた孔、駆動シリンダ後部に挿入される気体吹き込みパイプとの隙間のいずれか1つから選択されあるいはまた複数の組み合わせで構成される。
これによれば、微小圧力を得るために最適な構造とすることができる。
【0008】
好適には、駆動シリンダとこれへの気体吹込み部とをエアベアリングとしている。また、駆動シリンダを1個または複数個そなえ、駆動シリンダの外周をエアベアリングで支持している。
これらによれば、摩擦力を低下させ、追従性の高いスムースな駆動を実現できる。
【0009】
好適には、駆動シリンダの複数本を水平状に平行に配置している。
これによれば、横型水平構造のため自重の影響が現れず、かつ、複数のシリンダ部を連結一体化してガイドするので、測定端子の非測定方向の自由度を拘束すると同時に非測定方向の剛性も向上することができ、これらにより正確な並進動作を行わせることができる。
前記態様において、駆動シリンダが前後方向に位置され、前側の駆動シリンダと後側の駆動シリンダが直交状の保持部材でつながれているものを含んでいる。。
これによれば、駆動シリンダの測定方向でのガイド長が長くなるので並進動作が安定すると共に、非測定方向の剛性向上をさらに期待できる。
【実施例1】
【0010】
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1と図2は本発明による極低測定圧接触式測長装置の一実施例を示している。
1は加工機などに据付けるステージであり、該ステージ1にはガイドブロック2が固設されている。このガイドブロック2には相互に所定の間隔をおいて平行に複数本(図面では2本)のガイド孔3,3が貫設されており、それらガイド孔3,3にはそれぞれ駆動シリンダ4,4が遊嵌状に貫挿されている。
【0011】
前記駆動シリンダ4,4はステンレス、アルミニウム、チタン、カーボンなどの材質から選ばれたパイプ状体からなり、ガイドブロック2の前方に突出した各先端域には、バー状をなした保持部材5が嵌合固定されている。そして、前記保持部材5の中央には、先端が針状に尖った測定端子6の基部が固定されている。
【0012】
前記駆動シリンダ4,4のガイドブロック後方に突出した各後端域には、バー状をなした保持部材7が嵌合固定されており、保持部材5、7とガイドブロック2のガイド孔3,3により、各駆動シリンダ4,4は回転が阻止され、平衡並進できるようになっている。そして前記保持部材7には後方に延出するスケール8が固定されており、ステージ上には前記スケール8に対応する部位に位置読み取り用のセンサー9が配されている。なお、前記スケールとセンサーは配置が逆であってもよい。
【0013】
前記保持部材7よりも後方のステージ上には支持体10が固設されており、この支持体10に、前記駆動シリンダ4,4の後端から挿入された気体吹き込みパイプ(ノズル)11,11の後端側が支持されている。気体吹き込みパイプ11,11は駆動シリンダ4,4の後部内側と隙間を有するように遊挿され、それによって駆動シリンダ4,4の後部外側にエアベアリング部を構成している。気体としては一般に空気が用いられるが、これに限定されるものではない。
前記ステージ1および各構成物は、図2のように、測定端子6の突出用口を前面に有するカバー12で全体が覆われており、このカバー12の上面には前記ガイド孔3と駆動シリンダ4の隙間に気体を供給してエアベアリング部13を構成させるためのエア導管14が突出されている。カバー12内はエアベアリング部13や後述する気体流出機構15から流出するエアにより幾分外部よりも圧力が高いのでシール効果が得られ、外部からの塵埃などの異物の付着を防止できる。
【0014】
前記駆動シリンダ4,4は微小圧力創成用のために前記気体吹き込みパイプ11,11を通して内部に吹き込まれる駆動用気体の一部を流出させる気体流出機構15を備えている。
この気体流出機構15は、図1では、駆動シリンダ4の本来閉止されている先端部40に孔16を設けた構成となっている。
図3はその態様を示しており、図3(a)は単孔を用いている。図3(b)、(c)は複数の孔を設けており、図3(b)は中央部の単一または複数の孔16aと周囲の複数の孔16bとで構成している。図3(c)は中央部から周縁部にかけて多数の孔16cを等間隔で格子状に配設している。
好ましくは、図3(a)の孔16は図4(a)のように奥部から開口部160に向かうテーパー部161を有しており、図3(b)(c)の孔16a、16b、16cも図4(b)のように奥部から開口部160に向かうテーパー部161を有している。これらにより、気体の流れを滑らかにして流出させ、極微小圧力を実現できると共に、供給圧力の変動も同じ割合で低減することが可能となる。
【0015】
また、気体流出機構15は、図5のように、駆動シリンダ4,4の先端部より後方でかつガイド孔3に進入されない筒部分に内外を貫通する複数の孔17を等間隔で配してもよい。これらの孔17の断面形状も図4のようにすると好都合である。この態様は、シリンダの先端が閉じられているので、悪い環境下でも使用できる利点がある。
さらに気体流出機構15は、図6のように、駆動シリンダ4の内径と気体吹き込みパイプ11の外径との円環状隙間18であってもよい。これによれば、流出するエアによりベアリング効果が同時に得られる。また、この態様と図5の態様では、シリンダの先端が閉じられるので、悪い環境下でも使用できる利点がある。
なお、本発明は、気体流出機構15の前記3態様のうち、いずれかひとつを用いる場合のほか、二つ以上を併用する場合(たとえば図3と図5)を含んでいる。
【0016】
本発明の使用法と作用を説明すると、本発明装置を被測定物が位置する加工機などの近傍に配し、気体吹き込みパイプ11,11と導管14をホース類を介して加圧気体供給源に接続し、これを作動させる。
こうすれば、気体吹き込みパイプ11,11に送給された加圧気体が駆動シリンダ4,4内に吹き込まれ、これらの底である先端部に当たることにより形成された気体圧力が駆動圧となって駆動シリンダ4,4はガイドブロック2のガイド孔3,3で案内されつつ前方に並進される。
【0017】
このとき、駆動シリンダ4,4の先端付近には、測定端子6を支持した保持部材5が一体化されており、駆動シリンダ4,4の後端付近にはスケール8が固定されているので、これら可動部が前記駆動シリンダ4,4の並進で同期して並進し、先端の測定端子6が被測定物に接触し、後端のスケール8の移動距離をセンサー9が読み込み取り、その信号を図示しない記録手段に送ることにより測長が開始される。
このときに、駆動シリンダ4,4は内部の一部気体を流出させる気体流出機構15を有しているので、吹き込まれた気体の全部が推進力とされず、気体流出機構15から気体が適量ずつ逃がされながら測定端子6を加圧して推力をあたえる。このときの測定端子6に付加される測定圧は、孔16、17あるいは隙間18側の底の面積差であるから、並進のための供給圧力を数分の1以下と大幅に低減することが可能となり、これにより極微小圧力を実現できると共に、供給圧力に変動があっても同じ割合で低減することができ、測定端子6の可動範囲全体にわたって一定の極微小圧力が実現できる。したがって、非測定物に傾斜面や曲面があっても過剰な接触圧が生じず、測定端子6の損傷を招くことなく精度の高い測長を行える。
【0018】
また、前記駆動シリンダ4,4はガイド孔3,3においてエアベアリング13により非接触状態でガイドされ、駆動シリンダ4,4の内部に挿し込まれた吹き込みパイプ11も駆動シリンダ4と非接触状態に保たれるので、駆動シリンダ4,4は摩擦力が最小限とされて並進される。したがって、駆動シリンダ4,4および測定端子6の移動が滑らかになるとともに、極微小圧力を実現することができる。
【0019】
また、測定端子6を垂直方向に使用する場合には、バランスウェイトを使って可動部の重量分を補償する必要があるが、本発明では、測定端子6を水平に駆動するようにしているので、可動部の自重が測定圧として作用する影響を避けることができる。
【0020】
図7は本発明装置Bを超精密レンズ金型加工機Aに使用した状態を示している。本発明装置Bは第1実施例の図1,2に示す構造のものを使用し、内径が5.5mmの駆動シリンダの先端壁部に、気体流出機構として、2.5mmの径で、断面が図4(a)の形状の単孔を加工している。気体としては空気を使用した。
図8は標準球を測定した例であり、市販の最高レベルの測定器と比較したところ、同等の精度の値が得られていることがわかる。図9は超精密加工機で加工した面を測定し、その値と設計値と比較して誤差を求め、その誤差分を補正したものであるが、0.1μm以下の加工精度が得られていることがわかる。
傾斜のきついレンズ加工において本装置を工作機械内に取付けることにより、被加工物の取りはずし取付け誤差がなくなり、かつ測定時間も大幅に短縮し、超硬合金製のガラスレンズ金型の加工時間を1/3〜1/5に短縮することが判明した。
【実施例2】
【0021】
図10と図11は本発明にかかる測長装置の第2実施例を示しており、複数本の駆動シリンダ4A、4Bが前後方向で位相をずらせて平行状に配され、前記のような内部の一部気体を流出させる気体流出機構15により極微小圧力での測長を行えるようになっている。
図10の実施例においては、ステージ1上に2つのガイドブロック2、2が平行状にかつ前後方向で間隔をおいて固定されており、それらガイドブロック2、2を貫通するガイド孔3,3にそれぞれ第1、第2の駆動シリンダ4A、4Bが貫挿され、エアベアリング13、13により非接触状態でガイドされつつ前後方向に並進可能となっている。
【0022】
前側にある第1の駆動シリンダ4Aの先端付近には、測定端子6を支持した保持部材50が直交状に固定されており、また、第1の駆動シリンダ4Aの後端付近と後側にある第2の駆動シリンダ4Bの先端付近には保持部材70が直交状に固定されており、保持部材70には後方に延出するスケール8が固定されており、ステージ上には前記スケール8に対応する部位に位置読み取り用のセンサー9が配されている。
【0023】
前記各駆動シリンダ4A、4Bの後端部にはそれぞれ気体吹き込みパイプ11が内挿されており、各駆動シリンダ4A、4Bは、駆動シリンダの先端部に設けた孔、駆動シリンダ側部に設けた孔、駆動シリンダ後部に挿入される気体吹き込みパイプとの隙間のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる気体流出機構15が設けられている。図面では、駆動シリンダの先端部に設けた孔を示している。気体流出機構15の詳細は第1実施例と同様であるから、説明は援用する。
【0024】
この実施例においては、各駆動シリンダ4A、4B、保持部材50,70、測定端子6およびスケール8により可動部が構成され、各気体吹き込みパイプ11、11から気体を吹き込めば、気体流出機構15、15から気体が適量ずつ逃がされながら測定端子6を加圧して推力をあたえるので、極微小圧力の接触式測長を行える。しかも、駆動シリンダ4A、4Bは前後で位相がずれているので、測長方向でのガイド長が大きくなり、安定した動きを実現できる。
【0025】
図11の実施例においては、第1の駆動シリンダ4Aに直接かあるいは図10と同じように保持部材50を介して測定端子6が取り付けられ、第1の駆動シリンダ4Aの後端に後方に延出するスケール8が固定されている。第1の駆動シリンダ4Aの後端付近と後側にある第2の駆動シリンダ4Bの先端付近は直交状の保持部材70で結合されている。
【0026】
第2の駆動シリンダ4Bの後端部に気体吹き込みパイプ11が内挿されており、駆動シリンダ4Bには、駆動シリンダの先端部に設けた孔、駆動シリンダ側部に設けた孔、駆動シリンダ後部に挿入される気体吹き込みパイプとの隙間のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる気体流出機構15が設けられている。図面では、駆動シリンダの先端部に設けた孔を示している。その他の構造は図10の実施例と同様であるから、同じ部分に同じ符号を付し、説明は援用する。
この実施例においては、図10の前記効果に加えて、単一の気体吹き込みで微小な測定圧を得ることができるので、装置の構成が簡易化される。
【0027】
本発明の応用例を挙げると次のとおりである。
1)本発明装置を移動テーブルに設置し、水平方向に駆動させれば横型の測定器となる。
2)1)のテーブルをXYZ軸とし、送りをNC化すれば一種の3次元測定機となる。これまで不正確であった急な斜面を持つ被測定物を、高精度に測定することができる。
3)3軸又はそれ以上の多軸のNC工作機に設置すれば、オンマシン計測器となり、加工物の計測およびその補正を容易に行うことができる。
4)その他種々の計測装置の横型測定端子として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明にかかる測長装置の一例を示す横断面図である。
【図2】図1の装置の縦断側面図である。
【図3】(a)(b)(c)は本発明装置における気体流出機構の第1態様を示す正面図である。
【図4】(a)(b)は気体流出機構の断面図である。
【図5】(a)は気体流出機構の第2態様を示す部分切欠横断面図、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。
【図6】(a)は気体流出機構の第3態様を示す部分切欠横断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿う断面図である。
【図7】本発明装置の使用例を示す斜視図である。
【図8】本発明装置を使用して機上測長した結果すなわち標準球(R5.5573mm)と形状誤差の測定結果を示す線図である。
【図9】本発明装置を使用して機上測長した結果すなわち凸面球(R10mm)と形状誤差の測定結果を示す線図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す横断面図である。
【図11】本発明の第2実施例の他態様を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ステージ
2 ガイドブロック
3 ガイド孔
4、4A,4B 駆動シリンダ
5、7、50,70 保持部材
6 測定端子
13 エアベアリング
15 気体流出機構
16、16a、16b、16c 孔
17 孔
11 気体吹き込みパイプ
【技術分野】
【0001】
本発明は接触式測長装置とりわけ測定圧を極小にして測定を行える極低測定圧接触式測長装置に関する。
【背景技術】
【0002】
光学素子や工学部品で代表される精密部品の形状測定において、最も広く使用されているのは端子を接触させて計測する接触式測長器である。しかし、傾斜面の計測においては、測定圧が存在するため測定端子に曲がりや縮みが生じて測定誤差発生の原因となる。そのため、レンズなどの傾斜角の厳しい部分の測定においては、高精度の計測ができないのが欠点とされている。
【0003】
前記測定圧を小さくする方策として、従来、1)測定端子を取り付けたシャフトを傾斜させ、それによりシャフト自重の分力を測定圧として利用したもの、2)測定端子を取り付けたシャフトをばねで加圧するものがあったが、1)はシャフトの傾斜の程度により測定圧が変化するので、精度が低下したり、煩雑な調整が必要となるなどの問題があった。また、2)はバネの圧縮と共に測定圧が増加するため、誤差を増大する欠点があった。
これに代えて、後部に環状受圧部を有する段付きのシャフトを使用し、環状受圧部を気体圧で加圧するようにしたものがあるが、環状受圧部に供給する気体圧にポンプの脈動が重畳されるので、微小な一定圧力を得ることが困難であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、測定位置にかかわりなく一定圧の安定した微小接触圧を創成でき、それにより、傾斜部分でも誤差の少ない正確な精密測定を実現することができ、しかも構造が簡単で安価に実施できる極低測定圧接触式測長装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため本発明は、気体圧の差圧によって微小圧力を発生させるようにしたものであり、すなわち、被測定物に測定端子を接触させて測長する形式の測定装置において、該装置が、測定端子を並進させるための駆動シリンダを有しかつ、前記駆動シリンダが、微小圧力創成用のために内部に吹き込まれる駆動用気体の一部を流出させる気体流出機構を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、測定端子を並進させるための駆動シリンダに対する加圧気体の一部を意図的に流出させて低圧化するので、測定端子を常に一定のかつ微細な圧力で被測定物に接触させることができる。このため、測定位置に関係なく常に一定圧で安定した微小測定圧が得られ、傾斜部分でも誤差の少ない精密測定を実現でき、また、非測定物が脆弱であっても精密な測長が可能となる。しかも、簡単な形状の部品の組立で足りるので、製造が簡便で安価となるとともに、破損する箇所が少なく、取扱いに便利で故障も少ない利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
好適には、前記微小圧力創成用の気体流出機構は、駆動シリンダの先端部に設けた孔、駆動シリンダ側部に設けた孔、駆動シリンダ後部に挿入される気体吹き込みパイプとの隙間のいずれか1つから選択されあるいはまた複数の組み合わせで構成される。
これによれば、微小圧力を得るために最適な構造とすることができる。
【0008】
好適には、駆動シリンダとこれへの気体吹込み部とをエアベアリングとしている。また、駆動シリンダを1個または複数個そなえ、駆動シリンダの外周をエアベアリングで支持している。
これらによれば、摩擦力を低下させ、追従性の高いスムースな駆動を実現できる。
【0009】
好適には、駆動シリンダの複数本を水平状に平行に配置している。
これによれば、横型水平構造のため自重の影響が現れず、かつ、複数のシリンダ部を連結一体化してガイドするので、測定端子の非測定方向の自由度を拘束すると同時に非測定方向の剛性も向上することができ、これらにより正確な並進動作を行わせることができる。
前記態様において、駆動シリンダが前後方向に位置され、前側の駆動シリンダと後側の駆動シリンダが直交状の保持部材でつながれているものを含んでいる。。
これによれば、駆動シリンダの測定方向でのガイド長が長くなるので並進動作が安定すると共に、非測定方向の剛性向上をさらに期待できる。
【実施例1】
【0010】
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
図1と図2は本発明による極低測定圧接触式測長装置の一実施例を示している。
1は加工機などに据付けるステージであり、該ステージ1にはガイドブロック2が固設されている。このガイドブロック2には相互に所定の間隔をおいて平行に複数本(図面では2本)のガイド孔3,3が貫設されており、それらガイド孔3,3にはそれぞれ駆動シリンダ4,4が遊嵌状に貫挿されている。
【0011】
前記駆動シリンダ4,4はステンレス、アルミニウム、チタン、カーボンなどの材質から選ばれたパイプ状体からなり、ガイドブロック2の前方に突出した各先端域には、バー状をなした保持部材5が嵌合固定されている。そして、前記保持部材5の中央には、先端が針状に尖った測定端子6の基部が固定されている。
【0012】
前記駆動シリンダ4,4のガイドブロック後方に突出した各後端域には、バー状をなした保持部材7が嵌合固定されており、保持部材5、7とガイドブロック2のガイド孔3,3により、各駆動シリンダ4,4は回転が阻止され、平衡並進できるようになっている。そして前記保持部材7には後方に延出するスケール8が固定されており、ステージ上には前記スケール8に対応する部位に位置読み取り用のセンサー9が配されている。なお、前記スケールとセンサーは配置が逆であってもよい。
【0013】
前記保持部材7よりも後方のステージ上には支持体10が固設されており、この支持体10に、前記駆動シリンダ4,4の後端から挿入された気体吹き込みパイプ(ノズル)11,11の後端側が支持されている。気体吹き込みパイプ11,11は駆動シリンダ4,4の後部内側と隙間を有するように遊挿され、それによって駆動シリンダ4,4の後部外側にエアベアリング部を構成している。気体としては一般に空気が用いられるが、これに限定されるものではない。
前記ステージ1および各構成物は、図2のように、測定端子6の突出用口を前面に有するカバー12で全体が覆われており、このカバー12の上面には前記ガイド孔3と駆動シリンダ4の隙間に気体を供給してエアベアリング部13を構成させるためのエア導管14が突出されている。カバー12内はエアベアリング部13や後述する気体流出機構15から流出するエアにより幾分外部よりも圧力が高いのでシール効果が得られ、外部からの塵埃などの異物の付着を防止できる。
【0014】
前記駆動シリンダ4,4は微小圧力創成用のために前記気体吹き込みパイプ11,11を通して内部に吹き込まれる駆動用気体の一部を流出させる気体流出機構15を備えている。
この気体流出機構15は、図1では、駆動シリンダ4の本来閉止されている先端部40に孔16を設けた構成となっている。
図3はその態様を示しており、図3(a)は単孔を用いている。図3(b)、(c)は複数の孔を設けており、図3(b)は中央部の単一または複数の孔16aと周囲の複数の孔16bとで構成している。図3(c)は中央部から周縁部にかけて多数の孔16cを等間隔で格子状に配設している。
好ましくは、図3(a)の孔16は図4(a)のように奥部から開口部160に向かうテーパー部161を有しており、図3(b)(c)の孔16a、16b、16cも図4(b)のように奥部から開口部160に向かうテーパー部161を有している。これらにより、気体の流れを滑らかにして流出させ、極微小圧力を実現できると共に、供給圧力の変動も同じ割合で低減することが可能となる。
【0015】
また、気体流出機構15は、図5のように、駆動シリンダ4,4の先端部より後方でかつガイド孔3に進入されない筒部分に内外を貫通する複数の孔17を等間隔で配してもよい。これらの孔17の断面形状も図4のようにすると好都合である。この態様は、シリンダの先端が閉じられているので、悪い環境下でも使用できる利点がある。
さらに気体流出機構15は、図6のように、駆動シリンダ4の内径と気体吹き込みパイプ11の外径との円環状隙間18であってもよい。これによれば、流出するエアによりベアリング効果が同時に得られる。また、この態様と図5の態様では、シリンダの先端が閉じられるので、悪い環境下でも使用できる利点がある。
なお、本発明は、気体流出機構15の前記3態様のうち、いずれかひとつを用いる場合のほか、二つ以上を併用する場合(たとえば図3と図5)を含んでいる。
【0016】
本発明の使用法と作用を説明すると、本発明装置を被測定物が位置する加工機などの近傍に配し、気体吹き込みパイプ11,11と導管14をホース類を介して加圧気体供給源に接続し、これを作動させる。
こうすれば、気体吹き込みパイプ11,11に送給された加圧気体が駆動シリンダ4,4内に吹き込まれ、これらの底である先端部に当たることにより形成された気体圧力が駆動圧となって駆動シリンダ4,4はガイドブロック2のガイド孔3,3で案内されつつ前方に並進される。
【0017】
このとき、駆動シリンダ4,4の先端付近には、測定端子6を支持した保持部材5が一体化されており、駆動シリンダ4,4の後端付近にはスケール8が固定されているので、これら可動部が前記駆動シリンダ4,4の並進で同期して並進し、先端の測定端子6が被測定物に接触し、後端のスケール8の移動距離をセンサー9が読み込み取り、その信号を図示しない記録手段に送ることにより測長が開始される。
このときに、駆動シリンダ4,4は内部の一部気体を流出させる気体流出機構15を有しているので、吹き込まれた気体の全部が推進力とされず、気体流出機構15から気体が適量ずつ逃がされながら測定端子6を加圧して推力をあたえる。このときの測定端子6に付加される測定圧は、孔16、17あるいは隙間18側の底の面積差であるから、並進のための供給圧力を数分の1以下と大幅に低減することが可能となり、これにより極微小圧力を実現できると共に、供給圧力に変動があっても同じ割合で低減することができ、測定端子6の可動範囲全体にわたって一定の極微小圧力が実現できる。したがって、非測定物に傾斜面や曲面があっても過剰な接触圧が生じず、測定端子6の損傷を招くことなく精度の高い測長を行える。
【0018】
また、前記駆動シリンダ4,4はガイド孔3,3においてエアベアリング13により非接触状態でガイドされ、駆動シリンダ4,4の内部に挿し込まれた吹き込みパイプ11も駆動シリンダ4と非接触状態に保たれるので、駆動シリンダ4,4は摩擦力が最小限とされて並進される。したがって、駆動シリンダ4,4および測定端子6の移動が滑らかになるとともに、極微小圧力を実現することができる。
【0019】
また、測定端子6を垂直方向に使用する場合には、バランスウェイトを使って可動部の重量分を補償する必要があるが、本発明では、測定端子6を水平に駆動するようにしているので、可動部の自重が測定圧として作用する影響を避けることができる。
【0020】
図7は本発明装置Bを超精密レンズ金型加工機Aに使用した状態を示している。本発明装置Bは第1実施例の図1,2に示す構造のものを使用し、内径が5.5mmの駆動シリンダの先端壁部に、気体流出機構として、2.5mmの径で、断面が図4(a)の形状の単孔を加工している。気体としては空気を使用した。
図8は標準球を測定した例であり、市販の最高レベルの測定器と比較したところ、同等の精度の値が得られていることがわかる。図9は超精密加工機で加工した面を測定し、その値と設計値と比較して誤差を求め、その誤差分を補正したものであるが、0.1μm以下の加工精度が得られていることがわかる。
傾斜のきついレンズ加工において本装置を工作機械内に取付けることにより、被加工物の取りはずし取付け誤差がなくなり、かつ測定時間も大幅に短縮し、超硬合金製のガラスレンズ金型の加工時間を1/3〜1/5に短縮することが判明した。
【実施例2】
【0021】
図10と図11は本発明にかかる測長装置の第2実施例を示しており、複数本の駆動シリンダ4A、4Bが前後方向で位相をずらせて平行状に配され、前記のような内部の一部気体を流出させる気体流出機構15により極微小圧力での測長を行えるようになっている。
図10の実施例においては、ステージ1上に2つのガイドブロック2、2が平行状にかつ前後方向で間隔をおいて固定されており、それらガイドブロック2、2を貫通するガイド孔3,3にそれぞれ第1、第2の駆動シリンダ4A、4Bが貫挿され、エアベアリング13、13により非接触状態でガイドされつつ前後方向に並進可能となっている。
【0022】
前側にある第1の駆動シリンダ4Aの先端付近には、測定端子6を支持した保持部材50が直交状に固定されており、また、第1の駆動シリンダ4Aの後端付近と後側にある第2の駆動シリンダ4Bの先端付近には保持部材70が直交状に固定されており、保持部材70には後方に延出するスケール8が固定されており、ステージ上には前記スケール8に対応する部位に位置読み取り用のセンサー9が配されている。
【0023】
前記各駆動シリンダ4A、4Bの後端部にはそれぞれ気体吹き込みパイプ11が内挿されており、各駆動シリンダ4A、4Bは、駆動シリンダの先端部に設けた孔、駆動シリンダ側部に設けた孔、駆動シリンダ後部に挿入される気体吹き込みパイプとの隙間のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる気体流出機構15が設けられている。図面では、駆動シリンダの先端部に設けた孔を示している。気体流出機構15の詳細は第1実施例と同様であるから、説明は援用する。
【0024】
この実施例においては、各駆動シリンダ4A、4B、保持部材50,70、測定端子6およびスケール8により可動部が構成され、各気体吹き込みパイプ11、11から気体を吹き込めば、気体流出機構15、15から気体が適量ずつ逃がされながら測定端子6を加圧して推力をあたえるので、極微小圧力の接触式測長を行える。しかも、駆動シリンダ4A、4Bは前後で位相がずれているので、測長方向でのガイド長が大きくなり、安定した動きを実現できる。
【0025】
図11の実施例においては、第1の駆動シリンダ4Aに直接かあるいは図10と同じように保持部材50を介して測定端子6が取り付けられ、第1の駆動シリンダ4Aの後端に後方に延出するスケール8が固定されている。第1の駆動シリンダ4Aの後端付近と後側にある第2の駆動シリンダ4Bの先端付近は直交状の保持部材70で結合されている。
【0026】
第2の駆動シリンダ4Bの後端部に気体吹き込みパイプ11が内挿されており、駆動シリンダ4Bには、駆動シリンダの先端部に設けた孔、駆動シリンダ側部に設けた孔、駆動シリンダ後部に挿入される気体吹き込みパイプとの隙間のいずれか1つまたは複数の組み合わせからなる気体流出機構15が設けられている。図面では、駆動シリンダの先端部に設けた孔を示している。その他の構造は図10の実施例と同様であるから、同じ部分に同じ符号を付し、説明は援用する。
この実施例においては、図10の前記効果に加えて、単一の気体吹き込みで微小な測定圧を得ることができるので、装置の構成が簡易化される。
【0027】
本発明の応用例を挙げると次のとおりである。
1)本発明装置を移動テーブルに設置し、水平方向に駆動させれば横型の測定器となる。
2)1)のテーブルをXYZ軸とし、送りをNC化すれば一種の3次元測定機となる。これまで不正確であった急な斜面を持つ被測定物を、高精度に測定することができる。
3)3軸又はそれ以上の多軸のNC工作機に設置すれば、オンマシン計測器となり、加工物の計測およびその補正を容易に行うことができる。
4)その他種々の計測装置の横型測定端子として使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明にかかる測長装置の一例を示す横断面図である。
【図2】図1の装置の縦断側面図である。
【図3】(a)(b)(c)は本発明装置における気体流出機構の第1態様を示す正面図である。
【図4】(a)(b)は気体流出機構の断面図である。
【図5】(a)は気体流出機構の第2態様を示す部分切欠横断面図、(b)は(a)のX−X線に沿う断面図である。
【図6】(a)は気体流出機構の第3態様を示す部分切欠横断面図、(b)は(a)のY−Y線に沿う断面図である。
【図7】本発明装置の使用例を示す斜視図である。
【図8】本発明装置を使用して機上測長した結果すなわち標準球(R5.5573mm)と形状誤差の測定結果を示す線図である。
【図9】本発明装置を使用して機上測長した結果すなわち凸面球(R10mm)と形状誤差の測定結果を示す線図である。
【図10】本発明の第2実施例を示す横断面図である。
【図11】本発明の第2実施例の他態様を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 ステージ
2 ガイドブロック
3 ガイド孔
4、4A,4B 駆動シリンダ
5、7、50,70 保持部材
6 測定端子
13 エアベアリング
15 気体流出機構
16、16a、16b、16c 孔
17 孔
11 気体吹き込みパイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物に測定端子を接触させて測長する形式の測定装置において、該装置が、測定端子を並進させるための駆動シリンダを有し、かつ、前記駆動シリンダが、微小圧力創成用のために内部に吹き込まれる駆動用気体の一部を流出させる気体流出機構を備えていることを特徴とする極低測定圧接触式測長装置。
【請求項2】
微小圧力創成用の気体流出機構が、駆動シリンダの先端部に設けた孔、駆動シリンダ側部に設けた孔、駆動シリンダ後部に挿入される気体吹き込みパイプとの隙間のいずれか1つまたは複数の組み合わせである請求項1に記載の極低測定圧接触式測長装置。
【請求項3】
駆動シリンダとこれへの気体吹込み部とをエアベアリングとしている請求項1に記載の極低測定圧接触式測長装置。
【請求項4】
駆動シリンダを1個または複数個そなえ、駆動シリンダの外周をガイドにエアベアリングで支持している請求項1に記載の極低測定圧接触式測長装置 。
【請求項5】
駆動シリンダを複数本水平状に平行配置している請求項1ないし4のいずれかに記載の極低測定圧接触式測長装置。
【請求項6】
駆動シリンダが前後方向に位置され、前側の駆動シリンダと後側の駆動シリンダが直交状の保持部材でつながれている請求項5に記載の極低測定圧接触式測長装置。
【請求項1】
被測定物に測定端子を接触させて測長する形式の測定装置において、該装置が、測定端子を並進させるための駆動シリンダを有し、かつ、前記駆動シリンダが、微小圧力創成用のために内部に吹き込まれる駆動用気体の一部を流出させる気体流出機構を備えていることを特徴とする極低測定圧接触式測長装置。
【請求項2】
微小圧力創成用の気体流出機構が、駆動シリンダの先端部に設けた孔、駆動シリンダ側部に設けた孔、駆動シリンダ後部に挿入される気体吹き込みパイプとの隙間のいずれか1つまたは複数の組み合わせである請求項1に記載の極低測定圧接触式測長装置。
【請求項3】
駆動シリンダとこれへの気体吹込み部とをエアベアリングとしている請求項1に記載の極低測定圧接触式測長装置。
【請求項4】
駆動シリンダを1個または複数個そなえ、駆動シリンダの外周をガイドにエアベアリングで支持している請求項1に記載の極低測定圧接触式測長装置 。
【請求項5】
駆動シリンダを複数本水平状に平行配置している請求項1ないし4のいずれかに記載の極低測定圧接触式測長装置。
【請求項6】
駆動シリンダが前後方向に位置され、前側の駆動シリンダと後側の駆動シリンダが直交状の保持部材でつながれている請求項5に記載の極低測定圧接触式測長装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2007−170951(P2007−170951A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−367958(P2005−367958)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(305052584)ファインテック株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(305052584)ファインテック株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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