Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
極微小気泡を含有する水又は水溶液及びそれらの製造方法並びにそれらの用途
説明

極微小気泡を含有する水又は水溶液及びそれらの製造方法並びにそれらの用途

【課題】利用者がマイクロバブル発生装置を保有していなくても、極微小気泡を含む水を簡便に利用可能とする極微小気泡を含有する水又は水溶液及びそれらの製造方法、並びにそれらの用途を提供する。
【解決手段】水又は水溶液中に粒径が直径10〜50μmの極微小気泡を放出する処理を10時間以上行うことにより製造された極微小気泡を含有する水又は水溶液を利用者が希釈して植物栽培等に使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極微小気泡を含有する水又は水溶液及びそれらの製造方法並びにそれらの用途に関するものである。
【背景技術】
【0002】
マイクロバブルは水中に発生させた直径およそ50μm以下の極微小気泡である。また、ナノバブルは水中に発生させた直径50〜500nm程度の極微小気泡である。現在、これらの極微小気泡は、研究開発対象として注目されており、その製造方法や機能及び様々な分野での応用についての研究開発が進められている(例えば、特許文献1〜5参照)。
【0003】
特許文献1には微小気泡の圧壊方法、特許文献2にはナノバブルの製造方法、特許文献3には酸素ナノバブル水の製造方法、特許文献4には窒素ナノバブル水の製造方法、及び特許文献5には物理的刺激を利用せずに極微小気泡を含む水を製造する方法がそれぞれ開示されている。
【0004】
極微小気泡を含む水の農業分野での利用については、例えば、特許文献4に植物の成長を促進させるなどの目的で利用が可能である旨が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4378543号公報
【特許文献2】特許第4144669号公報
【特許文献3】特許第4080440号公報
【特許文献4】特開2009−131769号公報
【特許文献5】特開2008−93611号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これまでの技術によれば、利用者がマイクロバブル発生装置を保有しなければ当該技術を利用できない等の実用上の問題があった。従って、簡便に利用できる技術の開発が求められていた。また、作用メカニズムについても未だ明らかにされていない部分が多いため、その応用展開においては、適切な技術開発が不可欠とされていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、利用者がマイクロバブル発生装置を保有していなくても、極微小気泡を含む水を簡便に利用可能とする極微小気泡を含有する水又は水溶液及びそれらの製造方法、並びにそれらの用途を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために、水又は水溶液中に粒径が直径10〜50μmの極微小気泡を放出する処理を10時間以上行うことを特徴とする極微小気泡を含有する水又は水溶液の製造方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記本発明の製造方法により製造された極微小気泡を含有する水又は水溶液を提供する。
【0010】
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記本発明の極微小気泡を含有する水又は水溶液を2〜8倍に希釈したことを特徴とする極微小気泡を含有する水又は水溶液を提供する。
【0011】
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記本発明の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする肥料を提供する。
【0012】
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記本発明の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする植物成長促進剤を提供する。
【0013】
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記本発明の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする根毛成長促進剤を提供する。
【0014】
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記本発明の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする植物収穫量増加剤を提供する。
【0015】
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記本発明の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする植物延命剤を提供する。
【0016】
また、本発明は、上記目的を達成するために、上記本発明の極微小気泡を含有する水又は水溶液が与えられたことを特徴とする植物を提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、利用者がマイクロバブル発生装置を保有していなくても、極微小気泡を含む水を簡便に利用可能とする極微小気泡を含有する水又は水溶液及びそれらの製造方法、並びにそれらの用途を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、試験開始から1週間の時点における根部を撮影した写真であり、(a)は比較例1、(b)は実施例1、(c)は実施例2をそれぞれ示す。
【図2】図2は、種植えから15日目における苗を撮影した写真であり、(a)は実施例2、(b)は比較例1をそれぞれ示す。
【図3】図3は、種植えから24日目における状況を撮影した写真であり、(a)は地植え前の状況(左が実施例2、右が比較例1)、(b)は地植え後の状況(左が実施例2、右が比較例1)をそれぞれ示す。
【図4】図4は、種植えから76日目における状況を撮影した写真であり、(a)は実施例2、(b)は比較例1をそれぞれ示す。
【図5】図5は、実施例3の水溶液についての電子スピン共鳴装置による測定結果である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
〔極微小気泡を含有する水又は水溶液の製造方法〕
本発明の実施の形態に係る極微小気泡を含有する水又は水溶液の製造方法は、水又は水溶液中に粒径が直径10〜50μmの極微小気泡を放出する処理(以下、マイクロバブル処理という)を10時間以上行うことを特徴とする。好ましくは、マイクロバブル処理を12時間以上行い、より好ましくは15時間以上行い、さらに好ましくは20時間以上行い、さらに好ましくは24時間以上行い、最も好ましくは30時間以上行う。
【0020】
マイクロバブル処理は、水又は水溶液30L以上の容量に対して行うことが好ましく、50L以上の容量に対して行うことがより好ましく、80L以上の容量に対して行うことがさらに好ましく、100L以上の容量に対して行うことが最も好ましい。また、水又は水溶液1Lあたり、30分以上のマイクロバブル処理を行うことが好ましく、35分以上がより好ましく、40分以上がさらに好ましく、50分以上がさらに好ましく、60分以上が最も好ましい。
【0021】
また、マイクロバブル処理は、処理水中の極微小気泡量が50〜400個/mlとなるように行うことが好ましく、100〜350個/mlとなるように行うことがより好ましく、100〜300個/mlとなるように行うことがさらに好ましく、150〜300個/mlとなるように行うことが最も好ましい。
【0022】
マイクロバブル処理は、公知のマイクロバブル発生装置、例えば、二相流旋回方式のマイクロバブル発生装置を使用して行うことができる。マイクロバブル発生装置は、例えば、ポンプ動力1.5kwで、通水量は約400L/分、供給空気量は10L/分で作動させる。
【0023】
マイクロバブル処理を行う水又は水溶液は、水道水、蒸留水、地下水、川や湖の水、雨水等を使用することができ、特に限定されるものではないが、水道水又は地下水を使用することが好ましい。
【0024】
また、マイクロバブル処理を行う前又は処理中に、好ましくは、マイクロバブル処理を行う前に、マイクロバブル処理を行う水又は水溶液に鉄(鉄イオン)を0.3ppm以上添加することが好ましい。鉄は、1.0ppm以上添加することがより好ましく、1.15ppm以上添加することがさらに好ましく、1.5ppm以上添加することが最も好ましい。鉄は、鉄系のミネラルが溶けたミネラル含有水として添加することが好ましい。また、添加後の水溶液の電気伝導度が20μS/cm以上3000μS/cm未満であることが好ましい。
【0025】
マイクロバブル発生装置に送り込む気体、すなわち、水又は水溶液中に放出する極微小気泡としては、空気、酸素、窒素等を用いることができ、特に限定されるものではないが、空気を用いることが好ましい。
【0026】
マイクロバブル処理後の水又は水溶液中の極微小気泡に対して、電圧2000〜3000Vの水中放電や超音波照射を行う等の物理的刺激を加える処理をさらに行ってもよいが、本発明の実施の形態においては行わないことが好ましい。
【0027】
以上の方法により、本発明の実施の形態に係る極微小気泡を含有する水又は水溶液を製造することができる。
【0028】
〔極微小気泡を含有する水又は水溶液〕
本発明の実施の形態に係る極微小気泡を含有する水又は水溶液は、上述した本発明の実施の形態に係る製造方法により製造された極微小気泡を含有する水又は水溶液であることを特徴とする。
【0029】
上記極微小気泡を含有する水又は水溶液は、そのまま又は希釈して使用できる。成長促進等の効果の観点からは、希釈せずにそのまま使用することが好ましく、製造コストを抑える観点からは、希釈の度合いをより高めることが好ましい。したがって、両観点を考慮すると、2〜80倍に希釈して使用することが好ましく、5〜70倍に希釈して使用することがより好ましく、10〜60倍に希釈して使用することがさらに好ましく、15〜55倍に希釈して使用することがさらに好ましい。20〜50倍に希釈して使用することが最も好ましい。希釈は、マイクロバブル処理を行っていない水や水溶液を添加することにより行うことができる。また、希釈は、製造者サイドで行ってもよいが、使用者(購入者)サイドで行うことが、販売時の容器容量を小さくすることができる等のため、好ましい。
【0030】
〔極微小気泡を含有する水又は水溶液の用途〕
本発明の実施の形態に係る極微小気泡を含有する水又は水溶液は、種々の効果を奏するものであり、種々の用途に使用できるが、特に以下の用途として好適に使用できる。
すなわち、本発明の実施の形態に係る極微小気泡を含有する水又は水溶液(希釈したものも含む)を含む肥料として使用できる。当該肥料には、植物に必要な養分を添加することが好ましい。また、植物成長促進剤、根毛成長促進剤、植物収穫量増加剤、及び植物延命剤として使用できる。特に、根毛の発生及び成長に効果があることは、極微小気泡を含有する水又は水溶液の効果としてこれまでに報告されておらず、画期的な効果である。根毛の発生及び成長状況を観察することにより、本発明の適用に適する植物か否かを判断することも可能となる。また、根毛の状況を調べることにより、水溶液中の極微小気泡の植物に与える効果を定性的及び定量的に評価することも可能となる。
【0031】
ここで、植物成長促進剤とは、植物の根、茎、葉の成長を促す効果があるものであり、根毛成長促進剤とは、植物の根毛の発生や成長を促す効果があるものであり、植物収穫量増加剤とは、野菜や果物等の実の収穫量の増加を促す効果があるものであり、植物延命剤とは、植物が枯れるのを遅くし、野菜や果物等の実の収穫できる期間を長くする効果があるものをいう。
【0032】
〔極微小気泡を含有する水又は水溶液が与えられた植物〕
本発明の実施の形態に係る極微小気泡を含有する水又は水溶液は、植物全般に使用することができる。水分量の多い実(野菜や果物等)がなる植物に特に好適に使用できる。例えば、胡瓜、瓜、南瓜、トマト、スイカ、メロン、ナシなどに好適である。種子、発芽後の苗、成長途中の植物、成熟した植物のいずれにも使用することができる。また、水耕栽培及び土壌栽培の両方に使用できる。
【0033】
〔本発明の実施の形態の効果〕
本発明の実施の形態によれば、利用者がマイクロバブル発生装置を保有していなくても、極微小気泡を含む水を簡便に利用可能とする極微小気泡を含有する水又は水溶液及びそれらの製造方法、並びにそれらの用途を提供することができる。すなわち、従来はマイクロバブルを利用する場合、マイクロバブル発生装置は現場近くに設置して利用することが必要条件と考えられていたが、本発明の実施の形態によれば、マイクロバブル処理後長期間にわたって効果を持続でき、かつ現場で希釈して使用できるため、マイクロバブル処理を現場で行なわずに工場等で実施することが可能となるので、利用者は高価なマイクロバブル発生装置を購入あるいはレンタルする必要がなく、またその設置場所やメンテナンスに悩まされることもなく、極微小気泡を含む水を簡便に利用できる。
【0034】
次に実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【実施例】
【0035】
〔実施例の試料Aの製造〕
神奈川県平塚市の水道水100Lをプラスチック製の容器に入れた後、これに対してマイクロバブル発生装置(二相流旋回方式)(エコプレーン社製、商品名:M3)を利用して空気のマイクロバブルを24時間放出した。放出時のマイクロバブル量は直径が10〜50μmの気泡量として約200個/mlであった。
【0036】
マイクロバブル処理後の水道水を20L容器に小分けした。マイクロバブル処理後、1週間経過した後に、小分けした容器の一つから0.4Lを採取して20L容器に入れた後に、容器の目盛が12Lになるまでマイクロバブル未処理の上記水道水を入れて攪拌した。最初の水道水に対する希釈倍率は30倍である。これを「試料A」とする。
【0037】
〔実施例の試料B,Cの製造〕
神奈川県平塚市の水道水100Lをプラスチック製の容器に入れた後、鉄系のミネラルが溶けたミネラル含有水を添加した。添加した鉄分量は約1.15ppmである。その後、この水溶液に対してマイクロバブル発生装置(二相流旋回方式)を利用して空気のマイクロバブルを24時間放出した。放出時のマイクロバブル量は直径が10〜50μmの気泡量として約200個/mlであった。
【0038】
マイクロバブル処理後の水溶液を20L容器に小分けした。マイクロバブル処理後、1週間経過した後に、小分けした容器の一つから0.4Lを採取して20L容器に入れた後に、容器の目盛が12Lになるまでマイクロバブル未処理の上記水道水を入れて攪拌した。最初の水溶液に対する希釈倍率は30倍である。これを「試料B」とする。
【0039】
また、マイクロバブル処理後、1週間経過した後に、上記の小分けした容器の一つから0.4Lを採取して20L容器に入れた後に、容器が一杯になるまでマイクロバブル未処理の上記水道水を満たして攪拌した。最初の水溶液に対する希釈倍率は50倍である。これを「試料C」とする。
【0040】
〔比較例の試料D,Eの製造〕
神奈川県平塚市の水道水100Lをプラスチック製の容器に入れた後、鉄系のミネラルが溶けたミネラル含有水を添加した。添加した鉄分量は約0.15ppmである。
【0041】
この水溶液を20L容器に小分けした。小分けした容器の一つから0.4Lを採取して20L容器に入れた後に、容器の目盛が12Lになるまでマイクロバブル未処理の上記水道水を入れて攪拌した。最初の水溶液に対する希釈倍率は30倍である。これを「試料D」とする。
【0042】
また、上記の小分けした容器の一つから0.4Lを採取して20L容器に入れた後に、容器が一杯になるまでマイクロバブル未処理の上記水道水を満たして攪拌した。最初の水溶液に対する希釈倍率は50倍である。これを「試料E」とする。
【0043】
〔スプラウトの育成試験(1)〕
カイワレダイコンの種子を利用して、スプラウトの育成試験を実施した。実施例1として上記試料A及び実施例2として上記試料Bを用い、比較対象としては、未処理の神奈川県平塚市の水道水(比較例1)及び上記試料D(比較例2)を使用した。
【0044】
スプラウト用の育成容器に実施例1の水(試料A)を約500mL入れた後、ほぼ水面と等しい高さにプラスチック網をセットした。網の空隙は1mm×1mm程度である。この網を薄いガーゼで覆い、容器内の水を吸わせて湿らせた。このガーゼの上にカイワレダイコンの種子を3mm間隔ぐらいに50粒程度撒いた上で、恒温室内で暗条件において20℃で保持した。なお、腐敗を招かないように育成容器内の水は試料Aにより毎日交換した。
実施例2及び比較例1,2についても上記実施例1の試験方法と同様にして、試験を行った。
【0045】
<試験結果>
次にスプラウトの育成試験の結果を示す。
種子の発芽は2日後に確認できた。この時点での各条件での違いは殆ど認められなかった。その後、双葉を伴って茎が上方に伸びるとともに、ガーゼと網を突き抜けて根が下方の水中に伸びていった。各サンプルともに多少のばらつきはあるものの8〜10cm程度の幹部の伸びを示しており、長さについてはサンプル間における顕著な差が認められなかった。
【0046】
試験開始から1週間の時点で、各サンプルから直立した10本の苗を選別した。サンプル毎に長いものから順次に選別した。選別した苗は根部を削除した後に質量を測定した。10本の合計測定質量から求めた1本当たりの平均質量を下記表1に示す。また、比較例1を100としたときの相対値を求めた。
【0047】
【表1】

【0048】
表1より、実施例1及び実施例2のいずれも比較例1に比べて、幹部の質量として130%以上の増量を得ることが出来ることが確認できた。
【0049】
次に、同じく試験開始から1週間の時点における根部に注目して観察してみた。観察はマイクロスコープにより拡大して実施した。撮影した写真を図1に示す。
【0050】
図1(a)の比較例1に比べて、図1(b)、(c)の実施例1、2は、主根の直径が約0.5mmの場所において長い根毛が大量に生えており、根部の成長に違いを認めることが出来た。根毛の長さは、実施例1が約1.5mm、実施例2が約1.7mm、比較例1が約0.6mm、比較例2が約1.3mmであった。また、主根から生えるひげ根については上記根毛とは逆の傾向が認められた。ひげ根は水分などの取り込み不足を補完するために主根から生えるものであり、ひげ根の発達が遅いことは本願発明の試料によれば植物にとって水分などの吸収性が向上する可能性を示唆している。
【0051】
〔土壌での育成試験〕
土壌に植えた植物に対する効果を検証するため、胡瓜について発芽・育成試験を実施した。
各植物に対して、実施例2の水溶液(試料B)又は比較例1の水道水を与えた試験を各15個体ずつ実施した(全30個体)。月に2回、1個体当たり3リットル/回の水を与えた。なお、土壌試験の実施場所は、神奈川県厚木市であり、当地における関東ローム層の鉄含有量は50mg/g程度である。
【0052】
<試験結果>
胡瓜についての試験経過及び試験結果を以下の表2に示す。
【0053】
【表2】

【0054】
胡瓜についての土壌試験の結果、比較例1に比べて、本願発明の実施例2では効果が顕著に認められた。実施例2では比較例1に比べて全体的に苗の固体が大きく、収穫の開始時期が早く、収穫期間も長く継続した。また、収穫量(取れ高)は、実施例2では比較例1に比べて30〜40個程度、多かった。
【0055】
〔スプラウトの育成試験(2)〕
カイワレダイコンの種子を利用して、スプラウトの育成試験を実施した。実施例3として上記試料Cを用い、比較対象としては、未処理の神奈川県平塚市の水道水(比較例3)及び上記試料E(比較例4)を使用した。
【0056】
実施例3及び比較例3,4について、上記実施例1の試験方法と同様にして、育成試験を行った。
【0057】
<試験結果>
次にスプラウトの育成試験の結果を示す。
種子の発芽は2日後に確認できた。この時点での各条件での違いは殆ど認められなかった。その後、双葉を伴って茎が上方に伸びるとともに、ガーゼと網を突き抜けて根が下方の水中に伸びていった。各サンプルともに多少のばらつきはあるものの8〜10cm程度の幹部の伸びを示しており、長さについてはサンプル間における顕著な差が認められなかった。
【0058】
試験開始から1週間の時点で、各サンプルから直立した10本の苗を選別した。サンプル毎に長いものから順次に選別した。選別した苗は根部を削除した後に乾燥させて質量を測定した。10本の合計測定質量から求めた1本当たりを下記表3に示す。また、比較例3を100としたときの相対値を求めた。
【0059】
【表3】

【0060】
表3より、実施例3は比較例3に比べて、幹部の質量として30%以上の増量を得ることが出来ることが確認できた。また、比較例4と比べても、幹部の質量として10%以上の増量を得ることが出来ることが確認できた。
【0061】
〔電子スピン共鳴法を利用した試験〕
実施例3の水溶液(試料C)及び比較例1の水道水について、電子スピン共鳴法を利用した試験を行った。
試験の方法:サンプリングした水溶液に対してスピントラップ剤であるDMPO(5,5-Dimethyl-1-pyrroline-N-oxide)を約20mM添加した上で電子スピン共鳴装置(ESR)により測定した。
【0062】
試験の結果、比較例1の水道水の場合、DMPOが変質した微小なピークは確認できるものの、フリーラジカルの発生を示す痕跡は確認できなかった。一方、マイクロバブル処理から10日以上経過した実施例3の水溶液(試料C)であっても、残留性微小気泡起源と思われるスピンアダクト(ラジカル捕捉体)を形成するようなエネルギー状態を維持していることが明らかになった(図5)。この結果は、極微小気泡としての残留の可能性を確証するものではないが、長時間にわたって本願発明の効果を維持できることを示している。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水又は水溶液中に粒径が直径10〜50μmの極微小気泡を放出する処理を10時間以上行うことを特徴とする極微小気泡を含有する水又は水溶液の製造方法。
【請求項2】
前記極微小気泡を放出する処理を20時間以上行うことを特徴とする請求項1に記載の水又は水溶液の製造方法。
【請求項3】
前記極微小気泡を放出する処理は、処理水中100〜300個/mlの極微小気泡を放出する処理であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水又は水溶液の製造方法。
【請求項4】
前記極微小気泡を放出する処理前又は処理中に、前記水又は前記水溶液に鉄を1.0ppm以上添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の水又は水溶液の製造方法。
【請求項5】
前記水又は前記水溶液の溶媒として水道水又は地下水を使用することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の水又は水溶液の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法により製造された極微小気泡を含有する水又は水溶液。
【請求項7】
請求項6に記載の極微小気泡を含有する水又は水溶液を2〜80倍に希釈したことを特徴とする極微小気泡を含有する水又は水溶液。
【請求項8】
請求項6又は請求項7に記載の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする肥料。
【請求項9】
請求項6又は請求項7に記載の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする植物成長促進剤。
【請求項10】
請求項6又は請求項7に記載の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする根毛成長促進剤。
【請求項11】
請求項6又は請求項7に記載の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする植物収穫量増加剤。
【請求項12】
請求項6又は請求項7に記載の極微小気泡を含有する水又は水溶液を含むことを特徴とする植物延命剤。
【請求項13】
請求項6又は請求項7に記載の極微小気泡を含有する水又は水溶液が与えられたことを特徴とする植物。
【請求項14】
前記植物が苗であることを特徴とする請求項13に記載の植物。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−255294(P2011−255294A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−131113(P2010−131113)
【出願日】平成22年6月8日(2010.6.8)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成21年度、経済産業省産業技術研究開発委託費「中小・ベンチャー企業の検査・計測機器等の調達に向けた実証研究事業」、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【出願人】(510160487)株式会社アースリンク (3)
【Fターム(参考)】