説明

極端紫外光源装置用ドライバーレーザ

【課題】自励発振光を抑制し、レーザ光の増幅を効率的に行うことができ、装置のサイズを小さくすることが可能な極端紫外光源装置用ドライバーレーザを提供する。
【解決手段】このドライバーレーザ1は、レーザ光を発振して出力する発振器41と、発振器41から出力されたレーザ光を増幅して出力する増幅器42とを具備する。増幅器42は、放電により励起された媒体のエネルギーを用いてレーザ光を増幅する放電部52と、放電部52から出力されたレーザ光を放電部52に入力するフィードバックミラー55と、発振器41から出力されたレーザ光を放電部52に出力するとともに、放電部52から出力されたレーザ光を所定の方向に反射する偏光子51と、放電部52から出力された自励発振光を減衰させる自励発振光フィルタ53とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等を露光するために用いられる極端紫外光を発生するLPP(laser produced plasma)型EUV(extreme ultra violet:極端紫外)光源装置においてターゲットに光を照射するドライバーレーザに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスの微細化に伴い、光リソグラフィの微細化も急速に進展しており、次世代においては、100nm〜70nmの微細加工、さらには50nm以下の微細加工が要求されるようになっている。そのため、例えば、50nm以下の微細加工に応じるべく、波長13nm程度の極端紫外光を発生するEUV光源と縮小投影反射光学系(catadioptric system)とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
そのようなEUV光源装置においては、一般に、駆動用光源(ドライバー)として短パルスレーザが用いられる。短パルスレーザは、LPP型EUV光源装置において高いCE(conversion efficiency:照射レーザ光からEUV光への変換効率)を得るのに適しているからである。
【0004】
図33は、ドライバーとして用いられる発振増幅型レーザの構成を示す概略図である。
図33に示す発振増幅型レーザ10は、短パルスCOレーザによって構成される発振器11と、短パルスCOレーザが発生したレーザ光を増幅する増幅器12とを含んでいる。ここで、増幅器12が光共振器を持たない場合に、そのような構成を有するレーザシステムは、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)システムと呼ばれる。増幅器12は、二酸化炭素(CO)、窒素(N)、ヘリウム(He)、さらに、必要に応じて、水素(H)、一酸化炭素(CO)、キセノン(Xe)等を含むCOレーザガスを放電によって励起する放電装置を有している。
なお、図33に示す増幅器12と異なり、増幅段に共振器を設ける場合には、増幅段単体によるレーザ発振が可能である。そのような構成を有するレーザシステムは、MOPO(Master Oscillator Power Oscillator)システムと呼ばれる。
【0005】
発振器11から出射したエネルギーAを有するレーザ光は、増幅器12において所望のエネルギーBを有するレーザ光に増幅される。このエネルギーBを有するレーザ光は、レーザ光伝播系を通して、又は、レンズによって集光されて、錫(Sn)やキセノン(Xe)等から選択されるEUV発光ターゲット物質に照射される。
ここで、図33においては、レーザエネルギーAをレーザエネルギーBまで増幅するために、増幅器を1段しか設けていないが、所望のレーザエネルギーBが得られない場合には、複数段の増幅器を用いてもよい。
【0006】
次に、発振器である短パルスCOレーザの構成例について説明する。特許文献1には、短パルスRF(Radio Frequency励起)−COレーザの構成が開示されている(特許文献1の図5)。このRF−COレーザにおいては、100kHz程度までレーザパルスの高繰り返し運転が可能である。実用上は、100W級のEUV発光を得る必要があるが、COレーザによるCEを0.5%と見積り、さらに伝播損失を70%と見積もると、COレーザに求められる出力は60kW程度になる。60kWの出力を短パルスレーザにおいて達成するためには、光学素子等の耐久性等を考慮すると、50kHz〜100kHz程度の繰り返し周波数が必要となる。なお、発振器から出射されるレーザ光のパルス幅は、100ns以下が望ましい。
【0007】
その理由は次の通りである。COレーザの出力をEtotal、パルス発振の繰返し周波数をf(i=1,2,3,…)、1つのパルスの光エネルギーをEpj(j=1,2,3,…)とすると、Etotal=f×Ep1=f×Ep2という関係がある。ここで、Eが大きい場合には、レーザ光が通過する光学素子に与えられるダメージも大きくなるので、光学素子の劣化が早くなる。そのため、Eは小さい方が望ましい。そこで、所望のEtotalを得るためにEを小さくして、繰返し周波数fを大きくすれば良い。
【0008】
このように高い繰返し周波数を実現するためには、RF(Radio Frequency励起)−COレーザを用いることが適当である。その理由は、パルスCOレーザとしては、この他にもTEA(Transverse Excitation Atmospheric)−COレーザがあるが、現状の技術では、2kHz程度の繰返し動作が限界だからである。
【0009】
特許文献1の図5を参照すると、このレーザ装置は、マルチパス導波管レーザ発振器(Multipass Waveguide Laser Oscillator)400とマルチパス導波管レーザ増幅器(Multipass Waveguide Laser Amplifier)400aとを含んでいる。発振器400の共振器は全反射ミラー408及び406によって構成されている。これらのミラー間に、Qスイッチ、RF放電部、及び、偏光薄膜(Thin Film Polarizer:TFP)が設けてある。Qスイッチがオフの時には、レーザ光がミラー408とミラー406との間を往復し、その際の誘導放出によって光強度が増加する。この光強度が十分に増加したところでQスイッチをオンにすると、ピークの立った短パルスがTFP404において反射され、ミラー409及びλ/4波長板を経由して、図5の下部に示されているマルチパス導波管レーザ増幅器(Multipass Waveguide Laser Amplifier)400aに導入される。そして、導入された光が増幅器(Amplifier)において増幅され、レーザ光が外部に出射する。このような構成を有するレーザは、Qスイッチ・キャビティ・ダンプ・レーザ(Q-switched cavity-dumped laser)と呼ばれている。
【0010】
ところで、発振増幅型レーザの増幅器の利得が高い場合等に、増幅器において自励発振又は寄生発振(以下において、単に、「自励発振」と言う)が発生し得ることが知られている。このような自励発振は、MOPOシステム内の共振器を有している増幅器だけではなく、MOPAシステム内の共振器を有していない増幅器においても発生し得る。
【0011】
自励発振によって生ずる自励発振光を吸収するために、強度が低いレーザ光を吸収し、強度が高いレーザ光を透過する物質である可飽和吸収体を増幅段に配置する技術が知られている(例えば、下記の非特許文献1参照)。
【特許文献1】米国特許6,697,408(図5)
【非特許文献1】ウォスコボイニコウ(P.Woskoboinikow)他、「9μm帯域のCO2レーザ増幅器のための可飽和ガス吸収体(Saturable gas absorber for a 9-μm-band CO2-laser amplifier)」、オプティクス・レター(Optics Letters)、1979年、第4巻、第7号、p.199
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
半導体露光装置においてプラズマを生成するためには、CEや伝播損失等の種々の条件を考慮すると、30〜100mJ程度のエネルギーを有するレーザ光を繰返し周波数50〜100kHz程度で供給することが必要とされる。このように高い繰返し周波数を実現するためには、先に説明したように、発振器としてRF−COレーザを用いる必要がある。しかしながら、現状においては、RF−COレーザが出力するレーザ光のエネルギーは1mJ程度以下である。従って、増幅段において、発振器が出力するレーザ光のエネルギーを30〜100倍程度増幅する必要がある。
【0013】
図34は、増幅器の増幅特性の例を示す図である。図34に示すように、増幅器の増幅特性には、増幅領域及び増幅飽和領域がある。増幅領域は、外部回路(RF電源等)から増幅器に供給されたエネルギーを入力レーザ光に良好な効率で伝達し、入力レーザ光を良好な効率で増幅することができる入力レーザ光のエネルギーの領域である。増幅飽和領域は、外部回路(RF電源等)から増幅器に供給されたエネルギーを入力レーザ光に伝達することが限界に達し、入力レーザ光のエネルギーを良好な効率で増幅することができない入力レーザ光のエネルギーの領域である。外部回路(RF電源等)から増幅器に供給されたエネルギーを入力レーザ光に最も効率的に伝達し、入力レーザ光を最も効率的に増幅できるのは、入力レーザ光のエネルギーが増幅領域内の最大値に相当する場合である。
【0014】
従って、RF−COレーザが出力するレーザ光を最も効率的に30〜100倍程度増幅するためには、増幅利得が異なる複数の増幅器を増幅利得が小さいものから大きいものへという順序で多段に配置し、RF−COレーザが出力するレーザ光を段階的に増幅する必要がある。このように複数の増幅器を多段に配置することは、ドライバーレーザの大型化及び複雑化を招くとともに、信頼性の低下を招くことになる。
【0015】
なお、図34(a)に示すように、RF−COレーザが出力するレーザ光(図34(a)において、そのエネルギーをX(一般には、1mJ程度以下である)で表している)を大型(増幅利得が高い)の増幅器に直接入射して、RF−COレーザが出力するレーザ光を30〜100倍程度増幅したレーザ光(図34(a)において、そのエネルギーをX'で表している)を得ることも考えられる。しかしながら、この場合には、外部回路(RF電源等)から増幅器に供給されたエネルギーの多くがRF−COレーザから入力されたレーザ光に伝達されることなく増幅器内に残ってしまうので、効率が良くない。また、このような増幅を行うための増幅器は非常に大きくなってしまい、上記した複数の増幅器を多段に配置するよりも却って装置全体のサイズが大きくなってしまう。従って、このような大型の増幅器を用いるよりも多段に配置した複数の増幅器を用いる方がより現実的である。
【0016】
ところで、増幅段の段数を減少させて装置サイズを小さくするために、或る増幅器において増幅され出力されたレーザ光を当該増幅器に再び入射させて再び増幅させる2パス増幅が知られている。図34(b)は、2パス増幅の増幅特性の例を示す図である。図34(b)に示すように、前段からのレーザ光(図34(b)において、そのエネルギーをYで表している)を或る増幅器に入射して増幅されたレーザ光のエネルギーY'が増幅領域内に相当する場合には、増幅されたレーザ光を当該増幅器に再び入射して再び増幅することができ、高い効率で増幅を行うことができる。
【0017】
なお、自励発振は、下記の式(1)で表されるAの値が大きいほど発生しやすいことが知られている。
A=g×L ・・・(1)
ここで、gは増幅利得であり、Lは増幅利得長(放電長)である。
2パス増幅の場合には、増幅利得長(放電長)が1パス増幅の2倍になるので、自励発振の発生し易さが1パス増幅の2倍になってしまうことになる。
【0018】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、自励発振光を抑制し、レーザ光の増幅を効率的に行うことができるとともに、装置のサイズを小さくすることが可能な極端紫外光源装置用ドライバーレーザを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するため、本発明の第1の観点に係る極端紫外光源装置用ドライバーレーザは、レーザ光源から出力されたレーザ光をターゲット物質に照射することによりターゲット物質をプラズマ化して極端紫外光を発生させる極端紫外光源装置において用いられるドライバーレーザであって、レーザ光を発振して出力する発振器と、発振器から出力されたレーザ光を入力し、該レーザ光を増幅して出力する少なくとも1つの増幅器とを具備し、増幅器が、レーザ光を入出力するための第1及び第2のウィンドウを有し、放電により励起された媒体のエネルギーを用いて、第1のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して第2のウィンドウから出力し、第2のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して第1のウィンドウから出力する放電部と、放電部の第2のウィンドウから出力されたレーザ光を放電部の第2のウィンドウに出力する第1の光学系と、発振器から出力されたレーザ光を放電部の第1のウィンドウに出力すると共に、放電部の第1のウィンドウから出力されたレーザ光を所定の方向に出力する第2の光学系と、放電部の第1及び/又は第2のウィンドウから出力された自励発振光を減衰させる少なくとも1つの自励発振光減衰手段とを含む。
【0020】
また、本発明の第2の観点に係る極端紫外光源装置用ドライバーレーザは、レーザ光源から出力されたレーザ光をターゲット物質に照射することによりターゲット物質をプラズマ化して極端紫外光を発生させる極端紫外光源装置において用いられるドライバーレーザであって、レーザ光を発振して出力する発振器と、発振器から出力されたレーザ光を入力し、該レーザ光を増幅して出力する少なくとも1つの増幅器とを具備し、増幅器が、レーザ光を入力するための第1のウィンドウ及びレーザ光を出力するための第2のウィンドウを有し、放電により励起された媒体のエネルギーを用いて、第1のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して第2のウィンドウから出力する放電部と、発振器から出力されたレーザ光を放電部の第1のウィンドウに出力し、その後に放電部の第2のウィンドウから出力されたレーザ光を放電部の第1のウィンドウにもう1度出力し、その後に放電部の第2のウィンドウから出力されたレーザ光を所定の方向に出力する光学系とを含む。
【0021】
また、本発明の第3の観点に係る極端紫外光源装置用ドライバーレーザは、レーザ光源から出力されたレーザ光をターゲット物質に照射することによりターゲット物質をプラズマ化して極端紫外光を発生させる極端紫外光源装置において用いられるドライバーレーザであって、レーザ光を発振して出力する発振器と、発振器から出力されたレーザ光を入力し、該レーザ光を増幅して出力する少なくとも1つの増幅器とを具備し、増幅器が、レーザ光を入出力するための第1及び第2のウィンドウをそれぞれ有し、放電により励起された媒体のエネルギーを用いて、第1のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して第2のウィンドウから出力し、第2のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して第1のウィンドウから出力する第1及び第2の放電部と、発振器から出力されたレーザ光を第1の放電部の第1のウィンドウに出力し、その後に第1の放電部の第2のウィンドウから出力されたレーザ光を第2の放電部の第1のウィンドウに出力し、その後に第2の放電部の第2のウィンドウから出力されたレーザ光を第1の放電部の第1のウィンドウに出力し、その後に第1の放電部の第2のウィンドウから出力されたレーザ光を第2の放電部の第1のウィンドウ又は第2のウィンドウに出力し、その後に第2の放電部の第2のウィンドウ又は第1のウィンドウから出力されたレーザ光を所定の方向に出力する光学系とを含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、自励発振光を抑制することができるので、レーザ光の増幅を効率的に行うことができ、装置のサイズを小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明に係る極端紫外光源用ドライバーレーザ(以下において、単に「ドライバーレーザ」とも言う)が適用されるLPP型EUV光源装置の概要を示す模式図である。図1に示すように、このLPP型EUV光源装置は、ドライバーレーザ1と、EUV光発生チャンバ2と、ターゲット物質供給部3と、光学系4とを含んでいる。
【0024】
ドライバーレーザ1は、ターゲット物質を励起させるために用いられる駆動用のレーザ光を発生する発振増幅型レーザ装置である。ドライバーレーザ1の構成については、後で詳しく説明する。
EUV光発生チャンバ2は、EUV光の生成が行われる真空チャンバである。EUV光発生チャンバ2には、ドライバーレーザ1から発生したレーザ光6をEUV光発生チャンバ2内に通過させるための窓21が設けられている。また、EUV光発生チャンバ2の内部には、ターゲット噴射ノズル31と、ターゲット回収筒32と、集光ミラー8とが配置されている。
【0025】
ターゲット物質供給部3は、EUV光を発生するために用いられるターゲット物質を、ターゲット物質供給部3の一部であるターゲット噴射ノズル31を介して、EUV光発生チャンバ2内に供給する。供給されたターゲット物質の内、レーザ光が照射されずに不要となったものは、ターゲット回収筒32によって回収される。ターゲット物質としては、公知の様々な材料(例えば、錫(Sn)、キセノン(Xe)等)を用いることができる。また、ターゲット物質の状態は、固体、液体、気体のいずれでも良く、連続流れ(ターゲット噴流)や液滴(ドロップレット)等の公知のいずれの態様でEUV光発生チャンバ2内の空間に供給しても良い。例えば、ターゲット物質として液体のキセノン(Xe)ターゲットを用いる場合には、ターゲット物質供給部3は、高純度キセノンガスを供給するガスボンベ、マスフローコントローラ、キセノンガスを液化するための冷却装置、ターゲット噴射ノズル等によって構成される。また、ドロップレットを生成する場合には、それらを含む構成に、ピエゾ素子等の加振装置が追加される。
【0026】
光学系4は、例えば、集光レンズを含んでおり、ドライバーレーザ1から出射したレーザ光6を、ターゲット物質の軌道上に焦点を形成するように集光する。それにより、ターゲット物質5が励起してプラズマ化し、EUV光7が発生する。
集光ミラー8は、例えば、13.5nmの光を高反射率で反射するMo/Si膜がその表面に形成された凹面鏡であり、発生したEUV光7を反射することにより集光して伝送光学系に導く。さらに、このEUV光は、伝送光学系を介して露光装置等へ導かれる。なお、図1において、集光ミラー8は、紙面の手前方向にEUV光を集光する。
【0027】
次に、本発明の第1の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図2は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図2に示すように、このドライバーレーザは、共振によりレーザ光を発振する発振器41と、発振器41から出射されるレーザ光を増幅する増幅器42とを具備する。増幅器42は、偏光子51と、放電部52と、自励発振光フィルタ53と、λ/4波長板54と、フィードバックミラー55とを含んでいる。
【0028】
偏光子51は、発振器41から出射したレーザ光(ここでは、P偏光)を通過させて第1のウィンドウを透過させ放電部52に入射するとともに、放電部52から第2のウィンドウを透過して出射したレーザ光(ここでは、S偏光)をEUV光発生チャンバの方向に反射する。なお、偏光子51として、薄膜偏光子(thin film polarizer)やブリュースタプレート(Brewster plate)等を用いることができる。偏光子51としていずれを用いる場合にも、レーザ光軸に対してブリュースタ角を為すように配置することが好ましい。
【0029】
偏光子51としてZnSeを母材とする薄膜偏光子を用いる場合には、COレーザ光の波長が10.6μmのときに、ブリュースタ角は約67.4°である。薄膜偏光子のS偏光反射面(本実施形態においては、放電部52側の面)には、S偏光の反射率が高く、P偏光の反射率が低いコーティングが施されている。現在、S偏光の反射率(RS)が99%以上且つP偏光の通過率(TP)が95%以上の薄膜偏光子が入手可能である。なお、薄膜偏光子の母材として、ZnSeに限らず、COレーザ光の通過率が高い材料を用いることができる。
【0030】
次に、偏光子51としてZnSeを母材とするブリュースタプレートを用いる場合について説明する。図3は、ZnSeを母材とするブリュースタプレートにおけるレーザ光の入射角度と反射率との関係を示す図である。図3に示すように、ZnSeを母材とするブリュースタプレートを用いる場合にも、ブリュースタ角は約67.4°である。ブリュースタ角におけるP偏光の反射率は約0%であり、S偏光の反射率は約50%である。ブリュースタプレートのブリュースタ角におけるS偏光の反射率(約50%)は、先に説明した薄膜偏光子のブリュースタ角におけるS偏光の反射率(約99%以上)の約1/2でしかない。しかしながら、増幅されたレーザ光の強度が大きい場合には、薄膜偏光子よりもブリュースタプレートを用いることが好ましい。その理由は、薄膜偏光子にはコーティングが施されており、増幅されたレーザ光の強度が大きい場合には、コーティングが劣化してしまうのに対し、ブリュースタプレートにはコーティングが施されておらず、コーティングが劣化することがあり得ないからである。なお、ブリュースタプレートの母材として、ZnSeに限らず、COレーザ光の通過率が高い材料を用いることができる。
【0031】
再び図2を参照すると、放電部52内にはレーザ媒質が充填されており、放電部52内に配置された電極対52a、52b間に所定のタイミングで放電を行わせることでレーザ媒質を励起することができる。放電部52に入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0032】
放電部52において増幅されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過し自励発振光フィルタ53を通過する。自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生し、自励発振光が自励発振光フィルタ53側に出射した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0033】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(P偏光)は、λ/4波長板54を通過する。λ/4波長板54は、直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光を円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回り)のレーザ光に変換する。
【0034】
λ/4波長板54を通過したレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によって反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。なお、フィードバックミラー55として、全反射ミラー等を用いることができる。
【0035】
フィードバックミラー55によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、λ/4波長板54を再度通過する。λ/4波長板54は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回り)のレーザ光を直線偏光(ここでは、S偏光)のレーザ光に変換する。
【0036】
λ/4波長板54を通過したレーザ光(S偏光)は、自励発振光フィルタ53を再び通過して第2のウィンドウを透過し、放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
【0037】
放電部52において再び増幅されたレーザ光(S偏光)は、偏光子51によってEUV光発生チャンバ(図1)の方向に反射される。
【0038】
このように、増幅器42が光共振器を持たない場合には、そのような構成を有するレーザシステムは、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)システムと呼ばれる。なお、増幅器42が、更に、光共振器を持つこととしても良い。そのような構成を有するレーザシステムは、MOPO(Master Oscillator Power Oscillator)システムと呼ばれる。
【0039】
次に、発振器41の構成について、図4を参照しながら説明する。
図4は、発振器41の構成を示す模式図である。図4に示すように、この発振器41は、レーザ媒質100と、共振器を構成するリアミラー101及び高反射(HR)ミラー102と、偏光ビームスプリッタ104と、ポッケルスセル(PC)105と、λ/4波長板106と、反射ミラー107とを含んでいる。
【0040】
レーザ媒質100は、放電管(又はチャンバ)(図示せず)内に充填されており、放電管(又はチャンバ)に配置された電極対(図示せず)に所定のタイミングで放電を行わせることで、レーザ媒質100を励起することが可能である。なお、レーザ媒質100は、二酸化炭素(CO)、窒素(N)、ヘリウム(He)、さらに、必要に応じて、水素(H)、一酸化炭素(CO)、キセノン(Xe)等を含むCOレーザガスであっても良い。
レーザ光は、リアミラー101及びHRミラー102間を往復しながらレーザ媒質100を通過することにより、CW(連続発振)励起又はパルス励起される。
【0041】
偏光ビームスプリッタ104は、P偏光を入射光の進行方向と同じ方向に出射し、S偏光を入射光とほぼ直角を為す方向に出射することにより、入射光をP偏光とS偏光とに分離する。
λ/4波長板106は、そこを通過する直線偏光のレーザ光を円偏光のレーザ光に変換し、円偏光のレーザ光を直線偏光のレーザ光に変換する。
【0042】
また、ポッケルスセル(Qスイッチ)とは、結晶に電界を印加することにより結晶の屈折率や異方性が変化するというEO効果(electro optic:電気光学効果)を利用した光学素子である。このポッケルスセルに印加される電界を制御することにより、それを通過する光の偏光面を所望の角度だけ回転させることができる。本実施形態においては、ポッケルスセル105のスイッチングを制御することにより、レーザ光を図の上方に取り出しており、そのために、取り出されたレーザ光の方向を変化させるための反射ミラー107を配置している。なお、このような構成は、Qスイッチ・キャビティ・ダンプ・レーザ(Q-switched cavity-dumped laser)と呼ばれる。
【0043】
ポッケルスセル105を所定のタイミングで活性化及び非活性化させることにより、リアミラー101及びHRミラー102によって構成される共振器の外部に出射するレーザ光を、所望のパルス幅に切り出す。これにより、レーザ光を短パルス化することができる。
【0044】
次に、増幅器42の構成について、図5を参照しながら説明する。
図5は、増幅器42の構成を示す模式図である。図5に示すように、増幅器42の放電部52は、ウィンドウ131、132と、放電管141〜148と、ミラー151〜158とを含んでいる。放電管141〜148内にはレーザ媒質が充填されており、放電管141〜148にそれぞれ配置された電極対に所定のタイミングで放電を行わせることでレーザ媒質を励起することができる。なお、ウィンドウ131、132は、ZnSe等を含んでいても良い。また、レーザ媒質は、二酸化炭素(CO)、窒素(N)、ヘリウム(He)、さらに、必要に応じて、水素(H)、一酸化炭素(CO)、キセノン(Xe)等を含むCOレーザガスであっても良い。
【0045】
発振器41から出射して偏光子51を通過したレーザ光(P偏光)に対して、放電部52において1パス目の増幅が行われる。
詳細には、発振器41から出射して偏光子51を通過したレーザ光(P偏光)は、ウィンドウ131を通過し、放電管141に入射して増幅される。放電管141内において増幅されたレーザ光は、ミラー151によってY軸方向に反射され、放電管142に入射して増幅される。放電管142内において増幅されたレーザ光は、ミラー152によってX軸の逆方向に反射され、放電管143に入射して増幅される。放電管143内において増幅されたレーザ光は、ミラー153によってY軸の逆方向に反射され、放電管144に入射して増幅される。
【0046】
放電管144内において増幅されたレーザ光は、ミラー154によってZ軸方向に反射され、更に、ミラー155によってY軸方向に反射され、放電管145に入射して増幅される。放電管145内において増幅されたレーザ光は、ミラー156によってX軸方向に反射され、放電管146に入射して増幅される。放電管146内において増幅されたレーザ光は、ミラー157によってY軸の逆方向に反射され、放電管147に入射して増幅される。放電管147内において増幅されたレーザ光は、ミラー158によってX軸の逆方向に反射され、放電管148に入射して増幅される。
【0047】
以上のようにして1パス目の増幅が行われたレーザ光は、ウィンドウ132を通過して自励発振光フィルタ53に入射する。なお、放電部52において自励発振が発生した場合には、自励発振光及び1パス目の増幅が行われたメインパルスが、ウィンドウ132を通過して自励発振光フィルタ53に入射する。
【0048】
自励発振光フィルタ53は、集光レンズ61、強度が低いレーザ光を吸収して強度が高いレーザ光を透過する物質である可飽和吸収体が充填された可飽和吸収体セル62、及び、コリメートレンズ63を含んでいる。
【0049】
図6は、自励発振光フィルタ53を示す模式図である。図6に示すように、可飽和吸収体セル62は、集光レンズ61とコリメートレンズ63との間に、レーザ光軸に沿って移動可能に配置されている。集光レンズ61は、放電部52から出射したレーザ光を集光する。可飽和吸収体セル62には、レーザ光が通過するためのウィンドウ62a、62bが設けられており、レーザ光は、ウィンドウ62aを通過して可飽和吸収体セル62内に入射する。
【0050】
図7は、可飽和吸収体に入射するレーザ光の強度と透過率との関係を示す図である。図7に示すように、可飽和吸収体は、強度が低いレーザ光を吸収し(強度が低いレーザ光の透過率が低い)、強度が高いレーザ光を透過する(強度が高いレーザ光の透過率が高い)。一般に、自励発振光の強度はメインパルスの強度より低い。そのため、放電部52において自励発振が発生した場合に、可飽和吸収体は、自励発振光を吸収してメインパルスを通過させることができる。
【0051】
なお、COレーザ光の可飽和吸収体としては、一般に、SFを含む混合ガスが用いられる。可飽和吸収体としてSFを含む混合ガスを用いる場合には、バッファガスとして、He、N、Ar等を使用することができる。混合ガス中のSFの含有量、バッファガスの種類及び含有量、バッファガスのほかに更に他のガスを混合すること、可飽和吸収体を通過するレーザ光路長等を調整すること等により、可飽和吸収体のレーザ光吸収特性を調整することが可能である。SFの混合ガスの他には、エタノール(ethanol:COH)、フロン12(freon12:CCl)、フォーミック酸(formic acid:HCOOH)等を可飽和吸収体として用いることができる。
【0052】
図8は、SFの含有量がそれぞれ異なる第1〜第5の混合ガスの入射レーザ光強度と透過率との関係を示す図である。図8においては、第1〜第5の混合ガスのSFの含有量をSFの分圧でそれぞれ示している。ここでは、第1の混合ガスのSFの分圧A<第2の混合ガスのSFの分圧B<第3の混合ガスのSFの分圧C<第4の混合ガスのSFの分圧D<第5の混合ガスのSFの分圧Eである。
【0053】
図8に示すように、自励発振光の強度がα'であり、その自励発振光の約95%以上を吸収させたい場合には、可飽和吸収体として第4の混合ガス(SFの分圧D)又は第5の混合ガス(SFの分圧E)を用いれば良い。
【0054】
また、図8に示すように、メインパルスの強度がγ'であれば、そのメインパルスの約100%がSFの混合ガスを通過する。メインパルスの強度がγ'に満たない場合には、可飽和吸収体セル62を、レーザ光軸に沿って移動させて、集光レンズ61の焦点に近づければ良い。レーザ光の強度は、集光レンズ61の焦点から遠いほど低くなり、集光レンズ61の焦点に近いほど高くなるからである。
【0055】
再び図6を参照すると、可飽和吸収体を通過したレーザ光は、ウィンドウ62bを通過し、コリメートレンズ63に入射して、コリメートされる。
なお、可飽和吸収体は、自励発振光を吸収すると、自励発振光のエネルギーにより、温度が上昇する。また、可飽和吸収体の可飽和吸収特性は、温度が上昇すると悪化する。そこで、可飽和吸収体セル62に吸気口及び排気口を設けて、可飽和吸収体をフローさせるようにしても良い。
【0056】
再び図5を参照すると、自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(P偏光)は、λ/4波長板54を通過する。λ/4波長板54は、直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光を円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回り)のレーザ光に変換する。λ/4波長板54を通過したレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によってX軸方向に反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0057】
フィードバックミラー55によってX軸方向に反射されたレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、λ/4波長板54を再度通過する。λ/4波長板54は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回り)のレーザ光を直線偏光(ここでは、S偏光)のレーザ光に変換する。λ/4波長板54を通過したレーザ光(S偏光)は、自励発振光フィルタ53を再び通過する。
【0058】
自励発振光フィルタ53を再び通過したレーザ光(S偏光)に対して、放電部52において2パス目の増幅が行われる。
詳細には、自励発振光フィルタ53を再び通過したレーザ光(S偏光)は、ウィンドウ132を通過し、放電管148に入射して増幅される。放電管148内において増幅されたレーザ光は、ミラー158によってY軸方向に反射され、放電管147に入射して増幅される。放電管147内において増幅されたレーザ光は、ミラー157によってX軸の逆方向に反射され、放電管146に入射して増幅される。放電管146内において増幅されたレーザ光は、ミラー156によってY軸の逆方向に反射され、放電管145に入射して増幅される。
【0059】
放電管145内において増幅されたレーザ光は、ミラー155によってZ軸の逆方向に反射され、更に、ミラー154によってY軸方向に反射され、放電管144に入射して増幅される。放電管144内において増幅されたレーザ光は、ミラー153によってX軸方向に反射され、放電管143に入射して増幅される。放電管143内において増幅されたレーザ光は、ミラー152によってY軸の逆方向に反射され、放電管142に入射して増幅される。放電管142内において増幅されたレーザ光は、ミラー151によってX軸の逆方向に反射され、放電管141に入射して増幅される。
以上のようにして2パス目の増幅が行われたレーザ光は、ウィンドウ131を通過し、偏光子51によってEUV光発生チャンバ(図1)の方向に反射される。
【0060】
再び図1を参照すると、ドライバーレーザ1から出射されたレーザ光は、光学系4によってターゲット物質の軌道上に集光される。それにより、ターゲット物質5が励起してプラズマ化し、EUV光7が発生する。
【0061】
次に、本実施形態の作用について、図9を参照しながら説明する。
図9(a)は、自励発振光フィルタ53が存在しないものとした場合に、放電部52において自励発振が発生したときに、放電部52からフィードバックミラー55側に出射しフィードバックミラー55によって反射されて放電部52に再び入射する入射レーザ光(1パス目の出射レーザ光、すなわち2パス目の入射レーザ光に相当)、及びそのような入射レーザ光を増幅することで放電部52から偏光子51側に出射されるレーザ光(2パス目の出射レーザ光に相当)の波形を規格化して示す図である。放電部52において自励発振が発生した場合には、図9(a)において実線で示すように、自励発振光が、ペデスタル(pedestal)部として波形に現れる。そのようなレーザ光がフィードバックミラー55によって反射されて放電部52に入射すると、図9(a)において破線で示すように、2パス目の増幅においてペデスタル部も増幅されてしまう。このように、メインパルスの2パス目の増幅において、放電部52内の放電エネルギーの一部がペデスタル部の増幅に使われてしまうと、メインパルス部の増幅に使われる放電エネルギーが少なくなってしまうことになる。
【0062】
一方、図9(b)は、本実施形態において、放電部52において自励発振が発生した場合に、放電部52からフィードバックミラー55側に出射しフィードバックミラー55によって反射されて放電部52に再び入射する入射レーザ光(1パス目の出射レーザ光、すなわち2パス目の入射レーザ光に相当)、及びそのような入射レーザ光を増幅することで放電部52から偏光子51側に出射されるレーザ光(2パス目の出射レーザ光に相当)の波形を規格化して示す図である。本実施形態においては、放電部52において自励発振が発生した場合であっても、自励発振光フィルタ53が、自励発振光(図9(a)のペデスタル部参照)を減衰させることができる。そのため、図9(b)において実線で示すように、フィードバックミラー55によって反射されて放電部52に再び入射する入射レーザ光(1パス目の出射レーザ光、すなわち2パス目の入射レーザ光に相当)において、ペデスタル部の強度が非常に弱くなっている。従って、2パス目の増幅において、放電部52内の放電エネルギーの内のペデスタル部の増幅に使われてしまうエネルギーを非常に少なくすることができる。そのため、図9(b)において破線で示すように、放電部52内の放電エネルギーがメインパルス部の増幅に効率良く使われることになる。
【0063】
このように、本実施形態によれば、増幅部52において自励発振が発生した場合であっても、自励発振光フィルタ53により自励発振光を減衰させることができるので、メインパルスの増幅を効率良く行うことができる。また、2パス増幅を行うことにより、増幅器の段数を減少させることができるので、装置サイズを小さくすることが可能である。
【0064】
なお、本実施形態においては、図2に示すように、自励発振光フィルタ53を放電部52とλ/4波長板54との間に配置しているが、図10に示すように、λ/4波長板54とフィードバックミラー55との間や、図11に示すように、偏光子51と放電部52との間に配置しても良い。
【0065】
自励発振光フィルタ53を配置する位置は、放電部52とλ/4波長板54との間(図2)又はλ/4波長板54とフィードバックミラー55との間(図10)の方が、偏光子51と放電部52との間(図11)よりも好ましい。その理由は、次の通りである。自励発振光フィルタ53を放電部52とλ/4波長板54との間(図2)又はλ/4波長板54とフィードバックミラー55との間(図10)に配置した場合には、自励発振光フィルタ53は、増幅されていない比較的エネルギーの低い自励発振光を吸収すれば済む。一方、自励発振光フィルタ53が偏光子51と放電部52との間(図11)に配置されている場合には、自励発振光フィルタ53は、放電部52において発生し、放電部52〜λ/4波長板54〜フィードバックミラー55〜λ/4波長板54〜放電部52という経路を経て放電部52において増幅されたエネルギーの高い自励発振光を吸収しなければならないので、可飽和吸収体の温度が上昇し易いからである。また、上記のような経路を経て放電部52において自励発振光が増幅されると、放電部52内の放電エネルギーの内のメインパルス部の増幅に使われる放電エネルギーが少なくなってしまうことになるからである。
【0066】
さらに、放電部52とλ/4波長板54との間(図2)、λ/4波長板54とフィードバックミラー55との間(図10)、及び、偏光子51と放電部52との間(図11)の内の複数の場所に、複数の自励発振光フィルタをそれぞれ配置しても良い。
【0067】
また、本実施形態においては、図6に示すように、可飽和吸収体セル62のウィンドウ62a、62bをレーザ光軸に対して略直交するように設けているが、図12に示すように、可飽和吸収体セル62のウィンドウ62a、62bをレーザ光軸に対してブリュースタ角を為すように設けても良い。また、図13(a)及び(b)に示すように、自励発振光フィルタが、集光レンズ及びコリメートレンズを含まないようにしても良い。さらに、図13(c)に示すように、自励発振光フィルタとして、ピンホール64aを有するピンホール板64、レーザ光をピンホール64aに集光する集光レンズ61、及び、ピンホール64aを通過したレーザ光をコリメートするコリメートレンズ63を含む空間フィルタを用いるこようにしても良い。
【0068】
また、図6や図12に示す自励発振光フィルタにおいて、ウィンドウ62a,62bの径をピンホールのように非常に小さくすることにより、可飽和吸収体セル62にピンホール板の機能を兼ね備えさせるようにしても良い。
【0069】
次に、本発明の第2の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図14は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図14に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、発振器41から出射されるレーザ光を増幅する増幅器43とを具備する。増幅器43は、偏光子51と、放電部52と、円偏光ミラー(λ/4 phase retarding mirror)56と、自励発振光フィルタ53と、フィードバックミラー55とを含んでいる。
【0070】
偏光子51は、発振器41から出射したレーザ光(ここでは、P偏光)を通過させて第1のウィンドウを透過させ放電部52に入射する。偏光子51から放電部52に入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0071】
円偏光ミラー56は、放電部52において増幅された直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光を、円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回り)のレーザ光に変換して、図中の上方に反射する。
【0072】
円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を通過する。自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0073】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によって図中の下方に反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0074】
フィードバックミラー55によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を再度通過する。
自励発振光フィルタ53を再度通過したレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、円偏光ミラー56によって図中の左方に反射される。円偏光ミラー56は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回り)のレーザ光を、直線偏光(ここでは、S偏光)のレーザ光に変換して反射する。
【0075】
円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過して放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
放電部52において再び増幅されたレーザ光(S偏光)は、偏光子51によってEUV光発生チャンバ(図1)の方向に反射される。
【0076】
次に、増幅器43の構成について、図15を参照しながら説明する。
図15は、増幅器43の構成を示す模式図である。
発振器41から出射して偏光子51を通過したレーザ光(P偏光)に対して、放電部52において1パス目の増幅が行われる。
【0077】
放電部52において1パス目の増幅が行われたレーザ光は、ウィンドウ132を通過し、円偏光ミラー56によって、Y軸の逆方向に反射される。円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(円偏光)は、自励発振光フィルタ53に入射する。なお、1パス目の増幅において自励発振が発生した場合には、自励発振光及び1パス目の増幅が行われたメインパルスが、自励発振光フィルタ53に入射する。
【0078】
自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生した場合に、自励発振光を吸収して1パス目の増幅が行われたメインパルスを通過させることができる。
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(円偏光)は、フィードバックミラー55によってY軸方向に反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0079】
フィードバックミラー55によってY軸方向に反射されたレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を再び通過する。
自励発振光フィルタ53を再び通過したレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、円偏光ミラー56によってX軸方向に反射される。
【0080】
円偏光ミラー56によってX軸方向に反射されたレーザ光(S偏光)に対して、放電部52において2パス目の増幅が行われる。
2パス目の増幅が行われたレーザ光は、ウィンドウ131を通過し、偏光子51によってEUV光発生チャンバ(図1)の方向に反射される。
【0081】
なお、本実施形態においては、図14に示すように、自励発振光フィルタ53を円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間に配置しているが、図16に示すように、放電部52と円偏光ミラー56との間や、図17に示すように、偏光子51と放電部52との間に配置しても良い。自励発振光フィルタ53を配置する位置は、円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間(図14)又は放電部52と円偏光ミラー56との間(図16)の方が、偏光子51と放電部52との間(図17)よりも好ましい。
【0082】
また、円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間(図14)、放電部52と円偏光ミラー56との間(図16)、及び、偏光子51と放電部52との間(図17)の内の複数の場所に、複数の自励発振光フィルタをそれぞれ配置しても良い。
【0083】
次に、本発明の第3の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図18は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図18に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、増幅器42とを具備する。
【0084】
発振器41は、レーザ光(ここでは、S偏光)を偏光子51のコーティングが施された反射面(放電部52側の面)に出射する。発振器41から出射されたレーザ光(S偏光)は、偏光子51によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に入射する。放電部52に入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0085】
放電部52において増幅されたレーザ光(S偏光)は、自励発振光フィルタ53を通過する。自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生し、自励発振光が自励発振光フィルタ53側に出射した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0086】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(S偏光)は、λ/4波長板54を通過する。λ/4波長板54は、直線偏光(ここでは、S偏光)のレーザ光を円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回り)のレーザ光に変換する。
【0087】
λ/4波長板54を通過したレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によって反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0088】
フィードバックミラー55によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、λ/4波長板54を再度通過する。λ/4波長板54は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回り)のレーザ光を直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光に変換する。
【0089】
λ/4波長板54を通過したレーザ光(P偏光)は、自励発振光フィルタ53を再び通過して第2のウィンドウを透過し、放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
【0090】
放電部52において再び増幅されたレーザ光(P偏光)は、偏光子51を通過して、EUV光発生チャンバ(図1)の方向(図中の左方向)に出力される。
【0091】
なお、本実施形態においては、図18に示すように、自励発振光フィルタ53が、放電部52とλ/4波長板54との間に配置されているが、λ/4波長板54とフィードバックミラー55との間や、偏光子51と放電部52との間に配置されても良い。また、放電部52とλ/4波長板54との間、λ/4波長板54とフィードバックミラー55との間、及び、偏光子51と放電部52との間の内の複数の場所に、複数の自励発振光フィルタをそれぞれ配置しても良い。
【0092】
次に、本発明の第4の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図19は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図19に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、増幅器43とを具備する。
【0093】
発振器41は、レーザ光(ここでは、S偏光)を偏光子51のコーティングが施された反射面(放電部52側の面)に出射する。発振器41から出射されたレーザ光(S偏光)は、偏光子51によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に入射する。放電部52に入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0094】
放電部52において増幅されたレーザ光(S偏光)は、円偏光ミラー56によって図中の上方に反射される。円偏光ミラー56は、放電部52において増幅された直線偏光(S偏光)のレーザ光を、円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回り)のレーザ光に変換して反射する。
【0095】
円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を通過する。自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0096】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によって図中の下方に反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0097】
フィードバックミラー55によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を再度通過する。
自励発振光フィルタ53を再度通過したレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、円偏光ミラー56によって図中の左方向に反射される。円偏光ミラー56は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回り)のレーザ光を、直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光に変換して反射する。
【0098】
円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過して放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
放電部52において再び増幅されたレーザ光(P偏光)は、偏光子51を通過して、EUV光発生チャンバ(図1)の方向(図中の左方向)に出力される。
【0099】
なお、本実施形態においては、図19に示すように、自励発振光フィルタ53を円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間に配置しているが、放電部52と円偏光ミラー56との間や、偏光子51と放電部52との間に配置しても良い。また、円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間、放電部52と円偏光ミラー56との間、及び、偏光子51と放電部52との間の内の複数の場所に、複数の自励発振光フィルタをそれぞれ配置しても良い。
【0100】
次に、本発明の第5の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図20は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図20に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、2パス増幅を行う増幅器44と、1パス増幅を行う増幅器45と、ミラー110とを具備する。増幅器44は、偏光子57と、放電部52と、自励発振光フィルタ53と、λ/4波長板54と、フィードバックミラー55とを含んでいる。
【0101】
偏光子57は、発振器41から出射したレーザ光(ここでは、P偏光)を通過させて第1のウィンドウを透過させ放電部52に入射する。偏光子57を通過して放電部52に入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0102】
放電部52において増幅されたレーザ光(P偏光)は、自励発振光フィルタ53を通過する。自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生し、自励発振光が自励発振光フィルタ53側に出射した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0103】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(P偏光)は、λ/4波長板54を通過する。λ/4波長板54は、直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光を円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回りのレーザ光に変換する。
【0104】
λ/4波長板54を通過したレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によって反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0105】
フィードバックミラー55によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、λ/4波長板54を再度通過する。λ/4波長板54は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回り)のレーザ光を直線偏光(ここでは、S偏光)のレーザ光に変換する。
【0106】
λ/4波長板54を通過したレーザ光(S偏光)は、自励発振光フィルタ53を再び通過して第2のウィンドウを透過し、放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
【0107】
放電部52において再び増幅されたレーザ光(S偏光)は、偏光子57によって図中の下方向に反射される。
偏光子57によって図中の下方向に反射されたレーザ光は、ミラー110によって、図中の右方向に反射され、増幅器45に入射する。増幅器45に入射したレーザ光は、増幅されてEUV光発生チャンバ(図1)に入射する。
【0108】
このように、2パス増幅を行う増幅器44の後段に、1パス増幅を行う増幅器45を更に設けるようにしても良い。
【0109】
なお、本実施形態においては、図20に示すように、自励発振光フィルタ53を放電部52とλ/4波長板54との間に配置しているが、λ/4波長板54とフィードバックミラー55との間や、偏光子51と放電部52との間に配置しても良い。また、放電部52とλ/4波長板54との間(図20)、λ/4波長板54とフィードバックミラー55との間、及び、偏光子51と放電部52との間の内の複数の場所に、複数の自励発振光フィルタをそれぞれ配置しても良い。
【0110】
次に、本発明の第6の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図21は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図21に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、2パス増幅を行う増幅器46と、1パス増幅を行う増幅器45と、ミラー110とを具備する。増幅器46は、偏光子57と、放電部52と、円偏光ミラー56と、自励発振光フィルタ53と、フィードバックミラー55とを含んでいる。
【0111】
偏光子57は、発振器41から出射したレーザ光(ここでは、P偏光)を通過させて第1のウィンドウを透過させ放電部52に入射する。偏光子57を通過して放電部52に入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0112】
円偏光ミラー56は、放電部52において増幅された直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光を、円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回り)のレーザ光に変換して、図中の上方に反射する。
【0113】
円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を通過する。自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0114】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によって図中の下方に反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0115】
フィードバックミラー55によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を再度通過する。
自励発振光フィルタ53を再度通過したレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、円偏光ミラー56によって図中の左方に反射される。円偏光ミラー56は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回り)のレーザ光を、直線偏光(ここでは、S偏光)のレーザ光に変換して反射する。
【0116】
円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過して放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
放電部52において再び増幅されたレーザ光(S偏光)は、偏光子57によって図中の下方向に反射される。
【0117】
偏光子57によって図中の下方向に反射されたレーザ光は、ミラー110によって、図中の右方向に反射され、増幅器45に入射する。増幅器45に入射したレーザ光は、増幅されてEUV光発生チャンバ(図1)に入射する。
【0118】
このように、2パス増幅を行う増幅器44の後段に、1パス増幅を行う増幅器45を更に設けるようにしても良い。
【0119】
なお、本実施形態においては、図21に示すように、自励発振光フィルタ53を円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間に配置しているが、放電部52と円偏光ミラー56との間や、偏光子51と放電部52との間に配置しても良い。また、円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間、放電部52と円偏光ミラー56との間、及び、偏光子51と放電部52との間の内の複数の場所に、複数の自励発振光フィルタをそれぞれ配置しても良い。
【0120】
次に、本発明の第7の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図22は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図22に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、2パス増幅を行う増幅器44と、1パス増幅を行う増幅器45と、ミラー110とを具備する。
【0121】
偏光子57は、発振器41から図中の上方に出射したレーザ光(ここでは、S偏光)を図中の右方向に反射して放電部52に入射する。偏光子57によって反射されて第1のウィンドウを透過し、放電部52に入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0122】
放電部52において増幅されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過し、自励発振光フィルタ53を通過する。自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生し、自励発振光が自励発振光フィルタ53側に出射した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0123】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(S偏光)は、λ/4波長板54を通過する。λ/4波長板54は、直線偏光(ここでは、S偏光)のレーザ光を円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回りのレーザ光に変換する。
【0124】
λ/4波長板54を通過したレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によって反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0125】
フィードバックミラー55によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、λ/4波長板54を再度通過する。λ/4波長板54は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回り)のレーザ光を直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光に変換する。
【0126】
λ/4波長板54を通過したレーザ光(P偏光)は、自励発振光フィルタ53を再び通過して第2のウィンドウを透過し、放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
【0127】
放電部52において再び増幅されたレーザ光(P偏光)は、第1のウィンドウを透過し偏光子57を通過して、増幅器45に入射する。増幅器45に入射したレーザ光は、増幅されてEUV光発生チャンバ(図1)に入射する。
【0128】
このように、2パス増幅を行う増幅器44の後段に、1パス増幅を行う増幅器45を更に設けるようにしても良い。
【0129】
なお、本実施形態においては、図22に示すように、自励発振光フィルタ53を放電部52とλ/4波長板54との間に配置しているが、λ/4波長板54とフィードバックミラー55との間や、偏光子51と放電部52との間に配置しても良い。また、放電部52とλ/4波長板54との間(図22)、λ/4波長板54とフィードバックミラー55との間、及び、偏光子51と放電部52との間の内の複数の場所に、複数の自励発振光フィルタをそれぞれ配置しても良い。
【0130】
次に、本発明の第8の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図23は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図23に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、2パス増幅を行う増幅器46と、1パス増幅を行う増幅器45とを具備する。
【0131】
偏光子57は、発振器41から図中の上方に出射したレーザ光(ここでは、S偏光)を図中の右側に反射して第1のウィンドウを透過し放電部52に入射する。放電部52に入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0132】
放電部52において増幅されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過し、円偏光ミラー56によって図中の上方に反射される。円偏光ミラー56は、放電部52において増幅された直線偏光(S偏光)のレーザ光を、円偏光(ここでは、進行方向に向かって時計方向回り)のレーザ光に変換して反射する。
【0133】
円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を通過する。自励発振光フィルタ53は、放電部52において自励発振が発生した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0134】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(進行方向に向かって時計方向回りの円偏光)は、フィードバックミラー55によって図中の下方に反射される。フィードバックミラー55は、進行方向に向かって時計方向回りの円偏光のレーザ光を進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光のレーザ光に変換する。
【0135】
フィードバックミラー55によって反射されたレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、自励発振光フィルタ53を再度通過する。
自励発振光フィルタ53を再度通過したレーザ光(進行方向に向かって反時計方向回りの円偏光)は、円偏光ミラー56によって図中の左方向に反射される。円偏光ミラー56は、円偏光(ここでは、進行方向に向かって反時計方向回り)のレーザ光を、直線偏光(ここでは、P偏光)のレーザ光に変換して反射する。
【0136】
円偏光ミラー56によって反射されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過し、放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
放電部52において再び増幅されたレーザ光(P偏光)は、第1のウィンドウを透過し偏光子57を通過して、増幅器45に入射する。増幅器45に入射したレーザ光は、増幅されてEUV光発生チャンバ(図1)に入射する。
【0137】
このように、2パス増幅を行う増幅器46の後段に、1パス増幅器45を更に設けるようにしても良い。
【0138】
なお、本実施形態においては、図23に示すように、自励発振光フィルタ53を円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間に配置しているが、放電部52と円偏光ミラー56との間や、偏光子51と放電部52との間に配置しても良い。また、円偏光ミラー56とフィードバックミラー55との間、放電部52と円偏光ミラー56との間、及び、偏光子51と放電部52との間の内の複数の場所に、複数の自励発振光フィルタをそれぞれ配置しても良い。
【0139】
次に、本発明の第9の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図24は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図24に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、増幅器44〜46と、光学系111とを具備する。
【0140】
増幅器44は、発振器41から入射したレーザ光(S偏光)を2パス増幅したレーザ光(P偏光)を光学系111に出射する。
光学系111は、増幅器44から入射したレーザ光(P偏光)をS偏光に変換して図中の上方に出射する。
【0141】
図25は、光学系111を示す模式図である。図25に示すように、この光学系111は、ミラー121と、λ/2波長板122とを具備する。
増幅器44から出射したレーザ光(P偏光)は、ミラー121によって図中の上方に反射され、λ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したP偏光は、S偏光に変換されて増幅器46に入射する。
【0142】
再び図24を参照すると、増幅器46は、光学系111から入射したレーザ光(S偏光)を2パス増幅したレーザ光(P偏光)を増幅器45に出射する。
増幅器45は、増幅器46から入射したレーザ光(P偏光)を増幅してEUV光発生チャンバ(図1)に出射する。
【0143】
このように、2パス増幅を行う増幅器を多段に設けるようにしても良い。
【0144】
なお、本実施形態においては、図25に示すように、光学系111をミラー121とλ/2波長板122とで構成しているが、図26に示すように、光学系111を2枚のミラー123、124で構成するようにしても良い。
図26の(a)又は(b)に示すように、増幅器44からX軸の逆方向に出射したレーザ光(P偏光)は、ミラー123によってZ軸方向に反射され、更に、ミラー124によってY軸の逆方向に反射される。
【0145】
また、光学系111を、図27に示すように、2枚の円偏光ミラー125、126で構成するようにしても良い。
図27に示すように、増幅器44から出射したレーザ光(P偏光)は、円偏光ミラー125によって円偏光(進行方向に向かって反時計回りの円偏光)に変換されて図中の上方に反射される。円偏光ミラー125によって図中の上方に反射されたレーザ光(進行方向に向かって反時計回りの円偏光)は、円偏光ミラー126によってS偏光に変換されて図中の右方向に反射される。
【0146】
次に、本発明の第10の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図28は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図28に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、増幅器161とを具備する。増幅器161は、放電部52と、偏光子57と、λ/2波長板122と、ミラー171〜174とを含んでいる。なお、放電部52の構成は、先に説明した第1〜第9の実施形態における放電部52(図5、図15参照)と同様であり、図5、図15に示すウインドウ131、132が本発明における第1、第2のウインドウに対応する。
【0147】
発振器41は、レーザ光(ここでは、S偏光)を偏光子57に出射する。発振器41から出射されたレーザ光(S偏光)は、偏光子57によって図中の下方向に反射され、更に、ミラー171によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に入射する。放電部52に入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0148】
放電部52において増幅されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過してλ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したS偏光は、P偏光に変換される。
【0149】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(P偏光)は、ミラー172によって図中の上方向に反射され、更に、ミラー173によって図中の左方向に反射される。ミラー173によって反射されたレーザ光(P偏光)は、ミラー174によって図中の下方向に反射され、偏光子57に入射する。
【0150】
偏光子57に入射したレーザ光(P偏光)は、偏光子57を通過し、ミラー171によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
【0151】
放電部52において再び増幅されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過してλ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したP偏光は、S偏光に変換される。
【0152】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(S偏光)は、ミラー172によって図中の上方向に反射され、更に、ミラー173によって図中の左方向に反射される。ミラー173によって反射されたレーザ光(S偏光)は、ミラー174によって図中の下方向に反射され、偏光子57に入射する。
【0153】
偏光子57に入射したレーザ光(S偏光)は、偏光子57によってEUV光発生チャンバ(図1)の方向(図中の右方向)に反射される。
【0154】
なお、本実施形態においては、S偏光からP偏光への変換及びP偏光からS偏光への変換のためにλ/2波長板122を用いているが、他の光学素子又は光学系を用いることとしても良い。例えば、λ/2波長板122に代えて、図25〜図27に示すような光学系111を用いることとしても良い。
また、自励発振光フィルタ(図6、図12、図13等参照)をレーザ光路中に更に配置することとしても良い。
【0155】
次に、本実施形態の作用について、先に説明した第1〜第9の実施形態と比較しながら説明する。
第1〜第9の実施形態に係るドライバーレーザにおいては、フィードバックミラー55を用いて、放電部52から出射したレーザ光を放電部52に再度入射させている。そして、フィードバックミラー55は、基本的に、その光学反射面がレーザ光軸と略直交するように配置される。しかしながら、そのように配置されるフィードバックミラー55は、放電部52のゲイン(増幅度)が高い場合に、放電部52内のレーザ媒質が励起状態であるときに発生するASE(Amplified. Spontaneous Emission)光を共振・増幅させてしまう自励発振を誘発する。
【0156】
一方、本実施形態に係るドライバーレーザによれば、光学素子として偏光子57、λ/2波長板122、及び、ミラー171〜174を用いているが、フィードバックミラーは用いていない。そして、これらの光学素子の内の偏光子57は、その光学面がレーザ光軸に対して所定の角度を為すように配置されるものであり、自励発振に寄与しない。また、λ/2波長板122は、その光学面をレーザ光軸に対して±5°程度は傾ける事が可能であり、放電部52との間の距離が所定以上となる位置に配置すれば、自励発振現象を回避することが可能である。従って、本実施形態に係るドライバーレーザによれば、第1〜第9の実施形態に係るドライバーレーザよりも自励発振をより発生し難くすることが可能である。
【0157】
また、λ/2波長板122に代えて図25〜図27に示すような光学系111を用いることとすれば、レーザ光軸に略直交する光学素子を無くすことができるので、自励発振を更に発生し難くすることが可能である。
【0158】
次に、本発明の第11の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図29は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図29に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、増幅器162とを具備する。増幅器162は、放電部52と、偏光子57と、λ/2波長板122と、ミラー171〜174とを含んでいる。
【0159】
発振器41は、レーザ光(ここでは、S偏光)を偏光子57に出射する。発振器41から出射されたレーザ光(S偏光)は、偏光子57によって図中の下方向に反射され、更に、ミラー171によって図中の左方向に反射され、λ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したS偏光は、P偏光に変換される。
【0160】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過して放電部52に入射する。放電部52に入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0161】
放電部52において増幅されたレーザ光(P偏光)は、第1のウィンドウを透過してミラー172によって図中の上方向に反射され、更に、ミラー173によって図中の右方向に反射される。ミラー173によって反射されたレーザ光(P偏光)は、ミラー174によって図中の下方向に反射され、偏光子57に入射する。
【0162】
偏光子57に入射したレーザ光(P偏光)は、偏光子57を通過し、ミラー171によって図中の左方向に反射され、λ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したP偏光は、S偏光に変換される。
【0163】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過して放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
【0164】
放電部52において再び増幅されたレーザ光(S偏光)は、第1のウィンドウを透過してミラー172によって図中の上方向に反射され、更に、ミラー173によって図中の右方向に反射される。ミラー173によって反射されたレーザ光(S偏光)は、ミラー174によって図中の下方向に反射され、偏光子57に入射する。
【0165】
偏光子57に入射したレーザ光(S偏光)は、偏光子57によってEUV光発生チャンバ(図1)の方向(図中の右方向)に反射される。
【0166】
なお、本実施形態においては、S偏光からP偏光への変換及びP偏光からS偏光への変換のためにλ/2波長板122を用いているが、他の光学素子又は光学系を用いることとしても良い。例えば、λ/2波長板122に代えて、図25〜図27に示すような光学系111を用いることとしても良い。
また、自励発振光フィルタ(図6、図12、図13等参照)をレーザ光路中に更に配置することとしても良い。
【0167】
次に、本実施形態の作用について、先に説明した第10の実施形態と比較しながら説明する。
第10の実施形態に係るドライバーレーザにおいては、偏光子57が増幅器161内の図中左側(発振器41側)に配置されており(図28参照)、レーザ光が後段の装置(レーザ光をEUV光発生チャンバや他の増幅器等へ導く光学系等)に向かって出射される位置(偏光子57の位置)と後段の装置との間の距離が長くなっている。また、偏光子57から後段の装置に向かって出射されるレーザ光が、ミラー172によって反射されてミラー173に向かうレーザ光と交差する。
【0168】
一方、本実施形態に係るドライバーレーザにおいては、偏光子57が、増幅器162内の図中右側(EUV光発生チャンバ側)に配置されており、レーザ光が後段の装置に向かって出射される位置(偏光子57の位置)と後段の装置との間の距離が短くなっている。そのため、第10の実施形態に係るドライバーレーザと比較して、レーザ光が出射される位置を把握することが容易である。また、偏光子57から後段の装置に向かって出射されるレーザ光が、他のレーザ光と交差することがない。そのため、第10の実施形態に係るドライバーレーザと比較して、偏光子57から出射されるレーザ光の後段の光路配置が容易である。
【0169】
次に、本発明の第12の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図30は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図30に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、増幅器163とを具備する。増幅器163は、放電部52と、偏光子57、58と、λ/2波長板122と、ミラー171、172とを含んでいる。
【0170】
発振器41は、レーザ光(ここでは、P偏光)を偏光子57に出射する。発振器41から出射されたレーザ光(P偏光)は、偏光子57を通過して第1のウィンドウを透過し、放電部52に入射する。放電部52に入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0171】
放電部52において増幅されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過してλ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したP偏光は、S偏光に変換される。
【0172】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(S偏光)は、偏光子58によって図中の上方向に反射され、更に、ミラー171によって図中の左方向に反射される。ミラー171によって反射されたレーザ光(S偏光)は、ミラー172によって図中の下方向に反射され、偏光子57に入射する。
【0173】
偏光子57に入射したレーザ光(S偏光)は、偏光子57によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に再び増幅される。
【0174】
放電部52において増幅されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過してλ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したS偏光は、P偏光に変換される。
【0175】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(P偏光)は、偏光子58を通過し、EUV光発生チャンバ側に出射する。
【0176】
なお、本実施形態においては、S偏光からP偏光への変換及びP偏光からS偏光への変換のためにλ/2波長板122を用いているが、他の光学素子又は光学系を用いることとしても良い。例えば、λ/2波長板122に代えて、図25〜図27に示すような光学系111を用いることとしても良い。
また、自励発振光フィルタ(図6、図12、図13等参照)をレーザ光路中に更に配置することとしても良い。
【0177】
本実施形態に係るドライバーレーザにおいては、発振器41、偏光子57、放電部52、λ/2波長板122、及び、偏光子58を直線上に配置することができる。そのため、先に説明した第10及び第11の実施形態に係るドライバーレーザと比較して、光路を直感的に把握することが容易である。
【0178】
また、発振器41、偏光子57、放電部52、λ/2波長板122、及び、偏光子58が配置されている直線上から外れる光路、すなわち、偏光子58〜ミラー171〜ミラー172〜偏光子57という光路には、レーザ光が1度しか通過しない。そのため、第10及び第11の実施形態に係るドライバーレーザと比較して、オペレータがドライバーレーザの調整中に手等を偏光子58〜ミラー171〜ミラー172〜偏光子57という光路に入れて怪我を負ってしまう危険性を低くすることができるので、安全上好適である。
【0179】
次に、本発明の第13の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図31は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図31に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、増幅器164とを具備する。増幅器164は、放電部52、59と、自励発振光フィルタ53と、偏光子57と、λ/2波長板122と、ミラー171〜174とを含んでいる。なお、放電部59の構成は、放電部52(図5、図15参照)と同様であり、図5、図15に示すウインドウ131、132が本発明における第1、第2のウインドウに対応する。
【0180】
発振器41は、レーザ光(ここでは、S偏光)を偏光子57に出射する。発振器41から出射されたレーザ光(S偏光)は、偏光子57によって図中の下方向に反射され、更に、ミラー171によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に入射する。放電部52に入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0181】
放電部52において増幅されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過してλ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したS偏光は、P偏光に変換される。
【0182】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(P偏光)は、ミラー172によって図中の上方向に反射され、自励発振光フィルタ53に入射する。自励発振光フィルタ53は、放電部52、59において自励発振が発生し、自励発振光が自励発振光フィルタ53に入射した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0183】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(P偏光)は、ミラー173によって図中の左方向に反射される。ミラー173によって反射されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過して放電部59に入射する。放電部59に入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0184】
放電部59において増幅されたレーザ光(P偏光)は、第1のウィンドウを透過してミラー174によって図中の下方向に反射され、偏光子57に入射する。
【0185】
偏光子57に入射したレーザ光(P偏光)は、偏光子57を通過し、ミラー171によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0186】
放電部52において増幅されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過してλ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したP偏光は、S偏光に変換される。
【0187】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(S偏光)は、ミラー172によって図中の上方向に反射され、自励発振光フィルタ53に入射する。自励発振光フィルタ53は、放電部52、59において自励発振が発生し、自励発振光が自励発振光フィルタ53に入射した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0188】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(S偏光)は、ミラー173によって図中の左方向に反射される。ミラー173によって反射されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過して放電部59に再び入射する。放電部59に再び入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0189】
放電部59において増幅されたレーザ光(S偏光)は、第1のウィンドウを透過してミラー174によって図中の下方向に反射され、偏光子57に入射する。
【0190】
偏光子57に入射したレーザ光(S偏光)は、偏光子57によってEUV光発生チャンバ(図1)の方向(図中の右方向)に反射される。
【0191】
本実施形態に係るドライバーレーザによれば、2つの放電部52、59に2回ずつレーザ光の増幅を行わせることができるので、高いゲイン(増幅度)を得ることができる。但し、複数の放電部を使用する場合、複数の放電部が光学的に結合し、各放電部のASE光を増幅し合って自励発振に至ることが起こり得る。そのため、図31に示すように、レーザ光の光路上に自励発振光フィルタ53を配置することが好ましい。
【0192】
次に、本発明の第14の実施形態に係るドライバーレーザについて説明する。
図32は、本実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。図32に示すように、このドライバーレーザは、発振器41と、増幅器165とを具備する。増幅器165は、放電部52、59と、自励発振光フィルタ53と、偏光子57、58と、λ/2波長板122と、ミラー171〜174とを含んでいる。
【0193】
発振器41は、レーザ光(ここでは、S偏光)を偏光子57に出射する。発振器41から出射されたレーザ光(S偏光)は、偏光子57によって図中の下方向に反射され、更に、ミラー171によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に入射する。放電部52に入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0194】
放電部52において増幅されたレーザ光(S偏光)は、第2のウィンドウを透過してλ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したS偏光は、P偏光に変換される。
【0195】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(P偏光)は、ミラー172によって図中の上方向に反射され、自励発振光フィルタ53に入射する。自励発振光フィルタ53は、放電部52、59において自励発振が発生し、自励発振光が自励発振光フィルタ53に入射した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0196】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(P偏光)は、偏光子58を通過し、ミラー173によって図中の左方向に反射される。ミラー173によって反射されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過して放電部59に入射する。放電部59に入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0197】
放電部59において増幅されたレーザ光(P偏光)は、第1のウィンドウを透過しミラー174によって図中の下方向に反射され、偏光子57に入射する。
【0198】
偏光子57に入射したレーザ光(P偏光)は、偏光子57を通過し、ミラー171によって図中の右方向に反射され、第1のウィンドウを透過して放電部52に再び入射する。放電部52に再び入射したレーザ光(P偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0199】
放電部52において増幅されたレーザ光(P偏光)は、第2のウィンドウを透過してλ/2波長板122に入射する。λ/2波長板122は、そこを通過する光の偏光面を90°回転させる。すなわち、λ/2波長板122に入射したP偏光は、S偏光に変換される。
【0200】
λ/2波長板122を通過したレーザ光(S偏光)は、ミラー172によって図中の上方向に反射され、自励発振光フィルタ53に入射する。自励発振光フィルタ53は、放電部52、59において自励発振が発生し、自励発振光が自励発振光フィルタ53に入射した場合に、自励発振光を減衰させる。
【0201】
自励発振光フィルタ53を通過したレーザ光(S偏光)は、偏光子58によって図中の左方向に反射され、偏光子57に入射する。
偏光子57に入射したレーザ光(S偏光)は、図中の上方向に反射され、更に、ミラー174によって図中の右方向に反射される。ミラー174によって反射されたレーザ光(S偏光)は、第1のウィンドウを透過して放電部59に入射する。放電部59に入射したレーザ光(S偏光)は、励起されたレーザ媒質を通過する際に増幅される。
【0202】
放電部59において増幅されたレーザ光(S偏光)は、ミラー173によって図中の下方向に反射され、偏光子58に入射する。
【0203】
偏光子58に入射したレーザ光(S偏光)は、偏光子58によってEUV光発生チャンバ(図1)の方向(図中の右方向)に反射される。
【0204】
先に説明したように、複数の放電部を使用する場合、複数の放電部が光学的に結合し、各放電部のASE光を増幅し合って自励発振に至ることが起こり得る。但し、ASE光の偏光方向はランダムであるので、放電部間の光路上においてレーザ光の偏光方向を所定の方向に規制することにより、ASE光のエネルギーを低減する事が出来る。そこで、本実施形態に係るドライバーレーザにおいては、2つの偏光子57、58を放電部52と放電部59との間にそれぞれ配置することにより、放電部52と放電部59との間を伝播するレーザ光の偏光純度を向上させている。これにより、放電部52と放電部59との間での光学的結合による自励発振を発生し難くすることが可能である。なお、自励発振をより発生し難くする為に、図32に示すように、自励発振光フィルタ53を光路上に挿入しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0205】
本発明は、半導体ウエハ等を露光する極端紫外光を発生するLPP型EUV光源のターゲットへ光を照射するドライバーレーザにおいて利用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0206】
【図1】本発明に係る極端紫外光源用ドライバーレーザが適用されるLPP型EUV光源装置の概要を示す模式図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るドライバーレーザの原理を示す模式図である。
【図3】ブリュースタプレートの入射角度−反射率特性を示す模式図である。
【図4】図2に示す発振器を示す模式図である。
【図5】図2に示す増幅器を示す模式図である。
【図6】図5に示す自励発振光フィルタの例を示す模式図である。
【図7】可飽和吸収体の入射レーザ光強度−透過率特性を示す模式図である。
【図8】SF混合ガスの入射レーザ光強度−透過率特性を示す模式図である。
【図9】増幅器に入出射するレーザ光の波形を示す模式図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係るドライバーレーザの変形例を示す模式図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係るドライバーレーザの変形例を示す模式図である。
【図12】図5に示す自励発振光フィルタの他の例を示す模式図である。
【図13】図5に示す自励発振光フィルタの他の例を示す模式図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図15】図14に示す増幅器を示す模式図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係るドライバーレーザの変形例を示す模式図である。
【図17】本発明の第2の実施形態に係るドライバーレーザの変形例を示す模式図である。
【図18】本発明の第3の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図20】本発明の第5の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図21】本発明の第6の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図22】本発明の第7の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図23】本発明の第8の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図24】本発明の第9の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図25】図24に示す光学系111の例を示す模式図である。
【図26】図24に示す光学系111の他の例を示す模式図である。
【図27】図24に示す光学系111の他の例を示す模式図である。
【図28】本発明の第10の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図29】本発明の第11の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図30】本発明の第12の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図31】本発明の第13の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図32】本発明の第14の実施形態に係るドライバーレーザを示す模式図である。
【図33】発振増幅型レーザの構成を示す模式図である。
【図34】増幅器の増幅特性を示す模式図である。
【符号の説明】
【0207】
1…ドライバーレーザ、2…EUV光発生チャンバ、3…ターゲット物質供給部、4…光学系、5…ターゲット物質、6…レーザ光、7…EUV光、8…集光ミラー、10…発振増幅型レーザ、11、41…発振器、12、42〜46、161〜165…増幅器、21…窓、31…ターゲット噴射ノズル、32…ターゲット回収筒、51、57、58…偏光子、52、59…放電部、52a、52b、59a、59b…電極、53…自励発振光フィルタ、54、106…λ/4波長板、55…フィードバックミラー、56、125、126…円偏光ミラー、61…集光レンズ、62…可飽和吸収体セル、62a、62b…ウィンドウ、63…コリメートレンズ、64…ピンホール板、64a…ピンホール、100…レーザ媒質、101…リアミラー、102…フロントミラー、104…偏光ビームスプリッタ、105…ポッケルスセル、107…反射ミラー、110、121、123、124…ミラー、111…光学系、122…λ/2波長板、131、132…ウィンドウ、141〜148…放電管、141a、141b、142a、142b…電極、151〜158、171〜174…ミラー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光源から出力されたレーザ光をターゲット物質に照射することにより前記ターゲット物質をプラズマ化して極端紫外光を発生させる極端紫外光源装置において用いられるドライバーレーザであって、
レーザ光を発振して出力する発振器と、
前記発振器から出力されたレーザ光を入力し、該レーザ光を増幅して出力する少なくとも1つの増幅器とを具備し、
前記増幅器が、
レーザ光を入出力するための第1及び第2のウィンドウを有し、放電により励起された媒体のエネルギーを用いて、前記第1のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して前記第2のウィンドウから出力し、前記第2のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して前記第1のウィンドウから出力する放電部と、
前記放電部の前記第2のウィンドウから出力されたレーザ光を前記放電部の前記第2のウィンドウに出力する第1の光学系と、
前記発振器から出力されたレーザ光を前記放電部の前記第1のウィンドウに出力すると共に、前記放電部の前記第1のウィンドウから出力されたレーザ光を所定の方向に出力する第2の光学系と、
前記放電部の前記第1及び/又は第2のウィンドウから出力された自励発振光を減衰させる少なくとも1つの自励発振光減衰手段と、
を含む、極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項2】
レーザ光源から出力されたレーザ光をターゲット物質に照射することにより前記ターゲット物質をプラズマ化して極端紫外光を発生させる極端紫外光源装置において用いられるドライバーレーザであって、
レーザ光を発振して出力する発振器と、
前記発振器から出力されたレーザ光を入力し、該レーザ光を増幅して出力する少なくとも1つの増幅器とを具備し、
前記増幅器が、
レーザ光を入力するための第1のウィンドウ及びレーザ光を出力するための第2のウィンドウを有し、放電により励起された媒体のエネルギーを用いて、前記第1のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して前記第2のウィンドウから出力する放電部と、
前記発振器から出力されたレーザ光を前記放電部の前記第1のウィンドウに出力し、その後に前記放電部の前記第2のウィンドウから出力されたレーザ光を前記放電部の前記第1のウィンドウにもう1度出力し、その後に前記放電部の前記第2のウィンドウから出力されたレーザ光を所定の方向に出力する光学系と、
を含む、極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項3】
レーザ光源から出力されたレーザ光をターゲット物質に照射することにより前記ターゲット物質をプラズマ化して極端紫外光を発生させる極端紫外光源装置において用いられるドライバーレーザであって、
レーザ光を発振して出力する発振器と、
前記発振器から出力されたレーザ光を入力し、該レーザ光を増幅して出力する少なくとも1つの増幅器とを具備し、
前記増幅器が、
レーザ光を入出力するための第1及び第2のウィンドウをそれぞれ有し、放電により励起された媒体のエネルギーを用いて、前記第1のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して前記第2のウィンドウから出力し、前記第2のウィンドウに入力されたレーザ光を増幅して前記第1のウィンドウから出力する第1及び第2の放電部と、
前記発振器から出力されたレーザ光を前記第1の放電部の前記第1のウィンドウに出力し、その後に前記第1の放電部の前記第2のウィンドウから出力されたレーザ光を前記第2の放電部の前記第1のウィンドウに出力し、その後に前記第2の放電部の前記第2のウィンドウから出力されたレーザ光を前記第1の放電部の前記第1のウィンドウに出力し、その後に前記第1の放電部の前記第2のウィンドウから出力されたレーザ光を前記第2の放電部の前記第1のウィンドウ又は前記第2のウィンドウに出力し、その後に前記第2の放電部の前記第2のウィンドウ又は前記第1のウィンドウから出力されたレーザ光を所定の方向に出力する光学系と、
を含む、極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項4】
前記第1及び/又は第2の放電部の前記第1及び/又は第2のウィンドウから出力された自励発振光を減衰させる少なくとも1つの自励発振光減衰手段を更に含む、請求項2又は3記載の極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項5】
前記自励発振光減衰手段が、可飽和吸収体が充填され、前記可飽和吸収体にレーザ光を入出力するための2つのウィンドウが設けられたセルを含む、請求項1又は4記載の極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項6】
前記自励発振光減衰手段の2つのウィンドウが、レーザ光の光軸に対してブリュースタ角を為すように設けられている、請求項5記載の極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項7】
前記自励発振光減衰手段が、
レーザ光を集光して前記2つのウィンドウの一方に入射するための集光手段と、
前記2つのウィンドウの他方から出射するレーザ光をコリメートするためのコリメート手段と、
を更に含む、請求項5又は6記載の極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項8】
前記自励発振光減衰手段の2つのウィンドウが、ピンホール状の径を有しており、
前記自励発振光減衰手段が、ピンホール板の機能を兼ね備えている、請求項7記載の極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項9】
前記自励発振光減衰手段が、
ピンホールが形成されたピンホール板と、
レーザ光を前記ピンホールに集光させるための集光手段と、
前記ピンホールを通過したレーザ光をコリメートするためのコリメート手段と、
を含む、請求項1又は4記載の極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項10】
前記発振器及び/又は前記増幅器が、レーザ媒質としてCOを含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。
【請求項11】
前記発振器と前記少なくとも1つの増幅器とが、MOPA(Master Oscillator Power Amplifier)又はMOPO(Master Oscillator Power Oscillator)を構成する、請求項1〜10のいずれか1項記載の極端紫外光源装置用ドライバーレーザ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図12】
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【図13】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−85292(P2008−85292A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−89367(P2007−89367)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成17年度新エネルギー・産業技術総合開発機構「極端紫外線(EUV)露光システムの基盤開発」委託研究、産業活力再生特別措置法第30条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000001236)株式会社小松製作所 (1,686)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】