説明

極薄織物及びその製造方法

織物は、全体で約30デニールより低く、フィラメントにつき約10デニールより低い糸と、m当たり約177本の糸を超える密度と、約3.2milより小さい厚みとを含むことができる。織物は、約60g/mより低い重量をさらに含むことができる。織物は、従来の不織布以上の性能を有することができる。このような織物を作成する方法は、フィラメントをマルチフィラメントの糸に撚り合せ、隣接する糸を織機に向けて平行に送って糸が互いに密に織られるようにし、糸を織機のビームに設置する間と機織りの間、糸に一貫した張力を維持し、及び/又は織物を増加した熱と圧力にさらして糸をよりきつく圧縮するようにすることを含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極薄、高密度及び低デニール織物、極薄、高密度及び低デニール織物を含む機器、極薄、高密度及び低デニール織物を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
関連出願への相互参照
この出願は、2009年12月8日に出願された米国仮特許出願第61/287989号の利益を主張し、該出願はその全体をここに参照によって組み込まれる。
【0003】
血管及び血管内グラフト及びステントグラフトのような医療機器は、さまざまな機能を提供する織物コンポーネントを含んでいる。例えば、血管内機器の織物コンポーネントは、埋め込まれた内腔又は組織に対して機器の封着を促進するように機能することができる。このような機器及び織物コンポーネントの標的部位への挿入は、機器及び織物コンポーネントがデリバリーカテーテル又はカニューレの内腔を通り抜けることを必要とすることがある。
【0004】
埋め込み型医療機器に使用された従来の織物は、一般に約40デニール以上の線密度を有する糸を利用している。例えば、心臓弁として又は血管修復のために使用できる心臓血管用埋め込み型織物は、約40デニール以上の糸を含んでいる。この範囲の線密度を有するグラフトを含む埋め込み型機器は、典型的にはフレンチカテーテルスケールにおいて16〜22フレンチ以上のカテーテルを通じて送られることができる。(Frと略される)フレンチカテーテルスケールは、通常、カテーテルを含む円筒状の医療機器の外径を測定するのに広範に使用されている。フレンチシステムでは、ミリメートル単位のカテーテルの径は、フレンチサイズを3で割ることによって決定することができる。したがって、フレンチサイズが減少するにつれてカテーテルの径も小さくなる。
【0005】
一定の医療環境においては、埋め込み型機器を送るために小さな外径のカテーテルを用いることが望ましいことがある。例えば、経皮手段に依るように、手術部位にアクセスするための解剖学的領域が小さな患者において、又は修復する解剖学的位置が平均より小さい患者において、小径のカテーテルを使用することが望ましい。小径のデリバリーカテーテルを利用するため、そのようなカテーテルを通って送られる埋め込み型機器も同様に小さくする必要がある。特に、小径のデリバリーカテーテルは、小径を有する埋め込み型機器を必要とする。
【0006】
したがって、埋め込み型機器が全体で小径を有するようになり、この機器が小径のカテーテルを通じて送られるような極薄織物が必要とされている。厚い埋め込み型織物と同様の性能特性を有するこのような織物が必要とされている。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、極薄、高密度、低デニール織物、極薄、高密度、低デニール織物を含む機器、極薄、高密度、低デニール織物を作成する方法の実施形態を含んでいる。
【0008】
例示する実施形態において、このような織物は、全体で約30デニールより小さく、フィラメント(繊維)について約10デニールより小さい糸、平方メートル(m)につき約177本の糸を超える密度、約3.2ミル(mil)より小さい厚みを含むことができる。この織物は、約60g/cmより小さい重量をさらに含むことができる。いくつかの実施形態においては、この織物は埋め込み型医療機器をさらに含むことができる。一定の実施形態においては、埋め込み型医療機器は、例えば10フレンチ以下のデリバリーカテーテルのように経皮的挿入に使用することができる小径の導入カテーテルを通過させることができる。いくつかの実施形態においては、この糸は、マルチフィラメントの糸を含み、それぞれの糸は10本のフィラメントを含み、全体のデニールは約20であることができる。この糸は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン及び/又はポリエチレン糸を含むことができる。この織物のいくつかの実施形態は、120mm Hgの圧力において約400cc/min/cmより小さい水透過速度を含むことができる。この織物のいくつかの実施形態は、約20ポンド(lbs)を超える強いプローブ破裂強度を含むことができる。この糸のいくつかの実施形態は、インチ当たり約25lbsより大きい引っ張り強度を含むことができる。
【0009】
本発明のいくつかの実施形態は、極薄、高密度、低デニール織物、極薄、高密度、低デニール織物を含む器具を製造する方法を含むことができる。このような方法は、全体で約30デニールより小さく、フィラメントにつき約10デニールより小さい糸、mについて約177本を越える糸を含む密度、約3.2milより小さい厚さを有する織物を製造し、織物の製造に先行して糸にサイズを塗る、又は被覆する方法を含むことができる。この糸は、マルチフィラメントの糸を含み、この方法はフィラメントを撚り合わせることをさらに含むことができる。この方法のいくつかの実施形態は、隣接する糸を織機に向けて平行に送りって糸がより密に織られるようにすることを含むことができる。この方法のいくつかの実施形態は、糸を織機のビームに配置する間及び織機で織る間に糸に一貫した張力を維持することをさらに含むことができる。この方法のいくつかの実施形態は、織物を増加した熱と圧力にさらして糸をより緊密に引き締めることを含むことができる。
【0010】
本発明の織物、装置及び/又は方法の特徴は、本発明の1以上の実施形態において、単一で又は組み合わせて実施することができる。当業者に実現できるように、本発明による織物、機器及び/又は方法の多くの異なった実施形態が可能である。この発明のさらなる使用、利益及び特徴は、ここでの詳細な説明において議論される例示のための実施形態で説明され、以下の検討によって当業者により明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0011】
この明細書の目的のため、特記する場合を除いて、明細書で用いられる量を示す数、条件等は、すべての例において「約」という用語によって修正されているものと理解されるべきである。したがって、特記しない限り、以下の明細書で説明する数値パラメータは、ここで記載される実施形態によって得られるように求められる所望の性質によって変化し得る。最低限でも、特許請求の範囲と均等の出願に限定しようとする試みとしてではなく、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効数字の桁の観点及び通常の数字を丸める技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0012】
記載された実施形態の広い範囲を説明する数値範囲とパラメータは近似的なものであるにもかかわらず、具体例において説明される数値はできる限り精密に報告されている。しかしながら、どの数値も、それぞれのテストする測定に見られる標準偏差に由来するある誤差を本質的に含んでいる。また、ここで開示される全ての範囲は、包含される部分的な範囲のいずれか及びすべてを網羅するものと理解される。例えば、「1乃至10」と提示された範囲は、最小値の1と最大値の10の間(かつ包含する)いずれかの及びすべての部分的な領域と見なされる。すなわち、最小値の1以上で始まるすべての部分的な領域、例えば1乃至6.1、最大値の10以下で終わるすべての部分的な領域、例えば5.5乃至10である。なお、「ここに組み込まれる」によって参照されるものは、その全体が組み込まれるものと理解される。
【0013】
この明細書と添付の請求範囲において用いられるように、単数形の“a”、“an”と“the”は、特記する場合を除いて複数の参照を含んでいる。したがって、例えば、“a yarn”(「糸」)は単一の糸又は1本を越える糸を意味することを意図している。この明細書のために、「前方」、「後方」、「前」、「後」、「右」、「左」、「上方」、「下方」等の用語は、便宜上の用語であって、限定的な用語と解釈してはならない。
【0014】
本発明は、極薄、高密度、低デニール織物、極薄、高密度、低デニール織物を含む機器、極薄、高密度、低デニール織物を製造する方法の実施形態を含むことができる。
【0015】
例示のための実施形態において、極薄、高密度、低デニール織物は、約3.2milより薄い厚さの織物(「壁」)を含むことができる。milは長さの単位であり、1milは0.001インチに等しい。いくつかの好ましい実施形態において、織物壁の厚さは約4.0milであることができる。埋め込み型医療機器に利用された従来の織物は、一般的には約4.3mil乃至約5.5mil以上の厚みを有している。したがって、本発明の織物の実施形態は、従来の埋め込み型織物より薄くすることができる。
【0016】
例えば、心臓血管埋め込みのようないくつかの応用においては、グラフト織物はデリバリーカテーテルを通じて送るためのつぶれた容器に入り、埋め込み型機器の径の大部分を含むことができる。本発明の極薄織物の実施形態は、織物を組み込んだ埋め込み型医療機器の形状、断面径を低減することができる。したがって、このような極薄織物壁の厚さは、充填体積を最小にすることができるので、機器のカプセルサイズも最小にでき、機器はより小さな寸法のカテーテルを通じて導入される。例えば、約4mil以下の織物壁を有する極薄織物を含む埋め込み型機器は、約10のサイズを有するデリバリーカテーテルを通ることができる。よって、従来の埋め込み型織物と比べ、本発明の極薄織物は、より小径のカテーテルを通じて送られることができるより小径の機器パッケージという利益を提供することができる。このような極薄織物壁の厚さは、経皮的及び/又は低侵襲外科的応用に利用される埋め込み型機器を提供するのに用いることができる。
【0017】
ある応用においては、例えば、極薄、高密度、低デニール織物は、埋め込み型機器の少なくとも一部を含み、この機器は以前使用されたものと同じ又は小さい径を有するカテーテルを通ることができる。
【0018】
いくつかの実施形態においては、極薄織物は、従来の埋め込み型医療用織物より高密度の糸を含むことができる。極薄織物において平方メートル当たりより多くの糸を利用することによって、織物の密度は増加する。例えば、織物のいくつかの実施形態はm当たり177本の糸を含むことができる。ある実施形態において、縦糸又は糸端の増加量は、織物の密度を増加するために用いることができる。他の実施形態において、詰め込んだ糸、又は横糸は、織物の密度を増加させるために使用される。さらに他の実施形態において、縦糸端と詰め込む横糸は、織物の密度を増加させるために使用される。好ましくは、少なくとも縦糸端の増加した量が織物の密度を増加させるために使用される。低デニール糸を利用することによって、織物はこのように増加した密度になり、これは、従来の埋め込み型医療用織物より高密度である。
【0019】
しかしながら、低デニール糸を使用することによって、極薄織物の密度は従来の埋め込み型医療用織物におけるものよりは高いものの、極薄織物は従来の埋め込み型医療織物より低い重量を住している。いくつかの実施形態において、極薄織物は、60g/mより低い重量を有することができる。例えば、好ましい実施形態において、極薄織物は、約40g/m乃至58g/mの範囲の重量を有することができる。これに対して、従来の埋め込み型医療用織物は、約60g/mより大きい重量をしばしば有することがあり、例えば、約60g/mと約20g/mの間であることがある。
【0020】
いくつかの実施形態において、極薄織物は、全体で約30デニールより低く、それぞれのフィラメント(繊維)は約10デニールより低い小さい平均線密度を有している。この結果、より密に、又はよりきつく織られた織物が製造される。このようなデニールは、一般的な従来の医療用不織布の糸におけるものより低い。したがって、小径を有する織物を組み込んだ機器は、機器が小径のカテーテル、又は他の管状の構造を通じて送られるように作成される。さらに、極薄、高密度、低デニールの織物のいくつかの実施形態は、高デニール糸を含む織物のように流体密封である。
【0021】
高密度低デニール織物のいくつかの実施形態において、織物は、織り、編み、及び/又は不織によって製造される。織物のいくつかの実施形態は、管状の織物又は平坦な織物である。
【0022】
高密度低デニール織物のいくつかの実施形態に使用できる糸は、例えば、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリテトラフロオロエチレン(PTFE)、ナイロン、及び/又はポリエチレン糸である。埋め込み型医療機器に適し、低デニールにおいて望ましい特性を提供する他の糸も利用される。いくつかの好ましい実施形態において、極薄、高密度、低デニール織物において使用される糸は、マルチフィラメント糸である。他の実施形態において、糸はモノフィラメントを含んでいる。
【0023】
極薄で低デニール糸を含む埋め込み型医療織物は製造が困難である。これは、薄い、低デニール糸は、低い強度と耐磨耗性を有するので、織り、編み、又は他の製造の間の応力と歪みによる破損に影響を受けやすいためである。したがって、本発明のいくつかの実施形態においては、糸の一定の準備及び/又は管理は、製造の間に糸を応力や歪みから糸を保護することを助けている。
【0024】
例えば、いくつかの実施形態において、本発明の極薄織物は、織物の製造に先行して「スラッシング(slashing)」を施される。ここでの目的は、「スラッシング」は、織り、編みの間、又は不織布の製造の間に、糸を損傷から保護するために糸にサイズを塗る、又は被覆する処理として定義される。このような保護は、糸に一時的な強度と耐磨耗性を提供し、例えば織機や編み機における応力と歪みに耐えられるようにする。1つの実施形態においては、糸はサイズ剤に浸され、織機又は編み機で使用される前に乾燥される。一定の好ましいサイズ剤は、織り、編み又は他の製造の間、糸に強化された保護を提供する。
【0025】
いくつかの実施形態において、本発明の極薄織物は、個別のフィラメントに「撚り(twisting)」を施されて製造された糸を含むことができる。ここでの目的では、「撚り」は個別の糸を撚る、又は2本以上の平行な単一の又は撚り合わせた糸を一緒に撚ることで組み合わせ、撚り合わせた糸又は撚り糸を作成する処理として定義される。撚りは、大きな強度と滑らかさ、及び増強された均一性を得るために使用される。例えば、極薄織物の製造の実施形態に使用できる例示の糸は、10本の糸を含み、撚り合せて糸を作成している。換言すると、このような糸は、10本のフィラメントを含み、10本のフィラメントの撚糸の全体の線密度は約20デニールである。
【0026】
本発明の極薄織物のいくつかの実施形態において、糸が織機に入る流れは、平行になって織機に入るように制御されている。例えば、糸の個別のパッケージからの糸がビームに配置される「縦糸を設ける(warping)」処理の間、複数の縦糸の端部は、織機に送られるように互いに平行にビームに移動される。このような方法で織機に糸を動作させる制御によって、糸は互いに密に織られ、高密度の織物が出来上がる。
【0027】
本発明の極薄織物のいくつかの実施形態において、糸の張力は、糸の準備の間及び/又は織物の製造の間、糸に一貫した張力を提供するように制御される。換言すると、糸の張力は、「縦糸を設ける」間、及び機織りの間の両方において制御される。このように、低デニール糸の応力と歪みは最小化され、極薄織物の準備と製造の間、糸を保護する。また、制御され、一貫した張力を糸に提供することにより、密度の高い織物を製造できるようになる。
【0028】
極薄織物の実施形態が一旦製造されると、織物は埋め込み型医療機器に構成されて利用される。このような医療機器を構成する間、極薄織物は制御可能な方法によって増加した熱及び/又は圧力にさらされる。このような増加した熱及び/又は圧力は、低デニール繊維をよりきつく押し縮め、より高密度の織物を実現する。
【0029】
このような糸の準備、極薄織物の準備及び製造の間の糸の管理、織物の機器への制御された構成は、織り、編み、及び/又は他の過程によって実行される。これら及び他の工程のさまざまな組み合わせは、強く、柔軟で、圧縮することができる極薄織物を提供することを補助する。
【0030】
本発明の極薄、高密度、低デニール織物のいくつかの実施形態は、高デニール糸を有する従来の低密度織物と類似の性能特性を示す。
【0031】
例えば、いくつかの実施形態において、極薄、高密度、低デニール織物は、120mm Hgの圧力において約400cc/min/cmより小さい水浸透速度を有する。
【0032】
いくつかの実施形態において、極薄、高密度、低デニール織物は、約20lbsより大きいプローブ破裂強度を有している。プローブ破裂強度は、プローブを1インチ径の織物部分に押し込み、プローブが織物を突き破るときの力を測定することによって決定される(ISO7198による)。従来の埋め込み型医療用織物は、しばしば約20lbs以上のプローブ破裂強度を有していた。
【0033】
いくつかの実施形態において、極薄、高密度、低デニール織物は、インチ当たり約25lbsより大きい引っ張り、又は縦、強度を有する。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態は、極薄、高密度、低デニール織物及び/又は極薄、高密度、低デニール織物を含む機器を製造する方法を含む。このような方法は、全体で約30デニールより低く、フィラメントにつき約10デニールより低く、mにつき約177本の糸より高い密度、約3.2milより小さい厚みを有する糸を含む織物を製造し、織物の製造に先行して糸に保護被膜を付けることを含む。糸はマルチフィラメントの糸を含み、この方法はフィラメントを撚り合わせることをさらに含む。この方法のいくつかの実施形態は、隣接する糸を織機に向けて平行に送り、糸が互いにより密に織られるようにすることをさらに含む。この方法のいくつかの実施形態は、糸を織機のビームに設置する間と機織りする間、糸を一貫した張力に維持することをさらに含む。この方法のいくつかの実施形態は、織物を増加した熱と圧力にさらし、糸をきつく押し縮めるようにすることをさらに含む。
【0035】
本発明による極薄、高密度、低デニール織物のいくつかの実施形態は、埋め込み型医療機器に利用することができる。例えば、このような極薄織物は、心臓弁及びステントグラフトを含む心臓血管への応用、脊髄への適用、美容整形、及び/又は一般外科に利用される。いくつかの応用において、このような極薄織物は、人口素材の障壁鞘に利用することができる。他の応用においては、このような極薄織物は、人工グラフトを補修材料に利用することができる。本発明による埋め込み型医療用織物の一定の実施形態は、血管内埋め込みに適するどのような機器にも利用することができる。このような極薄、高密度、低デニール織物は、医療以外の分野にも利用することができる。たとえば、このような極薄織物は、産業、航空、通信、研究、及び/又は織物コンポーネントを有する機器が小径の管状構造に通されるか設置される、及び/又は低密度及び又は高デニール織物を組み込んだものに類似の性能特性を有する機器に望ましい他の応用に利用することができる。
【0036】
本発明は、特定の実施形態を参照して説明したが、これらの実施形態は本発明の原則の説明のために過ぎないものであると認められる。当業者は、本発明の極薄、高密度、低デニール織物、機器及び方法が、他の手法や実施形態によって解釈され、実施されることを理解するであろう。よって、ここでの記載は、本発明を限定するものとみなしてはならない。他の実施形態も本発明の範囲に該当するからである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体で約30デニールより低く、フィラメントにつき約10デニールより低い糸と、
当たり約177本の糸を超える密度と、
約3.2milより低い厚みと
を含む織物。
【請求項2】
前記織物は、約60g/mより低い重量をさらに含む請求項1記載の織物。
【請求項3】
前記織物は、埋め込み型医療機器をさらに含む請求項1記載の織物。
【請求項4】
前記埋め込み型医療機器は、10フレンチのサイズのデリバリーカテーテルを通ることができる請求項3記載の織物。
【請求項5】
前記糸は、マルチフィラメントの糸を含み、それぞれの糸は10本のフィラメントと全体で約20のデニールを有する請求項1記載の織物。
【請求項6】
前記糸は、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、及び/又はポリエチレン糸を含む請求項1記載の織物。
【請求項7】
前記織物は、120mm Hgの圧力において約400cc/mm/cmの水透過速度をさらに含む請求項1記載の織物。
【請求項8】
前記織物は、約20lbpを超えるプローブ破裂強度をさらに含む請求項1記載の織物。
【請求項9】
前記織物は、約25lbpを超えるプローブ破裂強度をさらに含む請求項1記載の織物。
【請求項10】
全体で約30デニールより低く、フィラメントにつき約10デニールより低い糸と、m当たり約177本の糸を超える密度と、約3.2milより低い厚みとを含む織物を製造し、
前記織物の製造に先行して前記糸に保護被覆を付す
ことを含む方法。
【請求項11】
前記糸はマルチフィラメントの糸を含み、前記フィラメントを撚り合わせることを含む請求項11記載の方法。
【請求項12】
隣接する糸を織機に向けて平行に送り、糸が互いに密に織られるようにすることをさらに含む請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記糸を織機のビームに設置する間及び機を織る間、前記糸に一貫した張力を維持することをさらに含む請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記糸を増加した熱及び圧力にさらし、前記糸をよりきつく押し縮めるようにすることをさらに含む請求項11記載の方法。

【公表番号】特表2013−515177(P2013−515177A)
【公表日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−544941(P2012−544941)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【国際出願番号】PCT/US2010/061291
【国際公開番号】WO2011/075721
【国際公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(509244260)エイテックス テクノロジーズ インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】