説明

楽器教則用コンテンツ配信システム及び教則用楽曲データ再生プログラム

【課題】インターネット等の通信網を介して楽器教則用コンテンツを配信する楽器教則用コンテンツ配信システムを提供する。
【解決手段】教則用コンテンツを構成する音声データと映像データと楽譜データと、これら各データを所定のフレームに表示可能とするプログラムデータとをパッケージ化して配信を行う。利用者の端末装置において教則用コンテンツである楽曲を再生する際には、楽曲再生を開始する任意の小節と楽曲再生を終了する任意の小節又は/及び楽曲再生を開始する任意の音符と楽曲再生を終了する任意の音符を指定して、楽器教則用コンテンツの再生が可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターネット等の通信網を介して楽器教則用コンテンツを配信する楽器教則用コンテンツ配信システム及び当該楽器教則用コンテンツを再生する教則用楽曲データ再生プログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、楽器演奏用の教材として、楽譜や楽器を演奏している指の状態を示した写真等を印刷した書籍等の印刷媒体、音声のみを記録したCD等の音声媒体、演奏状態を撮影し記録したDVD等の映像媒体が販売されている。
【0003】
しかしながら、書籍等の印刷媒体では、演奏者の実際の動きを十分に表すことは困難であり、利用者は実際の模範演奏も聴くことが出来ないため、利用者が楽器や奏法固有の動きを十分理解し演奏するのが難しく、なかなか上達しにくいというのが実情であった。また、CD等の音声媒体やDVD等の映像媒体では、実際の模範演奏を見たり聞くことが可能であるものの、実際の譜面のどの部分を演奏しているかまでを理解するには、当該楽器の専門的な知識が必要であるため、なかなか上達するには至らないとういのが実情であった。特に、このような教材を使用する利用者は、当該楽器の初学者であるため、これらの教材のみだけでは上達するのが困難で、上達するためには当該楽器のプロに直接学ぶ者が殆どであった。
【0004】
一方、これらの印刷媒体、音声媒体、映像媒体を販売している業者は、一旦これらの教材を製作した後には増刷することは行わず、再度新しい教材を作成するのが常であった。これは、増刷では販売数量が多く望めないため、書店等の販売店が取り扱いをためらう場合が多いこと、逆に新しい教材であればある程度の販売数量を望めるためであったが、新しい教材の制作もコストがかかっていた。
また、例えば、利用者が教材の一部の購入を望んだ場合であっても、教材全てを購入しなければならないため、コストがかかってしまうというデメリットも存在した。
【0005】
そこで、本願出願人は、楽器演奏用の教材の利用者が、教材を利用するだけで実際に演奏技術を高めることが可能で、加えて利用者・教材制作者のコスト上のメリット、及び利便性を検討し開発したのが本発明である。
【0006】
従来技術としては、音楽や動画などのコンテンツを携帯電話機等の端末装置へ配信するシステムが複数提案されている(特許文献1乃至3)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−206014号公報
【特許文献2】特開2004−302531号公報
【特許文献3】特開2005−321639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
発明が解決しようとする問題点は、楽器演奏用の教材の利用者が、教材を利用するだけで実際に演奏技術を高めることが可能である一方、加えて利用者・教材制作者のコスト上のメリットを高める点である。利用者の利便性は、具体的には、持ち運び可能なタブレット式CPに任意の時間・場所で教材をダウンロード可能とすることである。また、ダウンロードした教材データを演奏の任意位置間でリピート可能とすること、演奏されている箇所を分かりやすく表示することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
教則用コンテンツを保存蓄積するサーバと、通信網に接続可能な複数の端末装置からなる楽器教則用コンテンツ配信システムにおいて、前記サーバは、教則用コンテンツを構成する音声データと映像データと楽譜データと、これら各データを所定のフレームに表示可能とするプログラムデータとを保存蓄積する教則用データ保存蓄積手段と、前記いずれかの端末装置から任意の楽曲の配信要求があった場合、コンテンツ抽出プログラムを起動させ、配信要求のあった楽曲の音声データと映像データと楽譜データとを抽出する教則用コンテンツ抽出手段と、当該教則用コンテンツ抽出手段により抽出された楽曲の各データと、当該プログラムデータとをパッケージ化するパッケージ化手段と、当該パッケージ化されたパッケージデータを端末装置に配信するパッケージデータ送信手段とを有し、前記配信要求をした端末装置は、当該パッケージデータを受信する手段と、当該受信したパッケージデータを保存蓄積する手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0010】
また、前記パッケージデータを保存蓄積した端末装置は、教則用コンテンツである楽曲の音声データと映像データと楽譜データとを所定のフレームに表示するフレーム手段と、映像データ及び楽譜データをそれぞれの小フレームに表示すると共にこれらの小フレームを更に大フレーム内に表示するフレーム表示手段と、映像データ又は楽譜データを表示した小フレームのいずれか一方を大フレーム全体に表示する拡大表示手段と、音声データを再生した場合には、この音声データの再生に映像データ及び楽譜データが同期して表示される同期表示手段と、楽譜データを示した小フレーム内の音声データの再生を開始する任意の小節と音声データの再生を終了する任意の小節の指定を受け付ける手段又は/及び楽譜データを示した小フレーム内の音声データの再生を開始する任意の音符と音声データの再生を終了する任意の音符の指定を受け付ける手段であるリピート部分選択受付手段と、
音声データの再生が開始された場合には、当該リピート部分選択受付手段により受け付けたリピート部分を繰り返し再生する音声データリピート再生手段と、映像データが端末装置のディスプレイに表示されている場合には、当該音声データの再生に同期して当該音声データに合致した楽器演奏の映像データが再生される映像データリピート再生手段と、楽譜データが端末装置のディスプレイに表示されている場合には、当該音声データの再生に同期して音声データに合致した楽譜部分が表示される楽譜データリピート再生手段と、を備えてなることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、パッケージデータを保存蓄積した端末装置に、教則用コンテンツである楽曲の音声データと映像データと楽譜データとを所定のフレームに表示するステップと、映像データ及び楽譜データをそれぞれの小フレームに表示すると共にこれらの小フレームを更に大フレーム内に表示するステップと、映像データ又は楽譜データを表示した小フレームのいずれか一方を大フレーム全体に表示するステップと、音声データを再生した場合には、この音声データの再生に映像データ及び楽譜データが同期して表示されるステップと、楽譜データを示した小フレーム内の音声データの再生を開始する任意の小節と音声データの再生を終了する任意の小節の指定を受け付ける手段又は/及び楽譜データを示した小フレーム内の音声データの再生を開始する任意の音符と音声データの再生を終了する任意の音符の指定を受け付ける手段であるリピート部分選択受付ステップと、音声データの再生が開始された場合には、当該リピート部分選択受付手段により受け付けたリピート部分を繰り返し再生する音声データリピート再生ステップと、映像データが端末装置のディスプレイに表示されている場合には、当該音声データの再生に同期して当該音声データに合致した楽器演奏の映像データが再生される映像データリピート再生ステップと、楽譜データが端末装置のディスプレイに表示されている場合には、当該音声データの再生に同期して音声データに合致した楽譜部分が表示される楽譜データリピート再生ステップと、からなる手順を実行させるための教則用楽曲データ再生プログラムであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る楽器教則用コンテンツ配信システム及び教則用楽曲データ再生プログラムは、次の効果を奏するものである。
教則用コンテンツ配信を望む業者は、従来作成していた音声データと映像データを少しの加工で使用することが可能となるため、新たにこれらのコンテンツを初めから作成する必要が無くなり、制作費を抑えられる。同一フレーム内に映像データと楽譜データを表示可能であり、また映像データ又は楽譜データのいずれかのみでも表示可能としたため、利用者は所望の画像を選択して見ることでき、楽器演奏の勉強に役立てることが可能となる。更に、楽譜データの任意の小節単位、音符単位でリピート可能としたため、より細かく楽器の奏法を学ことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本実施例に係る楽器教則用コンテンツ配信システムの全体構成図である。
【図2】図2は、コンテンツ配信サーバから端末装置へコンテンツを配信する際のフローを示した図である。
【図3】図3は、端末装置であるタブレット型コンピュータでのコンテンツの使用方法のフローを示した図である。
【図4】図4は、端末装置であるタブレット型コンピュータのディスプレイにメイン画面が表示されてる状態を示した図である。
【図5】図5は、端末装置であるタブレット型コンピュータのディスプレイにムービービューア部分のメインフレームが全面表示されている状態を示した図である。
【図6】図6は、端末装置であるタブレット型コンピュータのディスプレイにスコアビューア部分が全面表示され、その下部にコンソールパネル部分が表示されている状態を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
楽器演奏を学ぶ初学者が、単独でも楽器演奏を容易に学べるようにするという目的を、楽器演奏画像データと楽譜データとを組合せ、それらの表示方法や楽譜データには任意のリピート機能等により実現した。
【実施例1】
【0015】
先ず、本実施例に係る楽器教則用コンテンツ配信システムの全体構成及びフローの概略を図1を用いて説明する。当該教則用コンテンツ配信システムは、図1に示すように、インターネット、専用回線、イントラネット等の通信網20に接続されたコンテンツ配信サーバ10と、当該通信網20に接続可能なタブレット型コンピュータ、ディスクトップコンピュータ、携帯端末等の端末装置30からなる。本実施例の説明においては、タブレット型コンピュータを端末装置として説明する。タブレット型コンピュータとは、平板状の外形で一方の面にディスプレイを備え、タッチパネル式などの表示/入力部、音声出力部等を有し、携帯可能なパーソナルコンピュータである。
【0016】
コンテンツ配信サーバ10は、図示しないが、通信部、CPU、データベース等から構成される。当該データベースには、楽曲データが保存蓄積されている。当該データベースは、演奏している楽器の音のデータを含む音声データと、楽器を演奏している状況を映した静止画像及び/又は動画画像を含む映像データと、楽曲の楽譜である楽譜データと、これらを端末装置に表示等するためのプログラムからなるプログラムデータとが含まれる。当該プログラムデータには、当該映像データと当該楽譜データを収めるためのフレームデータが含まれている。
【0017】
<コンテンツの購入方法>
教則用コンテンツの購入方法を図2を用いて説明する。本実施例に係る教則用コンテンツ配信システムの利用者は、自己の端末装置30からインターネット等の通信網20を介して、コンテンツ配信サーバ10にアクセスする。すると、楽曲購入画面が端末装置30のディスプレイに表示され、その表示に従って利用者は任意の楽曲及び支払い方法等を選択し、送信する(C1)。これを受けたコンテンツ配信サーバでは、コンテンツ抽出プログラムが起動し、選択されたコンテンツの音声データ、映像データ、楽譜データをそれぞれのテーブルから抽出する(S1,S2)。複数の楽曲購入要求があった場合には、コンテンツの音声データ、映像データ、楽譜データの抽出が繰り返し行われる(S3)。次に、これら抽出した各データとプログラムデータとをパッケージ化し、当該パッケージデータを端末装置に送信する(S4,S5)。ここで、選択された楽曲が複数の場合には、それぞれの楽曲毎にこの作業が行われる。コンテンツ配信サーバから、楽曲のパッケージデータを受信した端末装置では、当該楽曲のパッケージデータが保存蓄積される(C2)。
【0018】
なお、上記では、プログラムデータも一緒にパッケージ化して送信しているが、一度購入したことのある端末装置をコンテンツ配信サーバに記憶させ、2度目以降は選択されたコンテンツの音声データ、映像データ、楽譜データのみをパッケージ化して送信する方法としても良い。
【0019】
<コンテンツの使用方法>
端末装置であるタブレット型コンピュータ31での当該コンテンツの使用方法について図3〜図6を用いて説明する。図3は、使用方法の全体のフローを示す図である。
先ず、利用者が端末装置であるタブレット型コンピュータ31を起動し、当該コンテンツをディスプレイに表示させる。具体的には、図4に示すメイン画面31aがディスプレイに表示される(S10)。当該メイン画面31aは、全体が一つの大きなフレームで表示され、インフォメーションビューア部分100、ムービービューア部分200、スコアビューア部分300、コンソールパネル部分400の小さなフレームで構成される。インフォメーションビュアー部分100には、画面に表示されている楽曲の演奏ポイント等の情報が表示される。ムービービューア部分200は、映像データを表示する部分であり、右側に比較的大きなフレーム(メインムービーを映すフレーム)200a、左側に上下に分かれた比較的小さなフレーム(サブムービーを映すフレーム)200b,200cが表示され、これらのフレームの下方にムービーコントロールバー210、頭出しボタン220、再生/一時停止ボタン230、ボリュームコントロールバー240が表示され、これらにより操作が可能となっている。
【0020】
図4のムービービューア部分200には、ギターの演奏画像が表示されており、ピックを把持している右手及びギターの弦を押さえている左手の全体の動きが分かる画像200aと、当該右手の動きのみをアップにした画像200bと、当該左手の動きのみをアップにした画像200cとからなる。これらの画像は、画像切り替えボタン250,250にタッチすることにより、メインムービー画像とサブムービー画像とを切り替えることが可能である。また、拡大/縮小ボタン260をタップすることによりムービービューア部分のメインムービーを図5に示す様に全画面表示することも可能である。メインムービーが全面表示された場合には、その下部にムービーコントロールバー210、頭出しボタン220、再生/一時停止ボタン230、ボリュームコントロールバー240が表示され、これらにより操作が可能となっている。これにより、楽器演奏の指の動きを特に学習したい利用者には、動画を拡大してみることができるため、学習効果がより上がることとなる。
【0021】
スコアビューア部分300は、楽譜データが表示される部分であり、当該部分には楽譜が表示され、当該楽譜上に演奏されている箇所を示すタイムライン310が表示される。図4及び図6に表示されている楽譜は、上段が五線譜、下段がギター用のタブラチュア譜となっている。当該スコアビューア部分300は、拡大/縮小ボタン360をタッチすることにより図6に示す様に全画面表示することも可能である。スコアビュー部分300が全面表示された場合には、その下部にコンソールパネル部分400が表示され、操作が可能となっている。コンソールパネル部分400には、メトロノーム(METRONOME)401、チューナー(TUNER)402、テキスト(TEXT)403、バッキング(BACKING)404、マイク(REC)405、オールリピート(ALL REP.)406、フレーズリピート(PHRASE REP.)407、再生/一時停止(PLAY)408、スピード(SPEED)409、インデックス(INDEX)410の各ボタンが設けられている。
【0022】
利用者が、このメトロノーム(METRONOME)401のボタンを操作することにより、インフォメーションビューア部分100にメトロノームが表示され、メトロノーム機能を利用することが出来るようになる。また、利用者が、チューナー(TUNER)ボタン402を操作することにより、インフォメーションビューア部分100にチューナーが表示され、チューナー機能を利用することが出来るようになる。また、利用者が、テキスト(TEXT)ボタン403を操作することにより、スコアビューア部分300に表示されている楽譜の演奏ポイントなどが表示され、更に表示された演奏ポイント解説中の専門用語部分をタップして当該専門用語の解説も表示させることが出来る。インフォメーションビューア部分100では、拡大/縮小ボタン160を操作することにより、これらを拡大表示すること可能である。また、バッキング(BACKING)ボタン404を操作することにより、練習対象の楽器以外の伴奏を再生することが出来るため、練習中のフレーズを伴奏に合わせて演奏することが可能となる。また、マイク(REC)ボタン405を操作することにより、自分の演奏を録音し、その録音したファイルを表示/管理することが出来る。また、オールリピート(ALL REP.)ボタン406を操作することにより、スコアビューア部分300に表示されている楽曲を最初から最後まで通してリピート演奏(楽曲の再生)させることが出来る。また、フレーズリピート(PHRASE REP.)ボタン407を操作することにより、スコアビューア部分300に表示されている楽曲のリピートを所望する任意の部分を設定することが出来る。また、再生/一時停止(PLAY)ボタン408を操作することにより、演奏及びムービーを再生、一時停止の操作が出来る。また、スピード(SPEED)ボタン409を操作することにより、再生スピードを設定することが出来る。本実施例では、再生スピードは、通常再生、1/2再生、1/4再生が出来るように設定されている。これにより、例えば16分音符が4分音符の速さにすること等が可能となるため、利用者が楽器演奏の学習に役立てることが出来る。また、インデックス(INDEX)ボタン410を操作することにより、ダウンロード済みのコンテンツのリストや、各コンテンツのインデックスを参照することが出来る。利用者は、このコンテンツのリストにより、所望の楽曲を選択して演奏の練習を行う事が出来る。
【0023】
メイン画面からムービービューア部分200のメインムービー200aの全画面表示又はスコアビューア部分300の全画面表示への移動、及びムービービューア部分200のメインムービー200aの全画面表示又はスコアビューア部分300の全画面表示からメイン画面31aへの移動が可能となっている。この移動は、演奏(楽曲の再生)中であっても可能となっている。これらの移動が可能となることにより、利用者が演奏途中で指の動きを確認することや楽譜を確認することがより容易になり、学習効果が上がることになる。
【0024】
利用者は、ムービービューア部分200の再生/一時停止230のボタン又はコンソールパネル部分400の再生/一時停止(PLAY)ボタン408をタップすることにより、楽曲の演奏(楽曲の再生)をいずれの画面でも行うことが可能である。この場合、スコアビューア部分300が画面に表示されている場合には、ムービービューアに表示されている動画に同期して演奏(楽曲の再生)している箇所に合わせてタイムライン310が移動する。スコアビューアのみが画面に表示されている場合には、演奏(楽曲の再生)音に同期して演奏(楽曲の再生)されている箇所に遭わせてタイムライン310が移動する。
【0025】
(楽曲の再生)
ここで、演奏(楽曲の再生)開始から演奏(楽曲の再生)終了までのフローを図3を用いて説明する。
先ず、利用者が、端末装置であるタブレット型コンピュータ31に予め購入し保存蓄積されていた本件実施例に係るアプリケーションを起動させる。すると、当該タブレット型コンピュータ31のディスプレイ1にメイン画面が表示される(S10)。次に利用者は、コンソールパネル400のインデックス410のボタンを操作し、インデックスに保存蓄積されている楽曲リストから、所望の楽曲を選択する。次に、必要な場合には、選択した楽曲に合わせて、コンソールパネル400のメトロノーム401、チューナー402、スピード409等の各ボタンで、メトロノーム音の有無、チューニング、演奏(楽曲の再生)速度の設定等を行う。また、演奏(楽曲の再生)のリピートを行う場合には、オールリピート406又はフレーズリピート407のボタンで設定を行う。リピート設定については後述する。
【0026】
次に、利用者は、ムービービューア画面の再生/一時停止230のボタン、又はコンソールパネルの再生/一時停止ボタン408を操作することにより、演奏(楽曲の再生)を開始することが出来る。この時、画面表示を、ムービービューア部分200の全画面表示又はメインムービー200aの全画面表示(以下、動画画面表示という。)、スコアビューア部分300の全画面表示(以下、譜面画面表示という。)、の何れかを選択することも出来る(S20)。利用者は、メイン画面31aのままの状態か、動画画面表示又は譜面画面表示の何れかの画面表示を選択して、演奏(楽曲の再生)を開始する(S21,S22,S23)。すると、演奏(楽曲の再生)と同期してムービービューア部分100の動画が再生表示される。また、演奏(楽曲の再生)と同期してスコアビューア部分300の譜面が再生表示され、タイムライン310も演奏と同期して移動表示される。メイン画面のまま演奏(楽曲の再生)を開始した場合には、演奏(楽曲の再生)途中に動画画面表示とすることも、譜面画面表示とすることも可能であり、また動画画面表示又は譜面画面表をメイン画面表示に戻すことも可能である(S30,S40,S50,S60,S70)。いずれの画面表示であっても、演奏(楽曲の再生)を最後まで行う事が出来る。演奏(楽曲の再生)が終了すると、ムービービューア及びタイムライン310が停止する。リピート設定を行っていた場合には、演奏(楽曲の再生)が繰り返し行われる。
【0027】
(リピート設定)
リピート設定について説明する。
利用者が楽曲の演奏(楽曲の再生)の全てのリピートを所望する場合には、コンソールパネル部分400のオールリピート(ALL REP.)ボタン406をタップして操作する。すると、楽曲の演奏(楽曲の再生)全てがリピートされるよう設定される。これを解除するためには、再度オールリピート(ALL REP.)ボタン406をタップして操作し、設定を解除する。
【0028】
一方、利用者が、楽曲の一部のリピートを所望する場合には、コンソールパネル部分400のフレーズリピート(PHRASE REP.)ボタン407をタップし、次に、スコアビューアに示された楽譜の任意の開始位置を指定し、ドラッグしたまま終了位置までスライドさせ終了位置を指定する。具体的には、図4及び図6中に示す矢印300a,300aで表されるように開始位置から終了位置を指定する。指定されたリピート指定部分300b,300bは、リピート部分が分かるように色が変わる。そして、再生/一時停止ボタン230,408をタップして操作すると、開始位置から演奏(楽曲の再生)が開始され終了位置で終了し、この演奏(楽曲の再生)が繰り返し行われる。その際、ムービービューア(動画)がディスプレイに表示されている場合には、動画も当該演奏(楽曲の再生)に合わせて繰り返し再生される。このリピート位置の設定は、小節単位でも、音符単位でもすることが可能である。利用者は、再生/一時停止ボタンにタッチして再生を止めることが出来る。
【0029】
従来の楽器演奏用の教材では、リピート機能があるとしても、リピート部分を音符単位で自由に設定することができないものであったため、特定の部分を何度もリピートして学習しようとする場合には、全体又は学習を望む箇所を含んだ特定部分全体をリピート再生しなければならず、非常に不便であった。しかし、本実施例に係る教則用コンテンツ配信システムでは、リピート部分を音符単位で指定することが可能であるため、必要な部分のみリピートでき、利用者がより学習効果を得ることが可能となっている。
【符号の説明】
【0030】
10 コンテンツ配信サーバ
20 通信網
30 端末装置
31 タブレット型コンピュータ
31a メイン画面
100 インフォメーションビューア部分
160 拡大/縮小ボタン
200 ムービービューア部分
200a メインムービーを映すフレーム
200b,200c サブムービーを映すフレーム
210 ムービーコントロールバー
220 頭出しボタン
230 再生/一時停止ボタン
240 ボリュームコントロールバー
250 画像切り替えボタン
260 拡大/縮小ボタン
300 スコアビューア部分
300a 矢印
300b リピート指定部分
310 タイムライン
360 拡大/縮小ボタン
400 コンソールパネル400
401 メトロノームボタン
402 チューナーボタン
403 テキスト(TEXT)ボタン
404 バッキング(BACKING)ボタン
405 マイク(REC)ボタン
406 オールリピート(ALL REP.)ボタン
407 フレーズリピート(PHRASE REP.)ボタン
408 再生/一時停止(PLAY)ボタン
409 スピード(SPEED)ボタン
410 インデックス(INDEX)ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
教則用コンテンツを保存蓄積するサーバと、通信網に接続可能な複数の端末装置からなる楽器教則用コンテンツ配信システムにおいて、
前記サーバは、
教則用コンテンツを構成する音声データと映像データと楽譜データと、これら各データを所定のフレームに表示可能とするプログラムデータとを保存蓄積する教則用データ保存蓄積手段と、
前記いずれかの端末装置から任意の楽曲の配信要求があった場合、コンテンツ抽出プログラムを起動させ、配信要求のあった楽曲の音声データと映像データと楽譜データとを抽出する教則用コンテンツ抽出手段と、
当該教則用コンテンツ抽出手段により抽出された楽曲の各データと、当該プログラムデータとをパッケージ化するパッケージ化手段と、
当該パッケージ化されたパッケージデータを端末装置に配信するパッケージデータ送信手段とを有し、
前記配信要求をした端末装置は、当該パッケージデータを受信する手段と、
当該受信したパッケージデータを保存蓄積する手段と、
を備えてなることを特徴とする楽器教則用コンテンツ配信システム。
【請求項2】
パッケージデータを保存蓄積した端末装置は、
教則用コンテンツである楽曲の音声データと映像データと楽譜データとを所定のフレームに表示するフレーム手段と、
映像データ及び楽譜データをそれぞれの小フレームに表示すると共にこれらの小フレームを更に大フレーム内に表示するフレーム表示手段と、
映像データ又は楽譜データを表示した小フレームのいずれか一方を大フレーム全体に表示する拡大表示手段と、
音声データを再生した場合には、この音声データの再生に映像データ及び楽譜データが同期して表示される同期表示手段と、
楽譜データを示した小フレーム内の音声データの再生を開始する任意の小節と音声データの再生を終了する任意の小節の指定を受け付ける手段又は/及び楽譜データを示した小フレーム内の音声データの再生を開始する任意の音符と音声データの再生を終了する任意の音符の指定を受け付ける手段であるリピート部分選択受付手段と、
音声データの再生が開始された場合には、当該リピート部分選択受付手段により受け付けたリピート部分を繰り返し再生する音声データリピート再生手段と、
映像データが端末装置のディスプレイに表示されている場合には、当該音声データの再生に同期して当該音声データに合致した楽器演奏の映像データが再生される映像データリピート再生手段と、
楽譜データが端末装置のディスプレイに表示されている場合には、当該音声データの再生に同期して音声データに合致した楽譜部分が表示される楽譜データリピート再生手段と、を備えてなることを特徴とする請求項1に記載の楽器教則用コンテンツ配信システム。
【請求項3】
パッケージデータを保存蓄積した端末装置に、
教則用コンテンツである楽曲の音声データと映像データと楽譜データとを所定のフレームに表示するステップと、
映像データ及び楽譜データをそれぞれの小フレームに表示すると共にこれらの小フレームを更に大フレーム内に表示するステップと、
映像データ又は楽譜データを表示した小フレームのいずれか一方を大フレーム全体に表示するステップと、
音声データを再生した場合には、この音声データの再生に映像データ及び楽譜データが同期して表示されるステップと、
楽譜データを示した小フレーム内の音声データの再生を開始する任意の小節と音声データの再生を終了する任意の小節の指定を受け付ける手段又は/及び楽譜データを示した小フレーム内の音声データの再生を開始する任意の音符と音声データの再生を終了する任意の音符の指定を受け付ける手段であるリピート部分選択受付ステップと、
音声データの再生が開始された場合には、当該リピート部分選択受付手段により受け付けたリピート部分を繰り返し再生する音声データリピート再生ステップと、
映像データが端末装置のディスプレイに表示されている場合には、当該音声データの再生に同期して当該音声データに合致した楽器演奏の映像データが再生される映像データリピート再生ステップと、
楽譜データが端末装置のディスプレイに表示されている場合には、当該音声データの再生に同期して音声データに合致した楽譜部分が表示される楽譜データリピート再生ステップと、
からなる手順を実行させるための教則用楽曲データ再生プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−170027(P2012−170027A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31507(P2011−31507)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(504042993)株式会社石田大成社 (2)
【Fターム(参考)】