説明

楽器

【課題】音響を可変として多彩な演奏を可能にすることができる。
【解決手段】楽器本体10aの収容部10aaには、共鳴箱32及び複数の音板31を備えてなる音源ユニット30が収容される。鍵盤蓋ユニットUNTは、主に前蓋体40と後蓋46とから構成される。鍵盤蓋ユニットUNTの開閉操作は、通常、前蓋体40の主に蓋前部42を把持してなされ、後蓋46が、前蓋体40と連動して変位する。後蓋46の一部は収容部10aaに常に入っており、音源ユニット30から音響が発生しているときに前蓋体40を操作すると、後蓋46の変位に応じて音響が変化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱状の音響発生部が楽器本体の内部に収容された楽器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演奏操作子の操作に応じた音響を発生させる箱状の音響発生部が楽器本体の内部に収容された楽器が知られている。例えば、下記特許文献1の楽器では、共鳴箱が楽器本体の内部に収容されている。この楽器は、鍵盤型に構成され、共鳴箱が音板に近接配置されている。鍵の操作に応じて音板がハンマによって打撃され、音板が振動することで楽音が発生する。そして、その楽音が共鳴箱で共鳴し、音響となって、楽器本体の開口部から外部に放音される。
【特許文献1】特開平4−212994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記特許文献1の楽器では、各音板が発する楽音は、減衰音であってそれ自体は単調なものであり、また、共鳴箱で共鳴した音響に音量変化等の変化を付けることはできないことから、演奏が単調になりがちであった。そのため、多彩な演奏を実現する上では、改善の余地があった。
【0004】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、音響を可変として多彩な演奏を可能にすることができる楽器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の楽器は、楽器本体(10a)と、演奏操作子(27、28)と、前記楽器本体の内部に収容され、前記演奏操作子の操作に応じた音響を発生させる箱状の音響発生部(30)と、前記楽器本体に対して変位自在に設けられ、前記楽器本体の内部に少なくとも一部が常に入っている変位部材(46)と、前記変位部材を変位させる操作部(40)とを有し、前記音響発生部から音響が発生しているときに前記操作部の操作により前記変位部材が変位すると、前記変位部材の変位に応じて前記音響が変化するように構成されたことを特徴とする。
【0006】
好ましくは、前記楽器本体には、演奏時において前記音響発生部から発生する音響を外部に放音する開口部(OP0)が設けられ、さらに、前記楽器本体に対して変位自在に設けられ、前記変位部材と協働して前記開口部の実質的な開口状態を変化させる開口可変部材(44)を有する(請求項2)。
【0007】
好ましくは、前記開口可変部材は前記操作部として機能するように構成されている(請求項3)。
【0008】
好ましくは、前記演奏操作子は鍵として構成され且つ当該楽器は鍵盤楽器型に構成され、前記楽器本体には、前側蓋体(44)と後側蓋体(46)とが連結されてなり非演奏時に前記演奏操作子を覆う鍵盤蓋(UNT)が設けられ、前記鍵盤蓋の前記前側蓋体の操作によって前記後側蓋体が前記前側蓋体と連動して変位するように構成されていることで、前記前側蓋体は前記操作部として機能すると共に、前記後側蓋体は前記変位部材として機能する(請求項4)。
【0009】
好ましくは、前記音響発生部は、前記演奏操作子の操作に応じて打撃部によって打撃されて振動することで固有の音高の楽音を発音する発音部材(31)と、開口側が前記発音部材に近接対向して配置され前記発音部材から発生する楽音を共鳴させる共鳴箱(32)とから構成される(請求項5)。
【0010】
なお、上記括弧内の符号は例示である。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1によれば、音響の変化をより強調することができる。
【0012】
請求項2によれば、音響の変化をより強調することができる。
【0013】
請求項3によれば、構成の複雑化を抑制することができる。
【0014】
請求項4によれば、鍵盤蓋を、音響可変のための部材に兼用して、構成の複雑化を抑制しつつ、音響を可変として多彩な演奏を可能にすることができる。
【0015】
請求項5によれば、音板打楽器等における単調な楽音に変化を与えることを可能として、多彩な演奏を可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1〜図3は、本発明の一実施の形態に係る楽器である鍵盤楽器の楽器本体の内部構成を示す断面図である。概略を述べると、この鍵盤楽器10は、チェレスタに類似した鍵盤式音板打楽器として構成され、外観上は、アップライトピアノのようであるが、弦を備えない。その代わり、鍵盤楽器10の上半部に位置する楽器本体10a内にチェレスタの音板と同様の音板を備え、該音板を打撃、振動させて発音させるものであり、音板が発音した音を共鳴させる共鳴箱も備える。また、音板を打撃するための機構として、アップライトピアノではなくグランドピアノ用のアクション機構と同様の機構を備える。以降、鍵盤楽器10の奏者側を前方と称し、左右方向は奏者を基準として呼称する。
【0018】
図1〜図3に示すように、鍵盤楽器10は、鍵盤蓋ユニットUNTを備える。図1、図2、図3は、鍵盤蓋ユニットUNTの閉蓋状態、開蓋途中状態、開蓋状態を、それぞれ示している。
【0019】
楽器本体10aの下部の棚板14の上には筬15が配置され、筬15の前部に筬前16が設けられる。筬15には、支持部材19が設けられ、支持部材19に設けられたバランスピン62、63を支点として、鍵盤KBの複数の白鍵27及び黒鍵28が上下方向に揺動(シーソー運動)自在に支持される。筬前16の前部を口棒部17が全鍵幅に亘って覆っている。
【0020】
また、筬15の後半部上部には、アクションブラケット22を介してアクション機構20が配設される。アクションブラケット22及びアクション機構20は、各鍵27、28に対応して配列され、アクション機構20は、グランドピアノのアクション機構と同様の構成を有する。さらに、これらアクション機構20の上方やや後方には、木製の共鳴箱32及び複数の音板31を備えてなる音源ユニット30が配設される。音板31は、各鍵27、28に対応して設けられる。対応する鍵27、28の押鍵操作によってハンマ体23が上方に回動し、対応する音板31をハンマフェルト24が打撃することで、その音板31が振動して発音し、その音が共鳴箱32で共鳴する。
【0021】
音源ユニット30は、共鳴箱32に音板31が振動自在に装着されて構成されている。共鳴箱32は、楽器本体10aの左右両側部を構成する側板間に亘る長さを有し、両側板の内側に設けられた不図示の支持部に共鳴箱32の左右両端部が螺合等によって固定されることで、音源ユニット30が楽器本体10a内に収容されている。
【0022】
上前板部51の下部には目隠し部29が設けられている。目隠し部29は、楽器本体10aの略全幅に亘って設けられる。目隠し部29の下端と白鍵27のうち目隠し部29の下方位置にある部分との間には、鍵盤蓋ユニットUNTが無いとした場合に楽器本体10aの内部を奏者側(前方)に開放する前側開口部OP0が形成される(図1参照)。楽器本体10aにおいて、音源ユニット30を収容している筐体部分である収容部10aaは、上前板部51、目隠し部29、天板部52、背板部53及び棚板14の後半部によって囲まれた閉所的な空間である。
【0023】
収容部10aaにおいては、共鳴箱32から発する音響を外部に放音するための開口部が、天板部52、背板部53に設けられる(いずれも図示せず)。このほか、前側開口部OP0のうち、開蓋状態または開蓋途中状態において鍵盤蓋ユニットUNTによって遮られない部分も、外部への放音用の開口部の1つとなる(詳細は後述する)。
【0024】
音板31は、鍵数分設けられ、各々その長手方向を前後方向として、左右方向に並列的に配設されている。各音板31は、いずれも断面矩形であるが、その全長等の形状が個々に異なっており、対応するハンマフェルト24によって打撃されて振動して、各々固有の音高で発音するようになっている。
【0025】
図示しないが、共鳴箱32は、例えば、低音側から順に、ヘルムホルツ型の低音域部、閉管型の中音域部、一括式共鳴箱の高音域部で構成される。低音域部と中音域部とは、各音板31に対応して音板31と同数の共鳴室を有する。高音域部は、複数の音板31に共通の1つの共鳴室を有する。各音板31は、共鳴箱32の下側である開口部32a側に近接して配設され、共鳴箱32の前側下端及び後側下端に対して、例えば、紐及び多数の留め具を介して振動可能に吊り下げ状態で取り付けられている。
【0026】
楽器本体10aの左右の側板には、それぞれ、ガイド48及び回動軸49が設けられている。ガイド48は、側面視で前側開口部OP0(図1参照)から楽器本体10aの内部に亘る位置において側板に固定され、その上面が、後方にいくにつれて上方に傾斜している。また、回動軸49は、前側開口部OP0より前方で且つ、側面視における白鍵27の前半部の長手方向中央付近において、側板に対して図1の時計/反時計方向に回動自在に取り付けられている。
【0027】
鍵盤蓋ユニットUNTは、主に前蓋体40と連結部45と後蓋46とから構成される。前蓋体40は、蓋前部42、回動支持部材43及び前蓋44からなる。蓋前部42、前蓋44及び後蓋46は、鍵盤部KBの全幅よりやや大きい幅を有する。前蓋44と後蓋46とは蝶番等の連結部45で回動自在に連結されている。また、蓋前部42は、前蓋44の前端部に取り付けられ、回動支持部材43は、前蓋44の両側部に取り付けられている。さらに、後蓋46の左右両端部の後面側に被ガイド部材47が設けられている。
【0028】
回動支持部材43は、一端が回動軸49と係合し、他端が前蓋44の側部に固定されて、回動軸49を中心に他端が回動自在となっている。これにより、前蓋44は、回動支持部材43を介して回動軸49を中心に回動自在となっている。また、被ガイド部材47は、ガイド48の上面に常に当接している。
【0029】
鍵盤蓋ユニットUNTの開閉操作は、通常、前蓋体40の主に蓋前部42を把持してなされる。まず、開蓋操作時には、鍵盤蓋ユニットUNTが鍵盤部KBを覆う閉蓋状態(図1参照)から、蓋前部42を持って前蓋44を上方に回動させると、後蓋46が、連結部45を介して前蓋44の回動に連動して後方に移動していく。その際、被ガイド部材47がガイド48と摺接することで、後蓋46の姿勢が規定され、後蓋46は、その姿勢を徐々に変化させながら円滑に後退していく(図2、図3参照)。
【0030】
図3に示すように、蓋前部42が、目隠し部29に当接すると、鍵盤蓋ユニットUNTが開蓋状態となる。図1〜図3に示すように、閉蓋状態から開蓋状態までの開閉の往工程においては、前蓋44は、水平状態から徐々に時計方向にその傾斜角度を変化させ、開蓋状態においては、上前板部51と略平行となって、上前板部51の下方への延長上に位置する。
【0031】
一方、後蓋46は、閉蓋状態では、前部が下方に傾斜した姿勢であるが、開閉の往工程においてその傾斜の程度が徐々に大きくなって、開蓋状態においては、上前板部51の近い角度となる。しかも、前蓋44と後蓋46とは近接対向してほぼ折り畳み状態となる。後蓋46はまた、閉蓋状態では、その後端部が前側開口部OP0に位置しているが、開蓋状態においては、後蓋46の長手方向のほぼ中央が、前側開口部OP0に位置している。
【0032】
閉蓋操作時は、蓋前部42を把持して、開蓋操作とは逆の操作を行う。開閉の復工程においても被ガイド部材47がガイド48に摺接し、鍵盤蓋ユニットUNTは往工程とは逆の動作をする。
【0033】
鍵盤部KBの演奏は、通常、図3に示す開蓋状態でなされる。しかし、本実施の形態では、それだけでなく、演奏中に、鍵盤蓋ユニットUNTの開蓋の程度を変化させることで、音響に変化を付けることができるようになっている。すなわち、演奏者は、鍵盤演奏によって、発音がされているときに、蓋前部42を前後に操作して、例えば、開蓋状態(図3参照)と開蓋途中状態(図2参照)との間で鍵盤蓋ユニットUNTを動かすことができる。そして、鍵盤蓋ユニットUNTが動くことによって、共鳴箱32から発する音響の放音状態を変化させることができる。
【0034】
まず、図2に示すように、開蓋途中状態では、目隠し部29と後蓋46との間に小さい第1開口部OP1が生じる。また、後蓋46の下端部と白鍵27との間に第2開口部OP2が生じる。これら両開口部OP1、OP2は、いずれも、収容部10aa内部を奏者側に開放する。すなわち、前側開口部OP0(図1参照)の実質的な開口状態が鍵盤蓋ユニットUNTの位置、姿勢によって変化し、開蓋途中状態では、第1、第2開口部OP1、OP2が実質的な前方への放音用の開口部となる。従って、共鳴箱32から発する音響は、第1、第2開口部OP1、OP2を通じて、奏者側に放音される。
【0035】
一方、図3に示すように、開蓋状態では、第1開口部OP1は一応生じるが、蓋前部42乃至前蓋44の上端部と目隠し部29との間に隙間がほとんどないため、第1開口部OP1は放音機能を果たさない。図示はしないが、開蓋途中状態から開蓋状態までの間では、蓋前部42乃至前蓋44の上端部と目隠し部29との間に隙間が生じるため、第1開口部OP1は、演奏時において、閉蓋状態と開蓋状態を除けば放音機能を果たすことができる。
【0036】
また、第2開口部OP2は、開蓋途中状態から開蓋状態になるにつれて小さくなる。従って、第2開口部OP2は、開蓋状態では、開蓋途中状態のときよりも小さいが、開蓋途中状態から開蓋状態までにおける演奏時において、常に放音機能を果たすことができる。
【0037】
共鳴箱32からの音響の多くは、上方だけでなく、下側の開口部32aからも発生する。そして、開口部32aから前側開口部OP0(図1参照)までの間に、音の伝搬経路の一部が形成されると考えられる。ここで、後蓋46は常に前側開口部OP0付近に位置することから、後蓋46は音の伝搬経路に常に位置している。しかも、開蓋途中状態から開蓋状態までにおいて、後蓋46はその位置だけでなく、その姿勢(角度)を変化させる。従って、開口部32aから発せられた音響が、後蓋46によって遮られる状態、あるいは反射する状態も変化することになる。
【0038】
すなわち、後蓋46が動くことで、音響の遮断、反射の状態が変化し、これと、前側開口部OP0の実質的な開口状態の変化とが相まって、音響が複雑に変化し、結果として、外部への放音状態が変化する。具体的には、主に、楽音の音量と音色が鍵盤蓋ユニットUNTの動きに応じて変化する。奏者は、楽音が発生しているときに、鍵盤蓋ユニットUNTを前後に往復移動させることで、通常であれば単調なアコースティックな楽音に対して音量の増減変化や音色変化を与えることができる。鍵盤蓋ユニットUNTの移動範囲や速度は、奏者が手動操作により自由に制御することができるので、多彩で豊かな演奏表現が可能となる。
【0039】
本実施の形態によれば、鍵盤蓋ユニットUNTの後蓋46の少なくとも一部が、収容部10aa内に常に入っており、共鳴箱32から音響が発しているときに、鍵盤蓋ユニットUNTを動かすことで、その変位に応じて音響が変化する。特に、音板打楽器である本鍵盤楽器10において、音板30の発音による単調な楽音に変化を与えることができる。よって、多彩で表現力豊かな演奏を可能にすることができる。しかも、前蓋44が、後蓋46と協働して前側開口部OP0(図1参照)の実質的な開口状態を変化させるので、音響の変化をより強調することができる。
【0040】
また、前蓋44が前側開口部OP0の実質的な開口状態を変化させる部材を兼ねるだけでなく、前蓋体40の操作によって後蓋46が前蓋体40と連動して変位するように構成されていることで、鍵盤蓋ユニットUNTを、音響可変のための部材に兼用して、構成の複雑化を抑制することができる。
【0041】
なお、音源ユニット30からの音響を可変にするという観点に限って言えば、鍵盤蓋ユニットUNTにそれらの機能を果たさせる代わりに、収容部10aa内において、変位する部材を鍵盤蓋ユニットUNTとは別個に設けてもよい。例えば、上記変位する部材を、音源ユニット30から発する音の伝搬経路に介在させるように配設すると共に、該変位する部材を演奏中に駆動操作するための操作部を設ければよい。
【0042】
例えば、図4に変形例を示すように、音源ユニット30の下部の音板31に近接して、板状の変位部材146を設ける。変位部材146は、不図示の操作部によって、演奏中に操作可能に構成する。変位部材146の動きは、水平移動、上下移動、前後揺動、左右揺動の少なくとも1つが可能なように構成する。この構成によっても、上記と同様の音響可変効果を奏することができる。
【0043】
なお、前蓋体40等の部材によって開口状態が可変とされる開口部は、収容部10aaを奏者側に開放するものに限られず、上方、側方または後方に開放するものであってもよく、前蓋体40等に代わる部材もその開口部の位置に応じて設ければよい。
【0044】
なお、本実施の形態においては、前側開口部OP0(図1参照)の実質的な開口状態は、前蓋44と後蓋46との協働で可変とされたが、これに限るものではない。例えば、いずれか一方のみで可変としてもよい。あるいは、操作によって駆動される、鍵盤蓋ユニットUNTとは別個の部材を設け、該部材によって可変としてもよい。
【0045】
なお、鍵盤蓋ユニットUNTの開蓋途中状態として、図2に示す状態を例示したが、これは例示であり、演奏時における鍵盤蓋ユニットUNTの移動範囲の前端位置は、図2に示す位置よりも閉蓋方向に近くてもよい。
【0046】
なお、後蓋46を駆動するための操作部としては、前蓋体40に限られず、前蓋体40とは別個独立に操作部を設け、該操作部によって後蓋46乃至鍵盤蓋ユニットUNT全体が動作するように構成してもよい。その場合、操作部としては、例えば、足で操作するペダルを設けてもよい。
【0047】
なお、後蓋46等の変位部材で音響が可変とされる音響発生源として、音板30と共鳴箱32とで構成される音源ユニット30を例示したが、これに限るものではなく、響板や弦等に対してより狭い限定的な範囲に発音位置が集約された箱状のもの、例えば、スピーカ及びスピーカボックスでなるものであってもよい。
【0048】
なお、本発明は、グロッケンシュピールにも適用可能であり、また、鍵盤楽器以外の楽器にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明の一実施の形態に係る楽器である鍵盤楽器の楽器本体の内部構成を示す断面図であり、鍵盤蓋ユニットの閉蓋状態を示す図である。
【図2】同形態に係る鍵盤楽器の楽器本体の内部構成を示す断面図であり、鍵盤蓋ユニットの開蓋途中状態を示す図である。
【図3】同形態に係る鍵盤楽器の楽器本体の内部構成を示す断面図であり、鍵盤蓋ユニットの開蓋状態を示す図である。
【図4】本実施の形態の変形例に係る楽器の楽器本体の内部構成を示す断面の略図である。
【符号の説明】
【0050】
10 鍵盤楽器、 10a 楽器本体、 24 ハンマフェルト(打撃部)、 27 白鍵(演奏操作子)、 28 黒鍵(演奏操作子)、 30 音源ユニット(音響発生部)、 31 音板(発音部材)、 32 共鳴箱、 40 前蓋体(操作部)、 44 前蓋(開口可変部材、前側蓋体)、 46 後蓋(変位部材、後側蓋体)、 OP0 前側開口部(開口部)、 UNT 鍵盤蓋ユニット(鍵盤蓋)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽器本体と、
演奏操作子と、
前記楽器本体の内部に収容され、前記演奏操作子の操作に応じた音響を発生させる箱状の音響発生部と、
前記楽器本体に対して変位自在に設けられ、前記楽器本体の内部に少なくとも一部が常に入っている変位部材と、
前記変位部材を変位させる操作部とを有し、
前記音響発生部から音響が発生しているときに前記操作部の操作により前記変位部材が変位すると、前記変位部材の変位に応じて前記音響が変化するように構成されたことを特徴とする楽器。
【請求項2】
前記楽器本体には、演奏時において前記音響発生部から発生する音響を外部に放音する開口部が設けられ、さらに、前記楽器本体に対して変位自在に設けられ、前記変位部材と協働して前記開口部の実質的な開口状態を変化させる開口可変部材を有することを特徴とする請求項1記載の楽器。
【請求項3】
前記開口可変部材は前記操作部として機能するように構成されていることを特徴とする請求項2記載の楽器。
【請求項4】
前記演奏操作子は鍵として構成され且つ当該楽器は鍵盤楽器型に構成され、前記楽器本体には、前側蓋体と後側蓋体とが連結されてなり非演奏時に前記演奏操作子を覆う鍵盤蓋が設けられ、前記鍵盤蓋の前記前側蓋体の操作によって前記後側蓋体が前記前側蓋体と連動して変位するように構成されていることで、前記前側蓋体は前記操作部として機能すると共に、前記後側蓋体は前記変位部材として機能することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の楽器。
【請求項5】
前記音響発生部は、前記演奏操作子の操作に応じて打撃部によって打撃されて振動することで固有の音高の楽音を発音する発音部材と、開口側が前記発音部材に近接対向して配置され前記発音部材から発生する楽音を共鳴させる共鳴箱とから構成されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の楽器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−240609(P2007−240609A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−59542(P2006−59542)
【出願日】平成18年3月6日(2006.3.6)
【出願人】(000004075)ヤマハ株式会社 (5,930)
【Fターム(参考)】