説明

楽曲情報取得システム

【課題】機器内にあるCDDBによってはアーティスト名等が入力できない時でも、CDDB補助データに日頃聴いている圧縮オーディオやインターネットラジオの曲情報を利用して、アーティスト名を取り込み、リッピング時にそのデータを利用できる「楽曲情報取得システム」を提供する。
【解決手段】再生曲のアーティスト名を取得し、機器内CDDBに存在するか否かを判別し、存在しないことを検出した時、CDDB補助データ内に存在するか否かを判別する。CDDB補助データ内に再生曲のアーティスト名が存在しないと判別した時、CDDB補助データにアーティスト名を記録する。また、CDDB補助データにアーティスト名が存在する時には、再生回数や再生日を記録する。リッピング時にはCDDB内に曲が存在しない時、リッピング補助データを検索し、アーティスト名が存在する時にはそれを用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両用ナビゲーション装置等の車載機器に於いて、CDのリッピング時に、CDDB(Compact Disk DataBase)に無い曲について、アーティスト名だけでも手入力無しで入力可能とした、楽曲情報取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在車両には車両用ナビゲーション装置が広く搭載され、車両には無くてはならないものとなっている。一方では車両において音楽を聴くことは、重要な楽しみとなっている。
そのため、ナビゲーション装置で音楽を聴くことも多くなっている。同様にヘッドユニットで各種の音楽を聴くことも多く、ヘッドユニットとナビゲーション装置が一体化したものも存在し、これらを含めて車両用オーディオ装置という。
【0003】
このような車両用オーディオ装置においては、一般のラジオやCDを聴くほか、例えばメモリカードに記録した音楽、USBメモリに記録した音楽、各種携帯音楽プレーヤに記録した音楽、携帯電話やスマートフォンに記録した音楽等の各種音楽を聴くことができるようになっている。
【0004】
このような音楽を聴く時に於いて、新しいCDを聴く時などでは、このCDをmp3等の圧縮オーティオにして、以降はCD無しでも聴けるようにしたいと思う時、或いは他の携帯機器等で同じ音楽を聴きたいと思う時には、このCDをリッピングしておくことが望まれる。このようなリッピングを行うことにより、以降はCD無しでもほぼCDと同様の音質でこの音楽を聴くことができるようになる。
【0005】
このように車両用オーディオ装置にはCDプレーヤと、ナビゲーション用のHDD等の大容量記録媒体が存在し、必要に応じてメモリカードや携帯オーディオプレーヤとも繋がり、リッピングによりHDD等に圧縮し記録した後のオーディオを、携帯プレーヤ等に移動して聴くことができる環境にあるため、リッピング環境としては非常に良い環境といえる。
【0006】
このため、特にHDDを有するナビゲーション装置を備えた機器に於いて、CDプレーヤを備え、携帯機器と外部接続できる機能を備えた装置はリッピングするために必要な環境を全て備えており、したがってこのような機器はCDのリッピングを行うために重要な機器となっている。
【0007】
一般に、リッピングを行う曲には、リッピングした曲の情報を入力しなければならない。曲情報を入れないリッピング曲は「ノンタイトル」のような表示が出るのみであり、どのようなアーティスト名か、曲名は何か等が全く不明である。即ち、CD等の再生には、曲情報が出てこないため、これをリッピングして圧縮オーディオとしても、誰の曲かが、何という曲かはわからないようになっている。
【0008】
即ち、利用者には現在再生している曲のアーティスト名や曲名が、そのCDのジャケット等を見ることによりわかっているのに対して、リッピングした曲に対しては全てが「ノンタイトル」で、どのような曲かわからない状態になってしまう。そのため、一つずつアーティスト名や曲名を手入力する方法がある。
【0009】
しかしながら、上記のような車両搭載機器に於いては、このようなリッピングを行うのは運転者であり、車両走行中の時が多い。そのため、前記手入力はできず、より簡単な手法が必要となる。そのための一つの手法としてCDDB(Compact Disk DataBase)の利用が得られる。
【0010】
このCDDBは曲のオーディオ波形の特徴に応じてその曲を特定し、その曲のアーティスト名や曲名を特定するもので、曲を流すと自動的にその曲のアーティスト名や曲名を知ることができる。これはインターネットにより自由にアクセスして使用できるものであるが、これ自体をHDD等にダウンロードして使用することもできる。また、このようにしてHDDにダウンロードしたデータは、日々更新されているので、最新の曲情報を取り込む必要がある。
【0011】
なお、利用者が利用するコンテンツデータの出力状況によって予測変換候補を適切に提示し、文字入力の利便性を向上させる技術は特許文献1に開示されている。また、CD等のディスク情報を容易に登録することのできるディスク再生装置を提供する技術は特許文献2に開示されている。また、 CDDBに登録されていない音楽CDの音楽情報(メタ情報)を簡便に且つ操作に不慣れなユーザにとっても容易に入力して登録可能にする技術は特許文献3か開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2010−271938
【特許文献2】特開1001− 84744
【特許文献3】特開2006−331127
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
したがってHDD等を備えた機器においては、CDDBを使用することを前提に使用料を払い、後は自由に使用可能としている。そのため、前記のような車両搭載機器でリッピングを行う時、アーティスト名や曲名がわからない曲は、前記のようなCDDBを利用することにより多くの場合は曲情報を取り込むことができる。
【0014】
しかしながら、インターネットでアクセスするCDDBは常に更新しているものの、機器内に存在するCDDBのデータは古いことがあり、特に古いままのCDDBでその後インターネットにアクセスして更新していないCDDBは、新しいアーティスト名や曲に対応していない場合が多い。また。新しくCDDBを更新するため、携帯電話を接続することも行われるが、通信料が高価になる問題があり、CDDBの更新はなかなか行われない、という問題があった。
【0015】
その時にはやはり「ノンタイトル」のような情報がリッピングした曲に付されるのみであり、手入力でアーティスト名や曲名を入れるほか無く、前記のような車両搭載機器のオーディオ装置においては実質的に入れることができない。したがって、何らかの代替手法が求められている。
【0016】
したがって本発明は、機器内にあるCDDBによってはアーティスト名等が入力できない時でも、日頃聴いている曲の曲情報を利用して、アーティスト名等の曲情報を容易に取り込むことができる楽曲情報取得システムを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係る楽曲情報取得システムは、前記課題を解決するため、再生曲のアーティスト名を取得する再生曲アーティスト名取得手段と、前記再生曲のアーティスト名が機器内CDDBに存在するか否かを判別するCDDB内アーティスト名存否判別手段と、前記CDDB内アーティスト名存否判別部でCDDB内に前記再生曲のアーティスト名が存在しないことを検出した時、CDDB補助データ内に前記再生曲のアーティスト名が存在するか否かを判別するCDDB補助データ内アーティスト名存否判別手段とを備え、前記CDDB補助データ内アーティスト名存否判別手段で、CDDB補助データ内に前記再生曲のアーティスト名が存在しないと判別した時、前記CDDB補助データにアーティスト名を記録し、リッピング時には前記CDDB内にリッピングする曲の情報が存在しない時、リッピング補助データを検索し、アーティスト名が存在する時には当該アーティスト名をリッピング曲に登録することを特徴とする。
【0018】
また、前記CDDB補助データ内アーティスト名存否判別手段で、CDDB補助データ内に前記再生曲のアーティスト名が存在しないと判別した時、前記CDDB補助データにアーティスト名を記録し、リッピング時には前記CDDB内にリッピングする曲が存在しない時、リッピング補助データを検索し、アーティスト名が存在する時には当該アーティスト名をリッピング曲に登録することを特徴とする。
【0019】
また、本発明に係る他の楽曲情報取得システムは、前記楽曲情報取得システムにおいて、前記CDDB補助データには再生回数または再生日を記録し、前記CDDB補助データ内に前記再生曲のアーティスト名が存在することを検出した時、そのアーティストの再生回数または再生日を更新して記録することを特徴とする。
【0020】
また、本発明に係る他の楽曲情報取得システムは、前記楽曲情報取得システムにおいて、前記CDDB補助データ内にどのようなアーティスト名が存在するかを表示する表示手段を備え、前記表示手段は前記再生回数順または再生日順にアーティスト名を表示することを特徴とする。
【0021】
また、本発明に係る他の楽曲情報取得システムは、前記楽曲情報取得システムにおいて、前記リッピング時に、CDDB補助データを検索した時、CDDB補助データにリッピングするアーティスト名がない時には、CDDB内のアーティスト名を検索することを特徴とする。
【0022】
また、本発明に係る他の楽曲情報取得システムは、前記楽曲情報取得システムにおいて、前記再生曲のアーティスト名は、圧縮オーディオの再生曲のアーティスト名であることを特徴とする。
【0023】
また、本発明に係る他の楽曲情報取得システムは、前記楽曲情報取得システムにおいて、前記再生曲のアーティスト名は、インターネットラジオの再生曲のアーティスト名であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上記のように構成したので、機器内にあるCDDBによってはアーティスト名等が入力できない時でも、日頃聴いている曲の曲情報を利用して、アーティスト名等の曲情報を容易に取り込むことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の機能ブロック図である。
【図2】本発明においてオーディオ機器内CDDB補助データの蓄積処理の一実施例を行う作動フロー図である。
【図3】本発明のオーディオ機器内CDDB補助データの蓄積処理の第2の実施例を行う作動フロー図である。
【図4】本発明のリッピング時のCDDBと補助データの使用処理を示す作動フロー図である。
【図5】本発明の実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0026】
本発明の実施例を図面に沿って説明する。図1は本発明におけるCDDB補助データにおけるアーティスト名を蓄積する処理部1と、リッピング時にCDDBと、前記処理により蓄積されたアーティスト名を備えたDB補助データを利用してアーティスト名をリッピングデータに登録する処理を行うアーティスト名登録処理2をおこなうようにした機能ブロック図を示している。なお、同図において、各機能を行う機能部は、それぞれ各機能を行う手段ということができる。
【0027】
図1の例においては、最初本発明におけるCDDB補助データにおけるアーティスト名を蓄積する処理部1について説明する。ここでは圧縮オーディを再生し、或いはインターネットラジオのように、曲と共にその曲のアーティスト名や曲名が明らかな曲について、その再生曲のアーティスト名を取得する再生曲アーティスト名取得部3を備えている。
【0028】
即ち、圧縮オーディオにはタグ情報が含まれ、その中にアーティスト名や曲名が含まれている。また、インターネットラジオには現在流れているアーティスト名や曲名がオーディオデータと共に流れている。そのため、圧縮オーディオや、インターネットラジオを聴いている時には、その曲のアーティスト名を取り込むことができる。
【0029】
したがって、この車両搭載オーディオ装置に、メモリカードを入れてmp3等の圧縮したオーディオを車両搭載機器に接続し、或いはUSBメモリにmp3等の音楽、或いは携帯オーディオ、携帯電話、スマートフォン等の圧縮オーディオを車両搭載機器に接続して聴く時、それらの曲のアーティスト名を取得することができる。
【0030】
CDDB内アーティスト名存否判別部4では、取得した再生曲のアーティスト名がCDDB内に含まれているか否かを検出する。これはCDDBの中のデータについて、アーティスト名で検索することによって、そのアーティスト名がCDDBに含まれているか否かを検出することができる。ここで、CDDBに含まれている時にはそれ以降の処理は必要ない。
【0031】
それに対して、取得したアーティスト名がCDDBに存在しないことがわかった時には、CDDB補助データ内にアーティスト名が存在するか否かを、CDDB補助データ内アーティスト名存否判別部5で判別する。このCDDB補助データは、CDDBとは異なり、あくまでもCDDBの利用を補助するデータとして、CDDBに無いアーティスト名を必要に応じて再生回数11、再生日12と共に記録している。
【0032】
また、このデータは必要に応じてアーティスト名表示部10で、再生回数順14に、または再生日順15に見ることができ、それにより以前何回も聴いた曲のアーティスト名であるか、聴いたはかりの曲か、聴いたのはかなり前であったか、のような情報と共にアーティスト名を表示することができるようにしている。
【0033】
このような表示を見て、アーティスト名はCDDB補助データ内にあることがわかった時には、同じアーティスト名に再度聴いた曲の登録を行う。したがって、そのアーティスト名がCDDB補助データに存在しないことがわかった時には、そのアーティスト名をCDDB補助データに、再生日、再生回数1回等の関連データと共に記録する。
【0034】
このような処理を繰り返すことにより、CDDB補助データはCDDBに関わらず多くなり、特に新しい曲についてはCDDBに無くてもCDDB補助データは増えるため、後述するようにリッピング時に於けるCDDBに無い曲でも、補助データを利用してアーティスト名を手入力することなく取り込むことができる。
【0035】
一方リッピング時にCDDBを利用し、補助データを利用してアーティスト名を登録する処理に際しては、リッピング時CDDB及び補充データ利用アーティスト名登録処理部2で処理を行う。ここでもCDDB、及び前記のようにアーティスト名が蓄積されたCDDB補助データが使用されるので、CDDB補助データアーティスト名蓄積処理部1に重ねて示している。
【0036】
リッピングデータCDDB内チェック部16では、現在リッピングしている曲について、そのデータがCDDB内にあるか否かを判別している。ここでCDDB内にあったと判別した時には、この作動は全て終了する。しかしながらCDDBに無いと判別した時には、CDDB補助データ内アーティスト名チェック部19で、CDDB補助データ内に、現在リッピングしようとしている曲のアーティスト名が存在するか否かをチェックする。
【0037】
ここでCDDB補助データ9について、アーティスト名表示部13により、再生回数順14や、再生日順15により表示して、存在する時には、そのアーティスト名を指示してリッピング曲アーティスト名登録部18で登録する。ここでCDDB補助データ9に存在しない時には、図示実施例ではCDDB内アーティスト名存否判別部17で判別を行うようにしている。
【0038】
即ち、図示の例では、CDDBにその曲がないことがわかった時には、直ちにCDDB補助データに日頃蓄えていたアーティスト名が存在するか否かを確かめており、それ以降にCDDBに記録されているアーティスト名に現在リッピング中のアーティスト名が存在するか否かを判別している。
【0039】
ここでCDDBに存在するアーティスト名に現在リッピングしている曲のアーティスト名が存在すると判別した時には、リッピング曲についてアーティスト名を登録する。この作動はリッピング曲アーティスト名登録部18で行っている。ここでCDDBのアーティスト名にも存在しない時には、手入力をするか、或いは無入力とし、「ノンタイトル」とする。なお、この実施例ではCDDBに曲情報が無い時先にCDDB補助データをチェックした例を示したが、先にCDDBのアーティスト名をチェックしても良い。
【0040】
上記のような機能ブロックから成る本発明においては、図2〜図4に示すような作動フローに従って作動させることができる。図2に示すオーディオ機器内CDDB補助データ蓄積処理の第1実施例においては、圧縮オーディオ再生時にCDDB補助データに新しいアーティスト名を取り込む例を示している。
【0041】
即ち、図2に示すオーディオ機器内CDDB補助データ蓄積処理の第1実施例においては、最初圧縮オーディオフアイルの再生から開始する(ステップS1)。それにより圧縮オーディオフアイルに含まれている再生曲のアーティスト名が取得される(ステップS2)。次いで再生機器内のCDDBに取得したアーティスト名があるかを調べる(ステップS3)。その結果、再生機器内のCDDBにアーティスト名があった時にはステップS6に進み、次の曲を再生したか否かを判別する。それに対して無かった時には、次いでCDDB補助データにその取得したアーティスト名があるか否かを判別する(ステップS4)。
【0042】
この処理は図1に於いて、再生曲アーティスト名取得部3がアーティスト名を取得し、CDDB内アーティスト名存否判別部4がCDDB内をチェックした結果、CDDB内に取得したアーティスト名があると判別した時には以降の処理を終了し、次の再生曲を待つ。それに対してCDDBに取得したアーティスト名が無かった時には、CDDB補助データ内アーティスト名存否判別部5が、CDDB補助データ内に取得したアーティスト名があるか否かを判別することにより行っている。
【0043】
ステップS4でCDDB補助データ内に取得したアーティスト名があると判別した時には、ステップS9に進んで、存在するアーティスト名に対して、再生日時及び再生回数等を記録する。また、補助データ内に取得したアーティスト名が存在しないと判別した時には、新しいアーティスト名であると判別し、新しくアーティスト名及び再生日時等を記録する(ステップS5)。
【0044】
この作動は図1に於いて、CDDB補助データ内アーティスト名存否判別部5がCDDB補助データ内のアーティスト名を調べた結果、存在しないことがわかった時には、CDDB補助データアーティスト名及び関連データ記録部5が新しいアーティスト名を記録する。また、アーティスト名があった時には、CDDB補助データ内アーティスト名再生回数、及び再生日時記録部7で再生回数を更新して記録し、再生日時を新しく記録することにより行っている。
【0045】
以降は、前記ステップS3で再生機内のCDDBに取得したアーティスト名があると判別した時と共にステップS6に進み、次の曲を再生したか否かを判別して、次の曲を再生した時にはステップS2に戻って再生曲のアーティスト名を取得し、以降同様の作動を繰り返す。
【0046】
ステップS6で次の曲を再生していないと判別した時には、再生を終了するか否かを判別し、未だ再生を終了しない時にはステップS5に戻り、引き続き再生を継続し、再生を終了する時には外部接続機器の再生作動を終了して、一連の圧縮オーディオファイルの再生は終了する。
【0047】
図3にはオーディオ機器内CDDB補助データ蓄積処理の第2例として、入力するオーディオデータがインターネットラジオである場合の作動を示している。その場合は最初にオーディオ機器をインターネット網に接続して、インターネットラジオのサイトに接続することから開始する(ステップS11)。その後利用者が聴こうとする楽曲の条件を指定してダウンロードを指示する(ステップS12)。
【0048】
続いてインターネットから指示条件に適合した楽曲を順にダウンロードして一曲ずつ再生する(ステップS13)。その後再生中の曲のアーティスト名を取得する(ステップS14)。これは、インターネットラジオでは、曲と共にアーティスト名や曲名が同時に流れており、これを表示していることにより容易に取り込むことができる。
【0049】
以降は図2のステップS3からの作動と同様の作動を行うので、ここでの説明は省略するが、図3に於いてインターネットラジオで再生曲のアーティスト名を取得する作動をステップS14で行った結果、図1で再生曲アーティスト名取得部3でアーティスト名を取得し、以降は同様の作動を行うことになる。
【0050】
このようなCDDB補助データを用いて実際にリッピングする作動は図4に示すようにして行われる。図4に示すリッピング時のCDDBと補助データ使用処理においては、最初リッピング処理を開始することから始める(ステップS21)。次いで機器内CDDBにリッピング曲はあるか否かを判別している(ステップS2)。ここでは利用者がリッピングする曲のアーティスト名はCDのジャケットを見ることによりわかっているものとする。CDDBの中にあると判別した時にはステップS30に進んでCDDBによりアーティスト名や曲名を登録する。これはCDDBを利用する通常の形態である。
【0051】
ステップS22で機器内CDDBにリッピング曲はないと判別した時には、図4の実施例では、再生機器内のCDDB補助データのアーティスト名を再生回数順または再生日順に表示するか否かを判別している。ここで利用者は表示部に表示される再生日順、再生回数順、五十音順等の表示を見て、再生回数順を選んだ時には再生回数順にアーティスト名を並べる(ステップS24)。それに対して再生日順を選んだ時には再生回数の多い順に並べる(ステップS32)。また五十音順を選んだ時にはアーティスト名順に並べて表示する(ステップS31)。
【0052】
その後CDDB補助データにアーティスト名はあるか否かを判別し(ステップS26)、存在する時にはそれを指示することによりアーティスト名をリッピング曲に登録する。このようにして、CDDBに無い曲も手入力することなく単に指示するだけでアーティスト名を登録することができる。従ってこのリッピング曲は「ノンタイトル」の表示が出ることなく、以降は特定のアーティスト名の中にその曲が入っており、別のプレーヤにおいてもこのアーティスト名で聴くことができる。
【0053】
ステップS26でCDDB補助データにアーティスト名が無いと判別した時には、図4の実施例ではCDDBのアーティスト名をリスト表示する。その後リストの中に所望のアーティスト名があるか否かを判別し(ステップS28)、存在した時にはリッピング曲にそのアーティスト名を登録する。この時表示されるアーティスト名は膨大な数であり、通常は五十音で探すこととなる。また、リスト内に所望のアーティストがないときには手入力、または無入力となる。
【0054】
図5は本発明の作動を図示したもので、同図(a)にはCDDB補助データの蓄積処理を示している。同図に於いて圧縮オーディオまたは、インターネットラジオ等により「○○○○アーティスト」の名前を取得して、CDDBに存在するか否かを問い合わせると、そのアーティストは存在しないことがわかると、CDDB補助データに問い合わせる。そこにも無いことがわかると、「○○○○アーティスト」をCDDB補助データに記録すると共に、同時に「○○月○日」に再生したことも記録する。このような処理を繰り替えすことにより、CDDB補助データは蓄積されていく。
【0055】
リッピングに際しては、「○○○○アーティスト」の曲がリッピング曲にかかった時、CDDBにアクセスして無いことがわかり、次にCDDB補助データにアクセスし、このリストを表示させて、表示曲の中にあることによりそれを指示することによって、リッピング曲に登録する。このようにして手入力を行うことなく、また「ノンタイトル」の表示を行うことなく、適切なアーティスト名を付与することができる。
【符号の説明】
【0056】
1 CDDB補助データアーティスト名蓄積処理部
2 リッピング時CDDB及び補助データ利用アーティスト名登録処理部
3 再生曲アーティスト名取得部
4 CDDB内アーティスト名存否判別部
5 CDDB補助データ内アーティスト名存否判別部
6 CDDB補助データアーティスト名及び関連データ記録部
7 CDDB補助データ内アーティスト名再生回数、再生日順記録部
8 CDDB
9 CDDB補助データ
10 アーティスト名
11 再生回数
12 再生日
13 アーティスト名表示部
14 再生回数順
45 再生日順
16 リッピングデータCDDB内チェック部
17 CDDB内アーティスト名存否判別部
18 リッピング曲アーティスト名登録部
19 CDDB補助データ内アーティスト名チェック部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
再生曲のアーティスト名を取得する再生曲アーティスト名取得手段と、
前記再生曲のアーティスト名が機器内CDDBに存在するか否かを判別するCDDB内アーティスト名存否判別手段と、
前記CDDB内アーティスト名存否判別部でCDDB内に前記再生曲のアーティスト名が存在しないことを検出した時、CDDB補助データ内に前記再生曲のアーティスト名が存在するか否かを判別するCDDB補助データ内アーティスト名存否判別手段とを備え、
前記CDDB補助データ内アーティスト名存否判別手段で、CDDB補助データ内に前記再生曲のアーティスト名が存在しないと判別した時、前記CDDB補助データにアーティスト名を記録し、
リッピング時には前記CDDB内にリッピングする曲の情報が存在しない時、リッピング補助データを検索し、アーティスト名が存在する時には当該アーティスト名をリッピング曲に登録することを特徴とする楽曲情報取得システム。
【請求項2】
前記CDDB補助データには再生回数または再生日を記録し、
前記CDDB補助データ内に前記再生曲のアーティスト名が存在することを検出した時、そのアーティストの再生回数または再生日を更新して記録することを特徴とする請求項1記載の楽曲情報取得システム。
【請求項3】
前記CDDB補助データ内にどのようなアーティスト名が存在するかを表示する表示手段を備え、
前記表示手段は前記再生回数順または再生日順にアーティスト名を表示することを特徴とする請求項2記載の楽曲情報取得システム。
【請求項4】
前記リッピング時に、CDDB補助データを検索した時、CDDB補助データにリッピングするアーティスト名がない時には、CDDB内のアーティスト名を検索することを特徴とする請求項1記載の楽曲情報取得システム。に
【請求項5】
前記再生曲のアーティスト名は、圧縮オーディオの再生曲のアーティスト名であることを特徴とする請求項1記載の楽曲情報取得システム。
【請求項6】
前記再生曲のアーティスト名は、インターネットラジオの再生曲のアーティスト名であることを特徴とする請求項1記載の楽曲情報取得システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−97838(P2013−97838A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−240712(P2011−240712)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】