説明

楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置

【課題】 楽曲演奏を一時停止した場合であっても、無音状態とすることなく停止時音声出力を行うことが可能な楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置を提供する。
【解決手段】 楽曲演奏中に、当該楽曲演奏の一時停止指令信号を受信すると、当該楽曲演奏の音声出力を一時停止させると共に、当該楽曲演奏に伴って表示されている映像を一時停止させる演奏一時停止制御を行う演奏一時停止制御手段39と、演奏一時停止制御が行われている間、当該楽曲演奏とは異なる音声を出力させる一時停止時音声出力制御手段40とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置に関し、特に、楽曲演奏を一時停止させた際に、映像を一時停止させて表示すると共に、一時停止時音声を出力させることが可能な楽曲演奏装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在普及しているカラオケ演奏装置は、カラオケ演奏中に当該カラオケ演奏を一時的に停止させる機能を有している。すなわち、カラオケ演奏が開始された後に、利用者がカラオケリモコン装置の一時停止ボタン等を操作することにより、その時点でカラオケ演奏が停止し、さらに演奏再開ボタン等を操作することにより、カラオケ演奏が再開するようになっている。
【0003】
また、カラオケ演奏装置を用いた歌唱が、ストレスの解消、脳内ホルモンの活性化、有酸素運動、仲間とのコミュニケーション等、健康に役立つことが判明しており、特に、老人介護施設や医療現場等における健康カラオケとして注目されている。このような健康カラオケでは、ただ単に歌唱を行うだけではなく、カラオケ演奏に合わせて体操を行う歌謡体操も取り入れられている。
【0004】
従来、歌謡体操を取り込んだカラオケ演奏装置として、体操指導用の映像音楽番組を編集出力する機能を備えたものが知られている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載された技術は、カラオケ伴奏音楽を出力する音声出力手段と、歌詞画像入りの背景映像を出力する映像出力手段と、データ記憶手段と、これら音声出力手段、映像出力手段、データ記憶手段を統括してカラオケ演奏の処理を行うコンピュータとを備えている。
【0005】
そして、データ記憶手段に格納される体操映像データベースは、体操所作を実写した区分映像を管理し、コンピュータは、任意の体操用音楽データを音声出力手段により処理する際に、該当する体操台本データに記述された種目IDの順列に従って特定される区分映像のうち、当該区分映像の出力期間における体操用音楽データの標準テンポ値に最も近いテンポ値の区分映像を映像出力手段により再生し、音声出力手段に含まれるテンポ制御系に作用して体操用音楽データの演奏テンポをテンポ値に合わせる構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−140080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、歌謡体操を取り込んだカラオケ演奏装置は、老人介護施設や医療現場における使用が注目されているが、老人やリハビリテーションの対象者に歌謡体操を指導する際には、カラオケ演奏の一時停止機能を使用することが多々ある。すなわち、老人やリハビリテーションの対象者は、健康人と比較して運動機能が低下しているのが一般的であり、カラオケ演奏を中断せずに歌謡体操を指導することは困難な場合が多い。このため、一連の歌謡体操を適宜箇所で区切って、一つの区切り毎に体操の手順を指導している。
【0008】
しかし、従来のカラオケ演奏装置では、カラオケ演奏を一時停止させると、その時点の停止映像は表示されるものの、音声出力も一時停止されるため、無音状態となってしまう。歌謡体操の指導は、一人の指導者が複数の者に対して行うのが一般的であり、歌謡体操の指導中における無音状態は、個別に指導を受けている者にとっては気にならないが、他の者にとっては意識が散漫となるおそれがある。
【0009】
すなわち、歌謡体操が一時中断して無音状態となっても、個別に指導を受けていれば指導者に意識が向いて歌謡体操に集中することができるが、他の者は手持ちぶさたとなり、歌謡体操に飽きてしまったり、ストレスが溜まったりして、健康の増進を目的として歌謡体操を行っている意味が失われかねない。
【0010】
また、一般的なカラオケ演奏の途中で一時停止を行った際にも、まったくの無音状態となったのでは、一時停止を指示した利用者以外の者にとっては無意味な無音状態であるため、場がしらけてしまったり、苛立ちを覚えたりすることがある。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑み提案されたもので、楽曲演奏を一時停止した場合であっても、無音状態とすることなく楽曲演奏とは異なる音声出力を行うことが可能な楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置は、上述した目的を達成するため、以下の特徴点を有している。すなわち、本発明の楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置は、楽曲演奏を一時停止させた際に、映像を一時停止させて表示すると共に、一時停止時音声出力を行うことが可能な楽曲演奏装置であって、演奏一時停止制御手段と、一時停止時音声出力制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
演奏一時停止制御手段は、楽曲演奏中に、当該楽曲演奏の一時停止指令信号を受信すると、当該楽曲演奏の一時停止解除信号を受信するまでの間、当該楽曲演奏の音声出力を一時停止させると共に、当該楽曲演奏に伴って表示されている映像を一時停止させる演奏一時停止制御を行うための手段である。一時停止時音声出力制御手段は、演奏一時停止制御手段による演奏一時停止制御が行われている間、楽曲演奏とは異なる音声を出力させるための手段である。
【0014】
また、上述した構成に加えて、演奏一時停止制御手段は、一時停止指令信号を受信してから所定時間が経過すると、一時停止解除信号を受信しない場合であっても、演奏一時停止制御を解除する機能を持たせることが可能である。
【0015】
このような構成からなる楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置では、例えば、利用者がカラオケリモコン装置の一時停止ボタン等を操作して一時停止指令信号が発信されて、演奏一時停止制御手段が一時停止指令信号を受信すると、当該楽曲演奏の音声出力を一時停止させると共に、当該楽曲演奏に伴って表示されている映像を一時停止させる演奏一時停止制御を行う。この演奏一時停止制御は、例えば、利用者がカラオケリモコン装置の演奏再開ボタンを操作して一時停止解除信号が発信され、演奏一時停止制御手段が一時停止解除信号を受信するまでの間、実行される。すなわち、楽曲演奏が一時停止されると、当該楽曲音声の出力は一時停止され、一時停止が解除されると、当該楽曲音声の出力が再開される。また、楽曲演奏が一時停止されると、映像は停止映像となり、一時停止が解除されると、当該映像の再生が再開される。
【0016】
そして、演奏一時停止制御手段による演奏一時停止制御が行われている間、一時停止時音声出力制御手段の機能により、楽曲演奏とは異なる音声を出力させる。楽曲演奏とは異なる音声とは、例えば、保留音、保留を告げるメッセージ音声、当該楽曲とは異なる楽曲の演奏音声である。
【0017】
なお、演奏一時停止制御手段の機能として、一時停止指令信号を受信してから所定時間が経過すると、一時停止解除信号を受信しない場合であっても、演奏一時停止制御を解除してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明の楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置によれば、楽曲演奏を一時停止させた際に、当該楽曲演奏の音声出力を一時停止させると共に、当該楽曲演奏に伴って表示されている映像を一時停止させるが、この際、楽曲演奏とは異なる音声出力を行うので、まったくの無音状態となることはない。
【0019】
例えば、カラオケ演奏を利用して歌謡体操を指導している際に、カラオケ演奏を一時中断させたとしても、無音状態とはならずに、一時停止に伴う音声が出力されているので、利用者が手持ちぶさたとなることがない。したがって、歌謡体操に対する興味を失わずに、健康の増進を目的とした歌謡体操の意義を十分に発揮することができる。
【0020】
また、例えば、一般的なカラオケ演奏の途中で一時停止を行った際にも、一時停止に伴う音声が出力されているので、場がしらけてしまったり、一時停止の指示を行った利用者以外の利用者が苛立ちを覚えたりすることがなく、カラオケ本来の楽しさを損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る楽曲演奏一時停止機能を備えたカラオケ演奏装置の構成を示すブロック図。
【図2】映像表示例を示す説明図。
【図3】一時停止制御の一例を示すフローチャート。
【図4】一時停止制御の他の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明の楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態では、楽曲演奏装置としてカラオケ演奏装置を例にとって説明を行う。図1は本発明の実施形態に係るカラオケ演奏装置の構成を示すブロック図、図2は映像表示例を示す説明図、図3及び図4は一時停止制御を示すフローチャートである。
【0023】
<楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置の概要>
本発明の実施形態に係る楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置は、例えば、カラオケ演奏装置に適用されるものであり、カラオケ演奏を一時停止させた際に、カラオケ演奏の音声出力を一時停止させると共に、当該カラオケ演奏に伴って表示されている映像を一時停止させ、さらに、当該カラオケ演奏とは異なる一時停止時音声の出力を行うものであって、演奏一時停止制御手段と、一時停止時音声出力制御手段とを備えて構成される。これらの手段については、後に詳述する。
【0024】
上述した各手段及び以下に説明する各手段は、例えば、CPU等のハードウェアが、ROM等に記憶されたプログラムに従って動作することにより実現されるものである。なお、プログラムとは、RAM等に記憶され、CPU等のハードウェアで実行されることにより、その機能を発揮するソフトウェアだけではなく、同等の機能を発揮することが可能な論理回路も含む概念である。
【0025】
<カラオケ演奏装置>
本発明の実施形態に係る歌詞文字表示システムを適用するカラオケ演奏装置10は、図1に示すように、カラオケ本体21、カラオケリモコン装置22、スピーカ23、マイクロホン24、表示装置25、ミキシングアンプ26を備えている。
【0026】
<カラオケリモコン装置>
カラオケリモコン装置22は、ユーザインタフェース機能を備えており、カラオケ本体21の送受信手段35との間で有線方式又は無線方式によりデータの送受信を行うようになっている。このカラオケリモコン装置22は、楽曲検索手段22aとして機能するプログラム、楽曲索引データベース22b、データの送受信を行うための電子回路及びプログラム、フラッシュメモリ等からなる記憶手段(図示せず)を備えている。このカラオケリモコン装置22に付帯するスイッチ類や、入出力表示部(図示せず)に表示される各種のアイコン等を操作することにより、選曲操作を行ったり、一時停止指令信号及び一時停止解除信号を発信したりすることができる。
【0027】
<楽曲検索手段/楽曲索引データベース>
楽曲検索手段22aは、利用者の指示に基づき、楽曲索引データベース22bを参照して楽曲を検索するためのプログラムからなる。楽曲索引データベース22bは、カラオケ本体21で演奏に供されるカラオケ楽曲について、その属性情報を記述したデータベースであり、例えば、楽曲番号・曲名・歌手名・歌い出し部分の歌詞・流行時期・音楽ジャンル区分・デュエット曲か否かなど、種々の属性情報がこれに含まれている。
【0028】
<マイクロホン>
マイクロホン24は、歌唱音声の入力を行うための装置である。マイクロホン24から入力された歌唱音声信号は、ミキシングアンプ26により、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とミキシングされると共に増幅され、スピーカ23へ出力される。
【0029】
<表示装置>
表示装置25は、カラオケ楽曲に関連した背景映像や歌詞テロップ等を表示するための装置で、例えば、液晶ディスプレイ等により構成される。この表示装置25は、一般的に普及している液晶ディスプレイ等であってもよいし、フルハイビジョンに対応した液晶ディスプレイ等であってもよい。
【0030】
<カラオケ本体>
カラオケ本体21は、図1に示すように、中央制御手段31、ROM32、RAM33、HDD34、送受信手段35、予約管理手段36、音楽再生制御手段37、映像再生制御手段38、演奏一時停止制御手段39、一時停止時音声出力制御手段40を備えている。
【0031】
<中央制御手段>
中央制御手段31は、カラオケ本体21を総合的に制御するための手段であり、例えばCPU及びその周辺機器により構成されており、CPU等がROM32等に記憶されたプログラムに従って動作することにより、制御機能を発揮することができるようになっている。
【0032】
<ROM/RAM>
ROM32は、カラオケ本体21を構成する各機器を制御するためのプログラムデータや数値データを記憶するための機器で、例えば半導体メモリ等で構成される。また、RAM33は、プログラムや各種データを一時的に記憶する一時記憶領域として機能するもので、例えば半導体メモリ等で構成される。なお、物理的な半導体メモリによりRAM33を構成するのではなく、ハードディスク記憶装置等を用いて仮想的なRAM33を構成してもよい。
【0033】
本実施形態では、RAM33に、予約待ち行列33aが記憶されている。予約待ち行列33aは、選曲予約されたカラオケ楽曲について、演奏順に楽曲IDを並べて構成されたデータテーブルであり、選曲者の利用者ID等、他の識別データが紐付けられている場合もある。
【0034】
<HDD>
HDD34は、大容量記憶装置として機能するもので、楽曲データベース34a、映像データベース34b、一時停止時音声データ34cが格納されている。なお、HDD34に替えて、あるいはHDD34と共に、データを書き替え可能なDVD等の大容量記憶装置を用いてもよい。
【0035】
<楽曲データベース/映像データベース>
楽曲データベース34aは、演奏データ(MIDI(登録商標)データ)及び歌詞描出データが同期されて構成される楽曲データについて、楽曲IDと対応付けてそれぞれ構成されたデータベースである。演奏データは、各楽曲の演奏を制御するためのデジタルデータであり、歌詞描出データは演奏に同期した歌詞文字データ、歌詞文字の表示タイミングデータ及び色変わりデータを含んでいる。映像データベース34bは、演奏されるカラオケ楽曲に対応して表示される背景映像を、当該カラオケ楽曲の楽曲IDに対応させた映像ファイルとして所定数格納したデータベースである。
【0036】
<一時停止時音声データ>
一時停止時音声データ34cは、演奏一時停止制御手段39により演奏一時停止制御が行われている際に、一時停止時音声出力制御手段40により出力される音声データである。一時停止時音声とは、例えば、保留音、保留を告げるメッセージ音声、当該楽曲とは異なる楽曲の演奏音声等である。
【0037】
また、HDD34に格納される一時停止時音声データ34cは、1つのみであってもよいし、複数格納されていてもよい。複数の一時停止時音声データ34cが格納されている場合には、サービスマンや利用者の設定指示に応じて一時停止時音声データ34cを選択してもよいし、楽曲毎に対応する一時停止時音声データ34cを設定してもよいし、ランダムに一時停止時音声データ34cを選択してもよい。
【0038】
<一時停止時音声データの出力方法>
一時停止時音声データ34cは、演奏一時停止制御手段39により演奏一時停止制御が行われている際に出力されるが、その出力開始時にフェードインしてもよいし、所定時間経過後に一時停止制御が解除されるモードの場合には、その解除前にフェードアウトしてもよい。
【0039】
<一時停止時音声データの選択方法>
一時停止音声データ34cに対して、カラオケ楽曲に付加されているジャンルやリリース年、流行年などの属性情報と同様に属性情報を付加し、一時停止されるカラオケ楽曲と合致する属性情報が付加された一時停止音声データ34cを自動選択してもよい。
【0040】
<送受信手段>
送受信手段35は、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間で、データの送受信を行うための電子回路及びプログラムからなる。本実施形態では、赤外線通信により、カラオケ本体21とカラオケリモコン装置22との間でデータの送受信が行われる。
【0041】
<予約管理手段>
予約管理手段36は、利用者により楽曲検索手段22aの機能を用いて選曲された楽曲の楽曲IDを演奏順に並べて予約待ち行列33aを生成し、この予約待ち行列33aをRAM33に格納して管理するためのプログラムからなる。カラオケ演奏は、予約待ち行列33aに登録された楽曲ID順に行われ、演奏が終了した楽曲及び予約をキャンセルした楽曲については、その楽曲IDが予約待ち行列から削除される。
【0042】
<音楽再生制御手段>
音楽再生制御手段37は、楽曲IDに基づいて楽曲データベース34aから抽出された演奏データに基づいて、音源データをデジタル再生すると共にアナログ変換してミキシングアンプ26に出力するための電子回路である。上述したように、ミキシングアンプ26は、マイクロホン24から入力された歌唱者の歌唱音声信号と、音楽再生制御手段37から送出される演奏音声信号とをミキシングすると共に、アンプ機能により増幅してスピーカ23より出力させるための装置である。
【0043】
<映像再生制御手段>
映像再生制御手段38は、カラオケ楽曲を演奏する際に、映像データベース34bから抽出した当該カラオケ楽曲の背景映像データと、演奏データに含まれる歌詞描出データに基づいて生成される歌詞文字とを、当該カラオケ楽曲の演奏データに同期させて表示装置25に出力するためのプログラムからなる。
【0044】
<演奏一時停止制御手段>
演奏一時停止制御手段39は、カラオケ演奏中に、当該カラオケ演奏の一時停止指令信号を受信すると、当該カラオケ演奏の一時停止解除信号を受信するまでの間、当該カラオケ演奏の音声出力を一時停止させると共に、当該カラオケ演奏に伴って表示されている映像を一時停止させる演奏一時停止制御を行うためのプログラムからなる。
【0045】
すなわち、任意のカラオケ楽曲が演奏されている際に、利用者がカラオケリモコン装置22を操作する等して、一時停止指令信号が発信され、演奏一時停止制御手段39がこの一時停止指令信号を受信すると、現在演奏中のカラオケ楽曲について音声出力を一時停止させると共に、背景映像及び歌詞テロップの表示を一時停止させる。これにより、音楽再生制御手段37は当該楽曲の演奏音声信号の出力を停止し、映像再生制御手段38は停止映像を表示させる。
【0046】
この演奏一時停止制御は、利用者がカラオケリモコン装置22を操作する等して、一時停止解除信号が発信され、演奏一時停止制御手段39がこの一時停止解除信号を受信するまでの間、あるいは所定時間が経過するまでの間、実行される。
【0047】
<一時停止時音声出力制御手段>
一時停止時音声出力制御手段40は、演奏一時停止制御手段39による演奏一時停止制御が行われている間、楽曲演奏とは異なる音声を出力させるためのプログラムからなる。すなわち、演奏一時停止制御が行われている間は、一時停止時音声出力制御手段40により、HDD34に格納されている一時停止時音声データ34cが出力される。これにより、音楽再生制御手段37は当該楽曲の演奏音声信号に代えて、一時停止時音声データ34cを音声信号として出力する。
【0048】
<演奏一時停止制御処理>
図2〜図4を参照して、本実施形態の演奏一時停止制御処理について説明する。例えば、歌謡体操を行わせるためのカラオケ楽曲が演奏されると、図2に示すように、表示装置25の表示画面には、歌詞と共に、体操の模範演技映像及び体操の説明が表示される。なお、図2に示す例では、矢印で示す順に映像が連続的に表示される。
【0049】
図3に示すように、カラオケ楽曲が演奏されている際に(S1)、利用者の操作により、一時停止指令信号が発信され、演奏一時停止制御手段39が当該一時停止指令信号を受信すると(S2)、演奏一時停止制御手段39の機能により、現在演奏中のカラオケ楽曲の音声出力を一時停止させると共に、背景映像及び歌詞テロップの表示を一時停止させる(S3)。
【0050】
そして、一時停止時音声出力制御手段40の機能により、HDD34に格納されている一時停止時音声データ34cを出力する(S4)。これにより、スピーカ23から、カラオケ演奏音に代えて一時停止時音声が出力される。例えば、図2に示す「4」で、一時停止指令信号を受信した場合には、「4」の映像が一時停止表示されると共に、カラオケ演奏音に代えて一時停止時音声が出力される。
【0051】
そして、利用者の操作により、一時停止解除信号が発信され、演奏一時停止制御手段39が当該一時停止解除信号を受信すると(S5)、演奏一時停止制御手段39による演奏一時停止制御が解除され、一時停止していたカラオケ演奏が再開される(S6)。上述した例では、図2に示す「4」で一時停止していた映像の再生が再開され、順次「5」、「6」の映像に連続的に移行する。また、一時停止していたカラオケ演奏が再開される。
【0052】
また、図4に示すように、演奏一時停止制御手段39が一時停止解除信号を受信しない場合であっても、所定時間が経過すると、一時停止制御を解除してもよい。図4に示す演奏一時停止制御処理では、ステップ11(S11)〜ステップ14(S14)は、図3に示す制御処理のステップ1(S1)〜ステップ4(S4)と同様の処理が行われる。そして、利用者の操作により、一時停止解除信号が発信され、演奏一時停止制御手段39が一時停止解除信号を受信するか(S15−1)、所定時間が経過すると(S15−2)、演奏一時停止制御手段39による演奏一時停止制御が解除され、一時停止していたカラオケ演奏が再開される(S16)。
【0053】
<他の実施形態>
本発明の楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置は、カラオケ演奏装置10だけではなく、楽曲及び映像を表示する他の楽曲演奏装置にも適用することができる。すなわち、本発明の楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置は、カラオケ歌唱を行わせるカラオケ演奏装置10だけではなく、歌謡体操の指導を目的とした楽曲演奏装置等に広く適用することができる技術である。
【0054】
また、楽曲演奏装置及びその周辺装置を構成する機器や手段は上述したものに限定されず、その利用目的に応じて、必要な機器や手段のみの構成としたり、適宜他の機器や手段を付加したりすることができる。また、各手段をそれぞれ別個のものとして構成するのではなく、複数の機能を統合した手段として構成してもよい。さらに、カラオケ本体21をカラオケサーバとネットワーク接続することにより、利用者情報等を一元的に管理することができる。
【符号の説明】
【0055】
10 カラオケ演奏装置
21 カラオケ本体
22 カラオケリモコン装置
22a 楽曲検索手段
22b 楽曲索引データベース
23 スピーカ
24 マイクロホン
25 表示装置
26 ミキシングアンプ
31 中央制御手段
32 ROM
33 RAM
33a 予約待ち行列
34 HDD
34a 楽曲データベース
34b 映像データベース
34c 一時停止時音声データ
35 送受信手段
36 予約管理手段
37 音楽再生制御手段
38 映像再生制御手段
39 演奏一時停止制御手段
40 一時停止時音声出力制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楽曲演奏を一時停止させた際に、映像を一時停止させて表示すると共に、一時停止時音声出力を行うことが可能な楽曲演奏装置であって、演奏一時停止制御手段と、一時停止時音声出力制御手段と、を備え、
前記演奏一時停止制御手段は、楽曲演奏中に、当該楽曲演奏の一時停止指令信号を受信すると、当該楽曲演奏の一時停止解除信号を受信するまでの間、当該楽曲演奏の音声出力を一時停止させると共に、当該楽曲演奏に伴って表示されている映像を一時停止させる演奏一時停止制御を行い、
前記一時停止時音声出力制御手段は、前記演奏一時停止制御手段による演奏一時停止制御が行われている間、前記楽曲演奏とは異なる音声を出力させる、
ことを特徴とする楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置。
【請求項2】
前記演奏一時停止制御手段は、前記一時停止指令信号を受信してから所定時間が経過すると、前記一時停止解除信号を受信しない場合であっても、前記演奏一時停止制御を解除する、
ことを特徴とする請求項1に記載の楽曲演奏一時停止機能を備えた楽曲演奏装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−54047(P2013−54047A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−190019(P2011−190019)
【出願日】平成23年8月31日(2011.8.31)
【出願人】(390004710)株式会社第一興商 (537)
【Fターム(参考)】