説明

構内案内データ収集装置および構内案内データ収集端末および構内案内データ収集方法およびプログラム

【課題】 構内の3次元構造全体を把握でき、かつ現在地を把握するための目印となるラ
ンドマークや景観情報を提供できる構内案内の方式が存在していなかった。また、そのよ
うな3次元構造の構内案内に必要となるランドマークや景観情報を収集し、即時にディジ
タル化して蓄積できる手段が存在していなかった。
【解決手段】 3次元的な移動と通常の2次元的な移動とを異なる方法で提示する手段を
もつことで、3次元構造全体の情報と詳細な情報との双方を把握しやすく提示する。また
、構内の平面図をもとに3次元構造の情報の入力や編集するための手段と、詳細な情報の
取得をサポートする手段をもつことで、構内案内に必要となるデータの収集コストを低減
する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、駅や地下街などの複雑な3次元構造を有する建造物内部の構内の案内と、
構内案内に必要となる情報を集めるための情報収集と、それを利用したサービスを行うた
めの構内案内装置および構内案内方法およびサーバ装置および案内利用端末、構内案内デ
ータ収集装置および構内案内データ収集方法および構内案内データ収集端末およびコンピ
ュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、利用者を出発地から目的地へ誘導するための道案内システムが一般的に使われる
ようになってきている。その最も顕著な例はカーナビゲーションであるが、その一方で、
歩行者用の道案内システムもいくつかのタイプが製品化されている。
【0003】
例えば、GPS(Global Positioning Service)受信機を搭載した携帯端末が発売さ
れ、利用者の位置情報に基づいて道案内を行うサービスが始まりつつある。また、このよ
うな位置情報を使用せずに、利用者が出発地や目的地を明示的に指定して道案内を受ける
サービスが、PCや携帯端末などで盛んに行われている。これらの道案内サービスの中に
は、案内する経路をあらかじめ人手で描いておくものがあるが、この方式では案内できる
範囲が限られてしまう。そのため、多くのサービスでは地図会社から歩行者用の通路ネッ
トワークを購入して、そのネットワークを探索することによって案内経路を自動的に生成
している。
【0004】
これに対して、駅や地下街などのような、大規模かつ複雑な3次元構造を有する建造物
構内の案内サービスは、現状ではあまり手がつけられていない状態である。一部の駅を対
象として、階段の近くに停車する車両とドアを提示するサービスが行われているが、この
サービスは、出発駅ホームから目的駅ホームの階段までをあらかじめ用意された文章で案
内するにとどまっており、駅構内の経路を自動的に生成して案内するものではない。
【0005】
他にも、3次元的な構造を2.5次元的にデフォルメした地図で案内するサービスが行
われているが、このサービスではあらかじめ案内経路が人手で描かれており、利用者が指
定した出発地と目的地に応じて経路を自動的に生成して案内するものではない。
【0006】
一方、地下鉄の改札口では、階段を出たときの景観を示すために写真を掲示している場
所がある。また、構内の景観を写した複数枚の写真を貼り合わせたり補間することにより
、擬似的な3次元空間をつくりだして道案内するシステムが存在する。しかし、写真はそ
の場限りの情報であるため、利用者が構内の全体像や目的地までの経路を把握することが
できない。
【0007】
このように、従来の構内案内サービスには、利用者の指定した出発地と目的地に応じて
自動的に経路を生成して案内するものがなかった。そのため、遠距離と近距離の鉄道が交
差する大規模な乗り換え駅や地下街などでの案内にはあまり適さないという問題があった
。この問題の原因は、駅構内の改札付近やコンコースのような広い空間(以下、広域場)
では、歩行者が通ることのできる道筋が無数に存在するため、案内経路を自動的に生成す
るのが難しいことにある。
【0008】
単純な解決策のひとつに、広域場にメッシュ状の通路ネットワークを張り、そのネット
ワークを探索することによって経路を生成する方法がある。しかしこの方法では、メッシ
ュの構成要素や解像度などのパラメータを一意に決めることが難しい。例えば、メッシュ
の構成要素を四角形にするか、それとも四角形を×状に分割した三角形にするかで、生成
される経路は全く違ったものになる。また、メッシュの解像度を粗くすると、経路探索の
計算量が減少する代わりに、不自然に遠回りする経路が生成されることがある。反対に、
メッシュの解像度を細かくすると、遠回りな経路が無くなる代わりに計算量が増大してし
まう。このように、メッシュ状のネットワークを張る方法では、広域場の形状に合わせて
パラメータの与え方を試行錯誤して決めなければならない。
【0009】
別の解決策として、現在地から前方に照射した光線の照射方向を目的地側に傾けていっ
たときに、最初にその光線を遮る頂点を辿ることによって経路を生成する方法(歩行者情
報提供システム、特開平10−319839)がある。しかしこの方法には、経路に含ま
れる曲がり角の数を少なくしたり、確認しやすいランドマークの近くを通るようにするな
どの枠組みがないため、利用者にとって分かりやすい経路を生成することができない。
【特許文献1】特開平10−319839
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、現状では構内の3次元構造全体を把握でき、かつ現在地を把握するため
の目印となるランドマークや景観情報を提供できる構内案内の方式が存在していなかった

【0011】
さらにそのような3次元構造の構内案内を行うために必要となるランドマークや景観情
報を収集し、即時にディジタル化して蓄積できる手段が存在していなかった。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、駅や地下街などの3次元構造を有する建造物構内のデータを収集するための
構内案内データ収集装置において、前記構内の2次元構造を記述した平面図をもとに、前
記構内の3次元構造を表すルートデータと案内ポイントからなる構造情報の入力および編
集するための構造情報編集手段と、この構造情報編集手段により入力および編集された構
造情報であるルートデータと案内ポイントを提示するための提示手段と、前記構造情報編
集手段により入力および編集されたルートデータと案内ポイントを対応付けてなる構造情
報を記憶するための構造情報記憶手段と、前記提示手段に提示された構造情報の案内ポイ
ントのすべての進入および脱出方向における目印となるランドマークデータあるいは景観
データである案内情報を入力および編集するための案内情報編集手段と、この案内情報編
集手段により入力および編集されたランドマークデータあるいは景観データを対応付けて
なる案内情報を記憶するための案内情報記憶手段とを具備したことを特徴とする。これに
より、この構内案内を行うための情報を効率良く収集することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上述べたように、本願発明によれば、複雑な3次元構造をもつ駅構内などで経路の全
体と現場の詳細な情報との双方を参照した案内を行うことができる。さらに、この構内案
内を行うための情報を効率良く収集することができるので、低コストで構内案内を実現で
き、その波及効果は大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、図面を参照して本願発明の実施形態について説明する。
【0015】
[第1実施形態]まず、本願発明の第1実施形態について説明する。図1は第1実施形
態に係る構内案内装置のシステム全体の構成図である。この構内案内装置によるシステム
は、大きく分けて歩行者が携帯する案内利用端末1Aと、構内案内提供業者に設置された
構内案内サーバ2Aから構成される。以下、構内案内装置のシステムが適用される場所を
駅構内として説明を行う。
【0016】
案内利用端末1Aは、PDA(Personal Digital Assistant)あるいは携帯電話端末機
のような歩行者が気軽に携帯することのできる小型計算機を想定している。タッチペン、
あるいはボタンなどの操作キー、あるいは音声入力するためのマイクから成る入力指定部
13と、ディスプレイあるいはスピーカーから成る提示部14と、構内案内サーバ2Aと
通信するための通信部11と、各手段の動作を制御するための制御部12から構成される

【0017】
入力指定部13は構内案内の出発地と目的地を入力したり、提示部14に提示された情
報を切り替えたりするためのものである。また、提示部14は構内案内サーバ2Aから通
信部11を介して受信した提示情報を提示するものである。
【0018】
構内案内サーバ2Aは、構内案内提供業者に設置される高性能計算機であり、構内の3
次元構造の情報である構造情報を記憶するための構造情報記憶部26と、案内すべき地点
(以下、案内ポイント)での目印となる案内情報を記憶するための案内情報記憶部25と
、案内利用端末1Aと通信するための通信部21と、構造情報から出発地と目的地を結ぶ
経路を生成するための経路情報生成部24と、生成された経路の案内ポイントへの進入あ
るいは脱出方向に応じて案内情報記憶部25から案内情報を取り出し、案内利用者が分か
りやすい提示情報を生成するための提示情報生成部23と、各手段の動作を制御するため
の制御部22から構成される。
【0019】
図2は構内案内装置における処理の手順を示したフローチャートである。案内利用端末
1Aの処理手順が図2(a)、構内案内サーバ2Aの処理手順が図2(b)にそれぞれ示
した。案内利用端末1Aは、まず案内利用者が入力指定部13で構内案内の出発地と目的
地を入力する(ステップS101)。この入力処理を行う際のユーザインターフェースの
例を図3に示す。
【0020】
ここでは初期画面として、図3(a)に示すような4つの入力フォームと2つの検索ボ
タン、1つのリセットボタンと案内を表示させるための[構内案内GO]ボタンから成る
画面が表示される。例えば、出発地に関連のあるキーワード、例えば図3(b)のように
「S駅T線」と入力して検索ボタンを指定すると、図3(c)のようにキーワードに関連
のある駅構内の場所が一覧表示されるので、その中のひとつを選択させる。
【0021】
ここでは、指定されたキーワード「S駅T線」に対して「T線南口」などの7つの候補
が表示され、案内利用者は自分のいるホームである「2番ホーム(A行き)」を出発地と
して選択されている。また、目的地についても出発地と同様に指定することができ、例え
ば図3(d)のように「S駅Y線」と入力して検索ボタンを指定すると、図3(e)のよ
うにキーワードに関連のある駅構内の場所が一覧表示されるので、その中のひとつを選択
させる。図3(f)のように出発地と目的地の入力が終了した時点で、画面右下の[構内
案内GO]ボタンを指定させる。すると、次の処理に移る。
【0022】
なお、出発地と目的地を指定するユーザインターフェースは図3のみに限定されない。
例えば、ホーム・出入口・改札・切符売り場・トイレなどの種類別の階層メニューを用い
て指定する方法や、駅構内の平面図を表示して直接位置を指定する方法、音声で入力する
方法などが考えられる。また、図3では出発地と目的地を案内利用者が直接入力する例を
示したが、Bluetooth(TM)のような近距離無線通信を利用して、構内の分岐点や
部屋の入口にあらかじめ設置しておいた位置提供部31から位置データを取得することに
より、自動的に出発地を指定することもできる。さらに、本システムを既存の電車乗り換
えサービスと連携すれば、乗り換え案内の結果を利用して出発地と目的地を自動的に決め
ることもできる。
【0023】
図2のフローチャートの説明にもどる。次に、入力された出発地と目的地が通信部11
を介して構内案内サーバ2Aへ送信される(ステップS102)。すると、構内案内サー
バ2Aは図2(b)の処理を行う(ステップS103)。
【0024】
まず、構内案内サーバ2Aは、案内利用端末1Aから送信されてきた出発地と目的地を
通信部21で受信する(ステップS103(a))。次に、経路情報生成部24にて、構
造情報記憶部26に記憶されている構造情報から最適な経路情報を生成する(ステップS
103(b))。ここで構造情報とは、図4(a)に示すように、構内の3次元構造内に
おける始点と終点からなる経路を線分で表したルートデータと、このルートデータの区切
りを表す案内ポイントデータからなる。案内ポイントは主にルートデータの分岐点や部屋
の入口に設定され、案内利用者に構内案内を提示すべき場所に位置する。なお、構造情報
を形成するルートデータは図4(b)の形式であり、案内ポイントデータは図4(c)の
ような形式であってそれぞれ構造情報記憶部26に記憶されているものとする。
【0025】
経路情報生成部24は、この構造情報の中から出発地と目的地を結ぶ最適経路に対応す
る部分を抜き出すが、この処理はネットワーク上で最適経路を求める方法として知られる
ダイクストラ法などを用いるとよい。また、このダイクストラ法のコストとして例えば、
経路の距離を用いるとよい。これにより、図5(a)のような経路情報が生成される。こ
こでは、23番の案内ポイントを出発地として、21番、20番、13番と進み、10番
を目的地とする経路の例が生成されたものとする。この例の場合、図4(b)のルートデ
ータから図5(b)を、図4(c)の案内ポイントデータから図5(c)を経路情報とし
てそれぞれ抜き出す。
【0026】
次に提示情報生成部23にて、案内情報記憶部25の中から、生成した経路情報に対応
する案内情報を抜き出す。ここで案内情報とは、各案内ポイントでの目印となるランドマ
ークデータあるいは景観データを、すべての進入および脱出方向について表したものであ
る。
【0027】
例えば、図5(b)(c)の経路情報に対応する案内情報は図6に示すようになる。こ
こでは、出発地である23番の案内ポイントでは脱出しかないので、進入に関する情報は
必要ない。同様に目的地である10番の案内ポイントでは、脱出に関する情報は不要であ
る。
【0028】
さらに、この案内情報を抜き出す処理では、提示情報生成部23に有される移動情報生
成部27(図7(a))により、経路情報から移動情報を生成する。ここで移動情報とは
、各案内ポイントへの進入時と脱出時の3次元的な進行方向と、案内利用者が次に進むべ
き方向を表したものである。例えば、図5(b)(c)の経路情報から生成した移動情報
は図7(b)のようになる。
【0029】
このようにして生成された案内情報(図6)と移動情報(図7(b))は、生成された
経路情報(図5(b)(c))と合成され、図8の提示情報としてまとめられる(ステッ
プS103(c))。この提示情報は、各案内ポイントにおいて進入方向と脱出方向に対
応するランドマークデータと、景観データと、次に進むべき方向で表されるものである。
そして、この提示情報は、案内利用者が目で見て分かりやすい形式に変換され、通信部2
1を介して案内利用端末1Aへ送信される(ステップS103(d))。
【0030】
一方、案内利用端末1Aは、構内案内サーバ2Aから送信された提示情報を受信する(
ステップS104)。そして、案内利用者の現在地に対応する提示情報を図9のような画
面構成で提示する(ステップS105)。
【0031】
図9では、画面下部に経路情報とランドマークデータを提示して2次元的な道案内を提
示し、画面上部に景観データを提示して3次元的な道案内を提示する。
【0032】
経路情報には案内利用者の現在地と進行方向が2次元の矢印で示され、景観データには案
内利用者の次に進むべき方向が3次元の矢印が付加されて示される。例えば、図9(a)
は直進路を前に進むように案内し、図9(b)はT字路を左折するように案内し、図9(
c)は左折後の直進路を前に進むように案内している。
【0033】
また、図9(d)は右折先に下り階段があることを知らせるため、景観データに右下向
きの矢印を示して案内し、図9(e)は右折後の下り階段を下りるように案内し、図9(
f)は階段を下りた後向かって左側のホームへ進むように案内している。
【0034】
このように、本実施形態では経路とランドマーク、現在の進行方向を2次元で提示して
、案内利用者の「今どこにいるのか」という不安を解消するとともに、3次元の景観図と
次に進むべき方向を提示して、「次にどちらへ進めばよいのか」という不安を解消するこ
とができる。なお、各画面の切り替えは案内利用端末1Aの入力指定部13の操作キーな
どを用いて案内利用者が手動で行うか、あるいは、図10に示すように、最寄りの案内ポ
イントに設置された位置提供部31から、提示部14が有する位置取得部16へと位置デ
ータを送信し、その位置データに応じて切り替え部15が提示部14の提示内容を自動的
に切り替えることが考えられる。
【0035】
位置提供部31と位置取得部16の間での位置データのやり取りには、Bluetoo
th(TM)のような近距離無線通信を利用すればよい。この提示内容の自動切り替え方式の
利用イメージは、例えば図11のようになる。案内利用者は、案内利用端末1Aに何ら操
作を加えることなく、目的地に到達することができる。
【0036】
このように、本実施形態の構内案内装置によれば、構内の3次元構造全体を把握でき、
かつ現在地を把握するための目印となるランドマークや景観情報を提供することができる
ため、例えば、案内利用者にとってより分かりやすい構内案内サービス(図17)が実現
される。
【0037】
[第2実施形態]次に、本発明の第2実施形態について説明する。図12は第2実施形
態に係る構内案内データ収集装置の全体構成図である。
【0038】
この構内案内データ収集装置は、大きく分けて情報調査業者の調査員が携帯する構内案
内データ収集端末1Bと、情報調査業者に設置された構内案内データ収集サーバ2Bから
構成される。以下、構内案内データ収集装置が適用される場所を第1の実施形態と同様に
駅構内として説明を行う。
【0039】
構内案内データ収集端末1Bは、PDA(Personal Digital Assistant)あるいは携帯
電話端末機のような歩行者が負担なく携帯することのできる小型計算機である。タッチペ
ン、あるいはボタンなどの操作キー、あるいは音声入力するためのマイクから成る入力指
定部13と、ディスプレイあるいはスピーカーから成る提示部14と、構内案内データ収
集サーバ2Bと通信するための通信部11と、構造情報の入力や編集を行うための構造情
報編集部17と、案内情報の入力や編集を行うための案内情報編集部18と、各手段の動
作を制御するための制御部12から構成される。入力指定部13は構内案内データ収集の
出発地を入力したり、提示部14に提示された情報を切り替えたりするためのものである
。また、提示部14は編集中の構造情報や案内情報を提示するためのものである。
【0040】
構内案内データ収集サーバ2Bは、情報調査業者に設置される計算機であり、ルートデ
ータと案内ポイントデータを対応付けた構造情報を記憶するための構造情報記憶部26と
、案内ポイントでの目印となるランドマークデータあるいは景観データがすべての進入お
よび脱出方向について示した情報である案内情報を記憶するための案内情報記憶部25と
、構内案内データ収集端末1Bと通信するための通信部21と、各手段の動作を制御する
制御部22から構成される。
【0041】
図13は構内案内データ収集装置における処理のフローチャートである。この図から分
かるように、構内案内データの収集処理は、大きく分けて構造情報編集ステップ(ステッ
プS200)と案内情報編集ステップ(ステップS300)の2つの処理から構成される
。図14は構造情報編集ステップのフローチャートである。構内案内データ収集端末1B
の処理手順が図14(a)、構内案内データ収集サーバ2Bの処理手順が図14(b)に
それぞれ示されている。
【0042】
まず、構内案内データ収集端末1Bは、利用者によって入力指定部13から構内の平面
図を入力される(ステップS201)。ここで構内の平面図は、予め準備された駅構内の
地図データから読み出してもよい。例えば、構内案内データ収集端末1Bの提示部14に
は、図15(a)(b)のような画面構成で平面図と操作モードメニューが表示される。
【0043】
次に、構造情報編集部17にて構造情報の入力や編集がなされる(ステップS202)
。具体的には、利用者が操作モードメニューの中から適当な操作モードを選択し、平面図
の上にタッチペンなどを用いてルートデータと案内ポイントデータを重ね書きしていく。
構造情報の編集中には、提示部14に図15(c)(d)のようにルートデータと案内ポ
イントデータの編集状況が提示され、新たな編集操作を加える毎に提示内容が更新される

【0044】
なお、階段やエレベータ、エスカレータなどの複数の平面図にまたがるルートデータを
編集するには、入力指定部13の操作キーなどを用いて複数の平面図とそれに対応する構
造情報の提示を切り替えながら作業を行うとよい。
【0045】
そして、構造情報の入力や編集が終わると、通信部11を介して入力された構造情報を
構内案内データ収集サーバ2Bへ送信する(ステップS203)。そして、構内案内デー
タ収集サーバ2Bは図14(b)の手順で構造情報を記憶する処理を行う(ステップS2
04)。
【0046】
構内案内データ収集サーバ2Bは、まず構内案内データ収集端末1Bから送信された構
造情報を通信部21で受信する(ステップS204(a))。次に、受信した構造情報を
構造情報記憶部26に記憶し(ステップS204(b))、構造情報編集ステップの処理
を終了する。ここで記憶する構造情報は図4のような形式でよい。
【0047】
次に、図16のフローチャートを用いて案内情報編集ステップの処理内容について説明
する。この図では、構内案内データ収集端末1Bの処理手順が図16(a)、構内案内デ
ータ収集サーバの処理手順が図16(b)にそれぞれ示されている。
【0048】
まず、構内案内データ収集端末1Bは、利用者に入力指定部13から編集処理の出発点
を指定させる(ステップS301)。具体的には、構造情報編集ステップの最後に提示部
14に提示されていた画面(図15(c)(d)と同様)上で入力指定部13のタッチペ
ンなどを用いて案内ポイントを指定する。
【0049】
次に、指定された案内ポイントでの案内情報を入力し編集を行う(ステップS302)
。具体的には、提示部14に提示中の画面(図15(c)(d)と同様)の案内ポイント
上に、各進入および脱出方向を向いた矢印が順番に表示されるので、この矢印の方向に合
わせてランドマークデータと景観データを案内情報編集部18により入力および編集して
いく。ここで景観データは構内案内データ収集端末1Bに接続されたデジタルカメラから
直接撮像した静止画データでもよい。
【0050】
そして、指定された案内ポイントのすべての進入および脱出方向について編集が終了し
たかを判定し(ステップS303)、終了していない場合は、進行方向を更新して(ステ
ップS304)案内ポイントでの案内情報を入力し編集を続ける。終了したら、次の処理
に進む。
【0051】
次に、すべての案内ポイントについて編集が終了したかを判定し(ステップS305)
、終了していない場合は案内ポイントを新たな点に更新して(ステップS306)編集作
業を繰り返していく(ステップS302)。
【0052】
なお、案内ポイントの更新は入力指定部13のタッチペンなどを用いて利用者が手動で
行うか、あるいは、案内情報編集部25が近隣の案内ポイントを自動的に選択して利用者
に提示することで、編集作業をサポートしてあげることが考えられる。この案内ポイント
の自動更新機能は、利用者の負担を大幅に軽減し、データ収集作業の効率を大幅に向上さ
せることができる。
【0053】
案内情報の編集が終わると、通信部11を介して案内情報を構内案内データ収集サーバ
2Bへ送信する(ステップS307)。構内案内データ収集サーバ2Bは図16(b)の
手順で案内情報の記憶処理を行う(ステップS308)。
【0054】

構内案内データ収集サーバ2Bは、まず、構内案内データ収集端末1Bから送信された
案内情報を通信部21で受信する(ステップS308(a))。次に、受信した案内情報
を案内情報記憶部25に記憶し(ステップS308(b))、案内情報編集ステップの処
理を終了する。ここで記憶する案内情報は図6のような形式でよい。
【0055】
このように、本実施形態の構内案内データ収集装置によれば、構内の3次元構造を案内
するために必要となるランドマークや景観情報を効率良く収集し、即時にディジタル化し
て蓄積することができるため、データ収集時間の大幅短縮と人為的ミスの大幅軽減が実現
された構内案内データ収集サービス(図18)が実現される。
【0056】
[第3実施形態]次に、本願発明の第3実施形態について説明する。図19は第3実施
形態に係る構内案内データ収集装置の全体構成図である。
【0057】
この図から分かるように、この第3実施形態の構内案内データ収集装置は、図12に示
した第2実施形態の構成に構造情報生成部28が追加された構成となっている。
【0058】
第2実施形態では、構造情報編集部17にてルートデータと案内ポイントデータの入力
や編集を人手で行っている(図15(c)(d))。このルートデータと案内ポイントデ
ータは、何れの出発点と目的点が選ばれたとしても、それら2点間を結ぶ経路が不自然な
道筋にならないように配置しなければならない。例えば、図15(b)のような駅構内の
ホールの場合、単純に各通路の中心付近に置いた線分(図20(a))を結び合わせただ
けでは(図20(b))、C地点とD地点を結ぶ経路が遠回りする不自然な道筋になって
しまうため(図20(c))、線分を1本追加して滑らかになるようにしなければならな
い(図20(d))。
【0059】
しかし現実には、すべての出発点と目的点の組み合わせについて、それらを結ぶ道筋が
不自然かどうか人手でチェックするのは難しい。また、作業者が人間である以上、人為的
ミスや品質のバラツキが生じるのは避けられない。さらに、図20(e)のようにホール
内に支柱などの障害物が存在する場合には、それらを避けながら進んでいく道筋を配置す
る必要があり、さらに問題が複雑になってくる。
【0060】
この問題の根本的な原因は、ホールや改札付近、コンコースなどの広域場には歩行者が
通る可能性のある道筋が無数に存在し、そのすべてを人手で網羅できないことにある。そ
こで本実施形態では、構造情報生成部28にて広域場のルートデータと案内ポイントデー
タを計算機で自動生成させることによって問題を解決している。
【0061】
本実施形態の構内案内データ収集装置における処理のフローチャートは第2実施形態と
同様であり、大きく分けて構造情報編集ステップと案内情報編集ステップの2つの処理か
ら構成される(図13)。ただし、構造情報編集ステップにおける構内案内データ収集端
末1Bの処理手順は図14から図21へと置き換えられる。図21では、構内案内データ
収集端末1Cの処理手順が図21(a)、構内案内データ収集サーバ2Cの処理手順が図
21(b)にそれぞれ示されている。また、図21(b)のステップS405(b)の詳
細な処理手順が図21(c)にそれぞれ示されている。第2実施形態と異なるのはステッ
プS403、S405(b)の処理である。
【0062】
ステップS403では、構造情報編集部17にて広域場の構造情報の初期値が入力され
る。ここで構造情報の初期値とは、広域場の外周および障害物の輪郭線を表すルートデー
タと、このルートデータの区切りを表す案内ポイントデータからなる。この案内ポイント
は主に輪郭線の曲がり角に置かれるが、構内案内の出発地や目的地の候補となる階段、改
札などの位置にも設定される。例えば、図22(a)のような駅構内の広域場の場合、図
22(b)のようなルートデータと案内ポイントが初期値として入力される。
【0063】
この処理では、第2実施形態において構造情報を編集したときと同様に、構内の平面図
の上にタッチペンなどを用いてルートデータと案内ポイントデータを重ね書きすることが
必要になる。ただし、平面図を下絵にして広域場の外周や障害物の輪郭をトレースする作
業は機械的な作業に近く、人手で行ったとしても人為的ミスや品質のバラツキが生じにく
いため、第2実施形態のような大きな問題にはならない。また、機械的な作業に近いので
あるから計算機プログラムとして実現することも可能である。
【0064】
ステップS405(b)では、構造情報生成部28にて広域場内部の構造情報を生成す
る。この処理の詳細な手順は図21(c)に示すようになる。まず、構造情報生成部28
は、構造情報記憶部26に記憶された広域場の案内ポイントの中から、任意の1点を出発
点として選択する(ステップS405(b1))。また、すでに出発点として選択されて
いない広域場の案内ポイントを目的点として選択する(ステップS405(b2))。
【0065】
次に、出発点と目的点が互いに見える(可視)かどうか、すなわち、出発点と目的点を
結ぶ線分がどのルートデータとも交差しないか判定し(ステップS405(b3))、交
差しない場合は出発点と目的点を可視点対として記録する(ステップS405(b4))
。交差する場合は次の処理に進む。例えば、図22(b)において案内ポイントAを出発
点とした場合、図22(c)のような線分の両端点が可視点対として記録される。
【0066】
次に、出発点以外のすべての目的点について可視性判定が終了したか判定し(ステップ
S405(b5))、終了していない場合は目的点を更新して(ステップS405(b6
))可視性判定を繰り返す。すべての目的点について終了したら、次に、すべての出発点
について可視性判定が終了したかどうか判定し(ステップS405(b7))、終了して
いない場合は出発点を更新する(ステップS405(b8))。そして目的点を初期化し
(ステップS405(b2))、可視性判定を繰り返す。
【0067】
すべての出発点について終了したら、これまでに得られたすべての可視点対の間を線分
で結ぶ(ステップS405(b9))。例えば、図22(b)のすべての可視点対の間を
線分で結ぶと図22(d)のような可視グラフと呼ばれるネットワークが得られる。この
ネットワークの線分がルートデータを、頂点が案内ポイントデータをそれぞれ表している

【0068】
ここで生成したルートデータと案内ポイントデータの中から、出発地と目的地を結ぶ最
適経路に対応する部分を抜き出した場合、何れの出発地と目的地が選ばれたとしても、経
路が不自然な道筋になることはない。なぜなら、可視な点を次々に辿って効率良く目的地
へ向かう経路は、地理に詳しい歩行者がとる典型的な道筋と一致するからである。例えば
、図22(a)のA地点からB地点への最適経路は図22(e)のようになる。
【0069】
なお、生成した経路が広域場の外周や障害物に近づきすぎるのが望ましくない場合には
、可視グラフを求める前に、あらかじめ広域場の外周の輪郭線を縮小するとともに、障害
物の輪郭線を拡大しておけばよい。また、生成した経路を滑らかに提示したい場合は、経
路をスプライン曲線などで近似すればよい。
【0070】
このように、本実施形態の構内案内データ収集装置によれば、広域場内の2点間を結ぶ
経路が不自然な道筋にならないようにルートデータと案内ポイントデータを配置すること
ができるため、データ収集コストと人為的ミスがより一層軽減された構内案内データ収集
サービスが実現される。
【0071】
[第4実施形態]次に、本願発明の第4実施形態について説明する。図23は第4実施
形態に係る構内案内データ収集装置の全体構成図である。この図から分かるように、第4
実施形態の構内案内データ収集装置は、図19に示した第3実施形態の構成に案内ポイン
ト追加部29が追加された構成となっている。
【0072】
第3実施形態では、構造情報編集部17と構造情報生成部28にてルートデータと案内
ポイントデータの入力および編集あるいは生成を行うが、案内ポイントデータは主にルー
トデータの分岐点に位置していた。本来、案内ポイントとは案内利用者に構内案内を提示
すべき場所、すなわち、ランドマークが近くに見える場所に位置するはずであり、その場
所がルートデータの分岐点だけとは限らない。実際には、ルートデータの線分上からラン
ドマークが見えることも多いはずである。そこで本実施形態では、案内ポイント追加部2
8にてルートデータの線分上に新たに案内ポイントを生成することによって、案内利用者
にとってより分かりやすい位置で構内案内を提示できるようにしている。
【0073】
本実施形態の構内案内データ収集装置における処理のフローチャートは第3実施形態と
同様であり、大きく分けて構造情報編集ステップと案内情報編集ステップの2つの処理か
ら構成される(図13)。ただし、構造情報編集ステップにおける構内案内データ収集サ
ーバ2Dの処理手順は図14(b)から図24へと置き換えられる。図24では、構内案
内データ収集サーバ2Dの全体処理手順が図24(a)、ステップS503の詳細な処理
手順が図24(b)にそれぞれ示されている。第3実施形態と異なるのはステップS50
3の処理である。
【0074】
ステップS503では、案内ポイント追加部28にて、構造情報記憶部26に記憶され
たルートデータの線分上に案内ポイントが追加される。まず、案内ポイント追加部28は
ルートデータの任意の1つを選んでその始点を現在地に設定する(ステップS503(a
))。そして、現在地の近くにランドマークが見えるか判定し(ステップS503(b)
)、近くに見える場合はそのランドマークの見えやすさのスコアを計算および記録する(
ステップS503(c))。近くに見えない場合は次の処理に進む。
【0075】
次に、現在地がルートの終点か判定し(ステップS503(d))、終点でない場合は
現在地を終点方向に微小距離だけ進めて(ステップS503(e))、ランドマークが近
くにあるかの判定処理(ステップS503(b))へ戻る。現在地が終点の場合、すなわ
ち、ひとつのルートを始点から終点まで走査し終えたら、見えやすさのスコアがピークに
なる位置に案内ポイントを生成する(ステップS503(f))。
【0076】
次に、すべてのルートを調べ終えたか判定する(ステップS503(g))。
【0077】
まだ残りのルートがある場合は、それらの中の任意の1つを選んでルートを更新し(ステ
ップS503(h))、同様な処理を行う。すべてのルートを調べ終えたら終了する。
【0078】
ステップS503(b)において現在地の近くにランドマークが見えるか判定するには
、現在地の可視領域の中にランドマークがあるか判定すればよい。ここで可視領域とは、
例えば図25(a)にて点線で示されるような扇形の領域のことを指している。この可視
領域の中にランドマークがあるか判定するには、ランドマークの一部が可視領域内に入っ
ているか判定すればよい。例えば、ランドマークの形状が図25(a)に示すような多角
形で表される場合は、多角形の何れかの辺が可視領域内に入っているか調べることになる
。この場合は、図25(b)のように辺ABと辺ADが可視領域内に入っているので、ラ
ンドマークが領域内にあると判定される。
【0079】
ステップS503(c)においてランドマークの見えやすさのスコアを計算するには、
まず、そのランドマークの各辺が現在地から見えるか判定する。そのためには、各辺の両
端点と現在地とが可視点対であるか判定すればよい。例えば、図25(c)では点A、B
と現在地とを結ぶ点線が他の線分と交差しないため、辺ABは現在地から可視であると判
定される。
【0080】
一方、図25(d)では点Dと現在地とを結ぶ点線が線分ABと交差するため、辺AD
は現在地から可視でないと判定される。次に、可視であると判定された各辺と進行方向ベ
クトルとがなす鋭角の大きさを計算する。例えば、図25(e)では辺ABとベクトルP
Dのなす鋭角θの大きさを求めることになる。
【0081】
この角度が90度に近いほど、すなわち、現在地とランドマークが正対しているほど高
いスコアを付けるようにする。例えば、次式のような関数を用いてスコアを計算すればよ
い。「見えやすさのスコア=1/(91−θ)」。
【0082】
このように、本実施形態の構内案内データ収集装置によれば、ルートデータの線分上に
おいてランドマークがよく見える位置に案内ポイントを追加することができる。この結果
、案内利用者にとってより分かりやすい位置で案内を提示することのできる構内案内サー
ビス(図17)が実現される。
【0083】
[第5実施形態]次に、本願発明の第5実施形態について説明する。図26は第5実施
形態に係る構内案内装置の全体構成図である。この図から分かるように、第5実施形態の
構内案内装置は、図1に示した第1実施形態の構成にコスト計算部30が追加された構成
となっている。
【0084】
第1実施形態では、経路情報生成部24において、構造情報記憶部26に記憶された構
造情報の中から、入力指定部13にて入力された出発地と目的地を結ぶ最適経路に対応す
る部分を抜き出している。この処理は、ネットワーク上で最適経路を求める方法として知
られるダイクストラ法などを用いて、コスト最小の経路を探索することによって行われる
。第1実施形態では、このコストに経路の距離を用いていた。しかし、距離の短い経路が
必ずしも歩行者にとって分かりやすいわけではない。大幅に遠回りする経路でない限り、
いかに曲がり角の少ない経路であるか、あるいは、いかに現在地を確認しやすいランドマ
ークの近くを通る経路であるかということの方が歩行者にとっては重要である。
【0085】
そこで本実施形態では、コスト計算部30にて、経路の距離だけでなく、経路に含まれ
る曲がり角の数および案内ポイントの数を加味したコストを計算することによって、案内
利用者をより適切に出発地から目的地へと誘導することのできる経路を生成する。
【0086】
一般的に、歩行者は方向転換する際に道に迷うことが多いので、経路に含まれる曲がり
角の数は少ないほうがよい。そのため、経路探索の際に大きな角度で曲がる線分を辿る場
合のコストを増加させるようにする。また、歩行者はランドマークがない経路を進むと不
安に感じるため、案内ポイントを多く含む線分を辿る場合のコストを減少させるようにす
る。例えば、「コスト=距離+(α×回転角度)−(β×案内ポイントの数)」のような
関数を用いて経路に含まれる各線分のコストを計算すればよい。
【0087】
ここで、αとβは正の定数である。また、回転角度とは、ひとつ前に辿った線分と今回
辿る線分のなす角度のことを指している。このようなコストを最小にする経路を探索する
ことにより、利用者を出発地から目的地へ誘導するための分かりやすい案内経路を生成す
ることができる。
【0088】
このように、本実施形態の構内案内装置によれば、曲がり角が少なく、ランドマークの
近くを通るような経路を生成することができるため、案内利用者をより適切に出発地から
目的地へと誘導する構内案内サービス(図17)が実現される。
【0089】
[第6実施形態]次に、本願発明の第6実施形態について説明する。図27は第6実施
形態に係る構内案内データ収集装置の全体構成図である。この図から分かるように、第6
実施形態の構内案内データ収集装置は、図23に示した第4実施形態の構成に景観データ
変換部33が追加された構成となっている。
【0090】
第4実施形態では、各案内ポイントのすべての進入および脱出方向における目印となる
ランドマークデータと景観データを、案内情報編集部18にて入力および編集しているが
(図16)、この作業のコストはかなり大きい。特に景観データは、実際に現地へ人が出
かけて収集してくる必要があるため、案内ポイントの数が増えるにつれて作業コストが膨
らんでしまう。また、ランドマークの景観が変更されたり、広域場の内部に新たな障害物
が設置されて案内ポイントが移動した場合に、既存の景観データの多くを収集し直さなけ
ればならない。
【0091】
そこで本実施形態では、ランドマークを異なる方向から見た景観を数枚収集して案内情
報記憶部25に記憶させておき、それらの景観を案内ポイントの位置に合わせて景観デー
タ変換部33にて補間することによって、すべての案内ポイントで景観を収集したのと同
じ効果をつくりだせるようにしている。こうすることにより、各ランドマークにつき数枚
の景観を集めるだけで済むようになるため、大幅に作業コストを軽減することができる。
たとえランドマークの景観が変更されたとしても、そのランドマークの景観だけを集め直
せばよくなる。また、広域場の内部に新たな障害物が設置された場合にも、移動した案内
ポイントの位置に合わせて景観を補間し直せば済むようになる。
【0092】
例えば、図28のようにランドマークを三方向から見た景観さえ用意しておけば、これ
らを補間することによって別の位置から見た景観をつくることができる。
【0093】
このように、本実施形態の構内案内データ収集装置によれば、ランドマークを異なる方
向から見た景観を案内ポイントの位置に合わせて補間することができるため、各ランドマ
ークにつき数枚の景観を収集するだけで済むようになり、データ収集コストがより一層軽
減された構内案内データ収集サービス(図18)が実現される。
【0094】
[第7実施形態]次に、本願発明の第7実施形態について説明する。図29は第7実施
形態に係る構内案内装置の全体構成図である。この図から分かるように、第7実施形態の
構内案内装置は、図26に示した第5実施形態の構成に案内ポイント選択部32が追加さ
れた構成となっている。
【0095】
第5実施形態では、提示情報生成部23にて提示情報を生成している。この提示情報は
、経路情報生成部24にて生成された経路上の各案内ポイントにおけるランドマークデー
タと、景観データと、次に進むべき方向で表されるものである。しかし実際には、単純に
経路上のすべての案内ポイントで案内を提示するよりも、特に分かりやすい案内ポイント
を選んで、利用者が不安にならない程度の適切な間隔ごとに提示してあげた方が、案内利
用者にとってより使いやすくなるはずである。
【0096】
そこで本実施形態では、案内ポイント選択部32にて、経路上の各案内ポイントの間隔
とランドマークの見えやすさのスコアとをもとに、案内を提示すべき案内ポイントを選択
させるようにしている。例えば、次式のような関数を用いて経路上の案内ポイントの最適
な組み合わせを求めればよい。
【0097】
案内ポイントの組み合わせのスコア=Σ{(α×見えやすさのスコア)−(β×(理想
間隔−ひとつ前の案内ポイントとの間隔)2)}。
【0098】
ここで、αとβは正の定数である。また、理想間隔とは歩行者が目印無しで不安なく進
むことのできる距離を指している。
【0099】
このように、本実施形態の構内案内装置によれば、利用者が不安にならない程度の適切
な間隔ごとに、確認しやすいランドマークを参照した案内を提示することができるため、
案内利用者にとってより使いやすい構内案内サービス(図17)が実現される。
【0100】
[第8実施形態] 次に、本願発明の第8実施形態について説明する。図10に示され
ているように、案内利用端末の位置取得部16は、構内に設置された位置提供部31から
Bluetooth(TM)のような近距離無線通信を利用して位置データを取得することが
できる。この機能は、ある狭い範囲では案内利用端末が特定の無線デバイスからの電波し
か受信しないということを利用している。しかし実際には、電波の到達距離を正確に調整
することはコスト面から困難である。また、駅の構内などでは、道案内だけでなく他の情
報配信サービスも行われる場合があり、同じ通信方式を利用した無線デバイスが併設され
ることが考えられる。そのため、案内利用端末が複数の無線デバイスからの電波を受信し
てしまい、近傍の位置提供部31を上手く検出できないという問題が発生する。
【0101】
例えば、無線デバイスが図30のように配置されているとする。この図では、構内案内
サービスで利用される位置提供部31が★印で、他の情報配信サービスで利用される情報
提供装置が☆印でそれぞれ示されている。本来、歩行者が構内案内サービスを受ける際に
は★印の無線デバイスのみを検出したいのだが、☆印のデバイスが同じ通信方式を利用し
ていると双方のデバイスからの電波を受信してしまうため、検出に時間を要したり失敗し
てしまうことがある。
【0102】
この問題は、検出の際に指定している通信相手の数が、実在する通信相手の数よりも少
ない場合などに発生する。一方で、検出を速くするためには通信相手の数をなるべく少な
めに設定しておくことが望ましい。そこで本実施形態では、位置取得部16にて、構内に
設置された無線デバイスの配置情報を利用して通信相手の数を制御することにより、この
問題を解決している。
【0103】
図31は本実施形態における位置取得部16の構成図である。この図から分かるように
、位置取得部16は、位置提供部31から位置データを受信するための位置検出部161
と、構内の無線デバイスの配置情報に応じて前記位置検出部161の動作を制御するとと
もに、位置検出部161の位置検出結果を受け取って切り替え部15に通知するための位
置検出制御部162とから構成される。
【0104】
図32は、案内ポイント20から案内ポイント22までの案内経路と、その周囲に設置
された無線デバイスの配置を示している。各無線デバイスの配置情報は図33のような形
式で案内情報記憶部25に記憶されている。図33において、デバイスIDとは無線デバ
イスを特定するためのユニークなIDであり、例えばBluetooth(TM)のデバイス
IDなどが使われる。
【0105】
また、種類とはその無線デバイスの使用目的であり、例えば「位置提供」は位置提供部
として使用されることを表し、「情報配信」は構内情報あるいは案内情報を配信するサー
ビスに使用されることを表している。また、設置位置とは無線デバイスの設置位置を特定
する情報であり、例えば(50,20,10)のような構内の3次元座標で表される。
【0106】
図32の案内ポイント20から案内ポイント22へ案内する場合、提示情報生成部23
は、図33の無線デバイスの配置情報を参照して、各案内ポイントの位置検出制御情報を
生成する。ここで、位置検出制御情報とは例えば図34のように表される。図34におい
て、位置提供用デバイスIDとは各案内ポイント近傍の★印の無線デバイスの中で最も近
いもののIDを表している。例えば案内ポイント20に対しては、422626、262
642、890512、898522、179970の5つの近傍のデバイスの中から4
22626が選ばれている。
【0107】
また、歯止用デバイスIDとは、案内経路の近傍にない★印の無線デバイスの中で最も
近いもののIDを表しており、利用者が道を間違えたときに使用される。図34では、案
内ポイント20に対して799701が選ばれている。この歯止用デバイスIDを使用す
ると、案内ポイント20から案内ポイント21に案内する際に、検出した位置データが7
99701であった場合には、切替部は利用者が間違った方向へ進んでしまっていること
を提示部に表示し、例えば案内ポイント20へ戻るように案内を提示できるようになる。
【0108】
また、図34の検出パラメータとは位置検出手段161が検出する通信相手の数を制御
するための情報であり、近傍にあるデバイスの数などで表される。例えば案内ポイント2
0に対しては5が指定されている。
【0109】
位置検出制御部162は、図34の位置検出制御情報をもとに位置検出部161を制御
しながら位置取得を行う。この処理の手順を表すフローチャートは図35のようになる。
例えば案内ポイント20から案内ポイント21へ向かう場合、位置検出制御部162は、
まず案内ポイント21の検出パラメータから通信相手の数を2に指定し(ステップ601
)、検出を開始するように位置検出部161に指示する(ステップ602)。そして、位
置検出部161から検出結果が返されるのを待ち、検出結果を受信したら検出終了を指示
する(ステップ603)。
【0110】
次に、検出結果が案内ポイント21に対応する位置提供部645482であるか判定し
(ステップ604)、判定結果を切り替え部に通知する。判定結果が歯止用の無線デバイ
スであった場合には、道を間違えているので案内ポイント20へ戻るような案内を提示す
ることを切り替え部に指示し(ステップ608、369)、ステップ601にもどる。検
出結果が案内ポイント21であれば、切替部に次の案内ポイント22の案内を提示させる
(ステップ605)。
【0111】
次に、検出結果が目的地であるかを判定し(ステップ606)、目的地であれば処理を
終了する。目的地でなければ現在位置を更新し(ステップ607)、ステップ601へ戻
って処理を継続する。
【0112】
このように、本実施形態の構内案内装置によれば、同じ通信方式を利用した無線デバイ
スが併設されている場合でも、その場所ごとの通信環境に合わせて位置取得を行うことが
できるようになるため、より安定した案内提示の自動切り替え機能を備えた構内案内サー
ビス(図17)が実現される。
【0113】
なお、本実施形態では構内に設置された無線デバイスのみを対象にしているが、各無線
デバイスに接続している端末の分布を加味して同様に制御することも可能である。
【0114】
[第9実施形態]本実施形態では、構内案内の機能を用いることにより、乗換案内をよ
り使いやすくすると同時により自然に構内案内を使ってもらえるようにする例を示す。
【0115】
図37がその例である。従来の乗換案内では、利用者が指定した乗車駅、下車駅、時間
から時間優先もしくは料金優先で乗換経路を案内している。図37の例では、構内案内を
利用することにより、乗換駅で利用できる乗換経路がアイコンで表示されている。「新宿
」の横に並べられているのは、順に「エスカレーターが利用できる経路」「エレベーター
が利用できる経路」「乗換用の専用改札を通る経路」「乗換時の切符を買う券売機を通る
経路」「途中で食事ができる経路」を表している。
【0116】
図38は利用者が「乗換用の専用改札を通る経路」を表すアイコンを選んだ場合に表示
される構内案内の例である。現在でも駅構内にどんな施設があるかを一覧で見ることので
きるサービスは存在するが、例えば乗換時に利用できるように改札の内部にあるのかどう
かといったことは構内図を利用者が確認しなければならない。それに対して構内案内と組
み合わせることにより、乗換時に使えるかどうかを判定して利用できるものだけを示すこ
とができる。
【0117】
また、従来の乗換案内では乗換時間は一定の時間で計算されるが、構内案内を利用する
ことにより実際にかかる移動時間を計算して乗換時間を指定して乗換経路の探索ができる

【0118】
図36の構成図を基に、以上の実現方法を説明する。図36の左側の点線枠内1Fが乗
換案内サーバである。通信部11は他のサーバーや、ブラウザなどの乗換案内クライアン
トとの間の通信を行う手段である。
【0119】
制御部12は通信部11を通して来た乗換案内を生成する要求に応じて乗換経路生成部
13と乗換案内生成部14に乗換案内を作らせ、結果を要求元へ通信部11を介して返信
するように制御を行う手段である。乗換データ記憶部15は、乗換経路の計算と案内生成
のための路線データおよび時刻表データなどを記録する手段である。
【0120】
乗換経路生成部13は乗換データ記憶部15のデータに基づいて要求された乗車駅、下
車駅、時間に利用できる乗換経路を計算する手段であり、乗換案内生成部14に結果を通
知する。乗換案内生成部14は乗換経路生成部13が計算した経路にしたがって、図37
のように提示する案内を生成する手段であり、例えばHTMLのような形式にして案内が生成
される。図37のようなアイコンを表示するためには、乗換案内生成部14は案内を生成
する時点で構内案内サーバに対して移動経路の列挙を要求する。図37の場合であれば、
新宿駅の山手線(外回り)のホームから小田急線(急行)のホームまでの移動経路を要求する

【0121】
この時、利用者のプロファイルや乗換案内の条件指定で指定した条件があればそれも一
緒に構内案内に送っても良い。構内案内への送信内容は、例えば下記のようなフォーマッ
トで記述する。「命令 駅種別 出発地 目的地 出発時間 条件1 条件2 ・・・」
図37の新宿駅での移動経路であれば例えば下記のように記述する。「経路列挙 新宿
駅 山手線(外回り)ホーム 小田急線(急行)ホーム 9:10 荷物あり」
次に上記のような移動経路の探索要求を構内案内が実行する動作を説明する。
【0122】
図36の右側の点線枠内2Fが構内案内サーバである。図26に経路条件列挙部35と経
路列挙部34が追加された構成になっている。経路条件列挙部35は、乗換案内サーバか
ら指定された条件から経路情報生成部24に探索させる経路の条件を列挙する手段である

【0123】
経路列挙部34は図40のような対応テーブルを保持している。「ユーザ条件」は、利
用者の身体条件や好み、その時の状況などであり、「目的種別」はそのような条件で利用
者が求めるであろうと想定される経路探索の条件を表している。前記の例であれば、乗換
案内から条件として「荷物あり」が指定されているので、図40の対応テーブルにより経
路を探索する際には「バリアフリー」が条件の候補になることが決まる。また、出発時間
から昼時なら「食事」も候補にしたりする。
【0124】
次に、図39に示すような対応テーブルにより「目的種別」から具体的な「探索条件」
を決定する。前記図37の例であれば、「バリアフリー」が指定の条件なので、「エスカ
レーター」と「エレベーター」が探索条件として列挙される。
【0125】
目的種別「乗換」は条件が指定されていなくても常に選択される条件であり、「乗換改札
」「精算機」「券売機」も探索条件として列挙される。以上の処理により、図37の場合
に対しては経路条件列挙部35は「エスカレーター、エレベーター、乗換改札、精算機、
券売機」を探索条件として経路列挙部34に通知する。
【0126】
また、乗換案内サーバから乗換所要時間が指定されている場合、例えば図37の場合な
ら乗換時間7分が条件として指定された場合、経路条件列挙部35は経路列挙部34に対
して乗換所要時間を探索条件に追加する。乗換所要時間が乗換案内から条件として指定さ
れるのは、利用者が時間優先で乗換案内の実行を指示したときなどが該当する。
【0127】
乗換所要時間は、通過する全ての対象物に対して共通の条件であるので、例えば「エス
カレーター&7分、エレベーター&7分、乗換改札&7分、精算機&7分、券売機&7分
」のような探索条件が経路条件列挙部35から出力される。「エスカレーター&7分」は
、7分以内にエスカレーターを使って移動できる経路を探索するという条件を表している

【0128】
経路列挙部34は経路条件列挙部35で列挙された探索条件を通過する経路が存在する
かを判定する手段である。図41のフローチャートで経路列挙部34の動作を説明する。
まず、経路条件列挙部35から渡された探索条件リストから条件を一つ選択する(ステッ
プ4201)。上記例であれば例えば「エスカレーター」が選択される。全て探索済みの
場合にはステップ4209へ進み、探索していない条件があればステップ4203へ進む
(ステップ4202)。
【0129】
次に、指定の駅構内に選択された探索条件に対応する案内ポイントが存在するかを構造
情報記憶部26と案内情報記憶部25のデータを用いて確認する(ステップ4203)。存
在する場合にはステップ4205へ進み、存在しない場合には経路を探索する必要がない
のでステップ4208へ進む(ステップ4204)。
【0130】
次に、探索条件で指定された対象物に対応する案内ポイントを通過する経路の探索を経
路情報生成部24に実行させる。この時、条件として乗換所要時間が指定されている場合
には、移動時間が指定の乗換所要時間以内である経路の探索を経路情報生成部24に実行
させる(ステップ4205)。経路が存在した場合にはステップ4207へ進み、ない場合
にはステップ4208へ進む(ステップ4206)。経路が存在した場合には、選択した探
索条件に該当する経路が存在することを記憶する(ステップ4207)。
【0131】
次に、探索を行った現在の探索条件は探索済みであることを記憶する(ステップ420
8)。以上を全ての探索条件について実行し、経路が存在した探索条件のリストを乗換案
内サーバーに通知する(ステップ4209)。例えば「エスカレーター、エレベーター、乗
換改札、券売機」といったリストが通知される。
【0132】
以上の構内案内サーバの処理結果を受け取った乗換案内生成部14は、乗換経路生成部
13が計算した乗換情報に構内案内サーバの結果を加えて図37のような提示情報を生成
する。例えば構内案内サーバから受け取った「エスカレーター、エレベーター、乗換改札
、券売機」に対応するアイコンを表示し、アイコンに対してそれぞれを条件として構内案
内を実行するURLをリンク情報として付加することにより、ブラウザ上に表示されたア
イコンを利用者が選択することにより指定の条件で構内案内サーバが実行され、図38の
ような案内を提示することができる。
【0133】
また、乗換所要時間が指定されずに構内案内サーバで移動経路列挙が実行された場合、
利用者が選択したアイコンの探索条件で経路を案内した場合に乗換所要時間をオーバーす
る可能性があるので、構内案内サーバは探索条件のリストに加えてそれぞれの所要時間を
通知する。例えば「エスカレーター・7分、エレベーター・6分、乗換改札・5分、券売
機・10分」といった結果を通知する。
【0134】
ここで「エスカレーター・7分」は、エスカレーターを使う経路は移動に7分の所要時
間を要することを表している。乗換案内サーバは、利用者が選択したアイコンで移動した
場合に乗換所要時間をオーバーする場合には、移動時間を考慮して再度乗換経路の計算を
行い、利用者に案内を提示する。
【0135】
以上により、乗換案内と構内案内がそれぞれ別々にサービスを提供しているために利用
者が自分で判断し、条件を何度も入力しなおして乗換案内や構内案内を利用しなければな
らいないのを解消することができる。
【0136】
また、本願発明の実施例における処理をコンピュータで実行可能なプログラムで実現し
、このプログラムをコンピュータで読み取り可能な記憶媒体として実現することも可能で
ある。
【0137】
なお、本願発明における記憶媒体としては、磁気ディスク、フレキシブルディスク、ハ
ードディスク、光ディスク(CD−ROM,CD−R,DVD等)、光磁気ディスク(M
O等)、半導体メモリ等、プログラムを記憶でき、かつコンピュータが読み取り可能な記
憶媒体であれば、その記憶形式は何れの形態であってもよい。
【0138】
また、記憶媒体からコンピュータにインストールされたプログラムの指示に基づきコン
ピュータ上で稼動しているOS(オペレーションシステム)や、データベース管理ソフト
、ネットワーク等のMW(ミドルウェア)等が本実施形態を実現するための各処理の一部
を実行してもよい。
【0139】
さらに、本願発明における記憶媒体は、コンピュータと独立した媒体に限らず、LAN
やインターネット等により伝送されたプログラムをダウンロードして記憶または一時記憶
した記憶媒体も含まれる。
【0140】
また、記憶媒体は1つに限らず、複数の媒体から本実施形態における処理が実行される
場合も、本発明における記憶媒体に含まれ、媒体の構成は何れの構成であってもよい。
【0141】
なお、本願発明におけるコンピュータは、記憶媒体に記憶されたプログラムに基づき、
本実施形態における各処理を実行するものであって、パソコン等の1つからなる装置、複
数の装置がネットワーク接続されたシステム等の何れの構成であってもよい。
【0142】
また、本願発明におけるコンピュータとは、パソコンに限らず、情報処理機器に含まれ
る演算処理装置、マイコン等も含み、プログラムによって本願発明の機能を実現すること
が可能な機器、装置を総称している。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本願発明の一実施形態である第1実施形態に係る構内案内装置のシステム全体の構成を示す図である。
【図2】本願発明の一実施形態である第1実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】本願発明の一実施形態である第1実施形態における案内利用端末での出発地と目的地の入力画面の例を示す図である。
【図4】本願発明の一実施形態である第1実施形態における構造情報の例を示す図である。
【図5】本願発明の一実施形態である第1実施形態における経路情報の例を示す図である。
【図6】本願発明の一実施形態である第1実施形態における案内情報の例を示す図である。
【図7】本願発明の一実施形態である第1実施形態における移動情報生成部の位置付けと、移動情報の例を示す図である。
【図8】本願発明の一実施形態である第1実施形態における提示情報の例を示す図である。
【図9】本願発明の一実施形態である第1実施形態における案内利用端末での構内案内の提示画面の例を示す図である。
【図10】本願発明の一実施形態である第1実施形態における切り替え部と位置取得部、位置提供部の位置付けを示す図である。
【図11】本願発明の一実施形態である第1実施形態における構内案内の提示画面を自動的に切り替える様子を示す図である。
【図12】本願発明の一実施形態である第2実施形態に係る構内案内データ収集装置の全体構成を示す図である。
【図13】本願発明の一実施形態である第2実施形態における処理の流れを示すフローチャートである。
【図14】本願発明の一実施形態である第2実施形態における構造情報編集ステップの処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】本願発明の一実施形態である第2実施形態における構内案内データ収集端末の構造情報編集画面の例を示す図である。
【図16】本願発明の一実施形態である第2実施形態における案内情報編集ステップの処理の流れを示すフローチャートである。
【図17】本願発明の一実施形態における構内案内サービスの全体構成を示す図である。
【図18】本願発明の一実施形態における構内案内データ収集サービスの全体構成を示す図である。
【図19】本願発明の一実施形態である第3実施形態に係る構内案内データ収集装置の全体構成を示す図である。
【図20】本願発明の一実施形態である第2実施形態における構造情報編集ステップの問題点を示す図である。
【図21】本願発明の一実施形態である第3実施形態における構造情報編集ステップの処理の流れを示すフローチャートである。
【図22】本願発明の一実施形態である第3実施形態における構造情報編集ステップの処理例を示す図である。
【図23】本願発明の一実施形態である第4実施形態に係る構内案内データ収集装置の全体構成を示す図である。
【図24】本願発明の一実施形態である第4実施形態における構造情報編集ステップの処理の流れを示す図である。
【図25】本願発明の一実施形態である第4実施形態におけるランドマークの可視性判定を示す図である。
【図26】本願発明の一実施形態である第5実施形態に係る構内案内装置の全体構成を示す図である。
【図27】本願発明の一実施形態である第6実施形態に係る構内案内データ収集装置の全体構成を示す図である。
【図28】本願発明の一実施形態である第6実施形態における景観データの変換例を示す図である。
【図29】本願発明の一実施形態である第7実施形態に係る構内案内装置の全体構成を示す図である。
【図30】本願発明の一実施形態である第8実施形態における無線デバイスの配置例を示す図である。
【図31】本願発明の一実施形態である第8実施形態における位置取得部の構成を示す図である。
【図32】本願発明の一実施形態である第8実施形態における案内経路と無線デバイスの配置例を示す図である。
【図33】本願発明の一実施形態である第8実施形態における無線デバイスの配置情報の例を示す図である。
【図34】本願発明の一実施形態である第8実施形態における位置検出制御情報の例を示す図である。
【図35】本願発明の一実施形態である第8実施形態における位置取得部の処理の流れを示すフローチャートである。
【図36】本願発明の一実施形態である第9実施形態に係る構内案内装置の全体構成を示す図である。
【図37】本願発明の一実施形態である第9実施形態における構内案内情報を付加した乗換案内の提示の例を示す図である。
【図38】本願発明の一実施形態である第9実施形態における乗換案内に表示された構内案内情報の一つを提示した例を示す図である。
【図39】本願発明の一実施形態である第9実施形態における探索条件と目的種別の対応テーブルの例を示す図である。
【図40】本願発明の一実施形態である第9実施形態におけるユーザ条件と目的種別の対応テーブルの例を示す図である。
【図41】本願発明の一実施形態である第9実施形態における経路列挙部の動作フローフローチャートである。
【符号の説明】
【0144】
1A…案内利用端末
2A…構内案内サーバ
1B…構内案内データ収集端末
2B…構内案内データ収集サーバ
11…通信部
12…制御部
13…入力指定部
14…提示部
15…切り替え部
16…位置取得部
17…構造情報編集部
18…案内情報編集部
21…通信部
22…制御部
23…提示情報生成部
24…経路情報生成部
25…案内情報記憶部
26…構造情報記憶部
27…移動情報生成部
28…構造情報生成部
29…案内ポイント追加部
30…コスト計算部
31…位置提供部
32…案内ポイント選択部
33…景観データ変換部
34…経路列挙部
35…経路条件列挙部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅や地下街などの3次元構造を有する建造物構内のデータを収集するための構内案内デ
ータ収集装置において、
前記構内の2次元構造を記述した平面図をもとに、前記構内の3次元構造を表すルート
データと案内ポイントからなる構造情報の入力および編集するための構造情報編集手段と

この構造情報編集手段により入力および編集された構造情報であるルートデータと案内
ポイントを提示するための提示手段と、
前記構造情報編集手段により入力および編集されたルートデータと案内ポイントを対応
付けてなる構造情報を記憶するための構造情報記憶手段と、
前記提示手段に提示された構造情報の案内ポイントのすべての進入および脱出方向にお
ける目印となるランドマークデータあるいは景観データである案内情報を入力および編集
するための案内情報編集手段と、
この案内情報編集手段により入力および編集されたランドマークデータあるいは景観デ
ータを対応付けてなる案内情報を記憶するための案内情報記憶手段とを具備したことを特
徴とする構内案内データ収集装置。
【請求項2】
駅や地下街などの3次元構造を有する建造物構内のデータを構内案内データ収集端末か
ら収集するためのサーバ装置において、
構内案内データ収集端末と通信するための通信手段と、
この通信手段から得られたルートデータと案内ポイントを対応付けてなる構造情報を記
憶するための構造情報記憶手段と、
前記通信手段から得られた構造情報の案内ポイントのすべての進入および脱出方向にお
ける目印となるランドマークデータあるいは景観データである案内情報を記憶するための
案内情報記憶手段とを具備したことを特徴とする構内案内データ収集サーバ。
【請求項3】
駅構内の改札付近やコンコースなどの広い空間にルートデータと案内ポイントデータを
自動生成するための構造情報生成手段をさらに有することを特徴とする請求項2記載の構
内案内データ収集サーバ。
【請求項4】
ルートデータの線分上においてランドマークがよく見える位置に案内ポイントを追加す
るための案内ポイント追加手段をさらに有することを特徴とする請求項3記載の構内案内
データ収集サーバ。
【請求項5】
ランドマークを異なる方向から見た景観を案内ポイントの位置に合わせて補間するため
の景観データ変換手段31をさらに有することを特徴とする請求項4記載の構内案内デー
タ収集サーバ。
【請求項6】
駅や地下街などの3次元構造を有する建造物構内のデータを収集してサーバ装置に送信
するための構内案内データ収集端末において、
サーバ装置と通信するための通信手段と、
構内の2次元構造を記した平面図を入力するための入力指定手段と、
この入力指定手段から入力された平面図をもとに、前記構内の3次元構造を表すルート
データと案内ポイントからなる構造情報の入力および編集するための構造情報編集手段と

この構造情報編集手段により入力および編集された構造情報であるルートデータと案内
ポイントを提示するための提示手段と、
前記提示手段に提示された構造情報の案内ポイントのすべての進入および脱出方向にお
ける目印となるランドマークデータあるいは景観データである案内情報を入力および編集
するための案内情報編集手段とを有し、
前記通信手段を介してサーバ装置に前記構造情報と前記案内情報を送信することを特徴
とする構内案内データ収集端末。
【請求項7】
構内に設置された位置提供手段より位置を取得するための位置取得手段とをさらに有し

この位置取得手段が取得した位置情報に応じて、ランドマークデータあるいは景観デー
タを収集する案内ポイントを切り替えることを特徴とする請求項6記載の構内案内データ
収集端末。
【請求項8】
駅や地下街などの3次元構造を有する建造物構内のデータを収集するための構内案内デ
ータ収集方法において、
前記構内の2次元構造を記述した平面図をもとに、前記構内の3次元構造を表すルート
データと案内ポイントからなる構造情報を構造情報編集手段にて入力および編集し、
この構造情報編集手段により入力および編集された構造情報であるルートデータと案内
ポイントを提示手段にて提示し、
前記構造情報編集手段により入力および編集されたルートデータと案内ポイントを対応
付けてなる構造情報を構造情報記憶手段に記憶し、
前記提示手段に提示された構造情報の案内ポイントのすべての進入および脱出方向にお
ける目印となるランドマークデータあるいは景観データである案内情報を案内情報編集手
段にて入力および編集し、
この案内情報編集手段により入力および編集されたランドマークデータあるいは景観デ
ータを対応付けてなる案内情報を案内情報記憶手段にて記憶することを特徴とする構内案
内データ収集方法。
【請求項9】
構内案内データ収集端末に、駅や地下街などの3次元構造を有する建造物構内のデータ
を収集してサーバ装置に送信させるためのプログラムにおいて、
前記構内案内データ収集端末の通信手段に、構内案内データ収集端末と通信させ、
前記構内案内データ収集端末の入力指定手段に、構内の2次元構造を記した平面図を入
力させ、
この入力指定手段から入力された平面図をもとに、前記構内案内データ収集端末の構造
情報編集手段に、前記構内の3次元構造を表すルートデータと案内ポイントからなる構造
情報の入力および編集させ、
前記構内案内データ収集端末の提示手段に、この構造情報編集手段により入力および編
集された構造情報であるルートデータと案内ポイントを提示させ、
前記提示手段に提示された構造情報の案内ポイントのすべての進入および脱出方向にお
ける目印となるランドマークデータあるいは景観データである案内情報を、前記構内案内
データ収集端末の案内情報編集手段に入力および編集させ、
前記通信手段を介してサーバ装置に前記構造情報と前記案内情報を送信させることを特
徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2006−267114(P2006−267114A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−113882(P2006−113882)
【出願日】平成18年4月17日(2006.4.17)
【分割の表示】特願2002−52771(P2002−52771)の分割
【原出願日】平成14年2月28日(2002.2.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】