説明

構内無線システム

【課題】IMES送信機を利用して各無線端末装置の位置登録を行うことにより、エリアカバー率および位置検出精度の向上を可能にした構内無線システムを提供する。
【解決手段】BS呼び出しエリア6,7内にIMES送信機8〜13を設け、少なくとも一台の無線端末装置の定期位置登録機能は、IMES送信機8〜13からIMES取得情報を取得したときにはIMES取得情報を付加した定期位置登録データを構内交換機1に送信するように構成し、また構内交換機1の定期位置登録機能は、各無線端末装置14〜16から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれているときの位置情報と、各無線端末装置14〜16から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれていないときのBS呼び出しエリア情報のみの位置情報とのいずれかを用いて位置管理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構内交換機を通して複数の無線端末装置との間で無線通信を行う構内無線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、構内無線システムでは、特定のビルや敷地等の構内に構内交換機を設置し、構内で使用する複数台の無線端末装置との間で無線通信を行う構内無線システムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。一方、屋内でGPS機能を実現する手段として、GPS衛星の識別に使われる疑似雑音記号を拡張し、それをIMES送信機に割り当てることにより、地上でGPS衛星を見立ててGPS位置測定を行うIMES(Indoor Messaging System)と呼ばれるGPS位置測定技術が知られ、使用されるIMES送信機も小型のものが開発されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−103160号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の構内無線システムでは、無線端末装置の位置を管理するために定期位置登録データを構内交換機に送信し、構内交換機では定期位置登録データに含まれた無線端末装置の自局端末番号等の特定化情報や、定期位置登録データを中継したBS呼び出しエリア情報から位置管理を行っており、この構内無線システムにIMES送信機を追加付設して各無線端末装置の位置管理に利用することが考えられる。しかしながら、構内交換機のアンテナは、最大出力時30m〜100mとエリアカバー率は大きいが、BS呼び出しエリア単位での位置管理となるため正確な位置管理ができないのに対して、IMES送信機の出力は上限値が−94dBW程度で微弱電波であるためカバーエリアは10m程度と小さくエリアカバー率が低いが、正確な位置測定が可能であるという相反する特徴を持っている。従って、構内無線システムに単にIMES送信機を使用して各無線端末装置の位置管理を行おうとしても、エリアカバー率を向上しながら精度の高い位置管理はできない。
【0005】
本発明の目的は、IMES送信機を利用して各無線端末装置の位置管理に利用しながら、エリアカバー率および位置検出精度の向上を可能にした構内無線システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために、構内交換機と、この構内交換機に接続されてBS呼び出しエリアを形成するアンテナと、このアンテナを通して無線通信を行う複数の無線端末装置とを備え、前記構内交換機は、前記各無線端末装置からの定期位置登録データを受信して前記各無線端末装置の位置管理を行う定期位置登録機能を有する構内無線システムにおいて、前記構内交換機の前記定期位置登録機能は、前記各無線端末装置から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれているときの位置情報と、前記各無線端末装置から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれていないときのBS呼び出しエリア情報のみの位置情報とのいずれかを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構内無線システムによれば、構内交換機1での定期位置登録時には、IMES送信機8〜13からのIMES取得情報と、IMES取得情報を含んでいないBS呼び出しエリア情報との両方を使用することができ、各IMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内での処理では精度の高い位置管理を行うことができ、しかも、他の使用での登録処理ではBS呼び出しエリアを用いて広範囲な位置管理を行うことができるようになり、こうして、エリアカバー率の向上と登録位置精度の向上を両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態による構内無線システムを示す概略構成図である。
【図2】図1に示した構内無線システムにおける無線端末装置の位置送信処理を示すフローチャートである。
【図3】図1に示した構内無線システムにおける構内交換機の位置登録処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の一実施の形態による構内無線通信システムを示す概略構成図である。
構内交換機(PBX:Private Branch Exchange)1には複数のアンテナ(BS)2〜5が接続され、アンテナ2,3によってBS呼び出しエリア6を形成し、アンテナ4,5によってBS呼び出しエリア7を形成している。BS呼び出しエリア6内には複数のIMES(Indoor Messaging System)送信機8,9,10を配置し、BS呼び出しエリア7内には複数のIMES送信機11,12,13を配置し、各IMES送信機8〜13はカバーエリア8a〜13aを形成している。各アンテナ2〜5は、最大出力時のBS呼び出しエリア6,7が大きいのに対し、各IMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13aは小さい。
【0011】
各BS呼び出しエリア6,7内に配置するIMES送信機8〜13の数や位置は任意に決定することができるが、例えば、各BS呼び出しエリア6,7内において高精度で位置管理したい位置にIMES送信機8〜13を配置し、これらのIMES送信機8〜13の位置と配置数では不感地帯となるその他の位置に対しては従来と同様の方法で位置管理することもできる。従って、構内無線システムを構築するビルや構内などの特徴や建物状況と、各無線端末装置(PHS)14〜16の使用状況とを考慮しながら、IMES送信機8〜13を配置することによって、システムにふさわしい各無線端末装置の位置管理を行うことができる。
【0012】
今、構内無線システムの中で複数台の無線端末装置14〜16が使用されており、無線端末装置14はBS呼び出しエリア6内に位置し、無線端末装置15はBS呼び出しエリア6内でIMES送信機9のカバーエリア9a内に位置し、無線端末装置16はBS呼び出しエリア7内でIMES送信機12のカバーエリア12a内に位置しているとする。
【0013】
また各無線端末装置14〜16は、従来構成と同様に予め設定したタイミングで構内交換機1に対して自位置を登録する定期位置登録機能が付加されている。この定期位置登録機能は、定期位置登録時に、それぞれ自局の端末番号等の特定化情報と、IMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内のいずれかに位置しているときに取得した緯度経度情報を含むIMES取得情報とを付加して定期位置登録データとし、これを構内交換機1に送信する。このIMES取得情報としては、屋内GPS機能を持つものとして既に開発されたIMES送信機8〜13をそのまま使用した場合は、緯度経度情報を含むIMESメッセージを使用したり、この構内無線システムのために専用のIMES送信機8〜13とした場合には緯度経度情報を含むその他の信号であっても良い。
【0014】
これに対して、各無線端末装置14〜16からの位置登録データを取得する構内交換機1には、従来の場合と同様に各無線端末装置14〜16からの定期位置登録データを受信したとき、各定期位置登録データを移動履歴として記憶保持する移動履歴格納部と、新たに取得した定期位置登録データやその中に含まれている位置情報を抽出して各無線端末装置14〜16の特定化情報毎に書き換え登録処理を行う位置情報管理部と、各部を制御する制御部などから定期位置登録機能が構成されている。この定期位置登録機能の位置情報管理部は、従来、定期位置登録データにはそれを中継してきたアンテナ2〜5の識別情報からBS呼び出しエリア6,7のBS呼び出しエリア情報が付加されているので、このBS呼び出しエリア情報を取り出して位置管理情報としているが、ここでは、その他に、詳細については後述するように定期位置登録データの中にIMES取得情報が含まれている場合、このIMES取得情報あるいはIMESメッセージもしくはその中の緯度経度情報を新たな位置管理情報として扱うようにしている。
【0015】
次に、各無線端末装置14〜16の定期位置送信処理について図2に示したフローチャートを用いて説明する。
上述したように各無線端末装置14〜16には、予め設定したタイミングで構内交換機1に対して自局位置を登録する定期位置登録機能が付加されており、この定期位置登録機能による定期位置送信処理が開始されると、ステップS1で対象の無線端末装置が各アンテナ2〜5のBS呼び出しエリア6,7内に位置しているかの判定を行う。この判定の結果、対象の無線端末装置がBS呼び出しエリア6,7内に位置している場合、続いてステップS2でいずれかのIMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内に位置しているかの判定を行う。例えば、図1の無線端末装置15はBS呼び出しエリア6内でIMES送信機9のカバーエリア9a内に位置し、また無線端末装置16はBS呼び出しエリア7内でIMES送信機12のカバーエリア12a内に位置しているため、このステップS2では無線端末装置15と無線端末装置16とが対象となる。
【0016】
ステップS2で対象となった無線端末装置15,16の場合、ステップS3で対応するIMES送信機8〜13からのIMES取得情報、例えばGPS機能による緯度経度情報等を含んだIMESメッセージなどを取得し、その無線端末装置15,16の端末番号等の特定化情報を付加して定期位置登録データとし、これを構内交換機1に送信する。
【0017】
これに対して、ステップS1で対象の無線端末装置が各アンテナ2〜5のBS呼び出しエリア6,7内に位置していない場合は、定期位置登録ができないので終了となる。また、ステップS2の判定の結果、どのIMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内にも位置していない無線端末装置14であった場合は、同状態でIMES取得情報を取得することができないので、その無線端末装置14の端末番号等の特定化情報を定期位置登録データとしてステップS4で構内交換機1に送信する。
【0018】
図3は、構内交換機1での定期位置登録処理を示したフローチャートである。
各無線端末装置14〜16からの定期位置登録データを受信すると、構内交換機1内の定期位置登録機能は、ステップS5で定期位置登録データにIMES取得情報が付加されているかどうかを判定する。付加されていると判定した場合は、ステップS6で移動履歴格納部に定期位置登録データを移動履歴として記憶し、また位置情報管理部に、IMES取得情報、あるいはIMESメッセージ、もしくはIMESメッセージに含まれた緯度経度情報等の新たな定期位置登録データを、各無線端末装置14〜16の特定化情報と共に書き換え登録する。この位置情報管理部では、種々の方法で位置情報を管理することができ、例えば各無線端末装置14〜16の特定化情報毎に、上述した新たな位置情報を管理しても良い。
【0019】
一方、定期位置登録データにIMES取得情報が付加されていない場合は、ステップS7で通常のように移動履歴格納部に定期位置登録データを移動履歴として記憶し、また位置情報管理部に、定期位置登録データを中継したアンテナ2〜5の情報から抽出したBS呼び出しエリア情報を新たな位置情報として書き換え登録する。
【0020】
例えば、図1に示したようにIMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内に位置している無線端末装置15,16からの定期位置登録データを受信した場合、ステップS6でIMES取得情報の緯度経度情報を新たな位置情報として登録する。一方、どのIMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内にも位置していない無線端末装置14の場合、通常の処理と同様にステップS7で定期位置登録データに付加されたBS呼び出しエリア情報を抽出し、このBS呼び出しエリア6を新たな位置情報として登録する。
【0021】
このようにして構内交換機1では、各無線端末装置14〜16からの新しい定期位置登録データを収集し、その定期位置登録機能によって新たな位置情報を位置情報管理部に記憶することができる。特定の無線端末装置の位置情報が必要になった場合、この位置情報管理部から特定無線端末装置における最新の位置情報を抽出し表示したりして使用することができる。このとき、位置情報管理部内に緯度経度などの位置情報を記憶した場合は、この位置情報を直接抽出して表示したりして活用することができるが、IMES取得情報やIMESメッセージのまま位置情報管理部内に記憶した場合は、対応する情報を抽出した後に、その中に含まれた緯度経度などの位置情報のみをさらに抽出し表示したりして活用する。
【0022】
上述した構内無線システムでは、構内交換機1の定期位置登録機能は、各無線端末装置14〜16から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれているときの位置情報と、各無線端末装置14〜16から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれていないときのBS呼び出しエリア情報のみの位置情報とのいずれかを用いることを特徴としている。
【0023】
このような構成によれば、構内交換機1での定期位置登録時には、IMES送信機8〜13からのIMES取得情報と、IMES取得情報を含んでいないBS呼び出しエリア情報との両方を使用することができ、各IMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内での処理では精度の高い位置管理を行うことができ、しかも、他の使用での登録処理ではBS呼び出しエリアを用いて広範囲な位置管理を行うことができるようになり、こうして、エリアカバー率の向上と登録位置精度の向上を両立することができる。また、構内交換機1の定期位置登録機能を他の構成に先行して上述のように構成することによって、将来、各無線端末装置14〜16からIMES取得情報を含んだ定期位置登録データを送信したときに備えることも可能である。
【0024】
また上述した構内無線システムでは、構内交換機1と、この構内交換機1に接続されてBS呼び出しエリアを形成するアンテナ2〜5と、このアンテナ2〜5を通して無線通信を行う複数の無線端末装置14〜16とを備え、前記無線端末装置14〜16は、定期位置登録データを前記構内交換機1に送信する定期位置登録機能を有する構内無線システムにおいて、前記BS呼び出しエリア内にIMES送信機8〜13を設け、少なくとも一台の前記無線端末装置の前記定期位置登録機能は、前記IMES送信機8〜13からIMES取得情報を取得したときには前記IMES取得情報を付加した定期位置登録データを前記構内交換機に送信することを特徴としている。
【0025】
このような構成によれば、少なくとも一台の前記無線端末装置の前記定期位置登録機能による定期位置登録時には、IMES送信機8〜13からのIMES取得情報を構内交換機1に送信することができるので、他の無線端末装置に比べてIMES取得情報を利用した制度の高い位置管理を行うことができ、エリアカバー率の向上と登録位置精度の向上を両立することができる。また、無線端末装置14〜16としては、IMES取得情報を送信する機能を有するものと、同機能を持たないものとが混在していても良い。
【0026】
また上述した構内無線システムでは、構内交換機1と、この構内交換機1に接続されてBS呼び出しエリアを形成するアンテナ2〜5と、このアンテナ2〜5を通して無線通信を行う複数の無線端末装置14〜16とを備え、前記無線端末装置14〜16は、定期位置登録データを前記構内交換機1に送信する定期位置登録機能を有し、前記構内交換機1は、前記各無線端末装置14〜16からの定期位置登録データを受信して前記各無線端末装置14〜16の位置管理を行う定期位置登録機能を有する構内無線システムにおいて、前記BS呼び出しエリア6,7内にIMES送信機8〜13を設け、少なくとも一台の前記無線端末装置の前記定期位置登録機能は、前記IMES送信機8〜13からIMES取得情報を取得したときには前記IMES取得情報を付加した定期位置登録データを前記構内交換機に送信するように構成し、また前記構内交換機1の前記定期位置登録機能は、前記各無線端末装置14〜16から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれているときの位置情報と、前記各無線端末装置14〜16から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれていないときのBS呼び出しエリア情報のみの位置情報とのいずれかを用いたことを特徴としている。
【0027】
このような構成によれば、少なくとも一台の前記無線端末装置の前記定期位置登録機能による定期位置登録時には、IMES送信機8〜13からのIMES取得情報を構内交換機1に送信することができ、構内交換機1での定期位置登録時には、IMES送信機8〜13からのIMES取得情報と、IMES取得情報を含んでいないBS呼び出しエリア情報との両方を使用することができ、各IMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内での処理では精度の高い位置管理を行うことができ、しかも、他の使用での登録処理ではBS呼び出しエリアを用いて広範囲な位置管理を行うことができるようになり、こうして、エリアカバー率の向上と登録位置精度の向上を両立することができる。
【0028】
しかも、上述した各構成において、前記構内交換機1の前記定期位置登録機能は、定期位置登録データにIMES取得情報を含んでいるときは、定期位置登録データにIMES取得情報を含んでいないときに優先して用いるようにしたことを特徴としている。
【0029】
このような構成によれば、無線端末装置が位置検出精度の高いIMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内から定期位置登録処理している場合、IMES送信機8〜13から取得したIMES取得情報を含んだ定期位置登録データを利用すると共に、このIMES取得情報を含んだ定期位置登録データは、IMES取得情報を含んでいない定期位置登録データに優先して使用することになり、IMES取得情報によって精度の高い位置管理を行うことができ、また、仮に複数のIMES送信機8〜13における不感地帯が生じてもBS呼び出しエリア6,7を用いて全体として広範囲で高精度の位置管理を行うことができるようになる。このため、IMES送信機8〜13の配置数をある程度制限したとても、必要に応じてその高い位置精度検出を優先的に活用しながら経済的な構内無線システムを構築することができる。
【0030】
また、上述した各構成において、前記無線端末装置の前記定期位置登録機能は、IMES送信機8〜13が出力する緯度経度情報等を含んだIMESメッセージを含んだ定期位置登録データを構内交換機に送信するようにしたことを特徴としている。
【0031】
このような構成によれば、IMES送信機8〜13のカバーエリア8a〜13a内に位置している無線端末装置15,16の場合、定期位置登録時に使用するIMES送信機8〜13からのIMES取得情報として、ステップS6で緯度経度情報等を含んだIMESメッセージを使用し、このIMESメッセージを定期位置登録データに付加して構内交換機1へ送信することができるので、屋内でGPS機能を実現する手段として開発されたIMES送信機8〜13をそのまま使用することができ、IMES送信機8〜13のGPS機能による精度の高い緯度経度情報を活用することができ、精度の高い位置管理を行うことが可能となる。
【0032】
さらに、上述した各構成において、前記IMES送信機8〜13はBS呼び出しエリア6,7内の高精度で位置管理したい位置に配置し、前記構内交換機の前記定期位置登録機能は、これらの前記IMES送信機8〜13では不感地帯となるBS呼び出しエリア6,7内の位置では前記BS呼び出しエリア情報を位置管理に用いたことを特徴としている。
【0033】
このような構成によれば、高精度で位置管理したい位置にIMES送信機8〜13を配置し、これらのIMES送信機8〜13の位置と配置数によっては不感地帯となるその他の位置に対してはBS呼び出しエリア情報を用いるため、全体として管理するエリアを拡大しながらも、精度面ではエリア毎に変化を持たせて要望に応じた位置管理を行うことができるようになる。従って、構内無線システムを構築するビルや構内などの特徴や建物状況と、各無線端末装置の使用状況とを考慮しながら、IMES送信機8〜13を配置することによって、システムにふさわしい各無線端末装置の位置管理を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明による構内無線システムは、図1に示した構成に限らず他の構成のものにも適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 構内交換機
2〜5 アンテナ
6,7 BS呼び出しエリア
8〜13 IMES送信機
8a〜13a カバーエリア
14〜16 無線端末装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構内交換機と、該構内交換機に接続されてBS呼び出しエリアを形成するアンテナと、該アンテナを通して無線通信を行う複数の無線端末装置とを備え、前記構内交換機は、前記各無線端末装置からの定期位置登録データを受信して前記各無線端末装置の位置管理を行う定期位置登録機能を有する構内無線システムにおいて、前記構内交換機の前記定期位置登録機能は、前記各無線端末装置から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれているときの位置情報と、前記各無線端末装置から受信した定期位置登録データにIMES取得情報が含まれていないときのBS呼び出しエリア情報のみの位置情報とのいずれかを用いることを特徴とする構内無線システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−70082(P2012−70082A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−211220(P2010−211220)
【出願日】平成22年9月21日(2010.9.21)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】