説明

構造化剤を含有する化粧品用組成物

本開示は、構造化剤、シリコーンパウダー及び膨張剤を含有する組成物、さらに液状脂肪相を含有する他の組成物、該組成物の作製方法、及びケラチン物質におけるそれらの使用についてのものである。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2003年7月11日に出願されたCIP出願番号10/618315号である。
【0002】
(技術背景)
ファンデーション、コンシーラ、リップスティック、マスカラ及び他の化粧品用組成物等、有色の化粧品を含む多くの化粧品用組成物は、快適な適用感及び帯着感を有するように開発されている。しかしながら、これらの組成物の多くは、適用が困難であり、適用時における滑らか感を有さない。さらに、組成物は粘着質になる傾向を有し、結果として適用性及び展伸性が乏しくなる。
よって、適用時にクッション様で柔軟な絹のような感触を有し、長時間にわたる帯着性が改善された化粧品用組成物が必要とされている。
【0003】
(発明の要約)
本発明の一態様は、少なくとも一のヘテロ原子を有する炭化水素ベースの繰り返し単位を含有するポリマー骨格を含む構造化剤;液状脂肪相;シリコーン樹脂で被覆されたシリコーンエラストマー核を有するシリコーンエラストマーパウダー;及び該パウダー用の膨張剤を含有する化粧品用組成物において、(1)該組成物がサンスクリーン剤を含有せず、又は(2)該組成物がエマルションの形態であり、サンスクリーン剤を含有している場合、シリコーンエラストマーパウダーは少なくとも一のペンダント官能基を有し及び/又は膨張剤がジメチコーンではない組成物を指向する。よって、組成物がエマルション以外の形態をしている場合は、サンスクリーン剤が存在していてもよい。
本発明の他の態様は、少なくとも一のヘテロ原子を有する炭化水素ベースの繰り返し単位を含有するポリマー骨格を含む構造化剤、及びシリコーン樹脂で被覆されたシリコーンエラストマー核を有するシリコーンエラストマーパウダーを含有する化粧品の調製に有用な組成物において、(1)該組成物がサンスクリーン剤を含有せず、又は(2)該組成物がエマルションの形態であり、サンスクリーン剤を含有している場合、シリコーンエラストマーパウダーは少なくとも一のペンダント官能基を有する組成物を指向する。さらに、本発明の係る態様の範囲に含まれる組成物の製造方法を提供する。
【0004】
本発明のさらなる態様は、少なくとも一のヘテロ原子を有する炭化水素ベースの繰り返し単位を含有するポリマー骨格を含む構造化剤;液状脂肪相;シリコーン樹脂で被覆されたシリコーンエラストマー核を有するシリコーンエラストマーパウダー;及び該パウダー用の膨張剤を含有する組成物において、(1)該組成物がサンスクリーン剤を含有せず、又は(2)該組成物がエマルションの形態であり、サンスクリーン剤を含有している場合、シリコーンエラストマーパウダーは少なくとも一のペンダント官能基を有し及び/又は膨張剤がジメチコーンではない組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質の手入れ、メークアップ又はトリートメント方法を指向する。
本発明のこれらの態様のそれぞれの好ましい実施態様において、構造化剤はエステル基を介して脂肪鎖に結合するポリアミドを含み、膨張剤はジメチコーンを含み、及びシリコーンエラストマー核は、フルオロアルキル又はフェニル基等の、ペンダント官能基を有していてもよいポリオルガノシルセスキオキサンを含む。
【0005】
本発明の組成物は、完成品の目的によって、種々の形態にしてよい。例えば、組成物は、ペースト、ゲル(例えば、半透明無水ゲル又は透明無水ゲル等の無水ゲルを含む、固体状、硬質又は柔軟なゲル)、クリーム、エマルション(水性又は無水エマルション)、固形物(例えば鋳型成形された組成物又は成型品、例えばスティックとして鋳型成形されたもの(例えば鋳込み又は鋳型成形されたスティック)、コンパクト、皿型又はパウダーのもの(例えば、ルース、コンパクト又は圧縮パウダー)を含む、かなり多数の形態をとってよい。さらに、本発明の組成物は、皮膚に適用することを意図している範囲において、化粧品用組成物として記載されるが、それらが、特に皮膚に有益な又は皮膚をトリートメントするための薬剤又は他の活性剤を含有しているならば、皮膚用組成物とみなしてもよい。
【0006】
(本発明を実施するための最良の方法)
構造化ポリマー
本発明の組成物における少なくとも一の構造化剤は、室温(25℃)及び大気圧(760mmHg)で変形しない固形物である。構造化剤は、組成物全体の構造に寄与している。いくつかの実施態様においては、薬剤により組成物は不透明にならない。上述したように、本発明の少なくとも一の構造化ポリマーは、少なくとも一のヘテロ原子を有する少なくとも一の炭化水素ベースの繰り返し単位を含有するポリマー骨格を含む。一実施態様において、少なくとも一の構造化ポリマーは、少なくとも一の結合基を介してポリマー骨格に結合する、例えば少なくとも4の原子、さらには8〜120の炭素原子を有するアルキル及びアルケニル鎖から選択される少なくとも一の末端脂肪鎖を含む。末端脂肪鎖は官能化されていてもよい。また少なくとも一の構造化ポリマーは、少なくとも一の結合基を介してポリマー骨格の任意の炭素又はヘテロ原子に結合する、例えば少なくとも4の原子、さらには8〜120の炭素原子を有するアルキル及びアルケニル鎖から選択される少なくとも一のペンダント脂肪鎖を含んでいてよい。ペンダント脂肪鎖は、例えば官能化されていてもよい。少なくとも一の構造化ポリマーは、上述した少なくとも一のペンダント脂肪鎖及び少なくとも一の末端脂肪鎖の双方を含んでいてよく、一方又は双方の種類の鎖を官能化することができる。
【0007】
一実施態様において、構造化ポリマーは少なくとも2の炭化水素ベースの繰り返し単位を含有する。さらなる実施例として、構造化ポリマーは少なくとも3の炭化水素ベースの繰り返しを含有し、また少なくとも3の繰り返し単位は同一である。
【0008】
ここで使用される場合、「官能化」とは、少なくとも一の官能基を有することを意味する。官能基の非限定的例には、ヒドロキシル基、エーテル基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、カルボン酸基、アミン基、アミド基、フルオロ及びペルフルオロ基を含むハロゲン含有基、ハロゲン原子、エステル基、シロキサン基、及びポリシロキサン基が含まれる。
本発明の目的において、「官能化鎖」なる表現は、例えば上述にて引用されたものから選択される、少なくとも一の官能基(反応性基)を有するアルキル鎖を意味する。例えば、一実施態様において、少なくとも一のアルキル鎖の水素原子は、フッ素原子で少なくとも部分的に置換されていてもよい。
【0009】
本発明において、これらの鎖は、ポリマー骨格に直接、又はエステル官能基もしくはペルフルオロ基を介して結合していてよい。
本発明の目的において、「ポリマー」なる用語は、同一であってもよい、少なくとも2の繰り返し単位を有する化合物、例えば少なくとも3の繰り返し単位を有する化合物を意味する。
【0010】
ここで使用される場合、「炭化水素ベースの繰り返し単位」なる表現は、2〜80の炭素原子、例えば2〜60の炭素原子を有する繰り返し単位を含む。少なくとも一の炭化水素ベースの繰り返し単位は、酸素原子をさらに有していてもよい。炭化水素ベースの繰り返し単位は、順に、直鎖状の炭化水素ベースの繰り返し単位、分枝状の炭化水素ベースの繰り返し単位及び環状の炭化水素ベースの繰り返し単位から選択されてよい、飽和及び不飽和の炭化水素ベースの繰り返し単位から選択され得る。少なくとも一の炭化水素ベースの繰り返し単位は、例えば、ポリマー骨格の一部に、すなわちペンダント型でなく、ヘテロ原子を有していてもよい。少なくとも一のヘテロ原子は、例えば窒素、硫黄、及びリンから選択され得る。例えば、少なくとも一のヘテロ原子は窒素原子、例えば非ペンダント窒素原子であってよい。他の実施例において、少なくとも一の炭化水素ベースの繰り返し単位は、少なくとも一のヘテロ原子を有していてもよいが、少なくとも一のヘテロ原子は窒素ではない。他の実施例において、少なくとも一のヘテロ原子は、酸素及び炭素から選択される少なくとも一の原子と組合せられて、ヘテロ原子基を形成する。一実施例において、ヘテロ原子基はカルボニル基を含む。
【0011】
少なくとも一のヘテロ原子を有する少なくとも一の繰り返し単位は、例えばアミド基、カルバマート基、及び尿素基から選択され得る。一実施態様において、少なくとも一の繰り返し単位は、ポリアミド骨格を形成するアミド基を含む。他の実施態様において、少なくとも一の繰り返し単位は、ポリウレタン骨格、ポリ尿素骨格及び/又はポリウレタン-ポリ尿素骨格を形成する、カルバマート基及び/又は尿素基を含む。ペンダント鎖は、例えばポリマー骨格の少なくとも一のヘテロ原子に直接結合可能である。他の実施態様において、少なくとも一の炭化水素ベースの繰り返し単位は少なくとも一のヘテロ原子基を有してよいが、但し、少なくとも一のヘテロ原子基はアミド基ではない。一実施態様において、ポリマー骨格は、シリコーン単位及びオキシアルキレン単位から選択される少なくとも一の繰り返し単位を含み、該少なくとも一の繰り返し単位は炭化水素ベースの繰り返し単位の間に存在する。
【0012】
一実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも一の極性油、及びアミド、尿素又はカルバマート単位等の、窒素原子を有する少なくとも一の構造化ポリマーを含有する。
一実施態様において、少なくとも一の構造化ポリマー中の脂肪鎖の全数のパーセンテージは、繰り返し単位と脂肪鎖の全数に対して40%〜98%、さらには50%〜95%の範囲である。ポリマー骨格がポリアミド骨格であるさらなる実施態様において、少なくとも一の構造化ポリマー中の脂肪鎖の全数のパーセンテージは、全アミド単位と脂肪鎖の全数に対して40%〜98%、さらには50%〜95%の範囲である。
【0013】
さらなる実施態様において、少なくとも一のヘテロ原子を有する少なくとも一の炭化水素ベースの繰り返し単位の種類及び割合は、組成物の液状脂肪相の種類に依存し、例えば脂肪相の種類と同様である。例えば、理論として限定されるものではないが、ヘテロ原子を有する炭化水素ベースの繰り返し単位の極性が高くなればなる程、またその割合が高くなる程、少なくとも一の構造化ポリマーの極性油に対する親和性は大きくなり、これは複数のヘテロ原子が存在することに対応するものである。逆に言えば、極性がない、すなわち無極性である程、またヘテロ原子を有する炭化水素ベースの繰り返し単位の割合が低い程、無極性油に対するポリマーの親和性が大きくなる。他の実施態様において、本発明は、少なくとも一の構造化ポリマーで構造化された少なくとも一の液状脂肪相を含有する構造化された組成物について記載しており、ここで該少なくとも一の構造化ポリマーは、少なくとも一のアミド繰り返し単位と、場合によっては少なくとも一の結合基を介して少なくとも一のアミド繰り返し単位に結合する、8〜120の炭素原子を有し、官能化されていてもよい少なくとも一のペンダント脂肪鎖及び/又は少なくとも一の末端脂肪鎖とを有するポリアミドである。液状脂肪相は、液状脂肪相をゲル化させるための少なくとも一の有機ゲル化剤をさらに含有する。少なくとも一の液状脂肪相、少なくとも一の構造化ポリアミド及び少なくとも一の有機ゲル化剤は、共同して生理学的に許容可能な媒体を形成する。
構造化ポリマーがアミド繰り返し単位を有する場合、ペンダント脂肪鎖はアミド繰り返し単位の少なくとも一の窒素原子に結合し得る。
【0014】
構造化ポリマー、例えばポリアミドポリマーは、100000未満、例えば50000未満の重量平均分子量を有してよい。他の実施態様において、重量平均分子量は、1000〜30000、例えば2000〜20000、さらには2000〜10000の範囲であってよい。
【0015】
先に述べたように、少なくとも一の構造化ポリマーは、例えばポリアミドポリマーから選択され得る。ポリアミドポリマーは、例えば少なくとも一のアミド繰り返し単位を有するポリマー骨格、すなわちポリアミド骨格を有し得る。一実施態様において、ポリアミド骨格は、少なくとも一の結合基を介して少なくとも一のポリアミド骨格に結合する、アルキル鎖、例えば少なくとも4の炭素原子を有するアルキル鎖、及びアルケニル鎖、例えば少なくとも4の炭素原子を有するアルケニル鎖から選択される少なくとも一の末端脂肪鎖、及び/又は少なくとも一の結合基を介して少なくとも一のポリアミド骨格に結合する、アルキル鎖、例えば少なくとも4の炭素原子を有するアルキル鎖、及びアルケニル鎖、例えば少なくとも4の炭素原子を有するアルケニル鎖から選択される少なくとも一のペンダント脂肪鎖をさらに含有していてもよい。一実施態様において、ポリアミド骨格は、少なくとも一の結合基を介してポリアミド骨格の任意の炭素又は窒素に結合するように、少なくとも一の結合基を介して少なくとも一のポリアミド骨格に結合する、8〜120の炭素原子、例えば12〜68の炭素原子を有する脂肪鎖から選択される少なくとも一のペンダント脂肪鎖、及び/又は少なくとも一の結合基を介して少なくとも一のポリアミド骨格に結合する、8〜120の炭素原子、例えば12〜68の炭素原子を有する脂肪鎖から選択される少なくとも一の末端脂肪鎖をさらに含有していてもよい。一実施態様において、少なくとも一の結合基は、単結合のもの、また尿素、ウレタン、チオ尿素、チオウレタン、チオエーテル、チオエステル、エステル、エーテル及びアミン基から選択される。例えば、少なくとも一の結合基は、尿素、エステル及びアミン類、さらにはエステル及びアミン類から選択される。結合は、例えばエステル結合である。一実施態様において、これらのポリマーは、ポリマー骨格、例えばポリアミド骨格の各端部に脂肪鎖を有する。
【0016】
一実施態様において、従来技術のある種のポリマーがポリアミド骨格の末端にアルキル又はアルケニル鎖等を有さないのとは異なり、少なくとも一の脂肪鎖が存在するために、ポリアミドポリマーは油(すなわち、水と非混和性の液状化合物)に容易に溶解し、よってポリアミドポリマーが高含有量(少なくとも25%)であっても、肉眼で均質な組成物を得ることができる。ここで定義するように、25℃で100ml溶液当たり、0.01gを越える溶解度を有するならば、組成物は可溶である。
【0017】
さらなる実施態様において、ポリアミドポリマーは、少なくとも32の炭素原子、例えば32〜44の炭素原子を有するジカルボン酸から選択される少なくとも一の酸、及び少なくとも2の炭素原子、例えば2〜36の炭素原子を有するジアミン類、及び少なくとも2の炭素原子、例えば2〜36の炭素原子を有するトリアミン類から選択される少なくとも一のアミンとの間の少なくとも1回の重縮合反応の結果得られるポリマーから選択することができる。ジカルボン酸は、例えば少なくとも16の炭素原子を有する少なくとも一の脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸及びリノレン酸の二量体から選択することができる。少なくとも一のアミンは、例えばジアミン類、中でもエチレンジアミン、ヘキシレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン、及びトリアミン類、例えばエチレントリアミンから選択することができる。
【0018】
またポリアミドポリマーは、少なくとも一の末端カルボン酸基を有するポリマーから選択され得る。例えば、少なくとも一の末端カルボン酸基は、少なくとも4の炭素原子を有するモノアルコールから選択される少なくとも一のアルコールでエステル化することができる。例えば、少なくとも一のアルコールは、10〜36の炭素原子を有するモノアルコールから選択することができる。さらなる実施態様において、モノアルコールは、12〜24の炭素原子、例えば16〜24の炭素原子、さらには18の炭素原子を有することができる。
【0019】
ある実施態様において、本発明の組成物の少なくとも一の構造化ポリマーは、式(I)のポリアミドポリマーに相当する。脂肪鎖(類)のために、これらのポリマーは油に容易に溶解し、よって少なくとも一の構造化ポリマーが高含有量(少なくとも25%)であっても、肉眼で均質な組成物に至る。これらのポリマーは、次の式(I):
【化1】

[上式中:
nは、少なくとも一のポリアミドポリマーに存在するエステル基の数が、少なくとも一のポリアミドポリマーに含有される全エステル基と全アミドの基の全数の10%〜50%の範囲になるような、アミド単位の数を示す整数であり;
は同一又は異なっており、少なくとも4の炭素原子を有するアルキル基及び少なくとも4の炭素原子を有するアルケニル基、一実施態様においては4〜24の炭素原子を有するアルキル基及び4〜24の炭素原子を有するアルケニル基からそれぞれ選択され;
は同一又は異なっており、C〜C42炭化水素ベース基からそれぞれ選択され、但し、全Rの少なくとも50%はC30〜C42炭化水素ベース基から選択され;
は同一又は異なっており、炭素原子、水素原子、酸素原子及び窒素原子から選択される原子を有する有機基からそれぞれ選択され、但し、Rは少なくとも2の炭素原子を有しており;及び
は同一又は異なっており、それぞれ、水素原子、C〜C10アルキル基、及びRと他のRから選択される少なくとも一の基への直接結合であって、該少なくとも一の基が他のRから選択される場合は、RとRの両方が結合する窒素原子がR-N-Rにより部分的に定義される複素環構造の一部を形成するものであり、但し全Rの少なくとも50%が水素原子から選択される]
のものであり、米国特許第5783657号に記載されている。
【0020】
一実施態様において、式(I)の少なくとも一の末端脂肪鎖は、ポリアミド骨格の最後のヘテロ原子、この場合は窒素に結合している。さらなる実施態様において、末端鎖は官能化されている。他の実施態様において、式(I)のエステル基は、末端及び/又はペンダント脂肪鎖に結合しており、エステル及びアミド基の全数の15%〜40%、例えば20%〜35%である。
【0021】
一実施態様において、nは1〜5の範囲の整数、例えば3〜5の範囲の整数であってよい。本発明において、Rは同一又は異なっており、例えばC12〜C22アルキル基、例えばC16〜C22アルキル基からそれぞれ選択することができる。
【0022】
本発明において、Rは同一又は異なっており、例えばC10〜C42アルキル基からそれぞれ選択することができる。全Rの少なくとも50%は同一又は異なっており、例えば30〜42の炭素原子を有する基からそれぞれ選択することができる。全Rの少なくとも75%は同一又は異なっており、例えば30〜42の炭素原子を有する基からそれぞれ選択することができる。2つの上述した実施態様において、残りのRも同一又は異なっており、例えばC〜C19基、中でもC〜C12基からそれぞれ選択することができる。
は同一又は異なっており、例えばC〜C36炭化水素ベース基、及びポリオキシアルキレン基からそれぞれ選択することができる。他の例では、Rは同一又は異なっており、C〜C12炭化水素ベース基からそれぞれ選択することができる。他の実施態様では、Rは同一又は異なっており、水素原子からそれぞれ選択することができる。ここで使用する場合、炭化水素ベース基は、直鎖状、環状及び分枝状で、飽和及び不飽和の基から選択され得る。炭化水素ベース基は脂肪族及び芳香族の基から選択することもできる。一例において、炭化水素ベース基は脂肪族基から選択される。アルキル及びアルキレン基は、直鎖状、環状及び分枝状で、飽和及び不飽和の基から選択され得る。
一般的に、ペンダント及び末端脂肪鎖は、直鎖状、環状及び分枝状で、飽和及び不飽和の基から選択され得る。ペンダント及び末端脂肪鎖は脂肪族及び芳香族の基から選択することもできる。一例において、ペンダント及び末端脂肪鎖は脂肪族基から選択される。
【0023】
本発明において、液状脂肪相の構造化は、少なくとも一の構造化ポリマー、例えば少なくとも一の式(I)のポリマーにより得られる。少なくとも一の式(I)のポリアミドポリマーは、例えばポリマー混合物の形態をしていてもよく、この混合物は、nがゼロに等しい式(I)の化合物、すなわちジエステルをさらに含み得る。
【0024】
本発明の組成物に使用され得る少なくとも一のポリアミドポリマーの非限定的具体例には、ユニクリア(Uniclear)80及びユニクリア100の名称でアリゾナ・ケミカル社(Arizona Chemical)社から販売されている市販品が含まれる。これらはそれぞれ、鉱物性油に(活性物質が)80%ゲル、及び(活性物質が)100%ゲルの形態で販売されている。これらのポリマーは88℃〜94℃の範囲の軟化点を有し、(i)C36二酸と(ii)エチレンジアミンのモノマーから誘導されたコポリマーの混合物であってもよく、約6000の重量平均分子量を有するものである。末端エステル基は、残存した酸性末端基と、セチルアルコール及びステアリルアルコールから選択される少なくとも一のアルコールとのエステル化の結果により得られる。セチル及びステアリルアルコールの混合物は、セチルステアリルアルコールとも称される。
【0025】
本発明の組成物に使用され得る少なくとも一のポリアミドポリマーの他の非限定的具体例には、カルボニルとアミド基がアミド結合を介して縮合する、少なくとも一の脂肪族ジカルボン酸と少なくとも一のジアミンとの縮合の結果得られるポリアミドポリマーが含まれる。これらのポリアミドポリマーの例は、ジェネラル・ミルズ・インク(General Mills Inc.)とヘンケル・コーポレーション(Henkel Corp.)からヴェルサミッド(Versamid)(ヴェルサミッド930、744又は1655)の商品名で、又はオーリン・マシソン・ケミカル・コーポレーション(Olin Mathieson Chemical Corp.)からオマミッド(Omamid)、特にオナミッドS又はC-の商品名で販売されているものである。これらの樹脂は6000〜9000の範囲の重量平均分子量を有する。これらのポリアミド類に関するさらなる情報については、米国特許第3645705号及び同3148125号が参照される。
【0026】
ポリアミド類の他の例には、アリゾナ・ケミカルズ社から参照符Uni-Rez(2658、2931、2970、2621、2613、2624、2665、1554、2623及び2662)として、及びヘンケル社から参照符マクロメルト(Macromelt)6212として販売されているものが含まれる。これらのポリアミド類に関するさらなる情報については、米国特許第5500209号が参照される。このようなポリアミド類は高い融解粘性を示し、例えば、マクロメルト6212は190℃で30-40ポアズの高い融解粘性を有する(ブルックフィールド粘度計、モデルRVF#3スピンドル、20RPMにより測定)。
さらなる実施態様において、少なくとも一のポリアミドポリマーは、植物源からのポリアミド樹脂から選択され得る。植物源からのポリアミド樹脂は、例えば米国特許第5783657号及び同5998570号に開示されているポリアミド樹脂から選択され得る。
【0027】
構造化剤は、組成物の全重量に対して、典型的には約0.1重量%〜約80重量%、例えば約2重量%〜約60重量%、さらには約5重量%〜約40重量%、またさらには約5重量%〜約25重量%の範囲の量で、組成物に存在している。
少なくとも一の構造化ポリマーは、50℃を越える、例えば65℃〜190℃、さらには70℃〜130℃、またさらには80℃〜105℃の軟化点を有してよい。
【0028】
この発明で有用なシリコーンエラストマーパウダーは、一般的に、0.1μm〜100pmの平均粒子径を有する、硬化シリコーンエラストマー樹脂の球状(globular)又は球形(spherical)の核の粒子を含み、核部は、シリコーン樹脂、例えば一般的に核シリコーンエラストマーの100重量部に対して1〜500重量部の量で存在する、ポリオルガノシルセスキオキサン樹脂からなるコーティング層で被覆されている。
ある実施態様において、核粒子を形成するシリコーンエラストマーは、一般式(II):
(R-Si-O) (II)
[上式中、
Rは互いに独立しており、アルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル及びブチル基、アリール基、例えばフェニル及びトリル基、アルケニル基、例えばビニル及びアリル基、及びアラルキル基、例えば2-フェニルエチル及び2-フェニルプロピル基、並びに上述した炭化水素基の一部又は全ての水素原子が、ハロゲン原子、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、(メタ)アクリルオキシ基等、例えばクロロメチル及び3,3,3-トリフルオロプロピル基を含む置換基で置換することにより得られる置換された炭化水素基により例示されるような、1〜20の炭素原子を有する未置換又は置換された一価の炭化水素基であり、R基の少なくとも90%モルは好ましくはメチル基であり、添字aは5〜5000、例えば10〜1000の範囲の正の整数である]
で表される、直鎖状のジオルガノポリシロキサンセグメントを有する硬化ジオルガノポリシロキサンである。
【0029】
被覆されたシリコーンエラストマー粒子は、シリコーンエラストマー粒子の表面に、シリコーン、例えばポリオルガノシルセスキオキサン樹脂のコーティング層が形成されるように、水性分散液中、硬化シリコーンエラストマー粒子の存在下において、インシトゥーにてトリアルコキシシラン化合物を加水分解及び縮合反応させることにより調製することができる。調製方法は、0.1μm〜100μmの範囲の平均粒子径を有する硬化シリコーンエラストマー粒子の水性分散液と、次の一般式(III):
R'-Si(OR'') (III)
[上式中、R'は未置換又は置換された一価の炭化水素基であり、R''は1〜6の炭素原子を有するアルキル基である]
により表される、トリアルコキシシラン化合物及びアルカリ性化合物とを、60℃を超えない温度で、攪拌下にて混合することを含む。このように被覆されたシリコーンエラストマー粒子の調製の特定の実施例は、米国特許第5538793号に記載されている。商業的に入手可能なポリオルガノシルセスキオキサンで被覆されたシリコーンエラストマー粒子の例は、シンエツ社(shin-Etsu)から入手されるものであり、KSP-100シリーズ、KSP-200シリーズ及びKSP-300シリーズのものが含まれる。これらは、シリコーン樹脂で被覆されたシリコーンエラストマーの球形粒子であり、ここでシリコーンエラストマー核は、KSP-100シリーズでは官能化されておらず、KSP-200ではフルオロアルキル基で官能化され、KSP-300のケースではフェニル基で官能化されたものであってよい。構造化剤に対するシリコーンエラストマーパウダーの量の比は、約0.1〜約9.0の範囲である。いくつかの実施態様において、前記比は約0.5〜約5.0である。他の実施態様において、前記比は約1.0〜約4.0であり、さらなる実施態様において、前記比は約1.0〜約3.0である。
【0030】
本発明で有用な膨張剤には、室温で液状の揮発性及び非揮発性、直鎖状及び環状のポリジメチルシロキサン(PDMSs)(例えば、それぞれジメチコーン類及びシクロメチコーン類);シリコーン鎖の末端及び/又はペンダントしてアルキル又はアルコキシ基を有するポリジメチルシロキサン類で、それぞれの基が2〜24の炭素原子を有するもの;フェニルシリコーン類、例えばフェニルトリメチコーン類、フェニルジメチコーン類、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン類、ジフェニルジメチコーン類、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン類、及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリカート類、及びフッ化シリコーン類から選択されるシリコーン油を含む。本発明で有用ないくつかの低粘度シリコーン油は、式(IV):[(R)-Si-O]、ここで「R」で示される2つの置換基のそれぞれは、独立して低級アルキル基(1〜6の炭素原子)を有するものである単位(末端基を除く)からなる直鎖状のポリシロキサン類である。これらの低粘度のポリシロキサン類の重合度(繰り返し単位の数)は、例えば約3〜2000の範囲であってよい。これらの低粘度のシリコーン油は、公知の方法に従い調製することもできるし、又は商業的に:例えばシリーズ47シルビオン(Silbione)油(ローヌ・プーラン社(RHONE POULENC))、シリーズ200油(ダウ・コーニング社(DOW CORNING))、SF96油(ジェネラル・エレクトリック社(GENERAL ELECTRIC))を購入することもできる。末端基は、例えばトリメチルシリル、ジメチルヒドロキシメチルシリル、又はビニルジメチルシリル基である。
【0031】
膨張剤は、化粧品的に許容可能なものでなければならない。基準に加えて、膨張剤の選択は、シリコーンエラストマー核の化学性に依存する。例えばフェニル置換基を有するシリコーンエラストマー核(例えばKSP-300)は、フェニルトリトリメチコーン等、膨張剤と共に使用されてよく、フルオロ基を有する核(例えばKSP-200)は、フッ化シリコーン等の薬剤と使用されてもよい。他方、官能化されていないシリコーンエラストマー核(例えばKSP-100)は、官能化されていない又は官能化された膨張剤と共に使用されてもよい。膨張剤の粘度は一般的に約5〜100000cst(センチストーク)の間で変化する。比較的高粘度の薬剤は、シリコーンエラストマーパウダーを相対的にゆっくりと膨張させるが、低粘度の薬剤は、一般的にエラストマーパウダーを比較的素早く膨張させる。一より多くの膨張剤を使用してもよい。一般的に、膨張剤は、組成物の全重量に対して約0.1〜約90%、好ましくは約0.1〜約40%の量で、化粧品用組成物に存在している。シリコーンエラストマーパウダーと膨張剤の相対量は、化粧品用組成物の性質に基づいて決定される。一般的に、膨張剤は、パウダーの当初の容量の約10%から、当初の容量の約2.5倍もしくはそれ以上の範囲に、エラストマーパウダーを膨張させるものである(例えば、膨張した状態において、樹脂でコーティングされたシリコーンエラストマー核と吸収されていない膨張剤との相分離を視覚的に観察することにより測定される)。別の言い方をすれば、シリコーンパウダーは、典型的には、膨張剤それ自身の重量の約2.5倍まで吸収する。一般的に、シリコーンエラストマーパウダーと膨張剤とを組合せた重量は、組成物の全重量に基づき、約0.1%〜約99%の範囲である。
【0032】
液状脂肪相
一実施態様において、少なくとも一の液状脂肪相は、少なくとも一の油を含有し得る。少なくとも一の油は、例えば、室温で油性の液体、及び炭化水素ベースの液状油を含む、無極性油及び極性油から選択され得る。一実施態様において、本発明の組成物は、少なくとも一の構造化ポリマーと少なくとも一の極性油を含有する。脂肪相及び油の種類は、構造化剤と化学的に融和するように選択される。
炭化水素ベース型の無極性ポリマーで構造化された液状脂肪相において、この脂肪相は、液状脂肪相の全重量に対して30重量%を越えて、例えば40重量%を越えて、さらには50重量%〜100重量%の少なくとも一の液状無極性油、例えば炭化水素ベース油を含有していてよい。
【0033】
例えば、本発明において有用な少なくとも一の極性油は次のものから選択され得る:
グリセロールの脂肪酸エステルを含有するトリグリセリド類が高含有量の炭化水素ベースの植物性油であって、脂肪酸がC〜C24と種々の長さの鎖を有し、これらの鎖が直鎖状及び分枝状で、飽和及び不飽和の鎖から選択することができるもの;これらの油は、例えば小麦胚芽油、トウモロコシ油、ヒマワリ油、カリテバター、ヒマシ油、スイートアルモンド油、マカダミア油、アプリコット油、大豆油、綿油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、ゴマ油、マロー油、菜種油、アボカド油、ヘーゼルナッツ油、グレープシード油、クロフサスグリの種油、マツヨイグサ油、穀類油、大麦油、キノア油、オリブ油、ライ麦油、ベニバナ油、ククイノキ油、トケイソウ油及びマスクローズ油;又はカプリル/カプリン酸のトリグリセリド類、例えばステアリネリーズ・デュボイス社(Stearineries Dubois)社から販売されているもの、又はダイナミットノーベル社(Dynamit Nobel)からミグリオール(Miglyol)810、812及び818の名称で販売されているものから選択される;
式RCOORのエステル又は合成油、ここでRは1〜40の炭素原子を有する直鎖状及び分枝状の脂肪酸残基から選択され、Rは、例えば1〜40の炭素原子を有する炭化水素ベース鎖から選択され、R+R≧10といった条件があるもの、例えばプルセリン油(オクタン酸セトステアリル)、イソノナン酸イソノニル、C12〜C15安息香酸アルキル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、及びオクタン酸、デカン酸又はリシノール酸のアルキル又はポリアルキル;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル及びリンゴ酸ジイソステアリル;及びペンタエリトリトールエステル;
10〜40の炭素原子を有する合成エーテル;C〜C26脂肪アルコール、例えばオレイルアルコール;及びC〜C26脂肪酸、例えばオレイン酸、リノレン酸又はリノール酸。
【0034】
本発明の少なくとも一の無極性油は、合成及び鉱物性由来で、直鎖状及び分枝状、揮発性及び非揮発性の炭化水素から選択される炭化水素、例えば、揮発性の流動パラフィン(例えばイソパラフィン及びイソドデカン)又は非揮発性の流動パラフィン及びその誘導体、流動ペトロラタム、流動ラノリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパーリーム(Parleam)(登録商標)及びスクワラン;シリコーン油、ポリジメチルシロキサン類及びフェニルシリコーン類で、ここで膨張剤として機能しないもの、及びそれらの混合物を含み得る。一実施態様において、構造化油、例えばポリ尿素-ウレタン類又はポリ尿素類又はポリウレタン類又は式(I)のもの等のポリアミドで構造化されたものは、無極性油、例えば炭化水素、中でもアルカン類、例えばパーリーム(登録商標)油、イソドデカンを含むイソパラフィン、及びスクワラン、及びそれらの混合物から選択され、合成及び鉱物由来のものから選択される炭化水素油の混合物又は油であってよい。一実施態様において、これらの油は少なくとも一のフェニルシリコーン油と組合せられてよい。
一実施態様において、液状脂肪相は、例えば鉱物、植物及び合成由来の炭化水素ベース油、合成エステル又はエーテル、シリコーン油及びそれらの混合物から選択される少なくとも一の非揮発性油を含有する。
【0035】
実際、全ての液状脂肪相は、組成物の全重量に対して、例えば約0.1重量%〜約99重量%の量で存在し;さらには組成物の全重量に対して約5.0重量%〜約95.5重量%、約10重量%〜約80重量%、約20重量%〜約75重量%、約1.0重量%〜約60重量%の範囲が含まれる。
【0036】
液状脂肪相に加えて、化粧品用組成物がエマルションの形態である場合、該化粧品用組成物は水相をさらに含んでいてよい。これらの実施態様において、組成物はエマルションの調製及び安定化を容易にするために、一又は複数の乳化剤をさらに含有するであろう。水性エマルションの例には、水中油型エマルション、油中水型エマルション、及び多相エマルション、例えば油中水中油型エマルション及び水中油中水型エマルションが含まれる。しかしながら、本発明の組成物は、水相を含有するエマルションに制限されるものではない。また、組成物は無水エマルション(例えばポリオール、中でもグリセリン及びプロピレングリコールを含有していてもよい)の形態であってもよい。
【0037】
乳化剤
有機乳化剤の例には、当該分野で公知の任意のエトキシル化された界面活性剤、例えばポリソルベイト-20、ラウレス(Laureth)-7、ラウレス-4、セピゲル(Sepigel)(登録商標)305で、セピック社(SEPPIC)から入手可能なもの、及びInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第4巻(第9版、2002)に開示されている他の類似した成分、特に2962-2971頁に開示されている乳化剤が含まれる。オルガノシリコーン乳化剤の例には、ゴールドシュミット・ケミカル社(Goldschmidt Chemical Corporation)から入手可能なセチルジメチコーンコポリオールポリグリセリル-4-イソステアラート-ヘキシラウラート[アビル(ABIL)(登録商標)WE09]、GEシリコーン社から入手可能なセチルジメチコーンコポリオール(アビル(登録商標)EM90)(アビル(登録商標)EM97)、ラウリルメチコーンコポリオール(5200)、シクロメチコーン(及び)ジメチコーンコポリオール(DC5225C及びDC3225C)、シクロペンタシロキサン及びジメチコーンコポリオール(GE SF1528)、又は当業者に公知の他の処方補助剤が含まれる。処方補助剤として有用な他の脂肪物質には、限定されるものではないが、エステル化又はエステル化していない液状形態又はエステル化した固体形態のシリコーン類、例えばベヘン酸ジメチコーン;及び植物性及び鉱物性油等、油を含む非シリコーン性脂肪物質;動物性及び/又は合成ロウ、例えばミツロウ、パラフィン、米糠ロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ及びそれらの誘導体;及び炭化水素ゲル又はベントーン型ゲル、例えばゲルSS71、ゲルEA2786、クアテルニウム(Quaternium)-18ベントナイト、38CE、ゲルISD V又はゲルISDが含まれる。他の乳化剤には、糖誘導体、例えばアルキルポリグルコシド類又は糖エステルが含まれる。さらに乳化剤として使用されるものには、エトキシル化されたステアラート類、例えばポリグリセリル-2-ジポリヒドロキシステアラート、又はポリグリセリル-10-ポリヒドロキシステアラート、又はPEG-30-ジポリヒドロキシステアラートが含まれる。
これらの物質は、コンシステンシー又はテクスチャー等の特性に影響が及ぶように、本発明の組成物に含有され得る。
【0038】
皮膜形成ポリマー
一又は複数の皮膜形成ポリマーが組成物に存在していてよく、融和性が提供される(例えば相分離の原因とならない)。皮膜形成剤の適切な量は、当業者によって決定されてよく、用途に応じてかなり変えることができる。例えば、化粧品用組成物において、皮膜形成剤は、組成物の全重量に対して0.1重量%〜20重量%、例えば1重量%〜10重量%の量で使用されてよい。
一実施態様において、皮膜形成シリコーン樹脂は、シルセスキオキサン類及びシロキシシリカート類から選択される。このようなシルセスキオキサン皮膜形成剤の代表例には、ワッカー・ケミー社(Wacker Chemie)から入手可能な、レジンMKとも称されるベルシル(Belsil)PMS MK、シンエツ社から入手可能なKR-200L、KR-242A又はKR-251が含まれる。シロキシシリカート皮膜形成の例には、ワッカー・シリコーン・コーポレーション(Wacker Silicones Corporation)から入手可能なワッカー803及び804、ジェネラル・エレクトリック社から入手可能なG.E.1170-002、ジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリカート、例えばGEシリコーン社から入手可能なSF1318が含まれ得る。シリコーンベースの皮膜形成剤として、高粘度のフェニル化シリコーン、例えばベルシルPDM1000として入手可能なフェニルトリメチコーンが使用され得る。
【0039】
他の実施態様において、皮膜形成剤は、エチレン性不飽和モノマーとシリコーン部分との反応により得られる化合物であってよい。得られたコポリマーは、少なくとも一の骨格と少なくとも一の鎖を有するグラフト又はブロックコポリマーであってよく、ここで、少なくとも一の骨格及び少なくとも一の鎖の少なくとも一方はシリコーン類から選択される。一実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、少なくとも一の極性骨格と少なくとも一の無極性鎖を有するコポリマー、及び少なくとも一の無極性骨格と少なくとも一の極性鎖を有するコポリマーから選択され、ここで、少なくとも一の骨格及び少なくとも一の鎖の少なくとも一方はシリコーン類から選択される。
【0040】
一実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、少なくとも一の極性の非シリコーン鎖で置換された、少なくとも一の無極性のシリコーン骨格を有するポリマー骨格を含有するコポリマー、及び少なくとも一の無極性のシリコーン鎖で置換された、少なくとも一の極性の非シリコーン骨格を有するポリマー骨格を含有するコポリマーから選択される。
他の実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、少なくとも一の無極性の非シリコーン鎖で置換された、少なくとも一の極性のシリコーン骨格を有するポリマー骨格を含有するコポリマー、及び少なくとも一の極性のシリコーン鎖で置換された、少なくとも一の無極性の非シリコーン骨格を有するポリマー骨格を含有するコポリマーから選択される。
【0041】
一実施態様において、少なくとも一の極性鎖は、少なくとも一のエステル基を有する。他の実施態様において、少なくとも一の極性鎖は、少なくとも一のエステル基と少なくとも一の二重結合を有する。他の実施態様において、少なくとも一の極性の非シリコーン骨格は、アクリラートポリマー、メタクリラートポリマー及びビニルポリマーから選択される。
【0042】
他の実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、少なくとも一の炭化水素基をさらに有する。一実施態様において、少なくとも一の炭化水素基は、ポリマー骨格に結合する末端炭化水素基である。他の実施態様において、少なくとも一の炭化水素基は、ポリマー骨格に結合するペンダント炭化水素基である。他の実施態様において、少なくとも一の炭化水素基は、ポリマー骨格上の少なくとも一の鎖に結合する末端炭化水素基である。他の実施態様において、炭化水素基は、ポリマー骨格上の少なくとも一の鎖に結合するペンダント炭化水素基である。少なくとも一の炭化水素基の非限定的例には、例えばC18アルキル基及びC22アルキル基等の、置換されていてもよいC-C25アルキル基を含む。
【0043】
少なくとも一のコポリマーの非限定的例には、シリコーン/(メタ)アクリラートのコポリマー、例えば米国特許第5061481号、同5219560号及び同5262087号に記載されているものが含まれる。少なくとも一のコポリマーのさらなる非限定的例は、少なくとも一の無極性シリコーン鎖がグラフトしたビニルコポリマー、及び少なくとも一の極性(メタ)アクリラート単位の繰り返し単位を含む、無極性シリコーンコポリマーである。このようなコポリマーの非限定的例は、アクリラート類/アクリル酸ステアリル/ジメチコーンアクリラート類のコポリマー、例えばシンエツ社から商業的に入手可能なもの、中でもKP-561の商品名で販売されている製品、及びアクリラート類/アクリル酸ベヘニル/ジメチコーンアクリラート類のコポリマー、例えばシンエツ社から商業的に入手可能なもの、中でもKP-562の商品名で販売されている製品である。
【0044】
本発明での使用に適した少なくとも一のコポリマーの他の非限定的例は、米国特許第6045782号、同5334737号及び同4725658号に開示されている、次の式(V)及び(VI):
SiO[4−(a+b)/2] (V);及び
R'SiO1/2 (VI)
[上式中:
R及びR'は同一でも異なっていてもよく、それぞれ置換されていてもよい炭化水素基から選択され;
a及びbは同一でも異なっていてもよく、それぞれ0〜3の範囲の数であり、但しaとbの合計は1〜3の範囲の数であり、
x及びyは同一でも異なっていてもよく、それぞれ0〜3の範囲の数であり、但しxとyの合計は1〜3の範囲の数であり;
は同一でも異なっていてもよく、それぞれ少なくとも一のカルボキシルエステルを含む基から選択される]
の単位を含むシリコーンエステルである。
【0045】
一実施態様において、R基は、少なくとも一の酸と少なくとも一のアルコールとの反応から形成される少なくとも一のエステル基を含む群から選択される。一実施態様において、少なくとも一の酸は少なくとも二の炭素原子を有する。他の実施態様において、少なくとも一のアルコールは少なくとも10の炭素原子を有する。少なくとも一の酸の非限定的例には分枝状の酸、例えばイソステアリン酸、及び直鎖状の酸、例えばベヘン酸が含まれる。少なくとも一のアルコールの非限定的例には、一価アルコール及び多価アルコール、例えばn-プロパノール、及び分枝状のエーテルアルカノール類、例えば(3,3,3-トリメチロールプロポパニル)プロパンが含まれる。
【0046】
少なくとも一のコポリマーのさらなる非限定的例には、液状のシロキシシリカート類及びシリコーンエステル、例えば米国特許第5334737号に開示されているもの、中でもジイソステアロイルトリメチロールプロパンシロキシシリカート、及びジラウロイルトリメチロールプロパンシロキシシリカートが含まれ、それぞれSF1318及びSF1312の商品名でジェネラル・エレクトリック社から商業的に入手可能である。
【0047】
少なくとも一のコポリマーのさらなる非限定的例には、ペンダントフルオロケミカル基及びペンダントシロキサン基から選択される少なくとも一の鎖と、ビニルポリマー、メタクリルポリマー及びアクリルポリマーから選択される骨格を有するポリマーが含まれる。このようなポリマーの非限定的例には、少なくとも一のAモノマーから誘導される少なくとも一の単位、少なくとも一のCモノマーから誘導される少なくとも一の単位、Dモノマーから誘導される少なくとも一の単位、場合によっては少なくとも一のBモノマーから誘導される少なくとも一の単位を含有しており、ここで:
Aは同一でも異なっていてもよく、フルオロエーテルアルコール、環状のフルオロアルキルアルコール、フルオロアルキルスルホンアミドアルコール、オメガ-ヒドリドフルオロアルカノール、1,1-ジヒドロペルフルオロアルカノール、及び上述した少なくとも一のアルコールの任意のものの類似体から選択される少なくとも一のアルコールの、フリーラジカル的に重合可能なメタアクリル酸エステル、及びフルオロエーテルアルコール、環状のフルオロアルキルアルコール、フルオロアルキルスルホンアミドアルコール、オメガヒドリドフルオロアルカノール、1,1-ジヒドロペルフルオロアルカノール、及び上述した少なくとも一のアルコールの任意のものの類似体から選択される少なくとも一のアルコールの、フリーラジカル的に重合可能なアクリル酸エステルからそれぞれ選択され;
Bは同一でも異なっていてもよく、少なくとも一のAモノマーと共重合可能な強化モノマーからそれぞれ選択され;
Cは同一でも異なっていてもよく、次の式(VII):
X(Y)Si(R)3−m (VII)
[上式中、
Xは、少なくとも一のAモノマー及び少なくとも一のBモノマーと共重合可能なビニル基から選択され、
Yは、二価のアリレン基、二価のアリーレン基、二価のアルカリレン基、及び二価のアラルキレン基から選択され、ここで該基は1〜30の炭素原子を有し、さらに該基はエステル基、アミド基、ウレタン基、及び尿素基から選択される少なくとも一の基をさらに含んでいてよく;
nは0又は1であり;
mは1〜3の範囲の数であり;
Rは同一でも異なっていてもよく、水素、C-Cアルキル基、アリール基、及びアルコキシ基からそれぞれ選択され;さらに
Zは同一でも異なっていてもよく、一価のシロキサンポリマー基からそれぞれ選択される]
により表されるモノマーからそれぞれ選択され、
Dは同一でも異なっていてもよく、フリーラジカル的に重合可能なアクリラートコポリマー、及びフリーラジカル的に重合可能なメタクリラートコポリマーからそれぞれ選択される。このようなポリマー及びそれらの製造方法は、米国特許第5209924号及び同4972037号、及び国際公開第01/32737号に開示されている。
【0048】
少なくとも一のコポリマーのさらなる非限定的例には、少なくとも一のAモノマー、少なくとも一のCモノマー、及び少なくとも一のDモノマーを含有するポリマーが含まれ、ここで、Aは同一でも異なっていてもよく、少なくとも一のフルオロアルキルスルホンアミドアルコールの重合可能なメタアクリル酸エステル、及び少なくとも一のフルオロアルキルスルホンアミドアルコールの重合可能なアクリル酸エステルからそれぞれ選択され;Dは同一でも異なっていてもよく、少なくとも一の直鎖状C-C12アルコールのメタクリル酸エステル、及び少なくとも一の分枝状C-C12アルコールのメタクリル酸エステルからそれぞれ選択され、Cは上述したパラグラフに定義されたものである。このようなポリマーには、次の式(VIII):
【化2】

[上式中、
a、b及びcは同一でも異なっていてもよく、それぞれ1〜100000の範囲の数であり;及び
末端基は同一でも異なっていてもよく、直鎖状C-C20アルキル基、分枝状鎖C-C20アルキル基、C-C20アリール基、直鎖状C-C20アルコキシ基、及び分枝状C-C20アルコキシ基からそれぞれ選択される]
により表される少なくとも一の基を有するポリマーが含まれる。このようなポリマーは、米国特許第4972037号、同5061481号、同5209924号、同5849275号及び同6033650号に開示されている。これらのポリマーは、「シリコーン・プラス」ポリマーの商品名で、ミネソタ・マイニング・アンド・マニュファクチュアリング社(Minnesota Mining and Manufacturing Company)から購入することができる。例えば、ポリ(イソブチルメタクリラート-コ-メチルFOSEA)-g-ポリ(ジメチルシロキサン)は、SA70-5IBMMFの商品名で販売されている。
【0049】
少なくとも一のコポリマーの他の非限定的例はシリコーン/アクリラートのグラフトターポリマー、例えば次の式(IX):
【化3】

[上式中、
a、b及びcは、それぞれ69.9:0.1:30の重量比で存在しており、
R及びRは同一でも異なっていてもよく、水素及びC-Cアルキル基からそれぞれ選択され、
mは100〜150の範囲の数である]
により表されるものである。一実施態様において、mは8000〜12000の範囲、例えば10000の分子量を有するマクロマーが提供されるように選択される。他の実施態様において、mは124〜135、例えば130の範囲の数である。これらのコポリマーの非限定的例は、国際公開第01/32727A1号に記載されている。
【0050】
本発明の他の実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、ビニル骨格、メタクリル骨格及びアクリルポリマー骨格から選択される骨格を含有しており、さらに少なくとも一のペンダントシロキサン基も含有している。このようなポリマーの非限定的例は、米国特許第4693935号、同4981903号、及び同4981902号に開示されている。
【0051】
一実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、少なくとも一のAモノマー、少なくとも一のCモノマー、場合によっては少なくとも一のBモノマーを含有しており、ここで少なくとも一のAモノマーは、フリーラジカル的に重合可能なビニルモノマー、フリーラジカル的に重合可能なメタクリラートモノマー、及びフリーラジカル的に重合可能なアクリラートモノマーから選択され;少なくとも一のBのモノマーは、もしそれが存在するならば少なくとも一のAモノマーと共重合可能な少なくとも一の強化モノマーから選択され、少なくとも一のCモノマーは次の式(X):
X(Y)Si(R)3−m (X)
[上式中:
Xは、少なくとも一のAモノマー及び少なくとも一のBモノマーと共重合可能なビニル基から選択され;
Yは二価の基から選択され;
nは0又は1であり;
mは1〜3の範囲の数であり;
Rは同一でも異なっていてもよく、水素、置換されていてもよいC-C10アルキル基、置換されていてもよいフェニル基、及び置換されていてもよいC-C10アルコキシ基から選択され;さらに
Zは同一でも異なっていてもよく、一価のシロキサンポリマー基から選択される]
により表されるモノマーから選択される。Aモノマーの非限定的例には、直鎖状C-C12アルコール類のメタクリル酸エステル、分枝状C-C12アルコール類のメタクリル酸エステル、スチレンモノマー、ビニルエステル、塩化ビニルモノマー、塩化ビニリデンモノマー、及びアクリロイルモノマーが含まれる。Bモノマーの非限定的例には、ヒドロキシル、アミノ及びイオン性基から選択される少なくとも一の基を有するアクリルモノマー、及びヒドロキシル、アミノ及びイオン性基から選択される少なくとも一の基を有するメタクリルモノマーが含まれる。イオン性基の非限定的例には、第4級アンモニウム基、カルボン酸塩、及びスルホン酸塩が含まれる。Cモノマーは、上述したパラグラフに定義されたものである。
【0052】
本発明の他の実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、次の式を有するビニル-シリコーングラフトコポリマー、及び次の式(XI)により表されるビニル-シリコーンブロックコポリマーから選択される:
【化4】

[上式中、
は同一でも異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、フルオロアルキル基、水素、及び-ZSA基からそれぞれ選択され、ここで
Aは少なくとも一の重合したフリーラジカル的に重合可能なモノマーを含有するビニルポリマーセグメントから選択され、さらに
Zは、二価のC-C10アルキレン基、二価のアラルキレン基、二価のアリーレン基、及び二価のアルコキシアルキレン基から選択され、一実施態様において、Zはメチレン基及びプロピレン基から選択され、
は同一でも異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、フルオロアルキル基、水素、及び上述した-ZSA基からそれぞれ選択され;
はAを含み;
はAを含み;
は同一でも異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、フルオロアルキル基、水素、及びヒドロキシルからそれぞれ選択され、一実施態様において、RはC-Cアルキル基、例えばメチル基、及びヒドロキシルから選択され、
は同一でも異なっていてもよく、二価のC1-10アルキレン基、二価のアリーレン基、二価のアラルキレン基、及び二価のアルコキシアルキレン基からそれぞれ選択され、一実施態様において、Rは二価のC-Cアルキレン基、及び二価のC-C10アラルキレン基から選択され、他の実施態様において、Rは-CH-基及び二価の1,3-プロピレン基から選択され、
は同一でも異なっていてもよく、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、アルキルアミノ基、フルオロアルキル基、水素、及びヒドロキシルからそれぞれ選択され、一実施態様において、RはC-Cアルキル基及びヒドロキシルから選択され、他の実施態様において、Rはメチル基から選択され、
は同一でも異なっていてもよく、二価のC-C10アルキレン基、二価のアリーレン基、二価のアラルキレン基、及び二価のアルコキシアルキレン基からそれぞれ選択され、一実施態様において、Rは二価のC-Cアルキレン基及び二価のC-C10アラルキレン基から選択され、他の実施態様において、Rは二価の-CH-基及び二価の1,3-プロピレン基から選択され、
xは0〜3の範囲の数であり;
yは5以上の数であり、一実施態様において、yは10〜270の範囲であり、他の実施態様において、yは40〜270の範囲であり、
qは0〜3の範囲の数である]。
【0053】
これらのポリマーの非限定的例は、米国特許第5468477号に記載されている。このようなポリマーの非限定的例は、VS70IBMの商品名で3M社から商業的に入手可能な、ポリ(ジメチルシロキサン)-g-ポリ(イソブチルメタクリラート)である。
【0054】
一実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、組成物の全重量に対して0.1重量%〜20重量%の範囲の量で組成物に存在している。他の実施態様において、少なくとも一のコポリマーは、組成物の全重量に対して1重量%〜10重量%の範囲の量で存在している。当業者であれば、本発明の少なくとも一のコポリマーは商業的に入手されてよく、供給者からは希釈溶液の形態でもたらされると認識するであろう。よってここに開示する少なくとも一のコポリマーの量は、活性物質の重量パーセントで表される。
【0055】
また、他の皮膜形成ポリマーは、他の非シリコーン皮膜形成剤であってもよい。これらの非シリコーン皮膜形成剤は、例えばポリエチレン;ビニルピロリドン/酢酸ビニル(PVP/VA)のコポリマー、例えばBASFコーポレーションのルビスコール(Luviskol)(登録商標)VAグレード(全ての範囲)、及びISP社のPVP/VAシリーズ;フォラパール(Foraperle)(登録商標)皮膜形成剤を含む、アクリルフッ化されたエマルションの皮膜形成剤、例えばエルフ・アトケム社(Elf Atochem)のフォラパール(登録商標)303D(しかしながら、フォラパール(登録商標)は、いくつかの化粧品用調製物には適さないおそれもある);ガネックス(GANEX)コポリマー、例えばブチル化されたPVP、PVP/ヘキサデセンのコポリマー、PVP/エイコセンのコポリマー、又はトリコンタニル;ポリ(ビニルピロリドン/ジエチルアミノエチルメタクリラート)又はPVP/ジメチルアミノエチルメタクリラートのコポリマー、例えばコポリマー845;樹脂ACO-5014(イミド化されたIB/MAのコポリマー);他のPVPベースのポリマー及びコポリマー;シクロアルキルアクリル酸アルキルのコポリマー(その開示が参照としてここに取り込まれる、国際公開第98/42298号を参照);メキソメレ(Mexomere)(登録商標)皮膜形成剤、及び他のステアリン酸アリル/アクリル酸ビニルのコポリマー(ステアリン酸アリル/VAのコポリマー);ポリオールプレポリマー、例えばPPG-12/SMDIのコポリマー、ポリオールプレポリマー、例えばPPG-12/SMDIのコポリマー、ポリ(オキシ-1,2-エタンジイル)、α-ヒドロ-ω-ヒドロキシ-ポリマーで、1,1'-メチレン-ビス-(4-イソシアナトシクロヘキサン)を伴い、バーネット社(Barnet)から入手可能であるもの;アバルレ(Avalure)TMACポリマー(アクリラートコポリマー)、及びアバルレTMURポリマー(ポリウレタン分散体)で、BFグッドリッチ社(Goodrich)から選択され得る。
【0056】
本発明の構成において使用され得る皮膜形成剤には、従来技術で公知の任意の皮膜形成化学的性質を有する皮膜形成剤:例えばPVP、アクリラート類及びウレタン類;重縮合型又はフリーラジカル型又はイオン型の合成ポリマー;天然由来のポリマー、及びそれらの混合物、又は当業者が融和性があるとしており、化粧品及び製薬分野における実施が公知の任意の他の皮膜形成剤が含まれる。使用され得る皮膜形成剤は、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第2巻(第7版、1999)に開示されているもの、特に1636-1638頁に開示されているエモリエントである。
【0057】
ロウ
また、一又は複数のロウが組成物に存在していてよく、組成物との融和性が提供される。ここで使用される場合、「ロウ」は任意の脂質親和性の脂肪化合物であってよい。本発明で有用なロウの例には、天然由来のロウ、例えばミツロウ、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オーリクリーロウ、モクロウ、コルク繊維ロウ、サトウキビロウ、パラフィンロウ、亜炭ロウ、マイクロクリスタリンワックス、ラノリンロウ、モンタンロウ、及びオゾケライト、硬化油、例えば硬化ホホバ油、ホホバエステル、合成由来のロウ、例えばエチレンの重合により誘導されるポリエチレンロウ、フィッシャートロプシュ合成法により得られるロウ、脂肪酸エステル及びグリセリド類、及びシリコーンロウ、例えばポリ(ジ)メチルシロキサンの誘導体が含まれる。一般的に、ロウは、化粧品用組成物の全重量に対して、約0.01%〜約15%、好ましくは約0.1%〜約10%の範囲の量で存在する。
【0058】
サンスクリーン剤
この発明の化粧品用組成物は、有害な紫外線を実質的に吸収する、化学吸収剤であるであるサンスクリーン剤をさらに含有する。前記化学吸収剤は、それらが保護する光線の種類に応じて、UV-A又はUV-B吸収剤として分類されることはよく知られている。UV-A吸収剤は、一般的に320〜400nmの領域の紫外線スペクトルを吸収する。UV-A吸収剤には、アントラニラート類、ベンゾフェノン類、及びジベンゾイルメタン類が含まれる。UV-B吸収剤は、一般的に280〜320nmの領域の紫外線スペクトルを吸収する。UV-B吸収剤には、p-アミノ安息香酸誘導体、ショウノウ誘導体、シンナマート類、及びサリチラート類が含まれる。
【0059】
化学吸収剤を一般的にUV-A又はUV-B吸収剤として分類することは、当該産業において容認されている。しかしながら、より厳密な分類はサンスクリーン剤の化学的特性に基づいてなされる。サンスクリーン剤の化学的特性は主として8つに分類され、これは「Sunscreens-Development, Evaluation and Regulatory Aspects」, N. Shaathら, 第2版, 269-273頁, Marcel Dekker, Inc.(1997)の全編において論議されている。
【0060】
本発明で有用なサンスクリーン剤には、典型的には化学吸収剤が含まれるが、物理的ブロッカーを含んでいてもよい。本発明の組成物に処方され得る例示的なサンスクリーン剤は、化学吸収剤、例えばp-アミノ安息香酸誘導体、アントラニラート類、ベンゾフェノン類、ショウノウ誘導体、ケイ皮酸誘導体、ジベンゾイルメタン類(例えば、パルソール(Parsol)(登録商標)(1789)としても公知のアボベンゾン)、ジフェニルアクリラート誘導体、サリチル酸誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾイミダゾール化合物、ビス-ベンゾアゾリル誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)化合物、遮蔽ポリマー及びシリコーン類、又はそれらの混合物である。これらは、米国特許第2463264号、同4367390号、同5166355号及び同5237071号、及び欧州特許第863145号、欧州特許第517104号、欧州特許第570838号、欧州特許第796851号、欧州特許第775698号、欧州特許第878469号、欧州特許第933376号、欧州特許第893119号、欧州特許第669323号、英国特許第2303549号、独国特許第1972184号及び国際公開第93/04665号に記載されている。また、この発明の組成物に処方され得る例示的なサンスクリーン剤は物理的ブロッカー、例えば酸化セリウム、酸化クロム、酸化コバルト、酸化鉄、赤ペトロラタム、シリコーン処理された二酸化チタン、二酸化チタン、酸化亜鉛、及び/又は酸化ジルコニウム、又はそれらの混合物である。
【0061】
多様なサンスクリーン剤は、米国特許第5087445号及び同5073372号、及びCosmetics and Science and Technology(1957)のチャプターVIII, Segarinら, 189頁以降に記載されている。
【0062】
本発明の組成物に処方され得るサンスクリーン剤は、アミノ安息香酸、アミルジメチルPABA、シノキサート、ジエタノールアミン-p-メトキシシンナマート、トリオレイン酸ジガロイル、ジオキシベンゾン、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナマート、4-ビス(ヒドロキシプロピル)アミノ安息香酸エチル、2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリラート、エチルヘキシル-p-メトキシシンナマート、2-エチルヘキシルサリチラート、アミノ安息香酸グリセリル、ホモメンチルサリチラート、ホモサラート、3-イミダゾール-4-イルアクリル酸及びエチルエステル、アントラニル酸メンチル、オクチルジメチルPABA、2-フェニルベンゾイミダゾール-5-スルホン酸及びその塩、赤ペトロラタム、スルイソベンゾン、二酸化チタン、トリエタノールアミンサリチラート、N,N,N-トリメチル-4-(2-オキソボルン-3-イリデンメチル)アニリニウムメチルスルファート、及びそれらの混合物から選択される。
【0063】
さらにUV-A及び/又はUV-B領域に活性のあるサンスクリーン剤は:
p-アミノ安息香酸、
オキシエチレン(25mol)p-アミノベンゾアート、
2-エチルヘキシル-p-ジメチルアミノベンゾアート、
N-オキシプロピレン-p-アミノ安息香酸エチル、
p-アミノ安息香酸グリセロール、
4-イソプロピルベンジルサリチラート、
2-エチルヘキシル-4-メトキシシンナマート、
ジイソプロピルケイ皮酸メチル、
4-メトキシケイ皮酸イソアミル、
4-メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン、
3-(4'-トリメチルアンモニウム)-ベンジリデン-ボルナン-2-オンメチルスルファート、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホナート、
2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、
2,2',4,4'-テトラヒドロキシベンゾフェノン、
2,2'-ジヒドロキシ-4,4'-ジメトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、
2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4'-メトキシベンゾフェノン、
-(2-オキソボルン-3-イリデン)-トリル-4-スルホン酸とその可溶塩、
3-(4'-スルホ)ベンジリデン-ボルナン-2-オンとその可溶塩、
3-(4'-メチルベンジリデン)-d,l-ショウノウ、
3-ベンジリデン-d,l-ショウノウ、
ベンゼン-1,4-ジ(3-メチリデン-10-ショウノウスルホン)酸とその塩(米国特許第4585597号に記載された製品メキソリル(Mexoryl)SX)、
ウロカニン酸、
2,4,6-トリス[p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)-アニリノ]-1,3,5-トリアジン、
2-[(p-(tertイオブチル(アミド)アニリノ]-4,6-ビス[(p-(2'-エチルヘキシル-1'-オキシカルボニル)アニリノ]-1,3,5-トリアジン、
2,4-ビス{[4-(2-エチル-ヘキシルオキシ)]-2-ヒドロキシ]フェニル}-6-(4-メトキシ-フェニル)-1,3,5-トリアジン(チバ社(Ciba)から販売されている「チノソーブ(TINOSORB)S」)、
N-(2及び4)-[(2-オキソボルン-3-イリデン)メチル]ベンジル]アクリルアミドのポリマー、
1,4-ビスベンズイミダゾリル-フェニレン-3,3',5,5'-テトラスルホン酸とその塩、
ベンザルマロナート置換されたポリオルガノシロキサン類、
ベンゾトリアゾール置換されたポリオルガノシロキサン類(ドロメトリゾール-トリシロキサン)、
チバ・スペシャリティー・ケミカル社(Ciba Specialty Chemicals Corp.)(タリタウン、ニューヨーク州)からチノソーブMの商品名で市販されているマイクロ化された分散液形態のものとして、もしくはフェアマウント・ケミカル社(Fairmount Chemical)からミキシム(MIXXIM)BB/100の商品名で市販されている分散した2,2'-メチレン-ビス-[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノール)、
フェアマウント・ケミカルからミキシムBB/200の商品名で市販されている、可溶化した2,2'-メチレン-ビス-[6-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4-(メチル)フェノール]、
を含むことができる。
【0064】
典型的には、一又は複数のこれらのサンスクリーン剤の組合せが使用される。
【0065】
アヴォベンゾン以外のジベンゾイルメタン誘導体は、例えば仏国特許第2326405号、仏国特許第2440933号及び欧州特許第114607号に記載されている。
アヴォベンゾン以外の他のジベンゾイルメタンサンスクリーン剤には(単独であっても、又は任意の組合せであっても):
2-メチルジベンゾイルメタン
4-メチルジベンゾイルメタン
4-イソプロピルジベンゾイルメタン
4-tert-ブチルジベンゾイルメタン
2,4-ジメチルジベンゾイルメタン
2,5-ジメチルジベンゾイルメタン
4,4'-ジイソプロピルジベンゾイルメタン
4,4'-ジメトキシジベンゾイルメタン
2-メチル-5-イソプロピル-4'-メトキシジベンゾイルメタン
2-メチル-5-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン
2,4-ジメチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン
2,6-ジメチル-4-tert-ブチル-4'-メトキシジベンゾイルメタン
が含まれる。他の使用可能な付加的なサンスクリーン剤は、International Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook(第9版、2002)の2954-2955頁に記載されている。
【0066】
可塑剤
さらに可塑剤を組成物に添加して、得られる処方物の可撓性及び化粧品特性を改善してもよい。可塑剤は合成ポリマーを軟化させる物質である。多くの場合それらは皮膜形成剤の脆弱化及び粗砕を回避するために必要である。当業者であれば、考慮される用途及び所望の特性に基づき、所望される可塑剤の量を、常套的に変えるであろう。本発明の実施に有用な可塑剤には、レシチン、ポリソルベイト類、ジメチコーンコポリオール、グリコール類、クエン酸エステル、グリセリン、ジメチコーン、及びInternational Cosmetic Ingredient Dictionary and Handbook、第4巻(第9版、2002)に開示されている他の同様の成分、特に2927頁に開示されている可塑剤が含まれる。
【0067】
他の添加剤
さらに、本発明の組成物は、着色剤(例えば顔料)、酸化防止剤、精油、防腐剤、香料、フィラー、ペースト状の脂肪物質、ロウ状の脂肪物質、中和剤、脂溶性ポリマー、及び化粧品用活性剤及び皮膚用活性剤、例えばエモリエント、保湿剤、ビタミン類及び必須脂肪酸から選択される、関連する分野で一般的に使用されている、少なくとも一の適切(例えば、化粧品的又は皮膚科学的に許容可能な)添加剤をさらに含有してよい。また本発明の組成物は、水相増粘剤で増粘していてもよく、又はゲル化剤でゲル化していてもよく、及び/又は水に溶解する成分を含有していてもよい。化粧品用組成物が少なくとも一の顔料の存在で着色している実施態様において、好ましくは、顔料は、例えばアミノ酸で処理されている。処理された顔料は当該技術で公知である。例えば米国特許第5843417号を参照のこと。例えば、シリコーンで処理された顔料は、米国特許第4574082号に記載されており、アミノ酸で処理された顔料は、米国特許第4606914号に記載されている。処理された顔料はU.S.コスメティクス社、配給社ミヨシカセイ(日本)から入手可能である(例えば植物性アミノ酸、中でもステアロイルグルタミン酸二ナトリウム、酸化アルミニウム、及び場合によっては二酸化チタンで処理された顔料)。
【実施例】
【0068】
本発明を、詳細な実施例を参照することにより、さらに詳細に記載する。これらの実施例は、例証のみを目的として提供されるものであって、特に記載しない限りは、制限することを意図したものではない。
実施例1:ファンデーション
【表1】

この組成物を作製するために、均一になるように混合しつつ、A1相を、約15分間、80〜85℃の温度で、又はユニクリアポリマーが溶解するまで加熱した。顔料が良好に分散するように、シーア下で混合しつつ、A2相を添加した。混合しながら、A3-A7相を順次添加した。ついで、ホモジナイズ下、約70-75℃の温度で、B相をゆっくりと添加し、エマルションを形成させた。このファンデーションはシルキーな感触を有していた。
【0069】
実施例2:ファンデーション
【表2】

この組成物を作製するために、A相を、約15分間、80〜85℃の温度で、又は構造化ポリマーが溶解するまで加熱した。B及びC相をA相に添加し、均質になるまで互いに混合した。ホモジナイズ下、約70-75℃の温度で、D相をゆっくりと添加し、エマルションを形成させた。バッチを室温まで冷却し、そこにE相を添加し、均質になるまで混合した。このファンデーションはシルキーな感触を有していた。
【0070】
実施例3:無水コンパクト処方物
【表3】

この組成物を調製するために、A相を、約15分間、80〜85℃の温度で、又は構造化ポリマーが溶解するまで加熱した。B相を添加し、良好に分散するように、高シーア下で顔料を挽いた。よく混合しながら、C、D及びE相を順次添加した。得られた混合物を熱いまま、すなわち80〜85℃の温度でコンパクトに注いだ。コンパクトはシルキーでクッションのような感触を有し、良好な適用性を有していた。
【0071】
実施例4:圧縮パウダー
【表4】

この組成物を調製するために、A相をTeledyne Readco CBM(コンテナバッチ混合機)に添加し、5000RPMで10分間混合した。B及びC相(予め混合)をモジュールに添加し、3000RPMで10分間混合した。完成混合物を粉砕ユニットに通し、続いて約1000psiの圧力をかけた。この圧縮パウダーは、適用時にクッションのような感触及びシルキーな感触を有していた。
【0072】
実施例5:スティック
【表5】

ナチュラルなベージュ(上述したA3の顔料)
【表6】

スティックを調製するために、A1の成分(ウィッケノール151及びユタノールGを除く)を主容器において互いに混合し、続いて、顔料が良好に分散するまで、分散剤(Sylversone)と共に、B1及びB2を添加した。ついで、均質な混合物が得られるまで、混合ブレードを使用し、A3相の成分を添加した。ウィッケノール151及びユタノールGを、分離容器中で互いに混合し、続いて、混合物が透明になり、塊がなくなるまで80℃で加熱しながらA2相を添加した。主容器を約80℃の温度まで加熱し、分離容器の内容物をそこに添加し、続いてC相の成分を添加した。均質になる(完全に溶解する)まで反応混合物を混合し、温度を70〜75℃まで低下させた。内容物を70〜75℃で鋳型に注いだ。
【0073】
実施例6:中間組成物
【表7】

工業的適用性
ここに開示された組成物及び方法は、化粧品、皮膚科学及び薬学において有用である。
本明細書に引用されている全ての出版物は、特許公開及び非特許公開の双方とも、この発明に関連する当業者の技術レベルの指標である。ここでこれら全ての出版物は、それぞれ個々の出版物が、特にまた個々に参照として取り込まれるように、同じ程度で参照として取り込まれる。
ここで本発明は、特定の実施態様を参照として記載されているが、これらの実施態様は、本発明の原則及び応用性を単に例示するためのものであると理解される。よって、多くの変更が例示的実施態様においてなされてもよく、他のアレンジは、附随する特許請求の範囲によって定められる本発明の趣意及び範囲を逸脱しないように工夫されていると理解される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一のヘテロ原子を有する炭化水素ベースの繰り返し単位を含有するポリマー骨格を含む構造化剤;液状脂肪相;シリコーン樹脂で被覆されたシリコーンエラストマー核を有するシリコーンエラストマーパウダー;及び該パウダー用の膨張剤を含有する化粧品用組成物において、(1)該組成物がサンスクリーン剤を含有せず、又は(2)該組成物がエマルションの形態であり、サンスクリーン剤を含有している場合、シリコーンエラストマーパウダーは少なくとも一のペンダント官能基を有し及び/又は膨張剤はジメチコーンではない化粧品用組成物。
【請求項2】
前記構造化剤が、前記ポリマー骨格に結合する少なくとも一の脂肪鎖をさらに含む、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項3】
前記脂肪鎖がペンダント鎖である、請求項2に記載の化粧品用組成物。
【請求項4】
前記脂肪鎖が末端鎖である、請求項2に記載の化粧品用組成物。
【請求項5】
前記脂肪鎖がエステル基を介して前記ポリマー骨格に結合している、請求項4に記載の化粧品用組成物。
【請求項6】
前記構造化剤が、末端脂肪鎖を含む、多数の脂肪鎖を含有している、請求項2に記載の化粧品用組成物。
【請求項7】
前記脂肪鎖が官能化されている、請求項2に記載の化粧品用組成物。
【請求項8】
前記ポリマー骨格がポリアミドである、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項9】
前記構造化剤が、式(I):
【化1】

[上式中:
− nは、前記少なくとも一のポリアミドポリマーに存在するエステル基の数が、前記少なくとも一のポリアミドポリマーに含有される全エステル基と全アミドの基の全数の10%〜50%の範囲になるような、アミド単位の数を示す整数であり;
− Rは同一又は異なっており、少なくとも4の炭素原子を有するアルキル基及び少なくとも4の炭素原子を有するアルケニル基からそれぞれ選択され;
− Rは同一又は異なっており、C〜C42炭化水素ベース基からそれぞれ選択され、但し、全Rの少なくとも50%はC30〜C42炭化水素ベース基から選択され;
− Rは同一又は異なっており、炭素原子、水素原子、酸素原子及び窒素原子から選択される原子を有する有機基からそれぞれ選択され、但し、Rは少なくとも2の炭素原子を有しており;及び
− Rは同一又は異なっており、それぞれ、水素原子、C〜C10アルキル基、及びRと他のRから選択される少なくとも一の基への直接結合であって、該少なくとも一の基が他のRから選択される場合は、RとRの両方が結合する窒素原子がR-N-Rにより部分的に定義される複素環構造の一部を形成するものであり、但し全Rの少なくとも50%が水素原子から選択される]
のポリアミドポリマーから選択される、請求項8に記載の化粧品用組成物。
【請求項10】
前記膨張剤が直鎖状又は環状のポリジメチルシロキサンを含む、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項11】
前記ポリジメチルシロキサンがシクロメチコーンを含む、請求項10に記載の化粧品用組成物。
【請求項12】
前記ポリジメチルシロキサンがジメチコーンを含む、請求項10に記載の化粧品用組成物。
【請求項13】
前記膨張剤がフェニルメチコーンを含む、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項14】
前記膨張剤がフッ化シリコーンを含む、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項15】
前記シリコーン樹脂がポリオルガノシルセスキオキサンを含む、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項16】
前記シリコーンエラストマー核が官能化されていない、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項17】
前記シリコーンエラストマー核がペンダント官能基を有している、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項18】
前記官能基がフルオロアルキル基を含む、請求項17に記載の化粧品用組成物。
【請求項19】
前記官能基がフェニル基を含む、請求項17に記載の化粧品用組成物。
【請求項20】
前記構造化剤がエステル基を介して脂肪鎖に結合するポリアミドを含み、前記膨張剤がジメチコーンを含み、及びシリコーン樹脂がポリオルガノシルセスキオキサンを含む、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項21】
前記液状脂肪相が、極性油、無極性油、又は該極性及び無極性油の混合物を含有している、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項22】
エマルションの形態である、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項23】
水相をさらに含む、請求項22に記載の化粧品用組成物。
【請求項24】
無水である、請求項22に記載の化粧品用組成物。
【請求項25】
皮膜形成剤をさらに含有している、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項26】
ロウをさらに含有している、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項27】
サンスクリーン剤をさらに含有している、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項28】
前記組成物がエマルション以外の形態である、請求項27に記載の化粧品用組成物。
【請求項29】
エマルションの形態であり、前記シリコーンエラストマーパウダーが少なくとも一のペンダント官能基を有している、請求項27に記載の化粧品用組成物。
【請求項30】
前記膨張剤がジメチコーンを含む、請求項29に記載の化粧品用組成物。
【請求項31】
エマルションの形態であり、前記膨張剤がジメチコーンを含まない、請求項27に記載の化粧品用組成物。
【請求項32】
前記シリコーンエラストマーパウダーがペンダント官能基を有さない、請求項31に記載の化粧品用組成物。
【請求項33】
乳化剤をさらに含有している、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項34】
可塑剤をさらに含有している、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項35】
添加剤をさらに含有している、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項36】
添加剤が顔料を含む、請求項35に記載の化粧品用組成物。
【請求項37】
前記顔料が処理されている、請求項36に記載の化粧品用組成物。
【請求項38】
前記顔料がアミノ酸で処理されている、請求項36に記載の化粧品用組成物。
【請求項39】
固体状、ペースト、ゲル又はクリームの形態である、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項40】
鋳型成形された形態である、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項41】
スティック又は皿型の形態である、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項42】
パウダーの形態である、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項43】
前記構造化剤に対する前記シリコーンエラストマーパウダーの量の比が、0.1〜9.0である、請求項1に記載の化粧品用組成物。
【請求項44】
比が0.5〜5.0である、請求項43に記載の化粧品用組成物。
【請求項45】
比が1.0〜4.0である、請求項43に記載の化粧品用組成物。
【請求項46】
比が1.0〜3.0である、請求項43に記載の化粧品用組成物。
【請求項47】
少なくとも一のヘテロ原子を有する炭化水素ベースの繰り返し単位を含有するポリマー骨格を含む構造化剤、及びシリコーン樹脂で被覆されたシリコーンエラストマー核を有するシリコーンエラストマーパウダーを含有する化粧品の調製に有用な組成物において、(1)該組成物がサンスクリーン剤を含有せず、又は(2)該組成物がエマルションの形態であり、サンスクリーン剤を含有している場合、シリコーンエラストマーパウダーは少なくとも一のペンダント官能基を有する組成物。
【請求項48】
前記構造化剤が、前記ポリマー骨格に結合する少なくとも一の脂肪鎖をさらに含む、請求項47に記載の組成物。
【請求項49】
前記脂肪鎖がペンダント鎖である、請求項48に記載の組成物。
【請求項50】
前記脂肪鎖が末端鎖である、請求項48に記載の組成物。
【請求項51】
前記脂肪鎖がエステル基を介して前記ポリマー骨格に結合している、請求項50に記載の組成物。
【請求項52】
前記構造化剤が、末端脂肪鎖を含む、多数の脂肪鎖を含有している、請求項47に記載の組成物。
【請求項53】
前記脂肪鎖が官能化されている、請求項47に記載の組成物。
【請求項54】
前記ポリマー骨格がポリアミドである、請求項47に記載の組成物。
【請求項55】
前記構造化剤が、式(I):
【化2】

[上式中:
− nは、前記少なくとも一のポリアミドポリマーに存在するエステル基の数が、前記少なくとも一のポリアミドポリマーに含有される全エステル基と全アミドの基の全数の10%〜50%の範囲になるような、アミド単位の数を示す整数であり;
− Rは同一又は異なっており、少なくとも4の炭素原子を有するアルキル基及び少なくとも4の炭素原子を有するアルケニル基からそれぞれ選択され;
− Rは同一又は異なっており、C〜C42炭化水素ベース基からそれぞれ選択され、但し、全Rの少なくとも50%はC30〜C42炭化水素ベース基から選択され;
− Rは同一又は異なっており、炭素原子、水素原子、酸素原子及び窒素原子から選択される原子を有する有機基からそれぞれ選択され、但し、Rは少なくとも2の炭素原子を有しており;及び
− Rは同一又は異なっており、それぞれ、水素原子、C〜C10アルキル基、及びRと他のRから選択される少なくとも一の基への直接結合であって、該少なくとも一の基が他のRから選択される場合は、RとRの両方が結合する窒素原子がR-N-Rにより部分的に定義される複素環構造の一部を形成するものであり、但し全Rの少なくとも50%が水素原子から選択される]
のポリアミドポリマーから選択される、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
少なくとも一のヘテロ原子を有する炭化水素ベースの繰り返し単位を含有するポリマー骨格を含む構造化剤;液状脂肪相;シリコーン樹脂で被覆されたシリコーンエラストマー核を有するシリコーンエラストマーパウダー;及び該パウダー用の膨張剤を含有する組成物において、(1)該組成物がサンスクリーン剤を含有せず、又は(2)該組成物がエマルションの形態であり、サンスクリーン剤を含有している場合、シリコーンエラストマーパウダーは少なくとも一のペンダント官能基を有し及び/又は膨張剤がジメチコーンではない組成物をケラチン物質に適用することを含む、ケラチン物質の手入れ、メークアップ又はトリートメント方法。
【請求項57】
ケラチン物質が唇を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
ケラチン物質が皮膚を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項59】
ケラチン物質がケラチン繊維を含む、請求項56に記載の方法。
【請求項60】
前記構造化剤がエステル基を介して脂肪鎖に結合するポリアミドを含み、前記膨張剤がジメチコーンを含み、及びシリコーン樹脂がポリオルガノシルセスキオキサンを含む、請求項56に記載の方法。
【請求項61】
組成物が、液状脂肪相と膨張剤を含有する液状相をさらに含む、請求項56に記載の方法。

【公表番号】特表2007−523826(P2007−523826A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−507663(P2005−507663)
【出願日】平成15年12月22日(2003.12.22)
【国際出願番号】PCT/US2003/041618
【国際公開番号】WO2005/013887
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】