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構造化有機フィルムを含むインクジェットフェイスプレートのコーティング
説明

構造化有機フィルムを含むインクジェットフェイスプレートのコーティング

【課題】インクジェットのプリントヘッド前面のためのコーティングであり、インク汚染を防止し、インク液滴が前面から出ても残渣を残さないコーティング方法を提供する。
【解決手段】インクジェットのプリントヘッド前面のためのコーティングであって、このコーティングが、複数のセグメント、共有結合性有機骨格(COF)として整列された複数のリンカーを含む構造化有機フィルム(SOF)を含むコーティング。インクジェットのプリントヘッドの前面上に噴出されたUV硬化性インクの液滴または噴出された固体インクの液滴が、約140°〜約60°の接触角を示す、コーティング。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インクジェットプリントヘッド前面のためのコーティング、例えばインクジェットフェイスプレートのための防染コーティングに関する。
【発明の概要】
【0002】
実施形態では、インクジェットのプリントヘッド前面のためのコーティングを提供し、ここでコーティングは、複数のセグメント、共有結合性有機骨格(COF)として整列された複数のリンカーを含む構造化有機フィルム(SOF)を含む。実施形態において、こうしたコーティングがインクジェットのプリントヘッド前面の表面に配設される場合、インク、例えば紫外性硬化性インクまたは固体インクの噴出された液滴は、表面に対してほとんど接着性を示さない。実施形態において、コーティングは、多くのクリーニングサイクル(例えば200回を超えるクリーニングまたは拭き取りサイクル、または500回を超えるクリーニングまたは拭き取りサイクル)の後でさえもこの特性を与え、それによって、インク汚染を防止し、インク液滴が前面から出ても残渣を残さない。
【0003】
さらなる実施形態において、インクジェットのプリントヘッドを含む印刷装置は、コーティングが表面に配設された前面を含み、このコーティングが、複数のセグメント、共有結合性有機骨格(COF)として整列された複数のリンカーを含む構造化有機フィルム(SOF)を含み、ここで、インク、例えば紫外性硬化性インクまたは固体インクの噴出された液滴は、約140°〜約60°の接触角、例えば約110°〜約75°の接触角を示す。インクがプリントヘッドに満たされる場合、インクを放出するときまでノズル内でインクを維持するのが望ましい。一般に、インクの接触角が大きくなるにつれて、保持圧力が良好になる(高くなる)。保持圧力は、インク槽(受容器)の圧力が増大した場合に、アパーチャプレートの、ノズル開口からのインク滲出を避ける能力を測定する。有利なことには、紫外線硬化性インクおよび固体インクに対する低い接着性および高い接触角を組み合わせて提供する本発明のコーティングはさらに、改善された保持圧力、またはノズルからのインクの滲出の低減もしくは排除の利益を与える。
【図面の簡単な説明】
【0004】
【図1】図1は、印刷実行後に従来のインクジェットプリントヘッドから如何にしてインクが滲出するおよび滴るかを例示する写真である。
【図2】図2は、本開示に従ってその上に配設されたコーティングを有するプリントヘッド前面の断面図である。
【図3】図3は、本開示に従ってその上に配設されたコーティングを有する別のプリントヘッド前面の断面図である。
【図4A】図4Aは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4B】図4Bは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4C】図4Cは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4D】図4Dは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4E】図4Eは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4F】図4Fは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4G】図4Gは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4H】図4Hは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4I】図4Iは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4J】図4Jは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4K】図4Kは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4L】図4Lは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4M】図4Mは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4N】図4Nは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【図4O】図4Oは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素成分の概略を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本開示のコーティングは、インク、例えば紫外線(UV)硬化性およびUV硬化性相変化インクおよび固体インク(相変化インクとも称される)による汚染、滴りおよび流入に対して耐性であり、複数のパージ/メンテナンスサイクルの後でさえもこの耐性を維持する。本開示は、SOFがポリイミドおよびステンレススチール(インクジェットのフェイスプレート材料)に対して良好な接着性を有し、高い熱安定性を有し、固体インクおよびUV硬化性インクを、長期間の曝露時間後であっても表面から容易に剥がすことができることを例証する。
【0006】
SOFを含むコーティングは、表面改質または促進剤の使用を必要とせず、ステンレススチールおよびポリイミドに対する強い接着性を有するように選択されてもよい。本開示のSOFを含むコーティングは、長期間熱安定性(>200℃)であり、45日後に観察可能な変化または損傷がなく、インク、例えば固体インクまたはUV硬化性インクに対して濡れ防止および非粘着相互作用を有するように調整されてもよく、長期間の曝露後であっても表面からインクを容易に剥がすことができる。SOFを含むコーティングは、表面摩耗または損傷に対して耐性である。
【0007】
SOFを含むコーティングは、基材、例えばインクジェットプリントヘッド用途のためのプリントヘッドのノズルプレート基材上に形成されてもよい。コーティング中のSOFは、追加機能、例えば疎油性または疎水性の追加機能を有していてもよい。
【0008】
本コーティングは、インクウィッキング試験によって測定される場合にインク、例えばUVインクおよび固体インクに対して非常に低い接着性を示し、こうしてプリントヘッド前面上のインク液滴は、取り除かれ、残渣を残さない。本明細書のインクジェットのプリントヘッドの前面コーティングは、プリントヘッドから放出されたインク、例えば紫外線硬化性インクまたは固体インクを用いて、高品質、高処理量のデジタル印刷された画像を生じさせることができ、ここでこの画像は、以前のプリントヘッド前面コーティングにて直面したインクの前面の滴りによって生じる間違った液滴または欠けたジェットによるプリント欠陥がない。
【0009】
噴出された紫外性硬化性インクの液滴または噴出された固体インクの液滴は、SOFを含むコーティング層に関して、約140°〜約60°、または約110°〜約75°、または約100°〜約85°の接触角を示し得る。インクがプリントヘッドを満たしたら、インクを放出するときまで、プリントヘッドノズル内でインクを維持するのが望ましい。一般に、インク接触角が大きくなると、保持(または滴り)圧力が良好に(または高く)なる。プリントヘッドのノズルプレートのSOFを含む上記コーティング層の大きな接触角は、脱濡れ性を改善でき、噴出されたインクの液滴品質を改善し、ならびに滲出を排除できる。本明細書に開示されるように、用語「保持圧力」は、インク槽(受容器)の圧力が増大した場合に、アパーチャノズルプレートの、ノズル開口からのインク滲出を避ける能力を測定する。有利なことには、UV硬化性インクおよび固体インクに対する低い接着性および高い接触角を組み合わせて提供されるSOFを含む開示されたコーティング層はさらに、改善された保持圧力を与え、および/またはノズルからのインクの滲出を低減/排除できる。
【0010】
用語「SOF」は、一般的に、巨視的な見方だとフィルムである、共有結合性有機骨格(COF)を指す。語句「巨視的な見方」は、このSOFの肉眼での見え方を指す。
【0011】
本明細書で開示されたコーティングは、使用時または拭き取り時の過剰な摩耗を避けるために、プリントヘッド用の表面コーティングとして使用するために好適な摩耗特性を示す。実施形態において、本開示のコーティングは、複数のセグメント、共有結合性有機骨格(COF)として整列された複数のリンカーを含む構造化有機フィルム(SOF)、および場合により、特定の実施形態ではフッ素化セグメントを含むSOFを含む。
【0012】
本開示のSOF組成物中のフッ素含有量を設計および調整することは、直接的であり、カスタムポリマーの合成も、ブレンド/分散手順も必要としない。さらに、本開示のSOF組成物は、フッ素含有量が分子レベルで均一に分散およびパターニングされたSOF組成物であってもよい。
【0013】
コーティングは、プリントヘッド、例えばプリントヘッド前面上に配設されてもよい。いずれかの好適な方法が、プリントヘッド表面にコーティングを適用するために使用できる。コーティングを適用するための好適な技術としては、溶液系のコーティング、スプレーコーティング、浸漬コーティング、ブレードコーティングおよび下記の技術が挙げられる。
【0014】
プリントヘッドのアパーチャプレート(またはオリフィスプレートまたはプリントヘッドの前面プレート)は、いずれかの好適な材料で製造されてもよく、デバイスに好適ないずれかの構成を有していてもよい。正方形または長方形形状のオリフィスプレートは、通常、製造が容易であるために選択される。オリフィスプレートは、いずれかの好適な組成物から製造されてもよい。実施形態において、アパーチャプレートまたはオリフィスプレートは、ステンレススチール、スチール、ニッケル、銅、アルミニウム、ポリイミド、ケイ素またはSOFで構成される。オリフィスプレートはまた、金のような真鍮材料を用いて選択的にメッキされたステンレススチールから製造できる。
【0015】
コーティングは、いずれかのタイプのプリントヘッドと共に使用されてもよい。 図2を参照すれば、その上に配設されたSOFを含む本開示のコーティングを有するプリントヘッド200を例示する。プリントヘッド200は、1つの表面上のトランスデューサ204および反対の面上の音響レンズ206を有するベース基材202を含む。ベース基材202から間隔を空けて液体レベル制御プレート208が配置される。 本開示に従うコーティング210は、プレート208に沿って配設される。 SOFを含むコーティングは、約10〜約100μmの範囲、例えば約50nm〜約20μmの範囲、または約100nm〜約10μmの範囲の厚さを有することができる。
【0016】
ベース基材202および液体レベル制御プレート208は、流動液体212を保持するチャンネルを規定する。液体レベル制御プレート208は、アパーチャ216のアレイ214を含有する。トランスデューサ204、音響レンズ206、およびアパーチャ216はすべて、軸方向に沿って配列され、こうして単一トランスデューサ204によって発生した音波は、配列された吸音材206によって、その配列されたアパーチャ216において、液体212の自由な面218にほぼ焦点が合わされる。十分な出力が得られる場合、液滴は表面218から放出される。
【0017】
図3は、本開示に従って、その上に配設されたコーティングを有するプリントヘッド300の別の実施形態を図示する。図3において、ドロップ・オン・デマンドのインクジェットのプリントヘッド300は、1つ以上のインク供給源306と連結または連通した1つ以上のインク圧力チャンバ304を含む本体302を有する。インクジェットのプリントヘッド300は、オリフィスまたはノズル/出口308のような1つ以上のインク放出手段を有する。通常のインクジェット印刷機は、複数のインク圧力チャンバ304を含み、それぞれの圧力チャンバ304が、1つ以上のノズル/出口308と連結している。簡略化のために、単一の出口308を図3に示す。各ノズル/出口308は、矢印310によって示されるインク経路によってインク圧力チャンバ304と連結または連通している。インクは、インク液滴形成中にノズル/出口308を通過する。インク液滴は、ノズル/出口308から間隔を空けて配置されたプリント媒体(図示せず)に対してノズル出口308からのパス310に沿った方向に移動する。ノズル/出口308は、インクジェットのプリントヘッド300の外側の本体302に含有されるオリフィスプレートまたはプリントヘッドの前面プレート312に形成できる。本開示に従うコーティング314は、オリフィスプレート312に沿って配設される。
【0018】
プリントヘッドは、複数のセグメント、共有結合性有機骨格(COF)として整列された複数のリンカーを含む構造化有機フィルム(SOF)を含む低接着性コーティングが表面に配設された前面を含んでいてもよく、インク、例えば紫外線硬化性インクまたは固体インクの噴出された液滴は、表面コーティングに関して、約140°〜約60°の接触角、特定実施形態においてまたは約110°超過または約75°超過の接触角を示す。一般に、インク接触角が大きくなるにつれて、保持圧力が高くなる。上記のように、保持圧力は、インク槽(受容器)の圧力が増大した場合に、アパーチャプレートの、ノズルからのインク滲出を避ける能力を測定する。実施形態において、本開示のコーティングは、インク、例えば紫外線硬化インクおよび固体インクに関して低い接着性および高い接触角を組み合わせて与え、これが保持圧力に有利となるように影響を与える。
【0019】
本明細書に開示されたコーティングは、複数のセグメント、共有結合性有機骨格(COF)として整列された複数のリンカーを含むSOF、例えば「溶媒耐性」SOF、キャップされたSOF、コンポジットSOFおよび/または周期的SOFを含む。用語「溶媒耐性」とは、SOFが組み込まれた層の溶媒への懸濁性/応力クラッキングまたは劣化を増大させるような、(1)SOFおよび/またはSOF組成物(例えばコンポジットSOF)に同時に共有結合した原子および/または分子を流出させること、および/または(2)SOFおよび/またはSOF組成物(例えばコンポジットSOF)の一部に同時に共有結合した分子を相分離させることが実質的にないことを指す。用語「実質的にない」という用語は、SOFの原子および/または分子の約0.5%未満が、約24時間以上(例えば約48時間または約72時間)にわたって画像形成部材を含むSOF(またはSOF画像形成部材層)の液体現像剤または溶媒(水性キャリア流体または有機キャリア流体のいずれか、例えばイソパラフィン系炭化水素、例えばイソパラフィン)への連続的な曝露または含浸の後に漏れ出す、またはSOFの原子および/または分子の約0.01%未満は、約24時間以上(例えば約48時間または約72時間)にわたって画像形成部材を含むSOF(またはSOF画像形成部材層)の液体現像剤または溶媒への曝露または含浸の後に漏れ出すことを指す。
【0020】
用語「有機キャリア流体」は、例えば液体現像剤および/またはインクに使用される有機液体または溶媒を指す。
【0021】
本開示のSOFは、巨視的な見方で、実質的にピンホールのないSOFであるか、またはピンホールのないSOFであってもよく、大きな長さにわたって広がり得る連続的な共有結合性有機骨格を有していてもよい。
【0022】
「実質的にピンホールのないSOF」または「ピンホールのないSOF」は、下層基材の表面に堆積した反応混合物から形成されてもよい。用語「実施的にピンホールのないSOF」は、平方cmあたりの2つの隣接セグメントコア間の距離を超えるピンホール、孔またはギャップが実質的にない、またはcmあたり約250ナノメートルを超える直径のピンホール、孔またはギャップが10個未満であるSOFを指す。用語「ピンホールのないSOF」は、ミクロンあたりの2つの隣接セグメントのコア間の距離を超えるピンホール、孔またはギャップがない、またはミクロンあたり約500オングストロームを超える直径のピンホール、孔またはギャップがないSOFを指す。
【0023】
本開示のSOFは、セグメント(S)および官能基(Fg)を有する分子ビルディングブロックを含む。
【0024】
分子ビルディングブロックの対称性は、分子ビルディングブロックセグメントの周辺付近の官能基(Fg)の位置決めに関連する。
【0025】
対称型のビルディングブロックの使用は、(1)規則的な形状の連結が網化学(reticular chemistry)においてよく理解されたプロセスであるので、分子ビルディングブロックのパターニングは問題なく利用できる、および(2)分子ビルディングブロック間の完全な反応は、対称性の劣るビルディングブロックについて、SOF内の複数の連結欠陥を起こし得る可能性がある逸脱した配座/配向を適合できるために促進されるという2つの理由から実施される。
【0026】
図4A〜4Oは、例示的なビルディングブロックについて、対称型の要素の概略を例示する。こうした対称型要素は、本開示で使用され得るビルディングブロックに見出される。
【0027】
本開示のSOFのための分子ビルディングブロックとして機能し得る種々の分類の例示的な分子部分の非限定的な例としては、炭素原子コアまたはケイ素原子コアを含有するビルディングブロック;アルコキシコアを含有するビルディングブロック;窒素原子コアまたはリン原子コアを含有するビルディングブロック;アリールコアを含有するビルディングブロック;カーボネートコアを含有するビルディングブロック;炭素環、炭素二環、または炭素三環のコアを含有するビルディングブロック;オリゴチオフェンコアを含有するビルディングブロックが挙げられる。
【0028】
官能基は、分子ビルディングブロックの反応性化学部分であり、SOF形成プロセス中に、セグメントと結合する化学反応に関与する。官能基の非限定例としては、ハロゲン、アルコール、エーテル、ケトン、カルボン酸、エステル、カーボネート、アミン、アミド、イミン、尿素、アルデヒド、イソシアネート、トシレート、アルケン、アルキンなどが挙げられる。
【0029】
セグメントは、官能基を保持し、官能基に関連しない全原子を含む分子ビルディングブロックの部分である。さらに、分子ビルディングブロックセグメントの組成は、SOF形成後も変化しないままである。
【0030】
SOFのセグメントは、炭素でない少なくとも1つの元素原子を含んでいてもよく、こうした少なくとも1つの原子は、水素、酸素、窒素、ケイ素、リン、セレニウム、フッ素、ホウ素、および硫黄からなる群から選択される。
【0031】
リンカーは、分子ビルディングブロックおよび/またはキャッピングユニットに存在する官能基間での化学反応時にSOF中に現れる化学部分である。
【0032】
リンカーは、共有結合、単一原子、または共有結合された原子の群を含んでいてもよい。化学部分リンカーは、周知の化学基、例えばエステル、ケトン、アミド、イミン、エーテル、ウレタン、カーボネートなど、またはそれらの誘導体であってもよい。
【0033】
SOFは、いずれかの好適なアスペクト比を有する。SOFは、アスペクト比が、例えば約30:1より大きく、または約100:1より大きくてもよい。SOFのアスペクト比は、その平均厚さ(すなわち、最も短い寸法)に対する、その平均の幅または直径(厚さに対して次に大きな寸法)の比であると定義される。SOFの最も長い寸法は、長さであり、SOFアスペクト比の計算では考慮されない。
【0034】
COFは、高い熱安定性(典型的には、周囲条件下で400℃よりも高い);有機溶媒への低い溶解度(化学安定性)、および多孔性(ゲストを可逆的に取り込むことができる)といった固有の特性を有する。SOFはまた、これらの固有の特性を有していてもよい。
【0035】
追加の機能は、従来のCOFに固有でない特性を示し、分子ビルディングブロックの選択によって生じてもよく、その分子組成が得られたSOFに追加の機能を提供する。
【0036】
分子ビルディングブロックの「偏った特性」との用語は、ある特定の分子組成物について存在することが知られている性質、またはセグメントの分子組成を観察すれば、当業者ならば合理的に特定可能な性質を指す。用語「偏った特性」および「追加機能」は、同じ一般的特性(疎水性、電気活性等)を指すが、「偏った特性」は、分子ビルディングブロックに関連して使用され、「追加機能」は、SOFに関連して使用される。
【0037】
SOFの疎水性(超疎水性)、親水性、疎油性(超疎油性)、親油性、光発色性および/または電気活性(導体、半導体、電荷輸送材料)性質は、SOFの「追加機能」を表し得る特性の一部の例である。
【0038】
用語疎水性(超疎水性)は、水、または他の極性種をはじく特性を指す。疎水性材料は、接触角ゴニオメータまたは関連装置を用いて測定される場合に、90°を超える水接触角を有する。高い疎水性は、約130°〜約180°の水接触角を有する。超疎水性は、約150°を超える水接触角を有する。
【0039】
超疎水性は、水滴が約1°〜約30°未満のスライディング角度または約10°未満のスライディング角度のような表面に関するスライディング角度を形成する場合として記載できる。
【0040】
用語親水性は、水または他の極性種、あるいは表面を引き付ける、吸着または吸収する特性を指す。
【0041】
用語疎油性(撥油性)は、油または他の非極性種、例えばアルカン、脂肪およびワックスをはじく特性を指す。疎油性は、接触角ゴニオメータまたは関連装置を用いて測定される場合に、90°を超える油接触角を有する。用語撥油性は、UV硬化性インク、固体インク、ヘキサデカン、ドデカン、炭化水素などに関して、およそ約55°以上の油接触角を有する表面の濡れ性を指す。高度に撥油性は、炭化水素系液滴が表面に関して高い接触角、例えば約130°、または約135°〜約170°の接触角を形成する場合と記載される。超撥油性は、炭化水素系液滴が表面に関して高い接触角、例えば約150°を超える接触角を形成する場合と記載される。
【0042】
超撥油性はまた、炭化水素系液滴が表面に関して約1°〜約30°未満、または約10°未満のスライディング角度を形成する場合と記載され得る。
【0043】
用語親油性(オレオフィリック)は、油または他の非極性種、例えばアルカン、脂肪、およびワックスを引き付ける特性またはこうした種によって容易に濡らされる表面を指す。親油性材料は、通常、低〜無油接触角を有するという特徴がある。
【0044】
疎水性の追加機能を有するSOFは、偏った疎水性特性を有する分子ビルディングブロックを用いることによって調製されてもよく、および/またはサブミクロンからミクロンスケールでの粗い、テクスチャード加工の、または多孔質表面を有していてもよい。
【0045】
高度フッ素化セグメントを含むまたは保持する分子ビルディングブロックは、偏った疎水性特性を有し、疎水性追加機能を有するSOFを導いてよい。高度フッ素化セグメントは、セグメントに存在するフッ素原子の数を、1を超えるセグメントに存在する水素原子の数で割ったものとして定義される。高度フッ素化セグメントではないフッ素化セグメントも、疎水性の追加機能を有するSOFを導き得る。
【0046】
フッ素化SOFは、分子ビルディングブロック、セグメント、および/またはリンカーのいずれかのバージョンから製造されてもよく、ここで分子ビルディングブロックの1つ以上の水素はフッ素で置き換えられる。上述のフッ素化されたセグメントとしては、例えばテトラフルオロヒドロキノン、ペルフルオロアジピン酸水和物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノールなどが挙げられる。
【0047】
サブミクロンからミクロンスケールでの粗く、テクスチャード加工の、または多孔質表面を有するSOFはまた、疎水性であってもよい。粗い、テクスチャード加工の、または多孔質表面は、フィルム表面に存在する懸垂官能基またはSOFの構造から得ることができる。パターンのタイプおよびパターニング度は、分子ビルディングブロックの幾何学形状および連結化学効率に依存する。表面粗さまたはテクスチャを導く構造のサイズは、約100nm〜約10μm、例えば約500nm〜約5μmである。
【0048】
親水性の追加機能を有するSOFは、偏った親水性特性を有する分子ビルディングブロックを用いるおよび/または極性連結基を含むことによって調製されてもよい。
【0049】
極性置換基を保持するセグメントを含む分子ビルディングブロックは、偏った疎水性特性を有し、親水性追加機能を有するSOFを導き得る。用語極性置換基は、水と水素結合を形成できる置換基を指し、それらとしてはヒドロキシル、アミノ、アンモニウム、およびカルボニル(ケトン、カルボン酸、エステル、アミド、カルボネート、尿素)が挙げられる。
【0050】
さらなる機能として電気活性を有するSOFは、偏った特性として電気活性を有する分子ビルディングブロックを用いて調製されてもよく、および/または共役したセグメントおよびリンカーの集合体から電気活性が生じてもよい。以下の章で、偏った正孔輸送性、偏った電子輸送性、偏った半導体性を有する分子ビルディングブロックについて記載する。
【0051】
コーティングに含まれるべきSOF、例えば溶媒耐性SOFを製造するプロセスは、典型的には、多くの作業または工程を含み、それらを任意の適切な順序で行ってもよく、または、2つ以上の作業を同時に行ってもよく、非常に近い時間に行ってもよい:
構造化された有機膜を調製するプロセスは:
(a)それぞれ1個のセグメントと多くの官能基とを含む複数の分子ビルディングブロックおよびプレSOFを含む、液体を含有する反応混合物を調製することと;
(b)この反応混合物を湿潤フィルムとして堆積させることと;
(c)分子ビルディングブロックを含む湿潤フィルムの、複数のセグメントと、共有結合性有機骨格として整列した複数のリンカーとを含むSOFを含む乾燥フィルムへの変化を促進し、この共有結合性有機骨格が、巨視的な見方だとフィルムであることと;
(d)場合により、コーティング基材からSOFを取り外し、自立型SOFを得ることと;
(e)場合により、この自立型SOFをロールへと加工することと;
(f)場合により、このSOFを切断し、ベルトになるように縫い合わせることと;
(g)場合により、SOF(上述のSOF形成プロセスによって調製された)を基材として用い、次のSOF形成プロセスで上述のSOF形成プロセスを行うことと;を含む。
【0052】
反応混合物は、液体に溶解するか、懸濁するか、または混合するような複数の分子ビルディングブロックを含む。複数の分子ビルディングブロックは、1種類であってもよく、または2種類以上を含んでいてもよい。1つ以上の分子ビルディングブロックが液体である場合、さらなる液体の使用は任意である。触媒は、場合により、上述の作用Cの間に、プレSOF形成を可能にするおよび/またはSOF形成の動力学を変更するために反応混合物に添加されてもよい。
【0053】
反応混合物成分(分子ビルディングブロック、場合により液体、場合により触媒、場合により添加剤)は容器にて組み合わせられる。反応混合物はまた、湿潤フィルムとして反応混合物を堆積させる前に配合物成分の均一分布を確実にするために、混合、撹拌、ミル加工などを行ってもよい。
【0054】
反応混合物は、堆積した湿潤層を保持するような粘度を有している必要がある。反応混合物の粘度は、約10〜約50,000cps、例えば約25〜約25,000cps、または約50〜約1000cpsの範囲である。
【0055】
分子ビルディングブロックおよびキャッピングユニットを保有すること、または反応混合物中の「保有量」は、分子ビルディングブロックと、場合により、キャッピングユニットおよび触媒との総重量を、反応混合物の総重量で割ったものであると定義される。ビルディングブロックの保有量は、約3〜100%、例えば、約5〜約50%、または約15〜約40%の範囲であってもよい。
【0056】
反応混合物中で用いられる液体は、純粋な液体(例えば、溶媒)であってもよく、および/または溶媒混合物であってもよい。液体は、反応混合物中に分子ビルディングブロックおよび触媒/改質剤を溶解または懸濁するために使用される。液体選択は、一般に分子ビルディングブロックの溶解度/分散性と、特定のビルディングブロックの保有量とのバランスをとること、反応混合物の粘度および液体の沸点に基づき、それが湿潤層の乾燥SOFへの促進に影響を与える。好適な液体は、沸点が約30〜約300℃、例えば、約65℃〜約250℃、または約100℃〜約180℃であってもよい。
【0057】
液体としては、アルカン;混合アルカン;分岐アルカン;芳香族化合物;エーテル、環状エーテル;エステル;ケトン;環状ケトン;アミン;アミド;アルコール;ニトリル;ハロゲン化芳香族;ハロゲン化アルカン;および水などの種類の分子を挙げることができる。
【0058】
場合により、反応混合物中に触媒を存在させて、湿潤層の乾燥したSOFへの促進を補助してもよい。任意要素の触媒の選択および使用は、分子ビルディングブロックの官能基によって変わる。典型的な触媒の保有量は、反応混合物中の分子ビルディングブロックの保有量の約0.01%〜約25%、例えば約0.1%〜約5%の範囲である。触媒は、最終的なSOF組成物中に存在していてもよく、存在していなくてもよい。
【0059】
場合により、添加剤または第2の成分(例えば、ドーパント)が、反応混合物および湿潤層に存在していてもよい。また、このような添加剤または第2の成分を、乾燥SOFに組み込んでもよい。用語「添加剤」または「第2の成分」は、例えばSOF中に共有結合していないが、組成物にランダムに分布している原子または分子を指す。こうした添加剤を用い、SOFの物理的性質、例えば、電気的特性(導電性、半導体性、電気輸送性、正孔輸送性)、表面エネルギー(疎水性、親水性)、引張強度、熱伝導性を変えてもよく;このような添加剤としては、衝撃改質剤、強化繊維、潤滑剤、静電気防止剤、カップリング剤、濡れ性付与剤、曇り止め剤、難燃剤、紫外線安定化剤、酸化防止剤、殺虫剤、染料、顔料、着臭剤、脱臭剤、成核剤などを挙げることができる。
【0060】
実施形態において、SOFは、正孔輸送分子または電子受容体を第2の成分としてさらに含んでいてもよく、このような電荷輸送分子としては、例えば主鎖または側鎖に多環芳香族環を有する化合物(例えば、アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネンなど)、または窒素を含有するヘテロ環(例えばインドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、トリアゾール、ヒドラゾン化合物)から選択される正孔輸送材料が挙げられる。典型的な正孔輸送材料としては、電子供与材料、例えばカルバゾール;N−エチルカルバゾール;N−イソプロピルカルバゾール;N−フェニルカルバゾール;テトラフェニルピレン;1−メチルピレン;ペリーレン;クリセン;アントラセン;テトラフェン;2−フェニルナフタレン;アゾピレン;1−エチルピレン;アセチルピレン;2,3−ベンゾクリセン;2,4−ベンゾピレン;1,4−ブロモピレン;ポリ(N−ビニルカルバゾール);ポリ(ビニルピレン);ポリ(ビニルテトラフェン);ポリ(ビニルテトラセン)およびポリ(ビニルペリーレン)が挙げられる。好適な電子輸送材料としては、電子受容体、例えば2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン;2,4,5,7−テトラニトロ−フルオレノン;ジニトロアントラセン;ジニトロアクリデン;テトラシアノピレン;ジニトロアントラキノン;およびブチルカルボニルフルオレンマロノニトリルが挙げられ、米国特許第4,921,769号明細書を参照。正孔輸送分子または電子受容体は、存在する場合、SOFコンポジット中に任意の望ましい量または任意の有効な量で存在していてもよく、例えば、SOFの約0.25重量%〜約50重量%、またはSOFの約1重量%〜約20重量%の量で存在していてもよい。
【0061】
第2の成分または添加剤は、存在する場合、それぞれが、または組み合わせた状態で、組成物中に任意の望ましい量または任意の有効な量で存在していてもよく、例えば、組成物の約1重量%〜約50重量%、または組成物の約1重量%〜約20重量%の量で存在していてもよい。
【0062】
SOFを、第2の成分(ドーパントおよび添加剤、例えば、正孔輸送分子(mTBD)、ポリマー(ポリスチレン)、ナノ粒子(C60 Buckminsterフラーレン)、有機低分子(ビフェニル)、金属粒子(銅微粉末)、および電子受容体(キノン))で改質し、コンポジット構造化された有機膜を得てもよい。反応混合物を、多くの液体堆積技術を用い、湿潤フィルムとして種々の基材、例えばプリントヘッドの前面に適用してもよい。あるいは、SOFを含むコーティングは、調製され、次いでプリントヘッド前面に結合されてもよい。
【0063】
基材としては、例えばポリマー、紙、金属、金属アロイ、周期律表のIII族〜VI族の元素のドープされた形態およびドープされていない形態、金属酸化物、金属カルコゲニド、あらかじめ調製しておいたSOFまたはキャッピングされたSOFが挙げられる。
【0064】
基材厚さは、約10マイクロメートルから10ミリメートルを超えてもよく、例示的な厚さは特に可撓性プラスチック基材について約50〜約100マイクロメートル、硬質基材、例えばガラスまたはケイ素については約1〜約10ミリメートルであってもよい。
【0065】
多くの液体堆積技術を用い(例えば、スピンコーティング、ブレードコーティング、ウェブコーティング、浸漬コーティング、カップコーティング、ロッドコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、スプレーコーティング、スタンピングなどを含む)、反応混合物を基材に適用してもよい。湿潤層の厚みは、約10nm〜約5mm、例えば、約100nm〜約1mm、または約1μm〜約500μmの範囲であってもよい。
【0066】
任意のキャッピングユニットおよび/または第2の成分は、上述のプロセス作用Bの完了後に導入されてもよい。
【0067】
キャッピングユニットおよび/または第2の成分は、均質または不均質様式(種々のパターンを含む)で形成された湿潤層に適用されてもよく、ここでキャッピングユニットおよび/または第2の成分の濃度または密度は、湿潤層において所与の幅の、キャッピングユニットおよび/または第2の成分の高濃度および低濃度の交互バンドパターンを形成するなどのために特定領域で低下させる。用語「促進する」は、分子ビルディングブロックおよび/またはプレSOFの反応、例えば、ビルディングブロックおよび/またはプレSOFの官能基の化学反応を容易にする任意の適切な技術を指す。液体を除去して乾燥フィルムを作成する必要がある場合には、「促進する」は、液体を除去することも指す。分子ビルディングブロックおよび/またはプレSOFの反応および液体の除去は、連続して行われてもよく、同時に行われてもよい。用語「乾燥SOF」は、液体の含有量がSOFの約5重量%未満、または液体の含有量がSOFの2重量%未満の、実質的に乾燥したSOFを指す。
【0068】
湿潤層から乾燥SOFを形成するのを促進することは、任意の適切な技術によって行われてもよい。湿潤層から乾燥SOFの形成の促進は、典型的には、オーブンでの乾燥、赤外線(IR)などを含む、温度が40〜350℃の範囲、60〜200℃の範囲、85〜160℃の範囲での熱処理を含む。総加熱時間は、約4秒〜約24時間、例えば1分〜120分の範囲であることができる。
【0069】
第2の成分の分子サイズは、湿潤層の乾燥SOFへの促進の間に、第2の成分がSOFの骨格内に捕捉され、捕捉された第2の成分が液体トナーまたは溶媒に曝露される間にSOFからもれないように、選択されてもよい。
【0070】
湿潤層をCOF膜にするようにIRによって促進することは、ベルト輸送システムに取り付けられたIR加熱モジュールを用いて行われてもよい。種々の種類のIRエミッタを用いてもよく、例えば、炭素IRエミッタまたは短波IRエミッタ(Heraerusから入手可能)を用いてもよい。炭素IRエミッタまたは短波IRエミッタに関するさらなる例示的な情報を以下の表にまとめている(表1)。
【表1】

【0071】
自立型のSOFは、接着性の低い適切な基板を用い、湿潤層の堆積物を支えるときに得られてもよい。場合により、自立型SOFまたは可撓性基材によって支持されるSOFは、ロールに処理されてもよい。SOFを切断し、縫い合わせる方法は、1995年10月3日に登録された米国特許第5,455,136号明細書に記載される方法と同様である(ポリマーフィルムについて)。SOFベルトは、単一SOF、多層SOFまたはウェブから切断されたSOFシートから製作されてもよい。こうしたシートは、長方形の形状または所望のいずれかの特定形状であってもよい。SOFのすべての側面は同じ長さを有していてもよく、または平行面の1つの対は、他の平行面の対より長くてもよい。SOFは、SOFシートの反対側のマージン終端領域を重複接合させることによって、ベルトのような形状に製作されてもよい。継ぎ目は、接合点において重複マージン終端領域において通常生じる。接合は、いずれかの好適な手段によって影響されてもよい。通常の接合技術としては、例えば溶接(超音波を含む)、糊付け、テープ付け、圧力熱定着などが挙げられる。
【0072】
SOFは、多層構造化有機フィルムを与えるSOF形成プロセスに基材として使用されてもよい。多層SOFの層は、化学的に結合し、または物理的に接触してもよい。化学的に結合した多層SOFは、基材SOF表面に存在する官能基が第2の構造化有機フィルム層を形成するために使用される堆積した湿潤層に存在する分子ビルディングブロックと反応できる場合に形成される。物理的接触状態の多層SOFは、互いに化学的に結合していなくてもよい。SOFは、パターニングされたセグメントの微視的配置であってもよい。用語「パターニング」は、セグメントが互いに連結される配列を指し、例えばここでセグメントAがセグメントBだけに連結される、および反対にセグメントBがセグメントAだけに連結される。必要とされるパターニングの最小度合いは、本明細書に記載されるプロセスを用いてフィルムを形成するために必要とされるものであり、目的とするリンカーの約20%以上、または目的とするリンカーの約40%以上の形成として定量されてもよく、本開示によって具現化されるパターニングの公称度合いは、目的とするリンカーの約60%、例えば目的とするリンカーの約100%の形成である。
【実施例】
【0073】
実施例1
(作用A)反応混合物を含有する液体の調製。次を組み合わせた:ビルディングブロックのN,N,N’,N’−テトラキス−[(4−ヒドロキシメチル)フェニル]−ビフェニル−4,4’−ジアミン(2.64g);ビルディングブロックN,N’−ビス−(3−ヒドロキシフェニル)−N,N’−ジフェニル−ビフェニル−4,4’−ジアミン(3.73g);添加剤Cymel303(67mg)、添加剤Silclean3700(264mg)、触媒Nacure5225(132 mg)およびDowanol(18.48g)。混合物を振とうし、55℃で60分間加熱した。室温までの冷却時、溶液を5ミクロンPTFE膜を通してろ過した。
【0074】
(作用B)湿潤フィルムとしての反応混合物の堆積。反応混合物を、2milギャップを有するバードバーを装備した定速ドローダウンコーターを用いて、基材(ポリイミドまたはステンレススチールシートのいずれか)に適用した。
【0075】
(作用C)湿潤フィルムの乾燥SOFへの変化の促進。湿潤層を支持する基材(ポリイミドおよびステンレススチールシート)は、155℃に予熱された活性ベント型オーブンに素早く移し、40分間加熱し、所望のSOFを得た。
【0076】
実施例2
(作用A)以下を組み合わせた:ビルディングブロックのオクタフルオロ−1,6−ヘキサンジオール[セグメント=オクタフルオロ−1,6−ヘキシル;Fg=ヒドロキシル(−OH);(0.43g,1.65mmol)]、第2のビルディングブロックN4,N4,N4’,N4’−テトラキス(4−(メトキシメチル)フェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン[セグメント=N4,N4,N4’,N4’−テトラ−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン;Fg=メトキシエーテル(−OCH);(0.55g,0.82mmol)]、反応混合物を含有する液体を得るための0.05gのNacure XP−357の20重量%溶液として送達される酸触媒、0.04gのSilclean3700の25重量%溶液として送達される平滑化添加剤、および2.96gの1−メトキシ−2−プロパノール。混合物を振とうし、85℃で2.5時間加熱し、次いで0.45ミクロンのPTFE膜を通してろ過した。
【0077】
(作用B)反応混合物を、10milギャップを有するバードバーを装備した定速ドローダウンコーターを用いて、金属化された(TiZr)MYLARTM基材の反射サイドに適用した。
【0078】
(作用C)湿潤層を支持する金属化されたMYLAR(登録商標)基材は、155℃に予熱された活性ベント型オーブンに素早く移し、40分間加熱した。これらの作用により、単一の自立型フィルムとして基材から剥離できる6〜8ミクロンの厚さを有するSOFを得た。SOFの色は琥珀色であった。
【0079】
実施例3
作用A)以下を組み合わせた:ビルディングブロックのドデカフルオロ−1,8−オクタンジオール[セグメント=ドデカフルオロ−1,8−オクチル;Fg=ヒドロキシル(−OH);(0.51g,1.41mmol)]、第2のビルディングブロックN4,N4,N4’,N4’−テトラキス(4−(メトキシメチル)フェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン[セグメント=N4,N4,N4’,N4’−テトラ−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン;Fg=メトキシエーテル(−OCH);(0.47g,0.71mmol)]、反応混合物を含有する液体を得るための0.05gのNacure XP−357の20重量%溶液として送達される酸触媒、0.04gのSilclean3700の25重量%溶液として送達される平滑化添加剤、および2.96gの1−メトキシ−2−プロパノール。混合物を振とうし、85℃で2.5時間加熱し、次いで0.45ミクロンのPTFE膜を通してろ過した。
【0080】
(作用B)実施例2と同じ。
【0081】
(作用C)湿潤層を支持する金属化されたMYLAR(登録商標)基材は、155℃に予熱された活性ベント型オーブンに素早く移し、40分間加熱した。これらの作用により、単一の自立型フィルムとして基材から剥離できる6〜8ミクロンの厚さを有するSOFを得た。SOFの色は琥珀色であった。
【0082】
実施例4
(作用A)以下を組み合わせた:ビルディングブロックのヘキサデカフルオロ−1,10−デカンジオール[セグメント=ヘキサデカフルオロ−1,10−デシル;Fg=ヒドロキシル(−OH);(0.57g,1.23mmol)]、第2のビルディングブロックN4,N4,N4’,N4’−テトラキス(4−(メトキシメチル)フェニル)ビフェニル−4,4’−ジアミン[セグメント=N4,N4,N4’,N4’−テトラ−p−トリルビフェニル−4,4’−ジアミン;Fg=メトキシエーテル(−OCH);(0.41g,0.62mmol)]、反応混合物を含有する液体を得るための0.05gのNacure XP−357の20重量%溶液として送達される酸触媒、0.04gのSilclean3700の25重量%溶液として送達される平滑化添加剤、および2.96gの1−メトキシ−2−プロパノール。混合物を振とうし、85℃で2.5時間加熱し、次いで0.45ミクロンのPTFE膜を通してろ過した。
【0083】
(作用B)実施例2と同じ。
【0084】
(作用C)湿潤層を支持する金属化されたMYLAR(登録商標)基材は、155℃に予熱された活性ベント型オーブンに素早く移し、40分間加熱した。これらの作用により、単一の自立型フィルムとして基材から剥離できる6〜8ミクロンの厚さを有するSOFを得た。SOFの色は琥珀色であった。
【0085】
SOFは、ステンレススチールおよびポリイミド基材にコーティングされた場合に高品質のフィルムを製造した。SOFは、損傷/基材からの剥離がなく、取り扱われ、研磨され、固定できた。
【0086】
固体インク
【0087】
以下に記載される試験を、異なる顔料を含有する2つのマゼンタインクおよび1つのイエローインクにて行った。顔料(配合物の約2〜3%)は、多くの場合、インクとフェイスプレート表面との間の相互作用の源であり、マゼンタは他の顔料と比べて増大した接着問題を顕在化することが示されているので、マゼンタインクが主に試験された。しかし表面接着は、固体インク配合物中のいずれかまたはすべての成分から得られることができた。一般に、試験された固体インクは顔料を有するアミドワックス系インクであり、ワックスがポリエチレン系であるが、またはポリエステル系であることができる。試験されたインクにおいて、おおよそ等しい割合(50/50)のワックスとワックス様アミドとが存在した。分散剤は、顔料に比べて1〜1.5比で存在し、機能性のヘッド基およびアミン、アミノ塩、エステルであることができる内部機能またはポリエチレンのようなワックス様のアルキル鎖に関する他の機能を含む。
【0088】
UVインク
【0089】
以下に記載される試験は、UV硬化性相変化シアンインクおよびインクベースにて行われた。実施例のシアンインクは、二官能性アクリレートおよび多官能性アクリレートをともに含有するアクリレート系である。インクはまた、場合により、あるいはポリエステルまたは他のワックス様鎖および有機ゲル化剤であることができる硬化性ワックスを含有する。UVインクはまた、ホスフィンオキシド、αヒドロキシケトン、αアミノケトンなどおよびラジカル安定化剤、例えばニトロキシドラジカル安定化剤のような光開始剤を含有する。このコーティングはまた非顔料化システムを用いた使用に適用可能であるけれども、ブロックコポリマーを含有できる顔料および分散剤も存在する。
【0090】
評価:接触角&表面エネルギー測定
【0091】
接触角測定は、3つの溶媒−水、ホルムアルデヒド、およびジヨードメタンを用いて行われた。
【0092】
サンプルは、二重ブレードカッターによって15mm×50〜145mmに切断した。サンプル厚さは、標準ホルダーを用いて1.5mm未満、自家製特別ホルダーを用いて5.0mm未満であるべきである。サンプルは、二重サイドテープでサンプルホルダーに載置した。3つの試験液体、水、ホルムアミドおよびジヨードメタンを、接触角測定全体を通して使用した。
【0093】
サンプル利用可能性に依存して約8滴を生じさせ、接触角を測定した。0.1s、1sおよび10sデータについての平均接触角を記録した。表面自由エネルギー、極性表面エネルギーの酸および塩基成分ならびに分散性成分は、ルイス酸−塩基方法を用いて計算した。ルイス酸−塩基理論は、固液界面エネルギーに関する以下の式によって与えられる。
【数1】

(LW)、(+)、(−)は、SFEインデックスの分散性、酸および塩基成分であり、jは液体1、2、3を指す。θは、基材上のj番目の液体の接触角である。γは、液体jの表面張力であり;および下付き文字sは固体を指す。
表面自由エネルギーも、実施例1のSOFに関して28.39mN/mであるように決定した。接触角測定値を以下の表2に要約する。
【表2】

【0094】
インク液滴滲出試験
【0095】
SOFコーティングされたポリイミドおよびステンレススチール基材は、アルミニウムプレートに配置され、120℃に加熱した。固体インク接着について試験されたインクおよびインク成分は、マゼンタ顔料を含有する固体インクの配合物およびイエロー顔料またはマゼンタ顔料を含有する共力剤配合物を含んでいた。低〜高滴りの範囲の溶融された固体インクサンプルそれぞれ2滴(実施例1からの)SOFサンプルに配置した。各インクからの1つの液滴を、SOFに配置された(時間0)2分以内にQ−チップを用いてダビングにより除去した。各インクサンプルからの第2の液滴は、120℃で24時間放置した。次いで第2の液滴は、Q−チップを用いて液滴をダビングによって除去した。時間0から24時間のインク液滴除去の間に観察可能な差異はなかった。インク液滴全体は、液滴にQチップを2〜4回接触させることによって除去できた(Q−チップのサイズ/濡れ性によって制限される)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェットのプリントヘッド前面のためのコーティングであって、このコーティングが、複数のセグメント、共有結合性有機骨格(COF)として整列された複数のリンカーを含む構造化有機フィルム(SOF)を含むコーティング。
【請求項2】
インクジェットのプリントヘッドの前面上に噴出されたUV硬化性インクの液滴または噴出された固体インクの液滴が、約140°〜約60°の接触角を示す、請求項1に記載のコーティング。
【請求項3】
前記接触角が、約110°〜約75°である、請求項2に記載のコーティング。
【請求項4】
前記SOFがフッ素化SOFである、請求項3に記載のコーティング。
【請求項5】
前記SOFがコンポジットSOFである、請求項1に記載のコーティング。
【請求項6】
前記SOFが追加機能を有する、請求項1に記載のコーティング。
【請求項7】
前記SOFがキャッピングユニットを含む、請求項1に記載のコーティング。

【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【図4G】
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【図4H】
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【図4I】
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【図4J】
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【図4K】
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【図4L】
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【図4M】
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【図4N】
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【図4O】
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【図1】
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【公開番号】特開2013−14763(P2013−14763A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−136401(P2012−136401)
【出願日】平成24年6月15日(2012.6.15)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】