説明

構造化被覆部を基板上に形成する方法、被覆済み基板、および、被覆済み基板を備えた半完成品

本発明は、構造化被覆部を基板上に形成する方法であって、被覆される表面を有する基板を準備するステップと、少なくとも1種類の蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンを、熱蒸着法および加法的構造化法によって上記被覆される基板表面上に積層することによって、該表面上に構造化被覆部を形成するステップとを含む、方法に関する。本発明は、さらに、被覆済み基板および被覆済み基板を備えた半完成品にも関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、構造化被覆部を有する基板の分野の技術に関する。
【0002】
〔背景技術〕
被覆される基板表面上に構造化被覆部を形成する方法が、文献DE 102 22 609 B4に記載されている。この公知のプロセスは、剥離方法に関し、まず、被覆される基板表面に反転構造(negative structuring)を有する第1の層を設ける。次に、第2の層の各部分を上に担持する第1の層を最終的に少なくとも部分的に除去できるように、第2の層を該表面上に積層する。構造化被覆部は、蒸着ガラス物質(evaporation glass material)を含む第2の層を蒸着によって積層させることによって、公知の方法で形成される。
【0003】
上記公知の剥離プロセス以外に、マスクを用いた構造化法(mask structuring)によって、一つ以上のシャドーマスクを用いて構造化被覆部を基板上に形成してもかまわない。このシャドーマスクによって、積層される物質を、基板の一部の領域には積層しないでおくことができるようになる。
【0004】
構造化被覆部を基板上に形成する上述の二つの方法は、いわゆる加法的構造化法(additive structuring)の特徴である。
【0005】
〔発明の概要〕
本発明が取り組む課題は、基板上における構造化被覆部の形成に関連する技術を向上させることである。
【0006】
この課題は、本発明によれば、被覆される表面上に構造化被覆部を形成する独立請求項1に記載の方法、独立請求項19に記載の被覆済み基板、および、独立請求項30に記載の被覆済み基板を備えた半完成品によって解決される。本発明の好適な実施形態は従属請求項の主題である。
【0007】
本発明の一つの態様によれば、構造化被覆部を基板上に形成する方法であって、
被覆される表面を有する基板を準備するステップと、
少なくとも1種類の蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンを、熱蒸着法および加法的構造化法によって上記被覆される基板表面上に積層することによって、該表面上に構造化被覆部を形成するステップとを含む、方法が提供される。上記構造化被覆部は、その全体または一部のみがプラズマ促進熱電子ビーム蒸着(plasma−enhanced thermal electron beam evaporation)によって形成される。
【0008】
本発明の別の態様は、少なくとも部分的には少なくとも1種類の蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンを含んでなる構造化被覆部が、表面上に形成される基板を備えた被覆済み基板、特に、上記方法によって形成される被覆済み基板に関する。
【0009】
本発明のもう一つの態様によれば、
基板と、
該基板の被覆される表面上に少なくとも1種類の層物質を含んでなる第1の層であって、該表面の一つ以上の部分には第1の層が設けられておらず、かつ、第1の層が設けられた該表面上に反転構造が形成されている第1の層と、
該第1の層が設けられた表面上に少なくとも1種類の蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンを含んでなる第2の層とを有する被覆済み基板を備えた、半完成品が提供される。
【0010】
本発明を利用することによって、少なくとも1種類の蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンを積層することによって、異なる適用事例に対して個別にデザインされた複数の被覆部を、構造化と共に基板上に効率的に形成する機会が得られるようになる。これらの物質を利用することによって、異なる適用事例に対して構成された基板被覆部を提供することができるようになる。
【0011】
様々な利点が個別に、または、組み合わされて、上記各種蒸着被覆物質と関連して得られ、その結果、適用事例および使用される蒸着被覆物質に応じて、各種改善が可能になる。したがって、単一成分システムの二酸化ケイ素の蒸着層は、現在の技術的状況において使用される同じ程度の厚さの、蒸着ガラス物質の層に比べると、特に紫外線波長域において光学伝達性が高い。同様に比較すれば、二酸化ケイ素の降伏電圧も高い。酸化アルミニウムは、高い耐引掻性を有し、光学屈折率が高いことを特徴とし、特にフッ化水素酸では腐食しない。二酸化チタンは、光学屈折率が非常に高い。窒化ケイ素は、蒸着ガラスに比べて降伏電圧が高く、光学屈折率が高い。
【0012】
驚くべきことであるが、プラズマ促進電子ビーム蒸着法(plasma−enhanced electron beam evaporation)によって示唆される蒸着被覆物質は、蒸着ガラスに比べて相当高い融解温度を示すが、これらの単一成分システムを用いて構造化被覆部を形成することが可能であることがわかった。この事実に反して、基板温度が高すぎると発生しかねない欠点を回避することは可能であった。蒸着ガラス物質として使用されるホウケイ酸ガラスの融解温度は約1300℃であるが、ここで提案する蒸着物質については、二酸化ケイ素の場合は約1713℃、酸化アルミニウムの場合は約2050℃、二酸化チタンの場合は約1843℃、および、窒化ケイ素の場合は約1900℃といった値が得られる。
【0013】
蒸着被覆物質をプラズマ促進熱電子ビーム蒸着させることによって、層堆積の改善が容易になる。プラズマ促進熱蒸着(plasma−enhanced thermal evaporation)は、構造化被覆部を形成する際に必要となる層特性を実現するために、要求される適用事例に合うように個別に変更することが可能である。プラズマ促進を利用することによって、例えば、層の接着性、および、層内における内因性の圧縮または引張り応力を制御および改善することが可能になる。さらに、蒸着層の化学量論に影響を与えることも可能になる。
【0014】
本発明の各種実施形態において、上記構造化被覆部は、単層または多層として形成されてもよい。複数層からなるデザインでは、ある蒸着物質の少なくとも一つの部分層、および、別の蒸着物質の少なくとももう一つの部分層が積層されてもかまわない。例えば、第1の部分層が二酸化ケイ素で形成され、次に、第1の部分層の上に酸化アルミニウムの層が形成されればよい。
【0015】
一実施形態では、プラズマ促進熱電子ビーム蒸着によって積層される被覆部の一つまたは複数の部分層に加えて、一つまたは複数の別の部分層が、他の形成方法、例えば、スパッタリング法またはCVD法(化学蒸着法)で形成される。これらの形成方法は、例えば、窒化ケイ素または二酸化ケイ素で被覆する際にも使用可能である。上記構造化被覆部の一つ以上の部分層は、上記一つまたは複数の部分層の積層前に処理されても、および/または積層後に処理されてもよい。
【0016】
プラズマ促進によって、蒸着積層層の品質向上も促進される。この結果、良好な圧縮、したがって、良好な気密性が達成可能である。層成長が改善されるので、欠陥はほとんど発生しない。被覆される基板を予備加熱する必要はない。この種類の被覆は、IAD低温コーティングとも称される。この場合の特定の効果は、高い堆積速度が達成可能であることであり、これは製造時の処理時間が全体的に最適化可能であることを意味している。従来の蒸着プロセスでは、高い層品質を達成するために、基板は必ず強い予備加熱を受けなければならない。これは、凝縮粒子がより多量に脱離することにつながり、したがって、達成可能な蒸着率が低下する。さらに、プラズマ促進とは、気化した粒子が被覆される基板表面上で異方性接触(encounter)を達成するために、プラズマビームを利用して蒸気を導くことができることを意味する。この結果、リンクを発生させずに層堆積が達成可能になる。このリンクとは、被覆される基板表面上の異なる領域間の不所望の接続である。
【0017】
好ましいプロセスの実施形態では、以下に記すプロセスの特徴点のうち、一つ以上が提供されればよい。一実施形態では、プラズマ促進熱電子ビーム蒸着が、約20nm/分間〜約2μm/分間の蒸着率で起こる。酸素、窒素、および/または、アルゴンプラズマが使用されればよい。上記の構成の替わりに、あるいは、上記の構成に加えて、熱蒸着を行う処理ステップに先行して、被覆される表面を活性化および/またはクリーニングするために、前処理が行われる。前処理は、プラズマ、特に酸素、窒素、および/または、アルゴンプラズマを用いて実施されてもかまわない。好ましくは、この前処理はその場で行われる。換言すれば、熱蒸着に先立って、コーティング装置の中で行われる。
【0018】
本発明の実際的な実施形態では、上記少なくとも1種類の蒸着被覆物質を熱蒸着させるステップは、少なくとも二つの蒸着原料の共蒸着を実施するステップを含んでもかまわない。少なくとも二つの蒸着原料の共蒸着によって、同じ物質または互いに異なる物質を積層させることができる。
【0019】
本発明の一つの好適な実施形態では、上記構造化被覆部が、非一様な物質組成で被覆される表面がなす平面に対して鉛直な一方向に形成される。
【0020】
本発明を発展させた一態様では、好ましくは、被覆される基板表面上における構造化被覆部の形成が複数回実施される。
【0021】
本発明の好適な実施形態では、上記構造化被覆部が、上記基板の少なくとも二つの点上に形成されてもかまわない。構造化被覆部は、例えば、基板の前面および後面に形成されてもかまわない。この前面および後面への構造化層の堆積は、同時または連続積層プロセスの間に実施されてもかまわない。
【0022】
本発明を発展させた一態様では、上記基板が別の基板に接続されてもかまわない。この別の基板は、半導体構造要素、光電子構造要素、および、微小電気機械的構造要素からなる構造要素の群より選択される構造要素の部品であってもかまわない。
【0023】
本発明を発展させた好ましい一態様では、上記構造化被覆部の構造化部が少なくとも部分的に充填されてもかまわない。該構造化被覆部を少なくとも部分的に充填するためには、電気導電性を有するおよび/または透明な物質が使用される。
【0024】
本発明の実際的な実施形態では、少なくとも一つの導電性領域が基板上に形成されてもかまわない。少なくとも一つの導電性領域を利用して、上記被覆される表面上および/または構造化被覆部上に、一つ以上の条導体が形成されてもかまわない。
【0025】
本発明の好適な実施形態では、上記構造化被覆部上に結合層が形成されてもかまわない。この結合層は、例えば、次の金属処理のためのシード層および/または粘着層を備えている。
【0026】
本発明を発展させた一態様では、好ましくは、構造化被覆部が多層被覆部として形成される。一実施形態では、この多層被覆部が、二酸化ケイ素および蒸着ガラス物質の層、または、二酸化ケイ素および酸化アルミニウムの層から形成され、蒸着ガラス物質または酸化アルミニウムの部分層が上記二酸化ケイ素の上に最上層を形成する。この場合には、熱蒸着法以外の積層技術を使用して、一つ以上の部分層が形成される。この熱蒸着法以外の積層技術には、例えば、スパッタリング法を含める。
【0027】
本発明の好適な実施形態では、構造化被覆部が、約0.05μm〜約50μmの膜厚、好ましくは約0.1μm〜約10μmの膜厚、より好ましくは約0.5μm〜約3μmの膜厚で形成されてもかまわない。
【0028】
本発明を発展させた一態様では、上記少なくとも1種類の蒸着被覆物質を上記被覆される表面上に積層する間の、上記基板の最大基板温度が約120℃、好ましくは約100℃であってもかまわない。この低い基板温度は、特に、例えば、プラスチックおよび重合体フィルム(例えば、レジスト)などの温度感受性の高い物質、および、例えば、III/V半導体系光検出物質などの温度感受性の高い成分で被覆する際に好適である。プラズマ促進熱電子ビーム蒸着法を採用することによって、一実施形態では、形成される層を十分に圧縮することが可能になり、この場合には、現在の技術的状況においては通例として実施されるアニーリングを続いて行う必要がない。
【0029】
本発明を発展させた好ましい一態様では、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、無機絶縁体、誘電体、および、半導体物質のうちの少なくとも一つの物質を含有する基板が上記基板として準備される。使用可能な半導体物質の例としては、シリコンまたはガリウム砒素が挙げられる。
【0030】
本発明の実際的な実施形態では、加法的構造化法の場合には、以下の(1)および(2)のプロセスのうち、少なくとも一つの構造化プロセスを実施してもかまわない。
【0031】
(1)上記構造化被覆部を、シャドーマスクを用いて形成する、マスクを用いた構造化プロセス
(2)上記構造化被覆部の形成が、
上記被覆される基板表面上に少なくとも1種類の層物質を積層し、該基板表面の一つ以上の部分を積層された層物質を除去することによって露出させる、該基板表面上に反転構造を有する第1の層を形成するステップと、
上記少なくとも1種類の蒸着被覆物質を熱蒸着させることによって、少なくとも1種類の蒸着被覆物質の、第2の層を、上記第1の層を有する基板の表面上に積層するステップと、
上記第1の層を少なくとも部分的に除去するステップとを含む、反転構造を利用する構造化プロセス。
【0032】
反転構造を利用する構造化は、剥離構造化または剥離プロセスとも称される。一実施形態では、上記第1の層を少なくとも部分的に除去するステップが、被覆後の表面を平坦化するステップを含む。さらに、例えば、研削および/またはラッピングおよび/または研磨加工によって機械的に除去するステップが、追加構成または代替構成として含まれてもかまわない。一実施形態では、反転構造の形成には、第1の被覆部を、特にスクリーン印刷によって構造化印刷するステップが含まれてもかまわない。反転構造の形成には、リソグラフィーによる構造化および/またはリソグラフィーによるグレースケール構造化を実施するステップが含まれてもかまわない。一実施形態では、上記反転構造の形成には、光構造化可能な層を設けるステップが含まれてもかまわない。この場合、レジスト物質を設けるステップが実施されてもかまわない。上記反転構造化ステップには、積層された層物質を溶媒中で溶解させるステップが含まれてもかまわない。発展させた態様では、第1の層を少なくとも部分的に除去する上記ステップには、湿式化学的除去および/または乾式化学的除去のステップが含まれてもかまわない。
【0033】
本発明の好適な実施形態では、反転構造を利用する構造化によって、上記第2の層が、第1の層に対する一つ以上のアクセスを有する非閉鎖層として形成される。
【0034】
本発明を発展させた一態様では、好ましくは、反転構造を利用する構造化によって、上記第2の層が後処理を受ける。この後処理は、例えば、湿式化学的手段および/または乾式化学的手段によって、および/または、焼き戻しによって、および/または、CMP(化学機械研磨)によって、および/または、第2の層を電気的にドーピングするステップによって実施される。電気的ドーピングの場合、一般に、少なくとも一つのドーピング物質がマトリクス物質内に埋め込まれて、層の電気特性を変化させる。
【0035】
本発明を発展させた一態様では、反転構造を利用する構造化によって、上記第2の層が斜め方向に退行するエッジ表面を有して形成されてもかまわない。このとき、第2の層の該エッジ表面は、その下の層に対して垂直ではなく、第2の層に向かって傾斜する。
【0036】
本発明を発展させた好ましい一態様では、反転構造を利用する構造化によって、上記第1の層が、少なくとも部分的にはフォトレジスト物質から形成される。このフォトレジスト物質は被覆ステップにおいて設けられ、この被覆ステップは、例えば、スピンコーティングおよび/または噴霧および/または電着および/または積層によって実施される。この場合、または、フォトレジスト物質が使用されない実施形態の場合にも、第1の層を部分的に除去するステップには、第1の層をエンボス加工またはエッチングするステップが含まれてもかまわない。一実施形態では、上記フォトレジスト物質は、フォトレジスト膜を形成することによって設けられてもかまわない。
【0037】
一実施形態では、上記フォトレジスト物質の第1の層が約150℃の最大温度で架橋結合される(ソフトベーク)。こうすることによって、上記剥離プロセスを特に穏やかに実施することが容易になる。
【0038】
構造化被覆部を基板上に形成するプロセスの好適な実施形態に関して記載した内容は、本発明に係る被覆済み基板および本発明に係る半完成品との関連においても同様に当てはまる。
【0039】
被覆済み基板および/または半完成品の好適な実施形態は、以下に記載する特徴のうちの一つまたは複数を提供する。プラズマ促進熱電子ビーム蒸着によって積層される一つまたは複数の層は、好ましくは少なくともDIN12116のクラス2に規定の耐酸性を有する。DIN12116について同様に言及する。したがって、試験対象となる表面を、塩酸(c≒5.6mol/l)中で6時間沸騰させる。次に、重量の減少をmg/100cmを単位で測定する。表面の重量減少の1/2が6時間後に0.7mg/100cmを超え、最大で1.5mg/100cmであれば、クラス2に分類される。さらに好ましくはクラス1であるが、この場合には表面の重量減少の1/2が6時間後に最大で0.7mg/100cmである。
【0040】
上記の構成の替わりに、あるいは、上記の構成に加えて、DIN52322(ISO695)の、クラス1に比べてさらに好ましいクラス2に規定の耐塩基性が提供される。ここでも同様に言及する。この耐塩基性を求めるために、3時間、煮沸している水溶液に表面を曝す。この溶液は、同量の水酸化ナトリウム(c=1mol/l)および炭酸ナトリウム(c=0.5mol/l)を含んでなる。重量減少を求める。3時間後の表面の重量減少が75mg/100cmを超え、最大で175mg/100cmであれば、クラス2に分類される。クラス1の規定によれば、3時間後の表面の重量減少は最大で75mg/100cmである。
【0041】
一実施形態では、プラズマ促進熱電子ビーム蒸着によって積層される一つまたは複数の層が、少なくともDIN12111(ISO719)のクラス2、好ましくはクラス1を満足する耐加水分解性を有している。
【0042】
上記の構成の替わりに、あるいは、上記の構成に加えて、耐溶媒性も提供されてかまわない。好適な実施形態では、プラズマ促進熱電子ビーム蒸着によって積層される各層が+500MPa未満(プラス記号は層内の応力が圧縮応力であることを表わす)の内部層応力を有する。+200MPa〜+250MPaおよび−20MPa〜+50MPa(マイナス記号は層内の応力が引張応力であることを表わす)の内部層応力が、好ましくは生成される。
【0043】
上記の構成に加えて、あるいは、上記の構成の替わりに、上記各層は、ISO9385に規定のヌープ硬度が少なくともHK 0.1/20=400耐引掻性を有してもかまわない。
【0044】
本発明の一実施形態では、プラズマ促進熱電子ビーム蒸着によって積層される各層がシリコンに非常によく付着し、10μmのスタイラスを用いたナノインデンター試験における横力は100mNを超える。
【0045】
製造方法は、上述の層特性のうち一つ以上を達成するように構成されてもかまわない。
【0046】
〔好ましい実施形態の説明〕
次に、好ましい例としての実施形態を用いて、図面を参照しながら、本発明について詳細に記載する。
【0047】
図1は、蒸着被覆物質をプラズマ促進熱電子ビーム蒸着させることによって積層される構造化層を上に載せる基板の概略図を示す。
【0048】
図2は、積層される構造化層の反転像に対応する微小構造を有する、積層されたレジストを上に載せた図1の基板の概略図を示す。なお、この構造はリソグラフィーで形成する。
【0049】
図3は、その後積層された蒸着被覆物質の層を上に載せた図2の基板の概略図を示す。
【0050】
図4は、上記レジストが除去された図3の基板の概略図を示す。
【0051】
図5は、反転構造を有するレジストの層および蒸着層が基板上に形成された、半完成品を示す。
【0052】
図6は、反転構造を有するレジストの層および蒸着層が基板上に形成された、別の半完成品を示す。
【0053】
図7は、構造化蒸着層が複数回の加法的構造化によって基板上に形成された構成の概略図を示す。
【0054】
図8は、複数の蒸着層が複数回の加法的構造化によって積層される構成の概略図を示す。
【0055】
図9は、構造化被覆部が加法的構造化法によって基板上に形成される構成の概略図を示す。なお、中間部には構造化被覆部を満たす物質が設けられている。
【0056】
図10は、構造化されていない蒸着層および構造化蒸着層が形成される構成の概略図を示す。
【0057】
図11は、基板部の概略図を示す。
【0058】
図12は、加法的構造化法によって形成され、結合/シード層を有する蒸着層が基板上に形成される構成の概略図を示す。
【0059】
図13は、図12の構成を斜め上から見た様子を示している。
【0060】
図14は、基板に設けられ、反転像を有するレジストが蒸着層によって完全に内包される構成の概略図を示す。
【0061】
図15は、機械的平坦化後の図14の構成を示している。
【0062】
図16は、レジスト物質の反転構造のエッジ表面が斜め方向に延びる構成の概略図を示す。
【0063】
図17は、上記レジスト物質を除去する剥離プロセス後の図16の構成を示している。
【0064】
図1は、蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンの構造化層が熱蒸着法によって(プラズマ促進電子ビーム蒸着が使用される)その上に積層される、基板1の概略図を示している。ここで説明する例としての実施形態では、該構造化層が剥離プロセス(詳細について後述する)を利用して形成される。
【0065】
図2は、積層される層が必要とする微小構造の反転像を公知のリソグラフィーによってフォトレジスト2に適用した、図1の基板1の概略図を示している。
【0066】
次に、蒸着被覆物質が熱蒸着法によって積層され、その結果、蒸着層3が図3のように形成される。一実施形態では、この場合、プラズマ促進熱電子ビーム蒸着が使用して層堆積が実施される。蒸着層3は単層であっても、多層であってもよい。
【0067】
誘電層を積層する間、基板1は、約120℃より低い、好ましくは約100℃より低い基板温度で保持される。蒸着被覆物質の積層は、例えば、処理ガスである酸素およびアルゴンが使用されるプラズマによって促進される。準備ステップでは、蒸着被覆物質が積層される表面は事前に清掃されるか、または、アルゴンおよび酸素を含むプラズマを用いて調整される。蒸着層において所望の層特性を実現するために、使用されるプラズマは、層3の積層過程中の異なる期間に、特にそのガス組成およびプラズマ出力について異なる設定がなされる。
【0068】
図4は図3の基板1の概略図を示し、上記フォトレジスト層2が除去されている。
【0069】
次に、別の例としての実施形態について、図5〜図17を参照しながら説明する。この場合、同じ構成要素に対しては図1〜図4と同じ参照番号を使用する。
【0070】
熱蒸着をプラズマ促進する場合には、プラズマ変数を意図的に変化させることによって、対応する物質および特性の勾配を達成することができる。したがって、例えば、一つの蒸着被覆物質内で異なる圧縮を行い、閉鎖領域を封止するようなデザインも可能である。物質および特性の勾配が、滑らかに変化するよう徐々に形成してもよく(図5を参照)、あるいは、蒸着物質を、またはプラズマ変数を突然変化させることによって急激に形成しても(図6)かまわない。なお、この蒸着物質の突然変化は、例えば、別の物質を添加することによって実施すればよく、この別の物質は別のプロセスを用いて積層させてもかまわない。このように、屈折率が異なる複数の層を設けることによって、構造化された抗反射被覆部を形成することができる。
【0071】
図5および図6は、それぞれ、反転構造を有するレジスト層2および蒸着層3が基板1上に形成された半完成品を示す。なお、この蒸着層は、緩やか、もしくは滑らかな物質の変化(図5を参照)、または、突然の物質の変化(図6を参照)を有して形成されている。図3によれば、除去プロセスを利用して、構造化蒸着層を露出させてもかまわない。
【0072】
図7は、構造化蒸着層70,71,72が複数回の加法的構造化によって基板1上に形成される構成の概略図を示している。剥離プロセスを複数回実施した。一つの例としての実施形態において、低い光学屈折率を有する構造化層72を、まず、基板1上に積層させる。構造化層72は、一実施形態では二酸化ケイ素(SiO)である。次に、層72の蒸着被覆物質より高い光学屈折率を有する蒸着被覆物質(例えば、酸化アルミニウム(Al))の蒸着層70を積層し構造化する。例えば、層70の蒸着物質より低い光学屈折率を有する物質(例えば、二酸化ケイ素)からなる蒸着層71が、最後に新たな積層・構造化によって積層される。この場合、蒸着層70は完全に内包され、その結果、例えば、光学導波路を形成可能である。
【0073】
図8は、複数の蒸着層80,81,82が複数回の加法的構造化によって基板1上に積層され、こうすることによって、構造化被覆部が形成される構成の概略図を示している。構造化被覆部を基板1上に多層構造で形成することによって、一実施形態では、例えば、多層からなる複数の回折部材を設置することが可能になる。複数の蒸着層80,81,82のうち、1層,2層、または、さらに3層全てが、同じ物質を含んでなってもかまわない。ただし、2種類またはさらに3種類の異なる蒸着物質を使用して、複数の蒸着層80,81,82を形成してもかまわない。別の実施形態では、一つまたは二つの層の多層被覆部が、熱蒸着法ではなく他の形成方法(例えば、スパッタリングまたはCVD)によって基板1上に形成されてもかまわない。さらに、上記複数の蒸着層80,81,82のうち、一つが金属処理された層であってもかまわない。
【0074】
図9は、構造化被覆部90が加法的構造化法によって基板1上に形成され、さらに、構造化被覆部90の中間領域91には、例えば、電気導電性を有するおよび/または光学的に透明な物質を積層することによって形成される充填物92が設けられる構成の概略図を示している。こうすることによって、例えば、電気導電性を有する物質を含んでなる“埋設された”条導体を形成することができる。これを実現するために、例えば、TiW/Cuを含んでなる薄いシード層を、スパッタリングによって構造化被覆部90および中間領域91に設ける。これに続いて、充填する中間領域91の上方で自由に構造化可能な、フォトレジストを用いたマスキングを実施する。次に、電気亜鉛メッキプロセスにおいて、銅を構造化被覆部90の上側のエッジ部まで積層する。マスキングを露光し、(熱蒸着法によって形成される)構造化被覆部90上のシード層を除去することによって、先に露出させておいた基板1上の領域、特に中間領域91に銅製条導体を充填する。
【0075】
図10は、構造化されていない蒸着層100が基板1上に形成される構成の概略図を示している。電気導電性を有する物質を含んでこの上に形成される条導体101は、加法的構造化法で形成される構造化蒸着層102によって少なくとも部分的に被覆される。構造化蒸着層102に、開口部103を介した電気的な接触部を設けることが可能である。
【0076】
図11は基板部の概略図を示しており、図10の構成の電気的条導体をどのように使用すれば再分布可能であるかを示している。周辺部に設置した接続パッド110は、条導体111を横切って、より大きな二次元接続領域112に接続されている。上述の金属構造化部が構造化されていないベース層(図10を参照)に設けられ、および、大きな接続領域112を介してのみ開放されている層によって被覆される。この種の構成は、特にフリップチップ方式で集積した部品と共に用いる場合に好適である。
【0077】
図12は、シードまたは結合層121を付設する蒸着層120が加法的構造化法によって基板1上に形成される構成の概略図を示している。例えば、シードまたは結合層は粘着層であって、この粘着層を用いて基板1を有する構成が別の基板(図示せず)に接着されてもかまわない。こうすることによって、閉鎖された窪み部を、フレーム構造を有する第1の基板と第2の基板との間に形成することができる。これを用いて、例えば、基板1上の光学活性を有する領域を被包してもかまわない。例えば、銅を含んでなるこの種のフレーム構造に対して、シード層を選択的に付設してもかまわない。上記二つの基板を相互に接続する場合には、第2の基板は、例えば、スズを含んでなる金属処理領域を有してもかまわない。そして、二つの基板は共融結合によって接続されてもかまわない。図13は、図12の構成を斜め上から見た様子を示している。
【0078】
図14は、基板1に付設された反転像を有するレジスト2が蒸着層140によって完全に内包される構成の概略図を示している。これに続く処理ステップでは、基板1上の複合層が、例えば、ラッピング、研削、および/または、研磨加工などの機械的プロセスによって平面化される。機械的プロセスの結果を図15に示す。残留しているマスク2を分解することによって、構造化蒸着層140を露出させることができる。
【0079】
図16は、構造化被覆部3のエッジ領域170が図17に示すように同様に斜め方向に形成され、ただし傾斜の向きが逆になるように、レジスト物質2の反転構造のエッジ領域160が斜め方向に延びる構成の概略図を示している。図17に示す構成は、レジスト物質2を除去すると現れる。エッジ領域170は正のベベル角を有する。この様式でデザインされた構造化被覆部3は、例えば、一つ以上の条導体(図示せず)がエッジ領域170を介して誘導される、次の金属処理に好適である。
【0080】
上述の例としての実施形態との関連において、剥離プロセスによって任意に実施される加法的構造化法に言及した。別の構成として、加法的構造化法を、シャドーマスク技術を用いて実施してもかまわない。この場合、一般に、一つまたは複数のマスクを用いて、被覆される基板上の蒸着被覆物質が積層されない領域に影が投影される。シャドーマスク技術と組み合わせて、多層からなる構造化被覆部を積層するために複数回使用することも可能である。
【0081】
上述の説明、請求項、および、図面において開示した本発明の各特徴は、本発明を様々な実施形態において実現するために、それぞれ単独でも、任意の組み合わせにおいても同様に重要である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】図1は、蒸着被覆物質をプラズマ促進熱電子ビーム蒸着させることによって積層される構造化層を上に載せる基板の概略図を示す。
【図2】図2は、積層される構造化層の反転像に対応する微小構造を有する、積層されたレジストを上に載せた図1の基板の概略図を示す。なお、この構造はリソグラフィーで形成する。
【図3】図3は、その後積層された蒸着被覆物質の層を上に載せた図2の基板の概略図を示す。
【図4】図4は、上記レジストが除去された図3の基板の概略図を示す。
【図5】図5は、反転構造を有するレジストの層および蒸着層が基板上に形成された、半完成品を示す。
【図6】図6は、反転構造を有するレジストの層および蒸着層が基板上に形成された、別の半完成品を示す。
【図7】図7は、構造化蒸着層が複数回の加法的構造化によって基板上に形成された構成の概略図を示す。
【図8】図8は、複数の蒸着層が複数回の加法的構造化によって積層される構成の概略図を示す。
【図9】図9は、構造化被覆部が加法的構造化法によって基板上に形成される構成の概略図を示す。なお、中間部には構造化被覆部を満たす物質が設けられている。
【図10】図10は、構造化されていない蒸着層および構造化蒸着層が形成される構成の概略図を示す。
【図11】図11は、基板部の概略図を示す。
【図12】図12は、加法的構造化法によって形成され、結合/シード層を有する蒸着層が基板上に形成される構成の概略図を示す。
【図13】図13は、図12の構成を斜め上から見た様子を示している。
【図14】図14は、基板に設けられ、反転像を有するレジストが蒸着層によって完全に内包される構成の概略図を示す。
【図15】図15は、機械的平坦化後の図14の構成を示している。
【図16】図16は、レジスト物質の反転構造のエッジ表面が斜め方向に延びる構成の概略図を示す。
【図17】図17は、上記レジスト物質を除去する剥離プロセス後の図16の構成を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造化被覆部を基板上に形成する方法であって、
被覆される表面を有する基板を準備するステップと、
少なくとも1種類の蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンを、プラズマ促進熱電子ビーム蒸着として実施する熱蒸着法および加法的構造化法によって上記被覆される基板表面上に積層することによって、該表面上に構造化被覆部を形成するステップとを含む、方法。
【請求項2】
上記少なくとも1種類の蒸着被覆物質を熱蒸着させるステップが、少なくとも2種類の蒸着原料を用いて共蒸着を実施するステップを含むをことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
上記構造化被覆部を、非一様な物質組成で被覆される表面がなす平面に対して垂直な方向に形成することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
上記被覆される基板表面上における構造化被覆部の形成を複数回実施することを特徴とする、請求項1〜3のうちの一項に記載の方法。
【請求項5】
上記構造化被覆部を、上記基板の少なくとも二つの側面上に形成することを特徴とする、請求項1〜4のうちの一項に記載の方法。
【請求項6】
上記基板を別の基板に接続することを特徴とする、請求項1〜5のうちの一項に記載の方法。
【請求項7】
上記構造化被覆部の構造化部を少なくとも部分的に充填することを特徴とする、請求項1〜6のうちの一項に記載の方法。
【請求項8】
上記基板上に、少なくとも一つの導電性領域を形成することを特徴とする、請求項1〜7のうちの一項に記載の方法。
【請求項9】
上記構造化被覆部上に、結合層を形成することを特徴とする、請求項1〜8のうちの一項に記載の方法。
【請求項10】
上記構造化被覆部を多層被覆部として形成することを特徴とする、請求項1〜9のうちの一項に記載の方法。
【請求項11】
上記構造化被覆部を、約0.05μm〜約50μmの膜厚、好ましくは約0.1μm〜約10μmの膜厚、より好ましくは約0.5μm〜約3μmの膜厚で形成することを特徴とする、請求項1〜10のうちの一項に記載の方法。
【請求項12】
上記少なくとも1種類の蒸着被覆物質を上記被覆される表面上に積層する間の、上記基板の最大基板温度が約120℃、好ましくは約100℃であることを特徴とする、請求項1〜11のうちの一項に記載の方法。
【請求項13】
ガラス、金属、プラスチック、セラミック、無機絶縁体、誘電体、および、半導体物質のうちの少なくとも一つの物質を含有する基板を上記基板として準備することを特徴とする、請求項1〜12のうちの一項に記載の方法。
【請求項14】
加法的構造化法の場合には、
上記構造化被覆部を、シャドーマスクを用いて形成する、マスクを用いた構造化プロセスと、
上記構造化被覆部の形成が、
上記被覆される基板表面上に少なくとも1種類の層物質を積層し、該基板表面の一つ以上の部分を積層された層物質を除去することによって露出させる、該基板表面上に反転構造を有する第1の層を形成するステップと、
上記少なくとも1種類の蒸着被覆物質を熱蒸着させることによって、少なくとも1種類の蒸着被覆物質の、第2の層を、上記第1の層を有する基板の表面上に積層するステップと、
上記第1の層を少なくとも部分的に除去するステップとを含む、反転構造を利用する構造化プロセスとのうちの、少なくとも一つの構造化プロセスを実施することを特徴とする、請求項1〜13のうちの一項に記載の方法。
【請求項15】
反転構造を利用する構造化によって、上記第2の層を、第1の層に対する一つ以上のアクセスを有する非閉鎖層として形成することを特徴とする、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
反転構造を利用する構造化によって、上記第2の層に後処理を行うことを特徴とする、請求項14または15に記載の方法。
【請求項17】
反転構造を利用する構造化によって、上記第2の層を斜め方向に退行するエッジ表面を有するように形成することを特徴とする、請求項14〜16のうちの一項に記載の方法。
【請求項18】
反転構造を利用する構造化によって、上記第1の層を、少なくとも部分的にはフォトレジスト物質から形成することを特徴とする、請求項14〜17のうちの一項に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも部分的には少なくとも1種類の蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンを含んでなる構造化被覆部が、表面上に形成される基板を備えた被覆済み基板であって、特に、請求項1〜18のうちの一項に記載の方法によって形成される被覆済み基板。
【請求項20】
上記構造化被覆部が、上記被覆される表面がなす平面に対して垂直な方向に非一様な物質組成を有することを特徴とする、請求項19に記載の基板。
【請求項21】
上記構造化被覆部が、上記基板の少なくとも二つの側面上に形成されていることを特徴とする、請求項19または20に記載の基板。
【請求項22】
上記基板が別の基板に接続されていることを特徴とする、請求項19〜21のうちの一項に記載の基板。
【請求項23】
上記構造化被覆部の構造化部が少なくとも部分的に充填されていることを特徴とする、請求項19〜22のうちの一項に記載の基板。
【請求項24】
上記基板上に、少なくとも一つの導電性領域が形成されていることを特徴とする、請求項19〜23のうちの一項に記載の基板。
【請求項25】
上記構造化被覆部上に、結合層が形成されていることを特徴とする、請求項19〜24のうちの一項に記載の基板。
【請求項26】
上記構造化被覆部が多層被覆部として形成されていることを特徴とする、請求項19〜25のうちの一項に記載の基板。
【請求項27】
上記構造化被覆部が、約0.05μm〜約50μmの膜厚、好ましくは約0.1μm〜約10μmの膜厚、より好ましくは約0.5μm〜約3μmの膜厚で形成されていることを特徴とする、請求項19〜26のうちの一項に記載の基板。
【請求項28】
上記基板が、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、無機絶縁体、誘電体、および、半導体物質のうちの少なくとも一つの物質を含有していることを特徴とする、請求項19〜27のうちの一項に記載の基板。
【請求項29】
上記構造化被覆部が、
・少なくともDIN12116のクラス2に規定の耐酸性を有するか、
・DIN52322(ISO695)のクラス2、好ましくはクラス1に規定の耐塩基性を有するか、
・少なくともDIN12111(ISO719)のクラス2、好ましくはクラス1に規定の耐加水分解性を有するか、
・+500MPa未満の内部層応力を有するか、
・+200MPa〜+250MPa、さらに−20MPa〜+50MPaの内部層応力を有するか、
・ISO9385に規定の、少なくともHK 0.1/20=400のヌープ硬度を有するか、の少なくとも一つ以上の特徴点を有することを特徴とする、請求項19〜27のうちの一項に記載の基板。
【請求項30】
基板と、
該基板の被覆される表面上に少なくとも1種類の層物質を含んでなる第1の層であって、該表面の一つ以上の部分には第1の層が設けられておらず、かつ、第1の層が設けられた該表面上に反転構造が形成される第1の層と、
該第1の層が設けられた表面上に少なくとも1種類の蒸着被覆物質、具体的には、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、または、二酸化チタンを含んでなる第2の層とを有する被覆済み基板を備えた、半完成品。
【請求項31】
上記第2の層が、第1の層に対する一つ以上のアクセスを有する非閉鎖層として形成されていることを特徴とする、請求項30に記載の半完成品。
【請求項32】
上記第1の層が、少なくとも部分的にはフォトレジスト物質から形成されていることを特徴とする、請求項30または31に記載の半完成品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−533686(P2012−533686A)
【公表日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520904(P2012−520904)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000856
【国際公開番号】WO2011/009444
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(512018427)エムエスゲー リトグラス アクチエンゲゼルシャフト (1)
【氏名又は名称原語表記】MSG LITHOGLAS AG
【住所又は居所原語表記】c/o Frauenhofer IZM Building 17a,Gustav−Meyer−Allee 25,13355 Berlin,Germany
【Fターム(参考)】