構造化開口網状研磨パッドの形成方法
【課題】磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法を提示する。
【解決手段】光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシート12または膜を曝露して、第1および第2ポリマーシート12に曝露パターンを形成する。曝露は、光硬化性ポリマーを硬化させるのに十分な曝露時間で行われるが、近傍の細長部位がいっしょに硬化されない長さである。第1および第2ポリマーシートを接合して、第1および第2ポリマーシートのパターンがクロスした研磨パッドを形成する。第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル36同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、固定化する。
【解決手段】光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシート12または膜を曝露して、第1および第2ポリマーシート12に曝露パターンを形成する。曝露は、光硬化性ポリマーを硬化させるのに十分な曝露時間で行われるが、近傍の細長部位がいっしょに硬化されない長さである。第1および第2ポリマーシートを接合して、第1および第2ポリマーシートのパターンがクロスした研磨パッドを形成する。第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル36同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、固定化する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)用の研磨パッドに関する。詳細には、本発明は、磁性基材、光学基材または半導体基材を研磨するのに使用可能な開口網状研磨パッドの形成方法に関する。
【0002】
集積回路が形成された多層半導体ウェーハは、ウェーハ表面を平滑かつ平坦にするために研磨する必要がある。この研磨作業は、次の層を形成するために表面を平坦にする目的、および研磨を行わない場合に起こると予想される構造歪みの拡大を防ぐ目的のために必要である。半導体メーカーにおいて研磨作業は、複数のCMP工程によって行われている。これらの工程では、化学活性スラリー、または砥粒を含まない研磨液を回転研磨パッドと相互作用させて、ウェーハの表面を平滑化または平坦化している。
【0003】
多くの場合、CMP工程において唯一最大の問題は、ウェーハが傷つくことである。一部の研磨パッドは異物と相互作用することがあり、その結果、ウェーハがえぐられる、またはウェーハに傷がつく。例えば、この異物との相互作用により、TEOS絶縁体などの硬質材料にチャッターマーク(擦傷)が生じる可能性がある。本明細書において、TEOSはテトラエチルオキシシリケートの分解によって形成される硬質ガラス状の絶縁体を意味する。この絶縁体への損傷は、ウェーハ欠陥の発生およびウェーハ収率の低下につながる可能性がある。CMP工程における他の擦傷に関する問題は、銅配線などの非鉄配線が損傷することである。パッドが配線を過度に深く傷つけた場合、半導体が正常に機能しなくなる程度まで配線の抵抗が増加する。極端な場合、研磨により巨大なスクラッチが形成され、ウェーハ全体を破棄することとなり得る。
【0004】
全ての高剛度パッドがウェーハに対して高い擦傷率を有するわけではないが、スクラッチの発生は、研磨パッドの剛度または弾性率とともに増加する傾向がある。研磨パッドメーカーは、欠陥率の低いソフトパッドを開発するために長年にわたり試行錯誤を行ってきた。欠陥率を向上させるために、組成および製造技術に着目して努力がなされてきた。パッドメーカーは欠陥率の向上を続けているが、産業においては、最新の研磨パッドの欠陥率をさらに継続的に低く抑えることが求められている。Cook et al.は米国特許第6,036,579において、ソフトパッドを製造するための光硬化プロセスを記載している。このプロセスでは、液状の光硬化性ポリマーを固体ポリマー膜に塗布し、光硬化性ポリマーを光に曝露(露光)して、フォトマスクを介して、またはパターン状に直接的に決定される選択ランド領域を硬化または架橋している。パターン状に直接行う例としては、例えば、computer−to−screen技術などのダイレクトレーザー紫外光が挙げられる。パッドをフォトマスクを介して、またはパターン状に直接曝露した後、未曝露ポリマーを水洗して除去し、溝を形成する。これらのパッドは平坦化を容易とする固体ポリマー基材層を含んでいるが、最も要求の厳しい用途での欠陥発生を低減するために必要な圧縮性を有していない。さらに、これらのパッドは、要求の厳しいCMP用途において十分な研磨均一性をもたらすことが不可能である。特に、水の吸収により研磨パッドの寸法安定性が非常に不安定となり、パッドがすぐに使えなくなる傾向がある。
【0005】
欠陥率を低下させるための他の試みとして、研磨パッドの物性を変化させることがある。例えば、基材表面または接触領域と相互作用する研磨パッドの表面粗さを増加させることにより、欠陥を低減することができる。接触面積を増加させることにより、基材表面に下向きにかかる平均研磨応力が低下し、欠陥が低減される。このことは原理的には単純に思えるかもしれないが、多くの場合において困難な目標である。例えば、研磨速度を低下させることなく表面積と十分な模様との最適なバランスを達成するために、ポリマー微小球と凝集ポリウレタンとの組み合わせを有するパッドを製造することが可能である。あるいは、織り構造は基材表面との表面相互作用を大きくすることができるが、これらの構造は、均一に研磨を行うためには断面の均一性が不十分である場合が多い。
【0006】
低い欠陥率に加えて、研磨パッドは、温度変化の小さい一定の研磨性能を可能とするために、熱安定性も有していなくてはならない。通常、研磨パッドは、温度上昇とともに軟質化する。しかし、パッドの軟質化は、多くの場合、除去率の低下につながる。よって、研磨パッドの物性は、温度による悪化が最小限でなければならない。
【0007】
平坦化、除去率および欠陥率の全てにおいて改善された研磨パッドが産業的に求められている。さらに、超低欠陥率の研磨パッドにおいてこれらの物性を備えた研磨パッドが求められている。最後に、寸法安定性を有し、要求の厳しい研磨条件下において研磨性が過度に低下することなく長期にわたって使用可能な、ソフトなテクスチャー(織地構成)を有する研磨パッドが求められている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、下記の工程を含む、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法を提供する:a)光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシートまたは膜を準備する工程であって、この第1および第2ポリマーシートまたは膜が、所定の厚さを有する工程;b)前記第1および第2ポリマーシートをエネルギー源に曝露して、第1および第2ポリマーシートに曝露パターンを形成する工程であって、この曝露パターンが、前記エネルギー源に曝露された細長部位を有し、前記曝露が、前記光硬化性ポリマーを硬化させるのに十分な曝露時間で行われ、前記曝露時間が、近傍の細長部位がいっしょに硬化されない長さである工程;c)曝露した第1および第2ポリマーシートからポリマーを除去して、第1および第2ポリマーシートの全体にわたって、曝露パターンに対応したチャネルパターン状に細長(く延伸される)チャネル(溝)を形成する工程であって、前記細長チャネルが第1および第2ポリマーの厚さ全体にわたって延在している工程;d)前記第1および第2ポリマーシートを接合して研磨パッドを形成する工程であって、前記第1および第2ポリマーシートのパターンが、第1ポリマーシートが第2ポリマーシートを支持する形で、ならびに第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが平行面同士が接合する形でクロスしており、これにより前記ポリマーシートの一方が研磨面を形成している積層開口網状研磨パッドが形成される工程;およびe)前記第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、前記積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドを固定化する工程。
【0009】
他の実施形態において本発明は、下記の工程を含む、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法を提供する:a)光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシートまたは膜を準備する工程であって、この第1および第2ポリマーシートまたは膜が、所定の厚さを有する工程;b)前記第1および第2ポリマーシートをエネルギー源に曝露して、第1および第2ポリマーシートに曝露パターンを形成する工程であって、この曝露パターンが、前記エネルギー源に曝露された細長部位を有し、前記曝露が、前記光硬化性ポリマーを架橋させるのに十分な曝露時間で行われ、前記曝露時間が、近傍の細長部位がいっしょに架橋されない長さである工程;c)曝露した第1および第2ポリマーシートから水溶液によってポリマーを除去して、第1および第2ポリマーシートの全体にわたって、曝露パターンに対応したチャネルパターン状に細長チャネルを形成する工程であって、前記細長チャネルが第1および第2ポリマーの厚さ全体にわたって延在している工程;d)前記第1および第2シートを乾燥させて水溶液を除去し、第1および第2シートを部分的に硬化させる工程;e)前記第1および第2ポリマーシートを接合して研磨パッドを形成する工程であって、前記第1および第2ポリマーシートのパターンが、第1ポリマーシートが第2ポリマーシートを支持する形で、ならびに第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが平行面同士が接合する形でクロスしており、これにより前記ポリマーシートの一方が研磨面を形成している積層開口網状研磨パッドが形成される工程;およびf)前記第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、前記積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドを固定化する工程であって、前記直交関係が、80〜100度の角度である工程。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、仕上原料を形成する連続法を示す概略図である。
【図2】図2は、仕上原料を開口網状研磨パッド材へ加工する連続法を示す概略図である。
【図3】図3は、開口網状バッキング層を用いずに仕上原料を開口網状研磨パッド材へ加工する連続法を示す概略図である。
【図4】図4は、光硬化性ポリマーに登録描画を行う様子、および四つの現像層を組み合わせるための組立ユニットを示す概略図である。
【図5】図5は、実施例1によって製造された、織り基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図6】図6は、実施例2によって製造された、織り基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図7】図7は、実施例5によって製造された、織り基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図8】図8は、実施例7によって製造された、不織基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図9】図9は、実施例8によって製造された、不織基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図10】図10は、実施例11によって製造された、ベース基材を用いずに形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図11】図11は、実施例12によって製造された、固体ベース基材を用いて形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図12】図12は、実施例13によって製造された、ベース基材を用いずに形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な開口網状研磨パッドの形成方法を提供する。特に、本発明は、硬化性ポリマーのポリマーシートまたは膜を用いる。本発明の方法において、硬化性ポリマーをエネルギー源に曝露して曝露パターンを形成する。この曝露パターンは、細長部位を含む。次に、ポリマーシートを開口網状構造に取り付ける。上記プロセスでは、中間構造体である曝露したポリマーシートまたは膜から、近傍のポリマーを水などの溶媒を用いて除去する。上記プロセスでは、ポリマーシートを取り付けた後にポリマーシートまたは膜のバッキング層を除去し、溶媒およびポリマーを上記開口網状基材を通過させて送出する。あるいは、上記プロセスでは、ポリマーシートまたは膜を開口網状基材に取り付ける前に、バッキング層をポリマーシートに取り付けた状態でポリマーを溶媒により除去する。これにより、細長チャネルがポリマーシートまたは膜の全体にわたって、曝露パターンに対応したテクスチャー(織地構成)パターン状に形成される。この方法によれば、単一研磨層パッド、またはポリマーシートを二層以上積層させた多層パッドを形成することが可能である。
【0012】
まず複数のポリマーシートを固定して中間体積層シート構造を形成し、次にこの中間構造体を多孔性基材に付け加えることによって、または複数のシート層を多孔性基材に順次付け加えることによって、開口網状構造を固定化することが可能である。これらの実施形態において、多孔性基材により、非平坦なウェーハまたはウェーハ内の研磨困難な部位を研磨することを容易とする、柔軟性が向上した研磨パッドを提供することができる。多孔性基材に複数のシート層を順次付け加える際、上記方法は、それぞれバッキング層を有する少なくとも第1および第2ポリマーシートまたは膜を曝露し;第1層を多孔性基材に取り付け;第2層を第1層に取り付け、この第2シートまたは膜を第1シートまたは膜に取り付ける前に第1シートまたは膜からバッキング層を除去することを含む。層を順次付け加える前にバッキング層を除去することにより、網状物をなす複数の層の間に開放チャネルを形成することが可能となる。より大きいサイズの開口網状体を作製する際には、先に取り付けられた層のバッキング層を除去することにより、次のポリマーシートまたは膜を配置する開放チャネルが提供される。最後の、または最外のポリマーシートまたは膜が研磨面を形成する。
【0013】
必要に応じて、多孔性基材を用いずに研磨パッドを製造することが可能である。この場合のプロセスでは、第1および第2ポリマーシートを曝露した後に取り付けることにより、研磨パッドが形成される。第1および第2ポリマーシートのパターンをクロスさせ、第1ポリマーシートに第2ポリマーシートを支持させる。また、第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが接合し、積層開口網状研磨パッドを形成する。ここで第1層は、研磨プラテンへの装着用の基層を形成する。基層は、接着剤、または最も有利には両面感圧接着剤によって研磨層に取り付けることができる。この構造は、最上層から最下層まで均一な物性を有し、パッドの剛度および平坦性を改善することができるという利点を有する。
【0014】
さらに、上記方法は、複数の溶媒曝露および乾燥工程、または単一の洗浄および乾燥工程のいずれかを含む。微細なチャネルまたは模様を形成するプロセスにおいては、層を複数の工程で現像することが有利である。この方法において、ポリマーシートまたは膜を開口網状基材に取り付ける前に、バッキング層をポリマーシートに取り付けた状態でポリマーを水などの溶媒によって除去する。さらに、ポリマーシートまたは膜を取り付ける前に、ポリマーシートまたは膜を乾燥させることが有利である。この乾燥は、ポリマーシートまたは膜を部分的に硬化させるという利点をもたらすことができる。大きいサイズのチャネルでは、溶媒によってポリマーを多孔性基材に通過させて除去して、ポリマーを単一工程で現像することが可能である。
【0015】
現像後、積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドが固定化される。一を超える数のポリマーシートまたは膜を固定化させる場合、垂れ下がりを抑えるために、第1および第2シートが十分な剛度を有することが重要である。ポリマーシートまたは膜を部分的に硬化させることによって、垂れ下がりを抑えることができる。さらに、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係が形成されることが重要である。過度に曝露が行われた場合、ポリマーシートのチャネルは埋まってしまう。曝露が不十分な場合、複数のシート層の間において曲がりや垂れ下がりが生じる。曝露および硬化が適切であれば、層により直交構造が形成される。直交網状構造は、垂直方向チャネル側壁、ならびにポリマーシートの水平上面および底面を有する。層を特定の温度で所定の時間、例えば0.5〜4時間硬化させることにより、機械的特性が固定化される。研磨は100℃を超える温度で行われることがあるため、パッドを使用中に硬化させるよりも、ポリマーを使用前に硬化させることが有利である。
【0016】
上記ポリマーシートまたは膜は、硬化性有機材料(すなわち、光エネルギー、機械エネルギー、熱エネルギーまたは他のエネルギー源に曝露することにより重合または架橋可能なポリマーサブユニットまたは材料)内に感エネルギー性結合剤を含む。感エネルギー性結合剤の例としては、アルキル化尿素−ホルムアルデヒドポリマー、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー、およびアルキル化ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒドポリマーなどのアミノポリマーまたはアミノプラストポリマー;アクリル酸アルキル、アクリル化エポキシド、アクリル化ウレタン、アクリル化ポリエステル、アクリル化ポリエーテル、アクリル化油、およびアクリル化シリコーンなどのアクリレート(アクリレートおよびメタクリレート);ビニルエーテルモノマーまたはオリゴマー;ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール、ウレタンアルキドポリマーなどのアルキドポリマー、ポリエステルポリマー、反応性ウレタンポリマー、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)などのヒドロキシブチレート、レゾールおよびノボラック樹脂などのフェノール系ポリマー、フェノール/ラテックスブレンド、ビスフェノールエポキシ樹脂などのエポキシポリマー、イソシアネート、イソシアヌレート、アルキルアルコキシシランポリマーを含むポリシロキサンポリマーが挙げられる。得られるポリマーシートまたは膜は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはこれらの組み合わせであってもよい。アミノプラスト結合剤前駆体は、一分子またはオリゴマー当たり少なくとも一つのペンダンドアルファ、ベータ不飽和カルボニル基を有する。研磨パッドの加水分解および熱安定性は、材料により異なる。熱安定性については、研磨前にパッドを硬化させることが重要である。加水分解安定性に関しては、開口網状構造であることに加え、完全に硬化させることにより、寸法変化から生じる悪影響を制限することができる。同様に、多孔性基材は、長時間の水への曝露による寸法変化を一部吸収することができる。
【0017】
細長チャネルは、ポリマーシートまたは膜の厚さ全体にわたって延在して開口網状研磨パッドを形成する。この網状物は、硬化性ポリマーシートまたは膜の層を一つ以上含むことができる。特徴部間の距離が100ミクロン未満の研磨層などの微細な模様の場合、上記網状物は、二つ以上の硬化層を含むことが好ましい。特徴部間の距離が100ミクロン超の研磨層などの粗い模様の場合、上記網状物は、基層上に単一の硬化層を含むことが好ましい。
【0018】
本発明の方法においては、連続プロセス、半連続プロセスおよびバッチプロセスのいずれにも適した複数の工程が使用される。好ましくは、本発明の方法は、ロールからロールへと連続または半連続的に処理されるプロセスとして行われる。図1を参照すると、硬化性ポリマーシートまたは膜12のロール10は、光硬化性、熱硬化性または超音波硬化性ポリマーなどの硬化性材料からなる。ポリエチレンテレフタレート膜などのバッキング層15(図2)が硬化性ポリマーシートまたは膜12を支持している。
【0019】
次に、膜をフォトマスク(図示せず)または他のパターン形成装置を介してエネルギー源14に曝露することにより、研磨層としてのパターンが形成される。この研磨層は、最終的にはチャネルを形成する細長部位を含む。平行方向チャネルを積層することによる利点として、積層された層間においてチャネルを90度の角度で容易にシフトさせることが可能である。有利には、回転角度を80〜100度とすることにより、層が十分に支持される。しかしながら、円形、螺旋形、湾曲螺旋形および低スラリーチャネルは、研磨層を積層するためにオフセットを必要とする。エネルギー源は、光または電磁放射線などの放射線、超音波(機械的)エネルギーまたは熱エネルギーであり得る。最も好ましいエネルギー源は、パラボラ反射鏡などの視準器もしくは装置に接続されたメタルハライドもしくはキセノンランプ、またはレーザー光ビームである。光源に素早く曝露(露光)することで、光硬化性ポリマーが硬化される。通常、光への曝露(露光)で部分的に硬化され、熱への曝露で最終的に硬化される。
【0020】
フォトマスクまたはcomputer−to−screen装置などの他のパターン形成装置(例えば、限定はされないが、SwitzerlandのSigntronic,AGから入手可能なStencilmaster、USAのKiwo,Inc.から入手可能なthe Screensetter、またはSwitzerlandのLuscher,AGから入手可能なthe Xpose)を使用することにより、複数のテクスチャー(織地構成)パターンの組み合わせを形成することが可能となる。例えば、平行、X−Y座標、円形、螺旋形、湾曲螺旋形、放射状、低スラリーまたはこれらのパターンの組み合わせなどの、あらゆる公知の溝パターンに対応するチャネルを製造することが可能である。最も有利なパターンは、研磨用途および要求される研磨層に依存する。さらに、様々なサイズのチャネル、および複数の層を貫通して延在するマクロチャネルを製造することが可能である。チャネル間隔は、パッドの物性、使用される研磨液の種類、および研磨されるウェーハの特性に依存する。層と層との分裂が最小限で一定の研磨を行うために、チャネルは、有利には平行方向チャネルである。さらに、重ね合わせを用いれば、二つ以上の層を重ね合わせて積層することにより深いチャネルを製造することが可能となる。また、積層の際は、奇数番目の層を重ね合わせ、偶数番目の層を重ね合わせることが有利である。これにより、最上層から最下層の研磨性を均一にすることが容易となる。これらの交互に積層された層が平行方向チャネルを構成する場合、隣接するポリマーシート間の細長チャネルと細長チャネルとの間に直交関係があることが有利である。例えば、この関係は、図5〜12に示されている。
【0021】
硬化後、曝露したポリマーシートまたは膜は現像ステーション16に送られ、未硬化ポリマーを除去する。現像ステーション16は、未硬化ポリマーを溶解および除去するために、水などの適当な溶媒を用いることができる。現像ステーションの代表例としては、水溶性ポリマーを除去する超音波浴またはウォータージェット18がある。一部のポリマーに対しては有機溶媒が適しているが、未硬化ポリマーは、水系溶媒および水で容易に素早く溶解される。ポリマーを除去すると、シートまたは膜12の厚さ全体にわたって延在する細長チャネルが形成される。未硬化ポリマーを除去した後、ポリマーシートまたは膜12は乾燥器20に通され余剰溶媒を除去し、次に回収ロール30に送られる。
【0022】
回収ロール30は、シートまたは膜12の長さまたは流れ方向に垂直な細長チャネル32を含む。垂直方向チャネルを有するロール30を製造した後、放射線源用マスクを調節または回転させて、次のロールをシートまたは膜12の長さまたは流れ方向と平行にエネルギーに曝露する。次に、シートまたは膜12を洗浄ステーション16および乾燥器20に通すことにより、細長チャネル36を含む回収ロール34が製造される。この細長チャネル36は、シートまたは膜12の長さまたは流れ方向と平行である。
【0023】
垂直方向チャネルロール30および平行方向チャネルロール34を製造した後、次の工程において、ロールなどの供給源からの開口網状基材40を付け加える。開口網状基材40は、織りまたは不織構造を有していてもよい。有利には、開口網状基材は、研磨プラテンへの装着用の感圧接着剤層を含む。圧縮性を得るために、開口網状基材が、圧縮を可能とする十分な多孔度を有していることが重要である。この圧縮性により、反りのある、または非平坦なウェーハを研磨することが容易となる。垂直ロール30を開口網状構造に接着するために、ジェット42がロール30の曝露表面および開口網状基材40の上面に対して噴射を行う。ピンチローラー44およびその次の乾燥器46によって材料が互いに接着される。次に、剥離ローラー48によってバッキング層15が除去される。例として、垂直方向チャネルシートまたは膜および開口網状基材は、必要に応じて設けられる反転ローラー50に通され、シートまたは膜が裏返される。次に、スチームジェット52およびピンチローラー54を使用して平行方向チャネルロール34から供給することにより、垂直方向チャネル32(図1)を平行方向チャネル36(図1)と組み合わせる。次に、乾燥器56によって接着を固定し、ピンチローラー58によってバッキング層15を開口網状研磨パッド材60から剥離する。最後に、開口網状研磨パッド材60を連続オーブンにより、またはロールごとバッチオーブンにより硬化させ、材料の最終物性を定める。開口網状研磨パッド材60をこのように最終的に硬化させた後、パッド材をカットして円形研磨パッドなどの適当な形状およびサイズの研磨パッドを製造することができる。
【0024】
単一の研磨層を製造する場合、上記方法において平行方向チャネルロール34を付け加える工程を省略する、または平行方向チャネルロール36を付け加える工程を省略するが、複数のロールを重ね合わせて付け加える工程、例えば複数の垂直ロール30を付け加えて、続いて交互に平行ロール34を付け加えるなどの工程が行われる。種々のチャネル形状を有する複数のチャネルロールを重ね合わせて付け加えることが可能である。単に垂直および平行方向チャネルを所望の層数まで交互に配置することにより、層の数を増やすことが可能である。円形、螺旋形、湾曲螺旋形および低スラリーチャネルの場合、ロール間でチャネルをオフセットすることが必要である。例えば、各オフセット層は、隣接する層を支持するように研磨パッド面内に離間された中心軸を有する。
【0025】
必要に応じて、現像ステーション16および乾燥器20を、最後のロールが付け加えられる後の位置に移動させることが可能である。このプロセスにより、未硬化ポリマーを単一工程で除去することが可能となる。このプロセスはより効率が高いが、各ロールを個別に現像または部分的に硬化させることにより、最終的に得られる研磨層の均一性および外観を向上させることができる。例えば、部分的に現像または硬化することにより、シートまたは膜12の垂れ下がりを抑えることができる。
【0026】
図3を参照すると、垂直ロール30を一つ以上の平行ロール34と組み合わせて、開口網状基材を有さない研磨基材70を形成することができる。このプロセスにおいて、垂直ロール30と第1平行ロール34とをスチーム72により、ピンチローラー74および76ならびに乾燥器78を使用して組み合わせる。乾燥後、この方法において、サイドローラー82を用いて第1バッキング層80を剥離する。バッキング層80を除去した後、基材は第2平行ロール34へと送られ、そこでローラー86および88ならびに乾燥器90を用いて、棒部を90度でクロスさせた状態で垂直ロール34を基材に固定する。乾燥後、サイドローラー92により第2バッキング層94を除去する。最終的に得られた研磨基材70は、支持体としての第3バッキング層96を含む。研磨基材70を適当なサイズにカットした後、バッキング層96を除去して研磨基材70を研磨プラテン(図示せず)に固定することが可能であり、あるいは、バッキング層96を残したままバッキング層96を研磨プラテンに固定することが可能である。
【0027】
図4を参照すると、光硬化性膜110のロールは、登録工程間膜移動ユニット114aおよび114bを使用して描画ユニット112に通される。描画ユニット112では、工程Aで、二つの離間した領域が45度の角度で曝露される。これら二つのユニットは、ユニット長の半分の長さにおいて曝露を行う。工程Aの後、工程間膜移動ユニット114および116を使用して、光硬化性膜110を工程Bで1/4長の距離だけ進める。次に、工程Cで、描画ユニットは、ユニット長の残りの半分を曝露する。工程Cの後、光硬化性膜110は、一ユニット長の全長を進み、上記三工程プロセスを繰り返し行う準備がなされる。バッファーローラー116は、光硬化性膜110の全体の速度を一定の速度に調節する。次に、膜110は、現像ユニット118に送られ、ここでウォータージェットにより未曝露ポリマーを除去する。最後に、乾燥ユニット120でポリマー膜110を硬化させ、ロール122に硬化ポリマー膜を回収する。
【0028】
組立ユニット130において、硬化膜122a、122b、122cおよび122dの四つのロールが組み合わされて研磨基材132が形成される。このユニットでは、連続したローラーおよび水またはグルー剤などの接着剤を用いて硬化膜122a、122b、122cおよび122dが固定され、バッキング層134のうち一つを残して全てが除去される。組立ユニット130の後、膜は研磨作業での使用に適したサイズにカットされる。
【0029】
二を超える数の層を積層する場合、有利には、積層される奇数番目および偶数番目の層は、それぞれ重ね合わされる。重ね合わせ法は、光硬化性膜を打ち抜き、ピンを有する定規を用いて膜を互いに整合させることに基づいて行われる。第1および第3(さらには次の奇数番目の)層は、同一の向きおよび同一のパンチャーで打ち抜き、打ち抜き孔の相対位置が確実に固定されるようにする。第2および第4(さらには次の偶数番目の)層も同様に打ち抜かれるが、90度回転させた向きで打ち抜かれる。次に、光硬化性ポリマーの各対を、上記ピン定規で打ち抜いたフォトマスクを用いて曝露することにより、ライン状パターンの相対位置が同一の状態で各曝露が行われる。この結果、一層おきの膜の間で線が良好に重ね合わされたパターンが良好に再現される。偶数番目の層も、90度回転させたピン定規およびマスクを用いて同様の方法により処理される。最後に、上記定規を再度用いて、ライン状パターンの層間相対位置を固定して保ちながら組立を行う。
【実施例】
【0030】
一連の13個の実施例により、光硬化性シートまたは膜を使用可能な研磨材料に加工する方法を説明する。一連の10個の実施例により、本発明のプロセスにより達成される製造上の柔軟性を説明する。実施例の概要を下記表1に示す:
【0031】
【表1】
【0032】
試験した材料には、下記表2に示す曝露時間が使用された。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例1
本実施例は、開口網状基材および光硬化性膜を用いた開口網状パッドの形成に関する。まず、織りポリエステル繊維205メッシュ(75.5μm)基材をアルミニウムフレーム上で20N/mで張り渡らせて、基材からしわを取り除く。有利には、市販のスクリーン印刷用脱脂剤によりポリエステル基材を洗浄および脱脂して、埃や染みを除去する。埃や染みは、光硬化性膜と織り基材のポリエステル繊維との間の良好な接触を妨げる可能性があるため、これらを除去することは重要である。次に、織り基材を浄水で濡らし、十分に傾けて余剰の水を流し落とした。次に、入手した時点でマイラーポリエチレンテレフタレート保護シートに取り付けられていたUlanoの光硬化性膜CDF QT50をロールから出し、光硬化性膜の保護されていない側を外側に向けた。上記ロールを織り基材の上面に当て、適度な圧力をかけながら下方向にロール出しを行った。この圧力と織り基材の濡れた表面とが組み合わさり、両部材が仮接着される。この仮接着により、部材を運搬する際に固定するのに十分な“グリーン強度”を有する組立品が形成される。この組立品を35℃で1時間、空気中で乾燥させ、マイラーPET保護膜を剥離した。織りメッシュと反対側の光硬化性膜の表面を、不透明マークを有する透明なマイラーシートであるフォトマスクと接触させ、光源に曝露した。表2に示す曝露時間は、膜を硬化するのに十分であった。紫外光源は、Nuarc製曝露ユニットMSP3140UVのメタルハライドランプであり、ピッチおよびスペースなどの特定グラフィックデザインのライン状パターンを有するInfinite Graphics製フォトマスクを介して45秒間曝露を行った。次に、水道水を入れた呼び圧力1500psi(10.3MPa)の電圧洗浄機を用いて、層を現像した。最も有利には、上記洗浄は、脱イオンおよびろ過した水で行った。次に、この組立品を35℃で1時間、十分に乾燥させた。引き続き、複数の工程を同様に行うことにより層を形成した。1)光硬化性膜を水道水に10秒間浸漬させて水を均等に被覆させ、その後すぐにライン状パターンの表面にラミネートした。最も有利には、上記浸漬は、脱イオンおよびろ過した水で行った。2)組立品を35℃で1時間乾燥させて、積層部材を固定した。3)積層部材を乾燥および固定させた後、描画および現像により、複数の層を固定化した。描画工程において、細長部位を90度回転させて、複数の部位で支持を確実に行った。4)第2層を付け加えた後、垂れ下がりを抑えるために35℃で1時間乾燥させて、部分的に硬化または現像させた。部分的に硬化または現像させることで、次の層を積み重ねるための安定した土台が形成された。乾燥した土台は、その土台上に新たに追加して塗布される湿潤層と、より良好に接着する。織り基材上に載置された開口網状体の最終品を図5に示す。
【0035】
実施例2
本実施例は、開口網状基材の形成に接着剤を用いた開口網状パッドの形成に関する。特に、この方法においては、光硬化性ポリマー膜を織りメッシュ基材にグルー剤で接着することにより構造化パッドを製造する。織りポリエステル繊維305メッシュ(56.6μm)をアルミニウムフレーム上で15〜20N/mの間で張り渡らせて、この基材からしわを取り除いた。市販のスクリーン印刷用脱脂剤によりポリエステル基材を洗浄および脱脂して、埃や染みを除去した。この洗浄工程により、織りメッシュと光硬化性膜とを接触、およびその後接着させることが容易となった。次に、Ulanoの光硬化性膜CDF QT50(約60μm厚)を織り基材の上面に置き、縁部をポリエステル織り基材またはアルミニウムフレームにテープ留めした。念のため、次の工程での漏出を防止するために織り基材の残りの部分をテープ留めした。次の工程において、適量のフォトエマルジョンをメッシュの片側に塗布した。次に、フォトエマルジョンの液塊を上から下へ押し込んだ。このフォトエマルジョンは、照射による架橋を早めるためにジアゾ感光剤を適量添加した感光性Ulano QLTである。スキージによって押し下げることにより、エマルジョンをポリエステル織り基材の孔に充填し、他の光硬化性膜にテープ留めされた複数の光硬化性膜と接触させた。この組立品を35℃で1時間放置乾燥させた。次に、光硬化性ポリマー膜のポリエチレンテレフタレート保護シートを剥離した。次に、表2および実施例1で記載した曝露時間を用いて組立品を50秒間曝露し、引き続き、同様に現像および乾燥させた。未曝露フォトエマルジョンを水の作用により洗い流し、織り基材に残った架橋フォトエマルジョンにより、織り基材に対して光硬化膜を固定化した。織り基材上に載置された開口網状体の最終品を図6に示す。
【0036】
実施例3
厚さ約100μmの光硬化性膜SaatiChem Thik Filmを用いて、曝露時間120秒で実施例2と同様の方法により基層を製造した。引き続き、複数の工程により光硬化性膜の層を付け加えた。まず、第2光硬化性膜の層をラミネートするために、光硬化性膜とこの第2層との間の界面を濡らした。最も重要な点は、第2光硬化性膜の表面に水を均一に吸収させることである。
【0037】
水の噴射によっては十分に良好な結果が得られなかったが、光硬化性膜を水中に8〜10秒間完全に浸漬させることにより、第2光硬化性層を均一に接着させるための均一な濡れおよび十分な吸収が得られた。この湿式ラミネート化の後、組立品(フレーム上の織りメッシュおよび二つの層)を35℃で1時間乾燥させた。次に、第2層のマイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを剥離し、表2に記載する曝露時間を用いてこの層を、第1層に対して90度回転させたマスクを介してUV光に曝露(露光)した。次に、第2光硬化性ポリマー膜を、第1層と同様に電圧洗浄機を用いて現像し、35℃で1時間放置乾燥させた。
【0038】
実施例4
厚さ約110μmの光硬化性膜Ulano CDF QT100を用いて、実施例2と同様の方法により基層を製造した。引き続き、複数の工程により光硬化性ポリマー膜Ulano CDF QT100を付け加えた。1)第2光硬化性ポリマー膜を、曝露ユニットNuarc MSP 3140 UVのガラスプレート上に、光硬化性側の面を上に、マイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを下にして置いた。2)次に、ポリエステル織りメッシュに取り付けた基層を、曝露ユニットNuarc UV内の光硬化性ポリマー膜の上方に置き、大型スペーサーにより上方に保持した。次に、この組立品の両面に、市販の水蒸気洗浄機を用いて50秒間スチームを噴射し、互いにラミネートした。組立品の配置により、上記二つの部材を一体にし、曝露ユニットの真空ゴム膜(vacuum rubber membrane)によって二層間に均一な圧力を60秒間付加することが可能であった。3)次に、真空を開放し、組立品を装置から取り出して35℃で1時間乾燥させた。4)次に、表2に記載の曝露時間を用いて第2層を曝露し、実施例3と同様に現像および乾燥させた。5)第2層に対して用いた工程を繰り返すことにより、引き続き層をラミネートした。
【0039】
実施例5
厚さ約110μmの光硬化性ポリマー膜Ulano CDF QT100を用いて、実施例2と同様の方法により基層を製造した。引き続き、光硬化性ポリマー膜Ulano CDF QT100の層を以下のように付け加えた。第2光硬化性ポリマー膜を、表2に示した曝露時間を用いてフォトマスクを介して曝露し、その保護シートとともに現像した。このパターン化した光硬化性ポリマー膜を、光硬化性ポリマーの面を上に、マイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを下にして平坦台の上面に置いた。次に、ポリエステル織り基材に取り付けられた基層を、光硬化性膜の面を上にして、第2層の隣に置いた。次に、この組立品の両面に光硬化性膜硬化剤Ulano hardener Dを噴射した。次に、曝露ユニットNuarcの真空ゴム膜により二層間に均一に圧力を60秒間付加して、これら二つの部材を曝露ユニットの真空膜システム内で互いにラミネートした。次に、真空を開放し、組立品を装置から取り出して35℃で1時間乾燥させた。第2層に対して用いた上記工程を繰り返すことにより、引き続き、層を製造しラミネートした。織り基材に載置された開口網状体の最終品を図7に示す。
【0040】
実施例6
厚さ約60ミクロンの光硬化性膜Ulano CDF QT50を用いて、表2に示す曝露時間で、実施例2と同様の方法により基層を製造した。工程を変更させて、光硬化性膜Ulano CDF QT50の層を引き続き付け加えた。1)光硬化性膜を平坦に置き、アルミニウムフレーム中で張った織りポリエステル繊維200メッシュ(74μm)を用いて、光硬化性Ulano QTXフォトエマルジョンの薄膜を堆積させた。2)フォトエマルジョンを、上記メッシュを通過させて押し込み、何も付いていない光硬化性ポリマー膜を、ゴムローラーにより軽い圧力を付加しながらラミネートした。光硬化性ポリマーおよび液状のフォトエマルジョンの間に適度な圧力を与えて密着させた。しかしながら、過度の圧力をかけると、棒部と表面との間の接触領域から多量のフォトエマルジョンが押し出されてしまう可能性がある。よって、このプロセスでは、減圧を用いた。3)次に、この組立品を35℃で1時間乾燥させ、表2に示す曝露時間を用いて曝露し、実施例1と同様に現像および乾燥させた。4)第2層に対して用いた工程を繰り返すことにより、引き続き、層をラミネートした。
【0041】
実施例7
本実施例の基層は、Dalton,MAのCrane and Co.,Inc.から入手した不織ポリエステルシート材CU632UFである。200メッシュ(74μm)のポリエステル織り繊維を有するスクリーン印刷フレームを用いて、上記不織繊維材の表面にElmer(登録商標)の万能グルー剤を塗布した。不織シートおよびElmer(登録商標)の液状グルー剤の上にアルミニウムフレームを置くことにより、メッシュ領域の上部にグルー剤を分配させた。次に、スキージによりグルー剤をメッシュの孔から押し出し、フレームを表面から取り除いた。得られたグルー剤の薄層上に、表2に示す曝露時間を用いて曝露・現像したMurakami(Japan)の光硬化性ポリマー膜MS100からなる光硬化性ポリマーの表面を軽く押圧した。この組立品を、35℃で1時間放置乾燥させ、MS100の保護シートを剥離した。Elmerの万能グルー剤を同様の方法で堆積させて、第1層に第2層を接着させた。不織基材上に載置された開口網状体の最終品を図8に示す。
【0042】
実施例8
厚さ約100μmの光硬化性膜Ulano CDF QT 100を、表2に示す曝露時間を用いてフォトマスクを介して曝露し、水道水を用いた電気洗浄機により現像し、乾燥キャビネット内の空気中で、35℃で1時間乾燥させた。200メッシュ(74ミクロン)織り繊維およびスキージを用いて、上記のように形成されたライン状パターンの表面上にフォトエマルジョンPhotoemulsion Ulano QLTを堆積させた。スクリーンを膜の表面上に平坦に当て、フォトエマルジョンをこの織り基材から押し出す際に、スクリーンを押圧した。次に、Pellon,Saint Petersburg,FL製のポリエステル不織メッシュ上に光硬化性膜を押圧した。フォトエマルジョンの乾燥が速いため、光硬化性膜をメッシュ上に素早くラミネートする必要があった。次に、この組立品を、35℃で1時間放置乾燥させた。Ulanoの光硬化性膜のマイラーポリエチレンテレフタレート保護バッキングシートを剥離した。不織基材上に載置された開口網状体の最終品を図9に示す。
【0043】
実施例9
厚さ約80μmのChromaline Magnacure 70(登録商標)を光硬化性膜とした。表2に示す曝露時間を用いて、各層を実施例2と同様の方法により描画および現像した。実施例7と同様の方法により、第1層を基材に取り付けた。第2層およびそれ以降の層は、Ulano hardener D(登録商標)を用いて実施例5と同様の方法により一体化させた。
【0044】
実施例10
厚さ100μmのMurakami(Japan)MS100(登録商標)を光硬化性膜とし、表2に示す曝露時間を用いて曝露した。実施例7と同様の方法により、第1層を基材に取り付けた。第2層およびそれ以降の層は、Murakami hardener AB(登録商標)を用いて実施例5と同様の方法により一体化させる。
【0045】
実施例11
二つの光硬化性ポリマー膜Fotec Topaz 50を、表2に示す曝露時間を用いてフォトマスクを介して曝露し、その保護シートを下側に固定させた状態で現像した。パターン化した光硬化性膜を、曝露膜の面を上に、マイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを下にして平坦台の上面に置いた。
【0046】
次に、市販のポリマー膜硬化剤であるUlano hardener Dを、この組立品の両側に噴射した。次に、曝露時間を60秒間に設定して、曝露ユニットNuarcの真空ゴム膜により二層間に均一に圧力を付加して、これら二つの部材を曝露ユニットの真空膜システム内で互いにラミネートした。次に、真空を開放し、組立品を装置から取り出して35℃で1時間乾燥させた。第2層に対して用いた上記工程を繰り返すことにより、引き続き、層を製造しラミネートした。ベース基材を用いずに取り付けられた開口網状体の最終品を図10に示す。
【0047】
実施例12
光硬化性膜Ulano CDF QT 100を表2に示す曝露時間を用いて曝露し、各バッキング層を残したまま現像し、35℃で1時間乾燥させた。次に、曝露時間を270秒間に設定して、曝露ユニットNuarcの真空ゴム膜により二層間に均一に圧力を付加して、これら二つの部材を曝露ユニットの真空膜システム内で互いにラミネートした。次に、真空を開放し、組立品を装置から取り出した。このサンドイッチ構造をガラスプレート間に置き、この組立品全体をペーパークリップでまとめて保持し、95℃のオーブン中に約16時間放置した。次に、得られた二層構造を、マイラーポリエチレンテレフタレート保護バッキング層から剥離してもよい。固体ベース基材に取り付けられた開口網状体の最終品を図11に示す。
【0048】
実施例13
自立型光硬化性膜を、表2に示す曝露時間を用いて描画し、実施例12の曝露ユニットおよびフォトマスクを用いてポリエチレンテレフタレートマイラー保護シートを残したまま現像した。次に、市販のスチーマーDeluxe Portable Steam Pocket SC650 Sharkを用いて、各層につき50秒間スチームに曝露した。次に、光硬化性膜を互いに軽く押圧し、乾燥キャビネット内で、35℃で一晩放置乾燥させた。次に、マイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを片側から剥離した。表2に示す曝露時間および現像層を用いて、光硬化性膜に対してスチーム曝露工程を繰り返すことにより、追加の層を付け加えることができる。ベース基材を用いずに取り付けられた開口網状体の最終品を図12に示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケミカルメカニカルポリッシング(CMP)用の研磨パッドに関する。詳細には、本発明は、磁性基材、光学基材または半導体基材を研磨するのに使用可能な開口網状研磨パッドの形成方法に関する。
【0002】
集積回路が形成された多層半導体ウェーハは、ウェーハ表面を平滑かつ平坦にするために研磨する必要がある。この研磨作業は、次の層を形成するために表面を平坦にする目的、および研磨を行わない場合に起こると予想される構造歪みの拡大を防ぐ目的のために必要である。半導体メーカーにおいて研磨作業は、複数のCMP工程によって行われている。これらの工程では、化学活性スラリー、または砥粒を含まない研磨液を回転研磨パッドと相互作用させて、ウェーハの表面を平滑化または平坦化している。
【0003】
多くの場合、CMP工程において唯一最大の問題は、ウェーハが傷つくことである。一部の研磨パッドは異物と相互作用することがあり、その結果、ウェーハがえぐられる、またはウェーハに傷がつく。例えば、この異物との相互作用により、TEOS絶縁体などの硬質材料にチャッターマーク(擦傷)が生じる可能性がある。本明細書において、TEOSはテトラエチルオキシシリケートの分解によって形成される硬質ガラス状の絶縁体を意味する。この絶縁体への損傷は、ウェーハ欠陥の発生およびウェーハ収率の低下につながる可能性がある。CMP工程における他の擦傷に関する問題は、銅配線などの非鉄配線が損傷することである。パッドが配線を過度に深く傷つけた場合、半導体が正常に機能しなくなる程度まで配線の抵抗が増加する。極端な場合、研磨により巨大なスクラッチが形成され、ウェーハ全体を破棄することとなり得る。
【0004】
全ての高剛度パッドがウェーハに対して高い擦傷率を有するわけではないが、スクラッチの発生は、研磨パッドの剛度または弾性率とともに増加する傾向がある。研磨パッドメーカーは、欠陥率の低いソフトパッドを開発するために長年にわたり試行錯誤を行ってきた。欠陥率を向上させるために、組成および製造技術に着目して努力がなされてきた。パッドメーカーは欠陥率の向上を続けているが、産業においては、最新の研磨パッドの欠陥率をさらに継続的に低く抑えることが求められている。Cook et al.は米国特許第6,036,579において、ソフトパッドを製造するための光硬化プロセスを記載している。このプロセスでは、液状の光硬化性ポリマーを固体ポリマー膜に塗布し、光硬化性ポリマーを光に曝露(露光)して、フォトマスクを介して、またはパターン状に直接的に決定される選択ランド領域を硬化または架橋している。パターン状に直接行う例としては、例えば、computer−to−screen技術などのダイレクトレーザー紫外光が挙げられる。パッドをフォトマスクを介して、またはパターン状に直接曝露した後、未曝露ポリマーを水洗して除去し、溝を形成する。これらのパッドは平坦化を容易とする固体ポリマー基材層を含んでいるが、最も要求の厳しい用途での欠陥発生を低減するために必要な圧縮性を有していない。さらに、これらのパッドは、要求の厳しいCMP用途において十分な研磨均一性をもたらすことが不可能である。特に、水の吸収により研磨パッドの寸法安定性が非常に不安定となり、パッドがすぐに使えなくなる傾向がある。
【0005】
欠陥率を低下させるための他の試みとして、研磨パッドの物性を変化させることがある。例えば、基材表面または接触領域と相互作用する研磨パッドの表面粗さを増加させることにより、欠陥を低減することができる。接触面積を増加させることにより、基材表面に下向きにかかる平均研磨応力が低下し、欠陥が低減される。このことは原理的には単純に思えるかもしれないが、多くの場合において困難な目標である。例えば、研磨速度を低下させることなく表面積と十分な模様との最適なバランスを達成するために、ポリマー微小球と凝集ポリウレタンとの組み合わせを有するパッドを製造することが可能である。あるいは、織り構造は基材表面との表面相互作用を大きくすることができるが、これらの構造は、均一に研磨を行うためには断面の均一性が不十分である場合が多い。
【0006】
低い欠陥率に加えて、研磨パッドは、温度変化の小さい一定の研磨性能を可能とするために、熱安定性も有していなくてはならない。通常、研磨パッドは、温度上昇とともに軟質化する。しかし、パッドの軟質化は、多くの場合、除去率の低下につながる。よって、研磨パッドの物性は、温度による悪化が最小限でなければならない。
【0007】
平坦化、除去率および欠陥率の全てにおいて改善された研磨パッドが産業的に求められている。さらに、超低欠陥率の研磨パッドにおいてこれらの物性を備えた研磨パッドが求められている。最後に、寸法安定性を有し、要求の厳しい研磨条件下において研磨性が過度に低下することなく長期にわたって使用可能な、ソフトなテクスチャー(織地構成)を有する研磨パッドが求められている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、下記の工程を含む、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法を提供する:a)光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシートまたは膜を準備する工程であって、この第1および第2ポリマーシートまたは膜が、所定の厚さを有する工程;b)前記第1および第2ポリマーシートをエネルギー源に曝露して、第1および第2ポリマーシートに曝露パターンを形成する工程であって、この曝露パターンが、前記エネルギー源に曝露された細長部位を有し、前記曝露が、前記光硬化性ポリマーを硬化させるのに十分な曝露時間で行われ、前記曝露時間が、近傍の細長部位がいっしょに硬化されない長さである工程;c)曝露した第1および第2ポリマーシートからポリマーを除去して、第1および第2ポリマーシートの全体にわたって、曝露パターンに対応したチャネルパターン状に細長(く延伸される)チャネル(溝)を形成する工程であって、前記細長チャネルが第1および第2ポリマーの厚さ全体にわたって延在している工程;d)前記第1および第2ポリマーシートを接合して研磨パッドを形成する工程であって、前記第1および第2ポリマーシートのパターンが、第1ポリマーシートが第2ポリマーシートを支持する形で、ならびに第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが平行面同士が接合する形でクロスしており、これにより前記ポリマーシートの一方が研磨面を形成している積層開口網状研磨パッドが形成される工程;およびe)前記第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、前記積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドを固定化する工程。
【0009】
他の実施形態において本発明は、下記の工程を含む、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法を提供する:a)光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシートまたは膜を準備する工程であって、この第1および第2ポリマーシートまたは膜が、所定の厚さを有する工程;b)前記第1および第2ポリマーシートをエネルギー源に曝露して、第1および第2ポリマーシートに曝露パターンを形成する工程であって、この曝露パターンが、前記エネルギー源に曝露された細長部位を有し、前記曝露が、前記光硬化性ポリマーを架橋させるのに十分な曝露時間で行われ、前記曝露時間が、近傍の細長部位がいっしょに架橋されない長さである工程;c)曝露した第1および第2ポリマーシートから水溶液によってポリマーを除去して、第1および第2ポリマーシートの全体にわたって、曝露パターンに対応したチャネルパターン状に細長チャネルを形成する工程であって、前記細長チャネルが第1および第2ポリマーの厚さ全体にわたって延在している工程;d)前記第1および第2シートを乾燥させて水溶液を除去し、第1および第2シートを部分的に硬化させる工程;e)前記第1および第2ポリマーシートを接合して研磨パッドを形成する工程であって、前記第1および第2ポリマーシートのパターンが、第1ポリマーシートが第2ポリマーシートを支持する形で、ならびに第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが平行面同士が接合する形でクロスしており、これにより前記ポリマーシートの一方が研磨面を形成している積層開口網状研磨パッドが形成される工程;およびf)前記第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、前記積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドを固定化する工程であって、前記直交関係が、80〜100度の角度である工程。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、仕上原料を形成する連続法を示す概略図である。
【図2】図2は、仕上原料を開口網状研磨パッド材へ加工する連続法を示す概略図である。
【図3】図3は、開口網状バッキング層を用いずに仕上原料を開口網状研磨パッド材へ加工する連続法を示す概略図である。
【図4】図4は、光硬化性ポリマーに登録描画を行う様子、および四つの現像層を組み合わせるための組立ユニットを示す概略図である。
【図5】図5は、実施例1によって製造された、織り基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図6】図6は、実施例2によって製造された、織り基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図7】図7は、実施例5によって製造された、織り基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図8】図8は、実施例7によって製造された、不織基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図9】図9は、実施例8によって製造された、不織基材上に形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図10】図10は、実施例11によって製造された、ベース基材を用いずに形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図11】図11は、実施例12によって製造された、固体ベース基材を用いて形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【図12】図12は、実施例13によって製造された、ベース基材を用いずに形成された開口網状研磨パッドのSEMである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な開口網状研磨パッドの形成方法を提供する。特に、本発明は、硬化性ポリマーのポリマーシートまたは膜を用いる。本発明の方法において、硬化性ポリマーをエネルギー源に曝露して曝露パターンを形成する。この曝露パターンは、細長部位を含む。次に、ポリマーシートを開口網状構造に取り付ける。上記プロセスでは、中間構造体である曝露したポリマーシートまたは膜から、近傍のポリマーを水などの溶媒を用いて除去する。上記プロセスでは、ポリマーシートを取り付けた後にポリマーシートまたは膜のバッキング層を除去し、溶媒およびポリマーを上記開口網状基材を通過させて送出する。あるいは、上記プロセスでは、ポリマーシートまたは膜を開口網状基材に取り付ける前に、バッキング層をポリマーシートに取り付けた状態でポリマーを溶媒により除去する。これにより、細長チャネルがポリマーシートまたは膜の全体にわたって、曝露パターンに対応したテクスチャー(織地構成)パターン状に形成される。この方法によれば、単一研磨層パッド、またはポリマーシートを二層以上積層させた多層パッドを形成することが可能である。
【0012】
まず複数のポリマーシートを固定して中間体積層シート構造を形成し、次にこの中間構造体を多孔性基材に付け加えることによって、または複数のシート層を多孔性基材に順次付け加えることによって、開口網状構造を固定化することが可能である。これらの実施形態において、多孔性基材により、非平坦なウェーハまたはウェーハ内の研磨困難な部位を研磨することを容易とする、柔軟性が向上した研磨パッドを提供することができる。多孔性基材に複数のシート層を順次付け加える際、上記方法は、それぞれバッキング層を有する少なくとも第1および第2ポリマーシートまたは膜を曝露し;第1層を多孔性基材に取り付け;第2層を第1層に取り付け、この第2シートまたは膜を第1シートまたは膜に取り付ける前に第1シートまたは膜からバッキング層を除去することを含む。層を順次付け加える前にバッキング層を除去することにより、網状物をなす複数の層の間に開放チャネルを形成することが可能となる。より大きいサイズの開口網状体を作製する際には、先に取り付けられた層のバッキング層を除去することにより、次のポリマーシートまたは膜を配置する開放チャネルが提供される。最後の、または最外のポリマーシートまたは膜が研磨面を形成する。
【0013】
必要に応じて、多孔性基材を用いずに研磨パッドを製造することが可能である。この場合のプロセスでは、第1および第2ポリマーシートを曝露した後に取り付けることにより、研磨パッドが形成される。第1および第2ポリマーシートのパターンをクロスさせ、第1ポリマーシートに第2ポリマーシートを支持させる。また、第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが接合し、積層開口網状研磨パッドを形成する。ここで第1層は、研磨プラテンへの装着用の基層を形成する。基層は、接着剤、または最も有利には両面感圧接着剤によって研磨層に取り付けることができる。この構造は、最上層から最下層まで均一な物性を有し、パッドの剛度および平坦性を改善することができるという利点を有する。
【0014】
さらに、上記方法は、複数の溶媒曝露および乾燥工程、または単一の洗浄および乾燥工程のいずれかを含む。微細なチャネルまたは模様を形成するプロセスにおいては、層を複数の工程で現像することが有利である。この方法において、ポリマーシートまたは膜を開口網状基材に取り付ける前に、バッキング層をポリマーシートに取り付けた状態でポリマーを水などの溶媒によって除去する。さらに、ポリマーシートまたは膜を取り付ける前に、ポリマーシートまたは膜を乾燥させることが有利である。この乾燥は、ポリマーシートまたは膜を部分的に硬化させるという利点をもたらすことができる。大きいサイズのチャネルでは、溶媒によってポリマーを多孔性基材に通過させて除去して、ポリマーを単一工程で現像することが可能である。
【0015】
現像後、積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドが固定化される。一を超える数のポリマーシートまたは膜を固定化させる場合、垂れ下がりを抑えるために、第1および第2シートが十分な剛度を有することが重要である。ポリマーシートまたは膜を部分的に硬化させることによって、垂れ下がりを抑えることができる。さらに、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係が形成されることが重要である。過度に曝露が行われた場合、ポリマーシートのチャネルは埋まってしまう。曝露が不十分な場合、複数のシート層の間において曲がりや垂れ下がりが生じる。曝露および硬化が適切であれば、層により直交構造が形成される。直交網状構造は、垂直方向チャネル側壁、ならびにポリマーシートの水平上面および底面を有する。層を特定の温度で所定の時間、例えば0.5〜4時間硬化させることにより、機械的特性が固定化される。研磨は100℃を超える温度で行われることがあるため、パッドを使用中に硬化させるよりも、ポリマーを使用前に硬化させることが有利である。
【0016】
上記ポリマーシートまたは膜は、硬化性有機材料(すなわち、光エネルギー、機械エネルギー、熱エネルギーまたは他のエネルギー源に曝露することにより重合または架橋可能なポリマーサブユニットまたは材料)内に感エネルギー性結合剤を含む。感エネルギー性結合剤の例としては、アルキル化尿素−ホルムアルデヒドポリマー、メラミン−ホルムアルデヒドポリマー、およびアルキル化ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒドポリマーなどのアミノポリマーまたはアミノプラストポリマー;アクリル酸アルキル、アクリル化エポキシド、アクリル化ウレタン、アクリル化ポリエステル、アクリル化ポリエーテル、アクリル化油、およびアクリル化シリコーンなどのアクリレート(アクリレートおよびメタクリレート);ビニルエーテルモノマーまたはオリゴマー;ポリビニルアルコールなどのビニルアルコール、ウレタンアルキドポリマーなどのアルキドポリマー、ポリエステルポリマー、反応性ウレタンポリマー、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)などのヒドロキシブチレート、レゾールおよびノボラック樹脂などのフェノール系ポリマー、フェノール/ラテックスブレンド、ビスフェノールエポキシ樹脂などのエポキシポリマー、イソシアネート、イソシアヌレート、アルキルアルコキシシランポリマーを含むポリシロキサンポリマーが挙げられる。得られるポリマーシートまたは膜は、モノマー、オリゴマー、ポリマー、またはこれらの組み合わせであってもよい。アミノプラスト結合剤前駆体は、一分子またはオリゴマー当たり少なくとも一つのペンダンドアルファ、ベータ不飽和カルボニル基を有する。研磨パッドの加水分解および熱安定性は、材料により異なる。熱安定性については、研磨前にパッドを硬化させることが重要である。加水分解安定性に関しては、開口網状構造であることに加え、完全に硬化させることにより、寸法変化から生じる悪影響を制限することができる。同様に、多孔性基材は、長時間の水への曝露による寸法変化を一部吸収することができる。
【0017】
細長チャネルは、ポリマーシートまたは膜の厚さ全体にわたって延在して開口網状研磨パッドを形成する。この網状物は、硬化性ポリマーシートまたは膜の層を一つ以上含むことができる。特徴部間の距離が100ミクロン未満の研磨層などの微細な模様の場合、上記網状物は、二つ以上の硬化層を含むことが好ましい。特徴部間の距離が100ミクロン超の研磨層などの粗い模様の場合、上記網状物は、基層上に単一の硬化層を含むことが好ましい。
【0018】
本発明の方法においては、連続プロセス、半連続プロセスおよびバッチプロセスのいずれにも適した複数の工程が使用される。好ましくは、本発明の方法は、ロールからロールへと連続または半連続的に処理されるプロセスとして行われる。図1を参照すると、硬化性ポリマーシートまたは膜12のロール10は、光硬化性、熱硬化性または超音波硬化性ポリマーなどの硬化性材料からなる。ポリエチレンテレフタレート膜などのバッキング層15(図2)が硬化性ポリマーシートまたは膜12を支持している。
【0019】
次に、膜をフォトマスク(図示せず)または他のパターン形成装置を介してエネルギー源14に曝露することにより、研磨層としてのパターンが形成される。この研磨層は、最終的にはチャネルを形成する細長部位を含む。平行方向チャネルを積層することによる利点として、積層された層間においてチャネルを90度の角度で容易にシフトさせることが可能である。有利には、回転角度を80〜100度とすることにより、層が十分に支持される。しかしながら、円形、螺旋形、湾曲螺旋形および低スラリーチャネルは、研磨層を積層するためにオフセットを必要とする。エネルギー源は、光または電磁放射線などの放射線、超音波(機械的)エネルギーまたは熱エネルギーであり得る。最も好ましいエネルギー源は、パラボラ反射鏡などの視準器もしくは装置に接続されたメタルハライドもしくはキセノンランプ、またはレーザー光ビームである。光源に素早く曝露(露光)することで、光硬化性ポリマーが硬化される。通常、光への曝露(露光)で部分的に硬化され、熱への曝露で最終的に硬化される。
【0020】
フォトマスクまたはcomputer−to−screen装置などの他のパターン形成装置(例えば、限定はされないが、SwitzerlandのSigntronic,AGから入手可能なStencilmaster、USAのKiwo,Inc.から入手可能なthe Screensetter、またはSwitzerlandのLuscher,AGから入手可能なthe Xpose)を使用することにより、複数のテクスチャー(織地構成)パターンの組み合わせを形成することが可能となる。例えば、平行、X−Y座標、円形、螺旋形、湾曲螺旋形、放射状、低スラリーまたはこれらのパターンの組み合わせなどの、あらゆる公知の溝パターンに対応するチャネルを製造することが可能である。最も有利なパターンは、研磨用途および要求される研磨層に依存する。さらに、様々なサイズのチャネル、および複数の層を貫通して延在するマクロチャネルを製造することが可能である。チャネル間隔は、パッドの物性、使用される研磨液の種類、および研磨されるウェーハの特性に依存する。層と層との分裂が最小限で一定の研磨を行うために、チャネルは、有利には平行方向チャネルである。さらに、重ね合わせを用いれば、二つ以上の層を重ね合わせて積層することにより深いチャネルを製造することが可能となる。また、積層の際は、奇数番目の層を重ね合わせ、偶数番目の層を重ね合わせることが有利である。これにより、最上層から最下層の研磨性を均一にすることが容易となる。これらの交互に積層された層が平行方向チャネルを構成する場合、隣接するポリマーシート間の細長チャネルと細長チャネルとの間に直交関係があることが有利である。例えば、この関係は、図5〜12に示されている。
【0021】
硬化後、曝露したポリマーシートまたは膜は現像ステーション16に送られ、未硬化ポリマーを除去する。現像ステーション16は、未硬化ポリマーを溶解および除去するために、水などの適当な溶媒を用いることができる。現像ステーションの代表例としては、水溶性ポリマーを除去する超音波浴またはウォータージェット18がある。一部のポリマーに対しては有機溶媒が適しているが、未硬化ポリマーは、水系溶媒および水で容易に素早く溶解される。ポリマーを除去すると、シートまたは膜12の厚さ全体にわたって延在する細長チャネルが形成される。未硬化ポリマーを除去した後、ポリマーシートまたは膜12は乾燥器20に通され余剰溶媒を除去し、次に回収ロール30に送られる。
【0022】
回収ロール30は、シートまたは膜12の長さまたは流れ方向に垂直な細長チャネル32を含む。垂直方向チャネルを有するロール30を製造した後、放射線源用マスクを調節または回転させて、次のロールをシートまたは膜12の長さまたは流れ方向と平行にエネルギーに曝露する。次に、シートまたは膜12を洗浄ステーション16および乾燥器20に通すことにより、細長チャネル36を含む回収ロール34が製造される。この細長チャネル36は、シートまたは膜12の長さまたは流れ方向と平行である。
【0023】
垂直方向チャネルロール30および平行方向チャネルロール34を製造した後、次の工程において、ロールなどの供給源からの開口網状基材40を付け加える。開口網状基材40は、織りまたは不織構造を有していてもよい。有利には、開口網状基材は、研磨プラテンへの装着用の感圧接着剤層を含む。圧縮性を得るために、開口網状基材が、圧縮を可能とする十分な多孔度を有していることが重要である。この圧縮性により、反りのある、または非平坦なウェーハを研磨することが容易となる。垂直ロール30を開口網状構造に接着するために、ジェット42がロール30の曝露表面および開口網状基材40の上面に対して噴射を行う。ピンチローラー44およびその次の乾燥器46によって材料が互いに接着される。次に、剥離ローラー48によってバッキング層15が除去される。例として、垂直方向チャネルシートまたは膜および開口網状基材は、必要に応じて設けられる反転ローラー50に通され、シートまたは膜が裏返される。次に、スチームジェット52およびピンチローラー54を使用して平行方向チャネルロール34から供給することにより、垂直方向チャネル32(図1)を平行方向チャネル36(図1)と組み合わせる。次に、乾燥器56によって接着を固定し、ピンチローラー58によってバッキング層15を開口網状研磨パッド材60から剥離する。最後に、開口網状研磨パッド材60を連続オーブンにより、またはロールごとバッチオーブンにより硬化させ、材料の最終物性を定める。開口網状研磨パッド材60をこのように最終的に硬化させた後、パッド材をカットして円形研磨パッドなどの適当な形状およびサイズの研磨パッドを製造することができる。
【0024】
単一の研磨層を製造する場合、上記方法において平行方向チャネルロール34を付け加える工程を省略する、または平行方向チャネルロール36を付け加える工程を省略するが、複数のロールを重ね合わせて付け加える工程、例えば複数の垂直ロール30を付け加えて、続いて交互に平行ロール34を付け加えるなどの工程が行われる。種々のチャネル形状を有する複数のチャネルロールを重ね合わせて付け加えることが可能である。単に垂直および平行方向チャネルを所望の層数まで交互に配置することにより、層の数を増やすことが可能である。円形、螺旋形、湾曲螺旋形および低スラリーチャネルの場合、ロール間でチャネルをオフセットすることが必要である。例えば、各オフセット層は、隣接する層を支持するように研磨パッド面内に離間された中心軸を有する。
【0025】
必要に応じて、現像ステーション16および乾燥器20を、最後のロールが付け加えられる後の位置に移動させることが可能である。このプロセスにより、未硬化ポリマーを単一工程で除去することが可能となる。このプロセスはより効率が高いが、各ロールを個別に現像または部分的に硬化させることにより、最終的に得られる研磨層の均一性および外観を向上させることができる。例えば、部分的に現像または硬化することにより、シートまたは膜12の垂れ下がりを抑えることができる。
【0026】
図3を参照すると、垂直ロール30を一つ以上の平行ロール34と組み合わせて、開口網状基材を有さない研磨基材70を形成することができる。このプロセスにおいて、垂直ロール30と第1平行ロール34とをスチーム72により、ピンチローラー74および76ならびに乾燥器78を使用して組み合わせる。乾燥後、この方法において、サイドローラー82を用いて第1バッキング層80を剥離する。バッキング層80を除去した後、基材は第2平行ロール34へと送られ、そこでローラー86および88ならびに乾燥器90を用いて、棒部を90度でクロスさせた状態で垂直ロール34を基材に固定する。乾燥後、サイドローラー92により第2バッキング層94を除去する。最終的に得られた研磨基材70は、支持体としての第3バッキング層96を含む。研磨基材70を適当なサイズにカットした後、バッキング層96を除去して研磨基材70を研磨プラテン(図示せず)に固定することが可能であり、あるいは、バッキング層96を残したままバッキング層96を研磨プラテンに固定することが可能である。
【0027】
図4を参照すると、光硬化性膜110のロールは、登録工程間膜移動ユニット114aおよび114bを使用して描画ユニット112に通される。描画ユニット112では、工程Aで、二つの離間した領域が45度の角度で曝露される。これら二つのユニットは、ユニット長の半分の長さにおいて曝露を行う。工程Aの後、工程間膜移動ユニット114および116を使用して、光硬化性膜110を工程Bで1/4長の距離だけ進める。次に、工程Cで、描画ユニットは、ユニット長の残りの半分を曝露する。工程Cの後、光硬化性膜110は、一ユニット長の全長を進み、上記三工程プロセスを繰り返し行う準備がなされる。バッファーローラー116は、光硬化性膜110の全体の速度を一定の速度に調節する。次に、膜110は、現像ユニット118に送られ、ここでウォータージェットにより未曝露ポリマーを除去する。最後に、乾燥ユニット120でポリマー膜110を硬化させ、ロール122に硬化ポリマー膜を回収する。
【0028】
組立ユニット130において、硬化膜122a、122b、122cおよび122dの四つのロールが組み合わされて研磨基材132が形成される。このユニットでは、連続したローラーおよび水またはグルー剤などの接着剤を用いて硬化膜122a、122b、122cおよび122dが固定され、バッキング層134のうち一つを残して全てが除去される。組立ユニット130の後、膜は研磨作業での使用に適したサイズにカットされる。
【0029】
二を超える数の層を積層する場合、有利には、積層される奇数番目および偶数番目の層は、それぞれ重ね合わされる。重ね合わせ法は、光硬化性膜を打ち抜き、ピンを有する定規を用いて膜を互いに整合させることに基づいて行われる。第1および第3(さらには次の奇数番目の)層は、同一の向きおよび同一のパンチャーで打ち抜き、打ち抜き孔の相対位置が確実に固定されるようにする。第2および第4(さらには次の偶数番目の)層も同様に打ち抜かれるが、90度回転させた向きで打ち抜かれる。次に、光硬化性ポリマーの各対を、上記ピン定規で打ち抜いたフォトマスクを用いて曝露することにより、ライン状パターンの相対位置が同一の状態で各曝露が行われる。この結果、一層おきの膜の間で線が良好に重ね合わされたパターンが良好に再現される。偶数番目の層も、90度回転させたピン定規およびマスクを用いて同様の方法により処理される。最後に、上記定規を再度用いて、ライン状パターンの層間相対位置を固定して保ちながら組立を行う。
【実施例】
【0030】
一連の13個の実施例により、光硬化性シートまたは膜を使用可能な研磨材料に加工する方法を説明する。一連の10個の実施例により、本発明のプロセスにより達成される製造上の柔軟性を説明する。実施例の概要を下記表1に示す:
【0031】
【表1】
【0032】
試験した材料には、下記表2に示す曝露時間が使用された。
【0033】
【表2】
【0034】
実施例1
本実施例は、開口網状基材および光硬化性膜を用いた開口網状パッドの形成に関する。まず、織りポリエステル繊維205メッシュ(75.5μm)基材をアルミニウムフレーム上で20N/mで張り渡らせて、基材からしわを取り除く。有利には、市販のスクリーン印刷用脱脂剤によりポリエステル基材を洗浄および脱脂して、埃や染みを除去する。埃や染みは、光硬化性膜と織り基材のポリエステル繊維との間の良好な接触を妨げる可能性があるため、これらを除去することは重要である。次に、織り基材を浄水で濡らし、十分に傾けて余剰の水を流し落とした。次に、入手した時点でマイラーポリエチレンテレフタレート保護シートに取り付けられていたUlanoの光硬化性膜CDF QT50をロールから出し、光硬化性膜の保護されていない側を外側に向けた。上記ロールを織り基材の上面に当て、適度な圧力をかけながら下方向にロール出しを行った。この圧力と織り基材の濡れた表面とが組み合わさり、両部材が仮接着される。この仮接着により、部材を運搬する際に固定するのに十分な“グリーン強度”を有する組立品が形成される。この組立品を35℃で1時間、空気中で乾燥させ、マイラーPET保護膜を剥離した。織りメッシュと反対側の光硬化性膜の表面を、不透明マークを有する透明なマイラーシートであるフォトマスクと接触させ、光源に曝露した。表2に示す曝露時間は、膜を硬化するのに十分であった。紫外光源は、Nuarc製曝露ユニットMSP3140UVのメタルハライドランプであり、ピッチおよびスペースなどの特定グラフィックデザインのライン状パターンを有するInfinite Graphics製フォトマスクを介して45秒間曝露を行った。次に、水道水を入れた呼び圧力1500psi(10.3MPa)の電圧洗浄機を用いて、層を現像した。最も有利には、上記洗浄は、脱イオンおよびろ過した水で行った。次に、この組立品を35℃で1時間、十分に乾燥させた。引き続き、複数の工程を同様に行うことにより層を形成した。1)光硬化性膜を水道水に10秒間浸漬させて水を均等に被覆させ、その後すぐにライン状パターンの表面にラミネートした。最も有利には、上記浸漬は、脱イオンおよびろ過した水で行った。2)組立品を35℃で1時間乾燥させて、積層部材を固定した。3)積層部材を乾燥および固定させた後、描画および現像により、複数の層を固定化した。描画工程において、細長部位を90度回転させて、複数の部位で支持を確実に行った。4)第2層を付け加えた後、垂れ下がりを抑えるために35℃で1時間乾燥させて、部分的に硬化または現像させた。部分的に硬化または現像させることで、次の層を積み重ねるための安定した土台が形成された。乾燥した土台は、その土台上に新たに追加して塗布される湿潤層と、より良好に接着する。織り基材上に載置された開口網状体の最終品を図5に示す。
【0035】
実施例2
本実施例は、開口網状基材の形成に接着剤を用いた開口網状パッドの形成に関する。特に、この方法においては、光硬化性ポリマー膜を織りメッシュ基材にグルー剤で接着することにより構造化パッドを製造する。織りポリエステル繊維305メッシュ(56.6μm)をアルミニウムフレーム上で15〜20N/mの間で張り渡らせて、この基材からしわを取り除いた。市販のスクリーン印刷用脱脂剤によりポリエステル基材を洗浄および脱脂して、埃や染みを除去した。この洗浄工程により、織りメッシュと光硬化性膜とを接触、およびその後接着させることが容易となった。次に、Ulanoの光硬化性膜CDF QT50(約60μm厚)を織り基材の上面に置き、縁部をポリエステル織り基材またはアルミニウムフレームにテープ留めした。念のため、次の工程での漏出を防止するために織り基材の残りの部分をテープ留めした。次の工程において、適量のフォトエマルジョンをメッシュの片側に塗布した。次に、フォトエマルジョンの液塊を上から下へ押し込んだ。このフォトエマルジョンは、照射による架橋を早めるためにジアゾ感光剤を適量添加した感光性Ulano QLTである。スキージによって押し下げることにより、エマルジョンをポリエステル織り基材の孔に充填し、他の光硬化性膜にテープ留めされた複数の光硬化性膜と接触させた。この組立品を35℃で1時間放置乾燥させた。次に、光硬化性ポリマー膜のポリエチレンテレフタレート保護シートを剥離した。次に、表2および実施例1で記載した曝露時間を用いて組立品を50秒間曝露し、引き続き、同様に現像および乾燥させた。未曝露フォトエマルジョンを水の作用により洗い流し、織り基材に残った架橋フォトエマルジョンにより、織り基材に対して光硬化膜を固定化した。織り基材上に載置された開口網状体の最終品を図6に示す。
【0036】
実施例3
厚さ約100μmの光硬化性膜SaatiChem Thik Filmを用いて、曝露時間120秒で実施例2と同様の方法により基層を製造した。引き続き、複数の工程により光硬化性膜の層を付け加えた。まず、第2光硬化性膜の層をラミネートするために、光硬化性膜とこの第2層との間の界面を濡らした。最も重要な点は、第2光硬化性膜の表面に水を均一に吸収させることである。
【0037】
水の噴射によっては十分に良好な結果が得られなかったが、光硬化性膜を水中に8〜10秒間完全に浸漬させることにより、第2光硬化性層を均一に接着させるための均一な濡れおよび十分な吸収が得られた。この湿式ラミネート化の後、組立品(フレーム上の織りメッシュおよび二つの層)を35℃で1時間乾燥させた。次に、第2層のマイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを剥離し、表2に記載する曝露時間を用いてこの層を、第1層に対して90度回転させたマスクを介してUV光に曝露(露光)した。次に、第2光硬化性ポリマー膜を、第1層と同様に電圧洗浄機を用いて現像し、35℃で1時間放置乾燥させた。
【0038】
実施例4
厚さ約110μmの光硬化性膜Ulano CDF QT100を用いて、実施例2と同様の方法により基層を製造した。引き続き、複数の工程により光硬化性ポリマー膜Ulano CDF QT100を付け加えた。1)第2光硬化性ポリマー膜を、曝露ユニットNuarc MSP 3140 UVのガラスプレート上に、光硬化性側の面を上に、マイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを下にして置いた。2)次に、ポリエステル織りメッシュに取り付けた基層を、曝露ユニットNuarc UV内の光硬化性ポリマー膜の上方に置き、大型スペーサーにより上方に保持した。次に、この組立品の両面に、市販の水蒸気洗浄機を用いて50秒間スチームを噴射し、互いにラミネートした。組立品の配置により、上記二つの部材を一体にし、曝露ユニットの真空ゴム膜(vacuum rubber membrane)によって二層間に均一な圧力を60秒間付加することが可能であった。3)次に、真空を開放し、組立品を装置から取り出して35℃で1時間乾燥させた。4)次に、表2に記載の曝露時間を用いて第2層を曝露し、実施例3と同様に現像および乾燥させた。5)第2層に対して用いた工程を繰り返すことにより、引き続き層をラミネートした。
【0039】
実施例5
厚さ約110μmの光硬化性ポリマー膜Ulano CDF QT100を用いて、実施例2と同様の方法により基層を製造した。引き続き、光硬化性ポリマー膜Ulano CDF QT100の層を以下のように付け加えた。第2光硬化性ポリマー膜を、表2に示した曝露時間を用いてフォトマスクを介して曝露し、その保護シートとともに現像した。このパターン化した光硬化性ポリマー膜を、光硬化性ポリマーの面を上に、マイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを下にして平坦台の上面に置いた。次に、ポリエステル織り基材に取り付けられた基層を、光硬化性膜の面を上にして、第2層の隣に置いた。次に、この組立品の両面に光硬化性膜硬化剤Ulano hardener Dを噴射した。次に、曝露ユニットNuarcの真空ゴム膜により二層間に均一に圧力を60秒間付加して、これら二つの部材を曝露ユニットの真空膜システム内で互いにラミネートした。次に、真空を開放し、組立品を装置から取り出して35℃で1時間乾燥させた。第2層に対して用いた上記工程を繰り返すことにより、引き続き、層を製造しラミネートした。織り基材に載置された開口網状体の最終品を図7に示す。
【0040】
実施例6
厚さ約60ミクロンの光硬化性膜Ulano CDF QT50を用いて、表2に示す曝露時間で、実施例2と同様の方法により基層を製造した。工程を変更させて、光硬化性膜Ulano CDF QT50の層を引き続き付け加えた。1)光硬化性膜を平坦に置き、アルミニウムフレーム中で張った織りポリエステル繊維200メッシュ(74μm)を用いて、光硬化性Ulano QTXフォトエマルジョンの薄膜を堆積させた。2)フォトエマルジョンを、上記メッシュを通過させて押し込み、何も付いていない光硬化性ポリマー膜を、ゴムローラーにより軽い圧力を付加しながらラミネートした。光硬化性ポリマーおよび液状のフォトエマルジョンの間に適度な圧力を与えて密着させた。しかしながら、過度の圧力をかけると、棒部と表面との間の接触領域から多量のフォトエマルジョンが押し出されてしまう可能性がある。よって、このプロセスでは、減圧を用いた。3)次に、この組立品を35℃で1時間乾燥させ、表2に示す曝露時間を用いて曝露し、実施例1と同様に現像および乾燥させた。4)第2層に対して用いた工程を繰り返すことにより、引き続き、層をラミネートした。
【0041】
実施例7
本実施例の基層は、Dalton,MAのCrane and Co.,Inc.から入手した不織ポリエステルシート材CU632UFである。200メッシュ(74μm)のポリエステル織り繊維を有するスクリーン印刷フレームを用いて、上記不織繊維材の表面にElmer(登録商標)の万能グルー剤を塗布した。不織シートおよびElmer(登録商標)の液状グルー剤の上にアルミニウムフレームを置くことにより、メッシュ領域の上部にグルー剤を分配させた。次に、スキージによりグルー剤をメッシュの孔から押し出し、フレームを表面から取り除いた。得られたグルー剤の薄層上に、表2に示す曝露時間を用いて曝露・現像したMurakami(Japan)の光硬化性ポリマー膜MS100からなる光硬化性ポリマーの表面を軽く押圧した。この組立品を、35℃で1時間放置乾燥させ、MS100の保護シートを剥離した。Elmerの万能グルー剤を同様の方法で堆積させて、第1層に第2層を接着させた。不織基材上に載置された開口網状体の最終品を図8に示す。
【0042】
実施例8
厚さ約100μmの光硬化性膜Ulano CDF QT 100を、表2に示す曝露時間を用いてフォトマスクを介して曝露し、水道水を用いた電気洗浄機により現像し、乾燥キャビネット内の空気中で、35℃で1時間乾燥させた。200メッシュ(74ミクロン)織り繊維およびスキージを用いて、上記のように形成されたライン状パターンの表面上にフォトエマルジョンPhotoemulsion Ulano QLTを堆積させた。スクリーンを膜の表面上に平坦に当て、フォトエマルジョンをこの織り基材から押し出す際に、スクリーンを押圧した。次に、Pellon,Saint Petersburg,FL製のポリエステル不織メッシュ上に光硬化性膜を押圧した。フォトエマルジョンの乾燥が速いため、光硬化性膜をメッシュ上に素早くラミネートする必要があった。次に、この組立品を、35℃で1時間放置乾燥させた。Ulanoの光硬化性膜のマイラーポリエチレンテレフタレート保護バッキングシートを剥離した。不織基材上に載置された開口網状体の最終品を図9に示す。
【0043】
実施例9
厚さ約80μmのChromaline Magnacure 70(登録商標)を光硬化性膜とした。表2に示す曝露時間を用いて、各層を実施例2と同様の方法により描画および現像した。実施例7と同様の方法により、第1層を基材に取り付けた。第2層およびそれ以降の層は、Ulano hardener D(登録商標)を用いて実施例5と同様の方法により一体化させた。
【0044】
実施例10
厚さ100μmのMurakami(Japan)MS100(登録商標)を光硬化性膜とし、表2に示す曝露時間を用いて曝露した。実施例7と同様の方法により、第1層を基材に取り付けた。第2層およびそれ以降の層は、Murakami hardener AB(登録商標)を用いて実施例5と同様の方法により一体化させる。
【0045】
実施例11
二つの光硬化性ポリマー膜Fotec Topaz 50を、表2に示す曝露時間を用いてフォトマスクを介して曝露し、その保護シートを下側に固定させた状態で現像した。パターン化した光硬化性膜を、曝露膜の面を上に、マイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを下にして平坦台の上面に置いた。
【0046】
次に、市販のポリマー膜硬化剤であるUlano hardener Dを、この組立品の両側に噴射した。次に、曝露時間を60秒間に設定して、曝露ユニットNuarcの真空ゴム膜により二層間に均一に圧力を付加して、これら二つの部材を曝露ユニットの真空膜システム内で互いにラミネートした。次に、真空を開放し、組立品を装置から取り出して35℃で1時間乾燥させた。第2層に対して用いた上記工程を繰り返すことにより、引き続き、層を製造しラミネートした。ベース基材を用いずに取り付けられた開口網状体の最終品を図10に示す。
【0047】
実施例12
光硬化性膜Ulano CDF QT 100を表2に示す曝露時間を用いて曝露し、各バッキング層を残したまま現像し、35℃で1時間乾燥させた。次に、曝露時間を270秒間に設定して、曝露ユニットNuarcの真空ゴム膜により二層間に均一に圧力を付加して、これら二つの部材を曝露ユニットの真空膜システム内で互いにラミネートした。次に、真空を開放し、組立品を装置から取り出した。このサンドイッチ構造をガラスプレート間に置き、この組立品全体をペーパークリップでまとめて保持し、95℃のオーブン中に約16時間放置した。次に、得られた二層構造を、マイラーポリエチレンテレフタレート保護バッキング層から剥離してもよい。固体ベース基材に取り付けられた開口網状体の最終品を図11に示す。
【0048】
実施例13
自立型光硬化性膜を、表2に示す曝露時間を用いて描画し、実施例12の曝露ユニットおよびフォトマスクを用いてポリエチレンテレフタレートマイラー保護シートを残したまま現像した。次に、市販のスチーマーDeluxe Portable Steam Pocket SC650 Sharkを用いて、各層につき50秒間スチームに曝露した。次に、光硬化性膜を互いに軽く押圧し、乾燥キャビネット内で、35℃で一晩放置乾燥させた。次に、マイラーポリエチレンテレフタレート保護シートを片側から剥離した。表2に示す曝露時間および現像層を用いて、光硬化性膜に対してスチーム曝露工程を繰り返すことにより、追加の層を付け加えることができる。ベース基材を用いずに取り付けられた開口網状体の最終品を図12に示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記の工程を含む、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法:
a)光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシートまたは膜を準備する工程であって、この第1および第2ポリマーシートまたは膜が、所定の厚さを有する工程;
b)前記第1および第2ポリマーシートをエネルギー源に曝露して、第1および第2ポリマーシートに曝露パターンを形成する工程であって、この曝露パターンが、前記エネルギー源に曝露された細長部位を有し、前記曝露が、前記光硬化性ポリマーを硬化させるのに十分な曝露時間で行われ、前記曝露時間が、近傍の細長部位がいっしょに硬化されない長さである工程;
c)曝露した第1および第2ポリマーシートからポリマーを除去して、第1および第2ポリマーシートの全体にわたって、曝露パターンに対応したチャネルパターン状に細長チャネルを形成する工程であって、前記細長チャネルが第1および第2ポリマーの厚さ全体にわたって延在している工程;
d)前記第1および第2ポリマーシートを接合して研磨パッドを形成する工程であって、前記第1および第2ポリマーシートのパターンが、第1ポリマーシートが第2ポリマーシートを支持する形で、ならびに第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが平行面同士が接合する形でクロスしており、これにより前記ポリマーシートの一方が研磨面を形成している積層開口網状研磨パッドが形成される工程;および
e)前記第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、前記積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドを固定化する工程。
【請求項2】
隣接する平行面の細長チャネルが直交関係で接合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1および第2シートをエネルギー源に曝露する工程が、平行光をフォトマスクを介して、またはパターン状に直接照射して、湾曲または直線状細長チャネルを有する曝露パターンを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記曝露により、曝露パターンが形成され、この曝露パターンが平行方向チャネルを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2ポリマーシートを接合する前に、第1および第2ポリマーシートを部分的に硬化させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
下記の工程を含む、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法:
a)光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシートまたは膜を準備する工程であって、この第1および第2ポリマーシートまたは膜が、所定の厚さを有する工程;
b)前記第1および第2ポリマーシートをエネルギー源に曝露して、第1および第2ポリマーシートに曝露パターンを形成する工程であって、この曝露パターンが、前記エネルギー源に曝露された細長部位を有し、前記曝露が、前記光硬化性ポリマーを架橋させるのに十分な曝露時間で行われ、前記曝露時間が、近傍の細長部位がいっしょに架橋されない長さである工程;
c)曝露した第1および第2ポリマーシートから水溶液によってポリマーを除去して、第1および第2ポリマーシートの全体にわたって、曝露パターンに対応したチャネルパターン状に細長チャネルを形成する工程であって、前記細長チャネルが第1および第2ポリマーの厚さ全体にわたって延在している工程;
d)前記第1および第2シートを乾燥させて水溶液を除去し、第1および第2シートを部分的に硬化させる工程;
e)前記第1および第2ポリマーシートを接合して研磨パッドを形成する工程であって、前記第1および第2ポリマーシートのパターンが、第1ポリマーシートが第2ポリマーシートを支持する形で、ならびに第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが平行面同士が接合する形でクロスしており、これにより前記ポリマーシートの一方が研磨面を形成している積層開口網状研磨パッドが形成される工程;および
f)前記第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、前記積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドを固定化する工程であって、前記直交関係が、80〜100度の角度である工程。
【請求項7】
隣接する平行面の細長チャネルが直交関係で接合される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2シートをエネルギー源に曝露する工程が、平行光をフォトマスクを介して、またはパターン状に直接照射して、湾曲または直線状細長チャネルを有する曝露パターンを形成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記曝露により、曝露パターンが形成され、この曝露パターンが平行方向チャネルを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1および第2ポリマーシートを接合する前に、第1および第2ポリマーシートを部分的に硬化させる工程を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項1】
下記の工程を含む、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法:
a)光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシートまたは膜を準備する工程であって、この第1および第2ポリマーシートまたは膜が、所定の厚さを有する工程;
b)前記第1および第2ポリマーシートをエネルギー源に曝露して、第1および第2ポリマーシートに曝露パターンを形成する工程であって、この曝露パターンが、前記エネルギー源に曝露された細長部位を有し、前記曝露が、前記光硬化性ポリマーを硬化させるのに十分な曝露時間で行われ、前記曝露時間が、近傍の細長部位がいっしょに硬化されない長さである工程;
c)曝露した第1および第2ポリマーシートからポリマーを除去して、第1および第2ポリマーシートの全体にわたって、曝露パターンに対応したチャネルパターン状に細長チャネルを形成する工程であって、前記細長チャネルが第1および第2ポリマーの厚さ全体にわたって延在している工程;
d)前記第1および第2ポリマーシートを接合して研磨パッドを形成する工程であって、前記第1および第2ポリマーシートのパターンが、第1ポリマーシートが第2ポリマーシートを支持する形で、ならびに第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが平行面同士が接合する形でクロスしており、これにより前記ポリマーシートの一方が研磨面を形成している積層開口網状研磨パッドが形成される工程;および
e)前記第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、前記積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドを固定化する工程。
【請求項2】
隣接する平行面の細長チャネルが直交関係で接合される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1および第2シートをエネルギー源に曝露する工程が、平行光をフォトマスクを介して、またはパターン状に直接照射して、湾曲または直線状細長チャネルを有する曝露パターンを形成することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記曝露により、曝露パターンが形成され、この曝露パターンが平行方向チャネルを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1および第2ポリマーシートを接合する前に、第1および第2ポリマーシートを部分的に硬化させる工程を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
下記の工程を含む、磁性基材、半導体基材および光学基材の少なくとも一つを研磨するのに使用可能な積層開口網状研磨パッドの形成方法:
a)光硬化性ポリマーの第1および第2ポリマーシートまたは膜を準備する工程であって、この第1および第2ポリマーシートまたは膜が、所定の厚さを有する工程;
b)前記第1および第2ポリマーシートをエネルギー源に曝露して、第1および第2ポリマーシートに曝露パターンを形成する工程であって、この曝露パターンが、前記エネルギー源に曝露された細長部位を有し、前記曝露が、前記光硬化性ポリマーを架橋させるのに十分な曝露時間で行われ、前記曝露時間が、近傍の細長部位がいっしょに架橋されない長さである工程;
c)曝露した第1および第2ポリマーシートから水溶液によってポリマーを除去して、第1および第2ポリマーシートの全体にわたって、曝露パターンに対応したチャネルパターン状に細長チャネルを形成する工程であって、前記細長チャネルが第1および第2ポリマーの厚さ全体にわたって延在している工程;
d)前記第1および第2シートを乾燥させて水溶液を除去し、第1および第2シートを部分的に硬化させる工程;
e)前記第1および第2ポリマーシートを接合して研磨パッドを形成する工程であって、前記第1および第2ポリマーシートのパターンが、第1ポリマーシートが第2ポリマーシートを支持する形で、ならびに第1および第2ポリマーシートの細長チャネルが平行面同士が接合する形でクロスしており、これにより前記ポリマーシートの一方が研磨面を形成している積層開口網状研磨パッドが形成される工程;および
f)前記第1および第2シートが、垂れ下がりを抑えるのに十分であって、ポリマーシートの細長チャネル同士、および平行面同士の間に直交関係を保持するのに十分な剛度を有した状態で、前記積層開口網状研磨パッドを硬化させることにより、積層開口網状研磨パッドを固定化する工程であって、前記直交関係が、80〜100度の角度である工程。
【請求項7】
隣接する平行面の細長チャネルが直交関係で接合される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1および第2シートをエネルギー源に曝露する工程が、平行光をフォトマスクを介して、またはパターン状に直接照射して、湾曲または直線状細長チャネルを有する曝露パターンを形成することを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記曝露により、曝露パターンが形成され、この曝露パターンが平行方向チャネルを有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1および第2ポリマーシートを接合する前に、第1および第2ポリマーシートを部分的に硬化させる工程を含む、請求項6に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2013−67003(P2013−67003A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−207862(P2012−207862)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−207862(P2012−207862)
【出願日】平成24年9月21日(2012.9.21)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー (1,383)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]