説明

構造物、構造物劣化検知システム及び構造物劣化検知方法

【課題】 劣化を効率的に検知できる構造物、構造物劣化検知システム及び構造物劣化検知方法を提供する。
【解決手段】 劣化管理サーバ20のICタグ埋設位置データ記憶部22には、ICタグ埋設位置データが記憶されている。このICタグ埋設位置データは、ICタグ識別子、下水道配管識別子及び位置に関するデータを含む。そして、下水道配管100には、埋設タグを埋め込んでおく。下水道配管100が劣化して露出した埋設タグは、下水の流れに従って漂流回収設備30に漂着し、ICタグリーダ31で読み取られる。発信器32が、劣化通知をネットワークを介して劣化管理サーバ20に送信する。これにより、劣化した場所を特定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、劣化を効率的に検知できる構造物、構造物劣化検知システム及び構造物劣化検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
構造物は時間経過や使用により劣化するものがあり、その劣化状況を把握するために定期的な検査が必要である。このような構造物の中には、検査が困難なものも多い。例えば、一般に地中に埋設されている下水道管(管渠)は、時間の経過とともに老朽化が進み、又、地盤の変動等により管体にひび割れや継手部にずれを発生し、本来の機能を果たさなくなる。特に、多様な廃液が流入する下水道配管等においては、場所により管内において汚水に含まれる有機物とバクテリアの生物化学反応から硫化水素が発生する場合があり、スライム層が発生したり、硫酸が生成されたりする。このため、図10に示すように、下水道配管を構成するコンクリートに、長期に亘る硫酸等の曝露によりコンクリートの腐食・劣化領域500が生じる。このため、埋設管渠内の状況を把握するための検査が定期的に行われる。検査方法としては、大口径の管渠では人が管渠内に入り、目視により検査する方法が一般に用いられている。しかし、小口径パイプや鉛直パイプでは人が中に入って検査することは困難である。上述のように、硫化水素が発生している場合があり、保守点検員の危険を伴うことが多い。
【0003】
そこで、主として、マンホールを備えた下水道管(管渠)等の埋設管を対象として、侵入水や漏水の有無や量を調べる水密性検査方法とその装置に関する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この技術では、埋設管の水密性検査方法に於いて、マンホールより下流側の埋設管に任意に設定される検査区間の上流端側と下流端側とにそれぞれ止水栓を施す。そして、マンホールの地上口から挿入される水柱用管を上記検査区間へ接続して当該水柱用管と検査区間とを連通させ、埋設管の検査区間及び水柱用管に水を満たした後、当該水柱用管中の水位変化を測定する。これにより、水密性の検査を行うことができる。
【0004】
また、下水道等のパイプライン内を走査し欠陥を検出するための装置および方法も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。この技術では、自走式の牽引車上でパイプライン内を移動し、自動的にデータを収集してコンピュータに送信する。コンピュータは、疑似三次元情報によりパイプライン内部の表示をリアルタイムで提供する。また、デジタル化されたデータは、分析や、表の作成、パイプラインのインフラ維持管理用のソフトウェアなどで使用するために記憶される。これにより、パイプラインを検査でき、検査に関連するデータを評価することができる。
【特許文献1】特開平8−170936号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特表2004−509321号公報(第1頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1記載の測定方法では、埋設管の漏水量を測定するためにマンホール内での水位変化を測定しているため、その区間の利用を停止させる必要がある。更に、この方法によれば、マンホールから下流側の一連の検査区間毎に、新たな水の注入を毎回必要である。また、保守点検すべき、マンホールは東京都だけでも50万個以上設けられており、都内で約15000Kmにのぼる。特許文献2記載の測定方法では、検査に長い時間がかかる。
【0006】
今日、上述のような埋設管に限らず、劣化の生じる構造物は多数存在する。また、構造物の設置場所も多様であり、検査が困難なものも多い。このような検査を効率的に行う技術が求められていた。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、劣化を効率的に検知できる構造物、構造物劣化検知システム及び構造物劣化検知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、構造物が劣化した場合に影響を受ける位置に無線タグを配置したことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構造物において、前記無線タグには、無線タグ毎に配置した位置を特定するための位置識別子に関するデータを記録することを要旨とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構造物において、前記無線タグを検出するための電波発信手段を更に備えていることを要旨とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構造物において、前記無線タグに現在状況に関するデータを書き込むための電波書込手段を更に備えていることを要旨とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の構造物において、前記無線タグは、防水構造を備えていることを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、無線タグ識別子を記録した無線タグと、構造物が劣化した場合に離脱する位置に前記無線タグを配置した構造物と、前記無線タグを検知するための無線タグ検知手段を備えた構造物劣化検知システムであって、前記無線タグ検知手段が前記構造物から離脱した無線タグを検知し、前記無線タグの無線タグ識別子を取得した場合、前記無線タグ識別子に関連付けられて記録された位置を特定する劣化位置特定手段と、前記特定した位置を劣化情報として出力する劣化情報出力手段と含むことを要旨とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の構造物劣化検知システムにおいて、前記無線タグには、無線タグ識別子として配置位置データを記録し、前記劣化位置特定手段は、前記無線タグ検知手段が前記構造物からの離脱を検知した無線タグに記録された配置位置データに基づいて劣化位置を特定することを要旨とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載の構造物劣化検知システムにおいて、前記構造物は、前記無線タグを検出するための電波発信手段を更に備え、前記無線タグ検知手段は、前記電波発信手段を用いて、前記構造物に配置されている無線タグを読み取り、読み取れなかった無線タグを離脱した無線タグとして検知することを要旨とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、請求項6又は7に記載の構造物劣化検知システムにおいて、前記無線タグに現在状況に関するデータを書き込むための電波書込手段を更に備え、前記無線タグ検知手段は、前記構造物からの離脱を検知した無線タグに記録された状況に基づいて、劣化状況を特定することを要旨とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、請求項6〜9のいずれか1つに記載の構造物劣化検知システムにおいて、前記無線タグは、防水構造を備え、前記無線タグ検知手段は、前記構造物に接する流体により流出された無線タグを検知することを要旨とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の構造物劣化検知システムにおいて、前
記構造物は、流体を流す配管であり、前記無線タグ検知手段は、前記無線タグが配置された位置より下流に設けたことを要旨とする。
【0016】
請求項12に記載の発明は、構造物が劣化した場合に離脱する位置に設置され、この設置位置に関する情報を記憶したデータを有する無線タグが、前記構造物から離脱したことを検知することにより、前記構造物の劣化を検出することを要旨とする。
【0017】
(作用)
請求項1、6又は12に記載の発明によれば、例えば劣化により構造物から離脱した無線タグや、構造物の劣化の影響を受け応答不能になった無線タグ等を検知することにより構造物の劣化を把握することができる。
【0018】
請求項2又は7に記載の発明によれば、無線タグを検知することにより、構造物の劣化した位置を特定することができる。
請求項3又は8に記載の発明によれば、構造物は無線タグを検出するための電波発信手段を備えているため、無線タグを読み出し、応答しない無線タグにより構造物の劣化を把握することができる。
【0019】
請求項4又は9に記載の発明によれば、電波書込手段が現在状況のデータを送信して無線タグの現在状況を更新する。このため、例えば無線タグが構造物に設けられている場合など、電波書込手段からの電波を受信するような位置に無線タグがある場合には、その現在状況が更新される。また、無線タグが構造物から離脱し電波書込手段からの電波を受信しない位置に無線タグがある場合には、その現在状況は更新されない。従って、検出された無線タグから読み出された状況データから、無線タグが構造物から離脱したこと、すなわち、無線タグが構造物の劣化を受けた状態がわかる。例えば、現在状況として現在時刻が記録される場合には、無線タグが構造物の劣化を受けて離脱した時期(すなわち劣化時期)を知ることができる。また、例えば、現在状況としてそのときの温度やそのときの水素イオンの濃度を示す指数(pH値)が記録される場合には、無線タグが構造物の劣化を受けて離脱したときの温度やpH値を知ることができる。よって、離脱した無線タグの状況に関するデータに基づいて、構造物の劣化時期や状況を把握することができる。
【0020】
請求項5又は10に記載の発明によれば、防水構造を備えていることから、水等の流体に接する構造物に用いることができ、このような構造物の劣化を把握することができる。
請求項11に記載の発明によれば、構造物中を流れる流体によって押し流された無線タグを効率的に検知することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、構造物の劣化を効率的に検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を、図1〜図9に従って説明する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、下水道処理設備を構成する下水道配管の劣化状況を把握するために本発明を具体化した場合について、図1〜図6を用いて説明する。この下水道配管には、流体としての下水が流される。
【0023】
図1に示すように、道路の下には、構造物としての下水道配管100が張り巡らされている。この下水道配管100は、道路に沿って直線的に延びる複数の下水本管101と、下水本管101を接続し点検するためのマンホール管102とから構成されている。下水本管101は、コンクリート製の管であり、その両端部はマンホール管102に接続でき
るようになっている。マンホール管102は、本実施形態では、下水本管101が接続されるコンクリート製の管であり、地上から下水本管101に入ることができるように構成されている。マンホール管102の上は、マンホール蓋により覆われている。
【0024】
図2に示すように、下水本管101やマンホール管102の表面近傍には、無線タグとして、複数の埋設タグ10が配置されて埋め込まれている。この埋設タグ10は、図3に示すように、ICタグ11と、これを内包するための防水カプセル12とから構成されている。ICタグ11は、アンテナ、制御部、メモリ部を備える。アンテナは、外部から無線電波により電力供給を受け、制御部は、このメモリ部に記憶されているデータをアンテナを介して外部に送信する。このメモリ部には、このICタグ11を識別するためのICタグ識別子に関するデータが記憶されている。一方、防水カプセル12は、内包したICタグ11を封止することにより、水などの内部への浸入を防止するための防水構造になっており、更にICタグ11を内包した場合にも水上に浮くように構成されている。
【0025】
また、下水道配管100の下流には、下水処理場が配設されている。この下水処理場においては、図1に示すような漂流回収設備30が設けられている。この漂流回収設備30は、下水道配管100を流れてきた下水を停留部に停留させて、その表面に浮遊しているゴミ等の漂流物を回収する。
【0026】
この漂流回収設備30には、ICタグリーダ31が取り付けられている。このICタグリーダ31は、アンテナを備え、このアンテナを介して所定周波数の無線電波を発信することにより、漂流回収設備30の停留部に流れ着いたICタグ11を検知する。また、このICタグリーダ31は、発信器32に接続されている。発信器32は、ICタグリーダ31によって検知したICタグ11のデータを、ネットワークを介して劣化管理サーバ20に送信する。
【0027】
劣化管理サーバ20は、管理コンピュータ21を備える。この管理コンピュータ21は、図示しないCPU、RAM及びROM等を有し、後述する処理を行う。そして、このための構造物劣化検知プログラムを実行することにより、管理コンピュータ21は、劣化位置特定手段及び劣化情報出力手段等として機能する。また、本実施形態では、管理コンピュータ21とICタグリーダ31とが、無線タグ検知手段として機能する。
【0028】
更に、劣化管理サーバ20は、ICタグ埋設位置データ記憶部22を備える。このICタグ埋設位置データ記憶部22には、図4に示すようにICタグ埋設位置データ220が記憶されている。このICタグ埋設位置データ220は、埋設タグ10が埋め込まれた下水本管101やマンホール管102が設置された場合に記録される。このICタグ埋設位置データ220は、ICタグ識別子、下水道配管識別子及び位置に関するデータを含む。
【0029】
ICタグ識別子データ領域には、ICタグ11を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
下水道配管識別子データ領域には、そのICタグ11の埋設タグ10が埋め込まれた下水道配管(下水本管101又はマンホール管102)を特定するための識別子に関するデータが記録されている。
【0030】
位置データ領域には、その下水道配管が埋設されている位置を特定するためのデータが記録されている。この位置データには、例えば住所データ等を用いる。
次に、上記のように構成されたシステムにおいて、水道処理設備を構成するコンクリート管の劣化状況を把握する場合の処理手順を、図5及び図6に従って説明する。ここでは、例えば、下水道配管100の下水本管101を構成するコンクリート部Cが経時変化など、何らかの原因により、侵食され、ひび割れ等を生じた場合を想定する。
【0031】
この場合、図5に示すように、コンクリート部Cの劣化部において、埋め込まれた埋設タグ10が、表面に露出し、その後、コンクリート部Cから遊離する。そして、遊離した埋設タグ10は、下水道配管100の下水に浮遊して流される。そして、本実施形態では、流された埋設タグ10は、下水道配管100の下流の下水処理場に漂着する。
【0032】
下水処理場において、埋設タグ10は下水の水面を浮遊しながら、漂流回収設備30の停留部に流れ着く。漂流回収設備30のICタグリーダ31は、定期的に、ICタグ11の読取を実行する(ステップS1−1)。具体的には、ICタグリーダ31は、所定周波数の電波を定期に発信し、ICタグ11の検知を試みる。
【0033】
このとき、漂流回収設備30の停留部に、ICタグ11を内包した埋設タグ10が漂着している場合には、ICタグリーダ31から発信された無線電波が、ICタグ11に電力として供給される。この電力によって、ICタグ11の制御部は、メモリ部からICタグ識別子データを読み出し、このデータをICタグ11のアンテナを介して送信する。
【0034】
ICタグリーダ31は、ICタグ11を検知したか否かを判断する(ステップS1−2)。ここで、漂流回収設備30の停留部に、ICタグ11を内包した埋設タグ10が漂着した場合には、ICタグ11から送信されたデータを受信するため、ICタグリーダ31はICタグ11を検出する(ステップS1−2において「YES」)。また、漂流回収設備30の停留部に、ICタグ11を内包した埋設タグ10が漂着していない場合には、ICタグ11からの送信を受信しない。この場合には、ICタグリーダ31は検出しなかったと判断する(ステップS1−2において「NO」)。
【0035】
ICタグリーダ31がICタグ11を検出した場合(ステップS1−2において「YES」の場合)には、これに接続されている発信器32が、劣化通知をネットワークを介して劣化管理サーバ20に送信する(ステップS1−3)。この劣化通知には、このICタグ11から受信したICタグ識別子データを含める。
【0036】
ICタグ識別子データを受信した劣化管理サーバ20は、漂流回収設備30の停留部に漂着した埋設タグ10のICタグ11の埋め込まれたコンクリート管の埋設位置の特定を行う(ステップS1−4)。具体的には、劣化管理サーバ20の管理コンピュータ21は、受信したICタグ識別子データを含むICタグ埋設位置データ220をICタグ埋設位置データ記憶部22から抽出する。そして、このICタグ埋設位置データ220に基づいて、埋設タグ10の下水道配管識別子及び位置を特定する。
【0037】
次に、管理コンピュータは、アラームを出力する(ステップS1−5)。具体的には、管理コンピュータ端末(図示せず)に、漂流回収設備30に流れてきた埋設タグ10の下水道配管100の位置を表示させたり警告音を発したりする。これにより、劣化が生じている下水道配管100を特定することができる。
【0038】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態においては、下水本管101やマンホール管102の表面近傍には、複数の埋設タグ10が埋め込まれている。このICタグ11を識別するためのICタグ識別子に関するデータが記憶されている。そして、下水本管101やマンホール管102が劣化すれば、この影響を受けて埋め込まれた埋設タグ10が、表面に露出し、下水本管101やマンホール管102から遊離する。そして、遊離した埋設タグ10は、下水道配管100の下水に浮遊して流される。そして、ICタグリーダ31が設けられた漂流回収設備30に漂着し、検知される。これにより、下水本管101やマンホール管102の劣化を検知することができる。
【0039】
・ 本実施形態においては、劣化管理サーバ20は、ICタグ埋設位置データ220が記録されたICタグ埋設位置データ記憶部22を備える。このICタグ埋設位置データ220は、ICタグ識別子、下水道配管識別子及び位置に関するデータを含む。このため、漂着したICタグ11に記憶されたICタグ識別子に関連付けられて記録された下水道配管識別子や位置に基づいて、劣化の生じた場所を特定することができる。
【0040】
・ 本実施形態においては、ICタグリーダ31がICタグ11を検出した場合には、これに接続されている発信器32が、ICタグ11から受信したICタグ識別子データをネットワークを介して劣化管理サーバ20に送信する(ステップS1−3)。このため、埋設タグ10が漂流回収設備30に漂着すると速やかに劣化を通知することができる。
【0041】
・ 本実施形態においては、下水道配管100を構成する下水本管101やマンホール管102の劣化をICタグ11の検知により行う。このため、下水道配管100を流れる下水によって下水処理場に押し流されたICタグ11を効率的に検知することができる。
【0042】
(第2の実施形態)
本実施形態においては、劣化の可能性がある構造物として埠頭において劣化状況を把握する形態を図7及び図8を用いて説明する。なお、以下の実施形態において、上述の実施形態と同様の部分については、同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。第1の実施形態では、構造物から離脱して漂着した埋設タグ10を検知したが、本実施形態では、離脱して検出できなくなった埋設タグ10を検知する。
【0043】
本実施形態では、埠頭200は、鉄筋を含むコンクリートによって構成されている。図7に示すように、埠頭200のコンクリート部Cには、船舶を接岸させるために海面よりも上部が露出している。この埠頭200のコンクリート部Cの海面側は、波等に曝される。このコンクリート部Cの表面近傍には、複数の埋設タグ10が埋め込まれている。更に、埠頭200のコンクリート部Cには、埋設タグ10を検知するために、電波発信手段としてのメッシュ状にアンテナ部201が埋め込まれている。
【0044】
そして、このアンテナ部201は、通知装置202に接続されている。この通知装置202は、ICタグリーダ部と通信部とを含む。通知装置202のICタグリーダ部は、アンテナ部201を介して定期的に所定周波数の無線電波を発信する。そして、ICタグリーダ部は、埠頭200のコンクリート部Cに埋め込まれた埋設タグ10のICタグ11を検知する。また、この通知装置202の通信部は、上記第1の実施形態の発信器32と同様に、通知装置202のICタグリーダ部によって検知したICタグ11のデータを、ネットワークを介して劣化管理サーバ20に送信する。
【0045】
本実施形態の劣化管理サーバ20は、上記第1実施形態と同様に、管理コンピュータ21及びこれに接続されるICタグ埋設位置データ記憶部22を備える。本実施形態では、管理コンピュータ21と通知装置202とが、無線タグ検知手段として機能する。
【0046】
また、ICタグ埋設位置データ記憶部22は、ICタグ埋設位置データ220を記憶している。本実施形態においては、このICタグ埋設位置データ220は、ICタグ識別子、埠頭識別子及び位置に関するデータを含む。埠頭識別子データ領域には、そのICタグが埋設されている埠頭を特定するための識別子に関するデータが記録される。位置識別子データ領域には、埠頭200の中で、このICタグが埋設されている位置に関するデータが記録されている。この位置データ領域には、そのICタグが埋設されている埠頭200における位置(例えば「中央ブロック部」など)に関するデータが記録される。
【0047】
次に、本実施形態の埠頭のコンクリートの劣化状態を把握する場合の処理手順を、図8に従って説明する。本実施形態では、埠頭200のコンクリートが海水により侵食された場合を想定する。この場合、侵食されたコンクリート部Cに埋め込まれた埋設タグ10は、埠頭200から流出したり、埋設タグ10のICタグ11が故障して応答しなくなったりする。
【0048】
埠頭200に埋め込まれた通知装置202のICタグリーダ部は、定期的に、ICタグ11の読取を実行する(ステップS2−1)。具体的には、通知装置202のICタグリーダ部は、所定周波数の無線電波を発信し、ICタグ11の有無の検知を試みる。本実施形態では、埠頭200には複数のICタグ11が埋設されているため、通知装置202のICタグリーダ部は、ICタグ識別子毎に、ICタグ11を順次、読み出すための処理を実行する。
【0049】
通知装置202のICタグリーダ部は、順次読み出すために発信した無線電波にICタグ11が応答したか否かを判断する(ステップS2−2)。ここで、埠頭200を構成するコンクリート部Cに劣化がない場合、埋設された埋設タグ10が流出しない。この場合、コンクリート部C中の埋設タグ10が残っており、各ICタグ11は、通知装置202のICタグリーダ部から受信した無線電波に応答する。この場合(ステップS2−2において「YES」の場合)、通知装置202のICタグリーダ部は、すべてのICタグ11の呼出が完了したか否かを判断する(ステップS2−3)。具体的には、ICタグリーダ部は読み出すべき全部のICタグ識別子に関するデータを記録しており、読み出し毎に読出完了フラグを記録していく。そして、ここで、すべてのICタグ11の呼出が完了していない場合には、通知装置202のICタグリーダ部は、次のICタグ11について、ステップS2−1以降の読取処理を繰り返して実行する。
【0050】
一方、埠頭200を構成するコンクリート部Cが劣化し、埋め込まれた埋設タグ10が離脱して流出した場合や、劣化の影響を受けて応答しない場合などには、この埋設タグ10のICタグ11は呼応できない。従って、通知装置202のICタグリーダ部は、このICタグ11からのデータを受信できない。この場合(ステップS2−2において「NO」の場合)、通知装置202の通信部は、劣化通知をネットワークを介して劣化管理サーバ20に送信する(ステップS2−4)。この劣化通知には、通知装置202のICタグリーダ部が受信できなかったICタグ識別子に関するデータを含める。
【0051】
劣化通知を受信した劣化管理サーバ20は、劣化通知に含まれるICタグ識別子データを用いてICタグ11の埋設位置の特定を行う(ステップS2−5)。具体的には、劣化管理サーバ20の管理コンピュータ21は、受信したICタグ識別子データを含むICタグ埋設位置データ220をICタグ埋設位置データ記憶部22から抽出する。そして、このICタグ埋設位置データ220に基づいて、ICタグ11の埋設タグ10の埠頭200及びその埠頭200においてICタグ11が埋設されていた位置を特定する。
【0052】
次に、管理コンピュータは、アラームを出力する(ステップS2−6)。具体的には、管理コンピュータ端末(図示せず)に、流出したり応答不能となったりしたICタグ11の埋設タグ10の埠頭200における位置を表示させたり警告音を発したりする。これにより、侵食された埠頭200及びその位置を特定することができる。
【0053】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態においては、埠頭200のコンクリート部Cの表面近傍には、複数の埋設タグ10が埋め込まれている。更に、埠頭200のコンクリート部Cには、埋設タグ10を検知するために、メッシュ状にアンテナ部201が埋め込まれている。そして、埠頭200に埋め込まれた通知装置202のICタグリーダ部は、定期的に、ICタグ11の
読取処理を実行する。これにより、コンクリート部Cの劣化の影響によって流出したり応答不能となったりしたICタグ11を把握することができる。第1の実施形態の場合、埋設タグ10が漂着するまでに時間がかかる場合があるが、本実施形態の場合、ICタグ11の読取処理時に劣化を検知することができる。
【0054】
・ 本実施形態においては、劣化管理サーバ20は、ICタグ埋設位置データ220が記録されたICタグ埋設位置データ記憶部22を備える。このICタグ埋設位置データ220は、ICタグ識別子、埠頭識別子及び位置に関するデータを含む。このため、流出したり応答不能となったりしたICタグ11に記憶されたICタグ識別子に関連付けられて記録された埠頭や位置に基づいて、劣化の生じた場所を特定することができる。
【0055】
(第3の実施形態)
次に、防波堤を構成するケーソンの劣化状況を把握するために、本発明を具体化した場合について、図9を用いて説明する。
【0056】
図9に示すように、本実施形態のケーソン300は、コンクリートで直方体状に形成され、長軸に延びる1対の長孔が形成されている。各長孔には、複数の埋設タグ10を混在させた砂301が充填されている。また、ケーソン300の海側となる表面近傍には、複数の埋設タグ10が埋め込んで製造される。そして、このケーソン300は、設置地まで輸送されて、現地で並べて据え付けられる。このとき、ケーソン300の長孔内に、埋設タグ10を埋め込んだ砂301を流入する。そして、ケーソン300の海側には、複数の消波ブロックを配置し、設置を完了する。
【0057】
本実施形態においても、ケーソン300の埋設タグ10は、劣化管理サーバ20によって管理される。この劣化管理サーバ20は、上記実施形態と同様に、管理コンピュータ21と、ICタグ埋設位置データ220を記録したICタグ埋設位置データ記憶部22とを備える。本実施形態では、管理コンピュータ21と、後述する通知装置とが、無線タグ検知手段として機能する。
【0058】
また、本実施形態では、このICタグ埋設位置データ220は、ケーソン300の設置時に記録される。このICタグ埋設位置データ220は、ICタグ識別子、ケーソン識別子及び位置に関するデータを含む。ケーソン識別子データ領域には、そのICタグが埋設されたケーソン300を特定するための識別子に関するデータが記録される。このケーソン識別子と設置場所(例えば緯度、経度等)とを関連づけて記録した設置位置データ記憶部(図示せず)を用いて、このケーソン300の設置場所を特定することができる。
【0059】
位置子データ領域には、ICタグが埋め込まれた位置に関するデータが記録されている。この位置データ領域には、そのICタグが埋設されているケーソン300における位置(例えば「海側の長孔の砂の中」や「コンクリート表面近傍」など)に関するデータが記録される。
【0060】
その後、何らかの原因によりケーソン300の表面近傍から亀裂が入ると、その表面近傍の埋設タグ10が海に流出する。また、この亀裂がケーソン300の長孔に充填されている砂301にまで至ると、砂とともに、これに混在する埋設タグ10が海に流出する。
【0061】
そして、定期的に、ケーソン300の周囲を巡回し、浮遊している埋設タグ10の検知を試みる。この場合、ICタグリーダ部と通信部とを備える通知装置を用いる。ケーソン300から流出した埋設タグ10が浮遊している場合、その埋設タグ10のICタグ11のICタグ識別子データをICタグリーダ部が取得する。通信部は、ICタグリーダ部が取得したICタグ識別子データを劣化管理サーバ20に送信する。劣化管理サーバ20は
、取得したICタグ識別子データに基づいて、該当するICタグ埋設位置データ220をICタグ埋設位置データ記憶部22から抽出し、抽出したケーソン300及びその位置についてアラーム出力を行う。このとき、抽出されたケーソン300の設置場所、ICタグの埋設位置に関する情報を出力する。
【0062】
本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
・ 本実施形態においては、ケーソン300のコンクリート表面近傍や内部の砂301には埋設タグ10を混在させておく。このため、浮遊している埋設タグ10を検知した場合には、ケーソン300の劣化を把握することができる。
【0063】
・ 本実施形態においては、劣化管理サーバ20は、ICタグ埋設位置データ220が記録されたICタグ埋設位置データ記憶部22を備える。このICタグ埋設位置データ220は、ICタグ識別子、ケーソン識別子及び位置に関するデータを含む。このため、流出を検知したICタグ11に記憶されたICタグ識別子に関連付けられて記録されたケーソンや位置に基づいて、劣化の生じた場所を特定することができる。
【0064】
・ 本実施形態においては、ケーソン300のコンクリート表面近傍や内部の砂301には埋設タグ10を混在させておく。すなわち、埋設タグ10を複数のエリアに分けて埋め込む。そして、ICタグ埋設位置データ記憶部22には、ICタグ識別子に関連付けて位置に関するデータを記憶しておく。劣化状態によって影響を受ける埋設タグ10の位置が異なる。具体的には、検出されたICタグ11が砂301に充填されていた場合には、ケーソン300の劣化は表面だけでなく、砂301が充填されている部分にも生じていることが判る。このため、流出する埋設タグ10のICタグ識別子に基づいて、そのケーソン300の劣化状態(亀裂状態)が把握できる。
【0065】
また、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 上記各実施形態では、下水道配管100、埠頭200やケーソン300に埋設タグ10を埋め込んだ。埋設タグ10は、これら構造物に埋め込むことに限らず、貼り付けなどにより配置してもよい。
【0066】
○ 上記各実施形態では、下水道配管100、埠頭200やケーソン300に埋設タグ10を埋め込んだ。埋め込み場所はこれに限られるではなく、劣化の可能性がある構造物であれば、適用可能である。例えば、この構造物として、道路のアスファルトやコンクリートに適用してもよい。この場合、ICタグ埋設位置データ記憶部22のICタグ埋設位置データ220は、ICタグ識別子、このICタグ11の埋め込まれた位置に関するデータを含む。道路表面が掘れてしまった場合、埋め込まれた埋設タグ10が流出する。この埋設タグ10を、路面清掃車等で回収し、ICタグリーダで検知する。そして、このICタグ識別子に基づいて、劣化の生じている道路の位置を把握することができる。
【0067】
○ 上記各実施形態では、ICタグの埋め込まれた位置に関するデータ(配置位置データ)を、そのICタグ識別子データに対応するICタグ埋設位置データ220を用いて特定した。これに代えて、ICタグ11に、その配置位置データを記録し、ICタグ11から配置位置データを直接、取得して特定してもよい。これにより、流出した埋設タグ10を取得した場合には、この埋設タグ10のICタグ11に記録された情報に基づいて劣化の生じている位置を把握することができる。
【0068】
○ 上記第1の実施形態では、下水道配管100に埋設タグ10を埋め込んだ。そして、下水処理場の漂流回収設備30で流出した埋設タグ10を検知した。埋設タグ10が、流れに従って所定の場所に漂着できる場合、その場所に、埋設タグ10を検知するための装置を設ける。例えば、マンホール管102や、下水道配管100が合流する場所で検知
してもよい。この場合、ICタグリーダ31の数は増やす必要があるが、より迅速に劣化を検知することができる。
【0069】
○ 上記第1の実施形態では、ICタグリーダ31は、漂流回収設備30で検知した埋設タグ10からICタグ識別子を読み取った。ICタグリーダ31が読み取るデータはICタグ識別子に限られるものではない。例えば、埋設タグ10に定期的に現在状況データを記録し、この現在状況データを漂流回収設備30で読み取ってもよい。ここで、現在状況データとしては、例えば現在日時データがある。この場合、下水道配管100を構成する下水本管101やマンホール管102(構造物)に、埋設タグ10に現在日時データを無線によって書き込む電波書込手段を設ける。そして、この電波書込手段から定期的に無線信号を発信して、そのときの日時(現在日時)を埋設タグ10のICタグ11に書き込む。このとき、ICタグ11に既に書き込まれている日時がある場合、電波書込手段は、その日時に新たな現在日時を書き込んで上書き更新する。すなわち、電波書込手段からの電波を受信する位置、例えば構造物に埋設タグ10が取り付けられている場合には、その日時データが更新される。一方、電波書込手段からの電波を受信しない位置、例えば構造物から埋設タグ10が離脱している場合には、その日時データは更新されない。従って、流出した埋設タグ10からデータを取得した日時までは、埋設タグ10が構造物に取り付けられており、埋設タグ10が構造物の劣化を受けていない状態であったことがわかる。よって、劣化管理サーバ20は、離脱した埋設タグ10に記録されている日時データから、その埋設タグ10が構造物である下水本管101、マンホール管102から離脱した大体の時期、すなわち構造物に劣化が生じたおよその時期を把握することができる。
【0070】
また、埋設タグ10に記録される現在状況データは、現在日時以外のデータ、例えば温度や水素イオンの濃度を示す指数(pH値)に関するデータであってもよい。また、埋設タグ10に記録されるデータは1つだけでなく、複数の現在状況データであってもよい。具体的には、構造物が置かれた状況の温度やpH値などを測定する測定手段を、電波書込手段とともに構造物に設ける。そして、構造物の測定手段で測定した温度やpH値を電波書込手段によって埋設タグ10にデータとして記録する。そして、この温度やpH値のデータを漂流回収設備30で読み取ってもよい。この場合にも、埋設タグ10が構造物に取り付けられている場合には、温度やpH値など現在状況が上書き更新され、埋設タグ10が劣化などにより離脱した場合には、そのデータが更新される。従って、流出した埋設タグ10が離脱したときの構造物の温度やpH値などの状況を知ることがわかる。従って、構造物の劣化状況をより正確に把握することができる。
【0071】
また、上述した埋設タグ10に現在状況データを書き込む電波書込手段は、構造物とは別体としてもよい。例えば、埋設タグ10に日時データを書き込む電波書込手段を、ICタグに現在日時を書込みながら下水道配管100に沿って移動させてもよい。この場合にも、構造物のそれぞれに日時データを書き込むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明の第1実施形態におけるシステム概略図。
【図2】第1実施形態における下水道配管の構造を説明する説明図。
【図3】実施形態に用いられる浮遊タグの構成図。
【図4】ICタグ埋設位置データ記憶部に記録されたデータの説明図。
【図5】第1実施形態の浮遊タグの流出状態を示す説明図。
【図6】第1実施形態の処理手順を説明するための流れ図。
【図7】第2実施形態におけるシステム概略図。
【図8】第2実施形態の処理手順を説明するための流れ図。
【図9】第3実施形態におけるシステム概略図。
【図10】従来技術における下水道配管の内部を説明するための説明図。
【符号の説明】
【0073】
10…無線タグとしての埋設タグ、20…データ記憶部、20…劣化管理サーバ、21…管理コンピュータ、22…ICタグ埋設位置データ記憶部、100…構造物としての下水道配管、200…構造物としての埠頭、300…構造物としてのケーソン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物が劣化した場合に影響を受ける位置に無線タグを配置したことを特徴とする構造物。
【請求項2】
前記無線タグには、無線タグ毎に配置した位置を特定するための位置識別子に関するデータを記録することを特徴とする請求項1に記載の構造物。
【請求項3】
前記無線タグを検出するための電波発信手段を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物。
【請求項4】
前記無線タグに現在状況に関するデータを書き込むための電波書込手段を更に備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の構造物。
【請求項5】
前記無線タグは、防水構造を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の構造物。
【請求項6】
無線タグ識別子を記録した無線タグと、
構造物が劣化した場合に離脱する位置に前記無線タグを配置した構造物と、
前記無線タグを検知するための無線タグ検知手段を備えた構造物劣化検知システムであって、
前記無線タグ検知手段が前記構造物から離脱した無線タグを検知し、前記無線タグの無線タグ識別子を取得した場合、前記無線タグ識別子に関連付けられて記録された位置を特定する劣化位置特定手段と、
前記特定した位置を劣化情報として出力する劣化情報出力手段と
含むことを特徴とする構造物劣化検知システム。
【請求項7】
前記無線タグには、無線タグ識別子として配置位置データを記録し、
前記劣化位置特定手段は、前記無線タグ検知手段が前記構造物からの離脱を検知した無線タグに記録された配置位置データに基づいて劣化位置を特定することを特徴とする請求項6に記載の構造物劣化検知システム。
【請求項8】
前記構造物は、前記無線タグを検出するための電波発信手段を更に備え、
前記無線タグ検知手段は、前記電波発信手段を用いて、前記構造物に配置されている無線タグを読み取り、読み取れなかった無線タグを離脱した無線タグとして検知することを特徴とする請求項6又は7に記載の構造物劣化検知システム。
【請求項9】
前記無線タグに現在状況に関するデータを書き込むための電波書込手段を更に備え、
前記無線タグ検知手段は、前記構造物からの離脱を検知した無線タグに記録された状況に基づいて、劣化状況を特定することを特徴とする請求項6又は7に記載の構造物劣化検知システム。
【請求項10】
前記無線タグは、防水構造を備え、
前記無線タグ検知手段は、前記構造物に接する流体により流出された無線タグを検知することを特徴とする請求項6〜9のいずれか1つに記載の構造物劣化検知システム。
【請求項11】
前記構造物は、流体を流す配管であり、
前記無線タグ検知手段は、前記無線タグが配置された位置より下流に設けたことを特徴とする請求項10に記載の構造物劣化検知システム。
【請求項12】
構造物が劣化した場合に離脱する位置に設置され、この設置位置に関する情報を記憶したデータを有する無線タグが、前記構造物から離脱したことを検知することにより、前記構造物の劣化を検出することを特徴とする構造物劣化検知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−105820(P2006−105820A)
【公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−293895(P2004−293895)
【出願日】平成16年10月6日(2004.10.6)
【出願人】(592131906)みずほ情報総研株式会社 (187)
【出願人】(000229128)日本ゼニスパイプ株式会社 (31)
【Fターム(参考)】