説明

構造物の加熱構造

【課題】構造物としての道路への電熱シートの施工作業を容易に行うことができるとともに、道路の表面の融雪効率を向上することができる道路の加熱構造を提供する。
【解決手段】コンクリートC製の道路11の表面11aに対し、直交方向に収容溝11bを形成し、該収容溝11b内に帯状の電熱シート12を前記表面11aに対し直交方向に収容し、前記収容溝11bの内側面と前記電熱シート12の側面との隙間に絶縁性を有するモルタル13を充填して、前記電熱シート12を収容溝11b内に埋設固定する。前記電熱シート12に通電して発熱させ、道路11の表面11aを加熱して融雪を行う。収容溝11bを道路カッターにより形成して、該収容溝11bに電熱シート12を収容した後、モルタル13を収容溝11bに充填するという簡単な方法で電熱シート12を埋設固定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、アスファルトやコンクリートあるいは木製の道路、駐車場、建築物の床、壁等の構造物の表面を加熱することにより融雪又は暖房することができる構造物の加熱構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、アスファルトやコンクリート製の道路の積雪の除去作業は、除雪用のスコップや除雪車によって行われるが、その作業は非常に面倒である。このため、道路に温水を通す配管を埋設したり電熱シートを埋設したりする融雪構造も提案されている。電熱シートを用いる融雪構造として特許文献1に開示されたものが提案されている。この融雪構造は、道路のアスファルト舗装の基層と表層の間に、遠赤電熱シートが介在された構造となっている。
【特許文献1】特開2001−81710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、配管や電熱シートを埋設する融雪構造は、既設のアスファルト舗装あるいはコンクリート舗装の道路に施工する場合に、アスファルト舗装あるいはコンクリート舗装の表面を所定の深さに掘削して収容部を形成し、該収容部に配管や電熱ヒータを水平に敷設する。その後、前記収容部をアスファルト舗装あるいはコンクリート舗装により埋め戻すという作業が必要になる。このため、電熱ヒータの施工作業が非常に面倒であるばかりでなく、修復して元に戻すのが難しいという問題があった。又、前記配管や電熱シートはアスファルト舗装あるいはコンクリート舗装の内部に水平に埋設されているので、配管や電熱シートの下方が加熱され、融雪に利用される熱量が低下し、融雪効率が低くなるという問題もあった。
【0004】
上記の融雪構造に生じる問題は、建築物の床の内部に配管や電熱シートを埋設した暖房構造においても、同様に生じる問題である。
本発明は、上記従来の技術に存する問題点を解消して、電熱シートの施工作業を容易に行うことができるとともに、構造物の表面の加熱効率を向上することができる構造物の加熱構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、構造物の表面に対し、直交方向に収容溝を形成し、該収容溝内に帯状の電熱シートを収容し、前記収容溝の内側面と前記電熱シートの側面との隙間に絶縁性を有する目地材を充填して、前記電熱シートを収容溝内に埋設固定したことを要旨とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、構造物はコンクリート、アスファルト又は木製の道路又は駐車場であって、該道路又は駐車場には前記収容溝がカッターにより多数箇所に平行に形成され、前記各収容溝に埋設固定された電熱シートは道路又は駐車場を加熱して融雪に用いられるものであることを要旨とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、請求項1において、構造物はコンクリート、アスファルト又は木製の床又は壁であって、該床又は壁には前記収容溝がカッターにより多数箇所に平行に形成され、前記各収容溝に埋設固定された電熱シートは床又は壁を加熱して室内の暖房に用いられるものであることを要旨とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項において、前記電熱シートは互いに接合された絶縁性を有する二枚の帯状フイルムと、両帯状フィルムの接合面に挟着された帯状薄膜電熱層と、該電熱層の両側部に平行に接合された二条の電極帯とにより形成されていることを要旨とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、請求項4において、前記帯状フイルムとしてラミネートフィルム、前記帯状薄膜電熱層の材料として、黒鉛に一液型常温乾燥塗料又は常温乾燥型溶剤系塗料を添加した材料、前記電極帯として銅箔テープ又は黒鉛にエマルジョン型水溶性塗料又は一液型常温乾燥塗料を添加した材料がそれぞれ用いられていることを要旨とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、構造物の表面に対し、カッターにより直交方向に収容溝を形成し、その収容溝に電熱シートを直交方向に収容して、目地材により電熱シートを収容溝に埋設固定することができる。このため構造物の表面に広い面積にわたって電熱シートの収容凹所を形成する必要がなくなるばかりでなく、広い面積の前記収容凹所を埋め戻す作業も不要となり、電熱シートの施工作業を容易に行うことができる。又、電熱シートが直交方向に埋設されているので、該電熱シートから発生する熱の伝導方向が横方向、つまり構造物の表面と平行方向となるため、構造物の表面と直交する内奥へと伝導し無駄となる熱を抑制することができる。又、屋外に構築された構造物の場合には、その表面の融雪効率を向上することができる。さらに、建築物の内部に構築された構造物の場合には、室内の暖房効率を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を屋外の構造物としての道路の融雪構造として具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1に示すようにコンクリートCよりなる道路11の表面11aには、図示しない道路カッターの回転刃により下方に指向するようにスリット状の収容溝11bが複数箇所に互いに平行に形成されている。各収容溝11bには電熱シート12が直交方向に収容されている。図2に示すように、前記収容溝11bの左右両内側面11c,11dと、前記電熱シート12の左右両側面12a,12bとの間に形成された隙間には、目地材としてのモルタル13が充填され、このモルタル13によって電熱シート12が収容溝11b内に埋設固定されている。
【0012】
次に、前記電熱シート12を製造する方法を、図3〜図7に基づいて説明する。
この電熱シート12の製造に際しては、帯状のラミネートフィルムよりなる第1フィルム14と第2フィルム18が用意される。前記第1フィルム14は、図3(a)に示すように絶縁材よりなるフィルム本体15と、このフィルム本体15の上面全域に予め塗布された接着剤層16とにより形成されている。前記接着剤層16の上面には、その幅方向左右両側部を除いて、発熱塗料よりなる帯状薄膜電熱層17が接着されている。
【0013】
前記第2フィルム18は、図3(b)に示すように前記第1フィルム14と同様に絶縁材よりなるフィルム本体19と、このフィルム本体19の上面全域に予め塗布された接着剤層20とにより形成されている。前記接着剤層20の上面には、フィルム本体19の幅方向に所定の間隔をおいて、かつフィルム本体19の幅方向左右両端部を除いて銅箔テープよりなる左右一対の電極帯21,22が接着されている。
【0014】
前記ラミネートフィルムとして、例えばフジプラ株式会社(東京都中央区銀座1−9−7大和ビル)製のロールタイプフィルムの製品名「CP−ロール」の厚さ寸法150ミクロン、幅310mm、長さ50mのものが用いられる。又、前記銅箔テープとして、例えば寺岡製作所製の導電性銅箔テープが用いられ、その厚さ寸法は0.07mm、幅寸法は6mm、長さ寸法は20mものが用いられる。前記帯状薄膜電熱層17を形成する発熱塗料として、黒鉛に対し一液型常温乾燥塗料又は常温乾燥型溶剤系塗料を添加したものが用いられる。前記銅箔テープに代えて導電塗料を用いてもよい。この導電塗料として黒鉛に対しエマルジョン型水溶性塗料又は一液型常温乾燥塗料を添加したものが用いられる。
【0015】
前記帯状薄膜電熱層17を備えた第1フィルム14及び電極帯21,22を備えた第2フィルム18は、図4に示すように、ボビン23にロール状に巻き取られ、上下一対の接触用ローラ24により図5に示すように前記帯状薄膜電熱層17の左右両側上面に前記電極帯21,22が接触された状態で重ね合わされる。この状態で、図4に示す上下一対の加熱融着用ローラ25の間に供給される。そして、両ローラ25により図6に示すように前記接着剤層16,20が加熱されて互いに融着されるとともに、フィルム本体15とフィルム本体19の左右両側部が互いに熱融着により接合される。又、電極帯21,22の間に位置するフィルム本体15,19と帯状薄膜電熱層17は加熱された接着剤層16,20により融着され、一体化された電熱シート12が製造される。
【0016】
このようにして製造された電熱シート12は、図4に示す巻き取り用のボビン26に巻き取られる。前記電熱シート12は、図6に示すように幅W寸法が310mm、厚さt寸法が0.5mmに形成され、容易に変形できるように可撓性を有している。
【0017】
図4に示すようにボビン26に巻き取られた電熱シート12は、所定の長さに切断された後、図1及び図2に示すように道路11の収容溝11bに施工される。前記各電熱シート12の両電極帯21,22には図示しない電源から導電線を用いて例えば6〜24ボルト、望ましくは12ボルトの電圧が供給され、帯状薄膜電熱層17が発熱される。この熱は道路11の表面11a付近のコンクリートCに伝導され、コンクリートCが加熱され、この熱により道路11の表面11aの融雪が行われる。
【0018】
図2に示すように、前記道路11の収容溝11bの深さd寸法は、前記電熱シート12の幅W寸法よりも若干大きくなるように、320mmに形成されている。又、収容溝11bの水平方向の隙間T寸法は、電熱シート12の厚さt寸法よりも大きくなるように例えば、2〜5mmに設定されている。前記電熱シート12の幅W寸法は、20mm〜60mmに設定されている。この理由は60mm以上にすると、コンクリートCに形成される収容溝11bの深さd寸法が大きくなってコンクリートCの強度低下をもたらすばかりでなく収容溝11bの形成作業も難しく、20mm以下にすると、電極帯21,22間の短絡が生じる可能性があるからである。
【0019】
前記電熱シート12は、厚さt寸法が薄く形成されているので、例えば車両の走行時の振動が大きい道路等のように機械的強度が必要な箇所に用いる場合には、図7に示すように電熱シート12を繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)よりなる保護カバー28により全体を被覆するのが望ましい。
【0020】
次に、前記実施形態のように構成した道路の融雪構造の効果について説明する。
(1)上記実施形態では、道路11の表面11aに対し、道路カッターにより直交方向に収容溝11bを形成し、その収容溝11bに電熱シート12を直交方向に収容して、モルタル13により電熱シート12を収容溝11bに埋設固定するようにした。このため道路11の表面に広い面積にわたって電熱シート12を収容するための収容凹所を形成する必要がなくなるばかりでなく、広い収容凹所を埋め戻す作業も不要となり、電熱シート12の施工作業を容易に行うことができる。
【0021】
(2)上記実施形態では、収容溝11bに電熱シート12が直交方向に埋設されているので、該電熱シート12からコンクリートCに伝導された熱の伝導方向が水平方向、つまり表面11aと平行になるため、道路11の表面11aから内奥である下方向へ伝導する無駄な熱を抑制することができ、表面11aの融雪効率を向上することができる。
【0022】
(3)上記実施形態では、変形可能な電熱シート12を収容溝11bに収容するようにしたので、隙間T寸法の小さい収容溝11b内への電熱シート12の収容作業を容易に行うことができる。
【0023】
(4)上記実施形態では、第1フィルム14及び第2フィルム18を接合して、両フィルムにより帯状薄膜電熱層17及び電極帯21,22を挟着するようにしたので、電熱シート12全体の厚さt寸法を薄くすることができる。このため、道路11の収容溝11bの隙間T寸法を小さくすることができ、モルタル13の使用量を少なくでき、材料コストを低減することができる。
【0024】
次に、図8及び図9を用いて電熱シート12の別の実施形態について説明する。
この電熱シート12は、前記第1フィルム14及び第2フィルム18の幅W寸法が例えば20〜60cmの範囲から選択されたものであって、両フィルム14,18の接合面の間には、図8に示すように帯状薄膜電熱層17及び電極帯21,22が複数(この実施形態では7)箇所に互いに平行に挟着されている。
【0025】
この実施形態の電熱シート12は、使用する目的に応じて、例えば、図8の一点鎖線L1又はL2で示すように任意の大きさや、任意の電極帯21,22の数(例えば2〜7)に裁断して使用することができる。
【0026】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図示しないが、建築物の室内の床面又は壁面に収容溝11bを多数箇所に形成し、各収容溝11bに電熱シート12を収容し目地剤としての接着剤を収容溝11bに充填して電熱シート12を埋設固定してもよい。
【0027】
この実施形態では、床面又は壁面に対する電熱シート12の施工作業を容易に行うことができるとともに、加熱効率を向上して室内の暖房効率を向上することができる。
・図示しないが、道路11の表面11aに対し傾斜するように収容溝11bを形成してもよい。
【0028】
・図示しないが、帯状薄膜電熱層17に代えて、電極帯21,22の間に多数の抵抗加熱線を並列に接続した電熱シートを用いてもよい。
・図示しないがアスファルトやコンクリートあるいは木製の駐車場、公園の歩道、床、建物の屋根、柱、階段、手摺等の各種の構造物の水平面、垂直面或いは傾斜面を有する各種の構造物の融雪構造、暖房構造あるいは保温構造に具体化してもよい。
【0029】
次に、本発明とは関係しないが、図8に示す幅広の電熱シート12を樋の融雪構造に利用した具体例を図10〜図13に基づいて順次説明する。
図10及び図11に示す樋の融雪構造は、屋根の庇に固定されるステー31により支持される横向きの半円筒状をなす樋32の外周面に対し、前記電熱シート12を円弧状に湾曲して接触させるとともに、その電熱シート12の下面に半円筒状の保護カバー33を接触させ、該保護カバー33の下面を前記ステー31により支持するようにしている。なお、前記ステー31には図10に示すように屈曲可能な係止板34が二箇所に取り付けられ、図11に示すように前記樋32の左右の二つの上端縁を前記係止板34を折り曲げることにより係止するようになっている。
【0030】
この具体例は、樋32内の積雪や着氷あるいは保護カバー33の下面に吊下された氷柱を電熱シート12から樋32及び保護カバー33に伝導される熱により溶かすことができる。又、前記電熱シート12の取付作業を保護カバー33を用いることにより既設の樋32に対しても極めて容易に行うことができる。さらに、樋32の内部に加熱ヒータを配設する構成では、そのヒータの取付作業が面倒であるばかりでなく、ヒータが樋32の内部に障害物として存在することになるので、樋32の機能が低下するが、上記の融雪構造では樋32の機能が損なわれることはない。
【0031】
図12及び図13に示す樋の融雪構造は、直交方向に設置される円筒状の樋41の外周面に対し、前記幅広の電熱シート12を湾曲して円筒状に接触した状態で、直交方向に切り欠き42aを形成した保持カバー42を前記電熱シート12の外周面を覆うように装着したものである。この装着方法について説明すると、図12に示すように前記樋41に対し電熱シート12を円弧状に変形して、例えばテープ(図示略)により仮止めする。その後、図12の実線で示す保持カバー42の切り欠き42aの両端縁を矢印で示すように拡張して、同図の二点鎖線で示すように前記電熱シート12の外周面に対し、その径方向から保持カバー42を図13に示すように嵌合する。
【0032】
この具体例は、樋41内に落ち込んだ雪を電熱シート12から樋41に伝導される熱により溶かすことができる。又、前記電熱シート12の取付作業を保持カバー42を用いることにより既設の樋41に対しても極めて容易に行うことができる。
【0033】
図12において、図示しないが、前記保持カバー42の切り欠き42aを省略して保持筒とし、樋41の外周面に対し電熱シート12を介して前記保持筒を樋41の軸線方向から嵌合するようにしてもよい。
【0034】
前記カバー28を備えた電熱シート12は、例えば図14に示すように植物の育成装置の容器51の底部に配置され、培養土を加熱するのに用いることもできる。なお、容器51の上方には発光ダイオード52が設けられている。又、培養土の内部には温度センサ53が設けられ、制御装置54から測定された温度に基づいて、前記電熱シート12の通電電圧及び時間の少なくともいずれか一方を制御し、培養土の温度を所望する温度に制御するようになっている。
【0035】
上記容器51内の培養土に代えて、動物を収容する空間を設け、マウイ、雛等の動物を育成するようにしてもよい。
次に、上記実施形態及び別の構成から把握できる技術的思想について以下に追記する。
【0036】
(1)互いに接合された絶縁性を有する二枚の帯状フイルムと、両帯状フィルムの接合界面に挟着された帯状薄膜電熱層と、該電熱層の左右両側部に接合された一対の電極帯とにより形成されていることを特徴とする電熱シート。
【0037】
(2)上記(1)において、前記帯状薄膜電熱層及び一対の電極帯は、複数箇所に平行に形成されていることを特徴とする電熱シート。
(3)半円筒状の樋本体の下側外周面に電熱シートを接触させ、前記樋本体の外周面に前記電熱シートを覆うように円弧筒状のカバーを装着したことを特徴とする樋の融雪構造。
【0038】
(4)上記(3)において、前記カバーは樋本体を屋根の庇に装着するためのステーの湾曲支持部と前記電熱シートとの間に介装されていることを特徴とする樋の融雪構造。
(5)円筒状の樋本体の外周面に対し、該外周面に沿うように電熱シートを円弧状に接触させ、前記樋本体の外周面に前記電熱シートを覆うように円筒状のカバーを装着したことを特徴とする樋の融雪構造。
【0039】
(6)上記(5)において、前記円筒状のカバーは、その直交方向にスリットが形成され、該カバーの装着の際に前記スリットが拡大されて前記樋本体に対しその外周面を乗り越えるようにしてカバーが装着されるように構成されていることを特徴とする樋の融雪構造。
【0040】
(7)容器の底部に電熱シート12を配設し、温度センサからの信号に基づいて制御装置から制御信号を出力し、前記電熱シート12への通電電圧及び通電時間の少なくともいずれか一方を制御し、容器内の温度を所望する温度に制御するように構成したことを特徴とする生物の育成装置。
【0041】
(定義)
この明細書において、「直交方向」とは構造物の表面に対し収容溝が直交方向に形成されている場合の他、80°〜90°の好ましい範囲で傾斜するように形成されている場合、60°〜80°の範囲で傾斜するように形成されている場合も含むものとする。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】この発明の構造物の過熱構造を道路の融雪構造として具体化した一実施形態を示す部分斜視図。
【図2】電熱シートの収容状態を示す拡大断面図。
【図3】(a)は第1フィルムの横断面図、(b)は第2フィルムの横断面図。
【図4】第1及び第2フィルムの融着装置を示す正面図。
【図5】第1フィルム及び第2フィルムの積層状態を示す横断面図。
【図6】第1フィルム及び第2フィルムの熱融着状態を示す横断面図。
【図7】電熱シートの別の実施形態を示す横断面図。
【図8】電熱シートの別の実施形態を示す斜視図。
【図9】図8に示す電熱シートの部分横断面図。
【図10】横樋の融雪構造を示す分離状態の斜視図。
【図11】横樋の融雪構造を示す組付状態の横断面図。
【図12】縦樋の融雪構造を示す分離状態の斜視図。
【図13】縦樋の融雪構造を示す組付状態の横断面図。
【図14】植物の育成装置の断面図。
【符号の説明】
【0043】
C…コンクリート、11…道路、11a…表面、11b…収容溝、11c,11d…内側面、12…電熱シート、12a,12b…側面、17…帯状薄膜電熱層、21,22…電極帯。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の表面に対し、直交方向に収容溝を形成し、該収容溝内に帯状の電熱シートを収容し、前記収容溝の内側面と前記電熱シートの側面との隙間に絶縁性を有する目地材を充填して、前記電熱シートを収容溝内に埋設固定したことを特徴とする構造物の加熱構造。
【請求項2】
請求項1において、構造物はコンクリート、アスファルト又は木製の道路又は駐車場であって、該道路又は駐車場には前記収容溝がカッターにより多数箇所に平行に形成され、前記各収容溝に埋設固定された電熱シートは道路又は駐車場を加熱して融雪に用いられるものであることを特徴とする構造物の加熱構造。
【請求項3】
請求項1において、構造物はコンクリート、アスファルト又は木製の床又は壁であって、該床又は壁には前記収容溝がカッターにより多数箇所に平行に形成され、前記各収容溝に埋設固定された電熱シートは床又は壁を加熱して室内の暖房に用いられるものであることを特徴とする構造物の加熱構造。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項において、前記電熱シートは互いに接合された絶縁性を有する二枚の帯状フイルムと、両帯状フィルムの接合面に挟着された帯状薄膜電熱層と、該電熱層の両側部に平行に接合された二条の電極帯とにより形成されていることを特徴とする構造物の加熱構造。
【請求項5】
請求項4において、前記帯状フイルムとしてラミネートフィルム、前記帯状薄膜電熱層の材料として、黒鉛に一液型常温乾燥塗料又は常温乾燥型溶剤系塗料を添加した材料、前記電極帯として銅箔テープ又は黒鉛にエマルジョン型水溶性塗料又は一液型常温乾燥塗料を添加した材料がそれぞれ用いられていることを特徴とする構造物の加熱構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−231655(P2007−231655A)
【公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−56132(P2006−56132)
【出願日】平成18年3月2日(2006.3.2)
【出願人】(305020929)有限会社白鳥電気 (1)
【Fターム(参考)】