説明

構造物の監視装置およびその監視方法

【課題】監視対象物のスペクトル特性、光の偏光特性、時間変化特性に合わせて柔軟に監視画像の撮影条件を変えることで、通常のカラーカメラで観測するよりも識別能力を高めた状態監視、異常監視、異物監視、遠隔監視を行う。
【解決手段】本発明に係る構造物の監視装置1は、構造物である監視対象物30を監視する装置である。構造物の監視装置1は、監視部2と、操作部3と、を備え、監視部2は、光源部4と、撮影部5と、監視部支持部材6と、を備え、操作部3は、撮影部コントロールユニット7と、システム制御用計算機8と、光源部ドライバ9と、表示装置10と、入力装置11と、を備え、光源部4は、光源4Aを備え、撮影部5は、カメラ5Aを備え、カメラ5Aは、レンズ光学系5Bと、モノクロ撮像素子5Cとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、構造物の状態監視、異物監視、異常監視、遠隔監視を行う構造物の監視装置およびその監視方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原子炉内部のように人が近づくことの困難な場所に存在する構造物の状態監視、異常監視、異物監視は、カメラを使用して遠隔監視で実施している。この作業に使用するカメラはモノクロ撮像管カメラ、モノクロCCDカメラ、カラーCCDカメラなど可視域の波長を観測するものである。
【0003】
このうち、カラーカメラでは、赤緑青3原色フィルタを使用したフルカラー画像での監視となる。
【0004】
一般に、このカラーカメラに使用される原色フィルタは赤で波長590nmから700nm、緑で500nmから590nm、青で400nmから520nm程度の光帯域幅をもつことが多い。これらの原色フィルタで色分解した明暗画像を、カラーテレビジョンなどの赤緑青信号入力にそれぞれ導入することでフルカラー画像として監視できる。
【0005】
一方、モノクロカメラでは一般に可視光領域である波長400nmから700nmを積分的に監視した明暗情報のみが認識できる。
【0006】
カラーカメラの監視と、モノクロカメラの監視とを比較すると、カラーカメラはモノクロカメラに比べて色情報が3倍あるため、物の識別能力は大まかにモノクロカメラの3乗の能力があるといえる。すなわち、モノクロカメラで同じ様に監視されている物体、材料でも、カラーカメラで監視すると色が異なって見えるため、別の物体、材料であると認識することができる。
【0007】
ところで、構造物の状態監視、異常監視、異物監視の対象物を構成する物体、材料にはそれぞれの物体、材料に応じた反射スペクトル、吸収スペクトル、蛍光スペクトル、燐光スペクトルを持っている。
【0008】
これらのスペクトル特性が、カラーカメラでの監視時に色情報として認識されるわけであるが、一般にこれらのスペクトル構造は、カラーカメラの色分解能力より複雑である。
【0009】
例えば、カラーカメラの赤領域は590nmから700nmの範囲であり、この範囲で異なったスペクトルを持った物体でも通常のカラーカメラを使用して監視した場合には識別できない。すなわち、カラーカメラで同じ様に監視される物体、材料でも、より狭いスペクトル領域に分解して監視すると、まったく別の明るさに見え、物体、材料を識別し易くなる。
【0010】
そこで、例えば、この赤のスペクトル範囲を590nmから630nmと、630nmから660nmと、660nmから700nmとのように3分割して、それぞれ通常のカメラの青、緑、赤信号に割り当てて表示すれば、異なった色彩として監視することが可能になり、通常のカラーカメラでは識別が付かない物体、材料を識別することが可能になる。
【0011】
この考え方と同様のものに、約210種類の異なった波長領域での画像計測を行うカメラ(マルチスペクトルカメラまたはハイパースペクトルカメラ)があり、地球観測用の衛星に搭載されている。
【0012】
通常の構造物の画像監視技術に関わる先行技術の例を以下に示す。
【特許文献1】特開平8−146186号公報(原子炉内構造物検査装置および検査方法)
【特許文献2】特開平11−174192号公報(原子炉アニュラス部検査装置)
【特許文献3】特開2002−181986号公報(原子炉格納容器の圧力抑制室内監視装置)
【特許文献4】特開2002−146377号公報(原子炉圧力容器内構造物の点検予防保全装置および点検方法)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
通常の監視カメラはカラーカメラである。このカラーカメラでは、原子炉内部のように人が近づくことが困難な場所に存在する構造物の状態監視、異常監視、異物監視を目的とする場合、十分な情報識別能力が無く、監視時間等に長時間を要する課題や、遠隔で対象物をサンプリングして分析しなければ監視対象物を構成する物体、材料を判別できない場合もあるなどの課題がある。
【0014】
ハイパースペクトルカメラを使用して構造物の状態監視、異常監視、異物監視を行えば、通常のカメラ画像で監視するよりも非常に多くの対象物の情報を得ることがでる。特に原子炉内外部周辺のように人間が近づけない場所を監視する際には非常に有効である。
【0015】
しかしながら、衛星搭載用のハイパースペクトルカメラは50kgから200kg程度の非常に大型の装置であり、原子炉内部のように十分な設置空間のない場所や、遠隔機器に搭載して狭隘部を観測するような場合には適用できない。
【0016】
また、衛星搭載用のハイパースペクトルカメラは自発光もしくは太陽光によって照らされた地表面からの反射光を計測するものであり、光源を持ない。構造物の監視に用いる場合は、何らかの光源が必要となる課題がある。
【0017】
さらに、光源を使用する際に、光源の照射角度如何によっては物体表面での直接反射光の影響が大きく、正しく物体を識別できない場合もある。
【0018】
さらにまた、光源を持たないため蛍光発光を時間分解で監視することによって、物体を識別するような手法は適用できないなどの課題がある。
【0019】
一方、通常のカラーカメラやモノクロカメラでの構造物の監視では観測波長が可視光波長領域に固定されているため、単純に波長限定のフィルタを使用すれば多波長での観測ができるわけではない。すなわち、カラーカメラに400nmより短い波長、例えば中心波長350nmの紫外光バンドパスフィルタを設けても監視できないし、同様に700nmより長い波長、例えば波長900nmでの観測を目的として、この波長を透過するバンドパスフィルタを設けても監視できない。
【0020】
ところで、本発明の適用例として炉水で満たされた原子炉圧力容器内の構造物、特に放射線場の強い水で満たされた原子炉内構造物の監視があるが、水中で撮影するためには水中カメラなどの電装品が水に浸らないようにしなければならない。
【0021】
また、監視波長を簡単に変更出来るようにしておかなければ、波長を変えた状態監視、異常監視、異物監視を円滑に行うために大きな支障が出るという課題もある。
【0022】
さらに、このような状況下で原子炉圧力容器内の構造物の監視を行う際に、しばしば起こることであるが、対象表面と、監視カメラと、光源との位置関係により、直接反射成分が強くなりハレーションを起こす問題が出る場合が多い。
【0023】
さらにまた、例えば、原子炉圧力容器内の構造物と同じような色をした物質や、可視波長で透明な物質を原子炉圧力容器内に落としたような場合には、通常のカメラで探し出すことは非常に困難である。
【0024】
一方、水中に設置された原子炉圧力容器内の構造物は金属酸化物に覆われている場合が多く、通常のカラーカメラでは単純に赤錆色に見えるだけで、その実際の組成分布を把握することができないなどの課題もある。
【0025】
また、原子炉圧力容器内の構造物の境界や、その構造物に発生した微小な亀裂を監視する場合には、光源から出る光線束のベクトル分布が広がっているとシャープに見えなくなる場合が多い。
【0026】
さらに、原子炉圧力容器内の構造物表面の色調などを正確に把握するときには光源から出る光線束のベクトル分布が狭いと直接反射成分が多くなり正確に判別ができない場合がある。
【0027】
本発明はこれらの課題を解決するためになされたものである。
【0028】
監視対象物のスペクトル特性、光の偏光特性、時間変化特性に合わせて柔軟に監視画像の撮影条件を変えることで、通常のカラーカメラで観測するよりも識別能力を高めた状態監視、異常監視、異物監視、遠隔監視を行う構造物の監視装置およびその監視方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
前記の課題を解決するため本発明では、監視対象へ波長が異なる複数の照明光を出力する光源部と、前記監視対象を撮影するカメラを含む撮影部と、前記光源部および前記撮影部を支持する監視部支持部材と、を有する監視部と、前記カメラを制御しこのカメラから出力される電子情報を受信する撮影部コントロールユニットと、光源部ドライバと、前記撮影部コントロールユニットおよび前記光源部ドライバを制御するシステム制御用計算機と、前記システム制御用計算機の表示装置と、前記システム制御用計算機の入力装置とを有する操作部とを備え構成されたことを特徴とする構造物の監視装置を提供する。
【0030】
また、本発明では、監視対象へ照射光を出力する光源部と、前記監視対象を撮影するカメラを含む撮影部と、前記光源部および前記撮影部を支持する撮影部支持部材と、を有する監視部を監視対象に配置する配置ステップと、前記監視対象へ照射光を出力する出力ステップと、前記照射光による前記監視対象からの光を撮影する撮影ステップと、前記撮影した画像を表示する表示ステップとを有することを特徴とする構造物の監視方法を提供する。
【0031】
さらに、本発明では、監視対象へ照射光を出力する光源部と、前記監視対象を撮影するカメラを含む撮影部と、前記光源部および前記撮影部を支持する撮影部支持部材と、を有する監視部を監視対象に配置する配置ステップと、前記監視対象へ照射光を出力する出力ステップと、前記照射光による前記監視対象からの光の透過波長を制限して撮影する撮影ステップと、前記撮影した画像を表示する表示ステップとを有することを特徴とする構造物の監視方法を提供する。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、監視対象物のスペクトル特性、光の偏光特性、時間変化特性に合わせて柔軟に監視画像の撮影条件を変えることで、通常のカラーカメラで観測するよりも識別能力を高めた状態監視、異常監視、異物監視、遠隔監視を行う監視装置および監視方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下、本発明に係る構造物の監視装置およびその監視方法の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0034】
[第1の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置1の第1実施形態について、図1を参照して説明する。
【0035】
図1に示された本実施形態の構造物の監視装置1は、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0036】
構造物の監視装置1は、監視部2と、操作部3とを備えている。
【0037】
構造物の監視装置1を監視部2と、操作部3とに分けて構成することで、構造物である監視対象物30が操作部3と離れた場所にあっても、監視部2を構造物である監視対象物30へ接近させて監視を行うことができる。
【0038】
監視部2は、光源部4と、撮影部5と、監視部支持部材6とを備えている。
【0039】
光源部4は、光源4Aを備えている。
【0040】
光源4Aは、監視対象物30を照らす照明光を発生する光源である。光源4Aは、連続光またはパルス光を発生させることができる。光源4Aは、例えば、紫外領域から赤外領域に渡り幅広い発光スペクトルを持ち連続発光するキセノンアークランプを、所要の波長に制限して使用される。
【0041】
撮影部5は、カメラ5Aを備え、このカメラ5Aは、レンズ光学系5Bと、モノクロ撮像素子5Cと、を備えている。
【0042】
レンズ光学系5Bは、照明光に基づく監視対象物30からの光、もっぱら反射光を収束する。レンズ光学系5Bは、例えば、監視対象とする波長領域全体で十分に収差補正されているものが使用される。レンズ光学系5Bに焦点深度の浅いレンズ光学系が使用される場合は、遠隔で焦点合わせができるモータドライブのレンズが使用される。
【0043】
モノクロ撮像素子5Cは、レンズ光学系5Bが収束した光を電子情報に変換する。モノクロ撮像素子5Cは、例えば、CCD撮像素子、CMOS撮像素子、撮像管が使用される。
【0044】
監視対象の波長領域が広くてレンズ光学系5Bの色収差補正が困難な場合は、例えば、ピエゾ素子で駆動する光軸方向位置補正用駆動装置(図示省略)をモノクロ撮像素子5Cに取り付けて色収差補正することができる。
【0045】
監視部支持部材6は、監視部2を構成する光源部4と、撮影部5とを保持する。監視部支持部材6は、光源部4を保持する光源部保持部材6Aと、撮影部5を保持する撮影部保持部材6Bとを有する。
【0046】
構造物の監視装置1を構成する操作部3は、撮影部コントロールユニット7と、システム制御用計算機8と、光源部ドライバ9と、表示装置10と、入力装置11とを備えている。
【0047】
撮影部コントロールユニット7は、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングと露光時間との制御部と、モノクロ撮像素子5Cから出力される画像電子情報の受信部と、受信した画像電子情報を通常のカラーカメラのRGB信号およびカラービデオ信号の内から選択した少なくとも1つの映像信号に変換して出力する出力部と、レンズ光学系5Bの駆動の制御部と、カメラ5Aの機能の操作部とを備えている。
【0048】
システム制御用計算機8は、撮影部コントロールユニット7の制御部と、撮影部コントロールユニット7からの映像信号の受信部と、受信した映像信号の画像処理機能部、画像記録機能部および画像出力機能部と、光源部ドライバ9の制御部とを備えている。
【0049】
光源部ドライバ9は、システム制御用計算機8からの指令により光源4Aの明るさおよび発光時間などの条件の制御部を備えている。
【0050】
表示装置10は、システム制御用計算機8の操作画面の表示部と、構造物である監視対象物30の監視画像の表示部とを備えている。
【0051】
入力装置11は、システム制御用計算機8の操作部を備えている。
【0052】
次に、構造物の監視装置1の作用について説明する。
【0053】
構造物の監視装置1は、システム制御用計算機8からの指令に応じて、光源部ドライバ9を作動させて光源4Aを発光させる。
【0054】
光源4Aから出力された光は構造物である監視対象物30の照明光となる。
【0055】
光源4Aは、光の波長が制限されているので、構造物である監視対象物30に応じて照明光の波長に依存する性質を強調した監視画像を得ることができ、監視結果の評価に必要な時間を短縮できる効果がある。
【0056】
ここで、光源部4は、各々異なる波長に制限した光源4Aを2つ以上使用される。
【0057】
各光源4Aから出力される照明光に基づく監視対象物30からの光、もっぱら反射光は、レンズ光学系5Bで収束されてモノクロ撮像素子5C上に投影される。
【0058】
モノクロ撮像素子5Cは撮影部コントロールユニット7の指令に応じた露光時間、シャッタータイミングで投影された画像を電子情報に変換し、撮影部コントロールユニット7へ映像信号として送り出す。
【0059】
撮影部コントロールユニット7は、システム制御用計算機8により、光源部ドライバ9とともに制御される。撮影部コントロールユニット7は、各々異なる波長に制限した光源4Aが発光する毎に、モノクロ撮像素子5Cから画像電子情報を取り込み、例えば、RGBの3原色映像信号に分配変換して、システム制御用計算機8へ送り出す。
【0060】
システム制御用計算機8は、撮影部コントロールユニット7を介して、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングを、また、光源部ドライバ9を介して光源4Aの発光時間を同期して動作している。
【0061】
そうすると、異なる物質を通常のモノクロカメラやカラーカメラで監視した場合に、監視画像に表れる差異が明暗程度であり識別が困難であるとしても、任意の3種類の波長領域の光で監視した場合は、色調の差として監視画像に表れ、容易に区別ができる効果がある。
【0062】
また、光源4Aの発光時間と、モノクロ撮像素子5Cとの同期を取ることができるので、監視画像と照明光の波長の関係を1対1に把握できる効果がある。
【0063】
例えば、通常のモノクロカメラやカラーカメラでマグネタイト粉末とニッケル鉄酸化物粉末(NiFe)を監視して比較すると同じ黒色に見えるので、マグネタイト粉末とニッケル鉄酸化物粉末の識別はつかない。
【0064】
本実施形態の構造物の監視装置1であれば、光源4Aの波長制限を600nmから630nmの透過範囲と、870nmから900nmの透過範囲とに分けて監視できる。そうすると、600nmから630nmの透過範囲の画像はマグネタイト粉末とニッケル鉄酸化物粉末は同じ黒色に見え、870nmから900nmの透過範囲の画像はマグネタイト粉末が黒色に見えるのに対し、ニッケル鉄酸化物粉末は白色に見えるので、マグネタイト粉末とニッケル鉄酸化物粉末を容易に識別できる効果がある。
【0065】
監視対象である監視対象物30が、赤錆である場合には、赤色から近赤外領域を波長選択することで監視は容易になる。
【0066】
例えば、光源4Aの波長制限を590nmから610nmの透過範囲と、610nmから630nmの透過範囲と、630nmから650nmの透過範囲とに設定する。そうすると、通常のモノクロカメラや、カラーカメラでは明暗でしか判別できない監視対象物30が、3種類の波長領域に分けて詳細に監視できる効果がある。
【0067】
また、監視対象物30が、金属の溶接部分の境界や金属材料の種類の選別である場合には、照明光を紫外領域にすることで監視は容易になる。
【0068】
例えば、光源4Aの波長制限を200nmから230nmの透過範囲と、230nmから270nmの透過範囲と、270nmから300nmの透過範囲とに設定する。そうすると、通常のモノクロカメラや、カラーカメラでは明暗でしか識別できない監視対象物30が、3種類の波長領域に分けて詳細に監視できる。
【0069】
なお、構造物である監視対象物30として、環境内の異物探知を目的とする場合は、照明光に用いる波長は1種類以上、3種類以下であっても区別できる。
【0070】
構造物の監視装置1の他の使用方法を説明する。
【0071】
例えば、有機物では、ある波長の光をあてると、より長い波長の光を出す蛍光発光や燐光発光が生じる。コントラスト良く蛍光発光または燐光発光の監視をするために、蛍光発光や燐光発光が照明光の発光タイミングから遅れて発光することを利用する。
【0072】
システム制御用計算機8を制御することで、光源部ドライバ9を介して光源4Aを発光したのち消灯し、撮影部コントロールユニット7を介して光源4Aが消灯した後に、モノクロ撮像素子5Cのシャッタを開いて監視画像を取得することで蛍光発光や燐光発光が監視できる。
【0073】
そうすると、監視対象物30が有機物を含む場合は、蛍光発光や燐光発光の効率が高い有機物などの物質の付着状況などを選択的に監視し、異常に関する情報または異物の存在を確認できる。
【0074】
また、複数の構造物の監視装置1を略一定間隔に配置して監視を行うことができる。
【0075】
視差の異なる画像を同時に得るので、監視結果としてステレオ視画像が得られる。
【0076】
そうすると、照明光に基づく監視対象物30からの反射スペクトルの散乱角度依存性を測定できる。監視結果は通常のステレオ画像と異なり、監視対象物30のスペクトル散乱角度依存により異常の監視が容易にできる。
【0077】
また、構造物の監視装置1は照明光の波長を制限した画像取得ができ、かつ、監視対象物30の反射スペクトルは視差によって異なるので、複数の構造物の監視装置1により得られた複数の画像を各々監視すると、構造物の監視装置1を1台で使用する場合と比較して、構造物である監視対象物30の詳細な表面状況、組成分布を把握できる。
【0078】
さらに、監視対象物30の監視に先立ち反射スペクトルが事前に取得された散乱体(図示省略)の画像を取得しておくことができる。そうすると、監視画像の感度補正を行うことができる。
【0079】
構造物の監視装置1の監視範囲内に散乱体または白色散乱体などの標準ターゲットを監視範囲に設置し、標準ターゲットからの画像情報を使用して、撮影時に波長の制限を受けた複数の画像間の感度補正ができるため、撮影毎の監視条件のばらつきの少ない監視画像を収集できる効果がある。
【0080】
また、この標準ターゲットは、例えば、アルミナなどの金属酸化粉末焼結体のような広帯域白色散乱反射板を使用できる。
【0081】
撮影時に波長の制限を受けた複数の監視画像間の感度補正を行う際に、各監視画像における標準ターゲットの反射スペクトルを対比することなく、簡便に感度補正ができる効果がある。
【0082】
モノクロ撮像素子5Cに使用するCCD撮像素子やCMOS撮像素子の感度領域は、通常200nmから1100nmの範囲である。
【0083】
そうすると、散乱体は、例えば、モノクロ撮像素子5Cの感度領域、すなわち波長が200nmから1100nm程度の範囲で一定の反射率が得られる白色散乱体が使用できる。
【0084】
広帯域白色散乱体は、例えば、マグネシウム酸化物粉末、酸化シリコン粉末、酸化チタン粉末、塩化ナトリウム粉末、フッ化カルシウム粉末、フッ化マグネシウム粉末、その他、波長200nmから1100nmの範囲で透明な物質の粉末がある。
【0085】
[第2の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第2実施形態について、図2を参照して説明する。
【0086】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Aは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0087】
この構造物の監視装置1Aにおいて第1実施形態の構造物の監視装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0088】
図2に示された構造物の監視装置1Aを構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5はレンズ光学系5Bを備え、このレンズ光学系5Bは、内部の絞り位置に保持されて、レンズ光学系5Bを透過できる光の開口を2次元的に制御する液晶型空間フィルタ5Dを備えている。
【0089】
構造物の監視装置1Aを構成する監視部3は、撮影部コントロールユニット7Aを備えている。
【0090】
撮影部コントロールユニット7Aは、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングと露光時間との制御部と、モノクロ撮像素子5Cから出力される画像電子情報の受信部と、受信した画像電子情報を通常のカラーカメラのRGB信号およびカラービデオ信号の内から選択した少なくとも1つの映像信号に変換して出力する出力部と、レンズ光学系5Bの駆動の制御部と、カメラ5Aの機能の操作部と、液晶型空間フィルタ5Dの制御部とを備えている。
【0091】
照明光に基づく監視対象物30からの、直接反射光はレンズ光学系5Bの絞り位置部分において中心を通るが、液晶型空間フィルタ5Dを制御して、中心部だけ不透過にすることができる。
【0092】
撮影部5のレンズ光学系5Bの絞り位置部分において任意の2次元形状をマスクして光を通さないようにできる液晶型空間フィルタ5Dを備えているため、照明光が監視対象物30で直接正反射する成分がレンズ光学系5Bを透過しないようにマスク部分を調整することができる。
【0093】
そうすると、直接正反射光によるハレーションを抑えて、監視対象物30の異常な部位または異物の画像をコントラスト良く観察できる効果がある。
【0094】
例えば、大型の平面、局面構造物表面を観測する際にこの効果は顕著である。
【0095】
[第3の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第3実施形態について、図3を参照して説明する。
【0096】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Bは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0097】
この構造物の監視装置1Bにおいて第1実施形態の構造物の監視装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0098】
図3に示された構造物の監視装置1Bを構成する監視部2は、光源部4と、撮影部5とを水密に収容する防水ケース12を備えている。
【0099】
防水ケース12は、例えば、監視部支持部材6に保持される。
【0100】
防水ケース12を備えた監視部2を使用すると、光源部4と、撮影部5との電子部品などが水に浸るのを防止し、水中に存在する監視対象物30を構造物の監視装置1Bにより監視することができる。
【0101】
例えば、原子炉内のような放射線場では、監視対象物30は放射線をさえぎる目的で水中に設置されている場合が多く、このような放射線環境下において、本実施形態の構造物の監視装置1Bであれば、水中で監視かできる。また、監視部2を水中で、かつ、遠隔操作で使用できることで、取扱い時の被ばく線量を低減できる。
【0102】
[第4の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第4実施形態について、図4を参照して説明する。
【0103】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Cは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0104】
この構造物の監視装置1Cにおいて第1実施形態の構造物の監視装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0105】
図4に示された構造物の監視装置1Cを構成する監視部2は、構造物である監視対象物30への照明光の透過波長を制限できる光源部4を備え、この光源部4は、光源104Aと、波長可変バンドパスフィルタ4Bとを備えている。
【0106】
光源104Aは、監視対象物30を照らす照明光を発生する連続発光白色光源である。光源104Aは、例えば、紫外から赤外に渡り幅広い発光スペクトルを持ち連続発光するキセノンアークランプが使用される。
【0107】
波長可変バンドパスフィルタ4Bは、光源104Aと構造物である監視対象物30との間に保持されて、光源104Aから構造物である監視対象物30に透過する照明光の波長を任意の波長領域に制限する。波長可変バンドパスフィルタ4Bは、例えば、光音響効果を用いる連続波長可変バンドパスフィルタ、液晶方式による連続波長可変バンドパスフィルタ、所要の波長固定バンドパスフィルタを光路上に切り替える方式などによる波長可変バンドパスフィルタである。
【0108】
液晶方式による波長可変バンドパスフィルタは、連続的に観測波長を可変できるため、監視対象物30に依存する性質を強調した監視結果を得ることができる。
【0109】
図11(a)と、(b)とに示された所要の波長固定バンドパスフィルタを光路上に切り替える方式による連続波長可変バンドパスフィルタは、複数の開口を有する板状の保持具21と、複数の開口に各々保持された波長固定バンドパスフィルタ22と、保持具21を駆動して、或る波長固定バンドパスフィルタを光の透過位置に切り替える駆動部23とで構成されている。この方式によれば、波長が固定されたバンドパスフィルタにより波長可変バンドパスフィルタを構成することができる。
【0110】
モノクロ撮像素子5Cに使用するCCD撮像素子やCMOS撮像素子の感度領域は、通常200nmから1100nmの範囲である。そうすると、波長可変バンドパスフィルタ4Bで選択できる波長は、200nmから1100nmの範囲に制限できる。
【0111】
また、波長可変バンドパスフィルタ4Bが透過できる光帯域幅は、監視対象物30により光帯域幅を細かくした方が良い場合と、紫外領域から赤外領域まで満遍なく、例えば、紫外領域、可視領域、赤外領域の3領域で観測する方が良い場合とがある。
【0112】
しかし、光帯域幅を1nmより小さくすると、照度確保の観点で望ましくない。
【0113】
また、モノクロ撮像素子5Cに使用するCCD撮像素子やCMOS撮像素子の感度領域は、通常200nmから1100nmの範囲であることから、光帯域幅が300nmより大きければ全体の波長帯域をカバーできる。
【0114】
そうすると、波長可変バンドパスフィルタ4Bは、透過する光の帯域幅を1nm以上、300nm以下に制限できる。
【0115】
構造物の監視装置1Cを構成する操作部3は、光源ドライバ9Aを備えている。
【0116】
光源部ドライバ9Aは、システム制御用計算機8からの指令により光源104Aの明るさおよび発光時間などの条件の制御部と、波長可変バンドパスフィルタ4Bの透過波長の制御部とを備えている。波長可変バンドパスフィルタ4Bの透過波長の制御部は別個に独立した装置で構成することができる。
【0117】
次に、構造物の監視装置1Cの作用について説明する。
【0118】
構造物の監視装置1Cは、システム制御用計算機8からの指令に応じて、光源部ドライバ9Aを作動させて、波長可変バンドパスフィルタ4Bを透過する光の波長を制限させる。
【0119】
構造物の監視装置1Cは、システム制御用計算機8からの指令に応じて、光源部ドライバ9Aを作動させて光源104Aを発光させる。
【0120】
光源104Aから出力された光は、波長可変バンドパスフィルタ4Bによって波長が制限されて監視対象物30の照明光となる。
【0121】
この照明光は、例えば、波長可変バンドパスフィルタ4Bが順次に異なる3種類のフィルタへ切り替えられ、監視対象物30は3種類の波長の照明光で順次に照らされる。
【0122】
この照明光に基づく監視対象物30からの光、もっぱら反射光は、レンズ光学系5Bで収束されてモノクロ撮像素子5C上に投影される。
【0123】
モノクロ撮像素子5Cは撮影部コントロールユニット7の指令に応じた露光時間、シャッタータイミングで投影された画像を電子情報に変換し、撮影部コントロールユニット7へ映像信号として送り出す。
【0124】
撮影部コントロールユニット7は、システム制御用計算機8により、光源部ドライバ9Aとともに制御される。
【0125】
撮影部コントロールユニット7は、照明光の波長が波長可変バンドパスフィルタ4Bにより制限される毎に、モノクロ撮像素子5Cから画像電子情報を取り込み、RGBの3原色映像信号に分配変換して、システム制御用計算機8へ送り出す。
【0126】
システム制御用計算機8は、撮影部コントロールユニット7を介して、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングを、また、光源部ドライバ9Aを介して、光源104Aの発光時間と、波長可変バンドパスフィルタ4Bのフィルタ切り替えタイミングとを同期して動作している。
【0127】
そうすると、第1実施形態の構造物の監視装置1と同様に、異なる物質を通常のモノクロカメラやカラーカメラで監視した場合に、監視画像に表れる差異が明暗程度であり識別が困難であるとしても、任意の3種類の波長領域の光で監視した場合は、色調の差として監視画像に表れ、容易に識別できる。
【0128】
本実施形態の構造物の監視装置1Cは、波長可変バンドパスフィルタ4Bを使用することで、監視部2と操作部3が離れた場所に配置されていても、監視部2へ接近することなく照明光の波長の制限ができる。
【0129】
また、構造物の異常や異物の存在を監視する上で、構造物である監視対象物30に応じて波長可変バンドパスフィルタ4Bのフィルタを切り替えて、監視が容易になる照明光の波長を探査できる。
【0130】
[第5の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第5実施形態について、図5を参照して説明する。
【0131】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Dは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0132】
この構造物の監視装置1Dにおいて第4実施形態の構造物の監視装置1Cと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0133】
図5に示された構造物の監視装置1Dを構成する監視部2は、光源部4を備え、この光源部4は、照明光を略平行光線にするコリメータ4Cを備えている。
【0134】
構造物の監視装置1Dを構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5は、監視対象物30からレンズ光学系5Bに入射する光の透過する波長を任意の波長領域に制限する波長可変バンドパスフィルタ5Eを備えている。
【0135】
波長可変バンドパスフィルタ5Eは、波長可変バンドパスフィルタ4Bと同様な波長可変バンドパスフィルタである。
【0136】
構造物の監視装置1Dを構成する操作部3は、撮影部コントロールユニット7Bを備えている。
【0137】
撮影部コントロールユニット7Bは、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングと露光時間との制御部と、モノクロ撮像素子5Cから出力される画像電子情報の受信部と、受信した画像電子情報を通常のカラーカメラのRGB信号およびカラービデオ信号の内から選択した少なくとも1つの映像信号に変換して出力する出力部と、レンズ光学系5Bの駆動の制御部と、カメラ5Aの機能の操作部と、波長可変バンドパスフィルタ5Eの透過波長の制御部とを備えている。
【0138】
次に、構造物の監視装置1Dの作用について説明する。
【0139】
構造物の監視装置1Dの撮影部コントロールユニット7Bは、システム制御用計算機8により、光源部ドライバ9Aとともに制御される。
【0140】
システム制御用計算機8は、撮影部コントロールユニット7Bを介して、波長可変バンドパスフィルタ5Eのフィルタ切り替えを、また、光源部ドライバ9Aを介して、波長可変バンドパスフィルタ4Bのフィルタ切り替えをしている。
【0141】
波長可変バンドパスフィルタ5Eの透過波長は波長可変バンドパスフィルタ4Bの透過波長より長い波長で選択される。そうすると、照明光に基づいて構造物である監視対象物30から2次的に発光する長波長にシフトした蛍光発光や燐光発光を観測することができる。
【0142】
例えば、有機物では、ある波長の光をあてると、より長い波長の光を出す蛍光発光や燐光発光が生じる。そうすると、監視対象物30が有機物を含む場合は、蛍光発光や燐光発光の効率が高い有機物などの物質の付着状況などを選択的に監視できる効果がある。
【0143】
例えば、原子炉内のような、通常は無機物しか存在しない場所で、蛍光発光や燐光発光を観測することができれば、異物の発見が迅速にできる。
【0144】
また、蛍光発光や燐光発光のスペクトルに応じた適切な波長を1から3種類選ぶことで、さらに監視対象物30の物質の判別性を高める効果がある。
【0145】
なお、波長可変バンドパスフィルタ4Bは、固定波長バンドパスフィルタを使用しても同様の効果がある。
【0146】
[第6の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第6実施形態について、図4と図5とを参照して説明する。
【0147】
本実施形態に示された構造物の監視装置1C、1Dは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0148】
この構造物の監視装置1C、1Dにおいて第4実施形態または第5実施形態の構造物の監視装置1C、1Dと重複する説明は省略する。
【0149】
構造物の監視装置1Cを構成する監視部2は、光源部4を備え、この光源部4は、波長が制限される前または後の光を偏光する光源側偏光フィルタ(図示省略)を備えている。
【0150】
構造物の監視装置1Cを構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5は、監視対象物30からモノクロ撮像素子5Cへ入射する光を偏光する撮影側偏光フィルタ(図示省略)を備えている。
【0151】
このように構成された構造物の監視装置1Cは、光源側偏光フィルタと、撮影側偏光フィルタとの偏光の関係を調整することで、監視対象物30からの直接反射光を選択して監視することや、散乱反射光を選択して監視することが可能である。
【0152】
特に、原子炉内構造物の監視のように、放射線強度が強く、自由に撮影位置や光源位置を変更できない場所では、監視対象物30からの直接反射光によるハレーションを低減する手段として効果がある。
【0153】
また、第5実施形態の構造物の監視装置1Dにおいて、蛍光発光や燐光発光の発光強度が小さい場合、波長可変バンドパスフィルタ5Eによる蛍光発光や燐光発光と、反射光との分離が不十分になり、蛍光発光や燐光発光をコントラスト良く監視することが困難な場合がある。
【0154】
本実施形態の構造物の監視装置1Cであれば、照明光と直交した蛍光発光や燐光発光の偏光成分を観測できるように、光源側偏光フィルタと撮影側偏光フィルタとを調整して、反射光がモノクロ画像素子5Cへ入射するのを防ぐことができる。
【0155】
蛍光発光や燐光発光には偏光特性はないので、偏光特性を利用しない方式よりも照射光と蛍光発光や燐光発光とを明確に区別して監視できる効果がある。
【0156】
構造物の監視装置1Cを構成する監視部2は撮影部5を備え、この撮影部5は、撮影側偏光フィルタ(図示省略)を回転自在に支持する回転支持機構(図示省略)を備えることができる。
【0157】
構造物の監視装置1Cを構成する操作部3は、撮影部コントロールユニット7を備えている。
【0158】
撮影部コントロールユニット7は、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングと露光時間との制御部と、モノクロ撮像素子5Cから出力される画像電子情報の受信部と、受信した画像電子情報を通常のカラーカメラのRGB信号およびカラービデオ信号の内から選択した少なくとも1つの映像信号に変換して出力する出力部と、レンズ光学系5Bの駆動の制御部と、カメラ5Aの機能の操作部と、撮影側偏光フィルタの回転支持機構の制御部とを備えている。
【0159】
本実施形態の構造物の監視装置1Cであれば、撮影側偏光フィルタを回転させる機構によって、構造物の監視装置1Cを手元に回収せずに、監視画像を見ながら撮影側偏光フィルタの偏光の調整ができるため、監視を迅速に行える。
【0160】
特に原子炉内のような放射線場では、構造物の監視装置1Cは放射線により被ばくするので、迅速に監視ができれば被ばく線量を低減する効果がある。
【0161】
本実施形態を構造物の監視装置1Dに適用した場合も同様な効果を得る。
【0162】
[第7の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第7実施形態について、図4を参照して説明する。
【0163】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Cは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0164】
この構造物の監視装置1Cにおいて第4実施形態の構造物の監視装置1Cと重複する説明は省略する。
【0165】
構造物の監視装置1Cを構成する監視部2は、光源部4を備え、この光源部4は、照明光を拡散させる拡散板(図示省略)を備えている。
【0166】
監視対象物30に段差がある場合は、照明光によって影ができる。
【0167】
本実施形態の構造物の監視装置1Cは、拡散板を備えていることで、照明光の光線ベクトルをランダムにできる。そうすると、照明光による影を薄くできるため、陰影に乏しい監視画像を得ることができる。
【0168】
異なる波長で制限した照明光で得られた監視画像から、監視対象物30の表面の組成などを推定する際に、成分の分布を正確に把握できる効果がある。
【0169】
[第8の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第8実施形態について、図6を参照して説明する。
【0170】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Eは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0171】
この構造物の監視装置1Eにおいて第1実施形態の構造物の監視装置1と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0172】
図6に示された構造物の監視装置1Eを構成する監視部2は、構造物である監視対象物30への照明光の発光波長を選択できる光源部4を備え、この光源部4は、光源204Aを備えている。
【0173】
光源204Aは、監視対象物30へ、それぞれに波長の異なる照明光を発生する複数のレーザ発振器をまとめたレーザ発振器アレイを光源とする。
【0174】
構造物の監視装置1Eを構成する操作部3は、光源ドライバ9Bを備えている。
【0175】
光源部ドライバ9Bは、システム制御用計算機8からの指令により、光源204Aからそれぞれに波長の異なる1から3種類のレーザ発振器を選び出して順次発光させ、明るさおよび発光時間などの条件のを制御する制御部を備えている。
【0176】
次に、構造物の監視装置1Eの作用について説明する。
【0177】
第4実施形態の構造物の監視装置1Cが、光源104Aと、波長可変バンドパスフィルタ4Bとを使用して照明光の波長を制限するのに対して、本実施形態の構造物の監視装置1Eは、波長の異なる複数個のレーザ発振器を光源に使用することで、波長可変バンドパスフィルタ4Bを使用することなく、第4実施形態と同じ効果を得る。
【0178】
さらに、第4実施形態の構造物の監視装置1Cが、波長可変バンドパスフィルタ4Bを切り替える時間と、本実施形態の構造物の監視装置1Eが、光源204Aを波長の異なるレーザ発振器に切り替える時間とを比べると、レーザ発振器の切り替えにかかる時間のほうが短くできるので、監視にかかる時間を短縮する効果がある。
【0179】
なお、光源204Aは、波長可変レーザ(図示省略)またはそれぞれ波長の異なる光を発する複数のLED(図示省略)を使用できる。波長可変レーザやLEDを、それぞれに波長の異なる1から3種類の波長で順次発光させる構成とすることで、同様の効果を得る。
【0180】
半導体レーザやLEDなどの半導体光源は、多くの波長で発光するものが存在し、かつ、小型なので、構造物の監視装置1Eを小型にできる効果がある。
【0181】
また、半導体光源は光の点滅の応答が速く、照明光の波長の異なる動画や静止画を撮影できる効果がある。
【0182】
さらに、半導体光源は、電気光変換効率が高く、半導体光源に接続する電線に細いものを使用できるので、構造物の監視装置1Eの艤装性の向上に効果がある。
【0183】
また、半導体光源の光は、直線性が良く、光ファイバ中に光を伝播することが容易であり、半導体光源をカメラ5Aから離れた場所に配置して、非常に狭隘な部分へ照明光を送る効果がある。
【0184】
さらにまた、原子炉内のような放射線場での監視の場合は、光源204Aを放射線場から離すことができるので、装置寿命を確保できる効果がある。
【0185】
なお、光源204Aは、他にプラズマ発光光源またはその発光を波長変換して特定の波長のみ選択して出力できる光源などを使用できる。
【0186】
本実施形態の構造物の監視装置1Eは、光源204Aが発する光の帯域幅を1nm以上、300nm以下として構成することができる。
【0187】
光源204Aの光帯域幅は、監視対象物30によって、光帯域幅を細かくした方が良い場合と、紫外領域から赤外領域まで満遍なく、例えば、紫外領域、可視領域、赤外領域の3領域で観測する方が良い場合とがある。
【0188】
しかし、光帯域幅を1nmより小さくすると照度確保の観点で望ましくない。
【0189】
また、モノクロ撮像素子5Cに使用するCCD撮像素子やCMOS撮像素子の感度領域は、通常200nmから1100nmの範囲であることから、光帯域幅が300nmより大きければ、全体の波長帯域をカバーできる。
【0190】
そうすると、光源204Aの光帯域幅は1nm以上、300nm以下に限定できる。
【0191】
[第9の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第9実施形態について、図7を参照して説明する。
【0192】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Fは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0193】
この構造物の監視装置1Fにおいて第8実施形態の構造物の監視装置1Eと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0194】
図7に示された構造物の監視装置1Fを構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5は、構造物である監視対象物30からレンズ光学系5Bに入射する光の透過する波長を任意の波長領域に制限する波長可変バンドパスフィルタ5Eを備えている。
【0195】
波長可変バンドパスフィルタ5Eは、例えば、光音響効果を用いる連続波長可変バンドパスフィルタ、液晶方式による連続波長可変バンドパスフィルタ、所要の波長固定バンドパスフィルタを光路上に切り替える方式などによる波長可変バンドパスフィルタである。
【0196】
液晶方式による波長可変バンドパスフィルタは、連続的に観測波長を可変できるため、監視対象物30に依存する性質を強調した監視結果を得ることができる。
【0197】
図11(a)と、(b)とに示された所要の波長固定バンドパスフィルタを光路上に切り替える方式による連続波長可変バンドパスフィルタは、複数の開口を有する板状の保持具21と、複数の開口に各々保持された波長固定バンドパスフィルタ22と、保持具21を駆動して、或る波長固定バンドパスフィルタを光の透過位置に切り替える駆動部23とで構成されている。この方式によれば、波長が固定されたバンドパスフィルタにより波長可変バンドパスフィルタを構成することができる。
【0198】
モノクロ撮像素子5Cに使用するCCD撮像素子やCMOS撮像素子の感度領域は、通常200nmから1100nmの範囲である。そうすると、波長可変バンドパスフィルタ5Eで選択できる波長は、200nmから1100nmの範囲に制限できる。
【0199】
また、波長可変バンドパスフィルタ5Eが透過できる光帯域幅は、監視対象物30により光帯域幅を細かくした方が良い場合と、紫外領域から赤外領域まで満遍なく、例えば、紫外領域、可視領域、赤外領域の3領域で観測する方が良い場合とがある。
【0200】
しかし、光帯域幅を1nmより小さくすると、照度確保の観点で望ましくない。
【0201】
また、モノクロ撮像素子5Cに使用するCCD撮像素子やCMOS撮像素子の感度領域は、通常200nmから1100nmの範囲であることから、光帯域幅が300nmより大きければ全体の波長帯域をカバーできる。
【0202】
そうすると、波長可変バンドパスフィルタ5Eは、透過する光の帯域幅を1nm以上、300nm以下に制限できる。
【0203】
構造物の監視装置1Fを構成する操作部3は、撮影部コントロールユニット7Bを備えている。
【0204】
撮影部コントロールユニット7Bは、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングと露光時間との制御部と、モノクロ撮像素子5Cから出力される画像電子情報の受信部と、受信した画像電子情報を通常のカラーカメラのRGB信号およびカラービデオ信号の内から選択した少なくとも1つの映像信号に変換して出力する出力部と、レンズ光学系5Bの駆動の制御部と、カメラ5Aの機能の操作部と、波長可変バンドパスフィルタ5Eの透過波長の制御部とを備えている。
【0205】
次に、構造物の監視装置1Fの作用について説明する。
【0206】
構造物の監視装置1Fの撮影部コントロールユニット7Bは、システム制御用計算機8により、光源部ドライバ9Bとともに制御される。
【0207】
システム制御用計算機8は、撮影部コントロールユニット7Bを介して、波長可変バンドパスフィルタ5Eのフィルタ切り替えをしている。
【0208】
波長可変バンドパスフィルタ5Eの透過波長は波長可変バンドパスフィルタ4Bの透過波長より長い波長で選択される。そうすると、照明光に基づいて監視対象物30から2次的に発光する長波長にシフトした蛍光発光や燐光発光を観測することができる。
【0209】
第5実施形態の構造物の監視装置1Dが光源104Aと、波長可変バンドパスフィルタ4Bとを使用して照明光の波長を制限するのに対して、本実施形態の構造物の監視装置1Fは、波長の異なる複数のレーザ発振器を光源とする光源204Aを光源とすることで、波長可変バンドパスフィルタ4Bと、コリメータ4Cとを使用することなく、第5実施形態と同じ効果を得る。
【0210】
第5実施形態の構造物の監視装置1Dと比較して、本実施形態の構造物の監視装置1Fは光源部204Aの構成を簡略化できるので、構造物の監視装置1Fは信頼性が確保できる。
【0211】
[第10の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第10実施形態について、図6と図7とを参照して説明する。
【0212】
本実施形態に示された構造物の監視装置1E、1Fは、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0213】
この構造物の監視装置1E、1Fにおいて第8実施形態または第9実施形態の構造物の監視装置1E、1Fと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0214】
構造物の監視装置1Eを構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5は、監視対象物30からモノクロ撮像素子5Cへ入射する光を偏光する撮影側偏光フィルタ(図示省略)を備えている。
【0215】
このように構成された構造物の監視装置1Eは、光源204Aと、撮影側偏光フィルタとの偏光の関係を調整することで、監視対象物30からの直接反射光を選択して監視することや、散乱反射光を選択して監視することが可能である。
【0216】
第6実施形態の構造物の監視装置1C、1Dが、光源側偏光フィルタを使用して照明光を偏光するのに対して、本実施形態の構造物の監視装置1Eは、波長の異なる複数のレーザ発振器を光源とする光源204Aを光源とすることで、光源側偏光フィルタを使用することなく、第6実施形態と同じ効果を得る。
【0217】
第6実施形態の構造物の監視装置1C、1Dと比較して、本実施形態の構造物の監視装置1Fは光源部204Aの構成を簡略化できるので、構造物の監視装置1Fは信頼性が確保できる。
【0218】
構造物の監視装置1Eを構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5は、撮影側偏光フィルタ(図示省略)を回転自在に支持する回転支持機構(図示省略)を備えている。
【0219】
構造物の監視装置1Cを構成する操作部3は、撮影部コントロールユニット7を備えている。
【0220】
撮影部コントロールユニット7は、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングと露光時間との制御部と、モノクロ撮像素子5Cから出力される画像電子情報の受信部と、受信した画像電子情報を通常のカラーカメラのRGB信号およびカラービデオ信号の内から選択した少なくとも1つの映像信号に変換して出力する出力部と、レンズ光学系5Bの駆動の制御部と、カメラ5Aの機能の操作部と、撮影側偏光フィルタの回転支持機構の制御部とを備えている。
【0221】
本実施形態の構造物の監視装置1Eであれば、撮影側偏光フィルタを回転させる機構によって、構造物の監視装置1Eを手元に回収せずに、監視画像を見ながら遠隔で偏光の調整ができるため、監視を迅速に行える。
【0222】
特に原子炉内のような放射線場では、構造物の監視装置1Eは放射線により被ばくするので、迅速に監視ができれば被ばく線量を低減する効果がある。
【0223】
本実施形態を構造物の監視装置1Fに適用した場合も同様な効果を得る。
【0224】
[第11の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第11実施形態について、図8を参照して説明する。
【0225】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Gは、構造物としての原子炉内構造物31を監視する装置である。原子炉内は放射線を遮るために水で満たされており、監視部2は水中で使用される。
【0226】
この構造物の監視装置1Gにおいて第3実施形態の構造物の監視装置1Bと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0227】
構造物の監視装置1Gを構成する監視部2は、光源部4を備え、この光源部4は、光源304Aを備え、この光源304Aは、原子炉内構造物31を照らす照明光を発生する光源である。
【0228】
光源304Aは、原子炉内構造物31を照らす照明光を発生する白色光源である。光源304Aは、例えば、キセノンフラッシュランプが使用される。キセノンフラッシュランプは、紫外領域から赤外領域まで幅広いスペクトルを有しているパルス光源である。
【0229】
構造物の監視装置1Eを構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5は、カメラ5Aを備え、このカメラ5Aは、レンズ光学系5Bと、モノクロ撮像素子5Cと、分配光学素子5Fと、波長可変バンドパスフィルタ5Gとを備えている。
【0230】
分配光学素子5Fは、レンズ光学系5Bが収束した光を2以上の方向へ分配する。分配光学素子5Fは、例えば、半透過ミラーまたは半透過プリズムを組み合わせて、光を3方向に分配する。
【0231】
波長可変バンドパスフィルタ5Gは、分配光学素子5Fが分配した光の波長を任意の波長領域に制限する。
【0232】
波長可変バンドパスフィルタ5Gは、例えば、光音響効果を用いる連続波長可変バンドパスフィルタ、液晶方式による連続波長可変バンドパスフィルタ、所要の波長固定バンドパスフィルタを光路上に切り替える方式などによる波長可変バンドパスフィルタである。
【0233】
液晶方式による波長可変バンドパスフィルタは、連続的に観測波長を可変できるため、原子炉内構造物31に依存する性質を強調した監視結果を得ることができる。
【0234】
図11(a)と、(b)とに示された所要の波長固定バンドパスフィルタを光路上に切り替える方式による連続波長可変バンドパスフィルタは、複数の開口を有する板状の保持具21と、複数の開口に各々保持された波長固定バンドパスフィルタ22と、保持具21を駆動して、或る波長固定バンドパスフィルタを光の透過位置に切り替える駆動部23とで構成されている。この方式によれば、波長が固定されたバンドパスフィルタにより波長可変バンドパスフィルタを構成することができる。さらに、原子炉内構造物31の監視対象となる光の波長領域が広くて、レンズ光学系5Bの色収差補正が困難な場合、波長可変バンドパスフィルタ20に保持した波長固定バンドパスフィルタ22それぞれの厚さを適切に設計することで色収差補正ができる。
【0235】
モノクロ撮像素子5Cに使用するCCD撮像素子やCMOS撮像素子の感度領域は、通常200nmから1100nmの範囲である。そうすると、波長可変バンドパスフィルタ5Gで選択できる波長は、200nmから1100nmの範囲に制限できる。
【0236】
また、波長可変バンドパスフィルタ5Gが透過できる光帯域幅は、監視対象物30により光帯域幅を細かくした方が良い場合と、紫外領域から赤外領域まで満遍なく、例えば、紫外領域、可視領域、赤外領域の3領域で観測する方が良い場合とがある。
【0237】
しかし、光帯域幅を1nmより小さくすると、照度確保の観点で望ましくない。
【0238】
また、モノクロ撮像素子5Cに使用するCCD撮像素子やCMOS撮像素子の感度領域は、通常200nmから1100nmの範囲であることから、光帯域幅が300nmより大きければ全体の波長帯域をカバーできる。
【0239】
そうすると、波長可変バンドパスフィルタ5Gは、透過する光の帯域幅を1nm以上、300nm以下に制限できる。
【0240】
構造物の監視装置1Gを構成する操作部3は、撮影部コントロールユニット7Cと、光源ドライバ9Cとを備えている。
【0241】
撮影部コントロールユニット7Cは、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングと露光時間との制御部と、モノクロ撮像素子5Cから出力される画像電子情報の受信部と、受信した画像電子情報を通常のカラーカメラのRGB信号およびカラービデオ信号の内から選択した少なくとも1つの映像信号に変換して出力する出力部と、レンズ光学系5Bの駆動の制御部と、カメラ5Aの機能の操作部と、波長可変バンドパスフィルタ5Gの透過波長の制御部とを備えている。
【0242】
光源部ドライバ9Cは、システム制御用計算機8からの指令により光源304Aの明るさおよび発光時間などの条件の制御部を備えている。
【0243】
次に、構造物の監視装置1Gの作用について説明する。
【0244】
構造物の監視装置1Gは、システム制御用計算機8からの指令に応じて、撮影部コントロールユニット7Cを作動させて、波長可変バンドパスフィルタ5Gを透過する光の波長を制限させる。
【0245】
構造物の監視装置1Gは、システム制御用計算機8からの指令に応じて、光源部ドライバ9Cを作動させて光源304Aを発光させる。
【0246】
光源304Aから出力された光は構造物である原子炉内構造物31の照明光となる。
【0247】
光源304Aから出力される照明光に基づく構造物である原子炉内構造物31からの光、もっぱら反射光は、レンズ光学系5Bで収束されて、分配光学素子5Fにより、2以上の方向へ分配される。
【0248】
分配された光は、それぞれ波長可変バンドパスフィルタ5Gにより、波長が制限され、モノクロ撮像素子5C上に投影される。
【0249】
この分配されたそれぞれの光は、例えば、波長可変バンドパスフィルタ5Gにより異なる波長に制限される。すなわち、モノクロ撮像素子5C上に投影される構造物である原子炉内構造物31の画像は分配された光毎に波長が制限されている。
【0250】
モノクロ撮像素子5Cは撮影部コントロールユニット7Cの指令に応じた露光時間、シャッタータイミングで投影された画像を電子情報に変換し、撮影部コントロールユニット7Cへ映像信号として送り出す。
【0251】
撮影部コントロールユニット7Cは、システム制御用計算機8により、光源部ドライバ9Cとともに制御される。
【0252】
撮影部コントロールユニット7Cは、モノクロ撮像素子5Cから画像電子情報を取り込み、RGBの3原色映像信号に分配変換して、システム制御用計算機8へ送り出す。
【0253】
システム制御用計算機8は、撮影部コントロールユニット7Cを介して、モノクロ撮像素子5Cの露光時間やシャッタータイミングを、また、光源部ドライバ9Cを介して光源304Aの発光時間および発光タイミングを同期して動作している。
【0254】
本実施形態の構造物の監視装置1Gの光源部4の光源304Aは、パルス光源を使用しているので、原子炉内構造物31と監視部2との相対的な位置関係が変化するときにも、ちらつきのない画像情報を得ることや、光源304Aからの発光以外の外部光源の影響を抑えて、ちらつきの少ない監視を可能にすることができる。
【0255】
原子炉内のような放射線場では、原子炉内構造物31は放射線をさえぎる目的で、もっぱら水中に存在するため、防水ケース12を備えた監視部2を使用することで、光源部4と、撮影部5との電子部品などが水に浸るのを防止し、水中に存在する構造物である原子炉内構造物31を監視できる。
【0256】
また、本実施形態の構造物の監視装置1Gは、原子炉内のような放射線環境下において遠隔で使用できる。また、監視部2を水中で使用できることで、取扱い時の被ばく線量を低減できる。
【0257】
原子炉内構造物31の表面には配管等の金属材料の腐食により生ずる腐食生成物の一部が金属酸化物として付着しており、赤錆色に見える場合がある。この表面を観察する際に、通常のモノクロカメラやカラーカメラを使用すると、原子炉内構造物31は明暗の単色でしか監視できない。この場合は、波長可変バンドパスフィルタ5Gで、赤色から近赤外領域を波長選択することで監視が容易になる。
【0258】
例えば、分配光学素子5Fが分配した光について、波長可変バンドパスフィルタ5Gの波長制限を590nmから610nmの透過範囲と、610nmから630nmの透過範囲と、630nmから650nmの透過範囲とに設定する。そうすると、通常のモノクロカメラや、カラーカメラでは明暗でしか識別できない監視対象が、3種類の波長領域に分けて詳細に監視できる効果がある。
【0259】
[第12の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第12実施形態について、図9を参照して説明する。
【0260】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Hは、構造物としての原子炉内構造物31を監視する装置である。原子炉内は放射線を遮るために水で満たされており、監視部2は水中で使用される。
【0261】
この構造物の監視装置1Hにおいて第11実施形態の構造物の監視装置1Gと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0262】
図9に示された構造物の監視装置1Hを構成する監視部2は、光源部4を備え、この光源部4は、照明光を略平行光線にするコリメータ4Cを備えている。
【0263】
本実施形態の構造物の監視装置1Hによれば、レンズ光学系5Bに入射する原子炉内構造物31からの正反射光を少なくできるので、ハレーションを抑える効果がある。
【0264】
また、原子炉内構造物31のエッジ部や亀裂などを観測する際に、略平行光線で照らすためエッジ部や亀裂などの境界像をコントラスト良く監視できる効果がある。
【0265】
[第13の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第13実施形態について、図10を参照して説明する。
【0266】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Iは、構造物としての原子炉内構造物31を監視する装置である。原子炉内は放射線を遮るために水で満たされており、監視部2は水中で使用される。
【0267】
この構造物の監視装置1Iにおいて第11実施形態および第12実施形態の構造物の監視装置1G、1Hと同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0268】
図10に示された構造物の監視装置1Iを構成する監視部2は、光源部4を備え、この光源部4は、光源304Aの照明光を偏光する偏光フィルタ4Dと、偏光フィルタ4Dを回転可能に支持する光源側偏光フィルタ回転支持機構(図示省略)とを備えている。
【0269】
構造物の監視装置1Iを構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5は、照明光に基づく原子炉内構造物31からの光を偏光する偏光フィルタ5Hと、偏光フィルタ5Hを回転可能に支持する光源側偏光フィルタ回転支持機構(図示省略)とを備えている。
【0270】
偏光フィルタ4D、5Gは、直線偏光、円偏光、楕円偏光が使用される。
【0271】
構造物の監視装置1Iを構成する操作部3は、撮影部コントロールユニット7Dと、光源部ドライバ9Dとを備えている。
【0272】
撮影部コントロールユニット7Dは、モノクロ撮像素子5Cのシャッタータイミングと露光時間との制御部と、モノクロ撮像素子5Cから出力される画像電子情報の受信部と、受信した画像電子情報を通常のカラーカメラのRGB信号およびカラービデオ信号の内から選択した少なくとも1つの映像信号に変換して出力する出力部と、レンズ光学系5Bの駆動の制御部と、カメラ5Aの機能の操作部と、波長可変バンドパスフィルタ5Gの透過波長の制御部と、撮影側偏光フィルタ回転支持機構の制御部とを備えている。
【0273】
光源部ドライバ9Dは、システム制御用計算機8からの指令により光源304Aの明るさおよび発光時間などの条件の制御部と、光源側偏光フィルタ回転支持機構の制御部とを備えている。
【0274】
本実施形態の構造物の監視装置1Iによれば、偏光フィルタ4Dに、例えば、直線偏光を使用して照明光を偏光し、レンズ光学系5Bに対して構造物である原子炉内構造物31の表面からの直接反射が起こりにくい照明光に調整することができる。そうすると、カメラで最も明るく撮影される直接反射光の成分が少なくなるため、ハレーション等を抑えて、微小亀裂の検出を容易にする効果がある。
【0275】
さらに、本実施形態の構造物の監視装置1Iによれば、例えば、偏光フィルタ5Hにも、直線偏光を使用できる。偏光フィルタ4Dと、偏光フィルタ5Hとの偏光を相互に調整することで、レンズ光学系5Bに対する構造物である原子炉内構造物31からの直接反射光成分を阻止することができ、ハレーション等を抑える効果がある。
【0276】
[第14の実施形態]
本発明に係る構造物の監視装置の第14実施形態について、図8を参照して説明する。
【0277】
本実施形態に示された構造物の監視装置1Gは、構造物としての原子炉内構造物31を監視する装置である。原子炉内は放射線を遮るために水で満たされており、監視部2は水中で使用される。
【0278】
この構造物の監視装置1Gにおいて第11実施形態の構造物の監視装置1Gと重複する説明は省略する。
【0279】
構造物の監視装置1Gを構成する監視部2は、光源部4を備え、この光源部4は、照明光を拡散させる拡散板(図示省略)を備えている。
【0280】
原子炉内構造物31に段差がある場合は、照明光によって影ができる。
【0281】
本実施形態の構造物の監視装置1Gは、拡散板を備えていることで、照明光の光線ベクトルをランダムにできる。そうすると、照明光による影を薄くできるため、陰影に乏しい監視画像を得ることができる。
【0282】
異なる波長で制限した照明光で得られた監視画像から、構造物である原子炉内構造物31の表面の組成などを推定する際に、成分の分布を正確に把握できる効果がある。
【0283】
[第15の実施形態]
本発明の第15実施形態について図1を参照して説明する。
【0284】
本実施形態に示された構造物の監視装置1は、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0285】
なお、本実施形態において第1実施形態から第14実施形態と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0286】
構造物の監視装置1を構成する監視部2は、撮影部5を備え、この撮影部5は、レンズ光学系5Bを備えている。
【0287】
本実施形態の構造物の監視装置1は、レンズ光学系5Bの光が透過する部分の透明材料が放射線により着色しにくい光学材料を用いて構成されている。
【0288】
光学材料は、例えば、放射線により着色しにくい石英などの光学材料が使用できる。原子炉の内部のように放射線場が強い場所でも着色が抑えられ、監視条件を良好に維持する効果がある。
【0289】
また、本発明は監視対象物30の反射スペクトルの違いを監視することに特徴があり、プラスチックレンズなどで見られるような放射線場における着色により、監視部2のスペクトル感度特性が変化することは望ましくない。
【0290】
放射線により着色しにくい光学材料としては、石英のほかにサファイア、ダイアモンド、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、塩化ナトリウム、フリントガラス系、重フリントガラス系、鉛ガラス系、光学クラウンガラス、ボロシリケートガラスなどが使用できる。
【0291】
なお、放射線の強度如何では着色することがあるため、放射線強度に応じた材料を選択することが望ましい。
【0292】
さらに、構造物の監視装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1Iを構成する監視部2に備えられた、光源4A、104A、204A、304A、波長可変バンドパスフィルタ4B、5E、5G、コリメータ4C、偏光フィルタ4D、5G、分配光学素子5F、液晶型空間フィルタ5Dおよび防水ケース12のうちから選択した少なくとも1つの、光源4A、104A、204A、304A、波長可変バンドパスフィルタ4B、5E、5G、コリメータ4C、偏光フィルタ4D、5G、分配光学素子5F、液晶型空間フィルタ5Dおよび防水ケース12の光が透過する部分の透明材料についても同様である。
【0293】
[第16の実施形態]
本発明の第16実施形態について図1を参照して説明する。
【0294】
本実施形態に示された構造物の監視装置1は、構造物としての監視対象物30を監視する装置である。
【0295】
なお、本実施形態において第1実施形態から第15実施形態と同じ構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0296】
図1に示された構造物の監視装置1を構成する監視部2は、複数の光源部4(図示省略)を備えている。
【0297】
構造物の監視装置1を構成する操作部3は、光源部ドライバ9を備え、この光源ドライバ9は、システム制御用計算機8からの指令により複数の光源部4についてそれぞれに、光源4Aの明るさおよび発光時間などの条件の制御部を備えている。
【0298】
そうすると、監視部2を移動させることなく、構造物である監視対象物30のさまざまな角度から照明光を与えた監視画像を得る効果がある。
【0299】
照明光の角度によって、監視対象物30の画像には陰影差が生じるので、監視対象物30の異常等の監視が容易になる。
【0300】
本実施形態は構造物の監視装置1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1Iに適用することでも、同様の効果を得る。
【0301】
さらに、本発明は、上述のような各実施形態に何ら制限されるものではなく、各実施形態の構成を組み合わせて、本発明の主旨を逸脱しない範囲で様々変形して実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0302】
【図1】本発明に係る監視装置の第1実施形態の構成を示す図。
【図2】本発明に係る監視装置の第2実施形態の構成を示す図。
【図3】本発明に係る監視装置の第3実施形態の構成を示す図。
【図4】本発明に係る監視装置の第4実施形態の構成を示す図。
【図5】本発明に係る監視装置の第5実施形態の構成を示す図。
【図6】本発明に係る監視装置の第8実施形態の構成を示す図。
【図7】本発明に係る監視装置の第9実施形態の構成を示す図。
【図8】本発明に係る監視装置の第11実施形態の構成を示す図。
【図9】本発明に係る監視装置の第12実施形態の構成を示す図。
【図10】本発明に係る監視装置の第13実施形態の構成を示す図。
【図11】(a)および(b)は、本発明に係る監視装置の第16実施形態における波長可変バンドパスフィルタの構成を示す図。
【符号の説明】
【0303】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H、1I 監視装置
2 監視部
3 操作部
4 光源部
4A、104A、204A、304A 光源
4B 波長可変バンドパスフィルタ
4C コリメータ
4D 偏光フィルタ
5 撮影部
5A カメラ
5B レンズ光学系
5C モノクロ撮像素子
5D 液晶型空間フィルタ
5E 波長可変バンドパスフィルタ
5F 分配光学素子
5G 波長可変バンドパスフィルタ
5H 偏光フィルタ
6 監視部支持部材
6A 光源部保持部材
6B 撮影部保持部材
7、7A、7B、7C、7D 撮影部コントロールユニット
8 システム制御用計算機
9、9A、9B、9C、9D 光源部ドライバ
10 表示装置
11 入力装置
12 防水ケース
20 波長可変バンドパスフィルタ
21 保持具
22 波長固定バンドパスフィルタ
23 駆動部
30 監視対象物
31 原子炉内構造物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視対象へ波長が異なる複数の照明光を出力する光源部と、
前記監視対象を撮影するカメラを含む撮影部と、
前記光源部および前記撮影部を支持する監視部支持部材と、
を有する監視部と、
前記カメラを制御しこのカメラから出力される電子情報を受信する撮影部コントロールユニットと、
光源部ドライバと、
前記撮影部コントロールユニットおよび前記光源部ドライバを制御するシステム制御用計算機と、
前記システム制御用計算機の表示装置と、
前記システム制御用計算機の入力装置と、
を有する操作部と、
を備え構成されたことを特徴とする構造物の監視装置。
【請求項2】
前記カメラにはレンズ光学系が設けられ、このレンズ光学系は、絞り位置に保持されて、このレンズ光学系を透過する光の開口を任意の形状に制限する液晶型空間フィルタを備えたことを特徴とする請求項1に記載の構造物の監視装置。
【請求項3】
前記監視部2は、さらに、前記光源部および前記撮影部を水密に収容するケースを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の構造物の監視装置。
【請求項4】
前記光源部は、光源と、この光源が出力する照明光の透過波長を制限する光源側バンドパスフィルタとを備えたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項5】
前記光源部は、照明光を略平行光線にするコリメータを備え、
前記撮影部は、この撮影部のカメラに入射する光の透過波長を制限するカメラ側バンドパスフィルタを備え、
構成されたことを特徴とする請求項4に記載の構造物の監視装置。
【請求項6】
前記光源部は、照明光を偏光する光源側偏光フィルタを備え、
前記撮影部は、この撮影部のカメラに入射する光を偏光する撮影側偏光フィルタと、
前記撮影側偏光フィルタを回転自在に支持する撮影側偏光フィルタ回転支持機構とを備え、
構成されたことを特徴とする請求項4または5に記載の構造物の監視装置。
【請求項7】
前記光源部は、照明光を拡散する拡散板を備えたことを特徴とする請求項3に記載の構造物の監視装置。
【請求項8】
前記光源は、それぞれ異なる波長の光を発する複数のレーザ発信機からなる光源、波長可変レーザおよび複数の発光ダイオードのうちから選択した少なくとも1つの光源で構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項9】
前記撮影部は、この撮影部のカメラに入射する光の透過波長を制限するカメラ側バンドパスフィルタを備えたことを特徴とする請求項8に記載の構造物の監視装置。
【請求項10】
前記光源はそれぞれ異なる波長の光を発する複数のレーザ発信機からなる光源または波長可変レーザで構成され、
前記撮影部は、この撮影部のカメラに入射する光を偏光する撮影側偏光フィルタと、
前記撮影側偏光フィルタを回転自在に支持する回転支持機構とを備え、
構成されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項11】
前記カメラは、
前記光学系が収束した光を複数の方向に分配する分配光学素子と、
前記分配光学素子が分配した光の透過波長を制限するカメラ側バンドパスフィルタとを備えたことを特徴とする請求項3に記載の構造物の監視装置。
【請求項12】
前記光源部は、照明光を略平行光線にするコリメータを備えたことを特徴とする請求項11に記載の構造物の監視装置。
【請求項13】
前記光源部は、照明光を偏光する光源側偏光フィルタと、
前記光源側偏光フィルタを回転可能に支持する光源側偏光フィルタ回転支持機構とを備え、
前記撮影部は、前記監視対象から入射する光を偏光する撮影側偏光フィルタと、
前記撮影側偏光フィルタを回転可能に支持する撮影側偏光フィルタ回転支持機構とを備え、
構成されたことを特徴とする請求項11または12に記載の構造物の監視装置。
【請求項14】
前記光源部は、照明光を拡散する拡散板を備えたことを特徴とする請求項11に記載の構造物の監視装置。
【請求項15】
前記バンドパスフィルタは、透過する波長を連続に可変できるバンドパスフィルタで構成されたことを特徴とする請求項4から6および9から14のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項16】
前記バンドパスフィルタは、
複数の開口を有する板状の保持具と、
前記の複数の開口に各々保持された波長固定バンドパスフィルタと、
前記保持具を駆動して、或る波長固定バンドパスフィルタを光の透過位置に切り替える駆動部とを備え、
構成されたことを特徴とする請求項4から6および9から14のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項17】
前記バンドパスフィルタは、透過する光の中心波長を200nm以上、1100nm以下として構成されたことを特徴とする請求項4から6および9から16のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項18】
前記バンドパスフィルタは、透過する光の帯域幅を1nm以上、300nm以下として構成されたことを特徴とする請求項4から6および9から17のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項19】
前記光源部と、前記光学系と、前記液晶型空間フィルタと、前記バンドパスフィルタと、前記コリメータと、前記偏光フィルタと、前記分配光学素子と、前記ケースとのうちから選択した少なくとも1つの前記光源部と、前記光学系と、前記液晶型空間フィルタと、前記バンドパスフィルタと、前記コリメータと、前記偏光フィルタと、前記分配光学素子と、前記ケースとは、光が透過する経路が放射線により着色しにくい光学材料で構成されたことを特徴とする請求項1から18のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項20】
前記監視部は、複数の光源部を備えたことを特徴とする請求項1から19のいずれか1項に記載の構造物の監視装置。
【請求項21】
監視対象へ照射光を出力する光源部と、前記監視対象を撮影するカメラを含む撮影部と、前記光源部および前記撮影部を支持する撮影部支持部材と、を有する監視部を監視対象に配置する配置ステップと、
前記監視対象へ照射光を出力する出力ステップと、
前記照射光による前記監視対象からの光を撮影する撮影ステップと、
前記撮影した画像を表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする構造物の監視方法。
【請求項22】
監視対象へ照射光を出力する光源部と、前記監視対象を撮影するカメラを含む撮影部と、前記光源部および前記撮影部を支持する撮影部支持部材と、を有する監視部を監視対象に配置する配置ステップと、
前記監視対象へ照射光を出力する出力ステップと、
前記照射光による前記監視対象からの光の透過波長を制限して撮影する撮影ステップと、
前記撮影した画像を表示する表示ステップと、
を有することを特徴とする構造物の監視方法。
【請求項23】
前記撮影ステップにおいて、前記光源部の発光が終了した後に前記撮影部が撮影を開始するように、前記撮影部のシャッタータイミングと前記光源部の発光時間を制御する
ことを特徴とする請求項21または請求項22に記載の構造物の監視方法。
【請求項24】
前記撮影ステップにおいて、前記監視対象の範囲に反射スペクトルが既知の散乱体を配置して、前記監視対象の撮影と同時または事前に画像を取得して、撮影画像の感度補正を行うことを特徴とする請求項21から請求項23のいずれか1項に記載の構造物の監視方法。
【請求項25】
前記請求項3から20のいずれか1項に記載の監視装置を準備する際に、
請求項3から20のいずれか1項に記載の構造物の監視装置の監視部を水中に準備する、
ことを特徴とする請求項21から請求項24のいずれか1項に記載の構造物の監視方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−241658(P2008−241658A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86573(P2007−86573)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】