説明

構造物形成方法

【課題】AD法において、脆性材料粒子の回収粉を再利用しつつ、形成される脆性材料構造物の欠陥発生を抑止し、原材料の粉体利用効率を格段に高めて製品の生産性及び経済性を向上させることが可能な構造物形成方法を提供する。
【解決手段】形成工程において、基材上に脆性材料粒子を噴射して構造物を形成し、形成工程において噴射された脆性材料粒子のうち構造物を形成しなかったものを、回収工程で回収し、その回収粉工程で回収された脆性材料粒子に含まれ、且つ、複数の脆性材料粒子が化学結合した半固化粒子に対して、処理工程において、構造物を形成する前の脆性材料粒子の状態に戻すような処理を行い、戻入工程により、その処理が施された脆性材料粒子を形成工程に戻入して、再度脆性材料構造物を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾルデポジション法(以下「AD法」と記す。)を用いて基材上に脆性材料からなる構造物(構造体)を形成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばセラミック薄膜等の構造物を基板等の基材上に形成するための方法の一つとして、低温工程でしかも成膜レートが大きく、且つ、緻密で均質性や膜純度が高い優れた膜質を実現できる観点から、AD法が注目されている。このAD法においては、一般に、脆性材料(微)粒子を含むエアロゾルを基材に吹き付けることにより、原則的にその他の処理を行うことなく、基材上に脆性材料からなる構造物(脆性材料構造物)が形成される。そのメカニズムは、概説すれば、基材に脆性材料粒子を連続的に衝突させることによって、その粒子に外部から機械的衝撃力を継続的に付与して変形、破砕等を繰り返し生じせしめ、これにより露出した粒子の新生面(構成原子が剥き出しになって結合を生じ易い活性に富んだ活性面)同士の接合を進展及び緻密化させ、その結果、それらの粒子が強固に結合成長して脆性材料構造物が形成される。
【0003】
かかるAD法では、ノズル等の噴射手段から基材に向けて噴出されたエアロゾルに含まれる脆性材料粒子のうち、脆性材料構造物の形成に寄与するものの割合(いわゆる粉体利用効率)が、現状、非常に小さいことから、その粉体利用効率を高めるために、一旦噴出されたものの構造物形成に供しなかったエアロゾル中の粒子を回収して再利用する試みが種々提案されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−277851号公報
【特許文献2】特開2007−56316号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、AD法においては、基材に一旦吹き付けられたエアロゾル中の脆性材料粒子は、上述したような外部からの衝撃力の印加によって更に微粉化される傾向にあることが知られており、そうすると、回収したエアロゾル中の脆性材料粒子(回収粉)のなかには、微粉化された一次粒の凝集体である二次粒子が存在することが想定される。そこで、回収粉を再利用する際には、その二次粒子対策として、回収粉を分級して二次粒子を排除したり、回収粉中の二次粒子を解砕したりといった処理を適用することが考えられる。
【0006】
しかし、これらのうち、回収粉の分級を行えば、その一部は当然に再利用されないことになるから、粉体利用効率を十分に高めることは本質的に難しい。そこで、粉体利用効率を高めるには、回収粉を解砕した上でその全量を使用することが望ましいと考えられる。
【0007】
しかし、本出願人の研究によれば、回収粉の全量を再利用する場合、たとえ解砕処理を施したとしても、条件によっては、形成される脆性材料構造物である膜に空孔等の欠陥が生じてしまうことが確認された。つまり、回収粉を再使用して形成した構造物は、回収粉を使用せずに原材料粉のみから最初に(1回目に)形成した構造物と同等の品質を達成することが困難であった。特に、回収粉の使用回数(繰り返し使用回数)が増せば増すほど、脆性材料構造物における欠陥の発生頻度、及び、その大きさや範囲が増大する傾向にあることが判明した。したがって、このように脆性材料構造物に不都合な欠陥を生じるおそれがある限り、回収粉の再利用を十分な歩留まりで工業的に実現することは極めて困難である。
【0008】
そこで、本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、AD法において、使用済みの回収粉を再利用する場合でも、形成される脆性材料構造物に欠陥が発生してしまうことを有効に抑止することができ、これにより、原材料の粉体利用効率を格段に高めて脆性材料構造物製品の生産性及び経済性を向上させることが可能な構造物形成方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意研究を進め、回収粉の再利用における脆性材料構造物(膜)の欠陥の発生と、回収粉の性状等について、詳細な検討及び解析評価を行ったところ、回収粉中に、これまで全く想定されていなかった状態の大きな粒子(一次粒子が凝集した二次粒子とは、形態が明らかに異なり、複数の一次粒子の一部が化学結合したような言わば「半固化粒子」)が含まれていること、及び、その半固化粒子に適宜の処理を施したり、或いは、それを適切に取り扱うことにより、脆性材料構造物における欠陥の発生頻度を格段に低減可能であることを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明による構造物形成方法は、AD法を用いて基材上に脆性材料からなる構造物を形成する構造物形成方法であって、基材上に、脆性材料粒子を噴射して脆性材料構造物を形成する形成工程と、形成工程において噴射された脆性材料粒子のうち脆性材料構造物を形成しなかった脆性材料粒子を回収する回収工程と、回収工程で回収された脆性材料粒子に含まれ、且つ、複数の脆性材料粒子が化学的に結合(化学結合)した半固化粒子に対して、脆性材料構造物を形成する前の脆性材料粒子の状態に戻すような処理を行う処理工程と、処理が施された脆性材料粒子を形成工程に戻入する戻入工程とを有する。
【0011】
ここで、図1(A)は、複数の脆性材料粒子が化学的に結合した(部分を含む)「半固化粒子」の一例の外観を拡大して示す顕微鏡写真であり、図1(B)は、その模式図である。また、参考として、図2は、原材料粉中の複数の一次粒子が凝集して物理的に結合した二次粒子の一例の外観を拡大して示す模式図である。この図2に示すように、二次粒子は、複数の脆性材料粒子が物理的な結合によって塊になったものであり、一次粒子同士が反応して結合したものではなく、拡大顕微鏡観察等において個々の一次粒子の境界を判別することができるのに対し、図1に示すとおり、半固化粒子は、複数の脆性材料粒子が化学的な結合によって塊になったものであり、一次粒子同士が反応して結合したものであって、拡大顕微鏡観察等において個々の一次粒子を容易に弁別することは困難なものである。
【0012】
このような構造物形成方法においては、形成工程において一度噴射された脆性材料粒子のうち脆性材料構造物を形成しなかったものを、回収工程で回収し、その回収粉を用いて戻入工程と再度の形成工程を実行することにより、回収粉を脆性材料構造物の形成に再利用するので、原材料の粉体利用効率が高められる。
【0013】
このとき、回収粉をそのまま使用した場合には、上述の如く、脆性材料構造物に欠陥が生じ易い傾向にある。すなわち、本発明者が新たに見い出した知見によれば、回収粉には図1(A)及び(B)に示すような半固化粒子が含まれており、この半固化粒子は、ノズル等の噴射手段から噴射されて基材に衝突したときに複数の脆性材料粒子が化学的に結合して脆性材料構造物を形成しかけたものの、何らかの理由で形成途中の脆性材料構造物のバルクから剥がれ落ちた(剥離した)ものと推察される。よって、半固化粒子は、脆性材料構造物を形成する前の原材料粉の脆性材料粒子よりも粒径が大きく、且つ、全体的により強固であるので、そのままの状態で再使用すると、既に形成されている脆性材料構造物を削ったり、その衝撃力によって損傷を与えてしまうおそれがあり、それが欠陥の主要因であると推定される。ただし、作用はこれらに限定されない。
【0014】
これに対し、本発明では、回収粉を形成工程に戻入して再使用する前に処理工程を実施し、半固化粒子を、脆性材料構造物を形成する前の原材料粉の脆性材料粒子の状態に戻すので、半固化粒子をそのまま再使用する際に危惧される脆性材料構造物の欠陥発生頻度の上昇が抑制され、これにより、半固化粒子を含む回収粉であっても、効率よく再利用することが可能となる。
【0015】
なお、「半固化粒子を、構造物を形成する前の脆性材料を含む粒子の状態に戻す」とは、半固化粒子が原材料粉の脆性材料粒子と厳密に全く同じ状態になっていなくても、半固化粒子が実質的に微粉化又は微細化されていればよい。
【0016】
また、具体的には、処理工程における上記処理として、半固化粒子に対して粉砕処理を施すと好適である。なお、粉砕処理としては、一次粒子が凝集した二次粒子(図2参照)を単に解砕する程度のものではなく、半固化粒子(図1(A)及び(B)参照)を粉砕してその粒径を低減可能なものであれば特に限定されず、例えば、メディアを用いたボールミルやビーズミル等の他、種々のミキサー、ホモジナイザー等の粉砕機、混練機、混合機、攪拌機、造粒機、分散機等を、単にそれらの呼称に拘らず、粉砕処理装置として用いることができる。また、半固化粒子のみならず、それが含まれる回収粉全体に対して粉砕処理を行ってもよい。
【0017】
このようにすれば、複数の粒子の化学結合によって大きな塊状になった半固化粒子が機械的に破壊されるので、半固化粒子を脆性材料構造物の形成前における原材料粉中の脆性材料粒子のような小さな粒径の粒子に、確実に且つ簡易に微細化(微粉化)させ易くなる。
【0018】
或いは、処理工程において、上記処理として、半固化粒子を他の脆性材料粒子から除外(除去)するようにしてもよい。このような取り扱いによって、回収粉のなかから半固化粒子を除外すれば、粉砕処理といった機械的な操作を行わなくとも、回収粉の状態を、ほぼ脆性材料構造物の形成前における原材料粉中の脆性材料粒子の状態に調製することができる。なお、粉砕処理と半固化粒子の除外を組み合わせて用いてももちろんよい。
【0019】
さらに、形成工程、回収工程、処理工程、及び戻入工程を、この順に複数回実行すると、粉体利用効率が更に高められるので好ましく、この場合、複数の処理工程におけるそれぞれの処理が、互いに異なる処理であると有用である。
【0020】
回収工程で回収される回収粉は、その再使用回数(形成工程に繰り返し供された回数)が異なると、その性状や状態が異なり、殊に、各回収工程で得られる回収粉に含まれる半固化粒子の量、形状、大きさ等が異なることが想起される。よって、複数の処理工程のそれぞれにおける回収粉の処理(条件)を再使用回数に依らず同一にするのではなく、各回収粉の性状や状態の相違に応じて処理(条件)を異ならせることにより、再使用回数が異なる回収粉に対してより適切な処理を行なうことができる。その結果、回収粉の再使用回数に依存することなく、最初(回収粉を使用する前)に形成した脆性材料構造物と同等の優れた膜質を有するものを継続的に得ることが可能となる。
【0021】
また、このとき、複数の処理工程においては、それぞれの処理として、半固化粒子に対して粉砕処理を施し、且つ、複数回の実行回数が増えるにつれて、半固化粒子の粉砕条件をより厳しい条件にするようにしてもよい。回収粉の再使用回数が多くなるほど、処理が必ずしも十分でなかったり、粒子の基材への衝突回数が増大したりするため、回収粉における半固化粒子の含有量(率)は増え、さらに、粒径がより大きい半固化粒子の含有割合も大きくなっていくことが予想される。これに対し、再使用回数が多くなるにつれて、つまり処理工程を繰り返すにつれて、半固化粒子の粉砕条件を厳しくすることにより、半固化粒子を更に確実に微細化(微粉化)することができるので、構造物の質(膜質)の低下を一層有効に抑制することができる。なお、粉砕条件を厳しくする手法としては、半固化粒子に付与されるエネルギーを大きくする方法等が挙げられ、例えば、機械エネルギーをより大きくして粉砕力を高めたり、同じ粉砕力でも粉砕時間を長くしたりすることを例示できる。
【0022】
また、粉体利用効率を一層高めるには、形成工程、回収工程、処理工程、及び戻入工程をその順に複数回実行し、その複数回の実行回数(繰り返し回数、反復回数:つまり回収粉の再使用回数)を極力多くすることが理論的には有利であると考えられるものの、その実行回数が所定の回数に達したときに、これらの回収工程、処理工程、及び戻入工程の実行、すなわち、回収粉の再使用を中止して使用済み原材料粉の再利用を取り止める方が、現実的には望ましい。
【0023】
すなわち、本発明者の更なる知見によれば、回収粉の再使用回数が増えると、その性状や状態は、元の原材料粉の状態からの乖離が大きくなり過ぎ、そうなると、回収粉に何らかの処理(半固化粒子の除外を除く)を施したとしても、元の原材料粉の状態又はそれに近い状態にまで戻す(復元する)ことが困難な傾向にある。したがって、例えば、脆性材料構造物の形成条件に応じて、回収粉の再使用が可能な回数を予め求めておき、その所定の回数(限界再使用回数)に達した場合には、それ以上再使用することをやめることにより、脆性材料構造物の質(膜質)の低下を更に確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の構造物形成方法によれば、AD法によって脆性材料構造物を形成する際に、回収工程で得られた回収粉を、そのままの状態で形成工程に戻入して再使用するのではなく、回収工程と次の形成工程との間に、回収粉に含まれる半固化粒子を、脆性材料構造物を形成する前の元の原材料粉の脆性材料粒子の状態に戻すので、半固化粒子を含む回収粉をそのまま再使用する際に危惧される脆性材料構造物の欠陥発生を有効に抑えることができる。これにより、半固化粒子を含む回収粉を効率よく再利用することができ、原材料の粉体利用効率を格段に高めて製品の生産性及び経済性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】(A)は、複数の脆性材料粒子が化学結合したものを含む「半固化粒子」の一例の外観を拡大して示す顕微鏡写真であり、(B)は、その模式図である。
【図2】複数の脆性材料粒子(一次粒子)が凝集して物理的に結合した二次粒子の一例の外観を拡大して示す模式図である。
【図3】本発明による構造物形成方法を好適に実施するための構造物形成装置の一実施形態を概略的に示す構成図である。
【図4】本発明による構造物形成方法の第1実施形態により脆性材料構造物を成膜する手順の一例を示す工程フロー図である。
【図5】比較例1で得られた回収粉の再使用回数P=1回のときの膜表面の顕微鏡拡大写真である。
【図6】比較例1で得られた回収粉の再使用回数P=2回のときの膜表面の顕微鏡拡大写真である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。さらに、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明をその実施の形態のみに限定する趣旨ではない。またさらに、本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな変形が可能である。
【0027】
(構造物形成装置)
図3は、本発明による構造物形成方法を好適に実施するための構造物形成装置の一実施形態を概略的に示す構成図である。構造物形成装置(AD装置)2は、窒素ガス等の不活性ガスが充填されたボンベ201に、ガス搬送管202を介してエアロゾル発生器203が接続され、その下流側にエアロゾル搬送管204を介して構造物形成室205(チャンバ)が設けられ、さらに、その内部に、エアロゾル搬送管204に接続されたノズル206が設置されたものである。
【0028】
エアロゾル発生器203の内部には、脆性材料粒子の原材料粉が充填されている。ノズル206の先端前方には、適宜の材質で構成された基板207(基材)がXYステージ208に固定設置されるようになっており、両者は、エアロゾル発生器203からノズル206を通して噴射されるエアロゾル流Fが衝突する基材207の表面Sにおける仮想鉛直線と、エアロゾル流Fの流線とのなす内角が例えば30°となるように配置される。また、ノズル206の先端開口から基板207の表面Sにおけるエアロゾル衝突部位までの距離は、例えば10mmとされる。
【0029】
さらに、構造物形成室205には、その室内の雰囲気を減圧排気するための真空ポンプ209が接続されている。また、構造物形成室205の内部において、基板207に隣設し且つノズル206から噴射されるエアロゾル流Fが流下する位置には、例えば矩形状の開口を有するエアロゾル吸引用の吸引筒210が設けられている。この吸引筒210には、真空ポンプ213に接続された固気分離用の微粒子回収容器212が、配管211を介して接続されている。
【0030】
このように構成された構造物形成装置2によって脆性材料構造物を成膜する手順は、例えば以下のとおりである。まず、ボンベ201を開栓し、窒素ガス等の不活性ガスを、ガス搬送管202を通してエアロゾル発生器203内に送出し、同時に、エアロゾル発生器203を運転してその内部の脆性材料微粒子と不活性ガスが適宜の比率で混合されたエアロゾルを発生させる。また、このとき、真空ポンプ209を稼動させ、エアロゾル発生器203と構造物形成室205の間に差圧を生じさせる。それから、このエアロゾルをエアロゾル搬送管204及びノズル206を通して加速させ、ノズル206の先端開口から基板207の表面Sに向けて、エアロゾル流Fを噴射する。その際、基板207をXYステージ208によって揺動させ、基板207の表面Sにおけるエアロゾル流Fの衝突位置を変化させる。こうして、脆性材料粒子の衝突によって基板207の表面S上に膜状の脆性材料構造物が連続して形成されていく。
【0031】
このとき、ノズル206から噴射されたエアロゾル流Fは、基板207に対して斜めに衝突するので、脆性材料構造物の形成に寄与しなかった脆性材料粒子を含むエアロゾル流Fは、衝突後、基板207に沿って、図示矢印で示される方向に流下する。そのエアロゾル流Fは、流動方向の前方に設置された吸引筒210へと導入され、さらに、配管211を通って微粒子回収容器212へ送られる。このとき、例えば、ノズル206、基板207、及び吸引筒210の形状と互いの位置関係を最適化することにより、構造物の形成に寄与しなかった脆性材料粒子の大部分を粒子回収容器212内に回収することができ、また併せて、構造物形成室205内に飛散して残留した脆性材料粒子を手動で回収してもよい。なお、吸引筒210は基板207の表面Sにおけるエアロゾル衝突部位に極力近接して配置することが望ましいものの、上述の如く、基板207を揺動させるので、基板207と吸引筒210の衝突を回避するために、両者はある程度の距離をおいて配設される。
【0032】
(第1実施形態)
図4は、本発明による構造物形成方法の第1実施形態により脆性材料構造物を成膜する手順の一例を示す工程フロー(プロセスフロー)図である。まず、例えば、使用する脆性材料粒子の原材料粉に含まれる余分な水分を除去するために原材料粉を所定時間乾燥させ、その後、必要に応じて、乾燥させた原材料粉が所望の平均粒径となるように、或いは、所望の粒度分布となるように調製し、図3に示す構造物形成装置2のエアロゾル発生器203内に装填する(ステップS1:準備工程)。一方、構造物形成室205内のXYステージ208には基板207を載置する。なお、この準備工程においては、活性に富む一次粒子が凝集して生成される二次粒子(図2参照)を一次粒子に解砕する処理を行ってもよい。
【0033】
次に、構造物形成装置2に関して上述した説明のとおり当該装置を運転し、基板207上に脆性材料構造物を成膜する(ステップS2:形成工程)。
【0034】
次いで、脆性材料構造物の成膜に寄与しなかったエアロゾル流F中の脆性材料粒子を、回収機構としての粒子回収容器212内に回収するとともに、必要に応じて、構造物形成室205内に飛散して残留した脆性材料粒子を手動で回収する(ステップS3:回収工程)。こうして回収した回収粉は、後述する処理工程を経た後に、脆性材料構造物の形成に再利用されるものであり、フラグ値として回収粉の再使用回数Pを一つ加算する(P=1)(ステップS4)。そして、本実施形態では、その再使用回数Pが、予め設定した限界再使用回数N以上であるか否かを判定する(ステップS5)。
【0035】
回収粉の再使用回数Pが、限界再使用回数N未満(判定が「No」)の場合、回収粉に対して適宜の粉砕装置を用いて粉砕処理を施し(ステップS6:処理工程)、その処理済み回収粉を構造物形成装置2における脆性材料構造物の成膜処理に戻入する(ステップS7:戻入工程)。この場合、必要に応じて、乾燥等の準備工程(ステップS1)を処理済み回収粉に対して実行(ステップS1)した上で、その回収粉をエアロゾル発生器203内に装填してから形成工程を実行する(ステップS2)。このとき、基板207を、必要に応じて、新たなものに交換しておいてもよい。
【0036】
こうして、回収粉の再使用、すなわち、脆性材料構造物の形成工程(ステップS2)、その形成に寄与しなかった脆性材料粒子の回収工程(ステップS3)、回収粉の処理工程(ステップS6)、及び、処理済み回収粉の戻入工程(ステップS7)を複数回繰り返し、ステップS4で加算したフラグ値である再使用回数Pが、限界再使用回数N以上(ステップS5の判定が「Yes」)である場合には、その回収粉は最早再使用には適さないと判断し、回収粉を処理工程(ステップS6)に回送することなく廃棄し(ステップS8)、その一連の処理を終了する。
【0037】
このような構造物形成方法の第1実施形態によれば、最初の形成工程(ステップS2)において一度使用された脆性材料粒子(原材料粉)のうち脆性材料構造物を形成しなかった脆性材料粒子(回収粉)を回収工程で回収し(ステップS3)、戻入工程(ステップS7)及び再度の形成工程(ステップS2)を実施することを繰り返すので、原材料の粉体利用効率が高められる。また、そればかりではなく、回収粉を再使用する前に処理工程(ステップS6)を実行し、その直前の形成工程(ステップS2)で生成して回収粉に含まれる半固化粒子を、脆性材料構造物を形成する前の脆性材料粒子の状態に戻すことができるので、半固化粒子をそのまま再使用する際に生じ得る脆性材料構造物の欠陥発生を有効に抑制することができる。これにより、半固化粒子を含む回収粉を効率よく再利用し得るので、原材料の粉体利用効率を格段に高めることができるとともに、脆性材料構造物製品の生産性及び経済性をも向上させることが可能となる。
【0038】
また、処理工程(ステップS6)において、半固化粒子を含む回収粉に対して粉砕処理を施すので、複数の脆性材料粒子の化学結合によって大きな塊状になった半固化粒子が機械的に破壊され、半固化粒子を脆性材料構造物の形成前におけるの原材料粉中の脆性材料粒子のような小さな粒径の粒子に、確実に且つ簡易に微細化(微粉化)させることができる。よって、脆性材料構造物の膜欠陥の発生をより一層有効に防止することができ、原材料の粉体利用効率、並びに、製品の生産性及び経済性を更に高めることが可能となる。
【0039】
さらに、回収粉の再使用回数Pが予め設定した限界再使用回数Nに達するまで、形成工程(ステップS2)、回収工程(ステップS3)、処理工程(ステップS6)、及び戻入工程(ステップS7)をこの順に複数回実行するので、粉体利用効率を更に一層高めることができる。
【0040】
またさらに、そのように回収粉の再使用回数Pが限界再使用回数Nに達したときに、回収粉の再使用を中止して廃棄し、使用済み原材料粉の再利用を停止するので、処理工程において粉砕処理を行っても元の原材料粉の状態又はそれに近い状態にまで戻すことが困難な回収粉の使用を確実に抑止することができ、これにより、脆性材料構造物の膜質の低下をより確実に防ぐことが可能となる。
【0041】
(第2実施形態)
本発明による構造物形成方法の第2実施形態では、図4に示す処理工程(ステップS6)において、半固化粒子を含む回収粉の粉砕処理に代えて、粒径の相違を利用する等して半固化粒子を他の粒子から除外(回収粉から半固化粒子を除去)すること以外は、上述した第1実施形態と同様の工程を同様の手順で実施する。
【0042】
このような第2実施形態によれば、上述した第1実施形態が奏する基本的な作用効果に加え、粉砕処理といった機械的な操作を行わなくとも、回収粉の状態をほぼ脆性材料構造物の形成前の脆性材料粒子の状態に調製することができるという利点を有する。
【0043】
(第3実施形態)
本発明による構造物形成方法の第3実施形態では、複数の処理工程(ステップS6)毎に、互いに異なる処理を行うこと以外は、上述した第1実施形態と同様の工程を同様の手順で実施する。先述したとおり、回収粉は、再使用回数Pが異なると、その性状や状態が異なり、特に、各回収工程で得られる回収粉に含まれる半固化粒子の量、形状、大きさ等が異なり得る。よって、複数の処理工程(ステップS6)のそれぞれにおける回収粉の処理(条件)を再使用回数Pに依らず同一にするのではなく、各回収粉の性状や状態の相違に応じて処理(条件)を異ならせることにより、再使用回数が異なる回収粉に対してより適切な処理を行なうことができる。その結果、回収粉の再使用回数Pに依存することなく、最初に形成した脆性材料構造物と同等の優れた膜質を有するものを継続的に且つ安定に得ることが可能となる。
【0044】
また、具体的には、複数の処理工程(ステップS6)においては、回収粉の粉砕処理を実施し、且つ、実施回数が増えるにつれて、回収粉の粉砕条件をより厳しい条件にする例が挙げられる。このようにすれば、再使用回数Pが多くなるほど、半固化粒子の含有量(率)が増え、及び/又は、粒径がより大きい半固化粒子の含有割合が大きくなる回収粉中のそのような半固化粒子を更に確実に微細化(微粉化)することができるので、脆性材料構造物の膜質の低下をより一層効果的に抑制することが可能となる。
【0045】
なお、上述したとおり、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない限度において様々な変形が可能である。例えば、戻入工程(ステップS7)においては、準備工程(ステップS1)を経ることなく、処理済み回収粉を形成工程(ステップS2)に直接導入してもよい。また、ステップS4を実施するタイミングは、例えば、処理工程(ステップS6)、及び/又は、戻入工程(ステップS7)の後に、若しくは、それらの実行中に実施しても構わない。さらに、処理工程(ステップS6)においては、粉砕処理と半固化粒子の除去を組み合わせて用いてもよい。
【0046】
またさらに、粒子回収容器212の具体例としては、サイクロン装置、フィルタ装置、衝突板装置、静電集塵機、超音波重力分級装置等が挙げられる。さらにまた、回収粉の再使用を複数回実施せず、1回のみ実施するようにしても構わない。加えて、回収粉の限界再使用回数Nを定めず、再使用回数Pと限界再使用回数Nとの比較判定を行わずに、つまり、ステップS4及びS5を省略して、例えば、各工程を2回又は3回等と固定した回数だけ繰り返し複数回実行するようにしてもよい。また、回収粉の湿式ボールミルによる粉砕処理は、例えば、好ましくは10分〜3時間程度の短時間処理が挙げられる。
【実施例】
【0047】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0048】
[実施例1]
(エアロゾルの原材料粉)
脆性材料粒子の原材料粉として、平均粒径0.49μm(日機装(株)社製のレーザー回折粒度分布測定装置:MicrotracMT3000で測定したメジアン径D50)であるランタンストロンチウムクロマイト粉体を用意した。
【0049】
(準備工程:ステップS1、1回目)
原材料粉を、オーブンを用いて、大気圧下、150℃で一晩以上乾燥させ、原材料粉に含まれる水分を除去した。
【0050】
(形成工程:ステップS2、1回目)
図3に示す構造物形成装置2と同等の構成を有する成膜装置を用い、上述した構造物形成装置2の運転方法と同様の手順で、上記原材料粉をエアロゾル化したものをアルミナ基材の表面上に衝突させて脆性材料構造物を成膜した。このとき、ノズルとして、幅6mm及びスリット厚さ1.1mmの矩形開口を有するものを用いた。また、エアロゾル生成用の不活性ガスとして窒素ガスを用い、それを15L/minのガス流量でエアロゾル発生器へ供給した。さらに、真空ポンプによって構造物形成室内の圧力を500〜1000Paに調整した。得られた脆性材料構造物の厚さは、10μmであった。
【0051】
(回収工程:ステップS3、1回目)
形成工程で使用したエアロゾル中の脆性材料粒子を粒子回収容器内に回収するとともに、構造物形成室(チャンバ)内に残留した粒子を、ブラシを用いて手動で収集して回収した。回収粉の量は、エアロゾルとして噴射した原材料粉の総量に対して80%以上であった。
【0052】
(処理工程:ステップS6、1回目)
上述したレーザー回折粒度分布測定装置を用いて、回収粉の平均粒径を測定したところ、0.43μmであり、原材料粉の平均粒径である0.49μmに比して若干小さかった。この回収粉の一部を湿式ボールミル(Yamato社製:UniversalBallMill UB-31)により、回転数100rpmで3時間粉砕処理して、平均粒径0.42μmの処理済み回収粉を得た。このように、回収粉の平均粒径は、粉砕処理の前後で0.01μm小さくなったのみであり、全体としての粒度分布も殆ど変化していないものと推定される。
【0053】
(形成工程:ステップS2、2回目(再使用回数P=1回))
上記処理済み回収粉を、準備工程(ステップS1、2回目)に戻入し(戻入工程:ステップS7、1回目)、形成工程(ステップS2、1回目)と同じ条件にて、脆性材料構造物を成膜した。得られた脆性材料構造物の厚さは、10μmであった。
【0054】
[比較例1]
回収粉に対して処理工程(ステップS6)を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、脆性材料構造物の成膜を行った。なお、回収粉の再使用回数P=2回(形成工程を3回実施)とした。1回目〜3回目の形成工程で得られた脆性材料構造物の厚さは、全て10μmであった。
【0055】
[脆性材料構造物の膜質評価]
実施例1で得られた脆性材料構造物の膜表面を顕微鏡で拡大観察したところ、1回目の形成工程で得られた膜(回収粉の使用なし)の殆どの視野において欠陥は観察されず、一部の視野に数μmサイズのクレーター状の欠陥が1個確認された。また、2回目の形成工程で得られた膜(処理工程1回、回収粉の再使用回数P=1回)の殆どの視野においても欠陥は観察されず、1回目のものと同様に、一部の視野において数μmサイズのクレーター状の欠陥が1個確認された。これらの結果より、本発明による実施例1の構造物形成方法を用いた場合、回収粉を再使用して得られた膜と、回収粉を使用しないで得られた膜は、それらの表面における欠陥サイズと欠陥量が同程度であり、いずれも膜質に優れた脆性材料構造物が得られることが確認された。
【0056】
一方、比較例1で得られた脆性材料構造物の膜表面を顕微鏡で拡大観察したところ、実施例1と同様に、1回目の形成工程で得られた膜(回収粉の使用なし)の殆どの視野において欠陥は観察されず、一部の視野に数μmサイズのクレーター状の欠陥が1個確認された。また、2回目の形成工程で得られた膜(処理工程なし、回収粉の再使用回数P=1回)の多くの視野において、数μmサイズ及びそれ以上のサイズのクレーター状の欠陥が複数確認された。さらに、3回目の形成工程で得られた膜(処理工程なし、回収粉の再使用回数P=2回)の多くの視野において、2回目のものよりも更に大きいサイズの欠陥が、2回目のものよりも多数観察された。図5及び図6に、それぞれ、比較例1で得られた回収粉の再使用回数P=1回及び2回のときの膜表面の顕微鏡拡大写真の一例を示す。
【0057】
これらの結果より、回収粉の処理を行わなかった比較例1の構造物形成方法を用いた場合、回収粉を再使用して得られた膜には、その表面における欠陥サイズと欠陥量が、実施例1のものよりも遥かに増大しており、膜質が有意に低下してしまい、また、回収粉の再使用回数Pが増えるにつれて、欠陥サイズと欠陥量が更に増大し、膜質が一層顕著に悪化し得ることが判明した。
【0058】
以上のことから、回収粉を処理して再使用する実施例1は、回収粉を処理しないでそのまま再使用する比較例1に比して格段に優位であることが理解される。
【0059】
また、実施例1及び比較例1で用いた原材料粉の脆性材料粒子の平均粒径は、0.49μmであることから、原材料粉においては、サブミクロンから数ミクロンオーダーの一次粒子が分散しているものと推察される。しかし、実施例1及び比較例1で用いた原材料粉を電子顕微鏡で観察したところ、測定試料の全体量に対して極少量ではあるものの、一次粒子の凝集体である二次粒子が含まれていることが確認された。なお、原材料粉の上記レーザー回折粒度分布測定装置による測定結果によれば、凝集体である二次粒子と同程度の粒子径に相当する回折強度は極めてゼロに近いことから、このような二次粒子の原材料粉全体に占める割合は、非常に少ないものと推測される。
【0060】
また、この凝集体である二次粒子を電子顕微鏡で観察したところ(その観察画像の模式図が、先に述べた図2である。)、一次粒子同士の界面を明瞭に判別できることから、その二次粒子は、サブミクロン微粒子粉体に一般的に見られる静電気的な凝集体であると考えられる。AD法では、エアロゾル中の凝集体が欠陥の発生に寄与することが従来から知られており、エアロゾル中の凝集体を制御することにより、欠陥の少ない膜構造物が得られることも周知である。これらを考慮すると、実施例1及び比較例1において回収粉を使用しないで得られた形成工程1回目の膜表面に僅かに観察された欠陥は、原材料粉中に含まれるかかる凝集体に起因する(由来する)欠陥であるものと推察される。
【0061】
一方、比較例1の回収粉を電子顕微鏡により観察したところ、原材料粉の一次粒子、及び、図2に示すような凝集体である二次粒子とは明らかに様相が異なり、図1(A)及び(B)に示すように粒界が判別できない塊状の大きな粒子(半固化粒子)が認められた。先述したように、この半固化粒子は、原材料粉のサブミクロン径の脆性材料粒子がまるで押し固められて、隣り合う脆性材料粒子同士が化学的に結合し、それらが一体化しているような構造を有していることが確認された。また、かかる半固化粒子は、一次粒子の凝集体と同程度の大きさであると考えられる。これらのことから、回収粉中に半固化粒子が含まれることが、エアロゾル中の上記凝集体と同様に(ただし、程度は大きく)、膜構造物の欠陥の増加に寄与しているものと推定される。ただし、作用はこれに限定されない。
【産業上の利用可能性】
【0062】
以上説明したとおり、本発明の構造物形成方法によれば、優れた膜質を維持しつつ、原材料の粉体利用効率を格段に高めることができ、これにより、AD法を用いて得られる脆性材料構造物製品の生産性及び経済性を向上させることができるので、種々の用途の薄膜等の製造に広く且つ有効に利用することが可能である。
【符号の説明】
【0063】
2…構造物形成装置(AD装置)、201…ボンベ、202…ガス搬送管、203…エアロゾル発生器、204…エアロゾル搬送管、205…構造物形成室、206…ノズル、207…基板(基材)、208…XYステージ、209…真空ポンプ、210…吸引筒、211…配管、212…粒子回収容器、213…真空ポンプ、F…エアロゾル流、S…表面、S1…準備工程、S2…形成工程、S3…回収工程、S6…処理工程、S7…戻入工程。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルデポジション法を用いて基材上に脆性材料からなる構造物を形成する構造物形成方法であって、
前記基材上に、脆性材料粒子を噴射して前記構造物を形成する形成工程と、
前記形成工程において噴射された前記脆性材料粒子のうち前記構造物を形成しなかった脆性材料粒子を回収する回収工程と、
前記回収工程で回収された脆性材料粒子に含まれ、且つ、複数の脆性材料粒子が化学的に結合した半固化粒子に対して、前記構造物を形成する前の前記脆性材料粒子の状態に戻すような処理を行う処理工程と、
前記処理が施された脆性材料粒子を前記形成工程に戻入する戻入工程と、
を有する構造物形成方法。
【請求項2】
前記処理工程においては、前記処理として、前記半固化粒子に対して粉砕処理を施す、
請求項1記載の構造物形成方法。
【請求項3】
前記処理工程においては、前記処理として、前記半固化粒子を除外する、
請求項1記載の構造物形成方法。
【請求項4】
前記形成工程、前記回収工程、前記処理工程、及び前記戻入工程を、この順に複数回実行し、
複数の前記処理工程におけるそれぞれの処理は、互いに異なる処理である、
請求項1記載の構造物形成方法。
【請求項5】
前記複数の処理工程においては、それぞれの前記処理として、前記半固化粒子に対して粉砕処理を施し、且つ、前記複数回の実行回数が増えるにつれて、前記半固化粒子の粉砕条件をより厳しい条件とする、
請求項4記載の構造物形成方法。
【請求項6】
前記形成工程、前記回収工程、前記処理工程、及び前記戻入工程を、この順に複数回実行し、
前記複数回の実行回数が所定の回数に達したときに、前記回収工程、前記処理工程、及び前記戻入工程の実行を中止する、
請求項1記載の構造物形成方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate