説明

標的リガンドをエンドソーム分解性成分と組み合わせることによる核酸の部位特異的送達

本発明は、核酸を標的リガンドおよびエンドソーム分解性成分と組み合わせることによる、核酸の部位特異的送達のための組成物および方法に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸と、少なくとも1つのエンドソーム分解性成分と、少なくとも1つの標的リガンドとを含む、モジュール組成物であって、前記組成物は、式:
【化1】

を有し、式中、

は、核酸であり、
Eは、エンドソーム分解性成分であり、
Lは、標的リガンドであり、
xは存在ごとに独立して、0または1を表し、
yは存在ごとに独立して、1、2、3、4、5、または6を表し、
zは存在ごとに独立して、0、1、2、3、4、5、または6を表し、
Aは、
【化2】

から成る群より選択される連結部分であり、式中、
は存在ごとに独立して、OまたはSを表し、
は存在ごとに独立して、−OH、−OM、−Oアルキル、−Oアリール、−Oアラルキル、−SH、−SM、−サルキル、−サリール、−アラルキル、−N(R)R、−C(R11N(R11、−N(R11)(C(R11N(R11、またはアルキルを表し、
およびRは独立して、Hもしくはアルキルを表すか、またはRおよびRは一緒になって、3、4、5、6、もしくは7員環を形成し、
11は存在ごとに独立して、水素またはアルキルを表し、
Mは存在ごとに独立して、+1の総電荷を有するアルカリ金属または遷移金属を表し、
は存在ごとに独立して、水素、アルキル、アリール、アラルキル、アシル、シリル、核酸への結合、または、B10と組み合わされる場合には連結部分間の結合を表し、
10は、Aと核酸との結合、または、Rと組み合わされる場合には連結部分間の結合を表し、
A'は、式:−[(P−Q−R)−X−(P'−Q'−R')q'q"−T−を有する直接結合またはテザーであり、式中、
P、R、T、P'、およびR'はそれぞれ独立して、存在しないか、CO、NH、O、S、OC(O)、NHC(O)、CH、CHNH、CHO;NHCH(R)C(O)、−C(O)−CH(R)−NH−、C(O)−(随意的に置換されたアルキル)−NH−、CH=N−O、
【化3】

シクリル、ヘテロシクリル、アリール、またはヘテロアリールであり、
50およびR51は独立して、アルキル、置換アルキルであるか、またはR50およびR51が一緒になって環式環を形成し、
QおよびQ'はそれぞれ存在ごとに独立して、存在しないか、−(CH−、−C(R40)(R41)(CH−、−(CHC(R40)(R41)−、−(CHCHO)CHCH−、−(CHCHO)CHCHNH−、アリール、ヘテロアリール、シクリル、またはヘテロシクリルであり、
Xは、存在しないか、または開裂可能な連結基であり、
は、Hまたはアミノ酸側鎖であり、
40およびR41はそれぞれ独立して、H、CH、OH、SH、またはN(Rであり、
は、存在ごとに、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、またはベンジルであり、
q、q'、およびq”はそれぞれ独立して、0〜30であり、
nは、存在ごとに、1〜20の整数であり、
mは、存在ごとに、0〜50の整数であり、
EおよびLがそれぞれ、少なくとも1つは存在することを条件とする、
組成物。
【請求項2】
前記組成物が、式:
【化4】

を有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、式:
【化5】

を有し、式中、各zが独立して、1、2、3、4、5、または6であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が、式:
【化6】

を有し、式中、zは、1、2、3、4、5、または6であるか、あるいは、0、1、2、3、4、5、または6であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項5】
前記A'テザーが、アルキルジラジカル、ヘテロアルキルジラジカル、アルケニルジラジカル、アルキニルジラジカル、アルキルアルキニルジラジカル、アミノアルキルジラジカル、チオエーテル、−C(O)−、−S(O)−、−S(O)−、−C(R)−であるか、または、
【化7】

から成る群より選択される式を有し、式中、
mは存在ごとに独立して、1、2、3、4、5、6、7、または8を表し、
は存在ごとに独立して、0、1、2、3、4、5、6、7、または8を表し、
pは存在ごとに独立して、1、2、3、または4を表し、
Rは存在ごとに独立して、水素またはアルキルを表す
ことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項6】
前記A'テザーが、
【化8】

から成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項7】
前記エンドソーム分解性成分が、イミダゾール、ポリまたはオリゴイミダゾール、直鎖または分岐鎖ポリエチレンイミン(PEI)、直鎖および分岐鎖ポリアミン、カチオン性直鎖および分岐鎖ポリアミン、ポリカルボン酸塩、ポリカチオン、マスク化オリゴまたはポリカチオンまたはアニオン、アセタール、ポリアセタール、ケタール、ポリケタール、オルトエステル、マスク化または非マスク化カチオンまたはアニオン電荷を有する直鎖または分岐鎖ポリマー、マスク化または非マスク化カチオンまたはアニオン電荷を有するデンドリマー、ポリアニオン性ペプチド、ポリアニオン性ペプチド模倣薬、pH感受性ペプチド、ならびに天然または合成融合性脂質から成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項8】
前記エンドソーム分解性成分が、ポリアニオン性ペプチドまたはポリアニオン性ペプチド模倣薬であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項9】
前記融合性脂質が、1,2−ジオレオイル−sn−3−ホスホエタノールアミン(DOPE)、ホスファチジルエタノールアミン(POPE)、パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン(POPC),(6Z,9Z,28Z,31Z)−ヘプタトリアコンタ−6,9,28,31−テトラエン−19−オル(Di−Lin)、N−メチル(2,2−ジ((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メタンアミン(DLin−k−DMA)、およびN−メチル−2−(2,2−ジ((9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)エタンアミン(XTC)から成る群より選択されることを特徴とする請求項7記載の組成物。
【請求項10】
前記エンドソーム分解性成分が、GALA、EALA、INF−7、Inf HA−2、diINF−7、diINF3、GLF、GALA−INF3、INF−5、JTS−1、ppTG1、ppTG20、KALA、HA、メリチン、およびヒスチジンに富んだペプチドCHKHCから成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項11】
前記標的リガンドが、抗体、受容体のリガンド結合部分、受容体のためのリガンド、アプタマー、D−ガラクトース、N−アセチル−D−ガラクトース(GalNAc)、多価N−アセチル−D−ガラクトース、D−マンノース、コレステロール、脂肪酸、リポタンパク質、葉酸、チロトロピン、メラノトロピン、サーファクタント・タンパク質A、ムチン、炭水化物、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン、多価マンノース、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、トランスフェリン、ビスホスフォネート、ポリグルタミン酸塩、ポリアスパラギン酸塩、血漿タンパク結合を強化する親油性部分、ステロイド、胆汁酸、ビタミンB12、ビオチン、RGDペプチド、RGDペプチド模倣薬、イブプロフェン、ナプロキセン、アスピリン、葉酸、ならびにそれらの類似体および誘導体から成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項12】
前記標的リガンドが、D−ガラクトース、N−アセチル−D−ガラクトース(GalNAc)、GalNAc2、およびGalNAc3、コレステロール、葉酸、ならびにそれらの類似体および誘導体から成る群より選択されることを特徴とする請求項11記載の組成物。
【請求項13】
前記核酸が、iRNA剤、アンチセンスオリゴヌクレオチド、antagomir、活性化RNA、デコイオリゴヌクレオチド、アプタマー、マイクロRNA(miRNA)、miRNA模倣体、antimir、活性化RNA(RNAa)、supermir、U1アダプター、およびリボザイムから成る群より選択されることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項14】
前記核酸が、少なくとも1つの糖修飾を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項15】
前記糖修飾が、2'修飾であることを特徴とする請求項14記載の組成物。
【請求項16】
前記2'修飾が、2'−O−Me(2'−O−メチル)、2'−O−MOE(2'−O−メトキシエチル)、2'−F、2'−O−[2−(メチルアミノ)−2−オキソエチル](2'−O−NMA)、2'−NH、2'−O−アミン、2'−SH、2'−S−アルキル、2'−O−CH−(4'−C)(LNA)、2'−O−CHCH−(4'−C)(ENA)、2'−O−アミノプロピル(2'−O−AP)、2'−O−ジメチルアミノエチル(2'−O−DMAOE)、2'−O−ジメチルアミノプロピル(2'−O−DMAP)、および2'−O−ジメチルアミノエチルオキシエチル(2'−O−DMAEOE)から成る群より選択されることを特徴とする請求項15記載の組成物。
【請求項17】
前記核酸が、少なくとも1つの骨格修飾を含有することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項18】
前記骨格修飾が、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、ホスホロアミダート、ホスホネート、アルキルホスホネート、シロキサン、カーボネート、カルボキシメチル、カルバメート、アミド、チオエーテル、エチレンオキシドリンカー、スルホナート、スルホンアミド、チオホルムアセタール、ホルムアセタール、オキシム、メチレンイミノ、メチレンアミノカルボニル、メチレンメチルイミノ(MMI)、メチレンヒドラゾ、メチレンジメチルヒドラゾ(MDH)、およびメチレンオキシメチルイミノから成る群より選択されることを特徴とする請求項17記載の組成物。
【請求項19】
前記核酸が、少なくとも1つの核酸塩基修飾を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項20】
前記核酸塩基修飾が、ジフルオロトリル、5−ニトロインドール、3−ニトロピロール、2−(アミノ)プリン、2,6−(ジアミノ)プリン、5−置換ピリミジン、N−置換プリン、N−置換プリン、およびO−置換プリンから成る群より選択されることを特徴とする請求項19記載の組成物。
【請求項21】
前記核酸が、標的遺伝子の発現を下方制御することを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項22】
前記核酸が、RNA干渉機構によって標的遺伝子の発現を下方制御することを特徴とする請求項21記載の組成物。
【請求項23】
前記核酸が、一本鎖オリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項24】
前記核酸が、ヘアピンオリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項25】
前記核酸が、二本鎖オリゴヌクレオチドであることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項26】
前記エンドソーム分解剤および前記標的リガンドが、前記核酸の同一末端上にあることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項27】
前記エンドソーム分解剤および前記標的リガンドが、前記核酸の反対側の末端上にあることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項28】
前記エンドソーム分解剤および前記標的リガンドのうちの一方が、前記核酸の末端にあり、他方は、前記核酸上の内部非末端位置にあることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項29】
前記エンドソーム分解剤および前記標的リガンドの両方が、前記核酸上の内部非末端位置にあることを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項30】
前記エンドソーム分解剤および前記標的リガンドが両方、同一鎖上にあることを特徴とする請求項25記載の組成物。
【請求項31】
前記エンドソーム分解剤および前記標的リガンドが、異なる鎖上にあることを特徴とする請求項25記載の組成物。
【請求項32】
前記エンドソーム分解剤および前記標的リガンドが、前記二本鎖オリゴヌクレオチドの同一末端上に位置することを特徴とする請求項31記載の組成物。
【請求項33】
前記エンドソーム分解剤および前記標的リガンドが、前記二本鎖オリゴヌクレオチドの反対側の末端上に位置することを特徴とする請求項31記載の組成物。
【請求項34】
前記テザーが、少なくとも1つのレドックス開裂可能な連結基を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項35】
前記テザーが、少なくとも1つのpH感受性成分を含むことを特徴とする請求項1記載の組成物。
【請求項36】
モジュール組成物を細胞に送達する方法であって、
(a)細胞を請求項1に記載のモジュール組成物と接触させ、
(b)前記細胞が前記モジュール組成物を取り込むことを可能にする、
各工程を有してなる方法。
【請求項37】
前記標的リガンドが、前記核酸が前記細胞内に蓄積することを可能にするのに十分な透過性および滞留性を提供することを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記方法が、インビトロで実施されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項39】
前記方法が、インビボで実施されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項40】
前記方法が、エクスビボで実施されることを特徴とする請求項36に記載の方法。
【請求項41】
1つ以上の細胞を有効量の請求項1に記載のモジュール組成物と接触させる工程を有してなる、1つ以上の遺伝子の発現を阻害する方法であって、前記有効量が、前記1つ以上の遺伝子の前記発現を抑制する量であることを特徴とする、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−518784(P2011−518784A)
【公表日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−504224(P2011−504224)
【出願日】平成21年4月10日(2009.4.10)
【国際出願番号】PCT/US2009/040274
【国際公開番号】WO2009/126933
【国際公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【出願人】(506336728)アルニラム ファーマスーティカルズ インコーポレイテッド (13)
【氏名又は名称原語表記】ALNYLAM PHARMACEUTICALS, INC.
【Fターム(参考)】