説明

標的物質捕捉方法および装置

【課題】 反応時に標的物質の捕捉能を有する粒子凝集体を形成させ、多孔質体を構成し、見かけ上の反応表面積の増大と標的物質の拡散距離を短くすることで、標的物質の捕捉反応効率を上げる捕捉方法およびその装置を提供すること。
【解決手段】 再分散可能な状態に凝集させることができる粒子に標的物質の捕捉体を担持させて、これを流路の所定領域で凝集させて標的物質を含む検体と反応させて、反応表面積の増大と標的物質の拡散距離を短くすることで、標的物質の捕捉反応効率を上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁性微粒子を利用した標的物質の捕捉方法および該方法を用いた装置に関する。
【背景技術】
【0002】
タンパク質や核酸などの生体物質や、ガスなどの化学物質を検出する目的で使用されるセンサにおいて、反応部位の表面積は、その検出感度や反応速度を支配する重要な因子であり、表面積の増大は即ち、センサの特性向上につながる。従来より基材として多孔質体を用いることにより、検出対象との反応性物質を多量に保持させる方法が提案されている。この目的のため、基材として、ニトロセルロース膜、ナイロン膜などのミクロフィルター、紙、不織布、糸などを使用する方法が知られている。多孔質体は、実質表面積が見かけの表面積の千倍〜一万倍にも上るため、表面に多くの標的物資捕捉機能を有する成分を固定又は担持することができる。特許文献1または特許文献2には、表面多孔体の製造方法が記載されている。また、特許文献3には、多孔体を用いた高感度小型二酸化窒素濃度モニタリングシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2000−1565号公報
【特許文献2】特開2000−2705号公報
【特許文献3】特開平9−274032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、微量成分を選択的に検出するために捕捉反応後の洗浄時に、高感度化のために表面積を増大させた結果、多孔質体の隅々まで効率よく洗浄することは困難であることが多い。洗浄によって非標的物質など検出対象とならない物質を除去する場合、多孔質体に残存する量が標的物質の量に対して問題とならないほど微量であれば、問題はないが、検体中の標的物質量が微量であると、測定に影響する成分の洗浄除去率が高いことが要求される。また、微小流路中で多孔質体を用いた場合、流動抵抗を現実的な範囲に収めると、多孔質体が散乱体として振る舞い、光学検出には適さない場合がある。ガスセンサの場合は、細孔径がナノメートルオーダーと非常に小さく、このような多孔質体は溶液系で用いるには浸透性・反応性の問題や、微小流路で用いる場合には、流動抵抗などの問題が同様にある。
【0004】
本発明はこのような背景技術に鑑みてなされたものであり、反応時に標的物質の捕捉能を有する粒子凝集体を形成させ、多孔質体を構成し、見かけ上の反応表面積の増大と標的物質の拡散距離を短くすることで、標的物質の捕捉反応効率を上げる捕捉方法およびその装置を提供するものである。また、本発明は、粒子として可逆的な凝集を生じるものを用いて、粒子凝集体と検体との反応後には、粒子凝集体は再分散可能であり、捕捉物質の検出や回収などの別工程に供することができる標的物質の捕捉方法およびそのための装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の検体中の標的物質を捕捉する方法は、
前記標的物質の捕捉能を有する粒子を、流体中で分散した状態で用意する工程と、
前記粒子を凝集させる工程と、
凝集した前記粒子に前記検体を接触させることで、前記検体中の標的物質を前記粒子に捕捉させる工程と
を有することを特徴とする標的物質捕捉方法である。
【0006】
また、本発明の検体中の標的物質を捕捉するための装置は、
前記検体を搬送するための流路と、
前記流路内に固定され、前記標的物質の捕捉能を有する粒子と、
前記流路中において前記粒子を凝集させるための凝集手段と、
前記流路中に前記検体を搬送するための搬送手段と、
を有することを特徴とする標的物質捕捉装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、流路内に標的物質の捕捉能を有する微粒子を導入し、流路中の所望の領域に微粒子を凝集させた後に、検体を流路中に導入し、前記微粒子と検体中の標的物質を反応させることによる標的物質捕捉方法を提供するとともに、捕捉反応後は、前記微粒子凝集体は再分散可能であり、検出や回収などの別工程に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。本実施の形態の検体中の標的物質を捕捉する方法は、流路に標的物質の捕捉能を有する粒子を導入する工程と、流路中の所望の領域(捕捉反応領域)で粒子を凝集させて、凝集体としてこの領域内に保持する工程、および凝集工程後に検体を流路中に導入し、粒子に検体中の標的物質を捕捉させる工程を有する。また、後工程として、洗浄工程及び標的物質の検出工程の少なくとも一方を有することができる。
【0009】
流路中で粒子を搬送するための媒体としては粒子の搬送、凝集、検出などの本発明で目的とする操作を可能とする液体や気体が利用できる。粒子の粒径としては、0.02μm〜20μmの範囲とすることが好ましく、更に下限は1μmであることが更に好ましい。粒子表面は、必要に応じて粒子同士の結着や付着を防ぐ表面処理がなされたものでもよい。表面処理としてはBSA、PEG(ポリエチレングリコール)、カゼインなどを表面に付着させる処理を挙げることができる。また、検出時に流路中の粒子を搬送させる媒体は流動させた状態でも、媒体の流れを止めた状態でもよい。
【0010】
なお、凝集体での検出を行わずに、後工程として粒子の再分散を行ってから、必要に応じて洗浄工程を行ってから、標的物質の検出工程を行うこともできる。更に、後工程として粒子の再分散および回収工程を有することで、捕捉された標的物質や粒子を回収して、検出やその他の用途にこれを利用することもできる。標的物質を捕捉するための粒子は、磁性微粒子であることが好ましく、凝集工程としては、外部磁界印加工程であることが好ましい。
【0011】
一方、本実施の形態における装置は、検体中の標的物質を捕捉する装置であって、流路に標的物質の捕捉能を有する粒子を導入するための手段と、流路中の所望の領域(捕捉反応領域)で粒子を凝集させるための手段、および粒子の凝集後に検体を流路中に導入し、凝集状態にある粒子に検体中の標的物質を捕捉させるための手段と、を有することを特徴としている。また、後工程として洗浄のための洗浄手段を有するものであってもよい。更に、本実施の形態の標的物質捕捉装置は、標的物質の検出手段を有するものであってもよい。なお、検出手段は、凝集体での検出を行わずに、粒子を再分散させた状態で標的物質の検出を行うものであってもよく、この場合は粒子の再分散手段を有する。また、本実施の形態の装置は、粒子の再分散および回収手段を有することで、捕捉された標的物質や粒子を回収して、検出、分離などの所望の目的にこれらを利用できるような構成を有することもできる。なお、この装置についても、粒子は、磁性微粒子であることが好ましく、凝集手段としては、外部磁界印加手段であることが好ましい。
【0012】
以下に、磁性微粒子を用いた場合について本発明の標的物質捕捉方法および装置を、図面を用いてより詳細に説明する。本発明の標的物質捕捉方法および装置の一般的な構成は、図1に代表されるようなマイクロ流体チップ型であることが好ましいが、キャピラリー等のマイクロ流体チップ型以外であってもよいことは言うまでもない。また、図2に検出部5と凝集手段6が流路3に対して同じ位置に設けられている例を示す。この場合、凝集手段6が永久磁石や電磁石等の磁界発生手段であることが好ましく、検出部5は、光電子増倍管、CCD等の光学的な検出素子を有して構成されたものであることが好ましい。
【0013】
磁性微粒子を含む搬送液は、図1に示す基材に設けられたインレット2より流路3に導入され、流路3中をシリンジポンプ等(不図示)を有する搬送手段により搬送される。なお、図2は、凝集手段6を作動させていない状態を示している。また、この装置では、磁性微粒子導入手段及び検体搬送手段をこのシリンジポンプ等を有する搬送手段が構成している。
【0014】
ここで、磁界印加による凝集手段6を動作させると磁性微粒子7は図3に模式的に表したように捕捉反応領域としての微粒子凝集部に凝集体を形成する。この凝集体は、多孔質体と同様の機能を有し、流体の搬送を考慮すると、マイクロメートルオーダーの空隙を有するものであることが好ましい。言うまでもないが、空隙サイズや割合は、微粒子の粒径や凝集度で制御することができる。また、凝集度は、外部から印加する磁界の強度と磁性微粒子の磁性との組合せによって調整することができる。更に、凝集密度を捕捉反応効率を向上させ、かつ洗浄効果が良好である程度に調整することで、より高感度の標的物質の捕捉及びその検出を行なうことができる。すなわち、本発明における標的物質捕捉用の粒子は、上記の磁性微粒子を用いている場合に代表されるように、最初の分散状態に再分散可能な凝集、すなわち可逆的な凝集を生じ得るものである。そして、その凝集状態は、検体中の標的物質との効果的な反応に必要な粒子密度を捕捉反応領域中に形成した状態となっており、磁性微粒子を用いた場合はこの凝集状態を磁界の強度などで調整可能である。
【0015】
磁性微粒子は、以下に挙げるようなものであればいずれも可能である。磁性粒子の材料は特に限定はされず、例えばNi粒子や金属鉄、Fe34、γ-Fe23、Co-γ-Fe23、(NiCuZn)O・(CuZn)O・Fe23、(MnZn)O・Fe23、(NiZn)O・Fe23、SrO・6Fe23、BaO・6Fe23、SiO2で被覆したFe34(粒径200Å)[Enzyme Microb.Technol.,vol.2,p2-10(1980)参照]等の各種フェライトと各種の高分子材料(ナイロン、ポリアクリルアミド、ポリスチレン等)との複合粒子などを挙げることができる。
【0016】
図3のような状態では、微粒子は微粒子凝集部に凝集体としてトラップされ、搬送液はこの凝集体の中を流れていく。また、微粒子表面には、標的物質を特異的に捕捉するために抗体等の捕捉体が固定化されていることで、図4(A)にあるような捕捉能を有する。これにより、凝集体は標的物質を特異的に捕捉できるような機能性の多孔質として利用することができる。各々の微粒子は、溶液中の標的物質と反応することで、図4(B)のように微粒子7の表面に固定した捕捉体8により標的物質9を特異的に捕捉することができる。よって、言うまでもないが、このような多孔質体は、対象溶液中から特定の物質を検出することや、特定の物質を分離・除去することに用いることができる。
【0017】
光学的に検出できる標識を利用する場合は、例えば図4(C)にあるように、標的物質9を特異的に認識する2次抗体(標識抗体)10を利用することができる。これにより、酵素標識抗体との組合せによる電極による検出、蛍光標識抗体、化学発光標識抗体との組合せによる光検出が可能である。酵素標識には、例えば、グルコース酸化酵素、コリン酸化酵素、ラクトース酸化酵素などが挙げられる。また、蛍光標識物質としては、例えば、5−カルボキシフルオレセイン、Quene−1(8−アミノ−2−(トランス−2−アミノスチリル)−6−メトキシキノリン−N,N,N’,N’−テトラ酢酸,テトラナトリウム塩)、BCECF(2’,7’−ビス(カルボキシエチル)−4または5−カルボキシフルオレセイン)、ローダミン等が挙げられる。化学発光標識には、西洋ワサビペルオキシダーゼ等が挙げられる。特異的に標識された微粒子は、凝集体のまま保持し、その場で検出してもよいし、凝集手段を解除し、微粒子を再分散させてから検出してもよい。検出部は、凝集部と重なっていてもよいし、流路の下流に位置していてもよい。また、光学的検出手段を用いない場合は、光散乱等の影響を受けないので、特に再分散させる必要は無い。更に、微粒子を再分散させてから別途設けた洗浄用の領域で十分に洗浄してから検出手段での検出を行なうようにしてもよい。
【0018】
検出対象物質としては、生体物質(タンパク質、核酸、糖鎖)やアレルゲン、バクテリア、ウイルス等の抗体により特異的に認識され、磁性粒子との複合体を形成するものを対象とすることが好ましい。αフェトプロテイン(AFP)、塩基性フェトプロテイン(BFP)前立腺特異抗原(PSA)、前立腺酸性フォスファターゼ(PAP)、癌胎児性抗原(CEA)、BCA225、免疫抑制酸性蛋白(IAP)等の疾患関連たんぱく質は好適である。これらを標的物質とする場合には、これらに特異的な抗体を捕捉体として用いることができる。
【0019】
一方、分離・除去装置として利用する場合は、凝集体のまま保持させ、特異的に物質を除去するフィルターとして用いてもよいし、凝集手段を解除し、微粒子を再分散させて、標的物質を補足した微粒子を回収してもよい。
【0020】
本発明の標的物質捕捉方法および装置により、反応時に標的物質の捕捉能を有する微粒子凝集体を形成させ、多孔質体を構成し、見かけ上の反応表面積の増大と標的物質の拡散距離を短くすることで、標的物質の捕捉反応効率を上げることができる。また、反応後には、微粒子凝集体は磁界の印加を解除することで再分散可能であり、捕捉物質の検出や回収などの別工程に供することができる。
【0021】
本発明における標的物質捕捉用の粒子は、上記の磁性微粒子を用いている場合に代表されるように、最初の分散状態に再分散可能な凝集、すなわち可逆的な凝集を生じ得るものである。そして、その凝集状態は、検体中の標的物質との効果的な反応に必要な粒子密度を捕捉反応領域中に形成した状態となっており、磁性微粒子を用いた場合はこの凝集状態を磁界の強度などで調整可能である。
【実施例】
【0022】
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
[第1の実施例]
図5は、本発明の第1の実施例の標的物質の捕捉方法を説明するための概略図である。図5の標的物質捕捉装置は、基材(基板)1に、流路3と、流路3に微粒子や標的物資を含む搬送液を導入するインレット2と、流路3から微粒子や標的物質を搬送した搬送液を排出するアウトレット4と、が形成されている。インレット2とアウトレット4の間には、微粒子凝集部と検出部が複数ある。
【0023】
次に、図5の捕捉装置は、基板1としてPDMS(ポリジメチルシロキサン)樹脂基板とガラス基板とを貼り合わせたものを用いる。シリコン基板上にフォトリソグラフィ技術により微細構造を形成した厚膜感光性樹脂を鋳型としてモールディング法によりPDMS基板の所定部を除去することで幅100μm、深さ50μmの流路3を形成し、更に、溝の上部開口に平坦なガラス基板の覆いと張り合わせて得られたものである。搬送液と標的物質とを流路3に導入するインレット2からの送液は、シリンジポンプなどにより行う。
【0024】
凝集体形成に用いる磁性微粒子として、市販の超常磁性微粒子表面をプロテインAによりコートしたMicromod社(ドイツ)製のmicromer−M 10μm径を用いた。これによってプロテインAとIgG抗体のFc領域は特異的に結合するため、任意の抗体の固定化を行うことができるようにする。ここでは、標的物質として、ヒトαフェトプロテイン(AFP)及びヒト塩基性フェトプロテイン(BFP)の2種類をリン酸緩衝液に溶解したものを用いる。ヒトAFPに対するウサギ由来ポリクローナル抗体とヒトBFPに対するウサギ由来ポリクローナル抗体をそれぞれ別の磁性微粒子に固定化する。
【0025】
本実施例では、2種類の検出対象物質を扱うので、まず、凝集部Bで凝集体を形成させる抗ヒトAFP抗体修飾磁性微粒子を、凝集部Aでの凝集が生じないようにして(例えば、凝集部Aでは磁界をかけずにおいて)インレット2より導入する。この時、図6のように凝集部Bに備えられた磁石11により凝集部Bに抗ヒトAFP抗体修飾磁性微粒子の凝集体が形成される。この凝集体を保持したまま、インレット2より更に凝集部Aに凝集体を形成させる抗ヒトBFP抗体修飾磁性微粒子をインレット2より導入し、同様に凝集部Aに抗ヒトBFP抗体修飾磁性微粒子の凝集体を形成し保持する。
【0026】
ここで、検出対象物質である、ヒトAFPおよびヒトBFPを含むリン酸緩衝液をインレット2より導入し、それぞれ凝集部Bおよび凝集部Aに特異的に捕捉させる。リン酸緩衝液を流し、非特異的に流路内に残存している物質の洗浄を行う。更に、検出対象物質にそれぞれ特異的に結合する、5−カルボキシフルオレセイン標識抗ヒトAFP抗体およびローダミン標識抗ヒトBFP抗体をインレット2より導入し、検出対象物質を補足した磁性微粒子を蛍光標識する。同様にリン酸緩衝液を流し、非特異的に流路内に残存している物質の洗浄を行う。
【0027】
捕捉された標的物質の検出は、図7にあるような検出系を検出部AおよびBに構成し、ガラスからなる覆いを介してレーザー光を照射することで前記標識に蛍光を生じさせ、その強度を基材1を介して光電子倍増管17で測定し、濃度既知の標的物質により予め作成しておいた検量線から標的物質ヒトAFPおよびヒトBFPの定量を行う。検出に先立って、リン酸緩衝液を導入しながら凝集部より磁界を除くことで、磁性微粒子を再分散させ、検出部に搬送する。好ましくは、下流に位置する凝集部Bおよび検出部Bでの検出から実施した方が都合がよいということは言うまでもない。
【0028】
[第2の実施例]
第1の実施例と同様に、標的物質を流路中の微粒子凝集部に特異的に補足する。本実施例では、対象溶液中に含まれるウィルスの除去を目的とし、アデノウィルスに特異的に結合する抗体を磁性微粒子表面に固定化し、微粒子凝集部に特異的に補足し、対象溶液からアデノウィルスを除去する。アデノウィルスを補足した磁性微粒子は、凝集部の磁界を除き再分散させ、同時にリン酸緩衝液をインレット2より導入してアウトレット4から回収することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の標的物質捕捉方法および装置の1例を示す概略図である。
【図2】図1の流路内の様子を示す概略図である。
【図3】図1の微粒子凝集部を示す概略図である。
【図4】本発明の微粒子の構成を示す概略図である。
【図5】第1の実施例を示す概略図である。
【図6】第1の実施例の微粒子凝集部を示す概略図である。
【図7】第1の実施例の検出部を示す概略図である。
【符号の説明】
【0030】
1 基材
2 インレット
3 流路(微小流路)
4 アウトレット
5 検出部
6 凝集手段
7 粒子(微粒子、磁性微粒子)
7a 標的物質を捕捉した粒子
7b 捕捉された標的物質を更に標識した粒子
8 捕捉体
9 標的物質
10 標識抗体
11 磁石
12 レーザーダイオード
13、15 コリメータレンズ
14a 平行入射光
14b 透過光
16 光学フィルター
17 光電子倍増管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検体中の標的物質を捕捉する方法であって、
前記標的物質の捕捉能を有する粒子を、流体中で分散した状態で用意する工程と、
前記粒子を凝集させる工程と、
凝集した前記粒子に前記検体を接触させることで、前記検体中の標的物質を前記粒子に捕捉させる工程と
を有することを特徴とする標的物質捕捉方法。
【請求項2】
前記捕捉工程後に、捕捉されていない物質を除去する工程を更に有する請求項1に記載の標的物質捕捉方法。
【請求項3】
前記粒子に捕捉された標的物質を検出する工程を更に有する請求項1または2に記載の標的物質捕捉方法。
【請求項4】
前記捕捉工程後に、前記粒子を再分散させた後、前記粒子に捕捉された標的物質を検出する工程を更に有する請求項1乃至3のいずれかに記載の標的物質捕捉方法。
【請求項5】
前記粒子を流体中に再分散させた後、前記粒子を回収する工程を更に有する請求項1乃至4のいずれかに記載標的物質捕捉方法。
【請求項6】
前記粒子は磁性を有し、前記粒子の凝集を外部から磁界を印加することで行う請求項1乃至5のいずれかに記載の標的物質捕捉方法。
【請求項7】
検体中の標的物質を捕捉するための装置であって、
前記検体を搬送するための流路と、
前記流路内に固定され、前記標的物質の捕捉能を有する粒子と、
前記流路中において前記粒子を凝集させるための凝集手段と、
前記流路中に前記検体を搬送するための搬送手段と、
を有することを特徴とする標的物質捕捉装置。
【請求項8】
前記凝集手段により凝集された粒子に前記標的物質が捕捉されたことを検出するための検出手段を更に有することを特徴とする請求項7記載の標的物質捕捉装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−10535(P2006−10535A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−188882(P2004−188882)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】