説明

標識用反射部品

【課題】 保守性、製造効率に優れ、かつ、適切な交換時期の判別可能なこと。
【解決手段】 光を反射するためのシート状の反射手段と、該反射手段を装着するための支持帯と、前記反射手段を前記支持帯との間で挟む挟掴手段と、を具備する標識用反射部品において、反射手段に対して、所定の間隔、文字、記号、模様、番号などの形で光触媒などの防汚手段を設け、汚損が進むにつれて防汚手段を設けているところと設けていないところの光の反射度合いの差が大きくなることにより汚損状態を識別情報として認識可能にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通の安全、誘導等のために用いられる標識、標識用反射部品、および、標識用保護カバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交通の安全、誘導、あるいは規制のための用具(標識)の反射部品が汚れたときに、反射輝度を簡便かつ経済的に回復させる手法が提案されている。
【0003】
たとえば、特許文献1には、帯状の反射部を着脱自在にして、汚損などによって輝度が低下したときに容易に交換することのできる道路標識用の反射部品および反射輝度の回復方法が記載されている。
【0004】
この技術は、反射部品を合成樹脂等で成形した場合、太陽熱で高温になり保持力が弱まり、下にずれる可能性があった。また、雪の重み等によっても同様に押し下げられる可能性があった。
【0005】
これに対して、特許文献2および3では、光反射シートを貼付した道路標識の柱本体(ポストコーンなど)に透明な保護カバーを被冠させ、保護カバーを柱本体にネジ留めして固定する技術が提案されている。
【0006】
ところで、道路上の作業は交通渋滞を招き易く、事故の危険性も非常に高い。このため、反射部や板の交換作業は短時間で終了し、一刻も早く作業現場を離れることが重要になる。しかも取り付けた後は、太陽熱や雪等の重みでずれることなく、また車等の接触で簡単に外れないようにしなければならない。
【0007】
また、従来の技術では、そもそも反射部品の交換時期が分かりづらいという問題もある。汚れは時間経過と共に徐々に蓄積されるもので、適切な交換時期が判断しづらく、保守員の感覚に任せるか、あるいは定期的に交換を行う等の対応になる。このため汚れが少なく交換しなくても良い時期に交換したり、あるいは交換しなければならない時期に交換されないという問題がある。
【特許文献1】特開平9−62214号公報
【特許文献2】特開平6−248618号公報
【特許文献3】特開2001−2232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述のかかる事情に対処するためになされたもので、装着安定性があり、保守性、製造効率に優れ、かつ、適切な交換時期の判別可能な標識、標識用反射部品、および、標識用保護カバーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明に係わる標識用反射部品は、光を反射するための反射手段装着用の支持帯であって内径が標識の柱本体の外径よりも短く帯状に成形され、柱本体に挟持可能な弾性を有する支持帯と、少なくとも前記支持帯の下部に設けられた滑り止め手段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記滑り止め手段は、前記標識用反射部品が標識の柱本体に装着されたときに、自動車のライトを該自動車の運転手へ向けて反射するための所定の角度を形成するようにする。
【0011】
標識用反射部品を反射面が角度2度〜10度位の範囲内で上向きになるように標識の柱本体に装着可能なように滑り止め手段を支持帯に設け、自動車のライトの反射光が運転手へ適切に戻るようにして輝度効率を上げる。
【0012】
ここで、「装着」は、取り付けることのほか、貼付や塗布も含む趣旨である。なお、本発明に係わる標識用反射部品は、道路標識以外に、安全、誘導、規制を目的としたもの全般に適用可能である。たとえば、自転車などに取り付ける反射板などとして用いることもできる。「標識の柱本体」とは、反射部品を取り付けるためのベースとなるもの全てを含む趣旨であり、いわゆるポストコーンのほか、ガードレールの柱やカーブミラーの柱なども含む。
【0013】
また、本発明に係わる標識用反射部品では、さらに、前記滑り止め手段は、前記支持帯の内側に設けられた先端が下向きの爪状の滑り止め手段であることを特徴とする。
【0014】
金属板の反り等により先端が下向きの爪状にすることによって、支持帯が確実に標識柱に固定し、雪等の重みによって下へ押し下げられることを抑制する。
【0015】
好ましくは、前記滑り止め手段は、シート状の反射手段を前記支持帯との間で挟むクリップ等の挟掴手段を有するようにするとよい。汚損して輝度の低下した反射シートが交換容易になると共に滑り止めも兼ねることができる。
【0016】
このとき、前記反射手段は、所定の間隔その他の識別情報として防汚手段を設けるようにしてもよい。
【0017】
反射シートに光触媒剤など(防汚手段)を塗る部分と塗らない部分を設けることによって、光触媒の自浄作用により、塗った部分の反射輝度の低下は塗らない部分に比べ相対的に少なくなる。このため、光を照射したときに、模様となって認識可能となる。これにより汚れの蓄積程度を把握することができ反射部品の交換時期が分かる。
【0018】
なお、肉眼で縞模様を認識する場合は、数センチメートル〜十数センチメートル程度の間隔が適している。また、所定の間隔に替えて、所定の文字、記号、模様、番号など(識別情報)の形で塗布するようにしても良い。
【0019】
さらに、塗る部分と塗らない部分を設けるという方法に替え、自浄性能の異なる光触媒を塗り分けるようにしてもよい。また、光触媒剤に替えて微生物を用いたり、間隔を開けてコーティングを施してもよい。
【0020】
また、本発明に係わる標識用反射部品は、前記支持帯は、長手方向の少なくとも一端近傍に指支持可能な突起部を有することを特徴とする。保守時に、この突起によって、確実かつ容易に標識用反射部品を取り外すことができ、迅速な交換が可能となる。
【0021】
なお、この突起部は、挟掴手段に設けるようにしてもよい。また、指で力を加えることができれば、突起部に限らず、例えば凹部であってもよい。
【0022】
好ましくは、前記支持帯に、標識の柱本体に取り付けたときに嵌合可能な鋸状の突起を設けるようにする。これにより反射部品の挟持力が安定し、振動等によって脱落することを防止できる。
【0023】
また、本発明に係わる標識用保護カバーは、側面部に光を反射するための反射手段を有する標識の柱本体に被装される保護カバーであって、前記保護カバー内側に爪状の滑り止め手段を設けたことを特徴とする。
【0024】
ここで、「標識の柱本体に被装される」とは、少なくとも柱本体の側面部の反射手段が被われておれば足りる趣旨である。
【0025】
特に前記標識用保護カバーを有底筒状とすることによって、着脱容易で、かつ雨水などの浸入を防止することができる。
【0026】
なお、標識の柱本体に反射手段を設けることに替えて、標識用保護カバーにシート状の反射手段を設けるようにしてもよい。
【0027】
また、本発明に係わる標識は、側面部に光を反射するための反射手段を有する柱本体と、内径が標識の柱本体の外径よりも短く帯状に成形され、前記柱本体に挟持可能な弾性を有する、前記反射手段の輝度汚染を抑制するための支持帯とからなる標識であって、前記支持帯は、透明材料に蓄光材を混入して成形されていることを特徴とする。
【0028】
支持帯を透明材料で成形して、柱本体に取り付けられた反射手段による反射光を透過可能にし、さらに、蓄光材混入によって、光の無いときでも認識できるようにする。なお、支持帯に替えて、透明材料に蓄光材を混入して成形された保護カバーを用いるようにしてもよい。ここで、「透明」とは、半透明も含む趣旨である。
【発明の効果】
【0029】
本発明による標識用反射部品は、反射シートのみを交換することによって安価に反射輝度を回復させることができる。さらに、反射手段に対して防汚手段を所定間隔その他の識別情報の形でで設けることによって、交換時期の把握が容易となる。
【0030】
また、本発明による標識用保護カバーは、着脱容易で有底筒状にすることによって雨水の浸入を防ぎ反射手段の汚損を抑制することができる。
【0031】
さらに、本発明による標識は、柱本体に反射手段を設け、それを保護する支持帯または保護カバーを透明材料に蓄光材を混入させて成形することによって、反射手段の汚損を防ぎつつ、夜間光の乏しいところでも標識が認識可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
本発明は道路の安全、誘導、規制用具等に付けられている反射部品を着脱容易にし、反射シートの交換を容易に行うようにしたものである。
本発明の第1の実施形態を図1に基づいて説明する。図1は本発明の反射部品を表す斜視図である。この反射部品1は反射シート(反射手段)3、反射シートを貼る基盤となる支持帯2、反射シート3を支持帯2へ固定するための取付手段4、および、滑り止め手段5から構成されている。取付手段4は、支持帯2両端の直線辺上に計2箇所取り付けられ、反射シート3と支持帯2を挟掴することによって固定している。また、滑り止め手段5は、反射部品1が標識の柱本体に取り付けられたときに下に位置する支持帯2上の曲線辺上に4箇所(通常数箇所程度)取り付けられている。
【0033】
次に、図2ないし図12を用いて、反射部品1の詳細構成および製造方法について説明する。
【0034】
<取付手段の構成>
図2は、取付手段4の展開図である。金属材料で作られ反射シート3と共に支持帯2に固定させるための鋭角な突起42と滑り止め用の突起(ひっかけ爪)41が設けられている。
【0035】
取付手段4は、使用時は図3のように変形させ、図3のA方向から支持帯2と反射シート3を挟み、突起42で圧着して固定する。この材質は、SUS304厚み0.4から0.3が適している。図4は、図1のJ部のjj断面拡大図である。ひっかけ爪41を内側(支持帯2内径の中心方向)へ角度45度程度反らせることによって、標識の柱本体11に取り付けたときに柱本体11と接触して、滑り止めとしての作用を果たす。
【0036】
図5は、滑り止め手段5の展開図である。使用時は、図6のように約45度ひっかけ爪51を反らせ、さらに図7に示すようにくびれ部分53を中心に全体をUの字状に変形させ、両端の突起52を支持帯2へ挿着する。
【0037】
<支持帯の構成>
図8は、射出成形された支持帯2の斜視図である。この支持帯2は、プラスチック等の弾性を有する樹脂で製造され、また、湾曲した支持帯2の内径は、通常時(標識の柱本体11への非装着時)は図9に示すように柱本体11の被装着位置の外径よりも小さく形成される。これは、柱本体11に装着されたときに、その復元作用によって標識に適度な挟持力で固定可能にするためである。
【0038】
この支持帯2を、たとえば、ポリプロピレン等のポリマー材料で構成し、突起42、52をステンレスSUS304厚み0.4から0.3で鋭角に形成して、この突起を、支持帯2に突き刺すことによって挿着する。
【0039】
なお、必要により支持帯2に、突起42、52を挿入するための適度な大きさの孔を開けて挿着するようにしてもよい。
【0040】
<反射シートの構成>
反射シート3は支持帯2の上に重ねて配置する反射素材であり、一定間隔ごとに光触媒を担持させるための枠が点線で描かれている。光触媒の担持方法としては、たとえば、支持帯2に接着剤を塗布し、さらにその上に光触媒層形成用コーティング剤を塗布するという方法や予め触媒加工した透明シートを支持帯2に被覆させるという方法がある。
【0041】
図10は反射シート3を光触媒塗布方向から見た図である。この図において光触媒を塗布する部分aと光触媒を塗布しない部分bは数センチ間隔で交互に配置されている。
【0042】
図11は使用状態の反射シート3に汚れが付着したときの説明図である。この図において、光触媒を塗布した部分aは汚れが少なく、光触媒を塗布していない部分bは汚れが大きいので反射輝度が異なる。このため、車のヘッドライトなどの光があたったとき、図11のように縞模様となって認識できる。この縞模様の発生具合から反射シート3の交換時期を容易に判断することができる。
【0043】
なお、光触媒を文字や記号の形で塗布するようにしても良い。この場合は特定の文字や記号が認識できれば、交換時期であると判断することができる。また、光触媒に替え、微生物や他の防汚効果の有するコーティングを用いるようにしてもよい。
【0044】
<反射部品の組立方法>
次に、反射部品1の組立方法を説明する。図12において、反射シート3を支持帯2に巻き込むようにセットする。このとき、反射シート3の端Eは、取付手段4が取り付けられたときに辺Dよりも外に出るようにする。また、反射シート3は、反射機能を有する面Fが外向きになるようにセットする。
【0045】
そして、取付手段4の突起42を支持帯2の挿着位置に合わせて、取付手段4の面Bに圧力を掛け、カシメるようにして支持帯2に固定させる。このとき、突起42が反射シート3を突き破って支持帯2にくい込むため、反射シート3は、しっかりと固定される。
【0046】
その後、反射シート3を適度な張力で引っ張りつつ、支持帯2の他端に対しても同様な手順で作業を行い、反射シート3を取付手段4によって支持帯2へ固定する。その後、取付手段4の辺Dに平行に適当な長さを残して反射シート3を切断して切り離す。なお、反射シート3を予め支持帯2の外周とほぼ同じに切断しておいてもよい。
【0047】
また、滑り止め手段5は、支持帯2の挿着位置にその突起52を合せ、カシメて固定する。なお、ひっかけ爪41、51は、それぞれ取付手段4と滑り止め手段5の装着前に、所定の角度曲げておくものとする。
以上の手順によって、反射部品1を製造する。
【0048】
反射部品1を標識の柱本体11に取り付けるときは、反射部品1の両方の取付手段4を持って、反射部品1を開くように彎曲させて標識の柱本体11の上方または横方向から挿入して所定の位置で離す。これによって、支持帯2の復元力が標識の柱本体11を鋏む挟持力となって取付部品1が標識の柱本体11に固定させる。
【0049】
図13は反射部品1を標識の柱本体11に取り付けたときの斜視図である。取付手段4は、通常、運転手から見えない方向にセットされる。
【0050】
図14に示すように柱本体11の下部に取り付けられた滑り止め手段5によって、反射部品1の反射面が柱側面に対して若干上向きとなるため、車のライトがドライバに向かって反射するため輝度効率がよくなる。角度としては、一般的に2〜5度程度上向きにするのが好ましいが、反射部品1の取り付け位置によって、ひっかけ爪41、51の角度を変えることによって適切な反射角度になるように調整すればよい。
【0051】
一方、取はずときは、両方の取付手段4の面C(図12)に指を当てて、反射部品1を開くようにして、上方または横から抜く。なお、図15に示すようにジグ91の作用部92を反射部品1の両端に挿入して、標識の柱本体11に対して反対方向(同図中矢印方向)に力を加えることによって反射部品1を開いて取り去るようにしてもよい。
【0052】
本実施の形態によれば、反射部品1を弾力のあるプラスチックで等の樹脂で成型し、形状を弧状としたため、ポールなどの標識の柱本体に巻きつけて使用する場合に適度な挟持力が得られ、簡単な作業で反射部品の取替を行うことができる。また、支持帯下部に先端を下向きにひっかけ爪を設けるようにしたので、装着安定性が向上し、さらに、ひっかけ爪の長さおよび角度を調整することによって、車のライトの反射角度を車の運転手に対して適切な角度となるように設定することができる。
【0053】
なお、ひっかけ爪は、先端を上向きあるいは支持帯に対して直角にしても滑り止め効果は得られるが、先端を下向きにすることによって、反射部品の重量による下方へのずれを抑制する効果が大きくなると共に標識の柱本体がポストコーンの場合は、ポストコーンの上部から容易に撤去することができる。
【0054】
さらに、反射シート3には所定間隔で光触媒が塗布されているため、光触媒の自浄効果によって汚れによる輝度の低下を抑制でき、また、時間経過とともに光触媒を塗布した部分と塗布していない部分では反射率(反射輝度)の差が生じ、反射シート3が縞模様に変化する。このため、反射シート3の汚れ具合が判り、交換時期を容易に判定できる。特に、反射輝度の低下に伴い、逆に縞模様が目立つことになり、識別力の低下を抑制することができ、交通事故等の防止を図ることができる。
【0055】
また、反射シート3の両端のみを支持帯2に固定するようになっているため、支持帯2を開いた時に反射シート3に皺ができにくく、反射シート3の全面を支持帯2に貼り付けている場合と違い反射部品1の交換時に支持帯2から反射シート3を剥がしやすく製造工数が少なくてすむ。
【0056】
なお、反射シートを端の部分で固定するため、雨等による反射シートの端の部分の強度劣化が問題となるが、本実施の形態の取付手段を用いることによって、少なくとも支持帯の端の部分は、標識の柱本体から離れるため、雨等が溜まりにくく強度劣化を抑制するという効果もある。
【0057】
また、上述の実施形態では、反射シート3を取付手段4によって支持帯2に固定することとしたが、支持帯2の下部、または、下部と上部の両方に設ける滑り止め手段5によって、反射シート3と支持帯2を挟むことにより、また必要により接着剤を用いて固定するようにしてもよい。この場合、取付手段4を省略することも可能である。
【0058】
次に、反射部品の他の実施例を説明する。
(他の実施例1)
図16は、他の実施例における反射部品1の斜視図である。この図において支持帯2は渦巻状をなしている。支持帯2の内径は、標識の柱本体11の直径よりも短くなっている。この内径は、標識の柱本体11の直径と必要な挟持力によって決る。また、支持帯2の両端には、鋸状に突起23が設けられている。この場合、接着剤を用いて反射シート3を支持帯2に固定するか、滑り止め手段5によって反射シート3と支持帯2を挟掴することにより固定する。図17に、この反射部品が標識の柱本体に取り付けられたときの状態を示す。支持帯の挟持力と滑り止め手段5によって安定して装着できる。なお、本実施例における取付部品4では、ひっかけ爪41は特に必要としない。
【0059】
また、図18は図16の反射部品1の突起23が嵌合状態にあるときの説明図である。反射部品1が標識の柱本体に取り付けられたときに、支持帯2の復元作用によって締まる方向に移動、すなわち、図18の矢印方向に移動する。そして、突起23の嵌合状態が進むと緩む方向には移動しないため、挟持力が維持される。これによって、地震や車の接触等によって、標識10に振動が加わっても容易に外れることを防ぐことができる。
【0060】
この反射部品1を外すときは、取付部品4の背に指を掛けて、外側(標識の柱本体と反対側)の方向に力を加えるようにして、突起23の嵌合をはずすようにする。
なお、支持帯の渦巻きおよび鋸状の突起部分を長く取る、すなわち鋸の歯数を多くすることによって標識の柱本体11のサイズの違いに柔軟に対応できる。
【0061】
(他の実施例2)
図19は、取付手段4の他の実施例による構成を表す斜視図である。上方から見ると変形したコの字型となっており、金属材料で作られ反射シート3と共に支持帯2に固定させるための鋭角な突起41が設けられている。
【0062】
また、取付手段4は、図20の平面図に示すように、面Aと面Cとのなす角αは鈍角であり、面Cと面Bとのなす角βは鋭角となっている。ここで、面Aは彎曲をなす支持帯2の内側(標識本体側)に位置し、面Bは支持帯2の外側になるように装着される。
【0063】
本実施例による取付手段4の形状は、正確なコの字型でなく、標識の柱本体側面Aとなす角度αを鈍角としたため、指で支持しやすく着脱時の作業性が向上する。なお、角度αは、95度〜120度程度、面Cのサイズ(平面図上の面Cの長さ)は、数mm〜十数mm程度が好ましい。
【0064】
なお、取付手段4のカシメ方として、図21に示すように、面Gと面Hとの間の隙間を無くすようにカシメれば取付強度が向上する。また、突起部45を形成するようにカシメるようにすれば、反射部品の装着時や撤去時に突起部45に指を当てて楽に支持帯を変形させることができる。
【0065】
(他の実施例3)
図22は、他の実施例による反射部品およびこの製造方法の説明図である。この図において、支持帯2は、一端に切込み7を有している。
【0066】
反射部品1の製造において、図中まず反射シート3を反射面を上にして支持帯2の上に載せ、支持帯2の切込み7に反射シート3を差し込む。そして、反射シート3を適当な力で引っ張りつつ、支持帯2の他端で折返して、取付手段4で鋏むようにして装着する。そして、はみ出した反射シート3取付手段の辺に沿って切断する。なお、切込み7への挿入時に、切込み7およびその近傍で必要により接着剤で補強して反射シートを止めるようにしても良い。このとき、反射シート3は予め支持帯2の外周とほぼ同じに切断しておいてもよい。
【0067】
(他の実施例4)
金属によって滑り止め手段5を設ける替りに、図23に示すように支持帯の一部として滑り止め用突起24を一体成形するようにしてもよい。
【0068】
次に、第2の実施の形態を説明する。本実施の形態では、図24に示すように柱本体11を被う保護カバー81に対して滑り止め手段5を設けた。この滑り止め手段5は、図5に示す金属製ひっかけ爪を先端が上向きになるように反らせる。なお、ひっかけ爪を保護カバー81と一体成形をするようにしてもよい。
【0069】
この保護カバー81は、透明材料に必要により蓄光材を混入し筒状に成形されている。また、柱11に反射シート3が貼付されている。
【0070】
保護カバー81は、有底、無底いずれでも良いが、片側有底にすることによって、図25に示すように柱本体11の全体を被うことができ、雨水の浸入を防ぎ反射シート3の汚損を抑制することができる。
【0071】
なお、反射シート3は、柱本体11に貼付する替りに保護カバー81の内側に貼付するようにしてもよい。
また、保護カバー81の替りに、透明材料で蓄光材を混入した支持帯2と反射シート3を貼付した柱本体11によって道路標識を構成するようにしてもよい。
【0072】
本実施の形態によれば、保護カバーに上向きにひっかけ爪(滑り止め手段)を設けることによって、装着しやすく、装着後は簡単に抜けることを防ぐことができる。
【0073】
なお、撤去するときは、保護カバーの下側から図26に示すジグ71を挿入して、図27に示すようにひっかけ爪と柱本体11の間にジグの上部を挿入するようにして撤去する。
【0074】
本実施の形態によれば、有底の保護カバーを用いることによって保護カバー内の浸水を防止でき、さらに、ネジ止め作業が不要となり迅速な交換作業が可能となる。なお、反射シート3を保護カバー81の外側に貼付することも可能である。この場合、保護カバー81は、着色不透明であってもよい。
【0075】
本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは明らかである。たとえば、防汚手段としては、光触媒剤の替りに微生物を用いるようにしてもよいし、防汚性能の異なるコーティングを所定間隔で施すようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施の形態による標識用反射部品の斜視図である。
【図2】図1の取付手段4の展開平面図である。
【図3】図2の取付手段の変形状態の説明図である。
【図4】図1のJ部分の拡大図である。
【図5】図1の滑り止め手段5の展開平面図である。
【図6】図5の滑り止め手段5の組立説明図である。(その1)
【図7】図5の滑り止め手段5の組立説明図である。(その2)
【図8】図1の支持帯の斜視図である。
【図9】支持帯の内径と標識の柱本体のサイズとの関係の説明図である。
【図10】反射シート3への光触媒塗布のしかたの説明図である。
【図11】反射シートに汚れが付着した状態の説明図である。
【図12】反射部品の組立方法の説明図である。
【図13】反射部品が標識の柱本体に取り付けられたときの斜視図である。
【図14】図1の反射部品の使用状態の説明図である。
【図15】図1の反射部品を柱本体から撤去する方法の説明図である。
【図16】他の実施例における反射部品の斜視図である。
【図17】図16の反射部品が標識の柱本体に取り付けられたときの斜視図である。
【図18】図16の反射部品の突起23の嵌合状態の説明図である。
【図19】図1の取付手段4の他の実施例による斜視図である。
【図20】図19の取付手段を上から見た平面図である。
【図21】取付手段のカシメ方の説明図である。
【図22】他の実施例による反射部品およびこの製造方法の説明図である。
【図23】本発明の他の実施例による反射部品の斜視図である。
【図24】本発明の第2の実施の形態による保護カバーの斜視図である。
【図25】図24の使用状態の説明図である。
【図26】図23の保護カバーを撤去するためのジグ71の斜視図である。
【図27】図26のジグを用いて保護カバー81を撤去する方法の説明図である。
【符号の説明】
【0077】
1 反射部品、 2 支持帯、 3 反射シート、 4 取付手段
5 滑り止め手段、 10 標識、 11 標識の柱本体、 12 補助具、
23 鋸状突起、 41、51 ひっかけ爪、 42、52 突起、
71 保護カバー撤去用ジグ、81 保護カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を反射するためのシート状の反射手段と、該反射手段を装着するための支持帯と、前記反射手段を前記支持帯との間で挟む挟掴手段と、を具備する標識用反射部品であって、
前記反射手段は、所定の間隔、文字、記号、模様、番号などの識別情報の形で防汚手段が設けられていることを特徴とする標識用反射部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2007−327327(P2007−327327A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−185085(P2007−185085)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【分割の表示】特願2004−243111(P2004−243111)の分割
【原出願日】平成16年8月24日(2004.8.24)
【出願人】(504321326)有限会社クレセント (6)
【Fターム(参考)】