説明

標識試薬および標識化分析物の混合物を含む、標識試薬、標識化分析物、およびそれらに由来するフラグメントイオン、ならびにそれらの分析方法

【課題】標識試薬および標識化分析物の混合物を含む、標識試薬、標識化分析物、およびそれらに由来するフラグメントイオン、ならびに標識化分析物の分析のための方法を提供すること
【解決手段】本発明は、標識試薬、標識された分析物(その混合物を含む)、およびそれから誘導されるフラグメントイオンに関する。本発明はまた、標識試薬(N−置換ピペラジン酢酸ベースの標識試薬を含む)、標識された分析物(その混合物を含む)およびそれから誘導されるフラグメントイオンの生成方法、ならびにその標識された分析物の分析方法に関する。本発明の方法によれば、定量されるべき分析物は、標識化される。標識化された分析物、分析物それ自体、その分析物の1種以上のフラグメントおよび/またはその標識のフラグメントは、質量分析により定量され得る。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
タンデム質量分析計におけるフラグメンテーションおよびさらなる分析のために選択される2種以上の異なる同重体標識で標識化された同じ分析物のフラグメントイオンの混合物であって、ここで該標識化分析物のうちの少なくとも2つが、以下:
【化1】

からなる群より選択される式の化合物であり、ここで観察されるイオンフラグメントが、正電荷を帯びているかまたは負電荷を帯びているかのいずれかである、混合物。
【請求項2】
前記分析物がペプチド、タンパク質、核酸、炭水化物、脂質、ステロイド、または1500ダルトン未満の分子量を有する低分子である、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
前記フラグメンテーションおよびさらなる分析が、以下:
【化2】

からなる群より選択される式の、少なくとも2種の特徴イオンを生成する、請求項1に記載の混合物。
【請求項4】
前記フラグメンテーションおよびさらなる分析が、13CC1313CC1315NN131315NNおよび131315NNからなる群より選択される分子式の、少なくとも2種の特徴イオンを生成する、請求項1に記載の混合物。
【請求項5】
方法であって、以下:
a)各々1つ以上の反応性分析物を含む2つ以上のサンプルを、一セットの標識試薬のうちの異なる標識試薬と反応させて、それにより各々1つ以上の標識化分析物を含む2つ以上の差次的に標識化されたサンプルを生成する工程であって、ここで該一セットの異なる標識試薬が、各々、式:
RP−X−LK−Y−RG
またはそれらの塩形態および/もしくは水和物形態を含み、ここで、
i)RGは、求核剤であるかまたは求電子剤であり、かつ該サンプルの1つ以上の反応性分析物と反応し得る反応性基であり;
ii)RPは、固定電荷を有するか、またはイオン化可能であるレポーター部分であって、各レポーターの総質量は、該セットの各試薬に対して異なり;
iii)LKは、該反応性基と該レポーター基とを連結するリンカー部分であり、該リンカーの質量は、該レポーターとリンカーの組合せの凝集体総質量が、該セットの各試薬に対して同じであるように、該セットの異なる標識試薬に対するレポーター間の総質量の差を補い;
iv)Xは、該レポーターの原子と該リンカーの原子との間の結合であり;
v)Yは、該リンカーの原子と該反応性基の原子との間の結合であり、いったん該標識試薬が該反応性分析物と反応すると、結合Yは該リンカーを該分析物に連結し;そして
vi)結合XおよびYは、解離エネルギーレベルに供された場合に、該標識化分析物の少なくとも一部分においてフラグメント化する、工程;
b)該差次的に標識されたサンプルの2つ以上またはその一部と、必要に応じて1つ以上の較正用標準とを混合し、それによりサンプル混合物を生成する工程;ならびに
c)工程(a)を実施した後に、各差次的に標識化されたサンプルを少なくとも1種の酵素で消化し、該サンプルの成分を部分的または完全に分解する工程、
を包含する、方法。
【請求項6】
方法であって、以下:
a)各々1つ以上の反応性分析物を含む2つ以上のサンプルを、一セットの標識試薬のうちの異なる標識試薬と反応させて、それにより各々1つ以上の標識化分析物を含む2つ以上の差次的に標識化されたサンプルを生成する工程であって、ここで該一セットの異なる標識試薬が、各々、式:
RP−X−LK−Y−RG
またはそれらの塩形態および/もしくは水和物形態を含み、ここで、
i)RGは、求電子剤であり、かつ該サンプルの1つ以上の反応性分析物と反応し得る反応性基であり;
ii)RPは、固定電荷を有するか、またはイオン化可能であるレポーター部分であって、各レポーターの総質量は、該セットの各試薬に対して異なり;
iii)LKは、該反応性基と該レポーター基とを連結するリンカー部分であり、ここで
a)該リンカーの質量は、該レポーターとリンカーの組合せの凝集体総質量が、該セットの各試薬に対して同じであるように、該セットの異なる標識試薬に対するレポーター間の総質量の差を補い;そして
b)該リンカーは、少なくとも1つの重原子同位体を含み、そして以下:
【化3】

の式を有し、ここでRは、同じかまたは異なり、かつ必要に応じて1個のヘテロ原子を含んでいてもよい1〜8個の炭素原子を含むアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり、ここで該アルキル基およびアリール基の炭素原子は、独立に連結された水素原子、重水素原子および/またはフッ素原子を含み;
iv)Xは、該レポーターの原子と該リンカーの原子との間の結合であり;そして
v)Yは、該リンカーの原子と該反応性基の原子との間の結合であり、いったん該標識試薬が該反応性分析物と反応すると、結合Yは該リンカーを該分析物に連結する、工程;
b)該差次的に標識されたサンプルの2つ以上またはその一部と、必要に応じて1つ以上の較正用標準とを混合し、それによりサンプル混合物を生成する工程;ならびに
c)工程(a)を実施した後に、各差次的に標識化されたサンプルを少なくとも1種の酵素で消化し、該サンプルの成分を部分的または完全に分解する工程、
を包含する、方法。
【請求項7】
方法であって、以下:
a)各々1つ以上の反応性分析物を含む2つ以上のサンプルを、一セットの標識試薬のうちの異なる標識試薬と反応させて、それにより各々1つ以上の標識化分析物を含む2つ以上の差次的に標識化されたサンプルを生成する工程であって、ここで該一セットの異なる標識試薬が、各々、式:
RP−X−LK−Y−RG
またはそれらの塩形態および/もしくは水和物形態を含み、ここで、
i)RGは、求核剤であるかまたは求電子剤であり、かつ該サンプルの1つ以上の反応性分析物と反応し得る反応性基であり;
ii)RPは、固定電荷を有するか、またはイオン化可能であるレポーター部分であって、各レポーターの総質量は、該セットの各試薬に対して異なり;
iii)LKは、該反応性基と該レポーター基とを連結するリンカー部分であり、該リンカーの質量は、該レポーターとリンカーの組合せの凝集体総質量が、該セットの各試薬に対して同じであるように、該セットの異なる標識試薬に対するレポーター間の総質量の差を補い;
iv)Xは、該レポーターの原子と該リンカーの原子との間の結合であり;
v)Yは、該リンカーの原子と該反応性基の原子との間の結合であり、いったん該標識試薬が該反応性分析物と反応すると、結合Yは該リンカーを該分析物に連結し;そして
vi)結合XおよびYは、解離エネルギーレベルに供された場合に、該標識化分析物の少なくとも一部分においてフラグメント化する、工程;
b)該差次的に標識されたサンプルの2つ以上またはその一部と、必要に応じて1つ以上の較正用標準とを混合し、それによりサンプル混合物を生成する工程;ならびに
c)該分析物の官能基と担体の官能基との反応により、該分析物を該担体に固定化する工程、
を包含する、方法。
【請求項8】
前記工程(c)が前記工程(a)の前に実施されるか、または前記工程(a)が前記工程(c)の前に実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
工程(a)を実施する前または実施した後のいずれかに、各サンプルを少なくとも1種の酵素で消化し、前記サンプルの成分を部分的または完全に分解する工程をさらに包含する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
請求項5、7、8または9のいずれかに記載の方法であって、
i)質量分析計中に適用された解離エネルギーの条件下で、結合Xは、結合Yに比べてフラグメンテーションをより受けにくく;そして/または
ii)質量分析計中に適用された解離エネルギーの条件下で、結合Xは、Z−proアミノ酸二量体またはZ−aspアミノ酸二量体のペプチド結合に比べてフラグメンテーションをより受けにくく、ここでZは、任意の天然アミノ酸であり、proはプロリンであり、aspはアスパラギン酸である、方法。
【請求項11】
方法であって、以下:
a)各々1つ以上の反応性分析物を含む2つ以上のサンプルを、一セットの標識試薬のうちの異なる標識試薬と反応させて、それにより各々1つ以上の標識化分析物を含む2つ以上の差次的に標識化されたサンプルを生成する工程であって、ここで該一セットの異なる標識試薬が、各々、式:
RP−X−LK−Y−RG
またはそれらの塩形態および/もしくは水和物形態を含み、ここで、
i)RGは、求電子剤であり、かつ該サンプルの1つ以上の反応性分析物と反応し得る反応性基であり;
ii)RPは、固定電荷を有するか、またはイオン化可能であるレポーター部分であって、各レポーターの総質量は、該セットの各試薬に対して異なり;
iii)LKは、該反応性基と該レポーター基とを連結するリンカー部分であり、ここで
a)該リンカーの質量は、該レポーターとリンカーの組合せの凝集体総質量が、該セットの各試薬に対して同じであるように、該セットの異なる標識試薬に対するレポーター間の総質量の差を補い;そして
b)該リンカーは、少なくとも1つの重原子同位体を含み、そして以下:
【化4】

の式を有し、ここでRは、同じかまたは異なり、かつ必要に応じて1個のヘテロ原子を含んでいてもよい1〜8個の炭素原子を含むアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり、ここで該アルキル基およびアリール基の炭素原子は、独立に連結された水素原子、重水素原子および/またはフッ素原子を含み;
iv)Xは、該レポーターの原子と該リンカーの原子との間の結合であり;
v)Yは、該リンカーの原子と該反応性基の原子との間の結合であり、いったん該標識試薬が該反応性分析物と反応すると、結合Yは該リンカーを該分析物に連結する、工程;
b)該差次的に標識されたサンプルの2つ以上またはその一部と、必要に応じて1つ以上の較正用標準とを混合し、それによりサンプル混合物を生成する工程;ならびに
c)該分析物の官能基と担体の官能基との反応により、該分析物を該担体に固定化する工程、
を包含する、方法。
【請求項12】
前記工程(c)が前記工程(a)の前に実施されるか、または前記工程(a)が前記工程(c)の前に実施される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
工程(a)を実施する前または実施した後のいずれかに、各サンプルを少なくとも1種の酵素で消化し、前記サンプルの成分を部分的または完全に分解する工程をさらに包含する、請求項12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
前記サンプル混合物が、2種以上の異なる同重体標識で標識化された同じ分析物を含み、ここで該標識化分析物のうちの少なくとも2つが、以下:
【化5】

からなる群より選択される式の化合物、またはそれらの塩形態および/または水和物形態である、請求項5〜13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
前記分析物がタンパク質である、請求項5〜14のいずれかに記載の方法。
【請求項16】
分子式13CC1313CC1315NN131315NNまたは131315NNの特徴イオン。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図14C】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16A】
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【図16B】
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【図16C】
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【図16D】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図19C】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図21C】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2010−217197(P2010−217197A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−142103(P2010−142103)
【出願日】平成22年6月22日(2010.6.22)
【分割の表示】特願2006−547623(P2006−547623)の分割
【原出願日】平成17年1月5日(2005.1.5)
【出願人】(509130413)アプライド バイオシステムズ, エルエルシー (48)
【Fターム(参考)】