説明

模型玩具収納装置

【課題】 模型玩具を収納する収納装置本体も遊びに供することができる模型玩具収納装置を提供する。
【解決手段】 内部および上部の収納スペース21、22に自動車玩具を収納して展示できる。また、保持部材27を移動させることにより、天板23の前部を下方へ回動させ、前部扉25を前方へ開き、連絡通路26と連続させることにより、入口24から天板23の上に自動車玩具を移動させて収納する遊びができる。さらに、収納装置本体20の外観が玩具を構成しているので、収納装置本体20自体を用いて、別の遊びができるという効果を有する模型玩具収納装置を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模型玩具収納装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車玩具の収納だけにとどまらず別の遊びに供することができる自動車玩具用包装箱が提案されている(特許文献1参照)。図7に示すように、特許文献1に記載の自動車玩具用包装箱100は、自動車の収納設備であるガレージを模した包装箱本体101と、自動車玩具102を収納する透明ケース103を有する。販売時には、包装箱本体101の前面の開口部104から、透明ケース103に収納された自動車玩具102を見ることができるようになっている。また、包装箱本体101の上蓋105前端の差込片106はシャッターを模した図柄となっており、開口部104の全面を閉じない大きさとなっている。
【0003】
このように包装箱本体101がガレージを模しているため、自動車玩具102を収納している場合には収納箱として用い、自動車玩具102を包装箱本体101から取り出した状態では、自動車玩具102をガレージに出し入れする遊びをすることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3069521号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述したような従来の自動車玩具用包装箱100においては、自動車玩具102をガレージに出し入れする遊びをすることができるが、ガレージ自体は遊びに供することができないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、自動車玩具を収納する収納装置本体も遊びに供することができる模型玩具収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の模型玩具収納装置は、模型玩具を収納する模型玩具収納装置であって、内部および上部に模型玩具を収納する収納スペースを有するとともに外観が玩具を構成する全体箱状の収納装置本体を有し、収納装置本体の上部に設けられ前部が上下に回動可能な天板と、収納装置本体の前部に設けられた入口を開閉可能な前部扉と、前方へ開いた前部扉と下方へ回動した前記天板との間を連絡する連絡通路と、天板を上方位置に保持するとともに、前部扉を閉じた状態に保持する保持部材と、を備え、保持部材を移動させることにより、天板の前部を下方へ移動させて連絡通路の後端部に接続するとともに、前部扉を前方へ開いて連絡通路の前端部に接続して、入口から天板へ模型玩具を導入可能とする構成を有している。
【0008】
また、本発明の模型玩具収納装置は、収納装置本体の一対の側面が、異なる玩具を表示する構成を有していることが好ましい。また、本発明の模型玩具収納装置は、側面が開閉可能であって収納装置本体の内部が視認可能である構成を有していることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る模型玩具収納装置によれば、内部および上部の収納スペースに模型玩具を収納できる。また、保持部材を移動させることにより、天板の前部を下方へ回動させ、前部扉を前方へ開き、前方へ開いた前部扉と下方へ回動した天板との間を連絡通路により連絡するので、入口から天板の上に模型玩具を移動させて収納する遊びができる。また、収納装置本体の外観が玩具を構成しているので、収納装置本体自体を用いて、別の遊びができるという効果を有する模型玩具収納装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明にかかる実施形態の模型玩具収納装置を右前部上方から見た斜視図である。
【図2】図1中B方向から見た右側面図である。
【図3】図1中C方向から見た平面図である。
【図4】模型玩具収納装置を左後部上方から見た斜視図である。
【図5】保持部材を示す本体前部の斜視図である。
【図6】保持部材の正面図、平面図、底面図、左右側面図である。
【図7】従来の模型玩具収納装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、本発明にかかる実施形態の模型玩具収納装置10は、内部および上部に自動車玩具(図示省略)を収納する収納スペース21,22を有する収納装置本体20を有する。収納装置本体20は、外観が玩具を構成する全体箱状を呈しており、本体前部201および本体後部202は乗り物玩具の前部および後部の形状をしていて、本体前部201および本体後部202の間には矩形箱状の本体中央部203、204を有する。
【0012】
本体中央部203、204の左右の側板203A、203B、204A、204Bは、各々下端部に設けられているヒンジ208を中心として開閉可能となっている。一対の側面である左右の側板203A、203B、204A、204Bの外面には、本体前部201および本体後部202の側面とともに、左右で異なる乗り物玩具の絵が描かれている。これにより、2種類の玩具として遊ぶことが できる。
【0013】
例えば、収納装置本体20は、右側(図1中B方向)から見ると側板203A、204Aは、例えばパトカーの形状および色彩を有しており、左側(図1中C方向)から見ると側板203B、204Bは、例えば新幹線の形状および色彩を有する(図4参照)。また、本実施の形態では、本体前部201および本体後部202は、ヒンジ218で接続されており、ヒンジ218を中心として側板203Bと側板204Bが接する方向に折り返すことが可能である。これにより、ヒンジ218で折り返すことによって、パトカーらしい形状に変形することができる。
【0014】
また、各側板203A、203B、204A、204Bの内面には、適宜絵が描かれている。例えば、側板203Aの内面には、線路等の鉄道に関するものが描かれている。また、側板204Aの内面には、駐車場や立体駐車場等の自動車に関するものが描かれている。これら線路や駐車場には、自動車玩具を載置して駐車することができる。なお、ここでは、中央で分割された2つの本体中央部203、204が設けられているが、1個の中央部でも構わない。あるいは3個以上でも構わない。
【0015】
本体前部201の前端には入口24が切欠形成されており、この入口24には前部扉25が下端部のヒンジ251を中心として開閉可能に設けられている。前部扉25は閉じた状態では収納装置本体20の本体前部201の一部を構成し、ヒンジ251を中心として下方(図2中矢印B方向)へ開いた状態では、自動車玩具を入口24に導く誘導路の機能を果たす。
【0016】
図2に示すように、本体前部201の内部には、連絡通路26が設けられている。連絡通路26の前端は、開いた状態の前部扉25の後端部に連続する。また、連絡通路26の後端は、本体中央部203の前端部で高さ方向中央位置に配設されており、天板23が下方へ回動した状態で支持する支持部261が切欠形成されている。
【0017】
図1および図3に示すように、本体中央部203の上面の幅方向両端には、上部フレーム205が前後方向に延設されており、上部フレーム205、205の間には上部開口部206が設けられている。
【0018】
上部開口部206には、天板23がヒンジ231によって上下方向に回動可能に支持されている。天板23は、収納装置本体20の略全幅にわたる幅を有する板状部材であり、自動車玩具を駐車させる幅を有する。天板23は、水平状態で上面に自動車玩具を載せる上部の収納スペース22の機能を果たす。また、天板23は、前部を下方(図2中矢印A方向)へ回動させることにより連絡通路26の後端部の支持部261(図2参照)に係止され、連絡通路26に連続した進入路の機能を果たす。
【0019】
図5に示すように、収納装置本体20の前部フレーム201に沿って、上下斜め方向へ摺動可能な保持部材27が設けられている。保持部材27は、上端位置において天板23を水平状態に保持するとともに、前部扉25を閉状態に保持する。また、下方へ移動することにより、天板23の保持を解除して自重によりを下方へ回動させるとともに、前部扉25の上端部を前方へ押し出して、自重により前方へ開く。
【0020】
図6に示すように、保持部材27は、細長い板状の保持部材本体271を有し、保持部材本体271の上面上端部付近にはレバー272が突設されている。レバー272は、本体前部201に設けられている前面開口部207から突出しており、外からレバー272を操作して保持部材27の上下移動を行う。また、保持部材本体271の上端部には水平部273が設けられており、天板23の下面を支持して天板23を水平状態に保持する。
【0021】
次に、模型玩具収納装置10の遊び方について説明する。
(第1の遊び方)
収納装置本体20の側板203A、203B、204A、204Bを閉じ、天板23を水平に保持し、前部扉25を閉じると、収納装置本体20が1個の乗り物玩具となる。収納装置本体20の左側面が見えるようにすると、新幹線として遊ぶことができる。また、ヒンジ218で折り返し、右側面が見えるようにすると、パトカーとして遊ぶことができる。
【0022】
(第2の遊び方)
収納装置本体20の例えば右側の側板203A、204Aを開けて内部が見えるようにすると、内部収納スペース21が見えるので、内部収納スペース21に自動車玩具を載置して収容し、自動車玩具の駐車場として展示することができる。また、上部収納スペース22にも、自動車玩具を収容できる。
【0023】
(第3の遊び方)
本体前部201の前面開口部207から突出している保持部材27のレバー272を下方へスライドさせると、保持部材27の先端の水平部273に保持されている天板23の前端部が外れて自重により下方へ回動し、天板23の先端部が連絡通路26の支持部261に当接して支持される。また、同時に保持部材27の前方への移動により、保持部材27の前端部が前部扉25の上端部を前方へ押し出して、前部扉25を開く。
【0024】
これにより、自動車玩具を、前部扉25から前面の入口24を入って連絡通路26へ導き、さらに回動した天板23を通って、本体中央部204の上部収納スペース22に移動させ、自動車玩具を駐車させる遊びができる。なお、自動車玩具を上部収納スペース22に駐車させた後、天板23を水平状態に回動させて保持部材27の支持部261で保持し、自動車玩具を上部収納スペース22から天板23の上面へ移動させて駐車させることもできる。
【0025】
以上、説明した本発明に係る実施形態の模型玩具収納装置10によれば、収納装置本体20は、内部および上部に収納スペース21、22を有しており、この収納スペース21、22に自動車玩具を収納する。すなわち、天板23を水平状態に保持するとともに、前部扉25を閉じた状態に保持する保持部材27を有するので、天板23の前部を水平状態に保持した状態で、上部の収納スペース22および天板23の上面に自動車玩具を載置して収納できる。また、保持部材27を移動させることにより、天板23の前部を下方へ回動させ、前部扉25を前方へ開き、天板23および前部扉25を連絡通路26と接続させることにより、入口24から上部収納スペース22および天板23の上に自動車玩具を移動させて収納する遊びができる。また、収納装置本体20の外観が玩具を構成しているので、収納装置本体20自体を用いて、別の遊びができる。
【0026】
また、模型玩具収納装置10の収納装置本体20は、一対の側面が異なる玩具を表示するので、模型玩具収納装置10を右側から見た場合と、左側から見た場合とで、異なる遊びに供することができる。
【0027】
さらに、収納装置本体20の側板203A、203B、204A、204Bが開閉可能であって収納装置本体20の内部が視認可能であるので、自動車玩具の収納状態を展示することができる。また、入口から天板の上に自動車玩具を移動させて収納する状態を見ながら遊ぶことができる。
【0028】
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明に係る模型玩具収納装置は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形、変化が可能である。例えば、前述した実施形態では、一方の側面に新幹線を表示し、他方の側面にパトカーを表示した場合を例示したが、これに限るものではない。また、模型玩具として自動車玩具を例示したが、これに限るものではない。
【符号の説明】
【0029】
10 模型玩具収納装置
20 収納装置本体
201 本体前部(前部)
203A、203B、204A、204B 側板(側面)
21 内部収納スペース(収納スペース)
22 上部収納スペース(収納スペース)
23 天板
24 入口
25 前部扉
26 連絡通路
27 保持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
模型玩具を収納する模型玩具収納装置であって、
内部および上部に前記模型玩具を収納する収納スペースを有するとともに外観が玩具を構成する全体箱状の収納装置本体を有し、
前記収納装置本体の上部に設けられ前部が上下に回動可能な天板と、
前記収納装置本体の前部に設けられた入口を開閉可能な前部扉と、
前方へ開いた前記前部扉と下方へ回動した前記天板との間を連絡する連絡通路と、
前記天板を上方位置に保持するとともに、前記前部扉を閉じた状態に保持する保持部材と、を備え、
前記保持部材を移動させることにより、前記天板の前部を下方へ移動させて前記連絡通路の後端部に接続するとともに、前記前部扉を前方へ開いて前記連絡通路の前端部に接続して、前記入口から前記天板へ前記模型玩具を導入可能とすることを特徴とする模型玩具収納装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記収納装置本体の一対の側面が、異なる玩具を表示する模型玩具収納装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記側面が開閉可能であって前記収納装置本体の内部が視認可能である模型玩具収納装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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