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横坑および横坑構築方法
説明

横坑および横坑構築方法

【課題】施工時の出水や土砂崩落のリスクを下げることが可能な横坑を提供すること。
【解決手段】推進工法により構築された横坑本体と、この横坑本体に後付けされた後付け覆工体3と、到達口に配置された接続枠4とを備える横坑であって、前記横坑本体は、発進口から最初に押し出された先頭函体1と、先頭函体1の後方に連なった後続函体2,2,…とを有し、後付け覆工体3は、先頭函体1と到達口の開口縁部との間に配置されている。接続枠4の前端部は、到達口の開口縁部に固着されており、接続枠4の後端部は、後付け覆工体3の内面および先頭函体1の内面に固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横坑および横坑構築方法に関する。
【背景技術】
【0002】
推進工法は、発進口に配置した函体を元押しジャッキで押し出すことにより地中に横坑を構築する工法(特許文献1〜3参照)であり、立坑から延びる横坑(特許文献1参照)や既設の並設トンネル同士を繋ぐ横坑(特許文献2参照)を構築する場合などに利用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−138523号公報(図3)
【特許文献2】特開平11−148296号公報
【特許文献3】特開平10−246092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先頭の函体に崩落防止用のフードが形成されている場合や到達側地中構造物の外殻が曲面状である場合には、先頭の函体と外殻との間に大きな隙間が形成されてしまい、施工時の出水や土砂崩落のリスクが高まる虞がある(特許文献3参照)。
【0005】
上記問題を解決する技術として、特許文献3には、外筒と内筒とを具備する二重構造の刃口を配置する技術が開示されているが、特許文献3の図面に開示されたものでは、外筒の外径が推進管の外径よりも大きくなっているので、推進時の地山抵抗が大きくなる虞がある。
【0006】
このような観点から、本発明は、横坑と到達口との繋ぎ目における施工時の出水や土砂崩落のリスクを下げることが可能で、かつ、推進時の地山抵抗が大きくならない横坑および横坑構築方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する本発明に係る横坑は、推進工法により構築された横坑本体と、前記横坑本体に後付けされた後付け覆工体とを備える横坑であって、前記横坑本体は、発進口から最初に押し出された先頭函体と、前記先頭函体の後方に連なった後続函体とを有し、前記後付け覆工体は、前記先頭函体と到達口の開口縁部との間に配置されている、ことを特徴とする。なお、本発明における「前」、「後」は、函体推進方向を基準とする。
【0008】
函体の先頭と到達口の開口縁部との間に後付け覆工体を配置すれば、先頭函体と到達口の開口縁部との間に形成される隙間が小さくなるので、施工時の出水や土砂崩落のリスクを下げることが可能となる。後付け覆工体は、函体推進時には存在しないため、函体推進時の地山抵抗に影響を及ぼすこともない。
【0009】
前記到達口に接続枠を配置した場合には、前記接続枠の前端部を前記到達口の開口縁部に固着し、前記接続枠の後端部を前記後付け覆工体の内面および前記先頭函体の内面に固着するとよい。このようにすることで、先頭函体と到達口の開口縁部との間に不可避的に形成される隙間あるいは後付け覆工体と到達口の開口縁部との間に不可避的に形成される隙間を塞ぐことができるので、横坑完成時の確実な止水が可能となる。
【0010】
前記先頭函体として、函体推進方向に間隔をあけて並設された複数列の主桁枠と、前記主桁枠の外周縁に沿って配置された外スキンプレートと、最前列の前記主桁枠から前記到達口の開口縁部に向かって張り出す内面プレートとを有するものを使用し、前記後付け覆工体として、最前列の前記主桁枠に重ねられる継手プレートと、前記継手プレートから前記到達口の開口縁部に向かって張り出す内スキンプレートとを有するものを使用する場合には、前記接続枠の後端部のうち、前記内面プレートに沿う部分を前記内面プレートに固着し、前記内スキンプレートに沿う部分を前記内スキンプレートに固着するとよい。このようにすると、止水溶接を行い易くなるとともに、内面プレートあるいは内スキンプレートの張出長さの範囲において接続枠の取付位置を調整することができるので、接続枠の取付作業が容易になる。これにより、到達側地中構造物および横坑それぞれの施工誤差によって両者の間に生じる隙間を塞ぐことができ、完成時の確実な止水が可能となる。
【0011】
後付け覆工体が内スキンプレートを具備している場合は、前記継手枠に雌ネジ部材を固着しておき、最前列の前記主桁枠および前記継手枠に前記先頭函体側から貫設したボルトを前記雌ネジ部材に螺合するとよい。後付け覆工体に内スキンプレートを設けると、その裏側に手が回らなくなるので、先頭函体への接合作業が困難になるが、継手プレートに雌ネジ部材を固着しておけば、先頭函体側からのボルト締結作業によって、後付け覆工体を先頭函体に取り付けることができるので、先頭函体への接合作業が容易になる。
【0012】
前記後付け覆工体は、複数のピースに分割されたものでもよい。この場合、前記各ピースは、前記横坑本体の内部空間を通じて搬入可能な大きさに成形するとよい。このようにすると、後付け覆工体の形状や大きさが横坑本体の内空断面の大きさに制限され難くなる。
【0013】
上記課題を解決する本発明に係る横坑構築方法は、先頭函体および当該先頭函体の後方に連なる後続函体を発進口から押し出し、前記先頭函体を到達側地中構造物の外殻(例えば、立坑の側壁やトンネルの覆工など)に近づけた後に、前記先頭函体と前記外殻との間に後付け覆工体を配置し、その後、前記外殻を切り開いて到達口を形成する、ことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る横坑構築方法によれば、先頭函体と到達口の開口縁部との間に形成される隙間を小さくすることができるので、施工時の出水や土砂崩落のリスクを下げることが可能となる。
また、後付け覆工体の無い状態で先頭函体を押し出すようにしたので、後付け覆工体の存在が函体推進時の地山抵抗に影響を及ぼすこともない。
【0015】
なお、前記外殻の外面に外側到達枠を後付けし、前記後付け覆工体を前記外側到達枠に接合した後に外側到達枠の内周面に沿って前記外殻を切り開くと、施工時の出水や土砂崩落のリスクをより一層下げることができる。
【0016】
また、前記到達口に接続枠を配置し、前記到達口の開口縁部に前記接続枠の前端部を固着するとともに、前記後付け覆工体の内面および前記先頭函体の内面に前記接続枠の後端部を固着すると、先頭函体と到達口の開口縁部との間に形成される隙間あるいは後付け覆工体と到達口の開口縁部との間に形成される任意の隙間を塞ぐことができるので、横坑完成時の確実な止水が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、函体推進時の地山抵抗を増大させることなく、横坑と到達口との繋ぎ目における施工時の出水や土砂崩落のリスクを下げることが可能となる。また、到達口に接続枠を配置すれば、横坑完成時の確実な止水が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】発進設備を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る横坑の先頭部分を示す拡大縦断面図である。
【図3】先頭函体、後続函体、後付け覆工および接続枠を示す斜視図である。
【図4】先頭函体の正面図である。
【図5】(a)は図4のX1−X1線断面図、(b)は(a)のX2−X2線断面図である。
【図6】先頭函体の分解斜視図である。
【図7】後付け覆工体の正面図である。
【図8】(a)は図7のX3−X3線断面図、(b)は図7のX4−X4線断面図である。
【図9】後付け覆工体の分解斜視図である。
【図10】発進設備を示す側面図である。
【図11】発進設備を示す背面図である。
【図12】発進設備のブラケットを示す斜視図である。
【図13】(a)はブラケットの断面図、(b)は連結材の端部を示す断面図である。
【図14】本発明の実施形態に係る横坑構築方法を説明するための図であって、(a)は先頭函体を到達側地中構造物に近づけた状況を示す縦断面図、(b)は後付け工程を示す縦断面図である。
【図15】本発明の実施形態に係る横坑構築方法を説明するための図であって、(a)は仮止水工程を示す縦断面図、(b)は接続枠配置工程を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の実施形態に係る横坑構築方法は、図1に示すように、発進設備D(押輪5、ジャッキ6、ブラケット7、連結材8)を利用して、発進側の既設トンネルAから到達側の既設トンネルBに至る横坑Cを構築する、というものである。
【0020】
< 既設トンネル >
既設トンネルA,Bは、シールド工法により構築されたものであり、間隔をあけて並設されている。
【0021】
一方の既設トンネルAには、発進口が形成されている。既設トンネルAの覆工(外殻)のうち、少なくとも発進口となる部分は、鋼製セグメントとなっている。覆工を切り開いた際に既設トンネルAに有害な変形が生じないよう、発進口の開口縁部(発進口を取り囲む部分)に配置する鋼製セグメントには、補強鋼材等を配置する。
【0022】
他方の既設トンネルBには、到達口が形成される。既設トンネルBの覆工(外殻)のうち、少なくとも到達口となる部分は、鋼製セグメントとなっている。
【0023】
< 横坑 >
横坑Cは、既設トンネルA,Bを繋ぐ連絡坑(トンネル)であり、図2に示すように、刃口式(切羽開放型)の推進工法により構築された横坑本体(函体1,2)と、この横坑本体に後付けされた後付け覆工体3と、到達口に配置された接続枠4とを備えている。なお、横坑Cの横断面形状は矩形であるが、他の形状(例えば、円形、楕円形、馬蹄形など)であっても差し支えない。
【0024】
横坑本体は、横坑Cの縦断方向に連設された複数の函体1,2,2,…からなる。以下では、複数の函体1,2,2,…のうち、発進口から最初に押し出された函体1を「先頭函体1」と称し、それ以外の函体(先頭函体1の後方に連なった函体2)を「後続函体2」と称する。
【0025】
先頭函体1は、図3に示すように、角筒状の覆工体であり、底版部と、その両端から立ち上がる左右一対の側壁部と、左右の側壁部間に横架された頂版部とを備えている。より詳細に説明すると、先頭函体1は、鋼製であり、複数列(本実施形態では二列)の主桁枠11,11と、主桁枠11,11間に並設された複数の縦リブ12,12,…と、主桁枠11,11の外周縁に沿って配置された外スキンプレート13と、最前列の主桁枠11の内周縁から前方に向かって張り出した内面プレート14と、外スキンプレート13と内面プレート14との間に並設された複数の補強リブ15,15,…とを備えている。
【0026】
主桁枠11,11は、函体推進方向(前後方向)に間隔をあけて並設されている。各主桁枠11は、正面視矩形枠状を呈している。主桁枠11には、ボルト挿通孔(図示略)が複数形成されている。このボルト挿通孔には、隣接する後続函体2または後付け覆工体3を先頭函体1に接合するためのボルト(図示略)が挿入される。
【0027】
縦リブ12,12,…は、函体周方向(左右方向または上下方向)に間隔をあけて並設されている。各縦リブ12は、函体推進力を伝達するものであり、主桁枠11,11と交差する方向に配置されている。縦リブ12は、主桁枠11および外スキンプレート13に溶接されている。
【0028】
外スキンプレート13は、主桁枠11および縦リブ12に溶接されている。外スキンプレート13は、正面視角筒状を呈しているが、外スキンプレート13の上半部は、最前列の主桁枠11から前方に向かって張り出している。外スキンプレート13の張出部13a(最前列の主桁枠11から張り出した部分)は、正面視逆U字状を呈しており、地山掘削時の土砂崩落防止用フードとして機能する。
【0029】
内面プレート14は、図4にも示すように、外スキンプレート13の内側に配置されていて、張出部13aと間隔をあけて対向している。本実施形態の内面プレート14は、先頭函体1の上部に配置されていて、正面視逆U字状を呈している。図5の(a)に示すように、内面プレート14は、最前列の主桁枠11の前面から前方(到達口の開口縁部)に向かって張り出している。内面プレート14の張出長さは、張出部13aの最大張出長さよりも小さい。図5の(b)に示すように、内面プレート14の内周面には、接続枠4が固着される。なお、内面プレート14は、主桁枠11の内周縁から接続枠4の厚さ分だけ外スキンプレート13側にオフセットしている。
【0030】
補強リブ15,15,…は、図4に示すように、函体周方向(左右方向または上下方向)に間隔をあけて並設されていて、内面プレート14を外側(地山側)から支持している。各補強リブ15は、外スキンプレート13および内面プレート14と交差する方向に配置されていて、最前列の主桁枠11、外スキンプレート13および内面プレート14に溶接されている。
【0031】
先頭函体1は、図6に示すように、複数の鋼製ピース(鋼製セグメント)からなる。分割数や各ピースの形状等に制限はない。
【0032】
本実施形態の先頭函体1は、I型(直線型)の下部ピース1aと、下部ピース1aの左右両側に配置されたL字型の側部ピース1b,1bと、側部ピース1b,1b間に架設された逆U字型(コ字型)の上部ピース1cとからなる。すなわち、本実施形態の先頭函体1は、四つのピースに分割されている。
【0033】
下部ピース1aは、先頭函体1の底版部の中央部分を構成する横長直方体状のピースである。
【0034】
側部ピース1bは、先頭函体1の底版部の一部および側壁部を構成するピースであり、下部ピース1aの側端面にボルト接合される底版構成部と、底版構成部の端部から立ち上がる側壁構成部とを備えている。
【0035】
上部ピース1cは、先頭函体1の側壁部の一部および頂版部を構成するピースであり、側部ピース1b,1bの上端面にボルト接合される左右一対の側壁構成部と、左右の側壁構成部に横架される頂版構成部とを備えている。
【0036】
なお、外スキンプレート13の張出部13a(土砂崩落防止用フード)は、側部ピース1bの上半部および上部ピース1cに形成されており、内面プレート14および補強リブ15,15,…は、上部ピース1cのみに配置されている。なお、内面プレート14の下縁および最下段の補強リブ15は、上部ピース1cの下端面(側部ピース1bの上端面に突き合わされる面)よりも高いところに位置している。
【0037】
後続函体2は、図3に示すように、角筒状の覆工体であり、底版部と、その両端から立ち上がる左右一対の側壁部と、左右の側壁部間に横架された頂版部とを備えている。より詳細に説明すると、後続函体2は、鋼製であり、複数列(本実施形態では四つ)の主桁枠21,21,…と、隣り合う主桁枠21,21間に並設された複数の縦リブ22,22,…と、主桁枠21,21を外側から囲うスキンプレート23とを備えている。
【0038】
主桁枠21,21,…は、函体推進方向(横坑Cの縦断方向)に間隔をあけて並設されている。各主桁枠21は、正面視矩形枠状を呈している。主桁枠21には、ボルト挿通孔(図示略)が複数形成されている。このボルト挿通孔には、後続函体2を隣接する他の函体(先頭函体1又は他の後続函体2)に接合するためのボルト(図示略)が挿入される。
【0039】
縦リブ22,22,…は、函体周方向(左右方向または上下方向)に間隔をあけて並設されている。各縦リブ22は、函体推進力を伝達するものであり、主桁枠21,21に略垂直である。
スキンプレート23は、正面視角筒状を呈していて、主桁枠21および縦リブ22に溶接されている。
【0040】
後続函体2は、複数の鋼製ピース(鋼製セグメント)からなる。分割数や各ピースの形状等に制限はないが、本実施形態では、二種類のL字型ピース2a,2bをそれぞれ二つずつ組み合わせて後続函体2を形成している。すなわち、後続函体2は、四つのピースに分割されている。
【0041】
後付け覆工体3は、正面視U字状の覆工体であり、底版部と、その両端から立ち上がる左右一対の側壁部とを備えている。後付け覆工体3の側壁部の前縁は、既設トンネルBの覆工の輪郭に沿う曲線(本実施形態では円弧)に成形されている。すなわち、後付け覆工体3は、既設トンネルBの覆工の外面形状に沿う形状に成形されている。
【0042】
後付け覆工体3は、鋼製であり、図7に示すように、正面視U字状を呈する継手プレート31と、継手プレート31の前面に取り付けられた雌ネジ部材32,32,…と、継手プレート31の前面側に並設された複数の補強リブ33,33,…と、継手プレート31から前方(到達口の開口縁部)に向かって張り出した内スキンプレート34とを備えている。
【0043】
継手プレート31は、図8の(a)に示すように、先頭函体1の最前列の主桁枠11に重ねられる部位である。継手プレート31には、ボルト挿通孔(図示略)が複数形成されている。このボルト挿通孔には、後付け覆工体3を先頭函体1に接合するためのボルトが挿入される。
【0044】
雌ネジ部材32は、継手プレート31のボルト挿通孔(図示略)に対応して配置されている。本実施形態の雌ネジ部材32は、高ナットからなり、溶接により継手プレート31の前面に固着されている。
【0045】
補強リブ33,33,…は、図7に示すように、内スキンプレート34を外側(地山側)から支持するものであり、函体周方向に間隔をあけて並設されている。図8の(a)に示すように、各補強リブ33は、継手プレート31の前面から前方に向かって張り出していて、継手プレート31の前面と内スキンプレート34の外面に溶接されている。
【0046】
内スキンプレート34は、図7に示すように、継手プレート31の内周縁に沿って配置されている。内スキンプレート34の上端は、先頭函体1の内面プレート14に連なっており、内面プレート14と内スキンプレート34の境界部分は面一になっている。図8の(a)に示すように、後付け覆工体3の側壁部における内スキンプレート34の前縁は、既設トンネルBの覆工(外殻)の輪郭に沿う円弧に成形されている。図8の(b)に示すように、主桁枠11の内周縁から接続枠4の厚さ分だけ外側(地山側)にオフセットしている。内スキンプレート34の内周面には、接続枠4が固着される。
【0047】
後付け覆工体3は、図9に示すように、複数の鋼製ピース(鋼製セグメント)からなる。分割数や各ピースの形状等に制限はないが、本実施形態の後付け覆工体3は、I型(直線型)の下部ジョイントピース3aと、下部ジョイントピース3aの左右両側に配置されたL字型の側部ジョイントピース3b,3bとからなる。すなわち、後付け復工体3は、三つのピースに分割されており、各ピースは、横坑本体の内部空間を通じて搬入可能な大きさに成形されている。
【0048】
下部ジョイントピース3aは、後付け復工体3の底版部の中央部分を構成するピースである。下部ジョイントピース3aの幅寸法(函体推進方向の長さ寸法)は、一様である。下部ジョイントピース3aは、正面視逆台形状を呈していて、その両端部に位置する補強リブ33,33(下部ジョイントピース3aの両側端面)は、逆ハ字状を成すように配置されている。下部ジョイントピース3aは、先頭函体1の下部ピース1a(図6参照)の前に配置されており、下部ピース1aの前面にボルト接合されている。ボルト(図示略)は、下部ピース1a側から挿入し、雌ネジ部材32に螺合する。
【0049】
側部ジョイントピース3bは、後付け復工体3の底版部の一部および側壁部を構成するピースであり、下部ジョイントピース3aの側端面に突き合わされる底版構成部と、底版構成部の端部から立ち上がる側壁構成部とを備えている。側部ジョイントピース3bの幅寸法(函体推進方向の長さ寸法)は、既設トンネルBの覆工の外面形状に対応して増減している。側部ジョイントピース3bの上端面(側壁構成部に配置された補強リブ33,33,…のうち、最上段に位置する補強リブ33)は、先頭函体1の最下段の補強リブ15(図6参照)に突き合わされる。また、側部ジョイントピース3bの側端面は、下部ジョイントピース3aの側端面に対応して傾斜しており、下部ジョイントピース3aの側端部の補強リブ33に突き合わされる。
【0050】
接続枠4は、図3に示すように、正面視矩形枠状を呈している。接続枠4の上辺部および下辺部の前縁は、既設トンネルBの縦断線形と略平行な直線を成しており、接続枠4の左右の側辺部の前縁は、既設トンネルBの覆工の輪郭に沿う円弧を成している。接続枠4は、複数枚の接続プレート(帯状鋼板)に分割された状態で搬入され、到達口において枠状に組み立てられる。接続プレート同士は、溶接により接合する。
【0051】
接続枠4の前端部は、図2に示すように、溶接により到達口の開口縁部(既設トンネルBの覆工)に固着されている。接続枠4と開口縁部との間から地下水が流入しないよう、溶接ビードは、接続枠4の前端縁の全長に亘って連続して形成する。
【0052】
接続枠4の後端部は、溶接により先頭函体1の内面および後付け覆工体3の内面(すなわち、最前列の主桁枠11の前側の領域に形成された無端状の面)に固着されている。すなわち、図5の(b)に示すように、接続枠4の後端部のうち、内面プレート14に沿う部分は、内面プレート14に固着されており、図8の(b)に示すように、内スキンプレート34に沿う部分は、内スキンプレート34に固着されている。接続枠4と先頭函体1との間あるいは接続枠4と後付け覆工3との間から地下水が流入しないよう、溶接ビードは、接続枠4の後端縁の全長に亘って連続して形成する。
【0053】
< 発進設備 >
図1に示す発進設備Dは、先頭函体1の後に連ねた後続函体2を到達口に向けて押圧するための設備であり、発進側地中構造物である既設トンネルA内に構築されている。
【0054】
発進設備Dは、図10に示すように、後続函体2の後端面に当接する押輪5と、押輪5に取り付けられたジャッキ6と、発進口の開口縁部に配置されたブラケット7と、ブラケット7から押輪5に至る連結材8と、押輪5の下側から発進口に向けて延在するガイドレール9とを備えている。
【0055】
押輪5は、図11に示すように、上下一対の横材51,51と、左右一対の縦材52,52と、縦材52から側方に向かって張り出す張出材53と、縦材52の側方に配置された受材54と、下側の横材51から後方に向かって張り出す左右一対の台車55,55とを備えている。
【0056】
横材51は、鋼材からなる。横材51の端部は、縦材52の側方に張り出している。図10に示すように、下側の横材51は、後続函体2の下部の後端面に当接し、上側の横材51は、後続函体2の上部の後端面に当接する。
【0057】
縦材52は、後続函体2の側壁部の後端面に当接する。縦材52は、鋼材からなり、横材51,51に接合されている。
【0058】
張出材53は、受材54の高さ方向の中間部を支持する部材であり、縦材52の高さ方向の中間部から側方に向かって張り出している。
【0059】
受材54は、ジャッキ6の取付架台となる部材であり、上下方向(縦材52に沿う方向)に延在している。受台54は、横材51,51および張出材53の後側に配置されており、横材51,51の後面および張出材53の後面に接合されている。なお、受材54は、図11に示すように、一対の鋼材54a,54aと、鋼材54a,54aを繋ぐ複数の補強プレート54b,54b,…からなる。鋼材54a,54aは、連結材8を挿通するための隙間(連結材挿通空間)をあけて並設されている。
【0060】
台車55は、図10に示すように、ガイドレール9の直上に配置されている。台車55には、ガイドレール9の上面を転動する車輪が取り付けられている。
【0061】
ジャッキ6は、センターホールジャッキであり、受材54の後面に取り付けられている。なお、センターホールジャッキのホール(挿通孔)は、受材54の連結材挿通空間(図11に示す鋼材54a,54aの間)に開口させる。本実施形態では、一の受材54につき上下二つのジャッキ6,6を配置しているが、ジャッキ6の数等は適宜変更しても差し支えない。
【0062】
ブラケット7は、既設トンネルAの覆工(本実施形態では鋼製セグメント10)に固定されている。図12に示すように、鋼製セグメント10は、既設トンネルAの縦断方向に間隔をあけて並設された主桁10a,10aと、主桁10a,10a間に並設された複数の縦リブ10b,10b,…と、主桁10a,10aの外周側に配置されたスキンプレート10cとを備えている。縦リブ10bは、図13の(a)に示すように、スキンプレート10cの内周面に立設された板部101と、板部101の端部に形成された補剛部102とを備えていて、断面T字状を呈している。板部101には、図示せぬボルト挿通孔が形成されている。補剛部102は、スキンプレート10cと平行な帯板状を呈していて、既設トンネルAの縦断方向に延在している。
【0063】
ブラケット7は、図12に示すように、既設トンネルAの周方向に隣り合う縦リブ10b,10b,…に固定されるものであり、複数(本実施形態では三つ)のベース7a,7a,…と、ベース7a,7a,…に架設されるビーム7bとを備えている。
【0064】
ベース7aは、図13の(a)に示すように、縦リブ10bの補剛部102に重ねられる取付板部71と、補剛部102を挟んで対向する一対の挟持部72,72と、挟持部72,72の間に配置される筒状スペーサ73,73と、取付板部71を補強する補強板部74,74,…とを備えている。ベース7aは、ベース固定用ボルト75によって縦リブ10bにボルト接合されている。
【0065】
取付板部71は、補剛部102を跨ぐように配置されている。取付板部71の両端部は、補剛部102から張り出している。取付板部71の端部(補剛部102から張り出した部分)には、ボルト挿通孔(図示略)が形成されている。
【0066】
挟持部72は、取付板部71の裏面(スキンプレート10c側の面)に立設されていて、板部101と対向している。挟持部72には、ボルト挿通孔(図示略)が形成されている。
【0067】
筒状スペーサ73は、挟持部72と板部101との間に配置されている。筒状スペーサ73の中空部は、挟持部72のボルト挿通孔および板部101のボルト挿通孔に連通している。
【0068】
補強板部74は、取付板部71の端部(補剛部102から張り出した部分)に配置されていて、取付板部71と挟持部72とに固着されている。
【0069】
ベース固定用ボルト75は、挟持部72,72に貫設される軸部を備えている。ベース固定用ボルト75の軸部は、一方の挟持部72から他方の挟持部72に至る透孔(挟持部72のボルト挿通孔、筒状スペーサ73の中空部、板部101のボルト挿通孔)に一方の挟持部72側から挿入される。他方の挟持部72から突出したベース固定用ボルト75の軸部には、ナットが締着される。
【0070】
ビーム7bは、ベース7aの取付板部71に重ねられるフランジ76と、フランジ76に立設されたウェブ77と、ウェブ77の両側に配置された複数のリブ78,78,…とを備えている。ビーム7bは、ビーム固定用ボルト79によってベース7aにボルト接合されている。
【0071】
フランジ76には、取付板部71のボルト挿通孔に対応したボルト挿通孔(図示略)が形成されている。
【0072】
ウェブ77は、フランジ76の表面に立設されている。ウェブ77には、複数のピン挿入孔77a,77a,…が形成されている。ピン挿入孔77a,77a,…は、ウェブ77の長手方向(既設トンネルAの周方向)に間隔をあけて並んでいる。
【0073】
リブ78は、ウェブ77の倒れを防止するとともに、ウェブ77からフランジ76に伝わる引張力をフランジ76の幅方向に分散させるものであり、ウェブ77と交差する方向に配置されている。リブ78は、ウェブ77の両側に配置されていて、フランジ76の表面およびウェブ77の側面に溶接されている。
【0074】
ビーム固定用ボルト79は、取付板部71およびフランジ76に貫設される軸部を備えている。ビーム固定用ボルト79の軸部は、取付板部71の裏面側から取付板部71およびフランジ76のボルト挿通孔に挿入される。フランジ76の表面から突出したビーム固定用ボルト79の軸部には、ナットが締着される。
【0075】
連結材8は、図13の(b)に示すように、線状部材8aと、線状部材8aの前端部(ブラケット7側の端部)に装着されたカプラー8bとを備えている。
【0076】
線状部材8aは、PC鋼棒からなる。線状部材8aの後端側は、ジャッキ6(図10参照)のホールに挿通される。
【0077】
カプラー8bは、板状を呈する基部81と、基部81の裏面に配置された雌ネジ部材82と、雌ネジ部材82を挟んで対向する一対の対向部83,83と、対向部83,83に貫設されるピン84とを備えている。
【0078】
基部81には、線状部材8a用の挿通孔(図示略)が形成されている。雌ネジ部材82の雌ネジ孔は、基部81の挿通孔に連通している。雌ネジ部材82には、線状部材8aが螺着されている。
【0079】
対向部83,83は、基部81からブラケット7に向かって延出している。対向部83,83の前端部は、線状部材8aの前端よりも前方に位置していて、ブラケット7のウェブ77を挟んで対向している。対向部83の前端部には、ピン挿入孔(図示略)が形成されている。
【0080】
ピン84は、対向部83,83のピン挿入孔に挿通されるとともに、ウェブ77のピン挿入孔77a(図13の(a)参照)に挿通される。線状部材8aに付与された引張力は、ピン84を介してブラケット7に作用する。
【0081】
< 横坑構築方法 >
本実施形態に係る横坑構築方法は、発進準備工程と、掘削推進工程と、後付け工程と、仮止水工程と、到達口形成工程と、接続枠配置工程とを備えている。なお、本実施形態では、横坑Cの構築予定位置を包含する領域に対し、既設トンネルA,B内から薬液注入による地盤改良を行っているが、地盤改良は地山の状況に応じて省略してもよい。
【0082】
発進準備工程は、図10に示すように、発進設備Dを構築するとともに、先頭函体1および所定リング数(本実施形態では1リング)の後続函体2を準備する工程である。
【0083】
発進準備工程では、まず、既設トンネルAの覆工に矩形枠状のエントランス枠(図示略)を設置するとともに、エントランス枠の外側の覆工(すなわち、発進口の開口縁部となる覆工)にブラケット7,7,…を設置する。また、既設トンネルA内の作業構台上にガイドレール9を敷設する。
【0084】
次に、先頭函体1を構成する複数のピース(図3に示す下部ピース1a、側部ピース1b,1b、上部ピース1c)および後続函体2を構成する複数のピース(図3に示すL字型ピース2a,2b)を搬入し、ガイドレール9上において先頭函体1および後続函体2を組み立てる。なお、先頭函体1および後続函体2は、同時に組み立ててもよいし、いずれか一方を先行して組み立ててもよい。
【0085】
続いて、後続函体2の後方に押輪5を配置するとともに、先頭函体1および後続函体2を挟んで両側に連結材8,8,…を配置する。連結材8(線状部材8a)は、ジャッキ6のホールに挿入し、連結材8の前端(カプラー8b)は、ブラケット7に接続する。
【0086】
その後、エントランス枠(図示略)の内周に沿って既設トンネルAの覆工を切り開き、発進口を形成する。なお、エントランス枠には、先頭函体1又は後続函体2の外周面に当接するエントランスパッキンを取り付けておく。発進口を形成したら、掘削推進工程に移行する。
【0087】
掘削推進工程は、地山の掘削作業と、先頭函体1および後続函体2の前進作業と、後続函体2の追加組立作業とを繰り返す工程である(図1参照)。
【0088】
掘削推進工程では、まず、発進口に露出した地山を掘削する。地山を掘削したら、ジャッキ6を操作して連結材8の線状部材8aをジャッキ6の後方に引き込み、連結材8に引張力を付与する。而して、線状部材8aの引き込み量を増やし、後続函体2の後端面に押輪5を当接させつつ発進口側に移動させると、先頭函体1が発進口から押し出される。なお、先頭函体1のみを配置した場合には、先頭函体1の後端面に押輪5を当接させつつ発進口側に移動させることで、先頭函体1を発進口から押し出す。
【0089】
地山の掘削作業と、先頭函体1および後続函体2の前進作業とを繰り返し、前進量が後続函体2の1リング分に達したら、押輪5を一旦後方に移動させ、空いたスペースにおいて新たな後続函体2を組み立てる。以降、地山の掘削作業、先頭函体1および後続函体2の前進作業、新たな後続函体2の組み立て作業を繰り返す。
【0090】
図14の(a)に示すように、先頭函体1が既設トンネルBの覆工(外殻)に近づき、既設トンネルBの外面が露出したら、後付け工程および仮止水工程に移行する。
【0091】
後付け工程は、図14の(b)に示すように、先頭函体1と既設トンネルBの覆工(外殻)との間に後付け覆工体3を配置する工程である。
【0092】
後付け工程では、後付け覆工体3を構成する複数のピース(図3に示す下部ジョイントピース3a、側部ジョイントピース3b,3b)を、横坑本体を通じて搬入し、先頭函体1と既設トンネルBの覆工との間において後付け覆工体3を組み立てる。
【0093】
本実施形態の後付け工程では、まず、図8に示すように、側部ジョイントピース3bを搬入し、先頭函体1の側部ピース1bの前側に配置する。側部ジョイントピース3bの継手プレート31を先頭函体1の主桁枠11に重ね合わせつつ、側部ジョイントピース3bの上端面を先頭函体1の最下段の補強リブ15に突き合わせたら、先頭函体1側からのボルト締結により、側部ジョイントピース3bを先頭函体1に固定する。後付け覆工体3に内スキンプレート34が設けられているので、その裏側に手が回らないものの、継手プレート31に雌ネジ部材32が予め固着されているので、先頭函体1側からのボルト締結作業により、後付け覆工体3を先頭函体1に取り付けることができる。なお、左右の側部ジョイントピース3b,3bを先頭函体1に固定すると、一方の側部ジョイントピース3bの側端面および他方の側部ジョイントピース3bの側端面が逆ハ字状に対向するようになる(図9参照)。
【0094】
次に、図9に示す下部ジョイントピース3aを搬入し、先頭函体10の下部ピース1a(図3参照)の前側に配置する。下部ジョイントピース3aは、側部ジョイントピース3b,3bの底版構成部同士の間に落とし込む。下部ジョイントピース3aの継手プレート31を先頭函体1の主桁枠11に重ね合わせつつ、下部ジョイントピース3aの側端面を側部ジョイントピース3bの側端面に突き合わせたら、先頭函体1側からのボルト締結により、下部ジョイントピース3aを先頭函体1に固定する。後付け覆工体3を先頭函体1に取り付けたら、必要に応じて、先頭函体1および後続函体2,2,…を推進し、後付け覆工体3を既設トンネルBの覆工にさらに近づける。
【0095】
仮止水工程は、図15の(a)に示すように、既設トンネルBの外側に仮止水構造を形成する工程である。なお、出水のリスクが低い場合(到達口の位置が地下水面よりも高い場合、到達口の周辺地盤に対して十分な止水注入がなされている場合など)には、仮止水工程を省略してもよい。
【0096】
仮止水工程では、まず、既設トンネルBの覆工の外面に外側到達枠B1を固着する。外側到達枠B1の内周面は、内面プレート14(図3参照)および内スキンプレート34の内周面(すなわち、最前列の主桁枠11の前側の領域に形成された無端状の面)と一致させる。外側到達枠B1は、複数の鋼材(本実施形態では山形鋼)に分割されている。各鋼材は、横坑本体を通じて各鋼材を搬入する。既設トンネルBの覆工の外面に対して横坑本体の内空側から鋼材を順次溶接することで、外側到達枠B1を形成する。溶接ビードは、外側到達枠B1の全周に亘って連続して形成する。なお、外側到達枠B1の設置作業は、後付け工程と並行して行ってもよいし、後付け工程の前あるいは後に行ってもよい。
【0097】
続いて、先頭函体1および後付け覆工体3を外側到達枠B1に接合し、内面プレート14(図3参照)と外側到達枠B1との隙間および内スキンプレート34と外側到達枠B1との隙間を閉塞する。本実施形態では、外側到達枠B1の外周側(地山側)に仮止水用鋼板B2を配置し、内面プレート14、内スキンプレート34および外側到達枠B1に仮止水用鋼板B2を溶接することで、先頭函体1および後付け覆工体3を外側到達枠B1に接合する。なお、仮止水用鋼板B2は、内面プレート14と外側到達枠B1との隙間あるいは内スキンプレート34と外側到達枠B1との隙間を通じて外側到達枠B1の外周側に配置し、溶接ビードは、仮止水用鋼板B2の全長に亘って連続して形成する。
【0098】
後付け工程および仮止水工程が完了したら、後付け覆工3の背面や外側到達枠B1の背面に裏込注入を行う。裏込材が硬化したら、到達口形成工程に移行する。
【0099】
到達口形成工程は、図15の(b)に示すように、既設トンネルBの覆工を切り開いて到達口を形成する工程である。本実施形態では、横坑本体側からの作業により、内面プレート14および内スキンプレート34の内周面(すなわち、外側到達枠B1の内周面)に沿って既設トンネルBの覆工を切り開く。到達口の開口形状は、内面プレート14および内スキンプレート34に囲まれた空間の断面形状に対応した形状であり、先頭函体1の外形よりも小さい。到達口を形成したら、到達口の開口縁部に内側到達枠B3を取り付ける。内側到達枠B3は、溶接により既設トンネルBの覆工(鋼製セグメント)の内面に固着する。内側到達枠B3の内周面は、内面プレート14および内スキンプレート34の内周面(すなわち、外側到達枠B1の内周面)と一致させる。なお、内側到達枠B3は、鋼材(本実施形態では山形鋼)からなる。内側到達枠B3を取り付けたら、接続枠配置工程に移行する。
【0100】
接続枠配置工程は、到達口に接続枠4を配置する工程である。接続枠配置工程では、接続枠4を構成する複数の接続プレート(帯状鋼板)を、横坑本体を通じて搬入し、到達口において枠状に組み立てる。接続枠4の前端部は、溶接により到達口の開口縁部(内側到達枠B3の内周面)に固着する。また、接続枠4の後端部のうち、内面プレート14に沿う部分は、溶接により内面プレート14(図5の(b)参照)の内周面に固着し、内スキンプレート34に沿う部分は、溶接により内スキンプレート34の内周面に固着する。
その後、発進設備Dを撤去し、必要に応じて二次覆工等を行うと、横坑Cが完成する。
【0101】
以上説明したように、発進設備Dを利用して横坑Cを方法すれば、函体推進時の反力(連結材8に付与される引張力)が発進口の開口縁部に作用するようになるので、押輪5の後方に大規模な反力架台を構築する必要がなく、したがって、押輪5の後方にスペースを確保することが可能となる。すなわち、図1に示すように、押輪5の後方においても既設トンネルA用の作業通路を確保することが可能となり、したがって、横坑Cの構築作業と並行して既設トンネルAに対する坑内作業を行うことが可能となる。
【0102】
また、本実施形態に係る横坑構築方法によれば、到達側の既設トンネルBの外殻(覆工)に先頭函体1を近づけた後に、既設トンネルBの外殻を切り開いているので(図15等参照)、先頭函体1に大きな施工誤差があったとしても、容易に対応することができる。また、到達口の大きさ(切開き範囲)を最小限に留めることができるので、施工時における出水のリスクが低下する。
【0103】
さらに、本実施形態に係る横坑構築方法によれば、先頭函体1と既設トンネルBとの間に後付け覆工体3を配置しているので(図14等参照)、先頭函体1と既設トンネルBとの間に形成される隙間を小さくすることができ、ひいては、到達口形成工程における出水や土砂崩落のリスクを下げることが可能となる。特に、本実施形態では、既設トンネルBの外側に外側到達枠B1を固着し、仮止水用鋼板B2を介して先頭函体1および後付け覆工体3を外側到達枠B1に固着した後に、到達口を形成しているので(図15参照)、到達口形成工程における出水のリスクをより一層下げることができる。すなわち、本実施形態に係る横坑Cによれば、施工時における出水や土砂崩落のリスクを下げることが可能となる。なお、本実施形態に係る横坑構築方法では、後付け覆工体3の無い状態で先頭函体1を押し出すようにしたので、後付け覆工体3の存在が函体推進時の地山抵抗に影響を及ぼすこともない。
【0104】
また、本実施形態に係る横坑構築方法によれば、到達口に接続枠4を配置しているので、先頭函体1と到達口の開口縁部との間に形成される隙間あるいは後付け覆工体3と到達口の開口縁部との間に形成される隙間を塞ぐことができ、したがって、横坑完成後における確実な止水が可能となる。
【0105】
本実施形態では、先頭函体1および後続函体2を複数のピースに分割した場合を例示したが、既設トンネルAの内空断面に比して先頭函体1および後続函体2の大きさが小さい場合には、複数のピースに分割せず、一体ものとして既設トンネルAの坑口から搬入してもよい。
【0106】
本実施形態では、先頭函体1に内面プレート14および補強リブ15を設け、正面視U字状の後付け覆工3を先頭函体1に後付けする場合を例示したが、先頭函体1の内面プレート14および補強リブ15を省略し、正面視枠状の後付け覆工3を先頭函体1に後付けしてもよい。
【0107】
本実施形態では、ブラケット7を介して連結材8を発進口の開口縁部に接続したが、ブラケット7を省略し、連結材8を発進口の開口縁部(鋼製セグメント10)に直接接続してもよい。
【0108】
また、本実施形態では、並設された既設トンネルA,Bの一方に発進口を設け、他方に到達口を設けた場合を例示したが、発進側地中構造物および到達側地中構造物の種類や構造形式を限定する趣旨ではない。図示は省略するが、立坑など他の地中構造物に発進口あるいは到達口を形成しても勿論差し支えない。
【符号の説明】
【0109】
A 既設トンネル
B 既設トンネル(到達側地中構造物)
C 横坑
1 先頭函体(函体)
11 主桁枠
12 縦リブ
13 外スキンプレート
14 内面プレート
1a 下部ピース
1b 側部ピース
1c 上部ピース
2 後続函体(函体)
3 後付け覆工体
31 継手プレート
32 雌ネジ部材
33 補強リブ
34 内スキンプレート
3a 下部ジョイントピース
3b 側部ジョイントピース
4 接続枠
【0110】
D 発進設備
5 押輪
6 ジャッキ
7 ブラケット
8 連結材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
推進工法により構築された横坑本体と、
前記横坑本体に後付けされた後付け覆工体とを備える横坑であって、
前記横坑本体は、発進口から最初に押し出された先頭函体と、前記先頭函体の後方に連なった後続函体とを有し、
前記後付け覆工体は、前記先頭函体と到達口の開口縁部との間に配置されている、ことを特徴とする横坑。
【請求項2】
前記到達口に配置された接続枠とを備え、
前記接続枠の前端部は、前記到達口の開口縁部に固着されており、
前記接続枠の後端部は、前記後付け覆工体の内面および前記先頭函体の内面に固着されている、ことを特徴とする請求項1に記載の横坑。
【請求項3】
前記先頭函体は、函体推進方向に間隔をあけて並設された複数列の主桁枠と、前記主桁枠の外周縁に沿って配置された外スキンプレートと、最前列の前記主桁枠から前記到達口の開口縁部に向かって張り出す内面プレートとを有し、
前記後付け覆工体は、最前列の前記主桁枠に重ねられる継手プレートと、前記継手プレートから前記到達口の開口縁部に向かって張り出す内スキンプレートとを有し、
前記接続枠の後端部のうち、前記内面プレートに沿う部分は、前記内面プレートに固着されており、前記内スキンプレートに沿う部分は、前記内スキンプレートに固着されている、ことを特徴とする請求項2に記載の横坑。
【請求項4】
前記後付け覆工体は、前記継手枠に固着された雌ネジ部材を有し、
最前列の前記主桁枠および前記継手プレートに前記先頭函体側から貫設されたボルトが前記雌ネジ部材に螺合している、ことを特徴とする請求項3に記載の横坑。
【請求項5】
前記後付け覆工体は、複数のピースに分割されており、
前記各ピースは、前記横坑本体の内部空間を通じて搬入可能な大きさに成形されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の横坑。
【請求項6】
先頭函体および当該先頭函体の後方に連なる後続函体を発進口から押し出し、前記先頭函体を到達側地中構造物の外殻に近づけた後に、前記先頭函体と前記外殻との間に後付け覆工体を配置し、その後、前記外殻を切り開いて到達口を形成する、ことを特徴とする横坑構築方法。
【請求項7】
前記外殻の外面に外側到達枠を後付けし、前記後付け覆工体を前記外側到達枠に接合した後に外側到達枠の内周面に沿って前記外殻を切り開くことを特徴とする請求項6に記載の横坑構築方法。
【請求項8】
前記到達口に接続枠を配置し、前記到達口の開口縁部に前記接続枠の前端部を固着するとともに、前記後付け覆工体の内面および前記先頭函体の内面に前記接続枠の後端部を固着する、ことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の横坑構築方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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