説明

横延伸装置及び横延伸方法

【課題】製造コストを増加させることなく、処理室の内側から外側に流出する空気を抑える。
【解決手段】帯状のフィルム3の長手方向に直交する幅方向の両端を保持した状態でフィルム3を長手方向に搬送させながら、所定の温度の空気をフィルム面3aに吹き付けることによってフィルム3を処理する複数のゾーンを備える。空気の温度が異なる複数のゾーンが、フィルム3の搬送方向に沿って配置される。ゾーンは、フィルム3の搬送方向の上流側及び下流側に配置された仕切壁7を有する。仕切壁7は、隣接するゾーン同士を連通させる連通口10と、連通口10を通るフィルム3のフィルム面3aに向かって連通口10から延ばされ、ゾーンの内側から外側に流出する空気を遮断する遮蔽板11と、を有する。遮蔽板11は、フィルム面3aに近接する先端がフィルム3の搬送方向に対してゾーンの内側に向かうように、フィルム面3aに対して傾斜されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルムやシートを搬送方向に直交する幅方向に延伸する横延伸装置及び横延伸方法に関する。特に、温度が異なる複数の処理室間を仕切る仕切壁を備える横延伸装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高分子フィルムやシートを延伸して分子鎖の配向を促進することによって、機械的強度などの諸物性を向上させる方法は、現在幅広く実施されている。ここで、帯状のフィルムを幅方向に延伸する場合には、テンターと呼ばれる横延伸装置を用いて行われている。テンターでは、フィルムの幅方向の両端一対のクリップで把持した状態でフィルムの長手方向へ搬送させながら、所定の温度に制御された空気をフィルム面に吹き付けている。そして、フィルムの温度を制御しながら一対のクリップの間隔を広げることによって、フィルムの幅方向に対する横延伸を行なっている。
【0003】
一般に横延伸装置は、複数のゾーン(処理室)として、フィルムを延伸温度まで予備加熱する予熱ゾーンと、フィルムの延伸を行なう延伸ゾーンと、延伸したフィルムの分子鎖の配向を固定する熱固定ゾーンと、フィルムを冷却する冷却ゾーンと、を有して構成されている。これらの各ゾーンにおける温度は、使用するフィルムの樹脂の種類にもよるが、ほとんどの場合では、それぞれのゾーンにおける温度が異なっている。一例として、フィルム材料としてポリエチレンテレフタレートを用いる場合、予熱温度が80℃〜110℃、延伸温度が90℃〜120℃、熱固定ゾーンの温度が180℃〜230℃、冷却ゾーンの温度が100℃以下に温度にそれぞれ制御された空気をフィルム面に吹き付けている。
【0004】
このように温度が異なる2つのゾーンが隣接して配置されている場合において、一方のゾーン内の空気が、一方のゾーンに隣接する他方のゾーンに流れ込む場合がある。この場合には、ゾーン内の温度を所望の温度に保つことが困難となり、設定温度と異なる温度でフィルムの延伸を行ってしまうおそれがある。その結果、所望の品質のフィルムを製造できなくなる場合があった。
【0005】
この問題の対策として、本発明に関連する横延伸装置では、特許文献1に図示されているように、ギャップ状入口及びギャップ状出口の区間で、少なくとも下側のギャップ制限体と帯状シートとの間に層状の空気流を発生させることによって、エアクッションを形成させている。これにより、フィルムのばたつきを抑止し、ギャップ間隔を安定させることで、横延伸装置の内外に流出入する空気量が変動するのが抑制されている。
【0006】
また、特許文献2には、加熱ゾーンと冷却ゾーンとの間に仕切壁を介して構成された中間室に、フィルム面に向けてフレッシュエアを噴射することで、フィルム面を横断するエア層を形成するエア噴射ノズルが設けられた構成が開示されている。この構成では、温度が異なる2つのゾーンの間で、ゾーンの間を気流がまたいで、一方のゾーンから他方のゾーンに空気が進入するのが防止されている。
【0007】
さらに、特許文献3には、隣接するゾーン間におけるクリップの走行経路をフィルム面に対して傾斜した構造にすることで、隣接するゾーン間における空気の流れを抑制する構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−277349号公報
【特許文献2】特開2003−39543号公報
【特許文献3】特開2004−284127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1に記載の構成は、横延伸装置のギャップ状入口及びギャップ状出口に適用することが可能であるが、フィルムに伴って移動する空気流が増えるので、温度の異なるゾーン間に設置することが困難である。また、特許文献1に記載の構成は、基本的に横延伸装置内外の空気の流れを安定化するためのものであって、横延伸装置内外における空気の流れを抑制することが困難である。
【0010】
また、特許文献2に記載の構成では、中間室を追加する必要があるので、横延伸装置における搬送方向の全長が長くなり、装置全体の製造コストの増加を招いてしまう。
【0011】
また、特許文献3に記載の構成では、クリップの走行レールを特殊な構造に構成する必要があり、装置全体の製造コストが増加するといった問題があった。
【0012】
そこで、本発明は、上記関連する技術の課題を解決し、製造コストを増加させることなく、処理室の内側から外側に流出する空気を抑制することができる横延伸装置及び横延伸方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した目的を達成するため、本発明に係る横延伸装置は、帯状のフィルムの長手方向に直交する幅方向の両端を保持した状態でフィルムを長手方向に搬送させながら、所定の温度の流体をフィルム面に吹き付けることによってフィルムを処理する複数の処理室を備え、流体の温度が異なる複数の処理室が、フィルムの搬送方向に沿って配置された、フィルムを幅方向に延伸する横延伸装置である。処理室は、フィルムの搬送方向の上流側及び下流側に配置された仕切壁を有する。仕切壁は、隣接する処理室同士を連通させる連通口と、連通口を通るフィルムのフィルム面に向かって連通口から延ばされ、処理室の内側から外側に流出する流体を遮断する遮蔽板と、を有する。遮蔽板は、フィルム面に近接する先端がフィルムの搬送方向に対して処理室の内側に向かうように、フィルム面に対して傾斜されている。
【0014】
また、本発明に係る横延伸方法は、帯状のフィルムの長手方向に直交する幅方向の両端を保持した状態でフィルムを長手方向に搬送させながら、所定の温度の流体をフィルム面に吹き付けることによって複数の処理室でフィルムを処理する横延伸方法において、流体の温度が異なる複数の処理室における、フィルムの搬送方向の上流側及び下流側に配置された仕切壁が有する遮蔽板であって、フィルムのフィルム面に向かって連通口から延ばされた遮蔽板によって、処理室の内側から外側に流出する流体を遮断する。そして、フィルム面に近接する先端が、フィルムの搬送方向に対して処理室の内側に向かうように、フィルム面に対して傾斜された遮蔽板を用いる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、簡素な構造なので製造コストを増加させることなく、処理室の内側から外側に流出する空気を抑制することができる。その結果、隣接する処理室間における空気の流れを抑制することが可能になり、各処理室の温度を設定温度近くに保つことができる。したがって、所定の設定温度でフィルムの延伸を行えるので、所望の品質のフィルムを得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態の横延伸装置を構成する1つのゾーンに設置されたノズルを模式的に示す斜視図である。
【図2】実施形態の横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、上流側及び下流側の連通口に遮蔽板が設けられた構成を模式的に示す断面図である。
【図3】実施形態の横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、遮蔽板が傾斜された場合の気流の流跡ベクトルを示す断面図である。
【図4】実施形態の横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、遮蔽板が傾斜された場合の気流の流跡ベクトルを示す断面図である。
【図5】本発明に関連する横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、上流側及び下流側の連通口に遮蔽板が、フィルム面に垂直に設けられた構成を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明に関連する横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、遮蔽板がフィルム面に垂直に設けられた場合の気流の流跡ベクトルを示す断面図である。
【図7】フィルムの搬送速度と、ゾーンの内側から外側に流出する空気量との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0018】
実施形態の横延伸装置は、図示しないが、所定の温度の流体としての空気を、帯状のフィルムの厚み方向の両面であるフィルム面に吹き付けることによってフィルムを処理する複数の処理室としての複数のゾーンを備えている。複数のゾーンは、フィルム面に吹き付ける空気の温度が異なっており、フィルムの搬送方向に沿って配置されている。以下、便宜上、1つのゾーンの上方半分の構成についてのみ説明するが、ゾーンの下方半分の構成についても同様である。
【0019】
図1は、実施形態の横延伸装置を構成する1つのゾーンに設置されたノズルを模式的に示す斜視図である。図2は、実施形態の横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、上流側及び下流側の連通口に遮蔽板が設けられた構成を模式的に示す断面図である。また、図3及び図4は、実施形態の横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、遮蔽板が傾斜された場合の気流の流跡ベクトルを示す断面図である。図5は、本発明に関連する横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、上流側及び下流側の連通口に遮蔽板が、フィルム面に垂直に設けられた構成を模式的に示す断面図である。図6は、本発明に関連する横延伸装置を構成する1つのゾーンの上方半分において、遮蔽板がフィルム面に垂直に設けられた場合の気流の流跡ベクトルを示す断面図である。
【0020】
図1から図4、及び図5、6に示すゾーンの構成において、フィルム3のフィルム面3aに空気を吹き付けるノズル5は、隣接するゾーン間を仕切る仕切壁7を構成する筐体6内に配置されている。図1及び図2に示すように、ノズル5は、吹出口8aを有する複数のプレナムダクト8を備えており、複数のプレナムダクト8がフィルム3の搬送方向に沿って間隔をあけて配置されている。
【0021】
図2に示すように、ゾーンの筐体6は、フィルム3の搬送方向の上流側及び下流側にそれぞれ配置された仕切壁7を有している。筐体6の仕切壁7は、隣接するゾーン同士を連通させる連通口10と、ゾーンの内側から外側に流出する空気を遮断する遮蔽板11と、を有している。遮蔽板11は、連通口10を通るフィルム3のフィルム面3aに向かって連通口10から延ばされて設けられている。
【0022】
図1に示すように、帯状のフィルム3は、搬送方向に直交する幅方向の両端が、クリップ13によって保持された状態で、フィルム3の長手方向に沿って搬送される。フィルム3は、ノズル5に対して搬送される間、所定の温度に制御された空気がフィルム面3aに対して垂直方向に吹き付けられる。
【0023】
ノズル5から吹き出された空気は、複数のプレナムダクト8の間を通って上方に流れてゾーンの外部に排出される。しかし、その空気の一部は、仕切壁7の連通口10を通って、ゾーンの内側から外側に流出し、隣接するゾーンに流れてしまう。あるいは、隣接するゾーンの筐体6から流出した空気が、連通口10を通ってゾーンの筐体6の内側に流入してしまう。このように、隣接するゾーンの間で互いに流入及び流出する空気が設定温度と異なる場合には、ゾーンの筐体6内の実際の温度と設定温度との間に差異が生ずる。特に、フィルム3が搬送されるときにフィルム3が空気を伴って移動することによって、ゾーンの内側から外側に流出する空気量が増えるので、ゾーンの設定温度との差異が更に大きくなる傾向にある。
【0024】
このように、隣接するゾーンの間を跨いで流れる空気量を減らすために、本発明に関連する横延伸装置が備える筐体6の仕切壁7には、図5に示すように、連通口10にフィルム面3aに対して垂直方向に遮蔽板31が設けられている。遮蔽板31によって、連通口10の開口断面積を小さくする対策が採られている。しかしながら、図6に示すように、ゾーンの内側から、連通口10の開口部付近に流れ込んできた空気は、遮蔽板31によってせき止められ、急激に行き場を失うので、遮蔽板31の下端とフィルム面3aとの間隙から、筐体6の外方に流出してしまう。特に、フィルム3の搬送速度が大きくなるのに従って、ノズル5から吹き出された空気もフィルム3の移動に伴って運ばれてしまうので、ゾーンの内側から外側に流出する空気量が更に多くなっていた。なお、図6はフィルム3が搬送方向に対して搬送速度が5m/秒で搬送される場合における気流解析の結果を示した図である。
【0025】
このような本発明に関連する構成に対して、本実施形態では、図2に示すように、フィルム面3aに対して傾斜された遮蔽板11が連通口10に設けられている。上流側及び下流側の各連通口10に設けられた遮蔽板11は、フィルム面3aに近接する先端としての下端が、フィルム3の搬送方向に対してゾーンの内側に向かうように、フィルム面3aに対して傾斜されている。このように遮蔽板11が傾斜されて設けられることで、図3に示すように、連通口10の開口部付近にノズル5側から流れ込んできた空気を、遮蔽板11の内面(筐体6の内側)に沿って上方に逃がすように作用する。このため、遮蔽板11の下端とフィルム面3aとの間隙から筐体6の外側に向かって流れる空気が抑制される。その結果、ゾーンの内側から外側に流出する空気量を低減することができる。
【0026】
なお、ゾーンの下方半分においても、仕切壁7の上流側及び下流側の各連通口10に、フィルム面3aに対して遮蔽板11が傾斜されて設けられている。すなわち、上流側及び下流側の各連通口10には、フィルム3の厚み方向における対向する位置に、一対の遮蔽板11が設けられている。
【0027】
フィルム面3aに対して遮蔽板11を傾斜させる傾斜角度に関して説明する。上流側の連通口10には、遮蔽板11の下流側の面が、フィルム面3aに対して鈍角をなすように遮蔽板11が設けられている。また、下流側の連通口10には、遮蔽板11の下流側の面が、フィルム面3aに対して鋭角をなすように遮蔽板11が設けられている。このように各遮蔽板11が傾斜されて設けられることによって、ゾーンの内側から外側に流出する空気を抑制する効果が顕著に得られる。図2及び図3において、上流側の連通口10における遮蔽板11の傾斜角度θが120°であり、下流側の連通口10における遮蔽板11の傾斜角度θが60°である。また、図3は、フィルム3の搬送方向に対する搬送速度が5m/秒である場合の気流解析の結果を示した図である。
【0028】
また同様に、図4に示す構造では、上流側の連通口10における遮蔽板11の傾斜角度θを135°に設定し、下流側の連通口10における遮蔽板11の傾斜角度θを45°に設定した。また、図4は、フィルム3の搬送方向に対する搬送速度が5m/秒である場合の気流解析の結果を示した図である。このような傾斜角度θをなす遮蔽板11である場合にも、連通口10の開口部付近に流れ込んできた空気を、遮蔽板11の内面に沿って上方に逃がすように作用し、隣接するゾーンに向かって流出する空気量を低減することができる。
【0029】
上述したように、本実施形態によれば、簡素な構造によって製造コストを増加させることなく、ゾーンの内側から外側に流出する空気を抑制することができる。その結果、フィルム3を処理する温度が異なるゾーン間における空気の流れを抑制することが可能になり、各ゾーンの温度を設定温度近傍に保つことができる。したがって、所定の設定温度でフィルム3の延伸を行えるので、所望の品質のフィルム3を得ることが可能になる。さらに、ゾーンを所望の温度に設定することができるので、ヒーターなどの加熱手段の出力を低く抑えることが可能になり、使用するエネルギーを削減することができる。
【0030】
なお、本発明における帯状のフィルムとしては、厚みが限定されるものではなく、いわゆるシートが適用されてもよいことは勿論である。
【実施例】
【0031】
本発明の効果を検証するために、汎用熱流体解析ソフトウエア(SolidWorks Flow Simulation)を用いて、ゾーンの内側からゾーンの外側へ流出する空気量を算出した。図2に示した構成において、ノズル5から吹き出す空気の流速は15m/秒に設定し、フィルム3の搬送速度としては、0m/分、300m/分、450m/分の3種類に設定した。遮蔽板11の傾斜角度θ(遮蔽板11における下流側の面とフィルム面3aとがなす角度)を、上流側の連通口10において120°に設定し、下流側の連通口10において60°に設定した第1の実施例と、上流側の連通口10において135°に設定し、下流側の連通口10において45°に設定した第2の実施例との2種類を行った。フィルム表面3aと遮蔽板11の先端との間隙における、フィルム面3aに垂直な距離を20mmに設定した。その結果を図7に示す。図7において、第1の実施例を実線で示し、第2の実施例を破線で示す。
【比較例】
【0032】
本発明との比較例として、図5に示した構成において、ノズル5から吹き出す空気の流速を15m/秒に設定し、フィルム3の搬送速度を、0m/分、300m/分、450m/分の3種類とした。遮蔽板31の傾斜角度θは、上流側及び下流側の連通口10において、共に90°に設定した。フィルム表面3aと遮蔽板31の先端との間隙における、フィルム面3aに垂直な距離を20mmに設定した。その結果を図7に示す。図7において、比較例を一点鎖線で示す。
【0033】
図7から明らかなように、本発明では、比較例と比べて、ゾーンの内側から外側に流出する空気量を15%〜50%程度低減することができた。特に、フィルム3の搬送速度が高い場合には、フィルム面3aに対して傾斜させた遮蔽板11を適用する効果が顕著であった。また、フィルム3の搬送速度が300m/分よりも高い場合には、遮蔽板11の傾斜角度θが60゜よりも小さい45゜に設定された第2の実施例の方が、第1の実施例に比べて、ゾーンの内側から外側に流出する空気量を小さくすることができた。
【符号の説明】
【0034】
1 横延伸装置
3 フィルム
3a フィルム面
6 筐体
7 仕切壁
10 連通口
11 遮蔽板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状のフィルムの長手方向に直交する幅方向の両端を保持した状態で前記フィルムを長手方向に搬送させながら、所定の温度の流体をフィルム面に吹き付けることによって前記フィルムを処理する複数の処理室を備え、前記流体の温度が異なる前記複数の処理室が、前記フィルムの搬送方向に沿って配置された、前記フィルムを前記幅方向に延伸する横延伸装置において、
前記処理室は、前記フィルムの搬送方向の上流側及び下流側に配置された仕切壁を有し、
前記仕切壁は、隣接する前記処理室同士を連通させる連通口と、前記連通口を通る前記フィルムの前記フィルム面に向かって前記連通口から延ばされ、前記処理室の内側から外側に流出する前記流体を遮断する遮蔽板と、を有し、
前記遮蔽板は、前記フィルム面に近接する先端が前記フィルムの搬送方向に対して前記処理室の内側に向かうように、前記フィルム面に対して傾斜されている、横延伸装置。
【請求項2】
前記連通口には、前記フィルムの厚み方向における対向する位置に、一対の前記遮蔽板が設けられている、請求項1に記載の横延伸装置。
【請求項3】
帯状のフィルムの長手方向に直交する幅方向の両端を保持した状態で前記フィルムを長手方向に搬送させながら、所定の温度の流体をフィルム面に吹き付けることによって複数の処理室で前記フィルムを処理する横延伸方法において、
前記流体の温度が異なる前記複数の処理室における、前記フィルムの搬送方向の上流側及び下流側に配置された仕切壁が有する遮蔽板であって、前記フィルムの前記フィルム面に向かって前記連通口から延ばされた前記遮蔽板によって、前記処理室の内側から外側に流出する前記流体を遮断し、
前記フィルム面に近接する先端が、前記フィルムの搬送方向に対して前記処理室の内側に向かうように、前記フィルム面に対して傾斜された前記遮蔽板を用いる、横延伸方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−167923(P2011−167923A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−33639(P2010−33639)
【出願日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】