説明

横形製袋充填機の供給コンベヤ

【課題】供給コンベヤの清掃等の保守作業を容易になし得る横形製袋充填機の供給コンベヤを提供する。
【解決手段】物品Wが載置される供給ベッド12,12は、本体部10の上方開放部Tを開閉自在に配設される。供給ベッド12,12の上方には、物品Wの幅方向両側部を案内可能な一対の物品ガイド32,32が、本体部10に配設した調節機構36に連繋されて幅方向の対向間隔を調節可能に構成される。調節機構36は、幅方向に延在して相互に反対方向に移動する取付部材38,38を備え、各取付部材38の本体部10から外側方に突出する端部に対応する物品ガイド32が回動可能に支持される。そして物品ガイド32は、供給ベッド12,12上の物品Wを案内可能な案内位置および該供給ベッド12,12の上方から側方に離間した開放位置の間を回動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、横形製袋充填機において物品をフィルムに向けて供給する供給コンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
横形製袋充填機は、製袋手段により筒状に成形された筒状フィルムに向けて物品を所定間隔毎に搬送する供給コンベヤを備えている。この供給コンベヤは、物品搬送面の下方に、物品を押送する押送部材を所定間隔毎に設けた無端チェンが走行自在に配設される。そして各押送部材が、物品搬送面における物品搬送ラインに沿って延在する細長のすき間を介して物品搬送面から上方へ突出した状態で移動し、物品搬送面上に載置された物品を筒状フィルムに向けて押送するようになっている。
【0003】
前記物品搬送面の上方には、各押送部材により物品搬送面上を押送される物品の左右側部を案内するための一対の物品ガイドが配設されている。各物品ガイドは、例えば特許文献1に記載されているように、供給コンベヤの物品搬送面より下方に配設したガイド調節機構に、物品搬送面となる供給ベッドに設けられた複数の案内開口部に挿通されたガイド支持部を介して連結されて、押送される物品の幅に応じて両物品ガイドの間隔を調節し得るようになっている。また、ガイド支持部における物品搬送面から突出する取付台部に対して物品ガイドは嵌脱自在に配設されて、必要に応じて取り外し得るよう構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4374543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
殊に食品等の包装に関しては、食品が直に接する供給コンベヤは衛生的な状態を維持することが求められており、横形製袋充填機においては、供給コンベヤ全体をアルコールや水等による洗浄、清掃作業が定期的に実施されている。特に供給コンベヤの前記供給ベッドや物品ガイドの物品との接触面が徹底した清掃がなされ、また、その清掃作業は品種が変更される都度実施される等、頻度の高いものとなっている。このようなことから、清掃をより手間なく簡便に行ない得るように改善された装置が求められている。
【0006】
前記特許文献1に開示の装置では、供給ベッドを清掃する際には供給ベッド上部に配置されている物品ガイドとのすき間に入り込んだ物品のカス等を排除することなどによって、物品ガイドを前記ガイド支持部から取り外して行なわれる。この場合において、物品ガイドを取り外した際に、供給ベッドには、ガイド支持部の移動範囲に対応した複数の案内開口部が存在し、供給ベッドの拭き掃除等においてはそれらが妨げとなって清掃作業に手間取るばかりでなく、取付台部や案内開口部を含めた清掃が必要になると共に、包装生産時における物品供給に際して物品から脱落したカスが物品ガイドとのすき間を経て前記案内開口部を介して供給コンベヤの内部に落下するため、その除去作業を含む清掃も行なう必要があり、清掃作業には手間が掛かり、長い作業時間を要するものとなっている。
【0007】
本発明は、前記した従来技術に係る供給コンベヤの清掃等の保守作業を容易になし得る横形製袋充填機の供給コンベヤを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、請求項1の発明に係る横形製袋充填機の供給コンベヤは、
供給コンベヤの側壁間の上方開放部を覆うように供給コンベヤにおける本体部の上部に配設され、物品搬送ラインに沿って延在するすき間を画成する供給ベッドと、
前記すき間を介して上方へ延出し、該供給ベッドに載置された物品を物品搬送ラインに沿って押送する押送部材と、
前記供給ベッドの上方に所定のすき間をもって配設され、前記押送部材で搬送される物品の側方を案内する案内面となる側板と天板とを有する一対の物品ガイドと、
前記本体部に設けられ、前記各物品ガイドを近接・離間移動する調節部と、
該調節部において前記側壁から一端を外方に突出し、物品搬送方向と交差する方向に移動する移動ロッドと、
前記物品ガイドを移動ロッドの突出端部に回動可能に支持する回動手段との夫々を備え、
前記物品ガイドは、前記供給ベッド上方の案内位置から本体部から離間した側方の開放位置まで回動可能に構成したことを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明では、前記供給ベッドは、前記上部開放部を覆って水平に臨む閉成位置と、上部開放部を開放する開放位置との間を回動可能に前記本体部へ支持する構成としたことを要旨とする。
【0010】
請求項3に係る発明では、前記供給ベッドおよび物品ガイドの夫々は、裏面側が表向きとなる姿勢まで回動し、開放位置でその姿勢を維持し得るよう構成したことを要旨とする。
【0011】
請求項4に係る発明では、前記物品ガイドにおける前記案内面寄りに位置して物品搬送方向に所定間隔毎に配設され、該物品ガイドの案内位置において前記供給ベッド上に載置される載置部を有するガイド部材を備え、該載置部には、供給ベッドに当接する回転体を設けたことを要旨とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る発明によれば、物品ガイドを供給ベッド上から移動させることで供給ベッドには突起物や穴等の清掃時における障害物が存在することなくフラットな面とすることができ、供給コンベヤの清掃時の作業性が改善され、作業時間も短縮し得る。また、清掃作業に際して物品ガイドの脱着作業を要することなく、清掃時における作業負荷も軽減し得る。
請求項2に係る発明によれば、清掃に際して脱着工具を使用することなく供給ベッドを回動するだけで上方開放部を開放することができ、供給ベッドのすき間から本体内部に落下するなどした食品カス等を除去する等の清掃作業を容易になし得る。
請求項3に係る発明によれば、物品ガイドおよび供給ベッドは、裏面側が表向きとなる姿勢とし得るので、各部材の裏面の清掃時において、作業者は立ち姿勢で視認しつつ楽な作業姿勢によって清掃することができると共に、清掃漏れ部の発生を防止し得る。
請求項4に係る発明によれば、物品ガイドの幅調節に際して回転体が供給ベッド上を転動するので、物品ガイドが供給ベッドに擦れることはなく、幅調節を軽負荷で実施し得ると共に、物品ガイドの調節位置に関わらずガイド部材によって物品ガイドと供給ベッドとのすき間を常に一定に保持し、また天板の水平姿勢が変化することなく維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施例に係る供給コンベヤを一部省略して示す平面図である。
【図2】実施例に係る供給コンベヤを一部省略して示す側面図である。
【図3】実施例に係る供給コンベヤのガイド調節機構を示す平面図である。
【図4】図1のA−A線断面図である。
【図5】図1のB−B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る横形製袋充填機の供給コンベヤにつき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例】
【0015】
図1および図2は、実施例に係る横形製袋充填機(以下、包装機と称す)の供給コンベヤの全体構成を示すものであって、供給コンベヤは、本体部10の上部空間を覆うように配設された供給ベッド12,12上に載置された物品Wを、無端チェン(無端索体)14に所定間隔毎に設けられた押送部材16を有する搬送体18によって製袋手段で成形された筒状フィルムに向けて搬送するよう構成される。前記本体部10は、物品搬送ラインLを挟んで幅方向に離間する一対の側壁20,22が、物品搬送方向に離間する複数の連結部材24を介して連結されており、両側壁20,22の間は、上方に開放されている。
【0016】
前記本体部10における前記両側壁20,22の間において上方に開放する上方開放部Tには、図3〜図5に示す如く、コンベヤに供給された物品Wを載置して搬送する供給ベッド12が、物品搬送方向に離間する回動支持部材としての複数のヒンジ26によって夫々回動可能に支持され、各供給ベッド12は、前記上方開放部Tを覆うように物品ラインLを挟む左右の領域を覆って水平に臨む閉成位置と、該閉成位置から180度反転してその裏面側が上方を向く姿勢となって上方開放部Tを開放する開放位置との間を回動するよう構成される。両供給ベッド12,12の閉成位置において、両供給ベッド12,12は、物品搬送ラインLに沿って該供給ベッド12,12から上方に延出して物品Wを搬送する押送部材16の延出通路となるすき間Sを挟んだ両側に位置決めされるように設けられている。また、すき間Sの下方には、前記押送部材16が配設された無端チェン14の下面に当接して、その走行を案内するガイドレール28が、無端チェン14の走行方向に向けて延在するよう配設されている。
【0017】
図1に示す如く、前記本体部10の対向する側壁20,22間には、物品搬送方向に離間して複数のスプロケット30が回動自在に配設され、これらスプロケット30に、無端チェン14が巻掛けられ、図示しない駆動モータによってスプロケット30を所定方向に回転駆動することで、無端チェン14が前記ガイドレール28上を上流側から下流側に向けて走行し、無端チェン14に所定間隔毎に配設された押送部材16によって物品Wを筒状フィルム中に搬送するよう構成される。
【0018】
前記供給ベッド12,12の上方には、図1または図4に示す如く、物品搬送ラインLを挟んで幅方向に対向する一対の物品ガイド32,32が搬送方向に所定長延在するように配設され、前記搬送体18で搬送される物品Wの幅方向の左右両側部を案内し得るよう位置調節可能に構成されている。各物品ガイド32は、前記供給ベッド12を覆い得る所定幅寸法の天板32aの外周縁から下方に延出する側板を備えた逆トレー状を呈する長尺の部材であって、物品搬送ラインLに臨む前記側板からなる側壁部が、前記押送部材16で支持されて搬送される物品Mの側面を案内する案内面32bとされる。なお、物品ガイド32は、図1に示すように、下流側の外側部が所定長さに亘って切欠かれて上流側より幅寸法が狭く設定されており、実施例では下流側に向かうにつれて幅寸法が段階的に狭くなる幅挟部が複数段(例えば2段)で形成されている。また物品ガイド32の天板32aは、作業者が物品Wを各押送部材間に供給する際の該物品Wの載置台として使用されるものであって、フラットな平面で形成されている。
【0019】
各物品ガイド32の外方端部側には、物品搬送方向に離間して複数の支持部材34が下方に向けて延設され、各支持部材34が本体部10に配設された調節機構36における移動ロッド38aに回動可能に支持されている。この調節機構36は、図3または図4に示す如く、幅方向に平行に延在する上下に離間した一対のラック40,40と、両ラック40,40の間に設けられて共通的に噛合するピニオン42とからなる調節部44を、物品搬送方向に離間して複数備えると共に、これら調節部44のピニオン42を正逆回転する操作部46を有する。
【0020】
各調節部44において前記各ラック40と一体で幅方向に移動する取付部材38は、幅方向に所定長さで延在して一端部が対応する側壁20,22から外方に突出する移動ロッド38aと、該ロッド38aの突出端部に位置調節自在に取り付けられて上方に延在するホルダ38bとから構成され、該ホルダ38bの延出端に、対応する側の物品ガイド32の支持部材34がヒンジ(回動手段)58によって夫々回動可能に支持される。そして、各物品ガイド32は、図4に示す如く、本体部10の外側方に臨むヒンジ58を中心として供給ベッド12の上方に略水平に臨む物品Wの案内位置と、各側壁20,22の外側方に移動した開放位置との間を回動するよう構成される。
【0021】
前記操作部46は、図3または図5に示す如く、前述した複数の連結部材24のうちの一つの連結部材24に、幅方向へ水平に延在するよう回動自在に配設された操作軸48を備え、該操作軸48は、その一方の端部が一方の側壁20から外方へ突出するよう配設されており、この操作軸48の突出端部に調節ハンドル50が配設される。また操作部46は、物品搬送ラインLに沿って延在するよう前記連結部材24に回動自在に支持された連結軸52を有し、該連結軸52に前記各調節部44のピニオン42が夫々配設されている。前記操作軸48における連結軸52の端部と交差する部位に、該連結軸52に配設されたウォームホイール54と噛合するウォームギヤ56が、該操作軸48と一体的に回転するよう配設される。そして、調節ハンドル50の回転操作に基づき、前記操作部46および各調節部44のギヤ伝達機構を介して一対の物品ガイド32,32が相互に近接・離間移動するよう構成される。物品ガイド32における支持部材34の配設位置の夫々には、図4に示す如く、前記天板32aの裏面側に位置し、支持部材34の取着部から物品ガイド32の案内面32bとなる側壁部に向けてガイド部材62が配設され、該ガイド部材62における前記案内面32b側の端部には、前記物品ガイド32の案内位置において供給ベッド12の上に当接する載置部64が配設される。該載置部64には、物品ガイド32の幅方向に離間する位置に、回転体としてのステンレス材からなる金属ローラ60が複数設けられている。そして、該ローラ60が供給ベッド12に載置された状態で、物品ガイド32における側板の下端と供給ベッド12との間に所定のすき間を形成すると共に、前記天板32aが略水平姿勢となるように支持する。
【0022】
また、前記ヒンジ26によって本体部10に回動可能に支持される供給ベッド12およびヒンジ58によって調節機構36に回動可能に支持される物品ガイド32は、閉成位置および案内位置に対して90度以上回動し、かつ前記案内面32bが上方を向く姿勢となる開放位置でその開放状態を維持し得るよう構成される。すなわち、各供給ベッド12の閉成位置や各物品ガイド32の案内位置において夫々表面側と反対面となる裏面が、開放位置において上向きとなる姿勢となる(図4または図5参照)。これにより、作業者が立った楽な姿勢で供給ベッド12および物品ガイド32の裏面側を目視しつつ清掃することができる。
【0023】
〔実施例の作用〕
次に、前述した実施例に係る横形製袋充填機の供給コンベヤの作用につき説明する。
【0024】
前記供給ベッド12,12を清掃する等の保守作業に際して、図4に二点鎖線で示す如く、前記各物品ガイド32は、ヒンジ58部の回動によって供給ベッド12の上方から本体部10の外側方に離間した開放位置に、その裏面が上向きで表側に向いた姿勢で臨む。物品ガイド32と調節機構36とは、本体部10の左右両外側方で夫々連繋されているから、供給ベッド12に、物品ガイド32と調節機構36とを連繋するための部材を挿通する開口部や供給ベッド12上に突出する連繋部材等によって、該供給ベッド12の清掃等の保守作業の妨げとなるものが存在しないので、保守作業に手間どることなく短時間で簡単に行なうことができる。
【0025】
前記本体部10の内部空間を清掃する場合は、図4に二点鎖線で示す如く、前記物品ガイド32を開放位置に維持したもとで、更に前記供給ベッド12をヒンジ26を中心として回動して開放位置に臨ませることで、本体部10の上方開放部Tが開放される。これにより、前記押送部材16の延出通路となるすき間Sから内部空間に落下した食品カス等を簡単に除去することができる。また、前記供給ベッド12および物品ガイド32は、閉成位置および案内位置から90度以上回動し、物品ガイド32の案内面32bが上方を向く姿勢となる開放位置において何れも裏面側が上向き姿勢となるので、該供給ベッド12および物品ガイド32の裏面側および物品ガイド32の案内面32bについて、作業者は立ち姿勢で上方から視認しながら清掃することができ、汚れの拭き残し等の清掃漏れ部が生ずるのを防止し得る。なお、物品ガイド32は、前記天板32aに対して略直交する支持部材34の下端が前記調節機構36の可動ロッド38aの端部に配設されたホルダ38bにヒンジ58によって回動可能に支持されるから、該ヒンジ58を中心として物品ガイド32を開放位置に回動した際には、天板32aは本体部10の外側方に大きく移動し、供給ベッド12の開閉を妨げることはない。
【0026】
前述したように、供給ベッド12および物品ガイド32は、本体部10および調節機構36に対して夫々工具を使用することなく手作業で回動し得るよう配設したから、清掃時等の保守に係る作業性が向上すると共に、本体部10および調節機構36から供給ベッド12および物品ガイド32を脱着する手間がなく、またその作業負荷を軽減し得る。すなわち、取り外した供給ベッド12や物品ガイド32の載置場所を確保したり、別の載置場所に載置した供給ベッド12や物品ガイド32が汚れる等の問題もなく、作業時間を短縮することができる。更に、供給コンベヤを清掃する際に供給ベッド12や物品ガイド32を開放位置に回動する作業は極めて簡単であるので、パートタイマ等の機械の取扱いに不慣れな作業者であっても、清掃作業を効率的かつ短時間で実施することができる。
【0027】
前記物品ガイド32,32は、前記案内位置において供給ベッド12,12の上部で前記ローラ60,60が物品搬送方向に向けて所定間隔離間する複数位置で供給ベッド12,12に載置されて該供給ベッド12,12との間にすき間を形成しており、前記調節ハンドル50の回転操作によってギヤ伝達機構を介して各調節部44において取付部材38,38を相互に反対方向に移動することで、ローラ60,60が供給ベッド12,12上を転動して両物品ガイド32,32の側板は供給ベッド12,12に擦れることなく供給ベッド12,12とのすき間を保持したもとで移動調節される。従って、前記天板32aの水平姿勢が維持される。また、ローラ60は、該物品ガイド32と前記調節部44とが連繋される支持部材34の取着側となる外方端部側から離間した前記案内面32b寄りとなる内方端部側に配設されているから、該物品ガイド32の支持側から隔てた端部側の荷重をローラ60で支持することができ、前記調節ハンドル50による調節操作力を軽負荷で操作することができる。
【0028】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得るものであって、例えば、以下のようにも変更実施可能である。
(1) 実施例では、移動ロッド38aの突出端部に設けたホルダ38bの上端部に、物品ガイド32における天板32aから延出する支持部材34をヒンジ58によって回動可能に支持するよう構成したが、例えばホルダ38bまたは支持部材34の何れかを省略し、天板32aまたは移動ロッド38aにヒンジ58を直接配設して物品ガイド32を回動可能に支持する構成等を採用し得る。
(2) 実施例では、回動手段として別部材のヒンジ58を用いたが、例えば移動ロッド38aの突出端部および物品ガイド32の一方に設けた突部を、他方に設けた凹部や孔に回動可能に嵌合する等、移動ロッド38aに対して物品ガイド32を回動可能に支持し得るその他公知の構成を採用し得る。
(3) 実施例では、物品ガイド32が案内位置から90度以上回動した開放位置においてその裏面側および案内面32bが上向きとなる姿勢となるよう構成したが、裏面側が内または外の側方を向いて案内面32bが外側方または下方を向く姿勢等、少なくとも裏面側が側方から上方に向く姿勢となり、物品ガイド32が本体部10から側方に離間するものであれば開放位置までの回動角度やそのときの姿勢等は制限されるものではない。
(4) 実施例では、供給ベッド12を閉成位置から180度反転した位置を開放位置としたが、閉成位置から開放位置までの回動角度はこれに限定されるものでなく、本体部10の上方開放部Tを開放し得る角度であれば、180度より小さくても大きくてもよい。
(5) 実施例では、ガイド部材62における載置部64の回転体としてステンレス材からなる金属ローラ60を用いたが、供給ベッド12上を転動可能な球状体等を採用してもよく、また材質もプラスチック、硬質ゴム等であってもよい。
また、載置部64として、供給ベッド12上に載置されて摺動するものであって、金属や低摩擦・耐摩耗性樹脂である各種エンジニアリングプラスチック材等を採用した構成とするものや、物品ガイド32を供給ベッド12に対してマグネットで浮かせる構成、更には物品ガイド32の回転部(回動手段)を回動制限機構として物品ガイド32が案内位置で水平姿勢となるよう保持する構成等、その他の種々の形態を採用し得る。
更に、ガイド部材62の配設位置と配設数について、実施例では物品ガイド32の支持部材34と同じ位置に複数配置したが、少なくとも物品ガイド32における天板32aの姿勢変化や供給ベッド12とのすき間の変化に影響のない適宜位置で所定数設けるようにすればよく、前記物品ガイド32の調節部44の付近に夫々設けることが、物品ガイド32の位置調節時における操作力の負荷軽減効果を最大限に得ることができるので最も好ましい。
(6) 実施例では、調節部44としてラック40とピニオン42とを用いる機構を採用したが、一対の物品ガイド32,32を相互に近接・離間移動し得る、例えばネジ軸やリンク機構等、その他の機構を採用し得る。
(7) 実施例では一対の物品ガイド32,32を相互に近接・離間移動して対向間隔を調節する構成を採用したが、各物品ガイドを夫々独立して個別に幅方向に移動する構成を採用することができる。
(8) 実施例では本体部10の上放開放部Tを開閉する供給ベッド12を本体部10へ回動可能に支持したが、該供給ベッド12をスライド自在に配設して上方開放部Tをスライド移動により開閉する構成を採用し得る。
(9) 実施例では押送部材16を無端チェン14に配設した場合で説明したが、押送部材16を配設するものとしては歯付きベルト等、その他の無端索体を採用することができ、採用する無端索体に応じて巻掛ける回転体(歯付きプーリ等)を用いればよい。
【符号の説明】
【0029】
10 本体部,12 供給ベッド,16 押送部材,20 側壁,22 側壁
32 物品ガイド,32a 天板,32b 案内面,38a 移動ロッド,44 調節部
58 ヒンジ(回動手段),60 ローラ(回転体),62 ガイド部材,64 載置部
L 物品搬送ライン,S すき間,T 上方開放部,W 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給コンベヤの側壁(20,22)間の上方開放部(T)を覆うように供給コンベヤにおける本体部(10)の上部に配設され、物品搬送ライン(L)に沿って延在するすき間(S)を画成する供給ベッド(12,12)と、
前記すき間(S)を介して上方へ延出し、該供給ベッド(12,12)に載置された物品(W)を物品搬送ライン(L)に沿って押送する押送部材(16)と、
前記供給ベッド(12,12)の上方に所定のすき間をもって配設され、前記押送部材(16)で搬送される物品(M)の側方を案内する案内面(32b)となる側板と天板(32a)とを有する一対の物品ガイド(32,32)と、
前記本体部(10)に設けられ、前記各物品ガイド(32,32)を近接・離間移動する調節部(44)と、
該調節部(44)において前記側壁(20,22)から一端を外方に突出し、物品搬送方向と交差する方向に移動する移動ロッド(38a)と、
前記物品ガイド(32)を移動ロッド(38a)の突出端部に回動可能に支持する回動手段(58)との夫々を備え、
前記物品ガイド(32)は、前記供給ベッド(12)上方の案内位置から本体部(10)から離間した側方の開放位置まで回動可能に構成した
ことを特徴とする横形製袋充填機の供給コンベヤ。
【請求項2】
前記供給ベッド(12)は、前記上部開放部(T)を覆って水平に臨む閉成位置と、上部開放部(T)を開放する開放位置との間を回動可能に前記本体部(10)へ支持する構成とした請求項1記載の横形製袋充填機の供給コンベヤ。
【請求項3】
前記供給ベッド(12)および物品ガイド(32)の夫々は、裏面側が表向きとなる姿勢まで回動し、開放位置でその姿勢を維持し得るよう構成した請求項2記載の横形製袋充填機の供給コンベヤ。
【請求項4】
前記物品ガイド(32)における前記案内面(32b)寄りに位置して物品搬送方向に所定間隔毎に配設され、該物品ガイド(32)の案内位置において前記供給ベッド(12)上に載置される載置部(64)を有するガイド部材(62)を備え、該載置部(64)には、供給ベッド(12)に当接する回転体(60)を設けた請求項1〜3の何れか一項に記載の横形製袋充填機の供給コンベヤ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−173622(P2011−173622A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39257(P2010−39257)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】