横方向のツインコネクタを有する側方撓曲性コンベヤチェーン
各々少くとも2つの横断方向の細長コネクタ(11a,11b)によって連結された複数の列(R1,R2,R3)として配置された複数のモジュラーリンク(14)から成る改良コンベアチェーン(10)が提供される。一実施形態では、これらのコネクタは、各列のリンク間に実質的に開放した、平面状の搬送表面を画定する。第1列の各リンク(14)は、隣接する列のリンクのスロット(28)に挿通されたコネクタのうちの第1コネクタ(11a)を受容するための孔を有するとともに、コネクタのうちの第2コネクタ(11b)を受容するための開放端(23a)と閉鎖端(23b)を有する受容部(22)を備えている。各列に挿通されたコネクタを有するこのチェーンは、長手方向の伸縮が可能であるとともに、カーブや屈曲部を円滑に通過するために側方に撓むことができ、しかも、常時、被搬送物品に対して完全で均一な支持を与える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンベヤ技術に関し、特に、横方向のツイン(対の)コネクタを有する側方撓曲性モジュラーリンク式コンベヤチェーン(以下、単に「チェーン」とも称する)に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤシステム(コンベヤー装置)は、近代的製造設備の一体的な一部分となっている。コンベヤシステムは、いろいろな製造及び包装工程を受けるために製造設備の異なる部所から部所へ物品を移送することが必要とされる食品加工業や物品包装業において特に有用である。例えば、食品製造業者においては、多くの場合、食品をベーキング(焼き加工)部所から最終包装のための位置へ搬送する必要がある。しかしながら、例えばパンやその他のベークト(焼かれた)食品のような食品の多くは、包装する前に冷却する必要がある。更にそれらの食品は、柔らかくて脆いことが多いので、損傷するのを回避するために製造設備を通しての搬送中特別な注意を必要とする。
【0003】
この点からみて、側方に反復して設けられたモジュラーリンクの列を有するコンベアチェーンは、実質的に閉鎖した(開放していない)搬送表面を呈するので、今日市場において最も高い評価を得ている。しかしながら、このような閉鎖表面は、最大限の量の空気流が搬送中の物品の下面に到達するのを妨げるので、コンベアの移動方向でみて下流にある部所で包装すべきベークト食品のような食品にとっては不都合となる場合がある。更に、閉鎖表面は、又、剥がれ落ちたパン、ケーキなどのかけらやくずの小片等を掃除するために例えばコンベアの下面ガード組立体(例えば、米国特許第6,000,529号参照)やフロアにまでコンベアチェーンを通して落下させることを妨げる。
【0004】
この問題を解決するための試みとして、コンベアチェーンの各1対の側部リンクの間にチェーンの全幅に亘って延長させた1対の横断方向ロッドを備えたチェーンコンベヤが提案されている。その1例が図1に示されている。このような従来技術のコンベアの搬送表面はなるほど開放してはいるが、横断ロッド間の間隔が開いているため比較的小さい物品を搬送するためには十分な支持を与えることができない。
【0005】
更に、多くの製造設備は、フロアスペースが限られているので、利用可能なスペースを有効利用することが至上命令である。従って、できる限り占有面積の小さいコンベアシステムを求める製造業者が益々増えてきている。そのためには(コンベアシステムの占有面積を小さくするためには)、コンベアチェーンは、製品をより長い走行距離に亙って、かつ、カーブを円滑に回って移送することができるものでなければならない。
【特許文献1】米国特許第6,000,529号
【特許文献1】米国特許第4,953,693号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、実質的に開放した搬送表面を有しているにもかかわらず、間隔を置いて配置されており、隣接するリンク列に係合したコネクタによって創生される開放搬送表面を通常ならば通り抜けてしまうか、あるいは、開放搬送表面内に引っ掛かってしまうような小さい物品をも含むいかなる物品に対しても支持を与えることができるコンベアチェーンを求める要望がある。そのようなコンベアチェーンは、又、曲がり角や湾曲部を円滑に通り抜けることができ、従って、製造設備が占めるフロア面積の大きさを節減することができるものであることが望ましい。その結果、特にベークト食品の搬送に使用した場合、能率と作業者の満足度という点で全体として大きな改善が達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面によれば、搬送方向に間隔を置いた列として配置された複数のリンクから成る側方撓曲性モジュラーリンクコンベアチェーンが提供される。少くとも第1列の各リンクには、孔が形成されており、少くとも第2列の各リンクには、第1列のリンクに嵌め合わされたときそれらのリンクの孔と整列するスロットが形成されている。第1列のリンクと第2列のリンクを相互に連結するために上記孔とスロットに挿通される第1細長コネクタを設ける。第1細長コネクタは、搬送方向に対して横断方向の寸法Aを有する。更に、横断方向の寸法Bを有する第2細長コネクタが第1列のリンク間に延設される。寸法Aは、寸法Bより長く、寸法Bの2倍以上の長さとすることができる。
【0008】
一実施形態においては、第1列の各リンクは、第2コネクタの一端を受容するための受容部を有する。この受容部は、開放端と閉鎖端を有する。更に、第1列の各リンクは、前記スロットを含む尖端部分と、1対の外方に拡開した脚部分と、該各脚部分に連結した足部分と、前記受容部を含む腕部分とから成る。各リンクは、更に、複数の尖端部分と、複数対の脚部分と、複数の足部分を有する構成としてもよい。
【0009】
第2列の各リンクは、尖端部分と、前記孔を含む1対の外方に拡開した脚部分と、該各脚部分に連結した足部分とから成る。更に、第2列の各リンクは、腕部分を含む構成とすることができ、各リンクの腕部分に第3の横断方向コネクタを受容するための受容部を設けることができる。
【0010】
一実施形態においては、各列のリンクは、チェーンをガイドレールに対して案内するのを助成するための内方に突出した耳片を有する垂下腕を含む構成とすることができる。第1列の各リンクの垂下腕は、前記第1コネクタを保持するための錠止耳片を受容するための開口を有する。いずれにしても、第1及び第2コネクタは、各列のリンク間にチェーンの搬送表面の少くとも一部分を画定する。
【0011】
本発明の第2側面によれば、搬送方向に間隔を置いた列として配置された複数のリンクから成る側方撓曲性モジュラーリンクコンベアチェーンが提供される。少くとも第1列の各リンクは、それぞれ間隔を置いて形成された第1及び第2孔を有し、少くとも第2列の各リンクには、第1列のリンクに嵌め合わされたときそれらのリンクの第1孔と整列するスロットが形成されている。第1列のリンクと第2列のリンクは、前記スロットと第1孔に係合する第1コネクタによって相互に連結され、第1コネクタから離隔させて第2コネクタが第1列の少くともリンクとリンクの間に延設される。更に、第1列のリンクの第2孔に挿通する第3コネクタが設けられる。
【0012】
一実施形態においては、第1列のリンクの第2孔は、スロットである、第3コネクタは、第3列のリンクに形成された第3孔及び第1列のリンクのスロットに挿通することができる。第1コネクタは、搬送方向に対して横断方向の寸法Aを有し、第2コネクタは、横断方向の寸法Bを有し、寸法A>Bとすることが好ましい。第3コネクタは、寸法Aに等しい寸法Cを有するものとすることができる。
【0013】
本発明の第3側面によれば、第1モジュラーリンクと第2モジュラーリンクから成るモジュラーリンクコンベアチェーンが提供される。第1モジュラーリンク及び第2モジュラーリンクは、各々、少くとも1つの尖端部分と、足部分と、尖端部分と足部分とを連結する1対の脚部分と、足部分から外方に突出しており、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えた腕部分を有する。第1コネクタは、第1モジュラーリンクと第2モジュラーリンクの脚部分を互いに連結し、第2コネクタは、第1リンクの受容部の開放端に受容される第1端と、第2リンクの受容部の開放端に受容される第2端を有する。
【0014】
一実施形態においては、各モジュラーリンクは、複数の尖端部分を有し、各尖端部分を1対の脚部分に連結させた構成とすることができる。実際には、第1尖端部分に連結した1対の脚部分の少くとも一方は、隣接する第2尖端部分の1対の脚部分の少くとも一方と共通の足部分を有する構成とすることができる。第1コネクタと第2コネクタは、実質的に平行にすることが好ましい。
【0015】
本発明の第4側面によれば、コンベアチェーンのためのモジュラーリンクが提供される。このモジュラーリンクは、尖端部分と、尖端部分から突出した1対の脚部分から成る。尖端部分は、横断方向に貫通した第1孔を有する。各脚部分は、足部分に終端しており、各足部分は、横断方向に貫通した第2孔を有する。又、該1対の足部分の一方から少くとも1つの腕部分が突出しており、腕部分は、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えている。
【0016】
一実施形態においては、第2腕部分が、1対の脚部分の他方に連結されており、受容部を有する。腕部分は、外方に拡開させることが好ましい。受容部は、チェーンに取り付けられたとき、第1孔からも、第2孔からも搬送方向に離隔している。
【0017】
第1孔は、細長スロットとすることができ、各々突出した1対の脚部分を有する複数の尖端部分を設けることができる。第1尖端部分に連結された第1脚部分は、第2尖端部分に連結された第2脚部分と同じ足部分に連結される。
【0018】
本発明の第5側面によれば、コンベアチェーンのためのモジュラーリンクが提供される。このモジュラーリンクは、尖端部分と、尖端部分から突出した1対の脚部分から成る。尖端部分は、横断方向に貫通した第1孔を有する。各脚部分は、足部分に終端しており、各足部分は、横断方向に貫通した第2孔を有する。又、該1対の足部分の一方から少くとも1つの腕部分が突出しており、腕部分は、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えている。受容部は、チェーンに取り付けられたとき、第1孔からも、第2孔からも搬送方向に離隔している。第1孔と第2孔と受容部とは、実質的に共平面(同一平面上に位置するもの)とすることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、添付図を参照して本発明の原理及び実施形態を詳しく説明する。
図2を参照すると、本発明のコンベヤチェーン10の一実施形態が示されている。チェーン10は、列として(図では3列R1,R2,R3が示されている)配置された複数の相互に連結されたモジュラーリンク14によって構成される。これらのリンク14は、搬送方向Lにも、搬送方向(長手方向)Lに対して横断方向Tにも互いに離隔されている。側方(横断方向即ち左右方向)に離隔した各対のリンク14は、少くとも2つの長さの異なる横断方向に延長したコネクタ11a,11bによって結合される。即ち、一方のコネクタは、他方のコネクタより横断方向でみて短い。図示の例では、第1コネクタ11aは、第2コネクタ11bの寸法Bより少くとも長い寸法Aを有する(即ち、A>B)。より好ましくは、寸法Aは、寸法Bの2倍より長い(即ち、A>2B)。以下に詳述するように、コネクタ11a,11b、多くの場合に望ましい実質的に開放した搬送表面12を提供するが、しかもなお、その搬送表面は、搬送方向Lの方向に比較的小さい寸法を有する物品に対してさえ完全な均一な支持を与えることができる表面である。
【0020】
図2に示されたチェーン10の実施形態に用いられたリンク14の詳細図を示す図3を参照して説明すると、チェーン10は、各々尖端部分16を有する側方に反復して設けられた複数のリンクセクションを含む。ここで、「側方に反復する」とは、同じものが側方に繰り返し並置されているという意味である。各尖端部分16から1対の脚部分18が好ましくは外方に拡開するように延長又は突出している。従って、この実施形態ではリンク14の側方に反復する各単一のセクションは、平面図でみてV形であり、側方(左右)に並ぶ1対のセクションは、実質的にW形をなす。尖端部分16と脚部分18の上面は、搬送すべき物品に係合しそれを支持するようになされている。
【0021】
各脚部分18は、足部分20を有している。足部分20は、通常、バレル(樽)形であり、やはり搬送すべき物品に係合しそれを支持することができる上面を有するものとすることができる。通常の構成では、このタイプのリンク14で形成されるチェーン10は、完全にリバーシブルであるが、通常は、尖端部分16がリンク14の先行端となり、足部分20が後行端となる。換言すれば、チェーン10は、通常は、図1に矢印Lで示される動作(搬送)方向に無端経路に沿って駆動されるが、反対方向にも駆動することができる。
【0022】
図4、5、5a及び5bを参照して説明すると、リンク14に設けられた各尖端部分16は、細長スロット28の形の第1開口又は第1孔を有する。更に、各脚部分18の足部分20には、穴30のような第2開口又は第2孔が形成されている。図2〜5に示される実施形態の場合のように多数の尖端部分16が設けられる場合、側方に隣接する尖端部分16のスロット28は同軸関係にあり、同様に側方に隣接する足部分20の穴30も同軸関係にある。
【0023】
図2に示されるように、チェーン10の両側にそれぞれ搬送方向Lに隔置した2つのリンク14を嵌め合わせる場合、第1コネクタ11aを後行リンク14の各尖端部分16のスロット28に通すとともに、後行リンク14の各足部分20の穴30に通す。かくして、搬送方向でみて前後に隣接する列R1とR2のリンク14は、互いに連結される。同様にして、各列R3、・・・Rnのリンクも順次に連結される。後述するように、リンク14の列R1、R2、R3、・・・Rn間の相対運動を可能にし、チェーン10の搬送方向の伸縮並びに、側方撓曲を可能にするために、コネクタ11aはスロット28内でその長手方向に移動自在であることが望ましい。
【0024】
第1コネクタ11aをこの位置に保持するために各リンク14の両外側部分に保持する。一実施形態においては、図5、5a、5bに示されるように、第1コネクタの保持は、各リンク14の最外方足部分即ち側部分24に垂下腕部分32を設け、この腕部分32に各足部分20の穴30と同軸をなす穴35を形成することによって達成される。穴35に第1コネクタ11aを挿入し、リンク14に形成されたスロット38内に一体的な錠止耳片36をコネクタ11aに対して横断方向に挿入する。図5a、5bに示されるように、錠止耳片36は、第1コネクタ11aの各端部に形成された対応する円周方向の切欠き40に係合するフォーク状突起39を備えたものとすることができる。好ましい実施形態では、錠止耳片36は、例えばナイロンのような弾性又は可撓性の材料で形成される。それによって、耳片36の突起39は、切欠き40内に弾発的に係止して確実に係合することができ、しかも、耳片36を容易に装着し、取り外すことができる。
【0025】
錠止耳片36は、スロット38の開放端部分に座置する解放用の偏り(心違い)ボタン42を有する。錠止耳片36のボタン42は、例えばメンテナンスや修理が必要になったとき、錠止耳片36を側部分24から取り外したり、取り付けたりするのを容易にする。具体的にいえば、ドライバーのようなブレード工具をボタン42にあてがっててこ作用を開始することができ、ドライバーのてこ作用で錠止耳片36を容易に取り外すことができる。錠止耳片36は、固有の弾性を有するので、突起39を切欠き40から離脱させることができる。錠止耳片36を再挿入するには、突起39をスロット38に向けて挿入し、耳片36の固有の弾性を突起39を切欠き40の勝りに弾発的に嵌めればよく、それによって、コネクタ11aの保持が確保される。
【0026】
本発明の一側面によれば、各リンク14は、更に、第2コネクタ11bと組み合わせるための追加の延長部分を含む。一実施形態では、この延長部分は、各リンク14の最内方足部分20から突出又は延長させた第2腕部分21の形とする。腕部分21は、好ましくは、各リンク14から内方に突出し、第2コネクタ11bの一端を受容するための受容部を含む。好ましい実施形態では、この受容部は、開放端23aと閉鎖端23bを有する「盲」ポケット22の形とする(図3参照)。
【0027】
図4から分かるように、ポケット22は、丸み付き先行面が得られるようにほぼD形の断面を有する腕部分21の一端に形成することが好ましい。腕部分21のこの端部は、ポケット22を各尖端部分16のスロット28からも、各足部分20の穴30からも搬送方向Lに離隔させるように配置される。各リンク14の受容部即ちポケット22、スロット28及び穴30は、平面状の搬送表面12を創生するように実質的に共平面とすることが好ましいが、尖端部分16、脚部分16及び足部分20の上面とは必ずしも共平面とする必要はない。
【0028】
ポケット22は、又、第2コネクタ11bとの相対回転を可能にするように第2コネクタ11bの端部の形状に合致する形状とすることが好ましい。ただし、第2コネクタ11bは、回転しないように固定することも可能である。例えば、第2コネクタ11bにキーを設け、ポケット22内に対応するキー溝(図示せず)を形成することによって、あるいは、反対に、ポケット22にキーを設け、第2コネクタ11bにキー溝を形成することによって第2コネクタ11bを固定することができる。
【0029】
第1コネクタ11aと第2コネクタ11bは、その構成や配置がどうであれ、通常の上底では、互いに実質的に平行であり、図2にみられるように、側方(左右)に離隔した側部リンク14と14の間に実質的に開放した搬送表面12を画定するように搬送方向に反復パターンで配列される。この搬送表面12は、被搬送製品(例えば、ブックバインディング、ベークト食品、冷凍食品等)の冷却を促進し、パンくず等の破片を収集するためにコンベアチェーンを透過して落下させることができる。この搬送表面12が開放構造であることは、又、小さい物品に対しても完全で均一な支持を与えるという要件を損なうことなく、清掃を容易にする利点をも提供する。
【0030】
以上の説明から分かるように、本発明に従って構成された上述のチェーン10は、長手方向の伸縮(伸長と圧縮)を受けることができるとともに、カーブや曲がり角を円滑に通り抜けるように側方にも撓むことができる。長手方向(搬送方向)の伸縮の場合、図6aを参照して説明すると、各2つの搬送方向に隣接する列、例えば後行列R1と先行列R2を構成するリンク14は、互いに離接する(離れたり、接近したりする)ことができる。これは、先行列R2のリンク14の各足部分の穴30に挿入された第1コネクタ11aが、後行列R1のリンク14の各尖端部分16のスロット28内で自由に運動することができることによるものである。先行列R2の第1コネクタ11aは、カテナリーを設ける必要性を排除することができることに加えて、後行列R1の第2コネクタ11bとの間の間隙を閉じる働きをもする。先に述べたように、各尖端部分16のスロット28の終端は、搬送方向Lにポケット22から離隔しているので、上記長手方向の伸縮運動中、隣接する列R1とR2の第1コネクタ11aと第2コネクタ11bの間になんら干渉は生じない。従って、実質的に円滑で効率的な伸縮が行われ、しかも、そのような伸縮は、チェーン10駆動する側そを調節することによってか(例えば、リンク14に噛合するスプロケットを担持した軸を駆動するための可変速モータを用いることによって)制御することができる。
【0031】
図6bは、本発明に従って構成された上述のチェーン10が、各尖端部分16に細長スロット28を設けた結果として、第1列R1のリンク14に挿入された第1コネクタ11aを隣接する第2列R2のリンク14に挿入された第2コネクタ11bに対して離接させて、側方にも撓むことができる態様を示す。ただし、この側方撓曲の際は、この(第2列R2のリンク14に挿入された)第2コネクタ11bの一端の方が他端よりもこの(第1列R1のリンク14に挿入された)第1コネクタ11aにより近くに接近する。第2コネクタ11bの他端は、リンク14がカーブの外側に沿って伸長する結果として、一端よりも第1コネクタ11aからより遠くに離れるからである。この場合も、通常、コネクタ11aと11bは、ポケット22とスロット28とが離隔しているので(図4参照)互いに接触することはない。
【0032】
再び図5、5a、5bを参照して説明すると、チェーン10の案内を助成するために、各リンク14は、更に、各垂下腕32から内方に突出したガイド耳片34を含む構成とすることができる。ガイド耳片34は、リンク14を隣接するガイド構造体G(図6b参照)上に保持し、望ましくないテンティング(tenting)を防止する。耳片34は、又、無端経路の戻り経路に沿ってチェーン10が逆転されたときチェーン10を支持するのを助成する。図5に示されるように、ガイド構造体に対する垂下腕32及び耳片36の係合表面には、固着の発生を防止するためにテーパーを付することができる。
【0033】
図7を参照すると、リンク14の変型実施形態が示されている。この実施形態では、単一の尖端部分16が設けられ、この尖端部分16は、2つの脚部分18に連結され、一方の脚部分18は、リンク14の側部分24をも画定する足部分20に連結され、他方の脚部分18は第2足部分20に連結される。この第2足部分20は、一端に受容部即ちポケット22を有する腕部分21に連結される。かくして、このリンク14も、やはり、第1及び第2コネクタ11a,11bを受容するとともに、隣接する列のリンク14の単一の尖端部分16に形成されたスロット(図7には示されていないが、図4参照)に通された第1コネクタをも受容することができる。
【0034】
図3を参照して説明すると、図3に点線Dで示されるように垂下腕32及び内方に突出した耳片34のないリンク14を構成することも可能である。そのようなリンク14は、線Dの左側の部分を構成する別個の側部ガイドリンク(参照番号は付されていない)に連結することができる。そのようなガイドリンクの一例は、本出願人の米国特許第4,953,693号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に記載されており、基本的に図5に示されている。
【0035】
特に幅広のチェーンが必要とされる場合には、チェーンの両側の側部リンク14の間で第1コネクタ11aと第2コネクタ11bに支持を与えることが望ましい場合がある。その目的のために、例えば図8に示されるような中間リンク50を用いることができる。この中間リンク50は、スロット(図示せず)を有する少くとも1つの尖端部分16と、1対の脚部分18と、各脚部分に連結された足部分20から成り、各足部分20から外方に突出させた腕部分21に受容部即ちポケット22を形成する。かくして、「第2」コネクタ11bを各ポケット22に受容させることができ、リンク14とリンク14の間に延長する第1即ち正規のコネクタ11aは、先に述べたように、足部分20に通す。もちろん、1つ以上の尖端部分16を設け、それに対応する数の脚部分18及び足部分20を設けることができる。
【0036】
リンク14は、任意の耐久性のある材料で形成することができるが、例えばUHMW(超高分子量)ポリエチレン、ポリプロピレン又はアセタールは、耐久性が高く、比較的軽量で安価であるため好ましい材料である。第1及び第2コネクタ11a,11bは、ステンレス鋼で形成することが好ましい。これらの材料を用いることにより、非常に丈夫なチェーン10を得ることができ、かつ、酸化しにくく、錆びにくいチェーンを得ることができるが、コネクタ11a,11b及びリンク14は、金属やその他のポリマーなど任意の材料で形成することができる。
【0037】
もちろん、使用中第2コネクタ11bが確実に保持された状態に維持されるように、第2コネクタ11bの寸法Bは、両側のポケット22の開放端23aと23aの間の距離を超えないようにすべきである(図2参照)。先に第1コネクタ11aを錠止した後チェーン10を完成する場合は、第2コネクタ11bの端部を挿入することができるように各リンク14の腕部分21を僅かに撓ませることができる。あるいは別法として、第2コネクタ11bを先にポケット22に挿入した後、第1コネクタ11aを取り付けるようにしてもよい。
【0038】
要約すれば、本発明は、製品の冷却を促進し、製品の破片の通過を可能にし、なおかつ、搬送中製品に対する十分で均一な支持を与える実質的に開放した搬送表面を有するコンベアチェーン10を提供する。この目的を達成するために、3つのコネクタ(即ち、後行列R1のリンク14の各足部分20の穴30に挿通する第1コネクタ11aと、その同じ後行列の両側のリンク14と14の間に延設する第2コネクタ11bと、同じ後行列のリンク14の各尖端部分のスロット28に挿通され、先行列R2のリンク14に連結する「もう1つの」第1コネクタ11a)を互いに連結されるリンク14の列R1とR2に係合させる。かくして得られたチェーン10は、ベークト食品のような物品を搬送するのに容易に適合させることができる。このチェーン10は、カーブや曲がり角を円滑に通過するために側方にも撓むことができるので、フロアスペースを節減することができるとともに、長手方向に伸縮することができるので、カテナリーを設ける必要性を排除することができる。
【0039】
以上、本発明を実施形態に関連して説明したが、本発明は、ここに例示した実施形態の構造及び形状に限定されるものではなく、いろいろな実施形態が可能であり、本発明の上述した教示に従っていろいろな変更及び改変を加えることができることを理解されたい。例えば、ポケット22の両端を開放してもよく、その場合は、第2コネクタ11bをポケットを貫通して挿通する。又、ポケット22の断面形状をC形とし、それに対応する第2コネクタ11bの端部をスナップ嵌め係合させるようにすることもできる。上述した各実施形態は、本発明の最適な適用例を示すためのものであり、当業者はここに開示された発明をいろいろな実施形態で利用することが可能であり、特定の用途に適合するようにいろろな改変が可能である。そのような改変及び変更は、本出願の請求項によって決定される発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、従来技術のコンベアチェーンの上からみた図である。
【図2】図2は、本発明の一部を構成するコンベアチェーンの一実施形態の上からみた図である。
【図3】図3は、図2のチェーンに用いられる1つのリンクの上からみた図である。
【図4】図4は、図3のリンクの側部立面図である。
【図5】図5は、単一の列のリンクに取り付けられたコネクタを保持するために錠止耳片を用いることができる態様を示す透視図である。図5aは、図5の正面からみた部分断面図である。図5bは、図5の側方からみた断面図である。
【図6】図6aは、チェーンが長手方向、即ち搬送方向に伸縮することができる態様を示す上からみた図である。図6bは、図6aのチェーンが、1対の隔置されたガイドレールによって画定されたカーブ又は湾曲部を通過する際にカーブ又は湾曲部を円滑に通過するために側方にも撓むことができる態様を示す上からみた図である。
【図7】図7は、図2〜4のリンクの変型実施形態を示す上からみた図である。
【図8】図8は、本発明の一側面を構成するチェーンに用いるためのリンクの別の実施形態の上からみた図である。
【符号の説明】
【0041】
10 コンベアチェーン、チェーン
11a,11b コネクタ
12 搬送表面
14 モジュラーリンク、リンク
16 尖端部分
16 脚部分
20 足部分
21 腕部分
22 ポケット
23b 閉鎖端
23a 開放端
24 側部分
28 細長スロット、スロット
30 穴
32 垂下腕、垂下腕部分、腕部分
34 ガイド耳片、耳片
35 穴
36 錠止耳片、耳片
38 スロット
39 フォーク状突起、突起
42 ボタン
50 中間リンク
A 寸法
B 寸法
C 寸法
D 点線
G ガイド構造体
L 搬送方向
R1,R2,R3 列
T 横断方向
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンベヤ技術に関し、特に、横方向のツイン(対の)コネクタを有する側方撓曲性モジュラーリンク式コンベヤチェーン(以下、単に「チェーン」とも称する)に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベヤシステム(コンベヤー装置)は、近代的製造設備の一体的な一部分となっている。コンベヤシステムは、いろいろな製造及び包装工程を受けるために製造設備の異なる部所から部所へ物品を移送することが必要とされる食品加工業や物品包装業において特に有用である。例えば、食品製造業者においては、多くの場合、食品をベーキング(焼き加工)部所から最終包装のための位置へ搬送する必要がある。しかしながら、例えばパンやその他のベークト(焼かれた)食品のような食品の多くは、包装する前に冷却する必要がある。更にそれらの食品は、柔らかくて脆いことが多いので、損傷するのを回避するために製造設備を通しての搬送中特別な注意を必要とする。
【0003】
この点からみて、側方に反復して設けられたモジュラーリンクの列を有するコンベアチェーンは、実質的に閉鎖した(開放していない)搬送表面を呈するので、今日市場において最も高い評価を得ている。しかしながら、このような閉鎖表面は、最大限の量の空気流が搬送中の物品の下面に到達するのを妨げるので、コンベアの移動方向でみて下流にある部所で包装すべきベークト食品のような食品にとっては不都合となる場合がある。更に、閉鎖表面は、又、剥がれ落ちたパン、ケーキなどのかけらやくずの小片等を掃除するために例えばコンベアの下面ガード組立体(例えば、米国特許第6,000,529号参照)やフロアにまでコンベアチェーンを通して落下させることを妨げる。
【0004】
この問題を解決するための試みとして、コンベアチェーンの各1対の側部リンクの間にチェーンの全幅に亘って延長させた1対の横断方向ロッドを備えたチェーンコンベヤが提案されている。その1例が図1に示されている。このような従来技術のコンベアの搬送表面はなるほど開放してはいるが、横断ロッド間の間隔が開いているため比較的小さい物品を搬送するためには十分な支持を与えることができない。
【0005】
更に、多くの製造設備は、フロアスペースが限られているので、利用可能なスペースを有効利用することが至上命令である。従って、できる限り占有面積の小さいコンベアシステムを求める製造業者が益々増えてきている。そのためには(コンベアシステムの占有面積を小さくするためには)、コンベアチェーンは、製品をより長い走行距離に亙って、かつ、カーブを円滑に回って移送することができるものでなければならない。
【特許文献1】米国特許第6,000,529号
【特許文献1】米国特許第4,953,693号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、実質的に開放した搬送表面を有しているにもかかわらず、間隔を置いて配置されており、隣接するリンク列に係合したコネクタによって創生される開放搬送表面を通常ならば通り抜けてしまうか、あるいは、開放搬送表面内に引っ掛かってしまうような小さい物品をも含むいかなる物品に対しても支持を与えることができるコンベアチェーンを求める要望がある。そのようなコンベアチェーンは、又、曲がり角や湾曲部を円滑に通り抜けることができ、従って、製造設備が占めるフロア面積の大きさを節減することができるものであることが望ましい。その結果、特にベークト食品の搬送に使用した場合、能率と作業者の満足度という点で全体として大きな改善が達成される。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面によれば、搬送方向に間隔を置いた列として配置された複数のリンクから成る側方撓曲性モジュラーリンクコンベアチェーンが提供される。少くとも第1列の各リンクには、孔が形成されており、少くとも第2列の各リンクには、第1列のリンクに嵌め合わされたときそれらのリンクの孔と整列するスロットが形成されている。第1列のリンクと第2列のリンクを相互に連結するために上記孔とスロットに挿通される第1細長コネクタを設ける。第1細長コネクタは、搬送方向に対して横断方向の寸法Aを有する。更に、横断方向の寸法Bを有する第2細長コネクタが第1列のリンク間に延設される。寸法Aは、寸法Bより長く、寸法Bの2倍以上の長さとすることができる。
【0008】
一実施形態においては、第1列の各リンクは、第2コネクタの一端を受容するための受容部を有する。この受容部は、開放端と閉鎖端を有する。更に、第1列の各リンクは、前記スロットを含む尖端部分と、1対の外方に拡開した脚部分と、該各脚部分に連結した足部分と、前記受容部を含む腕部分とから成る。各リンクは、更に、複数の尖端部分と、複数対の脚部分と、複数の足部分を有する構成としてもよい。
【0009】
第2列の各リンクは、尖端部分と、前記孔を含む1対の外方に拡開した脚部分と、該各脚部分に連結した足部分とから成る。更に、第2列の各リンクは、腕部分を含む構成とすることができ、各リンクの腕部分に第3の横断方向コネクタを受容するための受容部を設けることができる。
【0010】
一実施形態においては、各列のリンクは、チェーンをガイドレールに対して案内するのを助成するための内方に突出した耳片を有する垂下腕を含む構成とすることができる。第1列の各リンクの垂下腕は、前記第1コネクタを保持するための錠止耳片を受容するための開口を有する。いずれにしても、第1及び第2コネクタは、各列のリンク間にチェーンの搬送表面の少くとも一部分を画定する。
【0011】
本発明の第2側面によれば、搬送方向に間隔を置いた列として配置された複数のリンクから成る側方撓曲性モジュラーリンクコンベアチェーンが提供される。少くとも第1列の各リンクは、それぞれ間隔を置いて形成された第1及び第2孔を有し、少くとも第2列の各リンクには、第1列のリンクに嵌め合わされたときそれらのリンクの第1孔と整列するスロットが形成されている。第1列のリンクと第2列のリンクは、前記スロットと第1孔に係合する第1コネクタによって相互に連結され、第1コネクタから離隔させて第2コネクタが第1列の少くともリンクとリンクの間に延設される。更に、第1列のリンクの第2孔に挿通する第3コネクタが設けられる。
【0012】
一実施形態においては、第1列のリンクの第2孔は、スロットである、第3コネクタは、第3列のリンクに形成された第3孔及び第1列のリンクのスロットに挿通することができる。第1コネクタは、搬送方向に対して横断方向の寸法Aを有し、第2コネクタは、横断方向の寸法Bを有し、寸法A>Bとすることが好ましい。第3コネクタは、寸法Aに等しい寸法Cを有するものとすることができる。
【0013】
本発明の第3側面によれば、第1モジュラーリンクと第2モジュラーリンクから成るモジュラーリンクコンベアチェーンが提供される。第1モジュラーリンク及び第2モジュラーリンクは、各々、少くとも1つの尖端部分と、足部分と、尖端部分と足部分とを連結する1対の脚部分と、足部分から外方に突出しており、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えた腕部分を有する。第1コネクタは、第1モジュラーリンクと第2モジュラーリンクの脚部分を互いに連結し、第2コネクタは、第1リンクの受容部の開放端に受容される第1端と、第2リンクの受容部の開放端に受容される第2端を有する。
【0014】
一実施形態においては、各モジュラーリンクは、複数の尖端部分を有し、各尖端部分を1対の脚部分に連結させた構成とすることができる。実際には、第1尖端部分に連結した1対の脚部分の少くとも一方は、隣接する第2尖端部分の1対の脚部分の少くとも一方と共通の足部分を有する構成とすることができる。第1コネクタと第2コネクタは、実質的に平行にすることが好ましい。
【0015】
本発明の第4側面によれば、コンベアチェーンのためのモジュラーリンクが提供される。このモジュラーリンクは、尖端部分と、尖端部分から突出した1対の脚部分から成る。尖端部分は、横断方向に貫通した第1孔を有する。各脚部分は、足部分に終端しており、各足部分は、横断方向に貫通した第2孔を有する。又、該1対の足部分の一方から少くとも1つの腕部分が突出しており、腕部分は、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えている。
【0016】
一実施形態においては、第2腕部分が、1対の脚部分の他方に連結されており、受容部を有する。腕部分は、外方に拡開させることが好ましい。受容部は、チェーンに取り付けられたとき、第1孔からも、第2孔からも搬送方向に離隔している。
【0017】
第1孔は、細長スロットとすることができ、各々突出した1対の脚部分を有する複数の尖端部分を設けることができる。第1尖端部分に連結された第1脚部分は、第2尖端部分に連結された第2脚部分と同じ足部分に連結される。
【0018】
本発明の第5側面によれば、コンベアチェーンのためのモジュラーリンクが提供される。このモジュラーリンクは、尖端部分と、尖端部分から突出した1対の脚部分から成る。尖端部分は、横断方向に貫通した第1孔を有する。各脚部分は、足部分に終端しており、各足部分は、横断方向に貫通した第2孔を有する。又、該1対の足部分の一方から少くとも1つの腕部分が突出しており、腕部分は、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えている。受容部は、チェーンに取り付けられたとき、第1孔からも、第2孔からも搬送方向に離隔している。第1孔と第2孔と受容部とは、実質的に共平面(同一平面上に位置するもの)とすることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下に、添付図を参照して本発明の原理及び実施形態を詳しく説明する。
図2を参照すると、本発明のコンベヤチェーン10の一実施形態が示されている。チェーン10は、列として(図では3列R1,R2,R3が示されている)配置された複数の相互に連結されたモジュラーリンク14によって構成される。これらのリンク14は、搬送方向Lにも、搬送方向(長手方向)Lに対して横断方向Tにも互いに離隔されている。側方(横断方向即ち左右方向)に離隔した各対のリンク14は、少くとも2つの長さの異なる横断方向に延長したコネクタ11a,11bによって結合される。即ち、一方のコネクタは、他方のコネクタより横断方向でみて短い。図示の例では、第1コネクタ11aは、第2コネクタ11bの寸法Bより少くとも長い寸法Aを有する(即ち、A>B)。より好ましくは、寸法Aは、寸法Bの2倍より長い(即ち、A>2B)。以下に詳述するように、コネクタ11a,11b、多くの場合に望ましい実質的に開放した搬送表面12を提供するが、しかもなお、その搬送表面は、搬送方向Lの方向に比較的小さい寸法を有する物品に対してさえ完全な均一な支持を与えることができる表面である。
【0020】
図2に示されたチェーン10の実施形態に用いられたリンク14の詳細図を示す図3を参照して説明すると、チェーン10は、各々尖端部分16を有する側方に反復して設けられた複数のリンクセクションを含む。ここで、「側方に反復する」とは、同じものが側方に繰り返し並置されているという意味である。各尖端部分16から1対の脚部分18が好ましくは外方に拡開するように延長又は突出している。従って、この実施形態ではリンク14の側方に反復する各単一のセクションは、平面図でみてV形であり、側方(左右)に並ぶ1対のセクションは、実質的にW形をなす。尖端部分16と脚部分18の上面は、搬送すべき物品に係合しそれを支持するようになされている。
【0021】
各脚部分18は、足部分20を有している。足部分20は、通常、バレル(樽)形であり、やはり搬送すべき物品に係合しそれを支持することができる上面を有するものとすることができる。通常の構成では、このタイプのリンク14で形成されるチェーン10は、完全にリバーシブルであるが、通常は、尖端部分16がリンク14の先行端となり、足部分20が後行端となる。換言すれば、チェーン10は、通常は、図1に矢印Lで示される動作(搬送)方向に無端経路に沿って駆動されるが、反対方向にも駆動することができる。
【0022】
図4、5、5a及び5bを参照して説明すると、リンク14に設けられた各尖端部分16は、細長スロット28の形の第1開口又は第1孔を有する。更に、各脚部分18の足部分20には、穴30のような第2開口又は第2孔が形成されている。図2〜5に示される実施形態の場合のように多数の尖端部分16が設けられる場合、側方に隣接する尖端部分16のスロット28は同軸関係にあり、同様に側方に隣接する足部分20の穴30も同軸関係にある。
【0023】
図2に示されるように、チェーン10の両側にそれぞれ搬送方向Lに隔置した2つのリンク14を嵌め合わせる場合、第1コネクタ11aを後行リンク14の各尖端部分16のスロット28に通すとともに、後行リンク14の各足部分20の穴30に通す。かくして、搬送方向でみて前後に隣接する列R1とR2のリンク14は、互いに連結される。同様にして、各列R3、・・・Rnのリンクも順次に連結される。後述するように、リンク14の列R1、R2、R3、・・・Rn間の相対運動を可能にし、チェーン10の搬送方向の伸縮並びに、側方撓曲を可能にするために、コネクタ11aはスロット28内でその長手方向に移動自在であることが望ましい。
【0024】
第1コネクタ11aをこの位置に保持するために各リンク14の両外側部分に保持する。一実施形態においては、図5、5a、5bに示されるように、第1コネクタの保持は、各リンク14の最外方足部分即ち側部分24に垂下腕部分32を設け、この腕部分32に各足部分20の穴30と同軸をなす穴35を形成することによって達成される。穴35に第1コネクタ11aを挿入し、リンク14に形成されたスロット38内に一体的な錠止耳片36をコネクタ11aに対して横断方向に挿入する。図5a、5bに示されるように、錠止耳片36は、第1コネクタ11aの各端部に形成された対応する円周方向の切欠き40に係合するフォーク状突起39を備えたものとすることができる。好ましい実施形態では、錠止耳片36は、例えばナイロンのような弾性又は可撓性の材料で形成される。それによって、耳片36の突起39は、切欠き40内に弾発的に係止して確実に係合することができ、しかも、耳片36を容易に装着し、取り外すことができる。
【0025】
錠止耳片36は、スロット38の開放端部分に座置する解放用の偏り(心違い)ボタン42を有する。錠止耳片36のボタン42は、例えばメンテナンスや修理が必要になったとき、錠止耳片36を側部分24から取り外したり、取り付けたりするのを容易にする。具体的にいえば、ドライバーのようなブレード工具をボタン42にあてがっててこ作用を開始することができ、ドライバーのてこ作用で錠止耳片36を容易に取り外すことができる。錠止耳片36は、固有の弾性を有するので、突起39を切欠き40から離脱させることができる。錠止耳片36を再挿入するには、突起39をスロット38に向けて挿入し、耳片36の固有の弾性を突起39を切欠き40の勝りに弾発的に嵌めればよく、それによって、コネクタ11aの保持が確保される。
【0026】
本発明の一側面によれば、各リンク14は、更に、第2コネクタ11bと組み合わせるための追加の延長部分を含む。一実施形態では、この延長部分は、各リンク14の最内方足部分20から突出又は延長させた第2腕部分21の形とする。腕部分21は、好ましくは、各リンク14から内方に突出し、第2コネクタ11bの一端を受容するための受容部を含む。好ましい実施形態では、この受容部は、開放端23aと閉鎖端23bを有する「盲」ポケット22の形とする(図3参照)。
【0027】
図4から分かるように、ポケット22は、丸み付き先行面が得られるようにほぼD形の断面を有する腕部分21の一端に形成することが好ましい。腕部分21のこの端部は、ポケット22を各尖端部分16のスロット28からも、各足部分20の穴30からも搬送方向Lに離隔させるように配置される。各リンク14の受容部即ちポケット22、スロット28及び穴30は、平面状の搬送表面12を創生するように実質的に共平面とすることが好ましいが、尖端部分16、脚部分16及び足部分20の上面とは必ずしも共平面とする必要はない。
【0028】
ポケット22は、又、第2コネクタ11bとの相対回転を可能にするように第2コネクタ11bの端部の形状に合致する形状とすることが好ましい。ただし、第2コネクタ11bは、回転しないように固定することも可能である。例えば、第2コネクタ11bにキーを設け、ポケット22内に対応するキー溝(図示せず)を形成することによって、あるいは、反対に、ポケット22にキーを設け、第2コネクタ11bにキー溝を形成することによって第2コネクタ11bを固定することができる。
【0029】
第1コネクタ11aと第2コネクタ11bは、その構成や配置がどうであれ、通常の上底では、互いに実質的に平行であり、図2にみられるように、側方(左右)に離隔した側部リンク14と14の間に実質的に開放した搬送表面12を画定するように搬送方向に反復パターンで配列される。この搬送表面12は、被搬送製品(例えば、ブックバインディング、ベークト食品、冷凍食品等)の冷却を促進し、パンくず等の破片を収集するためにコンベアチェーンを透過して落下させることができる。この搬送表面12が開放構造であることは、又、小さい物品に対しても完全で均一な支持を与えるという要件を損なうことなく、清掃を容易にする利点をも提供する。
【0030】
以上の説明から分かるように、本発明に従って構成された上述のチェーン10は、長手方向の伸縮(伸長と圧縮)を受けることができるとともに、カーブや曲がり角を円滑に通り抜けるように側方にも撓むことができる。長手方向(搬送方向)の伸縮の場合、図6aを参照して説明すると、各2つの搬送方向に隣接する列、例えば後行列R1と先行列R2を構成するリンク14は、互いに離接する(離れたり、接近したりする)ことができる。これは、先行列R2のリンク14の各足部分の穴30に挿入された第1コネクタ11aが、後行列R1のリンク14の各尖端部分16のスロット28内で自由に運動することができることによるものである。先行列R2の第1コネクタ11aは、カテナリーを設ける必要性を排除することができることに加えて、後行列R1の第2コネクタ11bとの間の間隙を閉じる働きをもする。先に述べたように、各尖端部分16のスロット28の終端は、搬送方向Lにポケット22から離隔しているので、上記長手方向の伸縮運動中、隣接する列R1とR2の第1コネクタ11aと第2コネクタ11bの間になんら干渉は生じない。従って、実質的に円滑で効率的な伸縮が行われ、しかも、そのような伸縮は、チェーン10駆動する側そを調節することによってか(例えば、リンク14に噛合するスプロケットを担持した軸を駆動するための可変速モータを用いることによって)制御することができる。
【0031】
図6bは、本発明に従って構成された上述のチェーン10が、各尖端部分16に細長スロット28を設けた結果として、第1列R1のリンク14に挿入された第1コネクタ11aを隣接する第2列R2のリンク14に挿入された第2コネクタ11bに対して離接させて、側方にも撓むことができる態様を示す。ただし、この側方撓曲の際は、この(第2列R2のリンク14に挿入された)第2コネクタ11bの一端の方が他端よりもこの(第1列R1のリンク14に挿入された)第1コネクタ11aにより近くに接近する。第2コネクタ11bの他端は、リンク14がカーブの外側に沿って伸長する結果として、一端よりも第1コネクタ11aからより遠くに離れるからである。この場合も、通常、コネクタ11aと11bは、ポケット22とスロット28とが離隔しているので(図4参照)互いに接触することはない。
【0032】
再び図5、5a、5bを参照して説明すると、チェーン10の案内を助成するために、各リンク14は、更に、各垂下腕32から内方に突出したガイド耳片34を含む構成とすることができる。ガイド耳片34は、リンク14を隣接するガイド構造体G(図6b参照)上に保持し、望ましくないテンティング(tenting)を防止する。耳片34は、又、無端経路の戻り経路に沿ってチェーン10が逆転されたときチェーン10を支持するのを助成する。図5に示されるように、ガイド構造体に対する垂下腕32及び耳片36の係合表面には、固着の発生を防止するためにテーパーを付することができる。
【0033】
図7を参照すると、リンク14の変型実施形態が示されている。この実施形態では、単一の尖端部分16が設けられ、この尖端部分16は、2つの脚部分18に連結され、一方の脚部分18は、リンク14の側部分24をも画定する足部分20に連結され、他方の脚部分18は第2足部分20に連結される。この第2足部分20は、一端に受容部即ちポケット22を有する腕部分21に連結される。かくして、このリンク14も、やはり、第1及び第2コネクタ11a,11bを受容するとともに、隣接する列のリンク14の単一の尖端部分16に形成されたスロット(図7には示されていないが、図4参照)に通された第1コネクタをも受容することができる。
【0034】
図3を参照して説明すると、図3に点線Dで示されるように垂下腕32及び内方に突出した耳片34のないリンク14を構成することも可能である。そのようなリンク14は、線Dの左側の部分を構成する別個の側部ガイドリンク(参照番号は付されていない)に連結することができる。そのようなガイドリンクの一例は、本出願人の米国特許第4,953,693号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に記載されており、基本的に図5に示されている。
【0035】
特に幅広のチェーンが必要とされる場合には、チェーンの両側の側部リンク14の間で第1コネクタ11aと第2コネクタ11bに支持を与えることが望ましい場合がある。その目的のために、例えば図8に示されるような中間リンク50を用いることができる。この中間リンク50は、スロット(図示せず)を有する少くとも1つの尖端部分16と、1対の脚部分18と、各脚部分に連結された足部分20から成り、各足部分20から外方に突出させた腕部分21に受容部即ちポケット22を形成する。かくして、「第2」コネクタ11bを各ポケット22に受容させることができ、リンク14とリンク14の間に延長する第1即ち正規のコネクタ11aは、先に述べたように、足部分20に通す。もちろん、1つ以上の尖端部分16を設け、それに対応する数の脚部分18及び足部分20を設けることができる。
【0036】
リンク14は、任意の耐久性のある材料で形成することができるが、例えばUHMW(超高分子量)ポリエチレン、ポリプロピレン又はアセタールは、耐久性が高く、比較的軽量で安価であるため好ましい材料である。第1及び第2コネクタ11a,11bは、ステンレス鋼で形成することが好ましい。これらの材料を用いることにより、非常に丈夫なチェーン10を得ることができ、かつ、酸化しにくく、錆びにくいチェーンを得ることができるが、コネクタ11a,11b及びリンク14は、金属やその他のポリマーなど任意の材料で形成することができる。
【0037】
もちろん、使用中第2コネクタ11bが確実に保持された状態に維持されるように、第2コネクタ11bの寸法Bは、両側のポケット22の開放端23aと23aの間の距離を超えないようにすべきである(図2参照)。先に第1コネクタ11aを錠止した後チェーン10を完成する場合は、第2コネクタ11bの端部を挿入することができるように各リンク14の腕部分21を僅かに撓ませることができる。あるいは別法として、第2コネクタ11bを先にポケット22に挿入した後、第1コネクタ11aを取り付けるようにしてもよい。
【0038】
要約すれば、本発明は、製品の冷却を促進し、製品の破片の通過を可能にし、なおかつ、搬送中製品に対する十分で均一な支持を与える実質的に開放した搬送表面を有するコンベアチェーン10を提供する。この目的を達成するために、3つのコネクタ(即ち、後行列R1のリンク14の各足部分20の穴30に挿通する第1コネクタ11aと、その同じ後行列の両側のリンク14と14の間に延設する第2コネクタ11bと、同じ後行列のリンク14の各尖端部分のスロット28に挿通され、先行列R2のリンク14に連結する「もう1つの」第1コネクタ11a)を互いに連結されるリンク14の列R1とR2に係合させる。かくして得られたチェーン10は、ベークト食品のような物品を搬送するのに容易に適合させることができる。このチェーン10は、カーブや曲がり角を円滑に通過するために側方にも撓むことができるので、フロアスペースを節減することができるとともに、長手方向に伸縮することができるので、カテナリーを設ける必要性を排除することができる。
【0039】
以上、本発明を実施形態に関連して説明したが、本発明は、ここに例示した実施形態の構造及び形状に限定されるものではなく、いろいろな実施形態が可能であり、本発明の上述した教示に従っていろいろな変更及び改変を加えることができることを理解されたい。例えば、ポケット22の両端を開放してもよく、その場合は、第2コネクタ11bをポケットを貫通して挿通する。又、ポケット22の断面形状をC形とし、それに対応する第2コネクタ11bの端部をスナップ嵌め係合させるようにすることもできる。上述した各実施形態は、本発明の最適な適用例を示すためのものであり、当業者はここに開示された発明をいろいろな実施形態で利用することが可能であり、特定の用途に適合するようにいろろな改変が可能である。そのような改変及び変更は、本出願の請求項によって決定される発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、従来技術のコンベアチェーンの上からみた図である。
【図2】図2は、本発明の一部を構成するコンベアチェーンの一実施形態の上からみた図である。
【図3】図3は、図2のチェーンに用いられる1つのリンクの上からみた図である。
【図4】図4は、図3のリンクの側部立面図である。
【図5】図5は、単一の列のリンクに取り付けられたコネクタを保持するために錠止耳片を用いることができる態様を示す透視図である。図5aは、図5の正面からみた部分断面図である。図5bは、図5の側方からみた断面図である。
【図6】図6aは、チェーンが長手方向、即ち搬送方向に伸縮することができる態様を示す上からみた図である。図6bは、図6aのチェーンが、1対の隔置されたガイドレールによって画定されたカーブ又は湾曲部を通過する際にカーブ又は湾曲部を円滑に通過するために側方にも撓むことができる態様を示す上からみた図である。
【図7】図7は、図2〜4のリンクの変型実施形態を示す上からみた図である。
【図8】図8は、本発明の一側面を構成するチェーンに用いるためのリンクの別の実施形態の上からみた図である。
【符号の説明】
【0041】
10 コンベアチェーン、チェーン
11a,11b コネクタ
12 搬送表面
14 モジュラーリンク、リンク
16 尖端部分
16 脚部分
20 足部分
21 腕部分
22 ポケット
23b 閉鎖端
23a 開放端
24 側部分
28 細長スロット、スロット
30 穴
32 垂下腕、垂下腕部分、腕部分
34 ガイド耳片、耳片
35 穴
36 錠止耳片、耳片
38 スロット
39 フォーク状突起、突起
42 ボタン
50 中間リンク
A 寸法
B 寸法
C 寸法
D 点線
G ガイド構造体
L 搬送方向
R1,R2,R3 列
T 横断方向
【特許請求の範囲】
【請求項1】
側方に撓むことができるモジュラーリンク式コンベアチェーンであって、
搬送方向に間隔を置いた列として配置された複数のリンクから成り、少くとも第1列の各リンクには、孔が形成されており、少くとも第2列の各リンクには、第1列のリンクに嵌め合わされたときそれらのリンクの孔と整列するスロットが形成されており、
前記第1列のリンクと第2列のリンクを相互に連結するために前記孔とスロットに挿通された第1細長コネクタと、該第1列のリンクとリンクの間に延設された第2細長コネクタが設けられており、
前記第1細長コネクタは、搬送方向に対して横断方向の寸法Aを有し、前記第2細長コネクタは、横断方向の寸法Bを有し、寸法A>Bであることを特徴とするモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項2】
前記第1列の各リンクは、前記第2コネクタの一端を受容するための受容部を有する請求項1に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項3】
前記受容部は、開放端と閉鎖端を有する請求項2に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項4】
前記第1列の各リンクは、前記スロットを含む尖端部分と、1対の外方に拡開した脚部分と、該各脚部分に連結した足部分と、前記受容部を含む腕部分とから成る請求項2に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項5】
前記各リンクは、複数の尖端部分と、複数対の脚部分と、複数の足部分を有する請求項4に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項6】
前記第2列の各リンクは、尖端部分と、前記孔を含む1対の外方に拡開した脚部分と、該各脚部分に連結した足部分とから成る請求項4に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項7】
前記第2列の各リンクは、腕部分を含み、該腕部分は、第3の横断方向コネクタを受容するための受容部を有する請求項6に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項8】
前記寸法Aは、前記寸法Bの少くとも2倍以上の長さである請求項1に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項9】
各列のリンクは、該チェーンをガイドレールに対して案内するのを助成するための内方に突出した耳片を有する垂下腕を含む請求項1に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項10】
前記第1列の各リンクの垂下腕は、前記第1コネクタを所定位置に保持するための錠止耳片を受容するための開口を有する請求項9に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項11】
前記第1及び第2コネクタは、各列のリンク間に該チェーンの搬送表面の少くとも一部分を画定する請求項1に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項12】
側方に撓むことができるモジュラーリンク式コンベアチェーンであって、
搬送方向に間隔を置いた列として配置された複数のリンクから成り、少くとも第1列の各リンクには、互いに離隔した第1孔と第2孔が形成されており、少くとも第2列の各リンクには、第1列のリンクに嵌め合わされたときそれらのリンクの前記第1孔と整列するスロットが形成されており、
前記第1列のリンクと第2列のリンクを相互に連結するために前記スロットと第1孔に挿通された第1細長コネクタと、該第1列のリンクとリンクの間に第1コネクタから離隔して延設された第2細長コネクタが設けられており、
前記第1列のリンクの前記第2孔に挿通された第3コネクタが設けられていることを特徴とするモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項13】
前記第1列のリンクの前記第2孔は、スロットである請求項12に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項14】
前記第3コネクタは、第3列のリンクに形成された第3孔及び第1列のリンクの前記スロットに挿通されている請求項13に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項15】
前記第第1コネクタは、搬送方向に対して横断方向の寸法Aを有し、第2コネクタは、横断方向の寸法Bを有し、寸法A>Bである請求項12に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項16】
前記第3コネクタは、前記寸法Aに実質的に等しい寸法Cを有する請求項15に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項17】
第1モジュラーリンクと第2モジュラーリンクから成るモジュラーリンクコンベアチェーンであって、
前記第1モジュラーリンク及び第2モジュラーリンクは、各々、少くとも1つの尖端部分と、足部分と、該尖端部分と足部分とを連結する1対の脚部分と、該足部分から外方に突出しており、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えた腕部分を有し、
前記第1モジュラーリンクと第2モジュラーリンクの脚部分を互いに連結する第1コネクタと、
前記第1リンクの前記受容部の開放端に受容される第1端と、前記第2リンクの前記受容部の開放端に受容される第2端を有する第2コネクタが設けられていることを特徴とするモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項18】
前記各モジュラーリンクは、複数の尖端部分を有する請求項17に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項19】
前記各尖端部分は、1対の脚部分に連結されている請求項17に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項20】
第1尖端部分に連結した前記1対の脚部分の少くとも一方は、隣接する第2尖端部分の1対の脚部分の少くとも一方と共通の足部分を有する請求項17に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項21】
前記第1コネクタと第2コネクタは、実質的に平行である請求項17に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項22】
コンベアチェーンのためのモジュラーリンクであって、
尖端部分と、該尖端部分から突出した1対の脚部分から成り、該尖端部分は、横断方向に貫通した第1孔を有し、該1対の脚部分の各々は、足部分に終端しており、各足部分は、横断方向に貫通した第2孔を有し、1対の足部分の一方から少くとも1つの腕部分が突出しており、該腕部分は、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えていることを特徴とするモジュラーリンク。
【請求項23】
前記1対の脚部分の他方に連結された第2腕部分を有し、該第2腕部分は受容部を有する請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項24】
前記腕部分は、外方に拡開している請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項25】
前記受容部は、チェーンに取り付けられたとき、前記第1孔からも、前記第2孔からも搬送方向に離隔している請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項26】
前記第1孔は、細長スロットである請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項27】
各々突出した1対の脚部分を有する複数の尖端部分を含む請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項28】
第1尖端部分に連結された第1脚部分は、第2尖端部分に連結された第2脚部分と同じ足部分に連結されている請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項29】
コンベアチェーンのためのモジュラーリンクであって、
尖端部分と、該尖端部分から突出した1対の脚部分から成り、該尖端部分は、横断方向に貫通した第1孔を有し、該各脚部分は、足部分に終端しており、各足部分は、横断方向に貫通した第2孔を有し、1対の足部分の一方から少くとも1つの腕部分が突出しており、該腕部分は、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えており、該受容部は、チェーンに取り付けられたとき、前記第1孔からも、前記第2孔からも搬送方向に離隔していることを特徴とするモジュラーリンク。
【請求項30】
前記第1孔と前記第2孔と前記受容部とは、実質的に共平面である請求項29に記載のモジュラーリンク。
【請求項1】
側方に撓むことができるモジュラーリンク式コンベアチェーンであって、
搬送方向に間隔を置いた列として配置された複数のリンクから成り、少くとも第1列の各リンクには、孔が形成されており、少くとも第2列の各リンクには、第1列のリンクに嵌め合わされたときそれらのリンクの孔と整列するスロットが形成されており、
前記第1列のリンクと第2列のリンクを相互に連結するために前記孔とスロットに挿通された第1細長コネクタと、該第1列のリンクとリンクの間に延設された第2細長コネクタが設けられており、
前記第1細長コネクタは、搬送方向に対して横断方向の寸法Aを有し、前記第2細長コネクタは、横断方向の寸法Bを有し、寸法A>Bであることを特徴とするモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項2】
前記第1列の各リンクは、前記第2コネクタの一端を受容するための受容部を有する請求項1に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項3】
前記受容部は、開放端と閉鎖端を有する請求項2に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項4】
前記第1列の各リンクは、前記スロットを含む尖端部分と、1対の外方に拡開した脚部分と、該各脚部分に連結した足部分と、前記受容部を含む腕部分とから成る請求項2に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項5】
前記各リンクは、複数の尖端部分と、複数対の脚部分と、複数の足部分を有する請求項4に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項6】
前記第2列の各リンクは、尖端部分と、前記孔を含む1対の外方に拡開した脚部分と、該各脚部分に連結した足部分とから成る請求項4に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項7】
前記第2列の各リンクは、腕部分を含み、該腕部分は、第3の横断方向コネクタを受容するための受容部を有する請求項6に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項8】
前記寸法Aは、前記寸法Bの少くとも2倍以上の長さである請求項1に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項9】
各列のリンクは、該チェーンをガイドレールに対して案内するのを助成するための内方に突出した耳片を有する垂下腕を含む請求項1に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項10】
前記第1列の各リンクの垂下腕は、前記第1コネクタを所定位置に保持するための錠止耳片を受容するための開口を有する請求項9に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項11】
前記第1及び第2コネクタは、各列のリンク間に該チェーンの搬送表面の少くとも一部分を画定する請求項1に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項12】
側方に撓むことができるモジュラーリンク式コンベアチェーンであって、
搬送方向に間隔を置いた列として配置された複数のリンクから成り、少くとも第1列の各リンクには、互いに離隔した第1孔と第2孔が形成されており、少くとも第2列の各リンクには、第1列のリンクに嵌め合わされたときそれらのリンクの前記第1孔と整列するスロットが形成されており、
前記第1列のリンクと第2列のリンクを相互に連結するために前記スロットと第1孔に挿通された第1細長コネクタと、該第1列のリンクとリンクの間に第1コネクタから離隔して延設された第2細長コネクタが設けられており、
前記第1列のリンクの前記第2孔に挿通された第3コネクタが設けられていることを特徴とするモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項13】
前記第1列のリンクの前記第2孔は、スロットである請求項12に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項14】
前記第3コネクタは、第3列のリンクに形成された第3孔及び第1列のリンクの前記スロットに挿通されている請求項13に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項15】
前記第第1コネクタは、搬送方向に対して横断方向の寸法Aを有し、第2コネクタは、横断方向の寸法Bを有し、寸法A>Bである請求項12に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項16】
前記第3コネクタは、前記寸法Aに実質的に等しい寸法Cを有する請求項15に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項17】
第1モジュラーリンクと第2モジュラーリンクから成るモジュラーリンクコンベアチェーンであって、
前記第1モジュラーリンク及び第2モジュラーリンクは、各々、少くとも1つの尖端部分と、足部分と、該尖端部分と足部分とを連結する1対の脚部分と、該足部分から外方に突出しており、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えた腕部分を有し、
前記第1モジュラーリンクと第2モジュラーリンクの脚部分を互いに連結する第1コネクタと、
前記第1リンクの前記受容部の開放端に受容される第1端と、前記第2リンクの前記受容部の開放端に受容される第2端を有する第2コネクタが設けられていることを特徴とするモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項18】
前記各モジュラーリンクは、複数の尖端部分を有する請求項17に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項19】
前記各尖端部分は、1対の脚部分に連結されている請求項17に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項20】
第1尖端部分に連結した前記1対の脚部分の少くとも一方は、隣接する第2尖端部分の1対の脚部分の少くとも一方と共通の足部分を有する請求項17に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項21】
前記第1コネクタと第2コネクタは、実質的に平行である請求項17に記載のモジュラーリンク式コンベアチェーン。
【請求項22】
コンベアチェーンのためのモジュラーリンクであって、
尖端部分と、該尖端部分から突出した1対の脚部分から成り、該尖端部分は、横断方向に貫通した第1孔を有し、該1対の脚部分の各々は、足部分に終端しており、各足部分は、横断方向に貫通した第2孔を有し、1対の足部分の一方から少くとも1つの腕部分が突出しており、該腕部分は、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えていることを特徴とするモジュラーリンク。
【請求項23】
前記1対の脚部分の他方に連結された第2腕部分を有し、該第2腕部分は受容部を有する請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項24】
前記腕部分は、外方に拡開している請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項25】
前記受容部は、チェーンに取り付けられたとき、前記第1孔からも、前記第2孔からも搬送方向に離隔している請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項26】
前記第1孔は、細長スロットである請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項27】
各々突出した1対の脚部分を有する複数の尖端部分を含む請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項28】
第1尖端部分に連結された第1脚部分は、第2尖端部分に連結された第2脚部分と同じ足部分に連結されている請求項22に記載のモジュラーリンク。
【請求項29】
コンベアチェーンのためのモジュラーリンクであって、
尖端部分と、該尖端部分から突出した1対の脚部分から成り、該尖端部分は、横断方向に貫通した第1孔を有し、該各脚部分は、足部分に終端しており、各足部分は、横断方向に貫通した第2孔を有し、1対の足部分の一方から少くとも1つの腕部分が突出しており、該腕部分は、開放端と閉鎖端を有する受容部を備えており、該受容部は、チェーンに取り付けられたとき、前記第1孔からも、前記第2孔からも搬送方向に離隔していることを特徴とするモジュラーリンク。
【請求項30】
前記第1孔と前記第2孔と前記受容部とは、実質的に共平面である請求項29に記載のモジュラーリンク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図5a】
【図5b】
【図6a】
【図6b】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2007−513849(P2007−513849A)
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−543802(P2006−543802)
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/029595
【国際公開番号】WO2005/061349
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(500240553)スパン テック エルエルシー (6)
【住所又は居所原語表記】1115 CLEVELAND AVENUE P.O.BOX 369 GLASGOW,KENTUCKY 42142 USA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月13日(2004.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2004/029595
【国際公開番号】WO2005/061349
【国際公開日】平成17年7月7日(2005.7.7)
【出願人】(500240553)スパン テック エルエルシー (6)
【住所又は居所原語表記】1115 CLEVELAND AVENUE P.O.BOX 369 GLASGOW,KENTUCKY 42142 USA
【Fターム(参考)】
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