説明

横軸ポンプ、ポンプゲート設備、排水機場

【課題】吸込側水路又は水槽の低水位まで排水が可能で、且つ水流方向の長さを短くでき、更に空気吸込渦や水中渦の発生を抑制できる横軸ポンプ、該横軸ポンプを用いたポンプゲート設備、排水機場を提供すること。
【解決手段】ポンプケーシング1内にポンプ羽根車2及びモータ3を内蔵した横軸ポンプにおいて、モータ3の下流側にポンプ羽根車2を配置すると共に、ポンプケーシング1内の流路にはポンプ羽根車2よりも上流側に整流板4を、ポンプ羽根車3の下流側にガイドベーン5を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンプゲート設備等に用いる横軸ポンプに関し、特にモータの下流側にポンプ羽根車を配置した構成の横軸ポンプ、該横軸ポンプを用いたポンプゲート設備、排水機場に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図1はポンプゲート設備を備えた排水設備の構成例を示す図で、図1(a)は平面図、図1(b)は側断面図である。100は本川101の堤防であり、該堤防100を貫通して支川の自然流下水路102に連通する樋管103が配設されており、該樋管103の下流端部には川表ゲート104が配設されている。樋管103の上流端部には吐出水槽105が配設され、該吐出水槽105の上流側にはポンプゲート設備110が配置されている。自然流下水路102のポンプゲート設備110より上流側には自動除塵機106が配置され、自然流下水路102を通って流れてくる塵芥はこの自動除塵機106で捕集され、引き上げられ、コンベア107により所定の位置に搬送される。108は引上機であり、自動除塵器106を使用しない時は自然流下水路102から引き上げておくためのものである。
【0003】
上記構成の排水設備において、ポンプゲート設備110の扉体111は通常上昇して開放状態であり、中小河川の水は自然流下水路102及び樋管103を通って自然流下で主流の本川101に流れ込む。台風や夏季の集中豪雨などで本川101の水位が上昇した場合、本川101から樋管103及び自然流下水路102を通って中小河川へ逆流が発生する。逆流が発生すると中小河川が氾濫し隣接している住宅や工業団地等の居住地帯に浸水する。
【0004】
このような事態を防止するため、ポンプゲート設備110の扉体111を閉じる。しかし扉体111を閉じた状態では、中小河川付近に雨が降ると、雨水により、中小河川の水位が上昇し、やはり居住地帯に浸水する。そこでポンプゲート設備110の扉体111を閉じた状態で、中小河川の雨水を本川101に排水するために、ポンプゲート設備110のポンプ(横軸ポンプ)112を運転し、中小河川から自然流下水路102に流入する水を吐出水槽105に排水し、樋管103を通して本川101に排水している。
【0005】
図2は上記ポンプゲート設備110の扉体111に据え付けた横軸ポンプ112の構成例を示す図である。横軸ポンプ112は図示するように、ポンプケーシング113内にポンプ羽根車(ポンプインペラ)114、ガイドベーン115、モータ116が上流側から下流側に順次配置され、ポンプケーシング113の上流側先端に吸込カバー117が設けられている。吸込カバー117は全体が上流側下方に向かって傾斜しており、吸込口117aの開口面が水流方向に対して所定角度で上流側下方に向かって傾斜した構成である。なお、118はポンプケーシング113の吐出口に設けられたフラップ弁(逆止弁)である。横軸ポンプ112は支持部材119を介してゲート扉体111に取付けられ、該フラップ弁118は扉体111内部に収められている。
【特許文献1】特開2002−303292号公報
【特許文献2】特開2003−003450号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記ポンプゲート設備において、吸込側水路130(図1の自然流下水路102)の低い水位まで排水を可能にするためには、吸込カバー117を吸込側水路130の上流側下方に傾斜させて吸込口117aの開口上部を低くする必要がある。しかしながら、ポンプ羽根車114部分の流路は、流体の性質上偏りがないこと、即ちポンプケーシング113が傾いていないことが好ましい。従来のポンプゲート設備における横軸ポンプは、上記のように吸込側水路130の低い水位まで排水を可能にするために、ポンプ羽根車114部分のポンプケーシング113は傾斜させず、該ポンプケーシング113をポンプ羽根車114より上流側まで伸ばし、その端部に上流側下方に傾斜させた吸込カバー117を取付ける構造となっている。そのため、横軸ポンプ112がゲート扉体111から上流側に突き出す距離が大きくなる(全長が長くなる)要因の一つとなっている。
【0007】
また、図3に示すように、ポンプの吸込側の水位(吸水路水位)が高い場合はポンプの実揚程は小となり、安定領域Iの運転となり、空気吸込渦等が発生することはない。ポンプの吸込側の水位が低い場合には実揚程が大となり、ポンプは不安定領域II(小水量領域)の運転となり、吸込カバー117の没水深が浅い部分で空気吸込渦が発生し、ポンプ羽根車114の部分に水の逆流が発生する。これらの空気吸込渦や水の逆流が発生すると横軸ポンプ112の振動や騒音の発生原因、及び排水能力低下の原因となる。
【0008】
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、低い水位まで排水が可能で、且つ水流方向の長さを短くでき、更に空気吸込渦や水中渦の発生を抑制できる横軸ポンプ、該横軸ポンプを用いたポンプゲート設備、排水機場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため請求項1に記載の発明は、ポンプケーシング内にポンプ羽根車及び該ポンプ羽根車を駆動するモータを内蔵した横軸ポンプにおいて、前記モータの下流側にポンプ羽根車を配置すると共に、前記ポンプケーシング内の流路には前記ポンプ羽根車よりも上流側に整流板を、前記ポンプ羽根車の下流側にガイドベーンを設けたことを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、ポンプケーシング内にポンプ羽根車及び該ポンプ羽根車を駆動するモータを内蔵した横軸ポンプにおいて、前記モータの下流側にポンプ羽根車を配置し、前記ポンプケーシング内の流路には、前記ポンプ羽根車よりも上流側に整流板を、前記ポンプ羽根車の下流側にガイドベーンを設けると共に、吸込カバーの吸込開口部の上端部が該吸込カバーの取付け部上端より下方に位置するようになっており、前記整流板は吸込み水流の偏流を抑制するような角度をなした形状であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の横軸ポンプにおいて、前記ポンプケーシングの上下部付近に設けられた整流板は水流と並行に設けられ、該ポンプケーシングの両側面付近に設けられた整流板は吸込み水流の偏流を抑制するような角度をなして設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、ポンプケーシング内にポンプ羽根車及び該ポンプ羽根車を駆動するモータを内蔵した横軸ポンプにおいて、前記モータの下流側に前記ポンプ羽根車を配置すると共に、吸込カバーの吸込開口部の上部が、該吸込カバー取付け部上端より下方に位置するようになっており、前記モータのフレームが前記吸込カバーに接触しているか又は該吸込カバーを貫通していることを特徴とする。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の横軸ポンプにおいて、前記モータのケーブルは、前記モータフレームが前記吸込カバーに接触している部分又は前記モータフレームが該吸込カバーを貫通している部分から取り出すことを特徴とする。
【0014】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の横軸ポンプにおいて、前記吸込カバーに空気吸込渦及び/又は水中渦を抑制する渦抑制手段を設けたことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明は、吸込側水路を開閉する扉体を具備するゲートに横軸ポンプを配置した構成のポンプゲート設備において、前記横軸ポンプに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の横軸ポンプを用いることを特徴とする。
【0016】
請求項8に記載の発明は、固定式の横軸ポンプを備えた排水機場において、前記横軸ポンプに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の横軸ポンプを用いることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明によれば、モータの下流側にポンプ羽根車を配置するので、モータが位置する部分の流路は偏ってもポンプの特性には問題がないから、ポンプケーシングの端部に上流側下方に傾斜した吸込カバーを取り付け、モータを該吸込カバー内にはみ出して位置させることができ、吸込カバーの吸込み開口部上端を低くし吸込み水位を下げることができると共に、ポンプケーシングの全長を短くできる。よって、低い水位まで排水が可能で、全長の短い横軸ポンプを提供できる。
【0018】
請求項2に記載の発明によれば、吸込カバーの吸込開口部上端部が該吸込カバーの取付け部上端より下方に位置するようになっているから、更に吸込み水位を下げることができる。また、整流板は吸込み偏流を抑制するような角度をなした形状であるから、ポンプ羽根車に流入する水は整流されてまっすぐに流入する。また、ポンプ羽根車から吐き出された水流の旋回成分はポンプ羽根車の下流側に設けたガイドベーンで除去される。よって、低い水位まで排水が可能で、全長の短い横軸ポンプを提供できる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、ポンプケーシングの両側面付近に設けられた整流板は偏流を抑制するような角度をなして設けられているので、吸込カバーの吸込開口部に下方から角度をもって流入する水流は整流されポンプ羽根車にまっすぐに流入する。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、モータの下流側にポンプ羽根車を配置する共に、吸込カバーの吸込開口部の上端部が、該吸込カバー取付け部上端より下方に位置するようになっており、モータフレームが吸込カバーに接触しているか又は該吸込カバーを貫通しているので、吸込み水位をさらに下げることができると共に、ポンプケーシングの全長を短くできる。よって、低い水位まで排水が可能で、全長の短い横軸ポンプを提供できる。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、モータのケーブルは、モータフレームが吸込カバーに接触している部分又はモータフレームが該吸込カバーを貫通している部分から取り出すので、従来のようにモータケーブルをポンプケーシング内の流水中を通すことがなく、モータケーブルが流水により振動するのを防止する振動防止保護管等を設ける必要がなく、その分ポンプケーシング内を小さくできポンプをよりコンパクトに構成できる。また、ポンプケーシング内の流路断面積が広くなるので、損失が小さくなる。
【0022】
請求項6に記載の発明によれば、吸込カバーに空気吸込渦及び/又は水中渦を抑制する渦抑制手段を設けたので、振動、騒音、排水能力の低下の原因となる空気吸込渦及び/又は水中渦を抑制(防止)できる。よって、請求項1乃至5に記載の発明が有する効果に加え、振動、騒音がなく吸込み水位が下がっても排水能力の低下しない横軸ポンプを提供できる。
【0023】
請求項7に記載の発明によれば、ポンプゲート設備の横軸ポンプに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の横軸ポンプを用いるので、水位が低下しても振動、騒音、及び排水能力の低下のないポンプゲート設備を提供できる。また、ポンプへの近寄流速を速くすることができることから、吸込側水路の幅を小さくでき、設備をコンパクトに構成できる。
【0024】
請求項8に記載の発明によれば、排水機場の横軸ポンプに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の横軸ポンプを用いるので、振動、騒音が小さく、吸込側水路の水位が低下しても排水流量の低下のない排水機場を提供できる。また、ポンプへの近寄流速を速くすることができることから、吸込水槽を小さくでき、設備をコンパクトに構成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態例を図面に基づいて説明する。図4は本発明に係る横軸ポンプの構成例を示す図である。本横軸ポンプはポンプケーシング1を備え、該ポンプケーシング1内にポンプ羽根車2とその上流側に該ポンプ羽根車2を回転駆動させるモータ3が配置されている。また、ポンプケーシング1内の流路にはポンプ羽根車2の上流側にモータ3との間に整流板4が配置され、更にポンプ羽根車2の下流側にガイドベーン5が配置されている。また、ポンプケーシング1の吐出口にはフラップ弁6が設けられている。また、モータ3はそのフレームがポンプケーシング1の上流側端部から上流側にはみ出している。ポンプケーシング1の上流側端部に吸込側水路20の上流側下方に傾斜する吸込カバー7が取付けられ、モータ3のフレームの上部は吸込カバー7の内面に接触している。
【0026】
上記のように、モータ3をポンプ羽根車2より上流側に配置し、吸込カバー7をその内面がモータ3のフレーム上部に接触するまで吸込側水路20の上流側下方に傾斜させて取付けることにより、吸込カバー7とポンプケーシング1の上流側端部とで形成する吸込開口の上端部が低くなり、吸込水位を低くすることができると共に、ポンプケーシング1の長さに吸込カバー7の長さを加えた横軸ポンプの全長を短くできる。モータ3を起動しポンプ羽根車2を回転させることにより、吸込側水路20から矢印Aに示すように上記吸込開口を通って吸込まれた水はポンプケーシング1内の流路に配置された整流板4を通って整流されながら吸込まれ、ポンプ羽根車2及びガイドベーン5を通って、ポンプケーシング1の吐出口から、フラップ弁6を押し開放して排出される。
【0027】
図5は本発明に係る横軸ポンプの他の構成例を示す図である。同図に示す本横軸ポンプが図4に示す横軸ポンプと異なる点は、モータ3のフレームの上部が吸込カバー7を貫通し、外側に突出している点であり、このモータフレームの貫通突出部にモータケーブルを取付けるケーブル端子部8を設けている点である。このようにモータ3のフレーム上部を吸込カバー7を貫通させることにより、吸込カバー7をさらに吸込側水路20の上流側下方に傾斜させることができ、吸込水位を下げることができると共に、横軸ポンプの全長を更に短くできる。
【0028】
また、モータ3のフレームの貫通突出部にケーブル端子部8を設けることにより、従来のようにモータケーブルをポンプケーシング1内の流水中を通すことがなく、モータケーブルが流水により振動するのを防止する振動防止保護管等を設ける必要がない。それに伴い、モータケーブル取り出しに要したポンプケーシング1内のスペースを省くことができ、横軸ポンプをよりコンパクトに構成できる。また、従来の横軸ポンプのモータケーブルをモータのポンプ羽根車側から取り出す構成の場合、例えば整流板の間を通すように構成するため、整流板が太くなり、その分流路断面積が狭くなってしまうので、流速が速くなりロスが大きくなってしまうという問題があるが、ここではモータフレームの貫通突出部に取付けたケーブル端子部8を介してモータケーブルを取り出すのでこのような問題はなくなる。
【0029】
なお、図示は省略するが、図4に示す構成の横軸ポンプにおいても、ケーブル端子部8を吸込カバー7とモータ3のフレームの接触部に取付け、該接触部からモータケーブルを取り出すように構成することにより、図5に示す構成の横軸ポンプと同様、モータケーブルをポンプケーシング1内の流水中を通すことなく、振動防止保護管等を設ける必要がなく、横軸ポンプをよりコンパクトに構成でき、更にポンプケーシング内の流路断面積を広くでき流速ロスも小さくできる。
【0030】
図6は本発明に係る横軸ポンプの他の構成例を示す図である。同図に示す本横軸ポンプが図4に示す横軸ポンプと異なる点は、図4の横軸ポンプでは、ポンプケーシング1内流路の断面上下及び左右に設けた4枚の整流板4はいずれも図7(a)に示すように横軸ポンプの軸方向(水流方向)と平行になるように設けているが、図6に示す横軸ポンプでは、ポンプケーシング1内流路の断面上下に設けた整流板4は軸方向に平行となっているが、左右に設けた整流板は図7(b)に示すように軸方向に対して所定の角度傾斜させて配置している点である。なお、図7(a)は図4に示す横軸ポンプのポンプケーシング部の横断面図、図7(b)は図6に示す横軸ポンプのポンプケーシング部の横断面図である。
【0031】
上記のように、ポンプケーシング1内の流路の断面左右に設けた整流板を、図7(b)に示すように軸方向に対して傾斜させて配置していることにより、ポンプ羽根車2に入り込む水の流れをまっすぐに整流することができる。即ち、吸込カバー7を傾斜させることで、吸込開口に流れ込む水流に角度がついているが、ポンプケーシング1内の左右両側に設けた整流板4,4を軸方向に対して所定の角度傾斜させることにより、ポンプ羽根車2に入り込む水流をまっすぐに整流することができる。そして、ポンプ羽根車2から吐出される旋回成分を含む水流は、ポンプ羽根車2より下流側の流路に配置したガイドベーン5によって、その旋回成分が取り除かれ吐き出される。
【0032】
上記構成の横軸ポンプにおいて、吸込側水路20の水位が下がると、吸込カバー7とポンプケーシング1の上流側端部とで形成する吸込開口から空気を吸込んで空気吸込渦や水中渦を発生する。この空気吸込渦や水中渦が発生すると、ポンプの振動や騒音及び排水能力の低下の原因となる。そこで、吸込カバー7を下記の吸込カバー10のように構成することにより、空気吸込渦や水中渦の発生を抑制(防止)することができる。
【0033】
図8に示す吸込カバー10は、図示するように全体として吸込側水路20の上流側に向かって下方に傾斜(屈曲)しており、その吸込開口11が吸込側水路の底面(図示せず)に向かって所定の角度傾斜(上流側上方に向かって傾斜)している。そして吸込カバー10の略矩形状の上端中心部(上端中央部)12がその両端部13に対し高くなるように形成すると共に、該両端部13よりも上流側に突き出るように形成している。
【0034】
また、図9に示す吸込カバー10は、図示するように全体として上流側に向かって下方に傾斜(屈曲)しており、その吸込開口11の面が吸込側水路20の底面(図示せず)に向かって所定の角度傾斜(上流側上方に向かって傾斜)している点は、図8に示す吸込カバー10と同じである。ここでは、吸込カバー10の吸込開口11の上端両端部13が上端中心部(上端中央部)12に対し高くなるように形成すると共に、該上端中心部12よりも上流側に突き出るように形成している。なお、図8及び図9において、(a)は横軸ポンプの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図、(c)は平面図である。
【0035】
空気吸込渦は、吸込カバー10の吸込開口11上端の没水深の浅い部分(高さの高い部分)に発生する。図8及び図9に示すように、吸込カバー10の吸込開口11上端中心部12又は上端両端部13を高く、上流側に突き出るように形成することにより、この部分の没水深が浅くなる。即ち、吸込カバー10を図8又は図9に示す形状に構成することにより、あえて没水深の浅い部分(=空気吸込渦の発生する場所)ができる。この没水深の浅い部分、即ち吸込開口11上端中心部12又は上端両端部13は上流側に突き出ているため、吸込開口11の上端と吸込開口11の付近の水面との距離が大きくなり、空気吸込渦の発生が抑制(防止)される。
【0036】
図10は空気吸込渦の発生を抑制する吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。図10において、(a)は吸込ケーシングの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図、(c)は平面図である。ここでは、吸込カバー10の吸込開口11上端の上に、吸込側水路20の下流側上方に向かって傾斜する板状体14を設けている。この板状体14を設けたことにより、吸込開口11の上部の水面付近の水流を乱す。これにより、空気吸込渦の発生原因となる水の旋回流を抑制でき、空気吸込渦抑制(防止)できる。また、板状体14によって、吸込開口11の上部の流れを縮流させるから、吸込開口11の上部の水流速が速められるので、水面に発生する旋回流を吸込開口11よりも後方(下流)へ移動させることができ、空気吸込渦を防止することができる。
【0037】
なお、図では吸込カバー10の吸込開口11上端の上に板状体14を設けているが、図示は省略するが、吸込開口11より下流側(吸込側水路20の下流側)の吸込カバー10の上部に、下流側上方に向かって傾斜するに板状体14を設けても、同様に空気吸込渦の発生原因となる水の旋回流れを抑制でき、空気吸込渦を防止できる。また、上記例では板状体14の形状を矩形としたが、図11(a)、(b)、(c)、(d)に示すように、山形、台形、円弧形、櫛形でもよく、また図11(e)に示すように板状体14に複数の穴14aを形成してもよく、図示は省略するが波形でもよい。
【0038】
水中で発生する水中渦の抑制対策としては、図12及び図13に示すように、吸込カバー10の吸込開口11下部に板状体15、16を設置する方法がある。図12では吸込カバー10の吸込開口11下部に2枚の板状体15、15を垂直方向に対して所定角度傾斜させ、該2枚の板状体15、15でハ字型を形成するように、吸込側水路20の水流に並行に設けている。図13では吸込カバー10の吸込開口11下部に2枚の板状体16、16を垂直方向に対して所定角度傾斜させ、該2枚の板状体16、16で逆ハ字型を形成するように、吸込側水路20の水流に並行に設けている。なお、図12及び図13において、(a)は側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図である。
【0039】
上記のように吸込カバー10の吸込開口11下部に垂直方向と角度をもった板状体15、15又は16、16を設置することにより、吸込側水路の底部から吸い込む水流が該板状体15、15又は16、16により乱され、水中渦の発生を抑制(防止)する。また、吸込カバー10の吸込開口11下部の水の流れを乱すことにより、その影響で吸込開口11の側部から吸込まれる吸込み流れも乱されるため、側壁から発生する水中渦も抑制(防止)することができる。
【0040】
図14は図8の吸込カバー10の吸込開口11下部に図12の板状体15、15を設けた構成の吸込カバー10を示す図である。図14において、(a)は吸込カバーの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図、(c)は平面図である。このように吸込開口11の上端中心部12がその両端部13に対し高くなるように形成されると共に、該両端部13よりも上流側に突き出るように形成された吸込カバー10の吸込開口11下部に2枚の板状体15、15を垂直方向に対して所定角度傾斜させ、該2枚の板状体15、15でハ字型を形成するように、水の流れに並行に設けることにより、空気吸込渦と水中渦の発生を抑制できる。なお、この場合、板状体15、15は図14(b)の点線で示すように、垂直方向に設けてもよい。
【0041】
また、図示は省略するが、板状体15、15に代えて図13に示すように吸込開口11下部に2枚の板状体16、16を垂直方向に対して所定角度傾斜させ、該2枚の板状体16、16で逆ハ字型を形成するように、水の流れに並行に設けてもよい。また、図示は省略するが、図9の吸込カバー10の吸込開口11下部に図12の板状体15、15又は図10の板状体16、16を設けて吸込カバー10を構成してもよい。この場合は板状体15、15又は板状体16、16は垂直に設けてもよい。このようにしても、空気吸込渦と水中渦の発生を抑制できる。
【0042】
図15は図10の吸込カバー10の吸込開口11下部に図12の板状体15、15を設けた構成の吸込カバー10を示す図である。図15において、(a)は吸込カバーの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図、(c)は平面図である。図示するように、吸込開口11上端の上に、吸込側水路20の下流側上方に向かって傾斜する板状体14を設けて構成した吸込カバー10の吸込開口11下部に2枚の板状体15、15を垂直方向に対して所定角度傾斜させ、該2枚の板状体15、15でハ字型を形成するように、水流に並行に設けている。これにより、空気吸込渦と水中渦の発生を抑制できる。なお、この場合、板状体15、15は図15(b)の点線で示すように、垂直方向に設けてもよい。
【0043】
また、図示は省略するが、板状体15、15に代えて図13に示すように吸込開口11下部に2枚の板状体16、16を垂直方向に対して所定角度傾斜させ、該2枚の板状体16、16で逆ハ字型を形成するように、吸込側水路20の水流に並行に設けてもよい。このようにしても、空気吸込渦と水中渦の発生を抑制できる。
【0044】
図16は本発明に係る横軸ポンプの吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。本吸込カバー10は吸込開口11の側部に吸込側水路20の上流側及び垂直下方に向かって、吸込開口11より張り出した板状体17、17を設置している。なお、図16において、(a)は側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図である。このように吸込開口11の側部に板状体17,17を設けることにより、水の偏流による空気吸込渦及び水中渦を抑制(防止)することができる。
【0045】
特に図17に示すように、吸込側水路20に上記構成の吸込カバー10を備えた複数台(図では2台)の横軸ポンプ21−1,21−2を並列に配置している場合に、停止している横軸ポンプがあるとき、例えば横軸ポンプ21−1が停止しているとき、運転している横軸ポンプ21−2へ向かって偏流が生じ、空気吸込渦及び水中渦を発生しようとするが、ここでは上記のように吸込カバー10の吸込口11側部に水の流れ方向上流に向かって吸込口11より張り出した板状体17、17を設置しているので、この板状体17により吸込流れが整流され、空気吸込渦及び水中渦の発生を抑制(防止)する。
【0046】
図18は本発明に係る横軸ポンプの吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。図18において、(a)は吸込ケーシングの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図、(c)は平面図である。本吸込カバー10は吸込開口11下端に垂直下方に板状体18を設けると共に、吸込開口11の開口両側部に板状体19、19を吸込側水路20の水流に対向して設けている。このように吸込開口11及び吸込開口11の開口側部に水の流れに対向して板状体19を設けることにより、吸込開口11の後方から該吸込開口11へ向かって廻り込む水流を抑制し、水中渦の発生を抑制(防止)する。なお、板状体18は吸込口11下端に垂直方向に設けているが、垂直方向に対して所定の角度を傾斜させて設けてもよい。また、ここでは、吸込開口11の下端と吸込開口11の開口両側部に板状体を設けた構成としたが、板状体は吸込開口11の下端又は吸込開口11の開口両側部のいずれか一方にだけ設けてもよい。
【0047】
図19は本発明に係る横軸ポンプの吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。図19において、(a)は吸込ケーシングの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図である。本吸込カバー10は吸込開口11より下流側のケーシング10の上下及び両側部に外周を囲むように、垂直方向に、即ち吸込側水路20の水流に対向するように板状体22を設けている。このように吸込カバー10の吸込開口11から下流側に吸込カバー10の外周を囲むように水の流れに対向して板状体22を設けることにより、吸込開口11の後方から該吸込開口11へ向かって廻り込む水流を抑制し、水中渦の発生を抑制(防止)する。また、板状体22は水流方向に垂直方向に設けているが、垂直に対して所定の角度傾斜させて設けてもよい。また、板状体22は吸込カバー10の両側部又は下端部のみに設けてもよい。
【0048】
図20は本発明に係る横軸ポンプの吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。図20において、(a)は吸込ケーシングの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図、(c)は平面図である。本吸込カバー10は、図13に示す吸込カバー10の吸込開口11下端に図18に示す板状体18を設けると共に、吸込開口11の開口両側部に板状体19、19を吸込側水路20の水流に対向して設けている。このように、吸込カバー10の吸込開口11上端に吸込側水路20の下流側上方かって傾斜する板状体14を設けると共に、吸込開口11下端に垂直に板状体18を設け、更に吸込開口11の開口両側部に板状体19、19を水の流れに対向して設けることにより、図10に示す吸込ケーシングと同様、空気吸込渦を防止すると共に、図18に示す吸込ケーシングと同様、水中渦の発生を防止する。なおここでは、吸込開口11の下端と吸込開口11の開口両側部に板状体18,19,19を設けた構成としたが、板状体は吸込開口11の下端又は吸込開口11の開口両側部のいずれか一方でもよい。
【0049】
図21は本発明に係る横軸ポンプの吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。図21において、(a)は吸込みケーシングの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図である。本吸込ケーシング10は、図10に示す吸込ケーシング10の吸込口11下流側に図19に示すように該ケーシング10の外周を囲むように、垂直方向に板状体22を設けている。このように、吸込カバー10の吸込開口11の上端の上に上方向かって傾斜する板状体14を設けると共に、吸込開口11の下流側に吸込カバー10の外周を囲むよう板状体22を設けることにより、図10に示す吸込ケーシングと同様、空気吸込渦を防止すると共に、図19に示す吸込ケーシングと同様、水中渦の発生を防止する。
【0050】
図22は本発明に係る横軸ポンプの吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。図22において、(a)は吸込ケーシングの側面図、(b)は上流側から見た(矢印A方向から見た)正面図、(c)は平面図である。本吸込カバー10は吸込開口11の上下左右に先端部に、水流の上流側に突出する突出板(整流板)23、24を設けると共に、幅方向中心部に吸込口11を左右に仕切る板状体25を設けている。この板状体25は吸込開口11の開口部より吸込側水路20の上流側に突出し、且つ水流れに並行となるように配置されている。このように、吸込カバー10の吸込開口11の上下左右の端部に吸込側水路20の上流側に突出する突出板(整流板)23、24を設けると共に、幅方向中心部に吸込開口11を左右に仕切る板状体25を設けることにより、吸込開口11の開口部に大きな水中渦が発生することを抑制できる。
【0051】
図23は本発明に係る横軸ポンプの吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。本吸込ケーシングは、吸込側水路20に並列に配置された複数台(図では2台)の横軸ポンプ21−1、21−2に一体の吸込カバー10を設けている。なお、一体の吸込カバー10の形状は幅寸法が大きいだけで、例えば図10に示す吸込カバー10の板状体14を除去した構成と同じである。即ち、全体として吸込側水路20の上流側に向かって下方に傾斜(屈曲)しており、その開口面が吸込側水路20の底面に向かって所定の角度傾斜(上流側上方に向かって傾斜)している。このように複数台の横軸ポンプ21に一体の吸込カバー10を設けることにより、例えば一方の横軸ポンプ21−1が運転中で他方の横軸ポンプ21−2が運転中止中でも吸込側水路20内の吸込カバー10の吸込開口11近傍の水流の速度分布Vdは、図示するような最大流速が吸込側水路20の中央から両側に近づくに従い徐々に遅くなる速度分布となり、偏流がないことから水中渦や空気吸込渦の発生を抑制できる。
【0052】
これに対して、図24に示すように、吸込側水路20に並列に配置された複数台(図では2台)の横軸ポンプ21−1、21−2のそれぞれに吸込カバー10を設けている場合は、例えば一方の横軸ポンプ21−1が運転中で他方の横軸ポンプ21−2が運転中止中の場合、吸込側水路20内の流速分布Vdは図示するようになる。即ち、運転中の横軸ポンプ21−1の吸込カバー10の吸込開口11近傍の水流が速くなり、偏った流速分布となり、偏流により水中渦や空気吸込渦が発生しやすくなる。
【0053】
図25は本発明に係る横軸ポンプの吸込ケーシングの他の構成例を示す図である。本吸込ケーシングは、吸込側水路20に並列に配置された2台の横軸ポンプ21−1、21−2のそれぞれに吸込カバー10、10を設けている。そして各吸込カバー10の吸込側水路20の側壁側の側部に大きい板状体26を、反対側には小さい板状体27を、それぞれ水流の上流側に突出させて、水流と並行に設けている。このように各吸込カバー10の吸込側水路20側壁側の側部に大きい板状体26を、反対側には小さい板状体27を非対象に設けていることにより、一方の横軸ポンプ21−1を運転し、他方の横軸ポンプ21−2の運転を中止した場合でも、偏流を減らすことができ、偏流による水中渦や空気吸込渦の発生を減少できる。
【0054】
なお、上記例では板状体26、27を上流側に突出させて、水流と並行に設けているが、板状体26、27はこれに限定されるものではなく、例えば図16に示すよう板状体17、図18に示す板状体18、19でもよく、要は吸込側水路20内に吸込ケーシングを備えた横軸ポンプを複数台並列に配置した装置において、各横軸ポンプの運転、停止によって吸込側水路20内に発生する偏流を抑制する作用を奏するように各吸込ケーシングに整流板、板状体を設ければよい。
【0055】
上記吸込カバーの構成例では、それぞれ空気吸込渦や水中渦を抑制するための渦抑制手段を設けているが、これらの渦抑制手段を適宜組合せ、より効果的に空気吸込渦や水中渦を抑制する渦抑制手段を構成することも可能である。
【0056】
上記構成の吸込カバー10を備えた横軸ポンプを、図1及び図2に示す構成のポンプゲート設備200の横軸ポンプに用いることにより、自然流下水路の水位が低くなっても、空気吸込渦や水中渦の発生を抑制できるから、これら空気吸込渦や水中渦に起因するポンプ吐出流量の低下、振動、騒音を抑制できるポンプゲート設備を提供できる。また、固定式ポンプを備えた排水機場に上記構成の吸込カバー10を備えた横軸ポンプを用いることで、振動、騒音を抑制でき、且つ排水流量の変動しない排水機場を提供できる。
【0057】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】排水機場設備の構成例を示す図である。
【図2】ポンプゲート設備の構成例を示す図である。
【図3】横軸ポンプの揚程曲線を示す図である。
【図4】本発明に係る横軸ポンプの構成例を示す図である。
【図5】本発明に係る横軸ポンプの構成例を示す図である。
【図6】本発明に係る横軸ポンプの構成例を示す図である。
【図7】本発明に係る横軸ポンプのポンプケーシング内流路断面を示す図である。
【図8】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図9】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図10】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図11】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの板状体の形状例を示す図である。
【図12】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図13】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図14】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図15】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図16】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図17】本発明に係る吸込カバーを備えた横軸ポンプの並列配置構成例を示す図である。
【図18】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図19】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図20】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図21】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図22】本発明に係る横軸ポンプの吸込カバーの構成例を示す図である。
【図23】本発明に係る吸込カバーを備えた横軸ポンプの配置構成例と流速分布を示す図である。
【図24】本発明に係る吸込カバーを備えた横軸ポンプの配置構成例と流速分布を示す図である。
【図25】本発明に係る吸込カバーを備えた横軸ポンプの配置構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0059】
1 ポンプケーシング
2 ポンプ羽根車
3 モータ
4 整流板
5 ガイドベーン
6 フラップ弁
7 吸込カバー
10 吸込カバー
11 吸込開口
12 吸込口の上端中心部
13 吸込口の両端部
14 板状体
15 板状体
16 板状体
17 板状体
18 板状体
19 板状体
20 吸込側水路
21 横軸ポンプ
22 板状体
23 突出板
24 突出板
25 板状体
26 板状体
27 板状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプケーシング内にポンプ羽根車及び該ポンプ羽根車を駆動するモータを内蔵した横軸ポンプにおいて、
前記モータの下流側にポンプ羽根車を配置すると共に、前記ポンプケーシング内の流路には前記ポンプ羽根車よりも上流側に整流板を、前記ポンプ羽根車の下流側にガイドベーンを設けたことを特徴とする横軸ポンプ。
【請求項2】
ポンプケーシング内にポンプ羽根車及び該ポンプ羽根車を駆動するモータを内蔵した横軸ポンプにおいて、
前記モータの下流側にポンプ羽根車を配置し、前記ポンプケーシング内の流路には、前記ポンプ羽根車よりも上流側に整流板を、前記ポンプ羽根車の下流側にガイドベーンを設けると共に、吸込カバーの吸込開口部の上端部が該吸込カバーの取付け部上端より下方に位置するようになっており、前記整流板は吸込み水流の偏流を抑制するような角度をなした形状であることを特徴とする横軸ポンプ。
【請求項3】
請求項2に記載の横軸ポンプにおいて、
前記ポンプケーシングの上下部付近に設けられた整流板は水流と並行に設けられ、該ポンプケーシングの両側面付近に設けられた整流板は吸込み水流の偏流を抑制するような角度をなして設けられていることを特徴とする横軸ポンプ。
【請求項4】
ポンプケーシング内にポンプ羽根車及び該ポンプ羽根車を駆動するモータを内蔵した横軸ポンプにおいて、
前記モータの下流側に前記ポンプ羽根車を配置すると共に、吸込カバーの吸込開口部の上部が、該吸込カバー取付け部上端より下方に位置するようになっており、前記モータのフレームが前記吸込カバーに接触しているか又は該吸込カバーを貫通していることを特徴とする横軸ポンプ。
【請求項5】
請求項4に記載の横軸ポンプにおいて、
前記モータのケーブルは、前記モータフレームが前記吸込カバーに接触している部分又は前記モータフレーム該吸込カバーを貫通している部分から取り出すことを特徴とする横軸ポンプ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の横軸ポンプにおいて、
前記吸込カバーに空気吸込渦及び/又は水中渦を抑制する渦抑制手段を設けたことを特徴とする横軸ポンプ。
【請求項7】
吸込側水路を開閉する扉体を具備するゲートに横軸ポンプを配置した構成のポンプゲート設備において、
前記横軸ポンプに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の横軸ポンプを用いることを特徴とするポンプゲート設備。
【請求項8】
固定式の横軸ポンプを備えた排水機場において、
前記横軸ポンプに請求項1乃至6のいずれか1項に記載の横軸ポンプを用いることを特徴とする排水機場。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2007−32037(P2007−32037A)
【公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−215090(P2005−215090)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000000239)株式会社荏原製作所 (1,477)
【Fターム(参考)】