説明

樹木成分を含有する藻類増殖抑制剤

【課題】環境に優しい藻類類増殖抑制剤を提供する。
【解決手段】スギ、クロマツ、アカマツ、ヒノキ、ヒノキアスナロ、アスナロ、クスノキ、ラクウショウ、メタセコイアなどの樹木の葉、樹皮、辺材、心材などの各部位。上記樹木の各部位などから水蒸気蒸留あるいは熱水蒸留によって得られる精油または精油成分を含有する流出液およびヘキサン、酢酸エチル、メタノールなどの溶剤によって抽出される抽出物が赤潮等の環境に優しい藻類増殖抑制剤であることを発見した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹木成分を含有する藻類増殖抑制剤に関する。
【背景技術】
【0002】
樹木は陸上の生物では二酸化炭素の吸収量が最大であり、再生可能な資源の一つとして知られている。樹木を利用し、植林によって林業/林産業を維持発展させることは、二酸化炭素の軽減にもつながり、人類の持続的な発展のためには不可欠であるといえる。
しかしながら、樹木の製材時に発生する林産廃棄物としての樹皮や、廃材、建築解体廃棄物としての板材や柱材の量は膨大である(非特許文献1および非特許文献2)。我が国で有効利用されていない資源量(利用可能量)のうち木質バイオマスは、総利用可能量の約6割を占め、その年間発生量は4500万トンに上る(非特許文献3)。平成14年12月より焼却施設の規制も強化され、二酸化炭素発生量の抑制やダイオキシンの毒性が問題になった近年では、林産業界および建築業界においてこれら廃棄物の処理問題が大きな課題となっている。
【0003】
一方、わが国の沿岸部において1960年代半ば以降、赤潮あるいは貝毒といった現象
がごく頻繁に発生するようになり赤潮発生水域の広域化、発生回数の増大、発生期間の長期化の傾向が見られるようになってきた。平成18年までの過去10年間の赤潮発生状況を見てもわかるとおり、赤潮問題は年によって変化はあるものの、多く発生している(図1、非特許文献4)。
【0004】
赤潮対策としては、過去に物理的手法(赤潮回収・超音波など)や化学的手法(アクノリール・粘土の投入など)や生物的手法(殺藻藻類・殺藻ウイルスなど)が提案されているものの、「規模・コスト・安全性」といった問題により実用化には至っていない。赤潮・貝毒の漁業・養殖業に対する被害は現在も多く起こっており、日本の様々な海域で漁業・養殖業などへの多大な被害が報告されている(非特許文献5)。よって、健全な水産増養殖の振興は、極めて重要で具体的な食料対策の1つであり、赤潮・貝毒に対する有効な対策の推進は重要課題であるといえる。
【0005】
赤潮対策として海面の赤潮を回収する、海水を循環させ赤潮の濃度を下げる、といった物理的な手法や粘土を投入しその成分によるもの、アクリノールの散布、水酸化マグネシウムによるもの、といった化学的手法、また、海洋環境への影響を考え、海洋において互いに影響を及ぼしあっている微細藻と従属栄養細菌の関係を応用した殺藻細菌や殺藻ウイルスによる生物的手法など様々な防除法が提案されているが、いずれも実用化には至っていない。
【0006】
特許文献1には、イソフラボン類を有効成分とする藻類の増殖抑制剤が開示されているが、原料を大豆等の食品になりうるもので世界的な食糧危機が危惧される時代に適した方法とはいえない。特許文献2にはキレート剤を水中に散布する方法が開示されているが、必ずしも環境に優しい物質ではなく、2次的な問題が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−248161
【特許文献2】特開2009−66549
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】富田文一郎(1999)日本木材学会第34回名古屋国際木工機械展実行委員会主催 R&Dツアーセミナー“ゼロエミッション型木材産業の構築をめざして”、名古屋、 pp. 1−14.
【非特許文献2】高野 勉、 西村勝美、 村田光司(1999)製材工場における残廃材の排出と利用処理の動向、木工機械 183、 5−8.
【非特許文献3】坂 志朗、 江原克信、南 英治(2005)超臨界流体技術による木質バイオマスの利活用、木材学会誌 51、 207−217.
【非特許文献4】海上保安庁(2008)海洋汚染の現状について(平成18年1〜12月)、資料1海洋汚染の物質別発生確認件数の推移(過去10年分)
【非特許文献5】運動情報版、2007:www.gyosai.or.jp/topics_pdf/topics63.pdf 、愛媛県・宇和海の赤潮被害で20万尾以上の養殖魚がへい死
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
環境に優しい藻類増殖抑制剤の開発が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
また、天然成分由来の赤潮防除法に関する研究例はほとんど無く、赤潮の生物的防除法として樹木が利用可能かは知られていない。
【0011】
赤潮藻類Skeletonema costatumの増殖抑制に特異的に効果のある成分を特定するために、モノテルペン類(炭素数10)10種、セスキテルペン類(炭素数15)5種、ジテルペン類(炭素数20)11種、ノルリグナン類5種、フラボノール類3種、リグニン分解物、リグナン類、キノン類、トロポロン類、フェニルプロパノイド、それぞれ1種ずつ、合計10類39種の樹木成分標品およびスギ、ヒノキ、クロマツの樹皮、材部、葉から熱水蒸留で採取した精油を用いて赤潮藻類Skeletonema costatum、Heterosigma akashiwoの増殖抑制実験を行った結果、両藻類に対し、スギ樹皮、クロマツ心材の精油が強い抑制効果を示した。さらにスギ樹皮、クロマツ心材の成分分析行い、成分単体での活性を検討した結果、スギ樹皮成分のフェルギノール、クロマツ心材成分のロンギフォレンが特に高い増殖抑制活性を有していることを発見し本発明に到達した。
【発明の効果】
【0012】
本発明で示されたフェルギノールやロンギフォレンなどのスギ、ヒノキおよびクロマツなどの樹木成分の赤潮藻類増殖抑制活性についての報告はない。また、本発明で用いた、スギ樹皮やクロマツ心材は現在廃棄物となっており、利用法の開発が望まれている廃棄物資源であるため、本発明の有用性とニーズは大きい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】過去10年の赤潮発生件数の経時的変化を示す(非特許文献4)。
【図2】熱水蒸留装置を示す。
【図3】樹木抽出物のSkeletonema costatumと Heterosigma akashiwoに対する増殖抑制効果(最終平均増殖率)を示す。
【図4】モノテルペン類のSkeletonema costatumに対する増殖抑制効果(最終平均増殖率)を示す。
【図5】セスキテルペン類のSkeletonema costatumに対する増殖抑制効果(最終平均増殖率)を示す。
【図6】ジテルペン類のSkeletonema costatumに対する増殖抑制効果(最終平均増殖率)を示す。
【図7】ノルリグナン類、フラボノール類、リグニン分解物、リグナン類、キノン類、トロポロン類、フェニルプロパノイドのSkeletonema costatumに対する増殖抑制効果(最終平均増殖率)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明において環境に優しい藻類増殖抑制剤の原料としての樹木はスギ、クロマツ、アカマツ、ヒノキ、ヒノキアスナロ、アスナロ、クスノキ、ラクウショウ、メタセコイアなどが挙げられるがこれらに限定されない。またそれらの全体、樹皮、心材、辺材および葉などが使用される。本発明の樹木成分は、上記樹木の全体または各部位などから水蒸気蒸留あるいは熱水蒸留によって得られる精油または精油成分を含有する流出液およびヘキサン、酢酸エチル、メタノールなどの溶剤によって抽出される抽出物が使用される。
【0015】
その抽出物の成分としてはモノテルペン類(ゲラニオール、ヒノキチオール、カンファー、リモネン、αおよびβピネンなど樹木抽出物に含まれるモノテルペン類及びそれらの誘導体)、セスキテルペン類(ロンギフォレン、カリオフィレン、エレモール、セドロール、ツヨプセン、カジネンなどの樹木抽出物に含まれるセスキテルペン及びそれらの誘導体)、ジテルペン類(フェルギノール、タキソディオン、14−デオキシコレオンU、サルビノロン、5、6−ハイドロキシスギオールなどの樹木抽出物に含まれるジテルペン類及びそれらの誘導体)、リグナン、ノルリグナン類(ヒノキニン、セキュイリン−C、アガサレジノール、スギレジノール、ハイドロキシスギレジノール、ヒノキレジノールなどの樹木抽出物に含まれるリグナン、ノルリグナン類及びそれらの誘導体)、フラボノール類(カテキン、エピカテキン、タキシフォリンなどの樹木抽出物に含まれるフラボノール類及びそれらの誘導体)リグニン分解物(バニリン、オイゲノールなど樹木成分抽出操作によって生成するリグニン分解物)などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。それらの誘導体とは天然の樹木の抽出物に含まれるものだけではなく、上記化合物の水酸基と任意の脂肪族有機酸、芳香族有機酸とのエステルや、化合物のカルボニル基にヒドロキシルアミン、アルコキシアミン等を用いで合成したオキシムなどの化学合成された誘導体も含む。
【0016】
本発明の藻類の増殖抑制剤は他の藻類の増殖抑制剤との混合剤として使用しても良く、赤潮の防止のみならず、魚類飼育水槽、プールや下水処理等に於ける藻類増殖抑制にも有用である。また養殖業の漁網に藻類が付着するのを抑制することにも有用である。またダム貯水池や湖沼などの閉鎖的水域における藻類増殖抑制にも有用である。本発明の樹木成分を含有する薬剤を対象藻類が増殖する場所に添加、散布および/または塗布する事により藻類増殖抑制が達成される。
【0017】
より詳細には、本発明の樹木成分を、固体担体、液体担体、ガス状担体と混合し、必要に応じて界面活性剤、固着剤、分散剤および/または安定剤等を添加し、乳剤、水和剤、懸濁剤、粒剤、粉剤、ドライフロアブル、フロアブル、水性液剤、油剤、燻煙剤、エアゾール、マイクロカプセル等に製剤化して用いることができる。養殖業の漁網や閉鎖系の壁面には上記のような製剤または直接本発明の樹木成分を塗布、含浸などして使用することもできる。
【0018】
以下、本発明に係る藻類増殖抑制剤ついてより詳細に説明する。
【0019】
<実験方法>
対象株は、珪藻類のSkeletonema costatum(NIES−16)とラフィド藻Heterosigma akashiwo(NIES−293)の二種類を用いた。両藻類とも独立行政法人国立環境研究所より購入した。
【0020】
<培養条件>
培養に用いた人工気象器はNKsystem NK式人工気象器であり、培養条件は温度20〜22℃、12時間の明暗周期とし、光量は明周期時が約2000 lux、暗周期時が約2 luxで行った。培地はf/2培地を用いた。
<Skeletonema costatum及びHeterosigma akashiwoの育生・保存・培養のための培地(f/2培地)>
蒸留水1lに、市販人工海水の素38gを投入・攪拌し、その人工海水1lに、表1の多量栄養素を加えた(f/2)。さらに、蒸留水1lに表2の微量金属を加え、微量金属の混液(f/2 metals)をつくり、このf/2にf/2 metalsを1ml加えて攪拌し、f/2培地とした。このf/2培地を10mlずつ試験管に分注し、オートクレープで滅菌を行った。(121度、20分)滅菌後、冷蔵庫に安置し、保存や増殖用に用いた。
【0021】
【表1】

【0022】
【表2】

【0023】
<Skeletonema costatum及びHeterosigma akashiwoの増殖試験>
段落[0020]で作成したf/2培地を、試験管に3〜4ml入れ、これを濃度ごとに試験管3本ずつ用意した。次に、Skeletonema costatum(NIES−16)またはHeterosigma akashiwo(NIES−293)の種株から初期濃度がSkeletonema costatum:約65000〜170000 cell/ml、Heterosigma akashiwo:約6000〜20000 cell/mlとなるように接種後、5mlにメスアップし、初期細胞濃度を計測した。段落[0020]に示した条件で五日間または七日間培養した。24時間経過毎に各試験管を計測した。Heterosigma akashiwoでは種株から増殖させる際、 f/2培地で思ったような増殖が見られなかったため、天然海水をオートクレープで滅菌し、培地として用いた。
なお、計測には血球盤を使用し、576マスに何個体あるか数え、以下の計算式で1ml当たりの個体数に換算した。
【0024】
(計算式)
1ml当たりの個体数=
(576マスの中の個体数/576)×1000/0.00025
【0025】
(試料)
スギ(心材・葉・樹皮)は山形大学農学部付属演習林にて、それぞれ約200g〜250gを採取した。ヒノキ(心材・葉・樹皮)は山形大学農学部付属演習林にて、それぞれ約200g〜280gを採取した。クロマツの葉は山形大学農学部構内にて、約250g採取、心材・樹皮は酒田森林組合より入手した。
【0026】
(精油の採取)
熱水蒸留装置(図2)を用いて熱水蒸留法により精油を採取した。
採取した試料を、それぞれハサミで1〜2cm、1〜2cmほどになるように切り刻み、試料を200〜300g定量した。丸底フラスコの中に試料と一緒に蒸留水を試料の4〜5倍等の量を入れ、丸フラスコの口に冷却器をつなげた(ガラス管の連結部はすり合わせのものを使用)。そこからマントルヒーターを150℃前後に設定し、丸フラスコの中を煮沸するまで加熱した。煮沸を目安に、そこから7〜8時間加熱抽出を行った。ある程度煮沸し、蒸発してくる水蒸気と揮発成分を冷却器に通し、液状になったものを蒸留部として回収した。蒸留終了後、冷却器を酢酸エチルで洗い流し、それらも同様に回収を行った。回収したものを、分液ロートにて、水層と有機層に分液し、有機層のみを回収し、エバポレーターによって濃縮し、抽出成分(精油成分)を得た。表3に結果を示す。
【0027】
【表3】

【実施例1】
【0028】
(増殖抑制試験用試料の調製)
前記で採取した各精油を30mg秤量し、アセトンを30ml加え、濃度が1mg/mlになるように調製した。
【0029】
(Skeletonema costatumと Heterosigma akashiwoに対する増殖抑制実験)
前記で作成したf/2培地を試験管に3〜4 mlの培地を入れ、その試験管にメスアップ後(5ml)の濃度が1ppm、10ppm、100ppmとなるように調製した濃度1 mg/mlの試料を5μl、50μl、500μl添加した。そこから二時間アセトンをとばす為に常温に放置した。これを各濃度試験管3本ずつ用意した。その後、Skeletonema costatum(NIES−16)とHeterosigma akashiwo(NIES−293)を接種し、初期細胞濃度を計測した。2−2−1の条件下で5日間(S.costatum )または七日間(H.akashiwo )培養した。24時間毎に前記と同様に各試験管を計測した。また、増殖率の算出方法は以下の計算式で換算した。
【0030】
(計算式)
平均増殖率(%)
=サンプル添加培地の増殖細胞数(個)(五日目)/ブランク培地のサンプル
添加培地の増殖細胞数(個)(五日目)×100
【0031】
(結果)
図3に結果を示す。全ての精油で両藻類またはどちらか一方の藻類に対する抑制活性がみられた。S.costatumに対して、スギ樹皮部、クロマツ心材部の精油が強い増殖抑制効果を示した。また、H.akashiwoに対して、スギ樹皮部、クロマツ心材・葉・樹皮、松根油が強い増殖抑制効果を示した。特に、両藻類に対し、スギ樹皮、クロマツ心材の精油が強い抑制効果を示した。
【実施例2】
【0032】
赤潮藻類Skeletonema costatumの増殖抑制に特異的に効果のある成分を特定するために、モノテルペン類(炭素数10)10種、セスキテルペン類(炭素数15)5種、ジテルペン類(炭素数20)11種、ノルリグナン類5種、フラボノール類3種、リグニン分解物、リグナン類、キノン類、トロポロン類、フェニルプロパノイド、それぞれ1種ずつ、合計10類39種の樹木成分標品を用いて、赤潮藻類Skeletonema costatumの増殖抑制実験を行った。
増殖抑制実験の培養条件、計算方法等については実施例1と同様に行った。
【0033】
(結果)
図4にモノテルペン類、図5にセスキテルペン類、図6にジテルペン類および図7にノルリグナン類、フラボノール類、リグニン分解物、リグナン類、キノン類、トロポロン類、フェニルプロパノイドのSkeletonema costatumに対する増殖抑制効果(最終平均増殖率)を示す。
全般にブランクと比較して藻類に対する活性を有しており、濃度等の最適化で増殖抑制剤となりうる。
モノテルペン類は三日目までの抑制効果は計測され、短期間での効果について期待できる。セスキテルペン類ではロンギフォレンに特に強い抑制効果が見られた。ジテルペン類、キノン類ではフェルギノールやタキソディオンなど特定のアビエタトリエン構造、キノン構造を持つものに特に強い抑制効果がみられた。フラボノール類での抑制効果ではエピカテキン、ノルリグナン類ではセキュイリンCに強い活性が認められた。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
スギ、クロマツ、アカマツ、ヒノキ、ヒノキアスナロ、アスナロ、クスノキ、ラクウショウ、メタセコイアからなる群から選択される1以上の樹木の全体、葉、樹皮、辺材および/または心材などから抽出される抽出物を含有する藻類増殖抑制剤。
【請求項2】
前記の抽出物が、水蒸気蒸留あるいは熱水蒸留によって得られる精油または精油成分を含有する流出液およびヘキサン、酢酸エチル、メタノールなどの溶剤によって抽出される抽出物である請求項1に記載の藻類増殖抑制剤。
【請求項3】
前記抽出物が
i)ゲラニオール、ヒノキチオール、カンファー、リモネン、αおよびβピネンなどを含むモノテルペン類、
ii)ロンギフォレン、カリオフィレン、エレモール、セドロール、ツヨプセン、カジネンなどを含むセスキテルペン類、
iii)フェルギノール、タキソディオン、14−デオキシコレオンU、サルビノロン、5、6−ハイドロキシスギオールなどを含むジテルペン類、
iv)ヒノキニン、セキュイリン−C、アガサレジノール、スギレジノール、ハイドロキシスギレジノール、ヒノキレジノールなどを含むリグナン、ノルリグナン類、
v)カテキン、エピカテキン、タキシフォリンなどを含むフラボノール類、
vi)バニリン、オイゲノールなど樹木成分抽出操作によって生成するリグニン分解物ならびにそれらの誘導体からなる群から選択される、少なくとも1種類以上の成分を含有する請求項1および/または請求項2のいずれか1項に記載の藻類増殖抑制剤。
【請求項4】
ロンギホレン、フェルギノールおよびそれらの誘導体のいずれかのうちの1種類以上を含有する、請求項1、請求項2および請求項3のいずれか1項に記載の藻類増殖抑制剤。
【請求項5】
前記藻類増殖抑制剤が、赤潮、下水処理、ダム貯水池および湖沼等の閉鎖水区、漁網等のにおいて有効な請求項1、請求項2、請求項3および請求項4のいずれか1項に記載の藻類増殖抑制剤。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−84524(P2011−84524A)
【公開日】平成23年4月28日(2011.4.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−239183(P2009−239183)
【出願日】平成21年10月16日(2009.10.16)
【出願人】(304036754)国立大学法人山形大学 (59)
【Fターム(参考)】