説明

樹液抽出精製法

【課題】樹木、竹などの樹液に含まれている各種有効成分を分解したり、熱重縮合などの破壊することなく抽出精製する方法を提供する。
【解決手段】樹木を水中に浸し、圧力を加えながら105℃〜120℃に加熱して樹液を抽出した蒸気を直接蒸留器で蒸留収集する。
【効果】リグニンと細胞内含有物を105℃〜120℃の加圧温水中で抽出し、連続的に蒸留することで分解したり、熱重縮合することなく抽出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は樹木や竹に含まれる樹液の抽出、精製の方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から煎じるという煮沸する方法で樹木、竹、草から人体に有効な成分を取り出してきた。煮沸で抽出できない成分を取り出す方法がいくつか開示されている。超臨界130℃〜350℃の高温水蒸気で抽出する方法の開示。
【特許文献1】 特開平成6−48952号公報
溶剤抽出方法の開示。
【特許文献2】 特開昭和60−172924号公報
蒸留抽出方法の開示。
【特許文献3】 特開昭和60−161929号公報
樹木を虫に食べさせてその虫の糞から抽出する方法の開示。
【特許文献4】 2003−277276号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、100℃以下では十分有効成分を抽出出来ない。また温度を上げて超臨界温度130℃〜350℃での抽出が提案されているが、十分抽出できるかわりに有効成分が分解したり、熱重縮合してしまうという不具合があった。また溶剤抽出や昆虫の体内経由の抽出は精製に多大な手間を必要とした。これらの不具合を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するための請求項1は有効成分を分解したり、熱重縮合することなく容易にかつ十分に抽出精製することを可能とした。
【0005】
請求項2は2つ以上の素材が持つ有効成分の組合わせを分解したり、熱重縮合することなく十分に、容易にかつ同時に抽出精製することを可能とした。
【発明の効果】
【0006】
例えば竹の樹液の中にはヘミロース、セルロース、リグニン、細胞内含有成分が含まれていることは知られている。本発明では主としてこの内のリグニンと細胞内含有物を105℃〜120℃の加圧温水中で抽出し、連続的に蒸留することで分解したり、熱重縮合することなく抽出することに成功した。130℃を超えるとヘミセルロースが抽出、更に230℃を超えるとセルロースが抽出されるが肝心のリグニンと細胞内含有物が分解したり熱重縮合してしまい本来植物の持っている有効性分を抽出出来ない。本発明の105℃〜120℃で抽出され蒸留精製されたエキスはリグニン、細胞内含有物が分解したり熱重縮合することなく本来植物が持つ機能である抗酸化効果、抗菌効果が十分発揮できる。
【0007】
この抽出、精製システムは外部と遮断された閉ループ内で生産出来るので外気と触れることなく極めて純度の高いエキス分が抽出精製できる。
【実施例】
【0008】
図1に示すシステムにより、圧力装置中で105℃〜120℃に加熱加圧された樹木などのエキス分は水中に抽出され、蒸気となって蒸留装置に入り液化されて受け容器に精製収集される。
【産業上の利用可能性】
【0009】
本発明に係る樹木などのエキス分抽出精製法は極めて単純で有効性分であるリグニンや細胞内含有物を分解したり熱重縮合することなく合理的に抽出精製出来、量産性にも優れ産業上の利用可能性を有する。樹木、竹に限らず草花、一般植物、果実などにも適用でき応用範囲は広い。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、加熱加圧装置と蒸留装置を備えた本発明の断面図である。
【符号の説明】
【0011】
1 圧力装置 8 蒸留装置
2 容器 9 冷却水出口
3 水 10 冷却水入口
4 樹木などの素材 11 滴下パイプ
5 加熱装置 12 エキスの受け容器
6 圧力調整弁 13 抽出精製されたエキス
7 パイプ 14 受け容器の蓋
【図1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹木、竹、樹木の葉、竹の葉の内のいずれか一つを水中に浸し、圧力を加えながら105℃〜120℃に加熱して樹液を抽出した蒸気を直接蒸留精製する樹液抽出精製法。
【請求項2】
樹木、竹、樹木の葉、竹の葉の内、2つ以上を水に浸し圧力を加えながら105℃〜120℃に加熱して樹液を抽出した蒸気を直接蒸留精製する樹液抽出精製法。

【公開番号】特開2008−94818(P2008−94818A)
【公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−299614(P2006−299614)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(506370168)
【Fターム(参考)】