説明

樹状細胞に対する感染性が増大したアデノウイルス粒子と、肝細胞に対する感染性が低下した粒子

アデノウイルス・ベクターと、そのようなベクターの製造法が提供される。特に、樹状細胞を標的とにするために改変ファイバー・タンパク質または異種ファイバー・タンパク質を含むアデノウイルスが提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種ファイバーまたはその一部を含んでいて、樹状細胞に対する結合が、元のファイバーを発現する粒子と比べて増大しているアデノウイルス粒子であって、
そのアデノウイルス(Ad)粒子のうちでファイバーを除く部分がサブグループCのアデノウイルスに由来し;
ファイバーは、樹状細胞と結合するためのサブグループD由来のファイバーを含んでおり、サブグループDのアデノウイルスは、アデノウイルス血清型8、9、10、13、15、17、19a、19p、20、22〜30、32、33、36、38、39、42〜49からなるグループの中から選択される、アデノウイルス粒子。
【請求項2】
異種ファイバーまたはその一部を含んでいて、ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSP)に対する結合が、元のファイバーを発現する粒子と比べて低下または消失しているアデノウイルス粒子であって、
そのアデノウイルス(Ad)粒子のうちでファイバーを除く部分がサブグループCのアデノウイルスに由来し;
ファイバーはAd19pまたはAd30由来のファイバーを含んでおり、そのためにHSPとの相互作用が減少する、アデノウイルス粒子。
【請求項3】
異種ファイバーまたはその一部を含んでいて、樹状細胞に対する結合が、元のファイバーを発現する粒子と比べて増大しているアデノウイルス粒子であって、
そのアデノウイルス(Ad)粒子のうちでファイバーを除く部分がサブグループCのアデノウイルスに由来し;
ファイバーは、樹状細胞と結合するためのサブグループB由来のファイバーを含んでおり、サブグループBのアデノウイルスは、アデノウイルス血清型7、11、14、21、34、50からなるグループの中から選択される、アデノウイルス粒子。
【請求項4】
上記ファイバーがキメラであってサブグループCのアデノウイルスのファイバーからのN末端部を含んでおり;
そのN末端部があることで、存在しないときと比べて粒子への組み込みを増大させている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項5】
上記ファイバーがキメラであって、サブグループDのアデノウイルスのファイバーのうちで樹状細胞を標的とするのに十分な部分を含んでいる、請求項1または2に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項6】
サブグループCのアデノウイルスが、アデノウイルス血清型1、2、5、6からなるグループの中から選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項7】
CARとのあらゆる相互作用が減少するように上記ファイバーがさらに改変されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項8】
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSP)とのあらゆる相互作用が減少するように上記ファイバーがさらに改変されている、請求項1と3〜7のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項9】
キャプシドが、αvインテグリンとの相互作用を変化させる改変をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項10】
アデノウイルス(Ad)粒子のうちでファイバーを除く部分がサブグループCのアデノウイルスに由来し;
上記ファイバーがAd19pに由来する、請求項1と4〜9のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項11】
Ad19pファイバーが、配列ID番号34に示したアミノ酸のうちで樹状細胞を標的とするのに少なくとも十分な数のアミノ酸を含む、請求項2または10に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項12】
Ad19pファイバーが、配列ID番号34に示したアミノ酸のうちで樹状細胞を標的とするのに少なくとも十分な数のアミノ酸を含むが、サブグループCのファイバーと比べてHSPへの結合が減少する、請求項11に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項13】
上記ファイバーがキメラであり、サブグループCのアデノウイルスの一部を含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項14】
アデノウイルス(Ad)粒子のうちでファイバーを除く部分がサブグループCのアデノウイルスに由来し;
上記ファイバーがAd30に由来する、請求項1と4〜9のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項15】
Ad30ファイバーが、配列ID番号36に示したアミノ酸のうちで樹状細胞を標的とするのに少なくとも十分な数のアミノ酸を含む、請求項14に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項16】
Ad30ファイバーが、配列ID番号36に示したアミノ酸のうちで樹状細胞を標的とするのに少なくとも十分な数のアミノ酸を含むが、サブグループCのファイバーと比べてHSPへの結合が減少する、請求項14に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項17】
上記ファイバーがキメラであり、サブグループCのアデノウイルスの一部を含む、請求項14〜16のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項18】
キャプシドのCAR結合領域に突然変異を含んでいるためにCARとの結合が減少している、請求項8〜17のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項19】
キャプシドのαvインテグリン結合領域に突然変異を含んでいるためにインテグリンとの結合が消失または減少している、請求項1〜18のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項20】
N末端の15個、または16個、または17個のアミノ酸が、Ad2ファイバーまたはAd5ファイバーの15個、または16個、または17個のアミノ酸で置換されることによってAd19pファイバーが改変されている、請求項1、2、4〜13、18、19のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項21】
N末端の15個、または16個、または17個のアミノ酸が、Ad2ファイバーまたはAd5ファイバーの15個、または16個、または17個のアミノ酸で置換されることによってAd30ファイバーが改変されている、請求項14〜17のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項22】
キャプシドの改変されたCAR結合領域がファイバーのノブ上にある、請求項7または18に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項23】
上記ファイバー・タンパク質がさらに1つ以上の改変を含んでいて、その結果として得られるファイバーとHSPの相互作用が減少または消失する、請求項22に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項24】
キャプシドがさらにリガンドを含んでいて、そのリガンドのための受容体と結合する、請求項23に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項25】
上記リガンドがファイバーのノブ領域に含まれる、請求項24に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項26】
上記リガンドがファイバーに挿入されているか、ファイバーの一部と置換されている、請求項24に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項27】
ゲノム中に異種核酸をさらに含んでおり、その異種核酸が、樹状細胞の活性を変化させる抗原または産物をコードしている、請求項1〜26のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項28】
上記抗原が、腫瘍抗原、または病原体からの抗原である、請求項27に記載のアデノウイルス粒子。
【請求項29】
対象に投与するために製剤化した、請求項1〜28のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子を含む組成物。
【請求項30】
筋肉内投与、または静脈内投与、または非経口投与するために製剤化した、請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
ワクチンである、請求項29または30に記載の組成物。
【請求項32】
請求項29〜31のいずれか1項に記載の組成物を対象に投与する操作を含む免疫療法。
【請求項33】
ウイルス粒子を樹状細胞に送達する方法であって、
請求項1、3〜28のいずれか1項に記載のウイルス粒子を含む組成物、または樹状細胞を標的とするためにAd37からのファイバーを備えていて、そのファイバー以外はサブグループCのアデノウイルスに由来するアデノウイルス(Ad)粒子を含む組成物を、樹状細胞を含む細胞と接触させることによってウイルス粒子を樹状細胞と結合させ;
その組成物を対象に輸液する操作を含む方法。
【請求項34】
上記細胞を対象から取り出した後に接触させる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
上記細胞が免疫細胞を含む、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
上記細胞が骨髄細胞である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
請求項1〜28のいずれか1項に記載のアデノウイルス粒子をコードしている核酸分子。
【請求項38】
アデノウイルス・ベクターを含む、請求項37に記載の核酸分子。
【請求項39】
異種核酸を含む、請求項37または38に記載の核酸分子。
【請求項40】
請求項37〜39のいずれか1項に記載の核酸を含む細胞。
【請求項41】
樹状細胞である、請求項40に記載の細胞。
【請求項42】
免疫細胞の異常、がん、感染症のいずれかを有する対象に細胞を投与する操作を含む治療法において、その細胞は、請求項41に記載の細胞であるか、樹状細胞を標的とするためにAd37からのファイバーを備えていて、そのファイバー以外はサブグループCのアデノウイルスに由来するアデノウイルス(Ad)粒子を含む樹状細胞であることを特徴とする治療法。
【請求項43】
上記対象が、病原体に感染しているか、腫瘍、炎症疾患、アレルギー、喘息、自己免疫疾患のいずれかを有する、請求項32または42に記載の治療法。
【請求項44】
アデノウイルス粒子を樹状細胞に向かわせる方法であって、そのアデノウイルスの元のファイバーの全体または一部をサブグループDのアデノウイルスのファイバーで置換する操作を含む方法。
【請求項45】
上記アデノウイルス(Ad)粒子のうちでファイバーを除く部分がサブグループCのアデノウイルスに由来し;
サブグループDのアデノウイルスが、アデノウイルス血清型8、9、10、13、15、17、19a、19p、20、22〜30、32、33、36、37、38、39、42〜49からなるグループの中から選択される、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
アデノウイルス粒子を樹状細胞に向かわせる方法であって、そのアデノウイルスの元のファイバーの全体または一部をサブグループBのアデノウイルスのファイバーで置換する操作を含む方法。
【請求項47】
上記アデノウイルス(Ad)粒子のうちでファイバーを除く部分がサブグループCのアデノウイルスに由来し;
サブグループBのアデノウイルスが、アデノウイルス血清型3、7、11、14、16、21、34、35、50からなるグループの中から選択される、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
サブグループCのウイルスが、アデノウイルス血清型1、2、5、6からなるグループの中から選択される、請求項45または47に記載の方法。
【請求項49】
CARとのあらゆる相互作用が減少するように上記ファイバーがさらに改変されている、請求項45または47に記載の方法。
【請求項50】
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSP)とのあらゆる相互作用が減少するように上記ファイバーがさらに改変されている、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
キャプシドが、αvインテグリンとの相互作用を変化させる改変をさらに含む、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
アデノウイルス粒子を利用して異常または疾患を治療する方法において、そのアデノウイルス粒子が、請求項1〜28のいずれか1項に記載の粒子であるか、樹状細胞を標的とするためにAd37からのファイバーを備えていて、そのファイバー以外はサブグループCのアデノウイルスに由来するアデノウイルス(Ad)粒子であることを特徴とする方法。
【請求項53】
上記疾患または異常が、免疫細胞の異常、がん、感染症のいずれかである、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
アデノウイルス粒子を利用して免疫細胞の異常、がん、感染症のいずれかを治療するための薬を調製する方法において、そのアデノウイルス粒子が、請求項1〜28のいずれか1項に記載の粒子であるか、樹状細胞を標的とするためにAd37からのファイバーを備えていて、そのファイバー以外はサブグループCのアデノウイルスに由来するアデノウイルス(Ad)粒子であることを特徴とする方法。
【請求項55】
免疫細胞の異常、がん、感染症の中から選択した疾患または異常を治療するために細胞を利用する方法において、その細胞が、請求項41の細胞であるか、樹状細胞を標的とするためにAd37からのファイバーを備えていて、そのファイバー以外はサブグループCのアデノウイルスに由来するアデノウイルス(Ad)粒子を含む樹状細胞であることを特徴とする方法。
【請求項56】
上記異常が、腫瘍、炎症疾患、アレルギー、喘息、自己免疫疾患のいずれかである、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
細胞を利用して免疫細胞の異常、がん、感染症の中から選択した疾患または異常を治療するための薬を調製する方法において、その細胞が、請求項41に記載の粒子であるか、樹状細胞を標的とするためにAd37からのファイバーを備えていて、そのファイバー以外はサブグループCのアデノウイルスに由来するアデノウイルス(Ad)粒子を含む樹状細胞であることを特徴とする方法。
【請求項58】
上記疾患または異常が、腫瘍、炎症疾患、アレルギー、喘息、自己免疫疾患のいずれかである、請求項57に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図16】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2007−525166(P2007−525166A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509316(P2006−509316)
【出願日】平成16年3月24日(2004.3.24)
【国際出願番号】PCT/US2004/009219
【国際公開番号】WO2004/099422
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(504284559)ザ・スクリップス・リサーチ・インスティテュート (3)
【氏名又は名称原語表記】THE SCRIPPS RESEARCH INSTITUTE
【Fターム(参考)】