説明

樹状細胞の培養方法

【課題】患者から採取された血液細胞から、試験管内で樹状細胞又はその前駆細胞を増殖させて、前記免疫療法の最適数の樹状細胞を調製する技術の提供。
【解決手段】被検者から採取された血球細胞から単核球を分離するステップと、T細胞を前記単核球から除去するステップを含む、樹状細胞の調製方法。及び、樹状細胞の調製方法によって調製される樹状細胞を含む、樹状細胞移植療法用医薬品組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹状細胞の培養方法と、該方法によって得られる樹状細胞を含む医薬品組成物とに関し、具体的には、患者から採取された末梢血から樹状細胞の前駆細胞を大量に選択的に増殖させる培養方法と、該方法によって調製される樹状細胞を含む医薬品組成物とに関する。
【背景技術】
【0002】
樹状細胞は、抗原提示細胞として、獲得免疫及び自然免疫の両方を含む免疫系を刺激又は抑制することができる(非特許文献1)。そこで、がん、感染症、自己免疫疾患、アレルギー疾患等に関連する特定の抗原を提示させるように予め体外で処理された樹状細胞を患者に移植することによって、患者の免疫系を制御する、樹状細胞移植療法が試みられている(非特許文献2)。しかし、かかる樹状細胞移植療法には大量の樹状細胞が必要である。例えば、皮膚の腫瘍及び肺転移の実験動物モデル系を用いた研究によると、いずれのモデル系でも、移植する樹状細胞の1回投与の最適数は、実験動物の体重30gあたり少なくとも10個であるとの結果が得られた(非特許文献3及び4)。これはヒトに換算すると、患者1人あたり1回投与で少なくとも約10個の樹状細胞に相当する。しかし臨床的には、1人の人間から回収できる樹状細胞は、アフェレーシスを行った場合でもせいぜい10ないし10個にすぎない。
【0003】
1990年代に確立された樹状細胞の調製方法では、末梢血、臍帯血、リンパ節等に由来する単球が、GM−CSF及びIL−4の存在下で5ないし7日培養され、その後、微生物又はT細胞由来の因子、例えば、TNF−α、IL−1β、IL−6、PGE等の向炎症性メディエーター等で刺激されて、T細胞刺激能を獲得した成熟樹状細胞が得られた(特許文献1ないし3)。その後、GM−CSF及びIL−4存在下で1日培養後に、前記向炎症性メディエーター存在下で1日培養するだけの促成調製方法が開発された(特許文献4)。しかし、これらの調製方法では、樹状細胞の前駆細胞から、樹状細胞に分化させるだけであって、樹状細胞の前駆細胞自体の数を実質的に増加させるわけではない。
【0004】
樹状細胞の移植による免疫療法の対象となる患者の中には、疾患そのものか、あるいは、他の治療法の副作用かが原因で、造血能力が弱っている場合が多い。特に、現状では免疫療法は他の治療法で効果がない場合に試みられることが多いため、他の治療法の副作用により、アフェレーシスを利用しても、有効な治療に必要な10個のオーダーの樹状細胞又はその前駆細胞を用意できないことが治験拡大の妨げとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】Caux、C.ら、Nature、360:258−261(1992)
【特許文献2】Romani、N.S.ら、J.Exp.Med.、180:83−93(1994)
【特許文献3】Sallusto、F.及びLanzavecchia、A.、J.Exp.Med.179:1109−1118(1994)
【特許文献4】Dauer、M.ら、J.Immunol.、170:4069−4076(2003)
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】Lipscomb、M.F.及びMasten、B.J.、Physiol.Rev.、82:97−130(2002)
【非特許文献2】Steinman、R.M.及びBanchereau、J.、Nature、449:419−426(2007)
【非特許文献3】Harada,Y.ら、PLoS ONE、4:e6674(2009)
【非特許文献4】Tatsuta、K.ら、Gene Ther.16:240−251(2009)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、患者から採取された血液細胞から、試験管内で樹状細胞又はその前駆細胞を増殖させて、前記免疫療法の最適数の樹状細胞を調製する技術を開発する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は樹状細胞の調製方法を提供する。本発明の樹状細胞の調製方法は、被検者から採取された血球細胞から単核球を分離するステップと、T細胞を前記単核球から除去するステップとを含む。
【0009】
本発明の樹状細胞の調製方法において、前記T細胞を前記単核球から除去するステップは、CD3を発現する細胞を除去することによって達成される場合がある。
【0010】
本発明の樹状細胞の調製方法は、前記T細胞が除去された残りの細胞を、GM−CSF及びSCFを含む培地で培養するステップを含む場合がある。
【0011】
本発明の樹状細胞の調製方法において、前記GM−CSF及びSCFを含む培地で培養するステップは、少なくとも3週間実行され、その後、GM−CSF及びIL−4を含む培地に切り替えて培養するステップを含む場合がある。
【0012】
本発明の樹状細胞の調製方法において、前記GM−CSF及びSCFを含む培地で培養するステップは、少なくとも4週間実行され、その後、GM−CSF及びIL−4を含む培地に切り替えて培養するステップを含む場合がある。
【0013】
本発明の樹状細胞の調製方法において、前記血球細胞は、末梢血、臍帯血、骨髄及び/又はリンパ節から採取される場合がある。
【0014】
本発明の樹状細胞の調製方法において、前記血球細胞は末梢血からアフェレーシス法により採取される場合がある。
【0015】
本発明は、本発明の樹状細胞の調製方法によって調製される樹状細胞を含む、樹状細胞移植療法用医薬品組成物を提供する。
【0016】
本発明の樹状細胞移植療法用医薬品組成物は、がん又は感染症を治療するための場合がある。
【0017】
本発明の樹状細胞移植療法用医薬品組成物は、自己免疫疾患、アレルギー疾患又は1型糖尿病を治療するための場合がある。
【0018】
本発明の樹状細胞移植療法用医薬品組成物は、本発明の調製方法によって調製される樹状細胞と異なるHLA遺伝子型を有する患者に移植される場合がある。
【0019】
本発明は、本発明の方法によって調製される樹状細胞を患者に移植するステップを含む、患者の疾患の治療方法を提供する。
【0020】
本発明の治療方法は、がん又は感染症を治療するための場合がある。
【0021】
本発明の治療方法は、自己免疫疾患、アレルギー疾患又は1型糖尿病を治療するための場合がある。
【0022】
本発明の治療方法は、本発明の調製方法によって調製される樹状細胞と異なるHLA遺伝子型を有する患者に移植するステップを含む場合がある。
【0023】
本発明の技術的範囲は、添付する特許請求の範囲の記載に基づいて定められる。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
【0024】
本発明の樹状細胞又はその前駆細胞の出所は、末梢血と骨髄とリンパ節と臍帯血とを含むが、これらに限定されない組織の場合がある。本発明の樹状細胞又はその前駆細胞は末梢血から調製されることが好ましい。しかし、胚性幹細胞、成体幹細胞及び人工多能性幹(iPS)細胞から生成される造血幹細胞から調製されてもかまわない。
【0025】
本発明の樹状細胞又はその前駆細胞は、樹状細胞移植療法の患者自身か、患者と同じ遺伝子型を有する人間かに由来する場合がある。代替的には、前記免疫療法の有効性を損なわないことを条件として、患者と異なる遺伝子型を有する人間に由来する場合がある。
【0026】
本発明の樹状細胞を用意するためには、本技術分野の専門家に知られたさまざまな手順を用いることができる。例えば末梢血から白血球を分離する際には、Ficoll比重遠心法を用いることができる。前記白血球からT細胞を分離除去する際には、Invitrogen社から販売されるDynal社製Dynabeads(商標)や、ミルテニーバイオテック社のCliniMACS(商標)を含むがこれらに限定されない免疫磁気ビーズを用いて、細胞表面抗原CD3を発現する細胞を分離除去することができる。
【0027】
本発明の方法において、T細胞を除去するのは、単にリンパ球を除去して濃縮するのではない。本明細書の実施例に示すとおり、本発明のGM−CSF及びSCFを含むサイトカインカクテルが添加された培地で単核球を培養すると、樹状細胞自体が増殖するよりもT細胞の増殖促進が著しく、樹状細胞が非常に希釈されてしまう。これは樹状細胞がT細胞と相互作用するが、樹状細胞自体の増殖及び/又は分化が妨げられるためと考えられる。そこで、樹状細胞が不必要にT細胞と相互作用しないように、T細胞を除去するのである。
【0028】
本発明の方法において、T細胞を前記単核球から除去するステップは、T細胞に発現するが、樹状細胞又はその前駆細胞では発現しないいかなる細胞マーカーを用いて行われてもかまわない。好ましい細胞マーカーは、CD3か、CD4及びCD8の組合せかである。また、T細胞を除去するには、前記細胞マーカーが細胞表面マーカーの場合には、磁気ビーズその他の固相に固定された、当該細胞表面マーカーに対する抗体その他の特異的結合パートナーを用いて、前記単核球の細胞集団から分離される場合がある。あるいは、フロー・サイトメトリー法その他の免疫学的分離手段が用いられる場合がある。また、T細胞に対する特異的結合パートナーを利用して、T細胞だけを選択的に傷害又は死滅させる場合がある。なお、前記T細胞を前記単核球から除去するステップは、他の単核球の細胞タイプ、例えば、B細胞及び/又はNK細胞をT細胞とともに除去するステップであってもかまわない。
【0029】
得られた細胞を培養するための培地としては、IMDM培地の他、MEM、DMEM、RPMI−1640、X−VIVO15培地を含むが、これらに限らない、血液系細胞の増殖に適する培地が用いられる。これらの培地には、ウシ胎仔血清が添加される場合がある。ウシ胎仔血清の濃度は5ないし20%の場合があり、10%がより好ましい。代替策として、BioWhittaker社その他から入手可能なヒトAB型血清や、日本赤十字社から入手可能な献血ヒト血清アルブミンが添加される場合がある。ヒトAB型血清は0ないし15%の濃度で添加されることが好ましく、献血ヒト血清アルブミンは0ないし10%の濃度で添加されることが好ましい。
【0030】
前記培地には、GM−CSF及びSCFを含むが、これら以外のサイトカインを含まないサイトカインカクテルか、GM−CSF及びIL−4を含むが、SCFを含まないサイトカインカクテルかが添加される。これらのサイトカインは、ヒトのアミノ酸配列を有することが好ましく、安全上、組換えDNA技術で生産されることが好ましい。GM−CSFの濃度は、1ないし500ng/mL、1ないし200ng/mL又は1ないし100mg/mLの範囲で用いられる場合があり、より好ましくは、2ないし300ng/mL、5ないし200ng/mL、10ないし150ng/mL、20ないし120ng/mL又は30ないし100ng/mLの範囲で用いられる。SCF又はIL−4の濃度は、0.5ないし500ng/mL、0.5ないし100ng/mL又は0.5ないし50ng/mLの範囲で用いられる場合があり、より好ましくは、1ないし300ng/mL、2ないし200ng/mL、5ないし100ng/mL、10ないし70ng/mL、20ないし60ng/mL又は25ないし50ng/mLの範囲で用いられる。
【0031】
本明細書において、あるサイトカインが含まれない培地とは、正常血清中の当該サイトカインの濃度を著しく超えない範囲、すなわち、正常血清中の濃度の3倍、2倍又は1倍以下であることが好ましく、1/2、1/3又は1/5以下であることがより好ましい。あるいは、当該サイトカインの濃度が0の場合の樹状細胞又はその前駆細胞の挙動と実質的に同じ挙動をすることを条件として、50ng/mL、40ng/mL、30ng/mL、20ng/mL、10ng/mL、5ng/mL、3ng/mL又は1ng/mL以下であることを指す。
【0032】
本発明の方法では、GM−CSF及びSCFを含む培地で増殖した樹状細胞の前駆細胞は、GM−CSF及びIL−4を含む培地に切り替えることによって樹状細胞のサブセットの変更が可能になる。ここで、GM−CSF及びSCFを含む培地で増殖する細胞は、いつでもGM−CSF及びIL−4によって樹状細胞に分化するように決定された細胞である。したがって、GM−CSF及びSCFを含む培地からGM−CSF及びIL−4を含む培地への切り替えは、培養開始後どの時点で行ってもかまわない。しかし、本発明の目的は樹状細胞を大量に調製することであるから、GM−CSF及びSCFを含む培地で培養する期間が長いほどより多くの樹状細胞が得られるので有利である。一方、培養期間が短いと、より多くの患者について樹状細胞移植療法を実施することができるので、有用である。実際には、実施例1に示すとおり、GM−CSF及びSCFを含む培地での培養開始から3週間後まではCD11c陽性細胞はどんどん増加するが、4週間後になると、増殖速度が低下する。そこで、より大量の樹状細胞を得ることと、より短期間に樹状細胞を得ることとの折り合いをつけるのは、GM−CSF及びSCFを含む培地での増殖が、治療効果に必要な樹状細胞の細胞数(約10個)を達成できるとき、又は、増殖速度が低下して、これ以上GM−CSF及びSCFを含む培地で培養しても樹状細胞の前駆細胞があまり増えない状態となるときである。したがって、GM−CSF及びSCFを含む培地からGM−CSF及びIL−4を含む培地への切り替えは、治療効果に必要な樹状細胞の細胞数まで増殖することを条件として、培養開始後いつ行ってもかまわない。しかし、GM−CSF及びSCFを含む培地での増殖速度が落ち始める3週間後以降であることが好ましく、GM−CSF及びSCFを含む培地での増殖がほぼ止まる4週間後であることがより好ましい。
【0033】
増殖刺激された細胞は5ないし7%CO存在下37°Cで培養される場合がある。細胞は5×10個/mLの濃度で播種され、2ないし4日後に培地交換され、新たな培地に2.5×10個/mLないし1×10個/mLの濃度で播種される場合がある。好ましい播種濃度は5×10個/mLである。総数1×10個以上の大量培養の場合には、GE Healthcare社のWAVE Bioreactor 2/10(商標)のような装置が用いられる場合がある。
【0034】
本発明の方法において、採取された末梢血から分離された単核球は凍結保存される場合がある。また、CD3発現細胞が除去された後で、残った単球細胞が凍結保存される場合がある。血球細胞の凍結及び解凍は当業者に周知のいかなる方法を用いてもかまわない。細胞の凍結には、株式会社リンフォテック製のバンバンカー(商標)その他の市販の細胞凍結保存液が用いられる場合がある。
【0035】
本発明の方法で調製された樹状細胞は、OK−432、TNF−α、IL−1β、IL−6、PGE等の向炎症性メディエーター等で刺激されて、T細胞刺激能を獲得した後に、患者に移植される場合がある。癌の治療のためには、それぞれのがんに特異的に発現する抗原で刺激される場合がある。例えば、前立腺癌、非小細胞肺がん及び高リスクメラノーマでは、それぞれ、前立腺酸性ホスファターゼ(PAP)、腫瘍抗原MAGE−A3及び癌精巣抗原NY−ESO−1で刺激される場合がある。単一の癌に対する治療のために、複数の癌特異的抗原でそれぞれ単独に刺激された樹状細胞を組み合わせたり、あるいは、複数の癌特異的抗原で同時に刺激された樹状細胞を用いたりする場合もある。
【0036】
本発明の樹状細胞を含む医薬品組成物は、本発明の方法で調製された樹状細胞とともに、他の療法のための薬剤、例えば、化学療法剤、放射線療法剤が配合される場合がある。かかる薬剤には、CDDP、TS−1、Gemzar等の癌細胞の増殖を抑制する薬剤や、IL−12p70、PGE2等の癌細胞を攻撃する細胞傷害性T細胞の活性を増強する因子の組換えタンパク質や、IL−10等の前記細胞傷害性T細胞の活性を抑制する因子に対する阻害剤、例えば、抗体、短鎖干渉RNA等が含まれるが、これらに限定されない。
【0037】
本発明の医薬品組成物は、医薬品として許容される担体を含む場合がある。生細胞を懸濁することができるいずれかの溶液、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、培地、血清等が代表例である。また、樹状細胞をワクチンとして使用する場合には、免疫原性を増強するために、サイトカイン、細菌毒素、結核菌菌体成分等の免疫促進剤や、ミョウバン、フロイントアジュバントその他のアジュバント剤を含むが、これらに限定されない、免疫原性増強剤を本発明の医薬品組成物は含む場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1A】末梢血から分離された単核球をGM/SCF培地で1週間培養後、CD3及びCD11cに対する抗体で2重染色しフロー・サイトメトリー法で解析した結果図。
【図1B】末梢血から分離された単核球をGM/IL−4培地で1週間培養後、CD3及びCD11cに対する抗体で2重染色しフロー・サイトメトリー法で解析した結果図。
【図2A】末梢血から分離された単核球をGM/SCF培地で2週間培養後、CD3及びCD11cに対する抗体で2重染色しフロー・サイトメトリー法で解析した結果図。
【図2B】末梢血から分離された単核球をGM/IL−4培地で2週間培養後、CD3及びCD11cに対する抗体で2重染色しフロー・サイトメトリー法で解析した結果図。
【図3A】末梢血から分離された単核球をGM/SCF培地で2週間培養後、CD11c陰性細胞のみをゲーティングして、CD3に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図3B】末梢血から分離された単核球をGM/IL−4培地で2週間培養後、CD11c陰性細胞のみをゲーティングして、CD3に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図4】末梢血中の単核球からCD3発現細胞を除去した残りの細胞を培養した場合(実線)と、CD3発現細胞を除去しないで単核球集団をそのまま培養した場合(破線)とにおける、CD11c陽性細胞数の増殖曲線
【図5A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、CCR5に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図5B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、CCR5に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図6A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、CCR7に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図6B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、CCR7に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図7A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、CD40に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図7B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、CD40に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図8A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、CD54に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図8B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、CD54に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図9A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、CD80に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図9B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、CD80に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図10A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、CD83に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図10B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、CD83に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図11A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、CD86に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図11B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、CD86に対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図12A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、HLA−ABCに対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図12B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、HLA−ABCに対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図13A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間培養後、HLA−DRに対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図13B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で5週間培養後、HLA−DRに対する抗体で染色しフロー・サイトメトリーで解析した結果図。
【図14】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間の培養条件(GM/IL−4、白)か、GM/SCF培地で5週間の培養条件(GM/SCF、黒)かで培養後、それぞれの細胞表面マーカーで染色したフロー・サイトメトリー解析結果の平均蛍光強度(MFI)を比較したグラフ。
【図15A】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間の培養条件(G4)か、GM/SCF培地で5週間の培養条件(GS)かで培養後、OK432で刺激して2日間に培地中に放出されたIL−1bの濃度を比較したグラフ。
【図15B】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間の培養条件(G4)か、GM/SCF培地で5週間の培養条件(GS)かで培養後、OK432で刺激して2日間に培地中に放出されたIL−6の濃度を比較したグラフ。
【図15C】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間の培養条件(G4)か、GM/SCF培地で5週間の培養条件(GS)かで培養後、OK432で刺激して2日間に培地中に放出されたIL−8の濃度を比較したグラフ。
【図15D】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間の培養条件(G4)か、GM/SCF培地で5週間の培養条件(GS)かで培養後、OK432で刺激して2日間に培地中に放出されたIL−10の濃度を比較したグラフ。
【図15E】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間の培養条件(G4)か、GM/SCF培地で5週間の培養条件(GS)かで培養後、OK432で刺激して2日間に培地中に放出されたIL−12p70の濃度を比較したグラフ。
【図15F】末梢血から分離された単核球からCD3陽性細胞を除去した後、GM/SCF培地で4週間、さらに、GM/IL−4培地で1週間の培養条件(G4)か、GM/SCF培地で5週間の培養条件(GS)かで培養後、OK432で刺激して2日間に培地中に放出されたTNF−αの濃度を比較したグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に説明する本発明の実施例は例示のみを目的とし、本発明の技術的範囲を限定するものではない。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲の記載によってのみ限定される。本発明の趣旨を逸脱しないことを条件として、本発明の変更、例えば、本発明の構成要件の追加、削除及び置換を行うことができる。
【実施例1】
【0040】
末梢血からの採血
健康なボランティア被検者から末梢血が採取された。本実験は、九州大学医系地区部局臨床研究倫理審査委員会の承認(承認日:平成22年3月12日)を得て実施され、前記ボランティア被検者からは書面による同意が得られている。採血には、22〜23G針を取り付けた真空採血管(TERUMO ベノジェクトII EDTA−2Na)が用いられた。
【0041】
末梢血からの単核球の分離
得られた血液は、常温に保たれた希釈液(1mM EDTA及び2%ウシ胎仔血清が添加されたPBS)で2倍希釈され、各遠心管に、希釈血20ないし35mLが、10ないし15mLのFicoll Paque(比重1.077)に重層された。遠心は、580×g、室温で20分間行われ、ブレーキをかけずに停止された。遠心上清(血漿部分)は数mLを残して除去され、中間層が回収された。遠心管1ないし2本から回収された前記中間層が1本の新たな遠心管に集められ、前記希釈液により体積が50mLに調整された。2回目の遠心は、420×g、室温、5分間又は15分間の条件で行われた。上清は除去され、ペレットが、前記希釈液30mLに懸濁された。3回目の遠心は、250×g、室温10分間の条件で行われた。上清は除去され、ペレットは、細胞濃度が1×10個/mLになるように、2mM EDTAと、0.1%BSAとが添加されたPBSに懸濁された(以下、「単核球懸濁液」という。)。
【0042】
CD3発現細胞の除去
抗CD3抗体が固定化された磁気ビーズ(Dynabeads CD3)は、0.1%BSAが添加されたPBSで1回洗浄された後、前記単核球懸濁液に細胞10個あたり50μLが添加された。前記ビーズを含む単核球懸濁液は、4°Cで30分間ローテータにて攪拌された。その後、前記磁気ビーズは磁石によって前記懸濁液から分離され、CD3を表面に発現する細胞が除去された。
【0043】
CD3発現細胞が除去された細胞集団の培養
前記懸濁液に残った細胞(以下、「CD3細胞」という。)は、100ng/mLの組換えヒトGM−CSFと、50ng/mLの組換えヒトSCFと、10%ウシ胎仔血清と、抗生物質(ペニシリンG100単位/mL、硫酸ストレプトマイシン100μg/mL)とが添加されたIMDM(以下、「GM/SCF培地」という。)で5×10個/mLになるように希釈され、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を含む生体適合性ポリマーでコーティングされた6ウェルプレート(リピジュアコートプレート(登録商標)、日油株式会社)で培養された。
【0044】
CD3発現細胞を含む単核球集団の培養
対照実験として、CD3発現細胞を含む単核球集団が培養された。前記単核球懸濁液200μL(2×10個)が400ないし800×g、5分間の条件で遠心され、得られたペレットが前記GM/SCF培地3mLに懸濁され、CD3細胞の培養に用いられるのと同じMPCポリマーでコーティングされた6ウェルプレートで培養された。
【0045】
培地交換
培地交換は3ないし4日ごとに行われた。細胞が回収され、400×g、5分間の遠心により培地が除去され、ペレットの細胞が、2.5ないし5×10個/mLの濃度になるように前記GM/SCF培地に懸濁され、MPCポリマーでコーティングされた新たな6ウェルプレートで培養された。
【0046】
培養中の細胞のモニタリング
培養開始から1週間ごとに、当業者に周知の試薬、装置及び手順に従って、細胞数の計測の他、細胞表面マーカーCD3、CD11c及びCD14の発現がフロー・サイトメトリー法で解析された。
【0047】
結果
図1A及び2Aは、末梢血から分離された単核球をGM/SCF培地で、それぞれ1及び2週間培養後、CD3及びCD11cに対する抗体で2重染色しフロー・サイトメトリー法で解析した結果図である。図1B及び2Bは、末梢血から分離された単核球をGM/IL−4培地で1及び2週間培養後、CD3及びCD11cに対する抗体で2重染色しフロー・サイトメトリー法で解析した結果図である。図1Aの条件では、CD11c陽性かつCD3陰性の細胞は27.9%、CD11陰性かつCD3陽性の細胞は44.29%であったが、図1Bの条件では、それぞれ、10.66%及び55.31%であった。これに対し、図2Aの条件では、CD11c陽性かつCD3陰性の細胞は5.16%、CD11陰性かつCD3陽性の細胞は75.31%であったが、図1Bの条件では、それぞれ、2.32%及び74.29%であった。CD11c陽性かつCD3陰性の細胞は、樹状細胞又はその前駆細胞である。これらの結果から明らかなとおり、GM/SCF培地のほうがGM/IL−4培地よりも樹状細胞又はその前駆細胞の割合が高くなった。しかし、いずれの培地でも、1週間より2週間のほうが樹状細胞又はその前駆細胞の割合が急激に下がり、逆にCD11陰性かつCD3陽性の細胞の割合は非常に高くなった。CD3陽性の細胞はT細胞であり、試験管内でも樹状細胞はT細胞と相互作用してT細胞を刺激できることが知られている。そこで、これらの結果から、T細胞が共存すると、樹状細胞はT細胞を刺激するが、樹状細胞自体の増殖及び/又は分化が妨げられた可能性がある。実際に、図3A及びBの結果から、CD11c陰性の細胞のうち図3Aでは87.07%、図3Bでは88.27%と、約9割がCD3陽性、すなわち、T細胞系列の細胞であった。そこで、培養開始前に末梢血由来の単核球からT細胞を除去することで、T細胞との相互作用に煩わされることなく樹状細胞自体の増殖及び分化に専念させることができるのではないか、との発想が得られた。
【0048】
図4は、末梢血中の単核球からCD3細胞を培養した場合(実線)と、CD3発現細胞を除去しないで単核球集団をそのまま培養した場合(破線)とにおける、CD11c陽性細胞数の増殖曲線である。いずれの場合も、3人の被検者から採取された末梢血1mLあたりのCD11c陽性細胞の数が、培養開始時と、1週間後、2週間後、・・・、5週間後の時点での全細胞数と、それぞれの時点でのCD11c陽性細胞の割合との積として算出された。末梢血中の単核球からCD3発現細胞を除去した残りの細胞を培養した場合には、培養開始から4週間後までCD11c陽性細胞の数が増加し続け、5週間後には極大に達する。この間、3週間後までは増加速度も上昇し続けるが、3週間後を過ぎると増加速度は低下し、4週間後から5週間後までの間は増加はあまりみられない。CD11c陽性細胞の割合も、培養開始時に約20%であったのに、培養4週間後には95%を超えていた。これに対し、CD3発現細胞を除去しないで単核球集団をそのまま培養した場合には、培養開始時からCD11c陽性細胞の数の増加は全く認められず、図1A及び2Aで示されたのと同様に、2週間後には著しく減少してしまった。これらの結果から、CD3発現細胞、すなわち、T細胞を除去したうえで前記GM/SCF培地で培養することにより、ほぼ樹状細胞だけを選択的に10倍ないし100倍に増幅できることが示された。
【実施例2】
【0049】
培地の切り替えによる樹状細胞の成熟
実施例1のプロトコールに従って、CD3細胞が前記GM/SCF培地で4週間培養された後、樹状細胞の前駆細胞を樹状細胞に分化させるために、培地が切り替えられた。新しい培地は、100ng/mLの組換えヒトGM−CSFと、50ng/mLの組換えヒトIL−4と、10%ウシ胎仔血清と、抗生物質(ペニシリンG100単位/mL、硫酸ストレプトマイシン100μg/mL)とが添加されたIMDM(以下、「GM/IL−4培地」という。)で、培養開始から4週間後に、GM/SCF培地からGM/IL−4培地に切り替えられ、さらに1週間培養された。対照実験では、CD3細胞は、4週間後に培地を切り替えないで、5週間連続してGM/SCF培地で培養された。
【0050】
樹状細胞分化マーカーの検討
培養開始から5週間後に、それぞれの実験条件で培養された細胞が、常法に従うフロー・サイトメトリー法による解析に供された。用いられた細胞表面マーカーは、CCR5、CCR7、CD40、CD54、CD80、CD83、CD86、HL−ABC及びHLA−DRであった。また、OK−432による刺激への応答を検討するために、前記5週間の培養後の細胞は、1×10個/mLの濃度で、0.5KE/mLのOK−432が添加されたIMDMに懸濁され、さらに48時間培養された。その後、IL−1b、IL−6、IL−8、IL−10、IL−12p70及びTNF−αの各サイトカインの産生量が測定された。
【0051】
図5Aないし13Bに、各細胞表面マーカーごとのフロー・サイトメトリー解析結果を比較したグラフを示す。また、図14に、各細胞表面マーカーのフロー・サイトメトリー解析結果の平均蛍光強度(MFI)の測定値を示す。これらの図において「GM/IL−4」は、培養開始から4週間後に、GM/SCF培地からGM/IL−4培地に切り替えられ、さらに1週間培養された、本発明の方法で調製された細胞での解析結果を表す。「GM/SCF」は、5週間連続してGM/SCF培地で培養された、対照実験の細胞での解析結果を表す。図2から明らかなとおり、CD83及びCD86については、本発明の方法で調製された細胞のほうが、対照実験の細胞より強く発現していた。CD83及びCD86は、樹状細胞が分化すると発現が増大することが知られている。また、樹状細胞が抗原提示細胞として機能する際に、抗原の断片と複合体を形成するHLA分子も、本発明の方法で調製された細胞のほうが、対照実験の細胞より強く発現していた。つまり、これらの図から明らかなとおり、本発明の方法で調製された細胞は、樹状細胞としての分化マーカーを発現し、抗原提示細胞としての機能を備えていることが示された。
【0052】
図15AないしFは、本発明の方法で調製された樹状細胞のT細胞刺激能を示すグラフである。図15AないしFにおいて、「G4」は、培養開始から4週間後に、GM/SCF培地からGM/IL−4培地に切り替えられ、さらに1週間培養された、本発明の方法で調製された細胞での解析結果を表す。「GS」は、5週間連続してGM/SCF培地で培養された、対照実験の細胞での解析結果を表す。図15AないしFから明らかなとおり、IL−12p70は本発明の方法で調製された細胞だけで発現し、逆に、IL−1b、IL−6及びIL−8は対照実験の細胞だけで発現していた。このことから、OK−432による刺激に対する応答能力の点からも、本発明の方法で調製された細胞は成熟した樹状細胞であることが証明された。
【0053】
末梢血中の単核球からCD3発現細胞を除去した残りの細胞を培養した場合には、CD11c陽性細胞は5週間で10ないし100倍に増殖したが、CD3発現細胞を除去しなかった場合には、CD11c陽性細胞は全く増殖が認められず、むしろ、1週間後には数分の1、2週間後には10分の1と減少していった。図1から明らかなとおり、末梢血由来の単核球からCD3発現細胞を除去することによって、CD11c陽性細胞を大量に増殖させることができた。また本発明の方法で調製された細胞は、実施例2の実験結果で証明されたとおり、生体から回収されたばかりの樹状細胞と同じ能力を有する。現在採用されている樹状細胞の調製方法では、促成法で2日、通常法でも5ないし7日しか培養されないため、CD11c陽性細胞の数は試験管内では増加せず、むしろ5分の1程度に減少することが知られている。これに対し、本発明の方法によれば、10倍ないし100倍に増加させることができるので、本発明の方法は非常に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者から採取された血球細胞から単核球を分離するステップと、T細胞を前記単核球から除去するステップとを含むことを特徴とする、樹状細胞の調製方法。
【請求項2】
前記T細胞を前記単核球から除去するステップは、CD3を発現する細胞を除去することによって達成されることを特徴とする、請求項1に記載の樹状細胞の調製方法。
【請求項3】
前記T細胞が除去された残りの細胞を、GM−CSF及びSCFを含む培地で培養するステップを含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の樹状細胞の調製方法。
【請求項4】
前記GM−CSF及びSCFを含む培地で培養するステップは、少なくとも3週間実行され、その後、GM−CSF及びIL−4を含む培地に切り替えて培養するステップを含むことを特徴とする、請求項3に記載の樹状細胞の調製方法。
【請求項5】
前記GM−CSF及びSCFを含む培地で培養するステップは、少なくとも4週間実行され、その後、GM−CSF及びIL−4を含む培地に切り替えて培養するステップを含むことを特徴とする、請求項3に記載の樹状細胞の調製方法。
【請求項6】
前記血球細胞は、末梢血、臍帯血、骨髄及び/又はリンパ節から採取されることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれか1つに記載の樹状細胞の調製方法。
【請求項7】
前記血球細胞は末梢血からアフェレーシス法により採取されることを特徴とする、請求項6に記載の樹状細胞の調製方法。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つの方法によって調製される樹状細胞を含むことを特徴とする、樹状細胞移植療法用医薬品組成物。
【請求項9】
がん又は感染症を治療するためであることを特徴とする、請求項8に記載の樹状細胞移植療法用医薬品組成物。
【請求項10】
自己免疫疾患、アレルギー疾患又は1型糖尿病を治療するためであることを特徴とする、請求項8に記載の樹状細胞移植療法用医薬品組成物。
【請求項11】
前請求項1ないし7のいずれか1つの方法によって調製される樹状細胞と異なるHLA遺伝子型を有する、患者に移植されることを特徴とする、請求項8ないし10に記載の樹状細胞移植療法用医薬品組成物。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2A】
image rotate

【図2B】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11A】
image rotate

【図11B】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate

【図13A】
image rotate

【図13B】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15A】
image rotate

【図15B】
image rotate

【図15C】
image rotate

【図15D】
image rotate

【図15E】
image rotate

【図15F】
image rotate


【公開番号】特開2011−239701(P2011−239701A)
【公開日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−112588(P2010−112588)
【出願日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(510134938)テラ株式会社 (4)
【出願人】(504145342)国立大学法人九州大学 (960)
【Fターム(参考)】