説明

樹脂の化学状態変化の評価方法及び評価装置

【課題】 樹脂の化学状態変化を正確に把握する。
【解決手段】 赤外吸収スペクトルにより樹脂の化学状態変化を測定する際に、樹脂から検出される赤外線のうち、樹脂に入射した赤外光からの透過光と、樹脂から放出される放射赤外光とを分離し、透過光の変化のみを利用して樹脂の状態変化を追跡する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硬化過程における樹脂の化学状態変化を計測する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プラスチックレンズ、塗膜、接着剤など各種樹脂原料を硬化させて形成する工業製品においては、材料の配合や形成条件により形成物の形状、性質、耐久性などが様々に変化する。設定した条件においてどのような硬化反応が進んでいるかを確認することは、諸製品の製造プロセスの確立および樹脂自体の開発を進める上で重要である。
【0003】
樹脂の硬化の状態を直接モニターする方法として近年、赤外吸収スペクトルの変化を測定する方法が一般に用いられている。赤外吸収スペクトルの測定には、一般に赤外分光装置(IR)が用いられる。IRは、赤外領域の光を干渉計を経て試料に入射し、その出力干渉縞をコンピュータでフーリエ変換処理してスペクトルを得るものであり、高感度、高分解能を必要とする各種分野の非破壊試験法に利用されている。
【0004】
測定試料に赤外線を照射すると、試料を構成する官能基の分子構造や電子構造等により特定の波長の赤外線が吸収を受ける。特定波長の赤外吸光度はそれに対応した官能基濃度と密接な相関があり、吸光度から官能基の濃度を算出することが可能である。さらに吸光度の経時的変化を追うことにより、それに対応した官能基濃度の変化、すなわち試料の分子構造変化を追跡することができる。例えば樹脂の硬化反応においては、樹脂材料に硬化を引き起こす外的因子(加熱、光照射等)を与えながら赤外吸収スペクトルを測定することにより、そのスペクトルの変化から硬化の動的過程を時間を追って追跡することが可能となる。
【0005】
しかしながら、以上に示したような従来の評価手法には以下のような問題があった。
【0006】
すなわち、状態変化過程において樹脂に温度変化が生じる場合、この温度変化に起因して樹脂自身から発生する放射赤外量に変化が生じる。試料から放射される赤外線は、赤外分光装置の検出器に導入されることから、結果として吸収度の測定値に誤差を与える原因となる。特に熱硬化樹脂においては試料の温度変化が大きいことからその影響は顕著である。従って樹脂の硬化過程を正確に把握する目的において、温度変化により生じる赤外線放射量の変化は、吸光度測定及び官能基濃度の算出を行う上で大きな問題となる。特許文献1には、赤外線照射による試料温度の上昇が引き起こす測定値のばらつきを補償する手段として、試料室前室で予め試料を所定の温度まで加熱しておく方法が提案されている。
【特許文献1】特開平5−99844号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に記載されたような方法では、硬化過程をin-situで(元の位置において)分析する目的の測定には対応できない。このように従来のIR装置には、上記のような試料温度変化に起因した測定値の誤差を補正する機構は設けられていない。
【0008】
そこで本発明の主たる目的は、赤外吸収スペクトルにより樹脂の化学状態変化を測定する際に、樹脂から検出される赤外線のうち、樹脂に入射した赤外光からの透過光と、樹脂から放出される放射赤外光とを分離し、透過光の変化のみを利用して樹脂の状態変化を追跡することにより、樹脂の化学状態変化を正確に把握することが可能な評価手法及び評価装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために成されたものである。
【0010】
すなわち本発明の樹脂の化学状態変化の評価方法は、樹脂の化学状態変化を赤外吸収スペクトルの変化から評価する方法であって、スペクトルを計測する際、樹脂から検出される赤外線のうち、樹脂に入射した赤外光からの透過光と、樹脂から放出される放射赤外光とを分離し、透過光の変化のみを利用して樹脂の状態変化を追跡することを特徴とするものである。
【0011】
その一態様において、樹脂の化学状態変化が熱硬化であることを特徴とするものである。また前記樹脂が熱硬化樹脂であることを特徴とするものである。
【0012】
放射赤外線量を検出する方法としては、予め、測定対象の樹脂と同等の放射率を有し、かつ測定温度範囲内で化学的に変化を生じない標準試料を用い、赤外光を入射しながら温度変化を与えた際に、この樹脂から検出される赤外線量の変化を検出することにより行うことが可能である。
【0013】
また放射赤外線量を検出する方法の別の態様としては、樹脂からの放射赤外線のみを検出する第二の検出器を用いて求めることができる。
【0014】
また、本発明の樹脂の化学状態変化の評価装置は、樹脂の化学状態変化を赤外吸収スペクトルの変化から評価するための装置であって、樹脂に状態変化を与える機構と、樹脂に赤外線を入射する機構と、透過した赤外光を検出する機構と、樹脂の温度測定機構と、コンピュータと、を備えていることを特徴とするものである。
【0015】
その一態様としては、樹脂からの放射赤外線のみを検出する第二の検出器と、この第二の検出器に入射する赤外線の波長を任意に選択するためのバンドパスフィルターあるいは回折格子と、を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
以上のように赤外吸収スペクトルにより樹脂の化学状態変化を測定する際に、樹脂から検出される赤外線のうち、樹脂に入射した赤外光からの透過光と、樹脂から放出される放射赤外光とを分離し、透過光の変化のみを利用して樹脂の状態変化を追跡することにより、樹脂の化学状態変化を正確に把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
上記のように本発明は、赤外吸収スペクトルにより樹脂の化学状態変化を評価する際に、樹脂から検出される赤外線のうち、樹脂に入射した赤外光からの透過光と、樹脂から放出される放射赤外光とを分離し、透過光の変化のみを利用して樹脂の状態変化を追跡することにより、樹脂の化学状態変化を正確に把握することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は、本発明の一実施形態にかかる評価装置の構成を示す図である。図1おいて、1は試料、2は赤外光源、3は赤外光、4は干渉計、5は移動鏡、6は固定鏡、7はビームスプリッター、8は赤外検出器、9は温度計、10は放射赤外線、11は放射赤外線用光検出器、12はバンドパスフィルター、13はコンピュータ、14は試料加熱手段を示す。
【0019】
本発明に係る赤外分光測定法の一例を示す。基本的な装置構成は、従来の赤外分光測定装置と同様である。分光方式には分散型とフーリエ変換型があり、そのいずれの方式も用いることが可能である。ここではフーリエ変換型を用いた場合の装置を示す。光源部2で発生した赤外光3は、移動鏡5、固定鏡6、ビームスプリッター7からなる干渉計4に入り、干渉波(インターフェログラム)となって試料1に入射する。その際、試料を構成する分子中の原子または原子団の振動エネルギーに対応した固有の振動数の光が吸収される。試料を透過した赤外光は検出器8で検出され、ここで得られた信号は、コンピュタ−部にてフーリエ変換され、試料固有の赤外スペクトルが得られる。
【0020】
樹脂の硬化に伴う分子構造の変化を追跡するには、硬化に必要な外的因子(熱、光照射等)を試料に与えながら、赤外スペクトルの時間分解測定を行なう。例えば熱硬化樹脂の場合は、試料加熱手段に14により熱を与えながら特定波長の赤外吸光度、すなわち樹脂の分子構造変化を顕著に反映する特性吸収帯での吸光度変化を追うことで、分子構造の変化を追跡できる。加熱中の試料温度は、それを計測できるものであればどのような手段でもかまわないが、測定環境下で正確に温度を求めるには、試料に直接接触するタイプの温度計が好ましく用いられる。
【0021】
試料からは、試料を透過した赤外光3の他に放射赤外線が発生している。この放射赤外光の放射量には相関があり、その関係はプランクの法則として知られている。式(1)にこれを示す。
【0022】
【数1】

【0023】
式中、Wλは波長λにおける光の放射量、T[K]は温度である。C1及びC2は定数である。式からわかるように、試料温度に変化がなければ、その放射量も一定であるが、温度上昇に伴いその放射量も増加する。また照射量には波長依存性があり、これは温度によって変化する。従って樹脂の硬化状態の評価に用いる特性吸収帯の波長あるいはその近傍の波長において、温度と放射量の相関を求め、その結果を用いて測定中、検出器8で検出される赤外光の量から温度に対応した放射量の相当分を分離することにより、化学状態の変化に起因する赤外光量の変化のみをより正確に検出することが可能となる。
【0024】
試料温度と放射量の相関を求める具体的な方法としては以下の2つの方法が挙げられる。
【0025】
その第一の方法においては、予め、測定対象の樹脂と同等の放射率を有し、かつ測定温度範囲内で化学的に変化を生じない標準試料を用い、赤外光を入射しながら温度変化を与えた際に、検出器8で検出される赤外光量の変化を求める。これが温度変化による放射赤外光の放射量の変化と考えられる。これにより赤外分光装置で測定可能な全波長領域にわたって、試料温度による放射赤外光の変化量を算出しておくことができる。その後、実際に測定対象試料である樹脂を硬化させながら化学状態の変化を調べる。
【0026】
この時、予め標準試料で測定しておいた温度と放射赤外線量の相関に基づき、検出器8で得られた赤外光の検出量から放射赤外線相当分を除く操作を行なうことにより、化学状態変化による透過赤外光量の変化のみをより正確に求めることができる。なお測定試料である樹脂の硬化物が、温度に対し不可逆なものであれば、これを上記標準試料として用いることが可能である。
【0027】
試料温度と放射量の相関を求める第二の具体的方法としては、図1に示したように樹脂からの放射赤外線のみを検出する第二の検出器11を設けることにより行なうことができる。この検出器は赤外光源2からの赤外光3が入射しない位置に設置され、試料からの放射光のみを検出するものとする。樹脂の硬化に伴う赤外スペクトルの変化を測定すると同時に放射光量の変化を検出器11で検出し、温度変化による放射光量の変化分を検出器8での検出量から差し引くことにより化学変化による赤外吸収量の変化のみをより正確に求めることができる。なおこの時、所望の波長における変化のみを検出するため、検出器11の手前にはそれに応じた適度なバンドパスフィルターを配置することが望ましい。あるいは検出器11の手前に回折格子を配置することにより分光することも可能である。
【0028】
コンピュータ13は、赤外分光装置の駆動を制御するとともに、各検出器や温度計で得られた赤外光量や温度のデータを取り込み、これらのデータから適切な処理することに用いる。
【0029】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【実施例1】
【0030】
本実施例を図1を用いて説明する。本実施例では、試料1として熱硬化タイプの5μm厚フィルム状エポキシ樹脂の未硬化物を用いた。
【0031】
測定の手順として、まず硬化後の上記試料を用い、これを干渉計4と検出器8の間に設置し、基板部分にヒーターと温度計を取り付けた。この状態で上記硬化物を試料を室温から150℃まで加熱し、さらにその後は150℃に維持しながら赤外スペクトルを1秒ごとに測定した。エポキシ結合の吸収ピークが現れる915cm-1及びメチレン基の吸収ピークが現れる2920cm-1の波長での吸収強度変化を追ったところ、いずれも検出される赤外光量は、温度上昇とともに徐々に増加することが確認された。硬化後の試料では、加熱によって分子構造に変化は生じないことから、ここで確認された赤外光量の変化は試料からの放射赤外線に由来するものである。このように、硬化後の試料を用いることにより予め任意の波数での温度と放射赤外線量の相関を求めておくことが可能である。
【0032】
続けて未硬化物試料についても同様の測定を行った。試料を室温から150℃まで加熱し、さらにその後は150℃に維持しながら赤外スペクトルを1秒ごとに測定し、エポキシ結合に由来する915cm-1及びメチレン基の吸収ピークが現れる2920cm-1でのピーク強度の変化を追った。コンピュータ13では、加熱時間t、検出器8で検出された赤外光量I、試料温度Tを同時に取り込んだ。この後、予め硬化物試料を用いて得ておいた各波数での温度―放射赤外線量の相関をもとに、検出器8で検出された赤外光量Iから熱放射による寄与分を差し引く処理を行い、結果として化学構造による吸光度の変化のみを得ることができた。さらにこのデータを用いてメチレン基とエポキシ基の吸光度の比率を求め、時間の経過とともにメチレン基に対するエポキシ基の比率が徐々に減少し、150℃加熱後30分でその比率は一定となり反応が終了したことが確認された。
【実施例2】
【0033】
本実施例を図1を用いて説明する。本実施例では、試料1として熱硬化タイプの1液型エポキシ樹脂接着剤の未硬化物を用い、これを臭化化カリウム基板上に約5μm厚に塗布した。これを干渉計4と検出器8の間に設置し、基板部分にヒーターと温度計を取り付けた。
【0034】
試料近傍には、樹脂からの放射赤外線のみを検出できるよう配置された光検出器11を配置し、その手前には850〜950cm-1の赤外光のみを透過するフィルターを設置した。
【0035】
試料を室温から150℃まで加熱し、さらにその後は150℃に維持しながら赤外スペクトルを1秒ごとに測定し、エポキシ結合に由来する915cm-1のピークの変化を追った。同時に赤外線検出器11で試料からの放射赤外光量を計測した。コンピュータ13では、加熱時間t、検出器8で検出された915cm-1における赤外光量I、試料温度T、検出器11で検出された放射赤外線量Wの変化を同時に取り込んだ。その後各温度における放射赤外線量Wの測定値を元に検出器8で検出された光のうち、放射赤外線量Wに相当する光量を除く処理を行った。その結果、加熱時間、試料温度とエポキシ基濃度の正確な変化を求めることができた。150℃加熱後30分で硬化反応が完了したことが確認された。
【実施例3】
【0036】
本実施例を図2を用いて説明する。本実施例では、実施例2と同様の試料と方法を用いてエポキシ樹脂を加熱硬化させた際の化学構造変化を測定した。ただし本実施例においては、2つの赤外検出器11、15を設置し、一方の検出器の前には850〜950cm-1の赤外光のみを透過するフィルター12を設置し、他方の検出器の前には2900〜3000cm-1の赤外光のみを透過するフィルター16を設置した。試料を加熱し、検出器8で透過光の光量を測定するとともに、検出器11及び15で試料からの放射赤外光量を計測した。その後各温度における放射赤外線量Wの測定値を元に検出器8で検出された赤外光のうち、915cm-1及び2920cm-1の波数における放射赤外線量Wに相当する光量を除く処理を行い、結果として化学構造による吸光度の変化のみを得ることができた。さらにこのデータを用いてメチレン基とエポキシ基の吸光度の比率を求め、時間の経過とともにメチレン基に対するエポキシ基の比率が徐々に減少し、150℃加熱後30分でその比率は一定となり反応が終了したことが確認された。
【実施例4】
【0037】
本実施例を図3を用いて説明する。本実施例においては、試料としてゲルマニウム基板上にコートしたポリアミック酸の薄膜(膜厚2μm)を用い、これを干渉計4と検出器8の間に設置し、基板部分にヒーターと温度計を取り付けた。
【0038】
試料近傍には、試料からの放射赤外線を取り込み分光するためのグレーティング17と、分光された放射赤外線を検出するための光検出器11を配置した。
【0039】
試料を室温から300℃まで加熱し、ポリアミック酸のイミド化を行った。300℃に達した後はそのまま温度を維持しながら赤外スペクトルを1秒ごとに測定し、イミド結合に由来する1735cm-1ピークの変化を追った。同時に赤外線検出器11で試料からの放射赤外光量を計測した。この時、グレーティングで放射赤外光を分光し、1735cm-1の光のみ検出器11に入射するよう設定した。コンピュータ13では、加熱時間t、検出器8で検出された1735cm-1における赤外光量I、試料温度T、検出器11で検出された放射赤外線量Wの変化を同時に取り込んだ。その後各温度における放射赤外線量Wの測定値を元に検出器8で検出された光のうち、放射赤外線量Wに相当する光量を除く処理を行った。その結果、加熱時間、試料温度とイミド基濃度の正確な変化を求めることができた。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明の一実施形態に係る樹脂の化学状態変化の評価装置の構成を示す図である。
【図2】本発明の別の一実施形態に係る樹脂の化学状態変化の評価装置の構成を示す図である。
【図3】本発明の別の一実施形態に係る樹脂の化学状態変化の評価装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 試料
2 赤外光源
3 赤外光
4 干渉計
5 移動鏡
6 固定鏡
7 ビームスプリッター
8 赤外検出器
9 温度計
10 放射赤外線
11 放射赤外線用光検出器
12 バンドパスフィルター
13 コンピュータ
14 試料加熱手段
15 検出器
16 バンドパスフィルター
17 グレーティング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂の化学状態変化を赤外吸収スペクトルの変化から評価する方法であって、スペクトルを計測する際、樹脂から検出される赤外線のうち、樹脂に入射した赤外光からの透過光と、樹脂から放出される放射赤外光とを分離し、透過光の変化のみを利用して樹脂の状態変化を追跡することを特徴とする樹脂の化学状態変化の評価方法。
【請求項2】
樹脂の化学状態変化が、熱硬化によるものであることを特徴とする請求項1に記載の樹脂の状態変化の評価方法。
【請求項3】
前記樹脂が熱硬化樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂の状態変化の評価方法。
【請求項4】
放射赤外線量を検出する方法として、予め、測定対象の樹脂と同等の放射率を有し、かつ測定温度範囲内で化学的に変化を生じない標準試料を用い、赤外光を入射しながら温度変化を与えた際に、該樹脂から検出される赤外線量の変化を検出することにより行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の樹脂の状態変化の評価方法。
【請求項5】
標準試料が測定試料の硬化物であることを特徴とする請求項4に記載の樹脂の状態変化の評価方法。
【請求項6】
放射赤外線量を検出する方法として、樹脂からの放射赤外線のみを検出する第二の検出器を用いて求めることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂の硬化状態の評価方法。
【請求項7】
樹脂の化学状態変化を赤外吸収スペクトルの変化から評価するための装置であって、樹脂に状態変化を与える機構と、樹脂に赤外線を入射する機構と、透過した赤外光を検出する機構と、樹脂の温度測定機構と、コンピュータと、を備えていることを特徴とする樹脂の化学状態変化の評価装置。
【請求項8】
樹脂からの放射赤外線のみを検出する第二の検出器と、該第二の検出器に入射する放射赤外光の波長を任意に選択するためのバンドパスフィルターと、を設けたことを特徴とする請求項7に記載の化学状態変化の評価装置。
【請求項9】
樹脂からの放射赤外線のみを検出する第二の検出器と、該第二の検出器に入射する放射赤外光の波長を任意に選択するためのグレーティングと、を設けたことを特徴とする請求項7に記載の化学状態変化の評価装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−3196(P2006−3196A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−179501(P2004−179501)
【出願日】平成16年6月17日(2004.6.17)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】