説明

樹脂フィルムの製造装置及び製造方法

【課題】配向度が高く分子状態が安定した樹脂フィルムを容易に作成可能な樹脂フィルムの製造装置を提供する。
【解決手段】製造装置1は、加熱槽14と、冷却槽15と、レール40と、延伸ユニット30とを備える。加熱槽14は、加熱部18を有する。加熱槽14は、加熱部18によって加熱される。冷却槽15には、冷却液15aが溜められている。レール40は、加熱槽14から冷却槽15に至る。延伸ユニット30は、レール40上に加熱槽14と冷却槽15との間を変位可能に配置されている。延伸ユニット30は、樹脂フィルムを延伸させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂フィルムの製造装置に関し、特には、螺旋構造を有する高分子を含む樹脂フィルム母材を延伸させることによって螺旋構造を有する高分子が一方向に配向された樹脂フィルムを製造するための樹脂フィルムの製造装置及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1などにおいて、種々の樹脂フィルムの延伸装置が提案されている。特許文献1では、オーブン内の側部に設けられたプレナムボックス内において、熱風循環用ファンとエア吹き出しノズルとの間に熱風流速均一化用スクリーンを取り付けることで、フィルムへ吹き出す熱風の、フィルムへの吹き出し速度をフィルムの走行方向において均一化させようとしている。
【特許文献1】特開平7−1572号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、従来、ポリ乳酸などの螺旋構造を有する高分子を含む母材を延伸して配向させることにより、圧電性を有する樹脂フィルムを作製が可能であることが知られている。ここで、高い圧電性を有する樹脂フィルムを得るためには、高分子の配向度を高めることが重要である。
【0004】
例えば、特許文献1に開示された延伸装置では、熱風流速均一化用スクリーンによって、延伸時においてフィルムに吹き付けられる熱風の吹き出し速度が均一化されているため、この延伸装置を用いてフィルム母材を延伸させることで、延伸直後における配向度を高くすることが可能となる。しかしながら、特許文献1では、延伸後のフィルムの冷却については特に言及されていない。一般的には、延伸後のフィルムは空冷されるが、空冷では、冷却速度が遅くなり、冷却工程において、一方向に配向した高分子が元の配向状態に戻ろうとする。従って、得られるフィルムの配向度が低くなってしまう。また、部分的に結晶化が進み、光の透過率、機械的強度、圧電性にムラが生じることもある。
【0005】
また、冷風を延伸後の樹脂フィルム母材に吹き付ける方法も考えられる。しかしながら、この方法では、冷却速度が幾分速くなるとはいえ、−20℃〜−50℃などの低温に至るには非常に時間がかかる。また、冷却ムラが生じるおそれもある。従って、樹脂フィルム母材を空冷したのでは、やはり、配向度が高い樹脂フィルムを得ることが困難である。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、配向度が高く分子状態が安定した樹脂フィルムを容易に作成可能な樹脂フィルムの製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る樹脂フィルムの製造装置は、加熱槽と、冷却槽と、レールと、延伸ユニットとを備える。加熱槽は、加熱部を有する。加熱槽は、加熱部によって加熱される。冷却槽には、冷却液が溜められている。レールは、加熱槽から冷却槽に至る。延伸ユニットは、レール上に加熱槽と冷却槽との間を変位可能に配置されている。延伸ユニットは、樹脂フィルムを延伸させる。
【0008】
本発明のある特定の局面において、延伸ユニットは、樹脂フィルムの一方端が固定されるベースホルダと、樹脂フィルムの他方端が固定される移動ホルダと、移動ホルダとベースホルダとを相対変位させる変位部とを有している。その場合、本発明に係る樹脂フィルムの製造装置は、変位部を駆動させる駆動部をさらに備え、駆動部と変位部とは着脱可能に接続されていてもよい。
【0009】
本発明の他の特定の局面において、延伸ユニットは、レールに対して着脱可能である。
【0010】
本発明に係る樹脂フィルムの製造方法は、樹脂フィルムの製造方法であって、加熱された樹脂フィルム母材を延伸させる延伸工程と、前記延伸された樹脂フィルム母材全体を冷却液が溜められた冷却槽内に挿入して冷却させることにより樹脂フィルムを得る冷却工程とを備える。樹脂フィルム母材全体とは、延伸された樹脂フィルムの母材全体を冷却液に挿入するもので、連続的に樹脂フィルムの一部を延伸し、一部を冷却するものとは異なる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、延伸後の樹脂フィルムが冷却液の中に挿入されるため、延伸後の樹脂フィルムを迅速且つムラなく低温に冷却させることができるので、配向度が高く分子状態が安定した樹脂フィルムを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例について、図1に示す製造装置1を例に挙げて説明する。但し、図1に示す製造装置1は、単なる例である。本発明は、製造装置1に何ら限定されない。
【0013】
(製造装置1の構成)
図1は、製造装置1の正面図である。図2は、正面から視た際の製造装置1の部分断面図である。製造装置1は、樹脂フィルム母材を延伸させて樹脂フィルムを製造するための装置である。製造装置1が延伸対象とする樹脂フィルム母材は特に限定されない。製造装置1が延伸対象とする樹脂フィルム母材は、特に限定されず、例えば、ポリ乳酸などの螺旋構造を有する高分子からなるもののような圧電性を有する樹脂フィルム母材であってもよい。
【0014】
図1及び図2に示すように、製造装置1は、製造装置本体10と、開閉可能なカバー11と、開閉可能な扉12とを備えている。カバー11は、図2にも示すように、製造装置本体10の上に配置されている。扉12は、製造装置本体10の正面に開閉可能に取り付けられている。この扉12を開けることによって、図2に示す制御装置13の操作が可能となる。
【0015】
図2に示すように、製造装置本体10の内部には、加熱槽14と、冷却槽15と、制御室16とが区画形成されている。加熱槽14は、製造装置本体10の上部に形成されている。制御室16は、加熱槽14の下方に形成されている。冷却槽15は、加熱槽14の下方であって、制御室16の側方に形成されている。なお、加熱槽14と、冷却槽15と、制御室16とは、区画壁17aと、開閉可能な蓋17bとによって相互に区画されている。具体的には、制御室16と、加熱槽14及び冷却槽15とは、区画壁17aによって相互に区画されている。加熱槽14と冷却槽15とは、蓋17bによって区画されている。蓋17bが開けられると、加熱槽14と冷却槽15とは相互に連通する。
【0016】
加熱槽14には、加熱部としてのヒーター18と、加熱槽14内の温度を均一化するためのファン9とが配置されている。ヒーター18とファン9とは、制御室16に配置された制御装置13に接続されている。また、制御装置13には、加熱槽14内に配置された図示しない温度検出部が接続されている。制御装置13は、この温度検出部からの出力に基づいてヒーター18とファン9とを制御することによって、加熱槽14内の雰囲気温度を所望の温度に保持する。
【0017】
なお、ファン9及びヒーター18の設置個数は特に限定されない。図2に示すように、ファン9及びヒーター18を各1個配置してもよいし、それぞれ複数配置してもよい。
【0018】
なお、温度検出部は、得に限定されず、例えば温度計により構成されていてもよい。
【0019】
加熱槽14の温度は、延伸させる樹脂フィルム母材の特性などに応じて適宜設定することができる。通常、加熱槽14の温度は、延伸させる樹脂フィルム母材のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度に設定される。樹脂フィルム母材がポリ乳酸製の場合は、例えば60〜100℃程度に設定される。
【0020】
製造装置1には、駆動部19が配置されている。駆動部19は、制御室16内に配置された駆動源としてのモーター20と、動力伝達部としてのギアボックス21とを備えている。モーター20は、駆動力を発生させる。ギアボックス21は、モーター20に接続されている。ギアボックス21は、出力軸22を備えている。ギアボックス21は、モーター20からの駆動力を変速して出力軸22から出力する。
【0021】
出力軸22には、延伸ユニット30が着脱可能に接続される。延伸ユニット30は、加熱槽14において、樹脂フィルム母材を延伸させるためのものである。
【0022】
図3及び図4に示すように、延伸ユニット30は、ベースホルダ31と、移動ホルダ32と、ガイド33,34と、ねじ35と、ジョイント37と、車輪部36a〜36dとを備えている。なお、本実施形態において、ねじ35とジョイント37とは、ベースホルダ31と移動ホルダ32とを相対的に変位させる変位部を構成している。
【0023】
ベースホルダ31には、図2に示す樹脂フィルム母材2の一方端が固定される。ベースホルダ31は、ホルダ本体31aと、プレート31bと、接合部材としての複数のねじ31cとを備えている。プレート31bは、ホルダ本体31aの上面に、複数のねじ31cによって固定される。この複数のねじ31cをゆるめた状態で、樹脂フィルム母材2の一方端を挟み、ねじ31cを締めることによって、ベースホルダ31に樹脂フィルム母材2の一方端を挟持させることができる。
【0024】
移動ホルダ32は、ベースホルダ31と略並行に配置されている。移動ホルダ32には、樹脂フィルム母材2の他方端が固定される。移動ホルダ32は、ホルダ本体32aと、プレート32bと、接合部材としての複数のねじ32cとを備えている。プレート32bは、ホルダ本体32aの上面に、複数のねじ32cによって固定される。この複数のねじ32cをゆるめた状態で、樹脂フィルム母材2の他方端を挟み、ねじ32cを締めることによって、移動ホルダ32に樹脂フィルム母材2の他方端を挟持させることができる。
【0025】
なお、ベースホルダ31と移動ホルダ32とは、樹脂フィルム母材2を挟持可能なものであれば特に限定されない。ベースホルダ31と移動ホルダ32とは、例えばクランプ機構を有するものや、空圧や油圧を利用した着脱機構を有するものであってもよい。
【0026】
ベースホルダ31と移動ホルダ32との間には、ねじ35が配置されている。ねじ35は、ベースホルダ31及び移動ホルダ32の延びる方向と直交する方向に延びるように配置されている。すなわち、ねじ35は、樹脂フィルム母材2の延伸方向に延びるように配置されている。ねじ35の一方の端部は、ベースホルダ31に回転可能に設けられたジョイント37に接続されている。ねじ35は、このジョイント37と共に回転する。ジョイント37は、図2に示す駆動部19の出力軸22に対して着脱可能に接続される。
【0027】
移動ホルダ32には、ねじ35のねじ山が螺合する図示しないねじ孔が形成されている。ねじ35は、このねじ孔に挿入されている。このため、ジョイント37と共にねじ35が第1の方向に回転すると、移動ホルダ32は、ベースホルダ31から離れる方向に、ガイド33,34に沿ってベースホルダ31に対して相対的に変位する。一方、ジョイント37と共にねじ35が第1の方向とは逆の第2の方向に回転すると、移動ホルダ32は、ベースホルダ31に近づく方向に、ガイド33,34に沿ってベースホルダ31に対して相対的に変位する。
【0028】
図3に示すように、ベースホルダ31と移動ホルダ32との両端部のそれぞれには、車輪部36a〜36dが取り付けられている。図4に示すように、車輪部36a〜36dのそれぞれは、可動部38と、複数の車輪39aを有する車輪ユニット39とを備えている。車輪ユニット39は、可動部38によってベースホルダ31または移動ホルダ32に接続されている。可動部38は、ホルダ31,32に対して回転可能に取り付けられている。
【0029】
図2に示すように、車輪部36a〜36dは、レール40に着脱可能に取り付けられている。レール40は、加熱槽14から冷却槽15に至っている。詳細には、レール40は、後述する冷却液15aの内部にまで至っている。延伸ユニット30は、このレール40上を加熱槽14と冷却槽15との間を変位可能となっている。
【0030】
冷却槽15には、冷却液15aが満たされている。ここで、冷却液15aの種類は特に限定されない。冷却液15aの種類は、樹脂フィルムの性質に応じて適宜選択することができる。冷却液15aは、例えば水であってもよいし、水に不凍液などを加えたものであってもよい。さらに、冷却液15aは、水以外の液体であってもよい。例えば、冷却液15aは、オイル、エタノール、イソプロピルアルコールなどであってもよい。
【0031】
冷却槽15には、冷却装置41が配置されている。冷却装置41は、通常、冷却液15a内に配置されている。この冷却装置41によって、冷却液15aの冷却が行われる。なお、冷却液15aの冷却温度は、特に限定されない。冷却液15aの冷却温度は、樹脂フィルムの性質などに応じて適宜設定することができる。一般的には、冷却液15aの冷却温度は低い方が好ましく、例えば、0〜−20度程度に設定される。
【0032】
(樹脂フィルムの製造工程)
以下、主として図2及び図5を参照しながら樹脂フィルムの延伸工程について説明する。
【0033】
まず、延伸ユニット30に樹脂フィルム母材2が設置される。具体的には、樹脂フィルム母材2の一方端をベースホルダ31に挟持させると共に、他方端を移動ホルダ32に挟持させる。
【0034】
そして、樹脂フィルム母材2が設置された延伸ユニット30を加熱槽14内に配置し、延伸ユニット30のジョイント37と、駆動部19の出力軸22とを接続させる。
【0035】
その状態で、ヒーター18及びファン9を駆動させ、加熱槽14を樹脂フィルム母材2の延伸に適した温度にまで加温する。例えば、樹脂フィルム母材2がポリ乳酸により形成されている場合は、加熱槽14を60〜180℃程度に加温する。
【0036】
加熱槽14を所定の温度にまで加温した後、延伸工程が行われる。延伸工程では、駆動部19を駆動させることによって、ベースホルダ31に対して移動ホルダ32を相対的に変位させ、樹脂フィルム母材2を延伸させる。ここで、樹脂フィルム母材2の延伸倍率は特に限定されない。樹脂フィルム母材2の延伸倍率は、樹脂フィルム母材2の性質に応じて適宜設定することができる。樹脂フィルム母材2がポリ乳酸製である場合は、延伸倍率は、例えば2〜4倍程度に設定することができる。
【0037】
延伸工程の完了後、冷却工程が行われる。冷却工程は、延伸工程において、延伸されたフィルム母材毎に行われる。具体的には、延伸工程が完了すると、自動または手動で、蓋17bが開けられると共に、出力軸22からジョイント37が切り離される。これによって、図5に示すように、延伸された樹脂フィルム母材2が搭載された延伸ユニット30が加熱槽14から冷却槽15へとレール40上を移動する。その結果、延伸された樹脂フィルム母材2は延伸ユニット30と共に冷却液15a内に挿入されることとなる。ここで、冷却液15aは、冷却装置41によって予め所定の温度にまで冷却されている。このため、延伸された樹脂フィルム母材2は、冷却液15a内に挿入されることによって、均一に急冷される。
【0038】
このように、樹脂フィルム母材2毎に、延伸工程と、冷却工程とを繰り返すことにより、複数の樹脂フィルムを作製することができる。
【0039】
なお、レール40は、図2に示すように、途中部において屈曲されているが、車輪部36a〜36dには、回転可能にホルダ31,32に取り付けられた可動部38が設けられているため、延伸ユニット30は、屈曲したレール40に沿って変位することができる。
【0040】
また、延伸ユニット30の移動は、手動により行ってもよい。また、延伸ユニット30にモーターなどを配置して、延伸ユニット30を自走させてもよい。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、延伸後の樹脂フィルム母材2は、冷却液15a内に挿入される。このため、例えば樹脂フィルム母材を空冷させるときなどと比較して、急速に冷却させることができる。従って、配向度の高い樹脂フィルムの製造が可能となる。
【0042】
また、樹脂フィルム母材を空冷させる場合と比較して、樹脂フィルム母材を均一に冷却させることも可能となる。従って、品質上、ムラの少ない樹脂フィルムの製造が可能となる。例えば、樹脂フィルム母材がポリ乳酸を含み、圧電性を有するものである場合、圧電性のムラが少ない樹脂フィルムの製造が可能となる。
【0043】
ところで、通常、延伸後の樹脂フィルム母材を冷却させる場合、作業者が、樹脂フィルム母材をホルダから外して、またはホルダごと、別の場所に配置された冷却槽まで移動させる必要がある。それに対して、本実施形態によれば、延伸ユニット30がレール40上を移動することにより延伸された樹脂フィルム母材2が冷却液15a内に挿入される。従って、作業者にかかる負荷を少なくすることができる。
【0044】
なお、本実施形態の製造装置1は、樹脂フィルムの大量生産にももちろん用いられるものであるが、少量の樹脂フィルムの製造に特に好適である。
【0045】
(変形例)
図6及び図7は、本変形例における延伸ユニット30の平面図である。図6及び図7に示すように、複数のネッキング抑制用の固定具50を設けてもよい。複数の固定部50は、ガイド33,34のそれぞれにねじ35の延びる方向に変位可能に設けられている。詳細には、図7に示すように、複数の固定具50は、移動ホルダ32の移動に伴って、隣接する固定具50の間隔が広がるように設けられている。
【0046】
本変形例の場合、延伸ユニット30のベースホルダ31と移動ホルダ32とに樹脂フィルム母材2を固定すると共に、樹脂フィルム母材2の両側部を複数の固定具50によって固定する。その後、移動ホルダ32をベースホルダ31に対して相対的に変位させる。
【0047】
例えば、上記実施形態のように、固定具50を設けていない場合は、図9に示すように、樹脂フィルム母材2を延伸させることによって、延伸方向における略中央部の幅が狭くなる。いわゆるネッキングが発生する。従って、樹脂フィルムの延伸方向の端部と中央部とで配向度にばらつきが生じる。
【0048】
それに対して、本変形例では、固定具50が設けられているため、図8に示すように、延伸方向における略中央部の幅が狭くなることが抑制される。すなわち、ネッキングの発生を抑制することができる。その結果、得られる樹脂フィルムの配向度のばらつきを抑制することができる。
【0049】
なお、固定具50は、ガイド33,34に対して延伸方向に変位可能であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】製造装置の正面図。
【図2】製造装置の部分断面図。
【図3】延伸ユニットの平面図。
【図4】延伸ユニットの側面図。
【図5】延伸ユニットが高温温度槽から冷却槽へと移動する様子を説明するための製造装置の部分断面図。点線で示す延伸ユニットは、高温温度槽から冷却槽への移動途中の状態を示す。実線で示す延伸ユニットは、冷却槽に挿入された状態を示す。
【図6】変形例にかかる延伸ユニットの延伸前の状態を表す平面図。
【図7】変形例にかかる延伸ユニットの延伸後の状態を表す平面図。
【図8】変形例において延伸された母材が固定された延伸ユニットの平面図。
【図9】実施形態において延伸された母材が固定された延伸ユニットの平面図。
【符号の説明】
【0051】
1…製造装置
9…ファン
10…製造装置本体
11…カバー
12…扉
13…制御装置
14…加熱槽
15…冷却槽
15a…冷却液
16…制御室
17a…区画壁
17b…蓋
18…ヒーター
19…駆動部
20…モーター
21…ギアボックス
22…出力軸
30…延伸ユニット
31…ベースホルダ
31a…ホルダ本体
31b…プレート
32…移動ホルダ
32a…ホルダ本体
32b…プレート
33,34…ガイド
36a〜36d…車輪部
37…ジョイント
38…可動部
39…車輪ユニット
39a…車輪
40…レール
41…冷却装置
50…固定具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂フィルムの製造装置であって、
樹脂フィルム母材を延伸可能な温度にまで加熱するための加熱槽と、
冷却液が溜められた冷却槽と、
前記加熱槽内から前記冷却槽に至るレールと、
前記レール上に前記加熱槽と前記冷却槽との間を変位可能に配置され、前記加熱された樹脂フィルム母材を延伸させる延伸ユニットとを備える樹脂フィルムの製造装置。
【請求項2】
前記延伸ユニットは、樹脂フィルムの一方端が固定されるベースホルダと、前記樹脂フィルムの他方端が固定される移動ホルダと、前記移動ホルダと前記ベースホルダとを相対変位させる変位部とを有し、
前記変位部を駆動させる駆動部をさらに備え、
前記駆動部と前記変位部とは着脱可能に接続される、請求項1に記載の樹脂フィルムの製造装置。
【請求項3】
前記延伸ユニットは、前記レールに対して着脱可能である、請求項1または2に記載の樹脂フィルムの製造装置。
【請求項4】
樹脂フィルムの製造方法であって、
加熱された樹脂フィルム母材を延伸させる延伸工程と、
前記延伸された樹脂フィルム母材全体を冷却液が溜められた冷却槽内に挿入して冷却させることにより樹脂フィルムを得る冷却工程と
を備える複数の樹脂フィルムの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−248445(P2009−248445A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−99135(P2008−99135)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】