説明

樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアーム

【課題】内燃機関のタイミングチェーンの揺動を防止するため、あるいはチェーンにテンションを付与するために使用する樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームであって、軽量化とコスト低減化を図ると同時に、機械的強度と耐熱性、摺動性及び耐油性に優れている樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームを提供する。
【解決手段】フェノール樹脂を主成分とした樹脂組成物で一体成形してチェーンガイド1及びチェーンテンショナアームを製造する。具体的には、フェノール樹脂が30〜55重量%、ガラス繊維が30〜55重量%、ガラスビーズが5〜25重量%であり、全体が100%となるように調製した樹脂組成物を用いる。更に、樹脂組成物にアルミナ粒子を0.5〜20重量%添加することが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームに係わり、更に詳しくは内燃機関のタイミングチェーンの揺動を防止するため、あるいはチェーンにテンションを付与するために使用する樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、内燃機関のタイミングチェーンの揺動を防止するため、あるいはチェーンにテンションを付与するためにチェーンガイド、あるいはチェーンテンショナアームが使用されている。これらの部材は、例えば雰囲気温度が−40℃〜170℃で、油が付着するといった過酷な環境で長時間使用され、しかもチェーンにテンションを付与して摺動するため、機械的強度は勿論のこと、耐熱性、摺動性、耐油性に優れていることが要求される。
【0003】
通常の内燃機関用チェーンガイドは、特許文献1及び図3に示すように、アルミダイキャスト製等の金属製支持部材100の外面に、合成樹脂製のシュー101が接合された構造が一般的である。特に、特許文献1では、支持部材100にシュー101を嵌合構造によって取付け、両者の熱膨張率の差を互いの接合面で相対的にスライドすることによって吸収するようにしている。つまり、機械的強度は支持部材100で持たせ、摺動性はシュー101で担っている構造であり、該シュー101の円弧状案内面102でチェーンを摺接するのである。尚、前記支持部材100とシュー101とは、凹凸の嵌合部103での構造的な連結以外にも、互いの接合面での接着若しくは溶着で一体化させているものもあり、それらを併用しているものもある。一方、特許文献2では、硬質合成樹脂で一体成形したチェーンガイドが提案されている。
【0004】
しかし、特許文献1のチェーンガイドについては、支持部材に金属材を用いているため全体として重量増となったり、また材質が樹脂と金属の両方を用いているためにコスト高になっていた。さらに樹脂材と金属との結合部は両者で熱膨張率が異なっているため、使用中に剥離が生じてしまうという問題がある。また、特許文献2のチェーンガイドについては、全体が合成樹脂製のみで形成されているため、エンジン内の熱や油等の環境により樹脂部品が劣化して強度低下を生じることがある。そのためにチェーンからの入力を環境劣化後の部品の強度以下に抑える必要があり、チェーン張力やレイアウト、また構造上、設計上に大幅な制約があった。
【0005】
この改善策として、特許文献3には、ポリアミド樹脂にガラス繊維もしくはカーボン繊維を10〜60重量%含有したポリアミド樹脂組成物を、製品体積の50〜98%用いた構造支持部材と、チェーンガイド面のスライドライニング部材およびチェーンガイド表面部分が非強化ポリアミド樹脂とからなるエンジン用チェーンガイドにおいて、ガラス繊維もしくはカーボン繊維含有ポリアミド樹脂組成物と非強化ポリアミド樹脂とが同時成形もしくは段階的成形方法により製作されており、チェーンと接触する部分から裏側のリブ部に貫通する貫通路が形成されており、この貫通路に非強化ポリアミド樹脂が充填固化されて両者が一体的に固定されていることを特徴とするエンジン用樹脂製チェーンガイドが提案されている。
【0006】
ところが、ポリアミド樹脂(代表的にはナイロン66)は、温度が上昇すると曲げ弾性率が急激に低下し、カーボン繊維を43重量%含有したナイロン66でも100℃を超えると常温のときの半分以下になり、機械的強度が不足し、変形が大きくなる。更に、ポリアミド樹脂は、吸水性があり、吸水による物性変化が激しい材料であることが知られており、吸水によっても曲げ弾性率が大きく低下するといった問題を有している。その上、通常はガラス繊維もしくはカーボン繊維含有ポリアミド樹脂組成物で構造支持部材を成形した後、非強化ポリアミド樹脂でインサート成形することになり、コスト高となる。
【0007】
そこで、従来は、軽量化を犠牲にして、機械的強度に優れた金属製の支持部材の摺動面に合成樹脂製のシューを装着する構造のチェーンガイドが多用され、特許文献4、5に示されるように、支持部材とシューとの接合構造を工夫していた。つまり、特許文献4では、支持部材とシューとの嵌合構造を改良し、特許文献5ではインサートモールド法により支持部材にシューを一体成形する等の改良が施されているのである。
【特許文献1】実開平3−2952号公報
【特許文献2】特開昭59−19753号公報
【特許文献3】特開平10−103435号公報
【特許文献4】特開2000−97300号公報
【特許文献5】特開2000−337462号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、内燃機関のタイミングチェーンの揺動を防止するため、あるいはチェーンにテンションを付与するために使用する樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームであって、軽量化とコスト低減化を図ると同時に、機械的強度と耐熱性、摺動性及び耐油性に優れている樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述の課題解決のために、内燃機関のタイミングチェーンの揺動を防止するため、あるいはチェーンにテンションを付与するために使用するチェーンガイド及びチェーンテンショナアームであって、フェノール樹脂を主成分とした樹脂組成物で一体成形したことを特徴とする樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームを構成した(請求項1)。
【0010】
具体的には、フェノール樹脂が30〜55重量%、ガラス繊維が30〜55重量%、ガラスビーズが5〜25重量%であり、全体が100%となるように調製した樹脂組成物を用いてなるのである(請求項2)。
【0011】
更に、前記樹脂組成物にアルミナ粒子を0.5〜20重量%添加し、全体が100%となるように調製してなることがより好ましい(請求項3)。
【0012】
そして、雰囲気温度が−50℃〜200℃の範囲で、成形品における曲げ弾性率が15〜20GPa、摩擦係数が0.02〜0.3である樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームを提供する(請求項4)。
【発明の効果】
【0013】
以上にしてなる本発明の樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームは、熱硬化性のフェノール樹脂を主成分とした樹脂組成物で一体成形したので、軽量化を図ることができるとともに、安価に製造することができ、しかも耐熱性及び耐油性に優れたものとなる。
【0014】
そして、フェノール樹脂が30〜55重量%、ガラス繊維が30〜55重量%、ガラスビーズが5〜25重量%であり、全体が100%となるように調製した樹脂組成物を用いることにより、機械的強度に優れるとともに、摺動性にも優れ、その特性を−50℃から200℃までの低温から高温まで広い温度範囲で維持することができるのである。また、前記樹脂組成物にアルミナ粒子を0.5〜20重量%添加することにより、摩擦係数が更に低下して摩耗量が減少するのである。このように構成した本発明の樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアームは、雰囲気温度が−50℃〜200℃の範囲で、成形品における曲げ弾性率が15〜20GPa、摩擦係数が0.02〜0.3として、機械的強度と高い摺動性を備えるものとなる。
【0015】
本発明は、摩擦係数が極めて低い材料で形成したので、従来のものに比べてフリクションが低下し、振動が少なく、内燃機関、代表的には自動車のエンジンの低エネルギー損失に寄与するのである。また、全体が合成樹脂であるので、アルミニウム合金と合成樹脂とのツーピース部品に比べ軽量化が可能であり、自動車のエネルギー損失の低減化に貢献し、ひいては二酸化炭素の排出量削減に貢献できるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、添付図面に示した実施形態に基づき、本発明を更に詳細に説明する。図1は、本発明の代表的実施形態を示すチェーンガイド1を示している。本発明のチェーンガイド1は、フェノール樹脂を主成分とした樹脂組成物で一体成形したものであり、内燃機関のタイミングチェーンの揺動を防止するために使用する。特に、タイミングチェーン等のチェーンにテンションを付与するために用いるものをチェーンテンショナアームと称しているが、基本的にはチェーンガイド1と同等の部品である。従って、本実施形態では、チェーンガイド1に基づいて説明する。
【0017】
前記チェーンガイド1は、図1に示すように、全体的に弓形に湾曲した長尺部品であり、内燃機関の内部に装着され、クランク軸と動弁カム軸間に巻回されて同調回転駆動するタイミングチェーンに適度のテンションを付与したり、所定の経路に沿って走行するように案内するための部品である。ここで、内燃機関の内部は、高温になるとともに、潤滑油も飛散するので、前記チェーンガイド1は、高温と油に曝されるといった厳しい環境で使用されるのである。しかも、このような厳しい使用環境においても、タイミングチェーンの経路を規定し、所定のテンションを付与するために、常時チェーンガイド1をタイミングチェーンに圧接する必要があるので、機械的強度も備わっていなければならない。
【0018】
具体的には、前記チェーンガイド1は、弓形の外周面が円弧状案内面2となり、基部には内燃機関内に枢着するための軸孔3を形成し、全体形状は従来の金属と合成樹脂の複合部品(図3参照)と同じにしている。つまり、内燃機関の設計を変更することなく、そのまま従来品と置き換えることができるようにしている。尚、前記チェーンガイド1の円弧状案内面2には、タイミングチェーンを受け入れる凹溝等が適宜形成されている。
【0019】
そして、本発明のチェーンガイド1を一体成形するためのフェノール樹脂を主成分とした樹脂組成物としては、フェノール樹脂が30〜55重量%、ガラス繊維が30〜55重量%、ガラスビーズが5〜25重量%であり、全体が100%となるように調製した樹脂組成物を用いている。更に、前記樹脂組成物にアルミナ粒子を0.5〜20重量%添加し、全体が100%となるように調製すると、摩擦係数がより低下し、自身の摩耗量も少なくなるのである。
【0020】
本発明で使用するガラス繊維は、直径が10〜30μm、長さが50〜500μmの範囲のものである。また、ガラスビーズは、粒径が10〜100μmの範囲のものである。アルミナ粒子は、粒径が1〜100μmの範囲のものである。これらの素材は何れも市販されているものである。
【0021】
そして、この樹脂組成物で一体成形したチェーンガイド1は、雰囲気温度が−50℃〜200℃の範囲で、成形品における曲げ弾性率が15〜20GPa、摩擦係数が0.02〜0.3を達成できるのである。更に、120℃のエンジンオイル中に成形品を1000時間浸漬した後における曲げ強度と曲げ撓みが、浸漬前と比較して100〜110%となるので、耐油性にも非常に優れたものになっていることが実験により確認されている。120℃のエンジンオイルに浸漬後に、成形品の曲げ強度及び曲げ撓みが改善されるのは、高温に長時間保たれたことによるポストキュア効果により、熱硬化が進行したため物性値が向上したためである。これは、本発明が、強度、剛性、耐熱性の高い熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂をベース材とし、これに摺動特性に応えられるよう充填材を加えた樹脂組成物を用いたことで達成できたのであり、また射出成形による一体成形が可能であるので加工性に優れ、またアルミニウム合金よりも遥かに比重が小さいので、軽量化も図れたのである。
【実施例1】
【0022】
フェノール樹脂が36.7重量%、ガラス繊維が48.6重量%、ガラスビーズが12.5重量%、アルミナ粒子が2.2重量%である樹脂組成物を用いて一体成形したチェーンガイドを実施例1とした。また、比較例として、図3に示した従来構造のチェーンガイドで、アルミニウム合金でダイカスト成形した支持部材にポリアミド樹脂66からなるシューをインサート成形により一体化したチェーンガイド(比較例1)と、ポリアミド樹脂66を57重量%、ガラス繊維を43重量%配合した樹脂組成物を用いて一体成形したチェーンガイド(比較例2)を用意した。これらのチェーンガイドの常温と140℃での最大変形量を比較し、併せて重量比も比較した結果を表1に示している。表1中の値は、常温における比較例1に対する実施例1と比較例2の最大変形量の比と、140℃における実施例1と比較例1、2の最大変形量の比である。また、重量比は、比較例1に対する実施例1と比較例2の比である。
【0023】
【表1】

【0024】
この結果、本発明の実施例1は、比較例1に対して、常温、140℃の場合とも最大変形量比は1.05と1.18と若干大きくなるものの、従来製品(比較例1)に匹敵する機械的強度(形状安定性)を備えているとともに、20〜30%の軽量化を達成できることがわかる。また、比較例2は、実施例1よりも更に軽量化を図ることができるものの、比較例1と比較して最大変形量比が非常に大きくなり、特に140℃では約5倍となるので、使用に耐え得ないことがわかる。
【0025】
また、図2には、前述の実施例1と比較例2のチェーンガイドの曲げ弾性率を−40℃〜200℃まで測定した結果を示している。この結果、実施例1は、高温においても高い曲げ弾性率を維持し、雰囲気温度が−40℃〜200℃の範囲で曲げ弾性率が15〜20GPaとなっていることがわかる。それに対して、比較例2は、低温においても前記実施例1よりも30%以上低い曲げ弾性率であるが、高温になると急激に低下し、特に100℃以上では同温度の実施例1の曲げ弾性率と比較して1/5以下になる。
【0026】
次に、本発明で用いた樹脂組成物の摺動特性を調べるために、ピンディスク試験を行った。ピンディスク試験は、水平回転するディスクの偏心位置に、円柱状に作製した評価材料を所定の加圧力(載荷重)で押し付けて摺動特性を調べる試験である。ここで、前記ディスクの中心部にオイルを垂らせば、オイルは遠心力でディスクの周縁部まで流動するので、ディスク全面に塗布することができ、それにより摺動部にオイルを供給することができるのである。そして、オイルの垂らしを初期のみに制限すれば、オイルはディスク上から流れ出るので貧潤滑状態になるのである。このピンディスク試験は、ディスクの材質をSK−5とし、オイルはエンジンオイル0Wを用いて行った。
【0027】
摩擦係数は、前記ディスクを一定の回転数で回転させるとき、前記評価材料がディスクに接触する前後におけるディスクの回転トルクの増加量から算出する。また、自身の摩耗量は、評価材料の高さ方向の変位を正確に測定して求める。また、摺動相手攻撃性は、試験後のディスクの表面に形成される摩耗痕を観察して評価する。併せて、各材料で作製した曲げ試験片につき、−50℃、25℃、200℃で曲げ弾性率を測定した。これらの結果をまとめて表2に示している。
【0028】
【表2】

【0029】
ここで、摺動特性は、貧潤滑ピンディスク試験で調べた。この貧潤滑ピンディスク試験は、加圧力P=1MPa、周速度V=0.5m/s、オイルを0.3ml初期塗布して20時間連続運転する試験条件で行った。また、耐アブレッシブ摺動特性は、スス入りオイルピンディスク試験で調べた。このスス入りオイルピンディスク試験は、加圧力P=0.5MPa、周速度V=1m/s、5重量%スス入りオイルを0.3ml初期塗布して20時間連続運転する試験条件で行った。
【0030】
フェノール樹脂が37重量%、ガラス繊維が49重量%、ガラスビーズが12重量%、アルミナ粒子が2重量%である樹脂組成物の試験片(実施例2)は、摺動特性において摩擦係数が0.13と小さく、自身の摩耗量も40μmと少なく、摺動相手攻撃性にも優れ、また耐アブレッシブ摺動特性においても摩擦係数が0.19と小さく、自身の摩耗量も30μmと少なく、摺動相手攻撃性にも優れている結果が得られた。比較例1は、図3に示した従来構造のチェーンガイドにおけるシューの材質(ポリアミド樹脂66)のみの試験片である。比較例1の摺動特性を調べた結果、摩擦係数と摺動相手攻撃性は良好であるが、自身の摩耗量が非常に多く、また参考のため示した曲げ弾性率は実施例2より遥かに小さな値である。
【0031】
実施例3は、アルミナ粒子を含まず、フェノール樹脂が37重量%、ガラス繊維が49重量%、ガラスビーズが14重量%である樹脂組成物の試験片である。この実施例3も、前述の実施例2よりも若干劣るが、摩擦係数、自身の摩耗量、摺動相手攻撃性ともに優れている。
【0032】
比較例3は、前述の比較例2と同種であり、ポリアミド樹脂66を70重量%、ガラス繊維を30重量%からなる樹脂組成物からなる試験片である。この比較例3は、自身の摩耗量、摺動相手攻撃性に劣る。また、比較例4〜6は、フェノール樹脂とガラス繊維の配合比率は共に本発明の範囲内であるが、比較例4はガラスビーズ及びアルミナ粒子を含まない樹脂組成物であり、比較例5はアルミナ粒子を含むがガラスビーズを含まない樹脂組成物であり、比較例6はガラスビーズ及びアルミナ粒子を含まない代わりにミネラル(マイカ)を含む樹脂組成物である。
【0033】
比較例4は、ガラスビーズ及びアルミナ粒子を含まないので、摩擦係数、自身の摩耗量、摺動相手攻撃性が実施例2,3と比較してやや劣る。また、比較例5は、ガラスビーズを含まないので、自身の摩耗量が実施例2,3と比較してやや劣る。そして、比較例6は、ガラスビーズ又はガラスビーズ及びアルミナ粒子を一般的なフェノール樹脂充填材のマイカで置換しているので、摩擦係数、自身の摩耗量、摺動相手攻撃性が実施例2,3と比較して大きく劣る。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の代表的実施形態のチェーンガイドを示す全体斜視図である。
【図2】本発明の実施例と、ポリアミド樹脂とガラス繊維を配合した樹脂組成物を用いて一体成形した比較例との曲げ弾性率の温度依存性を示すグラフである。
【図3】金属と合成樹脂の複合構造を有する従来のチェーンガイドを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0035】
1 チェーンガイド
2 円弧状案内面
3 軸孔
100 支持部材
101 シュー
102 円弧状案内面
103 嵌合部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関のタイミングチェーンの揺動を防止するため、あるいはチェーンにテンションを付与するために使用するチェーンガイド及びチェーンテンショナアームであって、フェノール樹脂を主成分とした樹脂組成物で一体成形したことを特徴とする樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアーム。
【請求項2】
フェノール樹脂が30〜55重量%、ガラス繊維が30〜55重量%、ガラスビーズが5〜25重量%であり、全体が100%となるように調製した樹脂組成物を用いてなる樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアーム。
【請求項3】
前記樹脂組成物にアルミナ粒子を0.5〜20重量%添加し、全体が100%となるように調製してなる請求項2記載の樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアーム。
【請求項4】
雰囲気温度が−50℃〜200℃の範囲で、成形品における曲げ弾性率が15〜20GPa、摩擦係数が0.02〜0.3である請求項1〜3何れかに記載の樹脂一体型のチェーンガイド及びチェーンテンショナアーム。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2008−138849(P2008−138849A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−328536(P2006−328536)
【出願日】平成18年12月5日(2006.12.5)
【出願人】(000107619)スターライト工業株式会社 (62)
【Fターム(参考)】