説明

樹脂塗布装置および樹脂塗布方法

【課題】LED素子の発光波長がばらつく場合にあってもLEDパッケージの発光特性を均一にして、生産歩留まりを向上させることができる樹脂塗布装置および樹脂塗布方法を提供する。
【解決手段】蛍光体を含む樹脂によってLED素子を覆って成るLEDパッケージの製造に用いられる樹脂塗布装置であって、LED素子の上に注入するに使用する蛍光体を含んで樹脂8を、試し塗布材43の、開口部から底部に向かって底部の側が小さくなるように内周壁56が傾斜したエンボス部に試し打ちして、この樹脂の光学特性を測定し、これに基づいてLED素子の上に注入する樹脂8の注入量を制御するので、迅速にLEDパッケージの色度を基準色度に十分に近付けることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDパッケージ製造システムに用いられる樹脂塗布装置および樹脂塗布方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の照明装置の光源として、消費電力が少なく長寿命であるという優れた特性を有するLED(発光ダイオード)が、広範囲で用いられるようになっている。LED素子が発する基本光は、現在のところ赤、緑、青の3つに限られているため、一般的な照明用途として好適な白色光を得るためには、上述の3つの基本光を加色混合することによって白色光を得る方法や、青色LEDと青色と補色関係にある黄色の蛍光を発する蛍光体とを組み合わせることにより疑似白色光を得る方法などが用いられる。近年は後者の方法が広く用いられるようになっており、青色LEDとYAG蛍光体を組み合わせたLEDパッケージを用いた照明装置が、液晶パネルのバックライトなどに用いられるようになっている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献例においては、側壁に反射面が形成された凹状の実装部の底面にLED素子を実装した後、実装部内にYAG系蛍光体粒子が分散されたシリコーン樹脂やエポキシ樹脂などを注入して樹脂包装部を形成することにより、LEDパッケージを構成するようにしている。そして、樹脂注入後の実装部内における樹脂包装部の高さを均一にすることを目的として、規定量以上に注入された剰余樹脂を実装部から排出して貯留するための剰余樹脂貯蔵部を形成する例が記載されている。これにより、樹脂注入時にディスペンサからの吐出量がばらついている場合にあっても、LED素子上には一定の樹脂量を有し規定高さの樹脂包装部が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−66969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上述の先行技術例においては、個々のLED素子における発光波長のばらつきに起因して、製品となるLEDパッケージの発光特性がばらつくという問題があった。すなわちLED素子は複数の素子をウェハ上に一括して作り込む製造過程を経ており、この製造過程における種々の誤差要因、例えばウェハにおける膜形成時の組成の不均一などに起因して、ウェハ状態から個片に分割されたLED素子には、発光波長のばらつきが生じることが避けられない。そして上述例では、LED素子を覆う樹脂包装部の高さは均一に設定されていることから、個片のLED素子における発光波長のばらつきは、そのまま製品としてのLEDパッケージの発光特性のばらつきに反映され、結果として品質許容範囲から逸脱する不良品の増加を余儀なくされていた。このように、従来のLEDパッケージ製造技術には、個片のLED素子における発光波長のばらつきに起因して、製品としてのLEDパッケージの発光特性がばらつき、生産歩留まりの低下を招くという問題がある。
【0006】
そこで本発明は、個片のLED素子の発光波長がばらつく場合にあっても、LEDパッケージの発光特性を均一にして、生産歩留まりを向上させることができる樹脂塗布装置および樹脂塗布方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の樹脂塗布装置は、蛍光体を含む樹脂を塗布する樹脂塗布部と、前記樹脂塗布部を制御して前記樹脂を測定用塗布処理として試し塗布材に試し塗布する第1塗布制御部と、前記樹脂塗布部を制御して前記樹脂を生産用塗布処理としてLED素子に塗布する第2塗布制御部と、開口部から底部に向かって底部の側が小さくなるように内周壁が傾斜したエンボス部が形成された試し塗布材と、前記第1塗布制御部により前記樹脂が前記エンボス部に試し打ちされた試し塗布材が載置される試し塗布材載置部と、前記蛍光体を励起する励起光を発光する光源部と、前記励起光を前記試し塗布材に塗布された樹脂に照射して試し打ちされた前記樹脂から発せられた光の発光特性を測定する発光特性測定部と、前記発光特性測定部の測定結果と予め規定された発光特性との偏差を求め、この偏差に基づいて生産用として前記LED素子に塗布されるべき前記樹脂の適正樹脂塗布量を導出する塗布量導出処理部と、前記適正樹脂塗布量を前記第2塗布制御部に指令することにより、この適正樹脂塗布量の前記樹脂を前記LED素子に塗布する前記生産用塗布処理を実行させる生産実行処理部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の樹脂塗布方法は、開口部から底部に向かって底部の側の容積が小さくなるように内周壁が傾斜したエンボス部に、蛍光体を含む樹脂を吐出する樹脂吐出部によって前記樹脂を、発光特性測定用として試し打ちする測定用塗布工程と、前記樹脂が試し打ちされた試し塗布材を試し塗布材載置部に載置する試し塗布材載置工程と、前記試し塗布材に試し打ちされている前記樹脂に光源部から前記蛍光体を励起する励起光を照射する励起光発光工程と、前記励起光によって前記樹脂から発せられた光の発光特性を測定する発光特性測定工程と、前記発光特性測定工程における測定結果と予め規定された発光特性との偏差を求め、この偏差に基づいて実生産用として前記LED素子に塗布されるべき前記樹脂の適正樹脂塗布量を導出する塗布量導出処理工程と、前記導出された適正樹脂塗布量を前記樹脂吐出部を制御する塗布制御部に指令することにより、この適正樹脂塗布量の樹脂をLED素子に塗布する生産用塗布処理を実行させる生産実行工程とを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、LED素子の上に注入するために使用する蛍光体を含んだ樹脂を、試し塗布材の、開口部から底部に向かって底部の側が小さくなるように内周壁が傾斜したエンボス部に試し打ちして、光学特性を測定し、これに基づいてLED素子の上に注入する前記樹脂の注入量を制御するので、個片のLED素子の発光波長がばらつく場合にあっても、LEDパッケージの発光特性を均一にして、生産歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施の形態の樹脂塗布装置を備えたLEDパッケージ製造システムの構成図
【図2】本発明の一実施の形態のLEDパッケージ製造システムによって製造されるLEDパッケージの構成説明図
【図3】本発明の一実施の形態のLEDパッケージ製造システムにおいて用いられるLED素子の供給形態および素子特性情報の説明図
【図4】樹脂塗布情報の説明図
【図5】本発明の一実施の形態の部品実装装置の構成および機能の説明図
【図6】本発明の一実施の形態のLEDパッケージ製造システムにおいて用いられるマップデータの説明図
【図7】本発明の一実施の形態の樹脂塗布装置の構成および機能の説明図
【図8】本発明の一実施の形態のLEDパッケージ製造システムにおける発光特性検査装置の構成説明図
【図9】本発明の一実施の形態のLEDパッケージ製造システムの制御系の構成を示すブロック図
【図10】本発明の一実施の形態のLEDパッケージ製造システムによるLEDパッケージ製造のフロー図
【図11】本発明の一実施の形態のLEDパッケージ製造システムによるLEDパッケージ製造過程を示す工程説明図
【図12】本発明の一実施の形態のLEDパッケージ製造システムによるLEDパッケージ製造過程を示す工程説明図
【図13】樹脂塗布装置に備えられた試し打ち・測定ユニットの正面図と、比較例の試し打ち部材および実施例の試し打ち部材の断面図と、測定ユニットの断面図
【図14】樹脂塗布量と樹脂の発光色度の関係図
【図15】比較例の透光部材43の断面図と、本発明の実施例の透光部材43の断面図およびこの透光部材43を使用した場合の樹脂塗布量と樹脂の発光色度の関係図
【図16】LEDパッケージ50の拡大断面と樹脂塗布量と発光色度の関係図
【図17】透光部材43の平面形状を矩形にした場合の樹脂の形状安定過程を示す平面図と断面図、および本発明の実施の形態2における透光部材43にした場合の樹脂の形状安定過程を示す平面図と断面図
【図18】本発明の実施の形態3を説明する透光部材43の平面図と断面図、およびLEDパッケージ50の樹脂塗布量と発光色度の関係図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の各実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施の形態1)
まず図1を参照して、LEDパッケージ製造システム1の構成を説明する。
【0012】
LEDパッケージ製造システム1は、基板に実装されたLED素子を蛍光体を含む樹脂によって覆って成るLEDパッケージを製造する機能を有するものである。本実施の形態においては、図1に示すように、部品実装装置M1、キュア装置M2、ワイヤボンディング装置M3、樹脂塗布装置M4、キュア装置M5、個片切断装置M6および発光特性検査装置M7の各装置をLANシステム2によって接続し、管理コンピュータ3によってこれらの各装置を統括して制御する構成となっている。
【0013】
部品実装装置M1はLEDパッケージのベースとなる基板4(図2参照)にLED素子5を樹脂接着剤によって接合して実装する。キュア装置M2はLED素子5が実装された後の基板4を加熱することにより、実装時の接合に用いられた樹脂接着剤を硬化させる。ワイヤボンディング装置M3は基板4の電極とLED素子5の電極とをボンディングワイヤによって接続する。樹脂塗布装置M4はワイヤボンディング後の基板4において、各LED素子5毎に蛍光体を含む樹脂を塗布する。キュア装置M5は樹脂塗布後の基板4を加熱することにより、LED素子5を覆って塗布された樹脂を硬化させる。個片切断装置M6は、樹脂が硬化した後の基板4を各個別のLED素子5毎に切断して、個片のLEDパッケージに分割する。発光特性検査装置M7は、個片に分割された完成品のLEDパッケージを対象として、色調などの発光特性を検査し、必要に応じて検査結果をフィードバックする処理を行う。
【0014】
なお図1においては、部品実装装置M1〜発光特性検査装置M7の各装置を直列に配置して製造ラインを構成した例を示しているが、LEDパッケージ製造システム1としては必ずしもこのようなライン構成を採用する必要はなく、以下の説明において述べる情報伝達が適切になされる限りにおいては、分散配置された各装置によってそれぞれの工程作業を順次実行する構成であってもよい。また、ワイヤボンディング装置M3の前後に、ワイヤボンディングに先立って電極のクリーニングを目的としたプラズマ処理を行うプラズマ処理装置、ワイヤボンディング後に、樹脂塗布に先立って樹脂の密着性を向上させるための表面改質を目的としたプラズマ処理を行うプラズマ処理装置を介在させるようにしてもよい。
【0015】
ここで図2、図3を参照して、LEDパッケージ製造システム1における作業対象となる基板4、LED素子5および完成品としてのLEDパッケージ50について説明する。図2(a)に示すように、基板4は、完成品において1つのLEDパッケージ50のベースとなる個片基板4aが複数個作り込まれた多連型基板であり、各個片基板4aには、それぞれLED素子5が実装される1つのLED実装部4bが形成されている。各個片基板4a毎においてLED実装部4b内にLED素子5を実装し、その後LED実装部4b内にLED素子5を覆って樹脂8を塗布し、さらに樹脂8の硬化後に工程完了済みの基板4を個片基板4a毎に切断することにより、図2(b)に示すLEDパッケージ50が完成する。
【0016】
LEDパッケージ50は、各種の照明装置の光源として用いられる白色光を照射する機能を有しており、青色LEDであるLED素子5と青色と補色関係にある黄色の蛍光を発する蛍光体を含んだ樹脂8とを組み合わせることにより、擬似白色光を得るようになっている。図2(b)に示すように、個片基板4aにはLED実装部4bを形成する例えば円形や楕円形の環状堤を有するキャビティ形状の反射部4cが設けられている。反射部4cの内側に搭載されたLED素子5のN型部電極6a、P型部電極6bは、個片基板4aの上面に形成された配線層4e,4dと、それぞれボンディングワイヤ7によって接続される。そして樹脂8はこの状態のLED素子5を覆って反射部4cの内側に所定厚みで塗布され、LED素子5から発光された青色光が樹脂8を透過して照射される過程において、樹脂8内含まれる蛍光体が発光する黄色と混色され、白色光となって照射される。
【0017】
図3(a)に示すように、LED素子5は、サファイア基板5a上にN型半導体5b、P型半導体5cを積層し、さらにP型半導体5cの表面を透明電極5dで覆って構成され、N型半導体5b、P型半導体5cにはそれぞれ外部接続用のN型部電極6a、P型部電極6bが形成されている。LED素子5は、図3(b)に示すように、複数が一括して形成された後に個片に分割された状態で保持シート10aに貼着保持されたLEDウェハ10から取り出される。LED素子5は、製造過程における種々の誤差要因、例えばウェハにおける膜形成時の組成の不均一などに起因して、ウェハ状態から個片に分割されたLED素子5には、発光波長など発光特性にばらつきが生じることが避けられない。そしてこのようなLED素子5をそのまま基板4に実装すると、製品としてのLEDパッケージ50の発光特性のばらつきとなる。
【0018】
このような発光特性のばらつきに起因する品質不良を防止するため、本実施の形態においては、同一製造過程で製造される複数のLED素子5の発光特性を予め計測し、各LED素子5と当該LED素子5の発光特性を示すデータとを対応させた素子特性情報を作成しておき、樹脂8の塗布において各LED素子5の発光特性に応じた適正量の樹脂8を塗布するようにしている。そして適正量の樹脂8を塗布するために、後述する樹脂塗布情報が予め準備される。
【0019】
まず素子特性情報について説明する。図3(c)に示すように、LEDウェハ10から取り出されたLED素子5は、個々を識別する素子ID(ここでは、当該LEDウェハ10における連番(i)にて個別のLED素子5を識別)が付与された上で、発光特性計測装置11に順次投入される。なお、素子IDとしては、LED素子5を個別に特定できる情報であれば、他のデータ形式のもの、例えばLEDウェハ10におけるLED素子5の配列を示すマトリクス座標をそのまま用いるようにしてもよい。このような形式の素子IDを用いることにより、後述する部品実装装置M1において、LED素子5をLEDウェハ10の状態のまま供給することが可能となる。
【0020】
発光特性計測装置11においては、各LED素子5にプローブを介して電力を供給して実際に発光させ、その光を分光分析して発光波長や発光強度などの所定項目について計測を行う。計測対象となるLED素子5については、予め発光波長の標準的な分布が参照データとして準備されており、さらにその分布における標準範囲に該当する波長範囲を複数の波長域に区分することにより、計測対照となった複数のLED素子5を、発光波長によってランク分けする。ここでは、波長範囲を3つに区分することにより設定されたランクのそれぞれに対応して、低波長側から順に、Binコード[1][2][3]が付与されている。そして素子ID12aにBinコード12bを対応させたデータ構成の素子特性情報12が作成される。
【0021】
すなわち素子特性情報12は、複数のLED素子5の発光波長を含む発光特性を予め個別に測定して得られた情報であり、予めLED素子製造メーカなどによって準備されてLEDパッケージ製造システム1に対して伝達される。この素子特性情報12の伝達形態としては、単独の記憶媒体に記録された形で伝達されてもよく、またLANシステム2を介して管理コンピュータ3に伝達するようにしてもよい。いずれにおいても、伝達された素子特性情報12は管理コンピュータ3において記憶され、必要に応じて部品実装装置M1に提供される。
【0022】
このようにして発光特性計測が終了した複数のLED素子5は、図3(d)に示すように特性ランク毎にソートされ、それぞれの特性ランクに応じて3種類に振り分けられ、3つの粘着シート13aに個別に貼着される。これにより、Binコード[1][2][3]のそれぞれに対応するLED素子5を粘着シート13aに貼着保持した3種類のLEDシート13A,13B,13Cが作成され、これらLED素子5を基板4の個片基板4aに実装する際には、LED素子5はこのようなランク分けが既になされたLEDシート13A,13B,13Cの形態で部品実装装置M1に供給される。このとき、LEDシート13A,13B,13Cのそれぞれには、Binコード[1][2][3]のいずれに対応したLED素子5が保持されているかを示す形で素子特性情報12が管理コンピュータ3から提供される。
【0023】
次に、上述の素子特性情報12に対応して予め準備される樹脂塗布情報について、図4を参照して説明する。青色LEDとYAG系の蛍光体を組み合わせることにより白色光を得る構成のLEDパッケージ50では、LED素子5が発光する青色光とこの青色光によって蛍光体が励起されて発光する黄色光との加色混合が行われることから、LED素子5が実装される凹状のLED実装部4b内における蛍光体粒子の量が、製品のLEDパッケージ50の規定の発光特性を確保する上で重要な要素となる。
【0024】
上述のように、同時に作業対象となる複数のLED素子5の発光波長には、Binコード[1][2][3]によって分類されるばらつきが存在することから、LED素子5を覆って塗布される樹脂8中の蛍光体粒子の適正量は、Binコード[1][2][3]に応じて異なったものとなる。
【0025】
このような複数のLED素子5の発光波長のばらつきを補正するために、図4に示すように、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂などにYAG系の蛍光体粒子を含有させた樹脂8のBin分類別適正塗布量を、nl(ナノリットル)単位で、蛍光体濃度欄16に示すように、Binコード区分17に応じて予め規定したものを樹脂塗布情報14とすることもできるが、ここでは、樹脂8中の蛍光体粒子の濃度を輝度測定によって予め測定し、その輝度に基づいてBinコード区分17毎の樹脂8の適正塗布量を規定している。
【0026】
次に図5を参照して、部品実装装置M1の構成および機能を説明する。
図5(a)の平面図に示すように、部品実装装置M1は、上流側から供給された作業対象の基板4を基板搬送方向(矢印a)に搬送する基板搬送機構21を備えている。基板搬送機構21には、上流側から順に、図5(b)にA−A断面にて示す接着剤塗布部A、図5(c)にB−B断面にて示す部品実装部Bが配設されている。接着剤塗布部Aは、基板搬送機構21の側方に配置され樹脂接着剤23を所定の膜厚の塗膜の形で供給する接着剤供給部22および基板搬送機構21と接着剤供給部22の上方で水平方向(矢印b)に移動自在な接着剤転写機構24を備えている。また部品実装部Bは、基板搬送機構21の側方に配置され、図3(d)に示すLEDシート13A,13B,13Cを保持する部品供給機構25および基板搬送機構21と部品供給機構25の上方で水平方向(矢印c)に移動自在な部品実装機構26を備えている。
【0027】
基板搬送機構21に搬入された基板4は、図5(b)に示すように、接着剤塗布部Aにて位置決めされ、各個片基板4aに形成されたLED実装部4bを対象として、樹脂接着剤23の塗布が行われる。すなわち、接着剤転写機構24を接着剤供給部22の上方に移動させて転写ピン24aを転写面22aに形成された樹脂接着剤23の塗膜に接触させ、樹脂接着剤23を付着させる。次いで、接着剤転写機構24を基板4の上方に移動させて、転写ピン24aをLED実装部4bに下降させることにより(矢印d)、転写ピン24aに付着した樹脂接着剤23をLED実装部4b内の素子実装位置に転写により供給する。
【0028】
次いで接着剤塗布後の基板4は下流側へ搬送されて、図5(c)に示すように部品実装部Bにて位置決めされ、接着剤供給後の各LED実装部4bを対象として、LED素子5の実装が行われる。すなわちまず部品実装機構26を部品供給機構25の上方に移動させて実装ノズル26aを部品供給機構25に保持されたLEDシート13A,13B,13Cのいずれかに対して下降させ、実装ノズル26aによってLED素子5を保持して取り出す。次いで部品実装機構26を基板4のLED実装部4bの上方に移動させて実装ノズル26aを下降させることにより(矢印e)、実装ノズル26aに保持したLED素子5をLED実装部4b内において接着剤が塗布された素子実装位置に実装する。
【0029】
この部品実装装置M1による基板4へのLED素子5の実装においては、予め作成された素子実装プログラム、すなわち、部品実装機構26による個別実装動作においてLEDシート13A,13B,13CのいずれからLED素子5を取り出して基板4の複数の個片基板4aに実装するかの順序が予め設定されており、部品実装作業はこの素子実装プログラムにしたがって実行される。
【0030】
そして部品実装作業の実行に際しては、作業実行履歴から個別のLED素子5が基板4の複数の個片基板4aのうちのいずれに実装されたかを示す実装位置情報71a(図9参照)を抽出し記録する。そしてこの実装位置情報71aと個々の個片基板4aに実装されたLED素子5がいずれの特性ランク(Binコード[1][2][3])に対応するものであるかを示す素子特性情報12とを関連づけたデータが、マップ作成処理部74(図9参照)によって、図6に示すマップデータ18として作成されるようになっている。
【0031】
図6において、基板4の複数の個片基板4aの個別の位置は、X方向,Y方向の位置をそれぞれ示すマトリクス座標19X,19Yの組み合わせによって特定される。そしてマトリクス座標19X,19Yによって構成されるマトリックスの個別セルに、当該位置に実装されたLED素子5が属するBinコードを対応させることにより、部品実装装置M1によって実装されたLED素子5の基板4における位置を示す実装位置情報71aと、当該LED素子5についての素子特性情報12とを関連付けたマップデータ18が作成される。
【0032】
すなわち、部品実装装置M1は、当該装置によって実装されたLED素子5の基板4における位置を示す実装位置情報と、当該LED素子5についての素子特性情報12とを関連付けたマップデータ18を、基板4毎に作成するマップデータ作成手段としてのマップ作成処理部74を備えた構成となっている。そして作成されたマップデータ18は、LANシステム2を介して以下に説明する樹脂塗布装置M4に対してフィードフォワードデータとして送信される。
【0033】
次に図7と図13を参照して、樹脂塗布装置M4の構成および機能について説明する。
樹脂塗布装置M4は、部品実装装置M1によって基板4に実装された複数のLED素子5を覆って樹脂8を塗布する機能を有するものである。図7(a)の平面図に示すように、樹脂塗布装置M4は上流側から供給された作業対象の基板4を基板搬送方向(矢印f)に搬送する基板搬送機構31に、図7(b)にC−C断面にて示す樹脂塗布部Cを配設した構成となっている。樹脂塗布部Cには、下端部に装着された吐出ノズル33から樹脂8を吐出する構成の樹脂吐出ヘッド32が設けられている。
【0034】
図7(b)に示すように、樹脂吐出ヘッド32はノズル移動機構35によって駆動され、ノズル移動機構35を塗布制御部36によって制御することにより、水平方向(図7(a)に示す矢印g)の移動動作および昇降動作を行う。樹脂吐出ヘッド32には樹脂8がシリンジに収納された状態で供給され、樹脂吐出機構37によって空圧を前記シリンジ内に印加することにより、シリンジ内の樹脂8は吐出ノズル33を介して吐出されて、基板4に形成されたLED実装部4bに塗布される。このとき、樹脂吐出機構37を塗布制御部36によって制御することにより、樹脂8の吐出量を任意に制御することができる。すなわち樹脂塗布部Cは、塗布量を可変に樹脂8を吐出して、任意の塗布対象位置に塗布する機能を有している。
【0035】
なお、樹脂吐出機構37には、空圧のシリンジ以外にもメカシリンダを用いたプランジャ方式、スクリューポンプ方式など、各種の液吐出方式を採用することができる。
基板搬送機構31の側方には、試し打ち・測定ユニット40が樹脂吐出ヘッド32の移動範囲内に配置されている。試し打ち・測定ユニット40は、樹脂8を基板4のLED実装部4bに塗布する実生産用塗布作業に先立って、樹脂8の塗布量が適正であるか否かを、試し打ちした樹脂8の発光特性を測定することにより判定する機能を有するものである。
【0036】
すなわち、樹脂塗布部Cによって樹脂8を試し打ちされている試し塗布材としての透光部材43に、測定用の光源部45が発する光を照射したときの発光特性を、分光器42および発光特性測定処理部38を備えた発光特性測定部によって測定し、測定結果を予め設定された基準色度を得るに必要な試し打ち塗布量との誤差を計算して、図4に示した樹脂塗布情報14に代わる樹脂塗布情報としている。
【0037】
蛍光体粒子を含有する樹脂8は、その組成・性状は必ずしも安定的ではなく、予め樹脂塗布情報14にて樹脂の適正塗布量を設定していても、時間の経過によって蛍光体の濃度や樹脂粘度が変動することが避けられない。
【0038】
このため、予め設定された適正塗布量に対応する吐出パラメータで樹脂8を吐出しても、樹脂塗布量そのものが既設定の適正値からばらつく場合や、さらには、塗布量自体は適正であっても濃度変化によって本来供給されるべき蛍光体粒子の供給量がばらつく結果となる。
【0039】
このような不都合を排除するため、本実施の形態では、所定のインターバルにて適正供給量の蛍光体粒子が供給されているか否かを検査するための試し打ちを、樹脂塗布装置M4にて実行し、さらに試し打ちされた樹脂を対象として発光特性の測定を実行することにより、本来あるべき発光特性に則して蛍光体粒子の供給量を安定させるようにしている。
【0040】
そして本実施の形態に示す樹脂塗布装置M4に備えられた樹脂塗布部Cは、樹脂8を上述の発光特性測定用として透光部材43に試し打ちする測定用塗布処理と、実生産用として基板4に実装された状態のLED素子5に塗布する生産用塗布処理とを併せて実行する機能を有している。これらの測定用塗布処理および生産用塗布処理は、いずれも塗布制御部36が樹脂塗布部Cを制御することにより実行される。ただし、測定用塗布処理用と生産用塗布処理用とで、2つの異なる塗布制御部を用いて、制御してもよい。
【0041】
図13を参照して、試し打ち・測定ユニット40の詳細構成を説明する。
図13(a)に示すように、透光部材43は供給リール47に卷回収納されて供給され、試し打ちステージ40aの上面に沿って送られた後、試し塗布材載置部としての透光部材載置部41と照射部46との間を経由して、巻き取りモータ49によって駆動される回収リール48に巻き取られる。
【0042】
なお、透光部材43を回収する機構としては、回収リール48に卷回して回収する方式以外にも、回収ボックス内に透光部材43を送り機構によって送り込む方式など、各種の方式を採用することができる。
【0043】
照射部46は、光源部45によって発光された励起光を透光部材43に対して照射する機能を有しており、光源部45の白色光または青色光を発生するLEDの発光した励起光が、ファイバケーブルによって導光される光集束ツール46bを介して、簡易暗箱機能を有する遮光ボックス46a内に導かれている。
【0044】
光源部45は樹脂8に含まれる蛍光体を励起する励起光を発光する機能を有しており、本実施の形態においては透光部材載置部41の上方に配置されて、測定光を透光部材43に対して光集束ツール46bを介して上方から照射する形態となっている。
【0045】
ここで透光部材43としては、透明樹脂製のテープ材にLEDパッケージ50の凹部形状に対応したエンボス部43aが下面に突設されたエンボスタイプのものが用いられる(図13(b)参照)。
【0046】
透光部材43が試し打ち・測定ユニット40上を送られる過程において、透光部材43に対して樹脂吐出ヘッド32によって樹脂8が試し打ちされる。この試し打ちは、下面側を試し打ちステージ40aによって支持された透光部材43に対して、図13(b)に示すように、吐出ノズル33によって規定塗布量の樹脂8を透光部材43のエンボス部43aに吐出することによって行われる。
【0047】
図13(b)は、前述のエンボスタイプの透光部材43のエンボス部43a内に、同様に既設定の適正吐出量の樹脂8を塗布した状態を示している。
なお、後述するように、試し打ちステージ40aにて塗布された樹脂8は、対象となるLED素子5に対して蛍光体供給量が適正であるか否かを実証的に判定するための試し塗布である。
【0048】
このようにして樹脂8が試し打ちされた後に遮光ボックス46a内に導かれた透光部材43に対して、光源部45によって発光された白色光を、光集束ツール46bを介して上方から照射する。そして透光部材43に塗布された樹脂8を透過した光は、透光部材載置部41に設けられた光透過開口部41aを介して、透光部材載置部41の下方に配設された積分球44によって受光される。
【0049】
図13(c)は、透光部材載置部41、積分球44の構造を示している。
透光部材載置部41は、透光部材43の下面を支持する下部支持部材41bの上面に、透光部材43の両端面をガイドする機能を有する上部ガイド部材41cを装着した構造となっている。
【0050】
透光部材載置部41は、試し打ち・測定ユニット40における搬送時に透光部材43をガイドするとともに、測定用塗布処理において樹脂8が試し打ちされた透光部材43を載置して位置を保持する機能を有している。
【0051】
積分球44は、光集束ツール46bから照射されて(矢印h)樹脂8を透過した透過光を集光し、分光器42に導く機能を有している。すなわち積分球44は内部に球面状の球状反射面44cを有しており、光透過開口部41aの直下に位置する開口部44aから入光した透過光(矢印i)は、積分球44の頂部に設けられた開口部44aから反射空間44b内に入射し、球状反射面44cによる全反射(矢印j)を反復する過程で出力部44dから測定光(矢印k)として取り出され、分光器42によって受光される。
【0052】
上述構成では、光源部45に用いられるLEDパッケージによって発光された白色光が透光部材43に試し打ちされた樹脂8に照射される。この過程において、白色光中に含まれる青色光成分が樹脂8中の蛍光体を励起させて黄色光を発光させる。そしてこの黄色光と青色光が加色混合した白色光が樹脂8から上方に照射され、上述の積分球44を介して分光器42によって受光される。
【0053】
そして受光された白色光は、図7(b)に示すように、発光特性測定処理部38によって分析されて発光特性が測定される。ここでは、白色光の色調ランクや光束などの発光特性が検査され、検査結果として、規定の発光特性との偏差が検出される。積分球44、分光器42および発光特性測定処理部38は、励起光を透光部材43に塗布された樹脂8に光源部45によって発光された励起光(ここでは白色LEDにより発光された白色光)を上方から照射することによりこの樹脂8が発する光を、透光部材43の下方の積分球44を介して分光器42で受光して、樹脂8が発する光の発光特性を測定する発光特性測定部を構成している。
【0054】
図7(b)に示すように、発光特性測定処理部38の測定結果は塗布量導出処理部39に送られ、塗布量導出処理部39は、発光特性測定処理部38の測定結果と予め規定された発光特性との偏差を求め、この偏差に基づいて実生産用としてLED素子5に塗布されるべき樹脂8の適正樹脂塗布量を導出する処理を行う。
【0055】
具体的には、樹脂8の濃度が安定している場合には、図14(a)に示すようにエンボス部43aへ規定塗布量で樹脂8を塗布することによって、基準色度の光を検出することができる。しかし実際には樹脂8の濃度が安定しないために、図14(b)に示すようにエンボス部43aへ規定塗布量で樹脂8を塗布しても、基準色度C0から外れた測定色度C1の光を検出することがある。そこで、この実施の形態では、基準色度C0と測定色度C1との偏差の方向とその大きさによって、測定色度C1を基準色度C0に近付けるために必要な規定塗布量N0の補正量ΔC〔%〕を計算し、規定塗布量N0を補正量ΔC〔%〕で補正した新たな適正吐出量である補正塗布量N1が、塗布量導出処理部39から生産実行処理部51に送られ、生産実行処理部51は新たに導出された適正樹脂塗布量を塗布制御部36に指令する。これにより塗布制御部36は、ノズル移動機構35、樹脂吐出機構37を制御して、適正樹脂塗布量の樹脂8を基板4に実装されたLED素子5に塗布する生産用塗布処理を樹脂吐出ヘッド32に実行させる。
【0056】
具体的には、樹脂8の濃度が安定していた場合には、樹脂吐出ヘッド32は基準塗布量N0の樹脂8塗布することによって、完成品としては、目的とする基準色度C0のLEDパッケージ50を得ることができる。しかし、樹脂8の濃度が安定しないために、生産実行処理部51では、塗布量導出処理部39によって導出された新たな補正量ΔC〔%〕に基づいて基準塗布量N0を補正することで、LEDパッケージ50の発光を目的とする基準色度C0に近付ける。
【0057】
なお本実施の形態においては、光源部45として白色光を発するLEDパッケージ50を用いている。これにより、試し打ちされた樹脂8の発光特性測定を、完成品のLEDパッケージ50において発光される励起光と同一特性の光によって行うことができ、より信頼性の高い検査結果を得ることができる。なお、完成品に用いられるものと同一のLEDパッケージ50を用いることは必ずしも必須要件ではない。発光特性測定には、一定波長の青色光を安定的に発光することが可能な光源装置(例えば青色光を発光する青色LEDや、青色レーザ光源など)であれば、検査用の光源部として用いることができる。但し、青色LEDを用いた白色光を発するLEDパッケージ50を用いることにより、安定的な品質の光源装置を低コストで選定することができるという利点を有する。ここでバンドパスフィルタを用いて、所定の波長の青色光を取り出すようにしてもよい。
【0058】
次に図8を参照して、発光特性検査装置M7の構成について説明する。
発光特性検査装置M7は、樹脂8が硬化した後に基板4を個片の個片基板4aに分割することにより完成したLEDパッケージ50を対象として、各個片毎に規定の発光特性を具備しているか否かを検査する機能を有している。図8に示すように、発光特性検査装置M7において暗室(図示省略)内に設けられた保持テーブル52には、検査対象のLEDパッケージ50が載置されており、LEDパッケージ50においてLED素子5と接続された配線層4e,4dには、検査用のプローブ53が当接している。プローブ53は電源装置54と接続されており、電源装置54をONすることにより、LED素子5には発光用の電力が供給され、これによりLED素子5は青色光を発光する。そしてこの青色光が樹脂8を透過する過程において、樹脂8中の蛍光体が励起して発光した黄色光と青色光が加色混合した白色光がLEDパッケージ50から上方に照射される。
【0059】
保持テーブル52の上方には分光器55が配置されており、LEDパッケージ50から照射された白色光は分光器55によって受光され、受光された白色光は色調計測処理部46によって分析される。ここでは、白色光の色調ランクや光束などの発光特性が検査され、検査結果として、規定の発光特性との偏差が検出される。そして検出された検査結果は樹脂塗布装置M4にフィードバックされる。フィードバックを受けた樹脂塗布装置M4は、偏差が予め設定された許容範囲を超えている場合には、この検査結果に基づいて樹脂塗布情報14を更新する処理を行い、その後は新たに更新された樹脂塗布情報14に基づいて基板4への樹脂塗布を実行する。
【0060】
次に図9を参照して、LEDパッケージ製造システム1の制御系の構成について説明する。なお、ここではLEDパッケージ製造システム1を構成する各装置の構成要素のうち、管理コンピュータ3、部品実装装置M1、樹脂塗布装置M4、発光特性検査装置M7において、素子特性情報12、樹脂塗布情報14およびマップデータ18の送受信および更新処理に関連する構成要素を示すものである。
【0061】
図9において、管理コンピュータ3は、システム制御部60、記憶部61、通信部62を備えている。システム制御部60は、LEDパッケージ製造システム1によるLEDパッケージ製造作業を統括して制御する。記憶部61には、システム制御部60による制御処理に必要なプログラムやデータのほか、素子特性情報12、樹脂塗布情報14、さらには必要に応じてマップデータ18、後述する特性検査情報47が記憶されている。通信部62はLANシステム2を介して他装置と接続されており、制御信号やデータの授受を行う。素子特性情報12、樹脂塗布情報14は、LANシステム2および通信部62を介して、またはCDロムなど単独の記憶媒体を回して、外部から伝達され記憶部61に記憶される。
【0062】
部品実装装置M1は、実装制御部70、記憶部71、通信部72、機構駆動部73およびマップ作成処理部74を備えている。実装制御部70は、部品実装装置M1による部品実装作業を実行するために、記憶部71に記憶された各種のプログラムやデータに基づいて、以下に説明する各部を制御する。記憶部71には、実装制御部70による制御処理に必要なプログラムやデータのほか、実装位置情報71aや素子特性情報12を記憶する。実装位置情報71aは、実装制御部70による実装動作制御の実行履歴データより作成される。素子特性情報12は、LANシステム2を介して管理コンピュータ3から送信される。通信部72は、LANシステム2を介して他装置と接続されており、制御信号やデータの授受を行う。
【0063】
機構駆動部73は、実装制御部70に制御されて、部品供給機構25や部品実装機構26を駆動する。これにより、基板4の各個片基板4aにLED素子5が実装される。マップ作成処理部74(マップデータ作成手段)は、記憶部71に記憶され部品実装装置M1によって実装されたLED素子5の基板4における位置を示す実装位置情報71aと、当該LED素子5についての素子特性情報12とを関連付けたマップデータ18を、基板4毎に作成する処理を行う。すなわち、マップデータ作成手段は部品実装装置M1に設けられており、マップデータ18は部品実装装置M1から樹脂塗布装置M4に送信される。なお、マップデータ18を管理コンピュータ3経由で部品実装装置M1から樹脂塗布装置M4に送信するようにしてもよい。この場合には、マップデータ18は、図9に示すように、管理コンピュータ3の記憶部61にも記憶される。
【0064】
樹脂塗布装置M4は、塗布制御部36、記憶部81、通信部82、機構駆動部83および塗布情報更新部84を備えている。塗布制御部36は、樹脂塗布装置M4による樹脂塗布作業を実行するために、記憶部81に記憶された各種のプログラムやデータに基づいて、以下に説明する各部を制御する。記憶部81には、塗布制御部36による制御処理に必要なプログラムやデータのほか、樹脂塗布情報14やマップデータ18を記憶する。樹脂塗布情報14はLANシステム2を介して管理コンピュータ3から送信され、マップデータ18は同様にLANシステム2を介して部品実装装置M1から送信される。通信部82はLANシステム2を介して他装置と接続されており、制御信号やデータの授受を行う。
【0065】
機構駆動部83は、塗布制御部36に制御されて、樹脂吐出機構37、ノズル移動機構35を駆動する。これにより、基板4の各個片基板4aに実装されたLED素子5を覆って樹脂8が塗布される。塗布情報更新部84は、発光特性検査装置M7からフィードバックされる検査結果に基づいて、記憶部81に記憶された樹脂塗布情報14を更新する処理を実行する。
【0066】
発光特性検査装置M7は、検査制御部90、記憶部91、通信部92、機構駆動部93および検査機構94を備えている。検査制御部90は、発光特性検査装置M7による検査作業を実行するために、記憶部91に記憶された検査実行用データ91aに基づいて、以下に説明する各部を制御する。通信部92はLANシステム2を介して他装置と接続されており、制御信号やデータの授受を行う。機構駆動部93は、検査実行のためにLEDパッケージ50をハンドリングするワーク移動・保持機能を有する検査機構94を駆動する。
【0067】
色調計測処理部46は、検査制御部90に制御されて、分光器55によって受光したLEDパッケージ50からの白色光の色調を計測する発光特性検査を行う。そして検査結果は、LANシステム2を介して樹脂塗布装置M4にフィードバック送信される。すなわち発光特性検査装置M7は、LED素子5に樹脂8が塗布されたLEDパッケージ50を対象として発光特性を検査して規定の発光特性との偏差を検出し、この検査結果を樹脂塗布装置M4にフィードバックする機能を有している。
【0068】
なお、図9に示す構成において、各装置固有の作業動作を実行するための機能以外の処理機能、例えば部品実装装置M1に設けられているマップ作成処理部74の機能、樹脂塗布装置M4に設けられている塗布情報更新部84の機能は、必ずしも当該装置に付属させる必要はない。例えば、マップ作成処理部74、塗布情報更新部84の機能を管理コンピュータ3のシステム制御部60が有する演算処理機能によってカバーするようにし、LANシステム2を介して必要な信号授受を行うように構成してもよい。
【0069】
上述のLEDパッケージ製造システム1の構成において、部品実装装置M1、樹脂塗布装置M4および発光特性検査装置M7はいずれもLANシステム2に接続されている。そして記憶部61に素子特性情報12が記憶された管理コンピュータ3およびLANシステム2は、複数のLED素子5の発光波長を含む発光特性を予め個別に測定して得られた情報を、素子特性情報12として部品実装装置M1に提供する素子特性情報提供手段となっている。同様に、記憶部61に樹脂塗布情報14が記憶された管理コンピュータ3およびLANシステム2は、規定の発光特性を具備したLEDパッケージ50を得るための樹脂8の適正塗布量と素子特性情報とを対応させた情報を樹脂塗布情報として樹脂塗布装置M4に提供する樹脂情報提供手段となっている。
【0070】
すなわち、素子特性情報12を部品実装装置M1に提供する素子特性情報提供手段および樹脂塗布情報14を樹脂塗布装置M4に提供する樹脂情報提供手段は、外部記憶手段である管理コンピュータ3の記憶部61より読み出された素子特性情報および樹脂塗布情報を、LANシステム2を介して部品実装装置M1および樹脂塗布装置M4にそれぞれ送信する構成となっている。さらに、発光特性検査装置M7は、LANシステム2を介して検査結果を特性検査情報47(図9参照)として樹脂塗布装置M4に送信する構成となっている。なお、特性検査情報47を管理コンピュータ3経由で樹脂塗布装置M4に送信するようにしてもよい。この場合には、特性検査情報45は図9に示すように、管理コンピュータ3の記憶部61にも記憶される。
【0071】
次にLEDパッケージ製造システム1によって実行されるLEDパッケージ製造過程について、図10のフローに沿って、各図を参照しながら説明する。まず、素子特性情報12および樹脂塗布情報14を取得する(ST1)。すなわち、複数のLED素子5の発光波長を含む発光特性を予め個別に測定して得られた素子特性情報12および規定の発光特性を具備したLEDパッケージ50を得るための樹脂8の適正塗布量と素子特性情報12とを対応させた樹脂塗布情報14を、外部装置からLANシステム2を介して、または記憶媒体を介して取得する。
【0072】
この後、部品実装装置M1に実装対象となる基板4を搬入する(ST2)。そして図11(a)に示すように、接着剤転写機構24の転写ピン24aによって、LED実装部4b内の素子実装位置に樹脂接着剤23を供給した後、図11(b)に示すように、部品実装機構26の実装ノズル26aに保持したLED素子5を、樹脂接着剤23を介して基板4のLED実装部4b内に実装する(ST3)。そしてこの部品実装作業の実行データから、当該基板4について、実装位置情報71aと、それぞれのLED素子5の素子特性情報12とを関連付けたマップデータ18を、マップ作成処理部74によって作成する(ST4)。次いでこのマップデータ18を部品実装装置M1から樹脂塗布装置M4に送信する(ST5)。これにより、樹脂塗布装置M4による樹脂塗布作業が実行可能な状態となる。
【0073】
次いで、部品実装後の基板4はキュア装置M2に送られ、ここで加熱されることにより、図11(c)に示すように、樹脂接着剤23が熱硬化して樹脂接着剤23aとなり、LED素子5は個片基板4aに固着される。次いで樹脂キュア後の基板4はワイヤボンディング装置M3に送られ、図11(d)に示すように、個片基板4aの配線層4e,4dを、それぞれLED素子5のN型部電極6a、P型部電極6bとボンディングワイヤ7によって接続する。
【0074】
この後、ワイヤボンディング後の基板4は樹脂塗布装置M4に搬送され(ST6)、図12(a)に示すように、反射部4cで囲まれるLED実装部4bの内部に、吐出ノズル33から樹脂8を吐出させる。このとき、マップデータ18および樹脂塗布情報14に基づき、図12(b)に示す規定量の樹脂8を、LED素子5を覆って塗布する(ST7)。
【0075】
次いで、基板4はキュア装置M5に送られ、キュア装置M5によって加熱することにより樹脂8を硬化させる(ST8)。これにより、図12(c)に示すように、LED素子5を覆って塗布された樹脂8は熱硬化して樹脂8aとなり、LED実装部4b内で固着状態となる。次いで、樹脂キュア後の基板4は個片切断装置M6に送られ、ここで基板4を個片基板4a毎に切断することにより、図12(d)に示すように、個片のLEDパッケージ50に分割する(ST9)。これにより、LEDパッケージ50が完成する。
【0076】
次に完成したLEDパッケージ50は発光特性検査装置M7に搬入され(ST10)、ここで各LEDパッケージ50について、発光特性検査を実行する(ST11)。すなわちLEDパッケージ50を対象として発光特性を検査して規定の発光特性との偏差を検出し、この検査結果を樹脂塗布装置M4にフィードバックする。
【0077】
そしてフィードバック信号を受け取った樹脂塗布装置M4では、検出された偏差は許容値を超えるか否かを塗布情報更新部84によって判定する(ST12)。ここで許容値を超えるならば、塗布情報更新部84は樹脂塗布情報14を検出された偏差に応じて更新(ST13)し、更新された樹脂塗布情報14を用いて部品実装および樹脂塗布の諸作業を継続して実行する(ST14)。また(ST12)にて許容値を超えないと判定された場合には、既存の樹脂塗布情報14を維持したまま(ST14)に移行する。
【0078】
また上述構成のLEDパッケージ製造システム1において用いられる樹脂塗布装置M4は、樹脂8の塗布量を可変に吐出して任意の塗布対象位置に塗布する樹脂塗布部Cと、樹脂塗布部Cを制御することにより、樹脂8を発光特性測定用として透光部材43に試し打ちする測定用塗布処理および実生産用としてLED素子5に塗布する生産用塗布処理を実行させる塗布制御部36と、蛍光体を励起する励起光を発光する光源部を備え測定用塗布処理において樹脂8が試し打ちされた透光部材43が載置される透光部材載置部41と、光源部45から発光された励起光を透光部材43に塗布された樹脂8に照射することによりこの樹脂8が発する光の発光特性を測定する発光特性測定部と、発光特性測定部の測定結果と予め規定された発光特性との偏差を求め、この偏差に基づいて適正樹脂塗布量を補正することにより、LED素子5に塗布されるべき実生産用の適正樹脂塗布量を導出する塗布量導出処理部39と、導出された適正樹脂塗布量を塗布制御部36に指令することにより、この適正樹脂塗布量の樹脂をLED素子5に塗布する生産用塗布処理を実行させる生産実行処理部51とを備えた構成となっている。
【0079】
これにより、樹脂8の塗布対象となるLED素子5の発光特性に応じて、常に適正塗布量の樹脂8を塗布することができ、個片のLED素子の発光波長がばらつく場合にあっても、LEDパッケージの発光特性を均一にして、生産歩留まりを向上させることができる。なお、量産準備のための試し生産を十分に実行した後に用いられる実生産用のLEDパッケージ製造システムでは、発光特性検査装置M7を省略することが可能である。
【0080】
また、上述構成のLEDパッケージ製造システム1においては、管理コンピュータ3および部品実装装置M1〜発光特性検査装置M7の各装置をLANシステム2によって接続した構成を示しているが、LANシステム2は必ずしも必須の構成要件ではない。すなわち予め準備されて外部から伝達される素子特性情報12、樹脂塗布情報14を各LEDパッケージ50毎に記憶しておく記憶手段があり、これらの記憶手段から、部品実装装置M1に対して素子特性情報12を、また樹脂塗布装置M4に対して樹脂塗布情報14およびマップデータ18を、必要に応じて随時提供可能なデータ提供手段が存在し、また発光特性検査装置M7の検査結果を樹脂塗布装置M4にフィードバック可能なデータ伝達手段があれば、本実施の形態に示すLEDパッケージ製造システム1の機能を実現することができる。
【0081】
図13(b)の(イ)に示した比較例の透光部材43は、エンボス部43aの形状が開口部と底部とが同じ寸法のものであったが、図13(b)の(ロ)に示した実施例の透光部材43では、エンボス部43aの底部が開口部よりも小さくなるように傾斜した内周壁56が形成されている点だけが異なっている。
【0082】
LEDパッケージ50の樹脂8の断面は、図16(a)に示すようにLED素子5に近い部分が反射部4cの開口部よりも狭くなっており、光の密度は反射部4cの開口部よりも底部の方が光の密度が高い。そのため、樹脂8の塗布量の変化に対して樹脂8で補正されて発生する色度の変化は、図16(b)に示すように、樹脂8の塗布量の増加に対して色度が直線状に高くならずに、色度の変化は次第に小さくなる。
【0083】
比較例の透光部材43では、樹脂8の塗布量の増加に比例して直線的に色度が高くなり、補正量ΔC〔%〕に基づいて生産実行処理部51が出力する適正吐出量を補正しても、LEDパッケージ50の色度を基準色度C0に十分に近付けることができない。しかし、この実施例の透光部材43では、エンボス部43aの内周壁56が傾斜しているため、試し打ちステージ40aにおける測定時の、樹脂8の塗布量の増加に対する色度の変化の傾向が図15(b)に示すように、図16(b)に示すようにLEDパッケージ50の変化の傾向に近付くため、比較例の透光部材43を使用して測定した結果を用いてLED素子5の上に塗布する樹脂の塗布量を補正する場合に比べて、より迅速にLEDパッケージ50の色度を基準色度C0に十分に近付けることができる。
【0084】
(実施の形態2)
透光部材43のエンボス部43aの平面形状について実験を行った。
図17(a)のa1〜a3は、透光部材43のエンボス部43aの平面形状を矩形にした場合の樹脂8の形状の時間変化の平面図と断面図を示している。この場合、試し打ちされた樹脂8がエンボス部43aの隅々に広がって樹脂8の厚みが安定するに要した時間は5分であった。
【0085】
図17(b)のb1〜b2は、透光部材43のエンボス部43aの平面形状を円形にした場合の樹脂8の形状の時間変化の平面図と断面図を示している。エンボス部43aの平面形状のほかのパラメータを図17(a)の場合と同じにして測定した結果、試し打ちされた樹脂8がエンボス部43aの隅々に広がって樹脂8の厚みが安定するに要した時間は10秒と短くできた。
【0086】
この結果から、エンボス部43aの平面形状が円形の透光部材43を使用することによって、より迅速にLEDパッケージ50の色度を基準色度C0に十分に近付けることができる。また、エンボス部43aの容量に対する樹脂8の量を約70%の樹脂量に設定して運転した場合に、塗布形状が安定し、測定精度の向上を確認した。
【0087】
(実施の形態3)
実施の形態2における透光部材43のエンボス部43aの内周壁56の角度について実験を行った。
【0088】
図2(b)に示すように、反射部4cの角度を、垂直から20°だけ傾斜させたLEDパッケージ50の生産性を向上させることを目的として、図18(a)に示すように、エンボス部43aの内周壁56の角度を10°,20°,30°,40°,50°にした透光部材43を作成して、エンボス部43aへの樹脂の塗布量の変化に対する樹脂8から発生する光の色度の変化を測定した。LEDパッケージ50の寸法は、内周壁56の底部の直径が1.7mm、開口部の直径が2.4mm、例えばLED素子5のチップサイズが0.3〜1.0mmの四角形状で、厚みは0.05〜0.3mmであった。透光部材43のエンボス部43aの寸法は、底部の直径が6mm、深さが1mmであった。
【0089】
この場合、透光部材43への樹脂8の塗布量に対する発光色の色度の変化は、図18(b)に示すように、エンボス部43aの内周壁56の角度を10°から角度が大きくなるほど樹脂8の塗布量が多くなった場合の色度の変化が鈍くなった。LEDパッケージ50の樹脂8の塗布量に対する発光色の色度の変化も、図18(c)に示すように角度が大きくなるほど樹脂8の塗布量が多くなった場合の色度の変化が鈍くなった。
【0090】
図18(c)の特性に近い図18(b)の特性は、内周壁56の角度が20°〜50°の場合であった。最も図18(c)の特性に近い図18(b)の特性は、内周壁56の角度が50°であった。
【0091】
エンボス部43aの内周壁56の角度が大きくなると試し打ちされた樹脂8が零れやすくなるため、ここではエンボス部43aの内周壁56の角度20°の透光部材43を採用することによって、良好な生産性が得られた。
【0092】
上記の各実施の形態では、試し打ち部材としての透光部材43を透光性材料のものを使用して、試し打ちされた樹脂8から発生した光を、透光部材43を通過させてから積分球44で測定するように構成したが、エンボス部43aの開口部の側に反射してきた光を測定するように構成することもできる。この場合には、試し打ち部材は透光性材料で形成されていなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明はLED素子を蛍光体を含む樹脂で覆ったLEDパッケージを製造する分野において利用可能である。
【符号の説明】
【0094】
1 LEDパッケージ製造システム
2 LANシステム
4 基板
4a 個片基板
4b LED実装部
4c 反射部
5 LED素子
8 樹脂
12 素子特性情報
13A,13B,13C LEDシート
14 樹脂塗布情報
18 マップデータ
23 樹脂接着剤
24 接着剤転写機構
25 部品供給機構
26 部品実装機構
31 基板搬送機構
32 樹脂吐出ヘッド
33 吐出ノズル
35 ノズル移動機構
36 塗布制御部
37 樹脂吐出機構
38 発光特性測定処理部
39 塗布量導出処理部
40 試し打ち・測定ユニット
40a 試し打ちステージ
41 透光部材載置部
42 分光器
43 透光部材
43a エンボス部
44 積分球
44a 開口部
44c 球状反射面
45 光源部
46 照射部
46a 遮光ボックス
46b 光集束ツール
47 供給リール
48 回収リール
49 巻き取りモータ
50 LEDパッケージ
51 生産実行処理部
56 内周壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体を含む樹脂を塗布する樹脂塗布部と、
前記樹脂塗布部を制御して前記樹脂を測定用塗布処理として試し塗布材に試し塗布する第1塗布制御部と、
前記樹脂塗布部を制御して前記樹脂を生産用塗布処理としてLED素子に塗布する第2塗布制御部と、
開口部から底部に向かって底部の側が小さくなるように内周壁が傾斜したエンボス部が形成された試し塗布材と、
前記第1塗布制御部により前記樹脂が前記エンボス部に試し打ちされた試し塗布材が載置される試し塗布材載置部と、
前記蛍光体を励起する励起光を発光する光源部と、
前記励起光を前記試し塗布材に塗布された樹脂に照射して試し打ちされた前記樹脂から発せられた光の発光特性を測定する発光特性測定部と、
前記発光特性測定部の測定結果と予め規定された発光特性との偏差を求め、この偏差に基づいて生産用として前記LED素子に塗布されるべき前記樹脂の適正樹脂塗布量を導出する塗布量導出処理部と、
前記適正樹脂塗布量を前記第2塗布制御部に指令することにより、この適正樹脂塗布量の前記樹脂を前記LED素子に塗布する前記生産用塗布処理を実行させる生産実行処理部と
を備えたことを特徴とする樹脂塗布装置。
【請求項2】
前記試し塗布材は、
前記エンボス部の平面形状が円形である
請求項1記載の樹脂塗布装置。
【請求項3】
前記試し塗布材は、
前記内周壁の角度が垂直から20°〜50°だけ傾斜している
請求項1記載の樹脂塗布装置。
【請求項4】
開口部から底部に向かって底部の側の容積が小さくなるように内周壁が傾斜したエンボス部に、蛍光体を含む樹脂を吐出する樹脂吐出部によって前記樹脂を、発光特性測定用として試し打ちする測定用塗布工程と、
前記樹脂が試し打ちされた試し塗布材を試し塗布材載置部に載置する試し塗布材載置工程と、
前記試し塗布材に試し打ちされている前記樹脂に光源部から前記蛍光体を励起する励起光を照射する励起光発光工程と、
前記励起光によって前記樹脂から発せられた光の発光特性を測定する発光特性測定工程と、
前記発光特性測定工程における測定結果と予め規定された発光特性との偏差を求め、この偏差に基づいて実生産用として前記LED素子に塗布されるべき前記樹脂の適正樹脂塗布量を導出する塗布量導出処理工程と、
前記導出された適正樹脂塗布量を前記樹脂吐出部を制御する塗布制御部に指令することにより、この適正樹脂塗布量の樹脂をLED素子に塗布する生産用塗布処理を実行させる生産実行工程と
を含むことを特徴とする樹脂塗布方法。
【請求項5】
前記測定用塗布工程では、
平面形状が円形の前記エンボス部に前記樹脂を試し打ちする
請求項4記載の樹脂塗布方法。
【請求項6】
前記測定用塗布工程では、
前記内周壁の角度が垂直から20°〜50°だけ傾斜している前記エンボス部に前記樹脂を試し打ちする
請求項4または請求項5記載の樹脂塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2013−48130(P2013−48130A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185404(P2011−185404)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】