説明

樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置および樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法

【課題】フレキシブル基材に熱損傷を与えることなく、感光性樹脂により形成された樹脂層を効果的に加熱して硬化させる。
【解決手段】フレキシブル基材2と、フレキシブル基材上に感光性樹脂により形成された樹脂層3Aとを有する樹脂層付フレキシブル基材1Aを準備する。この樹脂層付フレキシブル基材1Aを巻取って巻出ロール11を作製し、この巻出ロール11から樹脂層付フレキシブル基材1Aを連続的に繰り出し、巻取ロール12に巻取る。巻出ロール11と巻取ロール12との間に、樹脂層付フレキシブル基材1A上の樹脂層3Aに対してフラッシュ光を照射して加熱するフラッシュランプ20が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂層を含む樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置および樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法に係り、とりわけ基材側に熱損傷を与えることなく樹脂層を加熱して硬化することができる樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置および樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶表示パネルにおいて、プラスチック基材と、基材の一面にパターニングされたブラックマトリックス、並びに、複数の赤色画素、緑色画素、および青色画素からなるパターンをもった樹脂層(パターン層)を有するカラーフィルターが開発されている。このように、基材をプラスチック製とすることにより、カラーフィルターを薄型化、低コスト化するとともに、基材が割れることを防止している(特許文献1および2参照)。
【0003】
このようなカラーフィルターはプラスチック基材に対して感光性樹脂材料を塗布し、感光性樹脂材料を露光し現像して赤色画素、緑色画素および青色画素を形成することにより得られる。カラーフィルターの製造にあたり、上述のようにプラスチック基材上に設けられた感光性樹脂材料に対して露光し現像することにより樹脂層を形成している。またプラスチック基材上に形成された樹脂層は加熱されて硬化される。
【0004】
ところで、プラスチック基材上に形成された樹脂層を加熱して硬化する場合、通常プラスチック基材をIRヒーターや熱風循環式ヒーターなどにより加熱して硬化している。
【0005】
しかしながらプラスチック基材をIRヒーターや熱風循環式ヒーターなどにより加熱する場合、大型のヒーターが必要となり、装置全体が大型化してしまう。
【0006】
またプラスチック基材をIRヒーターや熱風循環式ヒーターなどによって加熱した場合、プラスチック基材が熱により変形したり、変質して劣化することもある。
【0007】
あるいはまた、プラスチック基材の代わりにガラス基材を用いるとともに、ガラス基材の裏面にプラスチック製支持フィルムを貼付けて積層体を構成することも考えられている。しかしながら、この場合もガラス基材とプラスチック製支持フィルムの積層体を上記のヒーターで加熱した場合、プラスチック製支持フィルムが熱により変形したり、変質して劣化して損傷を受けることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−177551号公報
【特許文献2】特開2003−66423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、フレキシブル基材に熱損傷を与えることなく、樹脂層付フレキシブル基材上に感光性樹脂により形成された樹脂層を加熱して硬化することができる樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置および樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、プラスチックフィルムを含むフレキシブル基材と、フレキシブル基材上に樹脂により形成された樹脂層とを有する樹脂層付フレキシブル基材を準備する工程と、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層を加熱して硬化させる工程とを備え、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層は、フラッシュランプからのフラッシュ光を照射することにより加熱されることを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法である。
【0011】
本発明は、樹脂層付フレキシブル基材は帯状に形成されるとともに、帯状の樹脂層付フレキシブル基材を巻付けて巻出ロールを作製する工程を更に備え、巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取ロール側へ連続して搬送させながら、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層にフラッシュランプからのフラッシュ光を照射することを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法である。
【0012】
本発明は、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層の各部分に、複数回フラッシュ光を照射することを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法である。
【0013】
本発明は、プラスチックフィルムを含むフレキシブル基材と、フレキシブル基材上に樹脂により形成された樹脂層とを有する帯状の樹脂層付フレキシブル基材を巻付けてなる巻出ロールと、巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取る巻取ロールと、巻出ロールと巻取ロールとの間に設けられ、樹脂層付フレキシブル基材上の樹脂層に対してフラッシュ光を照射するフラッシュランプとを備えたことを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置である。
【0014】
本発明は、巻出ロールと、巻取ロールと、フラッシュランプとを制御する制御部とを更に備え、制御部は巻出ロールと、巻取ロールと、フラッシュランプを制御して、巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取ロール側へ連続して搬送させながら、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層にフラッシュランプからのフラッシュ光を照射することを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置である。
【0015】
本発明は、制御部は巻出ロールと、巻取ロールと、フラッシュランプを制御して、巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取ロール側へ連続して搬送させながら、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層の各部分に、複数回フラッシュ光を照射することを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置である。
【0016】
本発明は、プラスチックフィルムを含むフレキシブル基材と、フレキシブル基材上に樹脂により形成された樹脂層と、樹脂層上に保護層用樹脂により形成された保護層とを有する樹脂層付フレキシブル基材を準備する工程と、樹脂層付フレキシブル基材の保護層を加熱して硬化させる工程とを備え、樹脂層付フレキシブル基材の保護層は、フラッシュランプからのフラッシュ光を照射することにより加熱されることを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法である。
【0017】
本発明は、プラスチックフィルムを含むフレキシブル基材と、フレキシブル基材上に樹脂により形成された樹脂層と、樹脂層上に保護層用樹脂により形成された保護層とを有する帯状の樹脂層付フレキシブル基材を巻付けてなる巻出ロールと、巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取る巻取ロールと、巻出ロールと巻取ロールとの間に設けられ、樹脂層付フレキシブル基材上の保護層に対してフラッシュ光を照射するフラッシュランプとを備えたことを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、樹脂層付フレキシブル基材上に感光性樹脂により形成された樹脂層に対してフラッシュランプからのフラッシュ光を照射することにより、樹脂層を加熱して硬化することができる。この場合、樹脂層をフラッシュ光により加熱することができ、IRヒーターまたは熱風循環式ヒーターにより樹脂層付フレキシブル基材を加熱する場合に比べて、フレキシブル基材が受ける熱損傷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置を示す図。
【図2】図2は、本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法を示す図。
【図3】図3は、フラッシュ光の照射回数と樹脂層の硬化度を示す図。
【図4】図4は、フレキシブル基材の変形例を示す図。
【図5】図5は、本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法により得られるカラーフィルターを示す図。
【図6】図6は、比較例としての樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1乃至図5は、本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置および樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法を示す図である。
【0021】
まず、図5により本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法および樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置により得られるカラーフィルター1の断面構成について説明する。
【0022】
図5に示すように、本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置および樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法により得られるカラーフィルター1は、フレキシブル基材2と、このフレキシブル基材2上に形成され、複数のバンク(隔壁)3bを含むブラックマトリックス3とを備えている。このうちブラックマトリックス3は、複数のバンク3bによって形成された略矩形状の複数の開口部3cを有している。このような、ブラックマトリックス3は、感光性を有する感光性樹脂材料によりパターニングされた感光性樹脂材料層3aからなっている。
【0023】
またフレキシブル基材2は0.001〜0.2mmの厚さのプラスチックフィルム2d単体からなっている(図5参照)。
【0024】
ただし、フレキシブル基材2をフレキシブルガラスフィルム2aと、フレキシブルガラスフィルム2aに粘着層2cを介して積層されたプラスチック製支持フィルム2bとから構成してもよい(図4参照)。
【0025】
またフレキシブル基材2上のブラックマトリックス3の各開口部3c内に、複数色の画素が形成されている。すなわち、ブラックマトリックス3の各開口部3c内に、赤色(R)画素用感光性樹脂材料、緑色(G)画素用感光性樹脂材料、および青色(B)画素用感光性樹脂材料により、複数の赤色画素4、緑色画素5、および青色画素6が形成されている。各画素4、5、6の配列は、図示しないが、ストライプ配列、デルタ配列(トライアングル配列)、正方配列(四画素配列)等の公知の配列とすることができる。このように異なる色を有した三つの隣り合う画素によって、画面上における一つの表示画素が形成されるようになっている。更に、黄色画素(図示せず)等を追加して4色以上の画素が形成されるようにしても良い。
【0026】
また、これらの画素4、5、6は、保護層7で覆われている。この保護層7上に、インジウム錫酸化物(ITO(Indium Tin Oxide))からなる透明電極膜8が形成されている。
【0027】
このようなカラーフィルター1は、例えば、各画素4、5、6に対応して配列されたTFT等のスイッチング素子と液晶層とを含む液晶素子、および面光源と組み合わされて、液晶ディスプレイ(以下、「LCD」とも言う)、または電子ペーパー等に用いられる。この構成において、液晶はスイッチング素子によって制御されてシャッターとして機能し、面光源からの光を所望の色の画素のみを介して出射させる。このようにして、画面上にカラー映像が表示されるにようになっている。
【0028】
次に、カラーフィルター1の各構成部材の材料について説明する。
【0029】
まずフレキシブル基材2は、0.001〜0.2mmの厚さのプラスチックフィルム2d単体からなり、プラスチックフィルム2dとしてはポリエチレンテレフタレート、ポリナフタレート、ポリビニルアルコール等を用いることができる。
【0030】
またフレキシブル基材2をフレキシブルガラス2aと、フレキシブルガラス2aに粘着層2cを介して積層されたプラスチック製支持フィルム2bとから構成してもよく、この場合、フレキシブルガラス2aは厚さ0.05〜0.20mmのガラスフィルムが用いられる。
【0031】
また粘着層2cとしては、アクリル系かスチレン系等の樹脂材料が好ましい。
【0032】
さらにプラスチック製支持フィルム2bとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリビニルアルコール等を用いることができ、プラスチック製支持フィルム2bの厚さは0.001〜0.2mmとなっている。
【0033】
なお、フレキシブル基材2をフレキシブルガラス2aと、フレキシブルガラス2aに粘着層2cを介して積層されたプラスチック製支持フィルム2bとから構成する場合には、フレキシブル基材2全体の厚さは、0.05〜0.4mmであることが好ましく、とりわけ、ハンドリングのしやすさから、0.05〜0.125mm程度であることが好ましい。このことにより、製造工程を終了したフレキシブル基材2をロール状に巻き付けることができるとともに、必要な強度を確保することができる。
【0034】
フレキシブル基材2を構成するプラスチック製支持フィルム2bまたはプラスチックフィルム2dに用いる材料としては、LCD用途では、シクロオレフィンポリマー、ポリカーボネートが、高耐熱性、低吸水率、低リタデーションのため好ましい。電子ペーパー用途では、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが、量産品で低コストのため好ましい。これ以外にも、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレンナフトール、ポリイミド、有機無機複合樹脂が、高耐熱性を有しているため用いることができる。
【0035】
ブラックマトリックス3を構成する感光性樹脂材料層3a用の感光性樹脂材料としては、遮光性を有するブラックカーボン等の黒色の顔料と溶剤と接合性樹脂としてのバインダーとを含む顔料分散型のアクリル系感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。
【0036】
バインダーの具体例としては、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、4−メチルペンテン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。また、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂等を主骨格として、吸水性を低減するような設計をなされたものを用いることができる。
【0037】
また感光性樹脂としては、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂、特に電子線硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂を使用することができる。紫外線硬化性樹脂を使用する場合には、バインダーに光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有してもよい。
【0038】
具体的にはブラックマトリックス3用の感光性樹脂材料層3aを形成するブラックマトリックス用組成物としては、以下のような組成物が用いられる。
(ブラックマトリクス用組成物)
・カーボンブラック 61重量部
・感光性樹脂組成物 39重量部
・メトキシブチルアセテート 300重量部
【0039】
上記感光性樹脂組成物は、下記組成を有するものである。以下の実施例について用いられる感光性樹脂組成物についても、同様である。
(感光性樹脂組成物)
・アクリル樹脂 32重量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 42重量部
・エピコート180S70(三菱油化シェル(株)社製) 18重量部
・Irg.907(チバスペシャリティケミカルズ(株)社製) 8重量部
【0040】
また、各色の画素用感光性樹脂材料としては、同様にして、各色の着色剤(顔料)とバインダーとを含むアクリル系感光性樹脂組成物を用いることが好ましい。
【0041】
赤色(R)画素用の着色剤としては、ペリレン系顔料、レーキ顔料、アゾ系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、アントラセン系顔料、又はイソインドリン系顔料等から選択される一種又は二種以上のものが挙げられる。
【0042】
緑色(G)画素用の着色剤としては、ハロゲン多置換フタロシアニン系顔料若しくはハロゲン多置換銅フタロシアニン系顔料等のフタロシアニン顔料、トリフェニルメタン系塩基性染料、イソインドリン系顔料、又はイソインドリノン系の顔料の一種又は二種以上のものが挙げられる。
【0043】
また、青色(B)画素用の着色剤としては、銅フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、インダンスレン系顔料、インドフェノール系顔料、シアニン系顔料、若しくはジオキサジン系顔料の一種又は二種以上のものが挙げられる。
【0044】
バインダーの具体例としては、ポリカーボネート樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ノルボルネン系樹脂、4−メチルペンテン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリプロピレンテレフタレート樹脂、フッ素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂等が挙げられる。また、エポキシ系樹脂、シリコーン樹脂等を主骨格として、吸水性を低減するような設計をなされたものを用いることができる。
【0045】
着色剤を含有する感光性樹脂を用いフォトリソグラフィー法により形成する場合、アクリレート系、メタクリレート系、ポリ桂皮酸ビニル系、もしくは環化ゴム系等の反応性ビニル基を有する電離放射線硬化性樹脂、特に電子線硬化性樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂を使用することができる。紫外線硬化性樹脂を使用する場合には、バインダーに光重合開始剤が単独または複数組み合わせて使用される。紫外線硬化性樹脂を用いる場合には、必要に応じて増感剤、塗布性改良剤、現像改良剤、架橋剤、重合禁止剤、可塑剤、難燃剤等を含有してもよい。
【0046】
また、各色の画素用感光性樹脂材料として、具体的には以下のようなものを用いることができる。
(赤色画素用感光性樹脂材料の組成)
・PR254分散液 33重量部
・感光性樹脂組成物 67重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400重量部
(緑色画素用感光性樹脂材料の組成)
・PG36/PY150分散液 34重量部
・感光性樹脂組成物 66重量部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 400重量部
(青色画素用感光性樹脂材料の組成)
・PB15:6/PV23分散液 17重量部
・感光性樹脂組成物 83重量部
・プロピレングリコールモノメチルアセテート 400重量部
【0047】
さらに保護層7としては以下の材料を用いることができる。
【0048】
保護層7は、透明樹脂により形成することができる。透明樹脂としては、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ塩化ビニル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂等を使用することができる。また、アクリレート系、メタクリレート系の反応性ビニル基を有する光硬化型樹脂等の電離放射線硬化型樹脂、イソネート系、エポキシ系の硬化型樹脂、熱硬化型樹脂を使用することができる。保護層の形成には、透明樹脂を必要に応じ、溶剤、希釈剤、もしくはモノマー等、さらには、適宜な添加剤と共に混合して、適宜なコーティング手段により一様に塗布し、乾燥させるか、又は、電離放射線照射又は加熱により硬化させることによって形成することができる。
【0049】
このようなカラーフィルター1を製造する場合、まずフレキシブル基材2上にブラックマトリック3を形成する。この場合フレキシブル基材2上に感光性樹脂材料を塗布し、感光性樹脂材料を露光した後、現像液を感光性樹脂材料に供給する。そしてリンス液によりプラスチック基材を洗浄する。このことによりフレキシブル基材2上にブラックマトリック3を形成することができる。
【0050】
同様にしてフレキシブル基材2上に、順次赤色画素4、緑色画素5および青色画素6を形成することができる。
【0051】
なお、上記実施の形態において、ブラックマトリックス3、赤色画素4、緑色画素5および青色画素6を感光性樹脂で形成した例を示したが、これに限らずブラックマトリックス3、赤色画素4、緑色画素5および青色画素6を熱硬化型の樹脂を用いてインクジェット法により形成してもよい。
【0052】
本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置および樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法は、上述したフレキシブル基材2上に感光性樹脂材料を用いて形成されたブラックマトリックス3、赤色画素4、緑色画素5あるいは青色画素6からなるパターンを含む樹脂層(パターン層)を加熱して硬化させるものである。
【0053】
ここで、「パターン」とは、カラーフィルターのパターン、文字および図形等のパターン、電極のパターンを含む。
【0054】
以下、図1乃至図3により、本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置および樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法について説明する。
【0055】
樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置10は、フレキシブル基材2と、フレキシブル基材2上に感光性樹脂材料により形成された樹脂層3A、例えばブラックマトリックス3、赤色画素4、緑色画素5あるいは青色画素6のいずれかを加熱して硬化させるものである。
【0056】
このような樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置10は、帯状の樹脂層付フレキシブル基材1Aを巻付けてなる巻出ロール11と、巻出ロール11から連続的に繰り出される樹脂層付フレキシブル基材1Aを巻取る巻取ロール12と、巻出ロール11と巻取ロール12との間に設けられたボックス18とを備えている。
【0057】
この場合、樹脂層付フレキシブル基材1Aはフレキシブル基材2と、フレキシブル基材2上に感光性樹脂材料により形成された、例えばブラックマトリックス3からなる樹脂層3Aとを有する。
【0058】
しかしながらこれに限らず、樹脂層付フレキシブル基材1Aがフレキシブル基材2と、ブラックマトリックス3および赤色画素4からなる樹脂層3Aを有していてもよい。
【0059】
あるいは樹脂層付フレキシブル基材1A上に形成された樹脂層3Aが、ブラックマトリックス3および赤色画素4に加えて、緑色画素5あるいは青色画素6を有していてもよい。
【0060】
いずれにしても、本発明による樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置により加熱される対象は、樹脂層付フレキシブル基材1A上の樹脂層3Aのうち未硬化のものである。
【0061】
またボックス18には、ボックス18内を連続的に搬送される樹脂層付フレキシブル基材1Aのうち樹脂層3Aに対してフラッシュ光を照射するフラッシュランプ20が設けられている。
【0062】
ここでフラッシュランプ20としては、細長いキセノンランプを光源とするランプを用いることができ、印加電圧は0.1〜3.9kV、パルス幅は500〜2000μsecとなっている。照射回数は10回/秒以内で、被照射体の感度に応じてその都度設定することとする。
【0063】
また、巻出ロール11から繰り出された樹脂層付フレキシブル基材1Aは、案内ロール13、14によりボックス18側へ案内される。またボックス18からの樹脂層付フレキシブル基材1Aは、案内ロール15、16により巻取ロール12側へ送られて、この巻取ロール12により巻取られる。
【0064】
さらに巻出ロール11、巻取ロール12およびフラッシュランプ20は、制御部10aにより駆動制御される。
【0065】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用、すなわち樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法について説明する。
【0066】
まず、フレキシブル基材2と、フレキシブル基材2上に感光性樹脂材料により形成された、例えばブラックマトリックス3からなる樹脂層3Aとを有する帯状の樹脂層付フレキシブル基材1Aを準備する。
【0067】
次に樹脂層付フレキシブル基材1Aをロール状に巻付けることにより巻出ロール11を作製する。
【0068】
その後、巻出ロール11から樹脂層付フレキシブル基材1Aを順次繰り出し、樹脂層付フレキシブル基材1Aを案内ロール13、14を経てボックス18内へ送り込む。
【0069】
ボックス18内において、樹脂層付フレキシブル基材1Aの樹脂層3Aに対してフラッシュランプ20からフラッシュ光を照射する。フラッシュ光を照射してもプラスチック製支持フィルム2bまたはプラスチックフィルム2dは光を吸収することが無く、樹脂層付フレキシブル基材1Aの樹脂層3Aのみが光を吸収することになり、樹脂層3Aの表層のみに光照射による熱を加えることができ、プラスチック製支持フィルム2bまたはプラスチックフィルム2d側には光照射による熱が伝わることが無い。このように樹脂層付フレキシブル基材1Aの樹脂層3Aに対してフラッシュ光を照射することにより、樹脂層3Aのみを効果的に加熱して硬化することができる。このためフレキシブル基材2を構成するプラスチック製支持フィルム2bまたはプラスチックフィルム2dが加熱により変形したり変質して劣化することはない。
【0070】
そしてボックス18内でフラッシュランプ20によりフラッシュ光が照射された樹脂層付フレキシブル基材1Aは、樹脂層3Aが加熱されて硬化し、その後樹脂層付フレキシブル基材1Aはボックス18内から案内ロール15、16を経て巻取ロール12に巻取られる。
【0071】
この間、制御部10が巻出ロール11、巻取ロール12およびフラッシュランプ20を駆動制御する。
【0072】
例えば、フラッシュランプ20の照射領域20aが幅305mm×長さ19mmで、かつフラッシュランプ20の照射回数を5回/秒とする。
【0073】
このとき巻出ロール11から巻取ロール12へ搬送される樹脂層付フレキシブル基材1Aの搬送速度を例えば1m/分とする。
【0074】
この場合、樹脂層付フレキシブル基材1Aの各部分に対して、平均11.4回フラッシュ光を照射することができる。
【0075】
ここでフラッシュランプ20として以下のランプを用いた場合における、フラッシュ光の照射回数とブラックマトリックス3の硬度との関係を図3に示す。
フラッシュランプ:XENON社製
SINTERON2000
【0076】
図3から明らかなように、フラッシュランプ20からのフラッシュ光の照射回数を増加させるとブラックマトリックス3の硬度が上昇する。すなわち、ブラックマトリックス3からなる樹脂層3Aを硬化させるのに必要な熱量を1回の照射で加えた場合には、樹脂層3Aが焦げ付く場合があるが、照射回数を複数回にして硬化に必要な熱量を樹脂層3Aに加えることで樹脂層3Aを焦がすことなく、ブラックマトリックス3の硬度を上昇させることができる。しかしながらフラッシュ光を5回以上照射してもブラックマトリックス3の硬度が大きく上昇することはないので、フラッシュ光は5回/秒となるように照射条件を設定してブラックマトリックス3に対して照射することが好ましい。
【0077】
また樹脂層付フレキシブル基材1Aの樹脂層3Aのうち加熱して硬化される樹脂層が上述した感光性樹脂材料により形成される赤色画素4、緑色画素5あるいは青色画素6からなる場合であっても、フラッシュ光の照射回数と樹脂層3Aの硬度の関係は、図3に示すような関係をもち、各材料の感度にあわせて照射条件を設定して照射することが好ましい。
【0078】
このようにして樹脂層付フレキシブル基材1Aの樹脂層3Aに対してフラッシュランプ20からのフラッシュ光が照射され、このことにより樹脂層3Aが加熱されて硬化する。
【0079】
その後、ボックス18内の樹脂層付フレキシブル基材1Aは案内ロール15、16を経て巻取ロール12に巻取られる。
【0080】
以上の工程を繰り返すことにより、フレキシブル基材1A上に、加熱により硬化したブラックマトリックス3、赤色画素4、緑色画素5および青色画素6が順次形成される。
【0081】
その後、フレキシブル基材1A上に形成されたブラックマトリックス3、赤色画素4、緑色画素5および青色画素6上に、保護層7が形成される。次に保護層7上に透明電極膜8が形成され、このようにしてカラーフィルター1が得られる。
【0082】
次に本発明の比較例について図6により説明する。
【0083】
図6に示す比較例において、本発明の場合と同様の構造をもつ樹脂層付フレキシブル基材1Aが準備される。この樹脂層付フレキシブル基材1Aを巻付けることにより巻出ロール11が得られる。この巻出ロール11から樹脂層付フレキシブル基材1Aが繰り出される。次に樹脂層付フレキシブル基材1Aは案内ロール13、14を経て加熱オーブン25へ送られ、この加熱オーブン25において樹脂層付フレキシブル基材1Aの樹脂層3Aが加熱される。
【0084】
この場合、加熱オーブン25において、樹脂層付フレキシブル基材1Aの樹脂層3Aを加熱して硬化させることはできるが、加熱オーブン25内では樹脂層付フレキシブル基材1A全体が加熱されるためフレキシブル基材2を構成するプラスチック製支持フィルム2bまたはプラスチックフィルム2dが加熱により変形したり変質して劣化してしまう。
【0085】
これに対して本発明によれば、フラッシュランプ20のフラッシュ光を樹脂層付フレキシブル基材1Aの樹脂層3Aに照射して加熱するため、樹脂層3Aのみを効果的に加熱して硬化させることができ、このことによりフレキシブル基材2を構成するプラスチック製支持フィルム2bまたはプラスチックフィルム2dが加熱により変形したり変質して劣化することはない。
【実施例】
【0086】
(実施例1)
次に本発明の具体的な実施例について説明する。
【0087】
まずフレキシブル基材2としてポリエチレンナフタレート製のプラスチックフィルムのみからなり、長さ10m×幅300mm×厚さ0.1mmのフレキシブル基材を準備した。
【0088】
次にフレキシブル基材2上に画素用インク1μm厚で塗布し、乾燥工程、露光工程、現像工程を経てフレキシブル基材2上に赤色画素4を形成した。
【0089】
次に赤色画素4を有する樹脂層付フレキシブル基材1Aに対してフラッシュランプ20からフラッシュ光を照射して赤色画素4を加熱して硬化させた。
【0090】
この場合、フラッシュランプとしてフラッシュランプアニール法に用いられるランプを使用した。
【0091】
フラッシュランプの使用は以下の通りである。
パルス幅:500μsec
印加電圧:2.8kV
【0092】
樹脂層付フレキシブル基材1Aに対してフラッシュ光を照射することにより、赤色画素4を効果的に加熱し硬化させることができた。
【0093】
なお、樹脂層付フレキシブル基材1Aに対してフラッシュ光を照射させても、フレキシブル基材2が変形したり変質することはなかった。
【0094】
その後、同様にして樹脂層付フレキシブル基材1A上に青色画素6用の画素用インクを塗布した。このとき赤色画素4は効果的に硬化しているため、青色画素6用の画素用インクの溶剤によって赤色画素4が溶解することはなく、赤色画素4はその形状を維持していた。
【0095】
このような工程を順次繰り返すことにより、電子ペーパー用カラーフィルターが得られた。
【0096】
(比較例1)
フラッシュランプを用いる代わりに、熱風循環式のオーブンを用い、200℃×60minで樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱した。
【0097】
それ以外は実施例1と同一の条件で樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱した。
【0098】
熱風循環式オーブンにより樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱することにより、フレキシブル基材2が大きく熱収縮して変形した。
【0099】
(比較例2)
フラッシュランプを用いる代わりに、熱風循環式のオーブンを用い、160℃×15minで樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱した。
【0100】
それ以外は実施例1と同一の条件で樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱した。
【0101】
熱風循環式のオーブンで樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱しても、フレキシブル基材1Aが変形することはなかった。
【0102】
しかしながら、樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱しても赤色画素4は完全に硬化することはなかった。このため赤色画素4を変形した後、青色画素6用の画素用インクを塗布した際、青色画素6用の画素用インクの溶剤によって赤色画素4が一部溶解し、赤色画素4の形状が原型をとどめていなかった。
【0103】
(実施例2)
次に本発明の実施例2について説明する。
【0104】
まずフレキシブル基材2としてフレキシブルガラスフィルム2aと、フレキシブルガラスフィルム2aに粘着剤2cを介して積層されたポリエチレンナフタレート製のプラスチックフィルム2bとからなり、長さ10m×幅300mm×厚さ0.1mmのフレキシブル基材を準備した。
【0105】
次にフレキシブル基材2上に画素用インク1μm厚で塗布し、乾燥工程、露光工程、現像工程を経てフレキシブル基材2上に赤色画素4を形成した。
【0106】
次に赤色画素4を有する樹脂層付フレキシブル基材1Aに対してフラッシュランプ20からフラッシュ光を照射して赤色画素4を加熱して硬化させた。
【0107】
この場合、フラッシュランプとしてフラッシュランプアニール法に用いられるランプを使用した。
【0108】
フラッシュランプの使用は以下の通りである。
パルス幅:500μsec
印加電圧:2.8kV
【0109】
樹脂層付フレキシブル基材1Aに対してフラッシュ光を照射することにより、赤色画素4を効果的に加熱し硬化させることができた。
【0110】
なお、樹脂層付フレキシブル基材1Aに対してフラッシュ光を照射させても、フレキシブル基材2のプラスチック製支持フィルム2bが変形したり変質することはなかった。
【0111】
その後、同様にして樹脂層付フレキシブル基材1A上に青色画素6用の画素用インクを塗布した。このとき赤色画素4は効果的に硬化しているため、青色画素6用の画素用インクの溶剤によって赤色画素4が溶解することはなく、赤色画素4はその形状を維持していた。
【0112】
このような工程を順次繰り返すことにより、電子ペーパー用カラーフィルターが得られた。
【0113】
(比較例3)
フラッシュランプを用いる代わりに、熱風循環式のオーブンを用い、200℃×60minで樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱した。
【0114】
それ以外は実施例2と同一の条件で樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱した。
【0115】
熱風循環式オーブンにより樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱することにより、フレキシブル基材2のプラスチック製支持フィルム2bが大きく熱収縮してフレキシブル基剤2が大きく湾曲した。
【0116】
(比較例4)
フラッシュランプを用いる代わりに、熱風循環式のオーブンを用い、160℃×15minで樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱した。
【0117】
それ以外は実施例2と同一の条件で樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱した。
【0118】
熱風循環式のオーブンで樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱しても、フレキシブル基材1Aが変形することはなかった。
【0119】
しかしながら、樹脂層付フレキシブル基材1Aを加熱しても赤色画素4は完全に硬化することはなかった。このため赤色画素4を変形した後、青色画素6用の画素用インクを塗布した際、青色画素6用の画素用インクの溶剤によって赤色画素4が一部溶解し、赤色画素4の形状が原型をとどめていなかった。
【0120】
変形例
次に本発明の変形例について説明する。
【0121】
上記実施の形態において、樹脂層付フレキシブル基材1Aとして、フレキシブル基材2と、フレキシブル基材2上に形成されたブラックマトリックス3、赤色画素4、緑色画素5および青色画素6からなる樹脂層3Aとを有するものを準備し、樹脂層付フレキシブル基材1Aに対してフラッシュランプ20のフラッシュ光を照射することにより樹脂層3Aを加熱して硬化させる例を示した。
【0122】
しかしながら、これに限らず、フレキシブル基材2上にブラックマトリックス3、赤色画素4、緑色画素5および青色画素6からなる樹脂層3Aを形成するとともに、この樹脂層3A上を覆って更に保護層用インクを塗布して保護層7を形成し、この保護層7にフラッシュランプ20からのフラッシュ光を照射することにより保護層7を加熱して硬化してもよい。
【符号の説明】
【0123】
1 カラーフィルター
1A 樹脂層付フレキシブル基材
2 フレキシブル基材
2a フレキシブルガラスフィルム
2b プラスチック製支持フィルム
3 ブラックマトリックス
3A 樹脂層
4 赤色画素
5 緑色画素
6 青色画素
7 保護層
8 透明電極膜
10 樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置
10a 制御部
11 巻出部
12 巻取部
20 フラッシュランプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックフィルムを含むフレキシブル基材と、フレキシブル基材上に樹脂により形成された樹脂層とを有する樹脂層付フレキシブル基材を準備する工程と、
樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層を加熱して硬化させる工程とを備え、
樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層は、フラッシュランプからのフラッシュ光を照射することにより加熱されることを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法。
【請求項2】
樹脂層付フレキシブル基材は帯状に形成されるとともに、
帯状の樹脂層付フレキシブル基材を巻付けて巻出ロールを作製する工程を更に備え、
巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取ロール側へ連続して搬送させながら、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層にフラッシュランプからのフラッシュ光を照射することを特徴とする請求項1記載の樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法。
【請求項3】
樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層の各部分に、複数回フラッシュ光を照射することを特徴とする請求項1記載の樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法。
【請求項4】
プラスチックフィルムを含むフレキシブル基材と、フレキシブル基材上に樹脂により形成された樹脂層とを有する帯状の樹脂層付フレキシブル基材を巻付けてなる巻出ロールと、
巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取る巻取ロールと、
巻出ロールと巻取ロールとの間に設けられ、樹脂層付フレキシブル基材上の樹脂層に対してフラッシュ光を照射するフラッシュランプとを備えたことを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置。
【請求項5】
巻出ロールと、巻取ロールと、フラッシュランプとを制御する制御部とを更に備え、
制御部は巻出ロールと、巻取ロールと、フラッシュランプを制御して、巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取ロール側へ連続して搬送させながら、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層にフラッシュランプからのフラッシュ光を照射することを特徴とする請求項4記載の樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置。
【請求項6】
制御部は巻出ロールと、巻取ロールと、フラッシュランプを制御して、巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取ロール側へ連続して搬送させながら、樹脂層付フレキシブル基材の樹脂層の各部分に、複数回フラッシュ光を照射することを特徴とする請求項5記載の樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置。
【請求項7】
プラスチックフィルムを含むフレキシブル基材と、フレキシブル基材上に樹脂により形成された樹脂層と、樹脂層上に保護層用樹脂により形成された保護層とを有する樹脂層付フレキシブル基材を準備する工程と、
樹脂層付フレキシブル基材の保護層を加熱して硬化させる工程とを備え、
樹脂層付フレキシブル基材の保護層は、フラッシュランプからのフラッシュ光を照射することにより加熱されることを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱方法。
【請求項8】
プラスチックフィルムを含むフレキシブル基材と、フレキシブル基材上に樹脂により形成された樹脂層と、樹脂層上に保護層用樹脂により形成された保護層とを有する帯状の樹脂層付フレキシブル基材を巻付けてなる巻出ロールと、
巻出ロールから繰り出される樹脂層付フレキシブル基材を巻取る巻取ロールと、
巻出ロールと巻取ロールとの間に設けられ、樹脂層付フレキシブル基材上の保護層に対してフラッシュ光を照射するフラッシュランプとを備えたことを特徴とする樹脂層付フレキシブル基材の加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−104966(P2013−104966A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247672(P2011−247672)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】