説明

樹脂添加剤用マスターバッチ

【課題】 性質にバラツキのない成形体が得られる熱可塑性樹脂組成物の提供。
【解決手段】 ポリアミド樹脂を含む熱可塑性樹脂95〜10質量%と、熱可塑性樹脂とマレイミド系モノマー単位を有する重合体を含有する樹脂添加用マスターバッチ5〜90質量%を含有する熱可塑性樹脂組成物。樹脂添加用マスターバッチの相溶化作用により、2種以上の樹脂が均一に混練される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂添加剤用マスターバッチとその製造方法、前記樹脂添加剤用マスターバッチを含有する熱可塑性樹脂組成物とそれから得られる成形体に関する。
【背景技術】
【0002】
2種類以上の樹脂を押出機等で混練する際には、均一に混合するため、相溶化剤が使用されることが多い。しかし、押出機に2種類以上の樹脂と相溶化剤を投入して混練した場合には、樹脂の組み合わせによっては均一に混練されない場合がある。そのような混練物から得られた成形体は、性質にバラツキが多く、所望の性質を有するものを得ることができない。
【特許文献1】特開2004−346148号公報
【特許文献2】特開2005−298774号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、2種以上の樹脂との相溶性が優れている樹脂添加剤用マスターバッチとその製造方法を提供することを課題とする。
【0004】
また本発明は、性質にばらつきがなく、所望の性質を付与することができる前記樹脂添加剤用マスターバッチを含有する熱可塑性樹脂組成物とそれから得られる成形体を提供することを他の課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、熱可塑性樹脂とマレイミド系モノマー単位を有する重合体を含有する、ポリアミド系樹脂を含む樹脂添加用マスターバッチを提供する。
【0006】
更に本発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂添加剤用マスターバッチの製造方法であり、熱可塑性樹脂とマレイミド系モノマー単位を有する重合体を溶融状態で混練する、ポリアミド系樹脂を含む樹脂添加剤用マスターバッチの製造方法を提供する。
【0007】
更に本発明は、基材となるポリアミド系樹脂を含む熱可塑性樹脂99〜50質量%と、請求項6で製造された樹脂添加剤用マスターバッチ1〜50質量%を含有する熱可塑性樹脂組成物を提供する。
【0008】
更に本発明は、請求項7又は8記載の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形体を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本発明のポリアミド系樹脂を含む樹脂添加剤用マスターバッチを用いることにより、2種以上の熱可塑性樹脂(ポリアミド系樹脂を含む)と前記樹脂添加剤用マスターバッチを混練することにより、2種以上の熱可塑性樹脂とそれらの相溶化剤を混練した場合と比べると、2種以上の熱可塑性樹脂をより均一に混練することができる。このため、混練後の樹脂組成物から得られる成形体に対して、バラツキの小さい、所望の物性を付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
<樹脂添加剤用マスターバッチとその製造方法>
熱可塑性樹脂としては、ポリアミド系樹脂のほか、アクリル酸塩系樹脂、セルロース系樹脂、ビニールアルコール系樹脂、ポリエーテル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂、液晶ポリマー、ポリフエニレンサルファイド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂から選ばれる1又は2以上を挙げることができ、これらの中でもスチレン系樹脂が好ましい。
【0011】
ポリアミド系樹脂としては、ナイロン66、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン6・10)、ポリヘキサメチレンドデカナミド(ナイロン6・12)、ポリドデカメチレンドデカナミド(ナイロン1212)、ポリメタキシリレンアジパミド(ナイロンMXD6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ナイロン46)及びこれらの混合物や共重合体;ナイロン6/66、6T成分が50モル%以下であるナイロン66/6T(6T:ポリヘキサメチレンテレフタラミド)、6I成分が50モル%以下であるナイロン66/6I(6I:ポリヘキサメチレンイソフタラミド)、ナイロン6T/6I/66、ナイロン6T/6I/610等の共重合体;ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロン6T)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロン6I)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)テレフタルアミド(ナイロンM5T)、ポリ(2−メチルペンタメチレン)イソフタルアミド(ナイロンM5I)、ナイロン6T/6I、ナイロン6T/M5T等の共重合体を挙げることができ、そのほかアモルファスナイロンのような共重合ナイロンでもよく、アモルファスナイロンとしてはテレフタル酸とトリメチルヘキサメチレンジアミンの重縮合物等を挙げることができる。
【0012】
更に、環状ラクタムの開環重合物、アミノカルボン酸の重縮合物及びこれらの成分からなる共重合体、具体的には、ナイロン6、ポリ−ω−ウンデカナミド(ナイロン11)、ポリ−ω−ドデカナミド(ナイロン12)等の脂肪族ポリアミド樹脂及びこれらの共重合体、ジアミン、ジカルボン酸とからなるポリアミドとの共重合体、具体的にはナイロン6T/6、ナイロン6T/11、ナイロン6T/12、ナイロン6T/6I/12、ナイロン6T/6I/610/12等及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0013】
ポリアミド系樹脂としては、上記の中でもPA(ナイロン)6、PA(ナイロン)66、PA(ナイロン)6/66が好ましい。
【0014】
スチレン系樹脂は、スチレン及びα置換、核置換スチレン等のスチレン誘導体の重合体を挙げることができる。また、これら単量体を主として、これらとアクリロニトリル、アクリル酸並びにメタクリル酸のようなビニル化合物及び/又はブタジエン、イソプレンのような共役ジエン化合物の単量体から構成される共重合体も含まれる。例えばポリスチレン、耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、スチレン−メタクリレート共重合体(MS樹脂)、スチレン−ブタジエン共重合体(SBS樹脂)等を挙げることができる。
【0015】
また、ポリスチレン系樹脂として、ポリアミド系樹脂との相溶性や反応性をあげるためのカルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体を含んでもよい。カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されているスチレン系共重合体は、ゴム質重合体の存在下に、カルボキシル基含有不飽和化合物及び必要に応じてこれらと共重合可能な他の単量体を重合してなる共重合体である。
【0016】
成分を具体的に例示すると、
1)カルボキシル基含有不飽和化合物を共重合したゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルモノマーを必須成分とする単量体あるいは芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を重合して得られたグラフト重合体、
2)ゴム質重合体の存在下に、芳香族ビニルとカルボキシル基含有不飽和化合物とを必須成分とする単量体を共重合して得られたグラフト共重合体、
3)カルボキシル基含有不飽和化合物が共重合されていないゴム強化スチレン系樹脂とカルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須成分とする単量体の共重合体との混合物、
4)上記1)、2)とカルボキシル基含有不飽和化合物と芳香族ビニルとを必須とする共重合体との混合物、
5)上記1)〜4)と芳香族ビニルを必須成分とする共重合体との混合物がある。
【0017】
上記1)〜5)において、芳香族ビニルとしてはスチレンが好ましく、また芳香族ビニルと共重合する単量体としてはアクリロニトリルが好ましい。カルボキシル基含有不飽和化合物は、スチレン系樹脂中、好ましくは0.1〜8質量%であり、より好ましくは0.2〜7質量%である。
【0018】
マレイミド系モノマー単位を有する重合体は、マレイミド系モノマー単位の重合体でもよいし、マレイミド系モノマー単位と他のモノマー単位との共重合体でもよい。
【0019】
マレイミド系モノマー単位となるマレイミド系モノマーは、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミドから選ばれる1又は2以上のものが好ましい。
【0020】
他のモノマー単位となるモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルケトン、t−ブチルスチレン等の芳香族ビニル系化合物、無水マレイン酸、無水メチルマレイン酸、無水1,2−ジメチルマレイン酸、無水エチルマレイン酸、無水フェニルマレイン等の不飽和ジカルボン酸無水物等を挙げることができる。
【0021】
マレイミド系モノマー単位を有する重合体は、マレイミド系モノマー、芳香族ビニルモノマー、不飽和ジカルボン酸無水物モノマーからなる共重合体が好ましい。この3種のモノマーを組み合わせる場合には、下記の割合であることが好ましい。
【0022】
マレイミド系モノマー単位の割合は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%、更に好ましくは40〜55質量%であり;芳香族ビニル系モノマー単位の割合は、好ましくは10〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%、更に好ましくは40〜55質量%であり;不飽和ジカルボン酸無水物モノマー単位の割合は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%、更に好ましくは0.5〜3質量%である。不飽和ジカルボン酸無水物モノマー単位の割合が10質量%以下であると流動性が良くなり、0.1質量%以上であると耐衝撃強度が高くなる。
【0023】
樹脂添加剤用マスターバッチ中における熱可塑性樹脂とマレイミド系モノマー単位を有する重合体の割合は、
熱可塑性樹脂は95〜10質量%が好ましく、より好ましくは80〜20質量%、更に好ましくは70〜30質量%であり、
マレイミド系モノマー単位を有する重合体は5〜90質量%が好ましく、より好ましくは20〜80質量%、更に好ましくは30〜70質量%である。
【0024】
本発明の樹脂添加剤用マスターバッチは、公知の一軸又は二軸押出機を用いて、所定量の熱可塑性樹脂とマレイミド系モノマー単位を有する重合体を溶融状態で混練して得ることができる。本発明の樹脂添加剤用マスターバッチの形態は特に制限されないが、取り扱い性が良いため、ペレット状にすることが好ましい。
【0025】
本発明の樹脂添加剤用マスターバッチは、熱可塑性樹脂との相溶性が良く、2以上の熱可塑性樹脂と共に混練した場合、それらに対する相溶化剤として作用するものである。
【0026】
<熱可塑性樹脂組成物とそれから得られる成形体>
本発明の組成物において基材となる熱可塑性樹脂としては、樹脂添加剤用マスターバッチで挙げたものと同じものを用いることができるが、ポリアミド系樹脂とスチレン系樹脂が好ましい。
【0027】
基材となる熱可塑性樹脂は、2以上の樹脂の組み合わせにすることができ、その場合には、2以上の熱可塑性樹脂の1つが樹脂添加剤用マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂と同じであることが好ましい。
【0028】
組成物中における基材となる熱可塑性樹脂と樹脂添加剤用マスターバッチの割合は、
熱可塑性樹脂は99〜50質量%が好ましく、より好ましくは95〜60質量%、更に好ましくは90〜70質量%であり、
樹脂添加剤用マスターバッチは1〜50質量%が好ましく、より好ましくは5〜40質量%、更に好ましくは10〜30質量%である。
【0029】
本発明の組成物は、求められる性質、用途等に応じて必要な他の成分を配合することができる。例えば、機械的強度を高める観点からは、各種無機充填材又は有機充填材を配合することができ、耐光性や耐熱性を高める観点からは、紫外線吸収剤、熱安定剤を配合することができる。
【0030】
本発明の組成物は、公知の一軸又は二軸押出機を用いて、所定量の熱可塑性樹脂と樹脂添加剤用マスターバッチを溶融状態で混練して得ることができる。本発明の組成物は、2種以上の樹脂に対して相溶化剤として作用する樹脂添加剤用マスターバッチを含んでいるため、2種以上の樹脂は均一に混練されている。
【0031】
本発明の成形体は、本発明の組成物に対して公知の射出成形法等の樹脂成形法を適用することで、得ることができる。
【0032】
本発明の成形体は、例えば、2種の熱可塑性樹脂(ポリアミドとABS樹脂)を含む組成物から得られた場合、マトリックス(海)となる樹脂相(ポリアミド相)と、島となる樹脂相(ABS樹脂相)との界面に樹脂添加剤用マスターバッチに含有されたマレイミド系モノマー単位を有する重合体が存在しているものと考えられ、更に海となる樹脂相(ポリアミド相)中にマレイミド系モノマー単位を有する重合体が微分散された構造をしている。このため、本発明にてめっきに使用する樹脂成形体は、2種以上の熱可塑性樹脂を含む組成物から得られた場合でも、成形体が均質であり、性質のバラツキがない。
【実施例】
【0033】
実施例及び比較例で使用した各成分と測定方法の詳細は、以下のとおりである。
【0034】
(熱可塑性樹脂)
PA−1:標準ポリアミド(ポリアミド6,宇部興産株式会社製,UBEナイロン6 1013B,吸水率1.8% 230℃1kgでのメルトフローインデックス:17)
PA−2:高流動ポリアミド(ポリアミド6,宇部興産株式会社製,UBEナイロン6 1011FB,吸水率1.8%,230℃1kgでのメルトフローインデックス:50)
PS−1:ABS樹脂(スチレン量45質量%、アクリロニトリル15質量%、ゴム量40質量%)
PS−2:標準AS樹脂(スチレン量75質量%、アクリロニトリル25質量%,220℃10kgでのメルトフローインデックス:30)
PS−3:高流動AS樹脂(スチレン量75質量%、アクリロニトリル25質量%,220℃10kgでのメルトフローインデックス:60)
(マレイミド系モノマー単位を有する重合体)
スチレン−Nフェニルマレイミド−無水マレイン酸共重合体(スチレン47質量%、Nフェニルマレイミド51質量%、無水マレイン酸が2質量%,重量平均分子量が14万5千,265℃10kgでのメルトフローインデックス:2)。
【0035】
(測定方法)
シャルピー衝撃強度:ISO179に準拠して測定。
【0036】
実施例1〜8(樹脂添加用マスターバッチの製造)
表1記載の各成分をV型タンブラーで混合後、二軸押出機(日本製鋼製,TEX30,シリンダー温度230℃、回転数350rpm、吐出量30kg/hr)にて溶融混練し、実施例1〜8のマスターバッチペレットを得た。
【0037】
【表1】

【0038】
実施例9〜16(熱可塑性樹脂組成物)
実施例9〜16は、表2に示す熱可塑性樹脂と実施例1〜4で得られた樹脂添加用マスターバッチのペレットをV型タンブラーで混合後、二軸押出機(日本製鋼製,TEX30,シリンダー温度230℃、回転数350rpm、吐出量30kg/hr)にて溶融混練し、本発明の組成物のペレットを得た。
【0039】
比較例1〜8は、表2に示す熱可塑性樹脂とマレイミド系モノマー単位を有する重合体をV型タンブラーで混合後、二軸押出機(日本製鋼製,TEX30,シリンダー温度230℃、回転数350rpm、吐出量30kg/hr)にて溶融混練し、比較用組成物のペレットを得た。
【0040】
次に、実施例9〜16と比較例1〜8の各組成物を用い、射出成形機(シリンダー温度240℃、金型温度60℃)により射出成形して、ISOダンベル成形品を作製した。得られた成形品について、シャルピー強度を測定した。結果を表2に示す。
【0041】
また、実施例9の組成物から得られた成形品(前記と同様に作製した射出成形品)の透過型電子顕微鏡写真(上)とそれを説明するための概念図(下)(図1)と比較例1の組成物から得られた成形体の透過型電子顕微鏡写真(上)とそれを説明するための概念図(下)(図2)を示す。
【0042】
図1から明らかなとおり、実施例1の組成物から得られた成形体1は、PA相(海)2にABS相(島)3が分散され、PA相2中にマレイミド系モノマー単位を有する重合体4bが微分散された構造をしている。なお、図1の透過型電子顕微鏡写真からは明確ではないが、PA相中にABS相が分散されているとの事実から、図示したとおり、PA相2とABS相3の界面に樹脂添加剤用マスターバッチに含有されたマレイミド系モノマー単位を有する重合体4aが存在しているものと考えられる。
【0043】
図2から明らかなとおり、比較例1の組成物から得られた成形品11は、PA相(海)12にABS相(島)13が分散され、PA相12とABS相13の界面に樹脂添加剤用マスターバッチに含有されたマレイミド系モノマー単位を有する重合体14aが存在しており、更にABS相13中にマレイミド系モノマー単位を有する重合体4bが含有された構造をしている。
【0044】
なお、透過型電子顕微鏡写真は、次の方法により撮影した。射出成形品サンプル(厚み2mmの名刺サイズ)の表面近傍から、ミクロトームを用い、約200nmの超薄切片を切り出した後、リンタングステン酸にて、80℃、1時間の条件で染色を実施した。この染色後のサンプルを用い、透過型電子顕微鏡観察及び写真撮影を実施した。
【0045】
【表2】

【0046】
表2から明らかなとおり、実施例9〜16の熱可塑性樹脂と樹脂添加用マスターバッチから得られた組成物と、比較例1〜8の熱可塑性樹脂と相溶化剤から得られた組成物とを比べると、得られた成形体には顕著な差が認められた。これらの結果は、樹脂添加用マスターバッチを用いることにより、2種類の熱可塑性樹脂の混練性が向上されたことを示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】実施例9の組成物から得られた成形品の透過型電子顕微鏡写真。
【図2】比較例1の組成物から得られた成形品の透過型電子顕微鏡写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂とマレイミド系モノマー単位を有する重合体を含有する、ポリアミド樹脂を含む樹脂添加用マスターバッチ。
【請求項2】
前記マレイミド系モノマー単位が、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−トルイルマレイミド、N−キシリールマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−オルトクロルフェニルマレイミド、N−オルトメトキシフェニルマレイミドから選ばれるものに由来するものである、請求項1記載のポリアミド樹脂を含む樹脂添加用マスターバッチ。
【請求項3】
前記マレイミド系モノマー単位を有する重合体が、マレイミド系モノマー、芳香族ビニルモノマー、不飽和ジカルボン酸無水物モノマーからなる共重合体である、請求項1又は2記載のポリアミド樹脂を含む樹脂添加剤用マスターバッチ。
【請求項4】
前記熱可塑性樹脂95〜10質量%と、前記マレイミド系モノマー単位を有する重合体5〜90質量%を含有する、請求項1〜3のいずれかに記載のポリアミド樹脂を含む樹脂添加剤用マスターバッチ。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂がポリアミド系樹脂及びスチレン系樹脂から選ばれる1又は2以上のものである、請求項1〜4のいずれかに記載のポリアミド樹脂を含む樹脂添加剤用マスターバッチ。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂添加剤用マスターバッチの製造方法であり、熱可塑性樹脂とマレイミド系モノマー単位を有する重合体を溶融状態で混練する、ポリアミド樹脂を含む樹脂添加剤用マスターバッチの製造方法。
【請求項7】
基材となるポリアミド系樹脂を含む熱可塑性樹脂99〜50質量%と、請求項6で製造された樹脂添加剤用マスターバッチ1〜50質量%を含有する熱可塑性樹脂組成物。
【請求項8】
前記基材となるポリアミド系樹脂を含む熱可塑性樹脂が2種以上の樹脂の組み合わせであり、前記樹脂添加剤用マスターバッチに含まれる熱可塑性樹脂が前記基材となる樹脂の内の1つである、請求項7記載の熱可塑性樹脂組成物。
【請求項9】
請求項7又は8記載の熱可塑性樹脂組成物から得られる成形体。




【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−247983(P2008−247983A)
【公開日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−88166(P2007−88166)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(501041528)ダイセルポリマー株式会社 (144)
【Fターム(参考)】